JP4302574B2 - バニシング加工方法とその加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属表面の仕上げ加工に属するバニシング加工方法およびその装置に関する。詳しくはバニシング工具が自由曲面の加工点における加工中の法線押付け力を許容範囲内に抑えて加工するバニシング加工方法およびその装置に関する。
樹脂成形金型は自由曲面の形状のものが多く、形状精度・面粗度共に高い精度を要求される。このため、金型の製造にかかる工数は大きく、コスト・短納期の両面から製造工数の削減の要求が強い。金型の加工は、マシニングセンタなどの数値制御された工作機械でボールエンドミルなどを用いるミーリング加工など機械加工による工程と、手作業による仕上げの工程に分けることができる。手作業は、形状精度の修正や必要な面粗度確保のための磨きがある。近年の工作機械の高精度化や機上での計測技術などにより、形状修正の手作業時間は短くなってきている。また、機械精度、工具の性能の向上により磨き時間の短縮化も行われている。ごく最近では、アルミニウムを単結晶ダイヤモンドの刃先を持ったボールエンドミルで加工することにより自由曲面の鏡面加工が実現している。
一方、旋盤などの筒状のワークの加工において、研削レス化を目的とし面粗度を旋削加工よりも良いものとするための加工方法として、バニシング加工法がある。一般に旋削仕上げされたワーク表面は、回転当たりの送りピッチに一致する波形が見られる。
例えば特開平2−41870号公報に記載されているような工具を用い、旋削工具の刃先Rより充分大きな半径の球やコロをワーク表面に押し当て、回転当たりの送りピッチに一致する波形の高い部分あるいは、表面全てを塑性変形させて面を滑らかに加工する加工方法である。〔例えば特許文献1参照〕
バニシング加工は、研削加工などの除去加工にくらべ加工表面に大きな圧縮応力が付与されることからワーク表面が加工硬化し疲労強度や耐摩耗性が良くなるなどの特徴もある。バニシング加工がマシニングセンタでの加工に適用される場合もあるが、平面や円筒内面などへの適用が多い。バニシング加工が旋削加工に適用されるものにバニシング工具の撓みを検出しバニシング工具の接触位置のずれを補正するバニシング加工技術がある。
しかし、旋盤で要求される自由曲面はマシニングセンタにおいて要求される自由曲面とは異なり比較的単純な形状が多い。〔例えば特許文献2参照〕
特開平2−41870号 特開2003−39315号
従来技術で述べたように、切削加工面が円筒面や平面のように比較的単純な形状の場合には鏡面仕上げも容易であったが樹脂成形金型のように加工面が自由曲面で起伏が激しい場合には従来からバニシング加工の適用には制約が多いという問題があった。
特開2003−39315号公報のバニシング加工技術はバニシング工具の撓みを検出してバニシング工具の接触位置のずれを補正するものであり旋削加工に適用されるものであり起伏の多い自由曲面には適用しても効果が充分でないという問題を有する。
また、特開平2−41870号公報ではシリンダの圧力により押付け力を発生させているが接触角度が90度から大きくずれると加工面への押付け力が変化してしまう問題を有している。
また、金型では形状精度、面粗度共に高品質が要求される。そのため、バニシング工具の押付け力が過大になると被加工物表面から工具への金属片の付着が発生し面を毟れさせ、押付け力が弱いと前加工の凹部が残って面粗度が向上しないという問題があった。
また、マシニングセンタなどで、自由曲面にバニシング加工を行う場合、前加工された自由曲面に対し数μm〜数十μmの深さでバニシング工具の表面がワーク内部へ押し付けられるようCAMにて再度プログラムが作成される。プログラムを単純に主軸軸線のZ方向にオフセットする場合にはワーク表面の傾斜角により押付け量が変化し法線方向の押付け力を一定値に保つことができないという問題を生じている。
本発明は従来技術の有するこのような問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、バニシング加工する時に自由曲面に加える法線押付け力を一定に保つことにある。そのため前加工したワークの自由曲面に押し付けたときバニシング工具に生ずる反力で生ずる歪みを検知する検出ユニットをバニシング工具に固設する。バニシング加工時の3軸方向の歪み成分から3軸方向の押付け力に変換演算し、この3軸分力から法線押付け力を算出する。自由曲面に対する設定法線押付け力を予め定めた基準に従い入力しておき、算出した法線押付け力と予め入力した設定法線押付け力を比較してバニシング工具の位置を制御しつつ、その差が許容値以下になるよう補正押付け量を機械駆動系の3軸の制御量に変換して機械系を制御し、一定の法線押付け力でバニシング加工ができる加工方法とその装置の提供である。
なお、バニシング加工時の押付け力の法線方向を決定するのに自由曲面のCAMデータから導出することが可能である。この他、主軸のC軸制御機能またはC軸の回転角検出機能を活用して、バニシング加工できる自由曲面の傾斜角を広げる装置も提案する。
上記目的を達成するために請求項1に記載のバニシング加工方法は、加工点が自由曲面の加工軌跡を移動する加工工具または被加工物が位置決め可能な数値制御工作機械により前記自由曲面をバニシング加工する方法であって、バニシング工具の加工点で力センサの直交3軸の検出3分力から工具の実際の法線方向押付け力を演算して求め、前記法線方向押付け力と予め定めた設定法線押付け力との差を加工点の法線方向押付け力の補正押付け量として求め、前記補正押付け量を工作機械の座標系データに変換し、前記座標データを数値制御工作機械の数値制御装置に入力して演算し、加工点に対し前記バニシング工具の位置を制御することにより押付け力を発生させて自由曲面上の加工軌跡をバニシング加工するものである。
請求項1の発明によれば、バニシング工具に加わる工具押付け時の反力を求めて、その分力から自由曲面の加工点の法線方向の押付け力を演算により求め、この押付け力が予め定めた設定法線押付け力となるよう制御する。加工点に加わる法線押付け力を許容値内にすることにより自由曲面に毟れや面粗度の低下を生じない様にするバニシング加工方法である。
尚、バニシング工具に加わる押付け力は、バニシング工具の取り付け部分に直交3軸方向各々の力を検出するセンサを設けることにより、このセンサより押付け力の分力が得られるので、この分力から算出することができる。
即ち、バニシング球に加わる反力即ち、押付け力の直交3軸方向の分力から作用点の法線方向と押付け力を演算し、それらの合力が法線方向の実際の押付け力として演算することができる。この法線方向押付け力を予め定めた設定法線押付け力との差を求め補正押付け量として求める。
力センサはバニシング工具に加わる押付け力の反力による工具本体の変形を検知するもので、例えばストレインゲージでブリッジを構成するようにして工具本体の外周面に固装して変形を検知する検出器を指している。
ここで、センサユニットの3軸方向の歪を電圧の変化量で検出し、3軸方向の応力に変換して求めた押付け力から更に演算して求めた法線押付け力と予めプログラム上で設定する設定法線押付け力とは区別している。
また、予め設定する法線押付け力とは、自由曲面上に存在する前加工の切削目を押しつぶして塑性変形させ平滑な表面を得ることができる程度の法線押付け力をいい、基材の硬度や前加工の切削目の深さや形状により決定しておくことができる。
補正押付け量は、計測し演算した法線押付け力と設定法線押付け力との差から演算される値であって、この補正押付け量によりバニシング工具の加工軌跡を変更して設定押付け力となるよう制御しながらバニシング加工をする加工方法である。
また、請求項2に記載のバニシング加工装置は、加工点が自由曲面の加工軌跡を移動する加工工具または被加工物が位置決め可能な数値制御工作機械において前記自由曲面をバニシング加工するための装置であって、
バニシング工具と、該バニシング工具の取付部分に取着されこの工具に働く工具押付け力を直交する3軸方向で検知可能に設けられたセンサユニットと、 該センサユニットの出力から求めた前記自由曲面上の加工点のバニシング工具に加わる3軸分力演算手段と、該3軸分力演算手段の出力から法線方向の押付け力を求める法線押付け力演算手段と、求められた法線方向押付け力と予め定めた設定法線押付け力との差を押付け力の補正押付け量として演算し押付け力の前記3軸分力演算手段から得られた3分力の合成ベクトルと方向が一致するよう補正押付け力を分解し各軸方向の補正押付け力を得る各軸方向の補正押付け力演算手段と、前記各軸補正押付け力とバニシング工具の剛性・機械構造体の剛性を用いて各軸の補正量を演算する各軸方向の補正量演算手段と、バニシングプログラムの加工データに前記各軸方向の補正量を補正する加工プログラム補正出力手段とを含んでなり、
この補正した加工プログラムの出力を3軸方向の移動部材の駆動部に入力して前記自由曲面の法線方向にバニシング工具を位置決めし法線押付け力を設定押付け力に近づけるようにするものである。
請求項2の発明によれば、3軸方向例えばX,Y,Z軸方向で移動位置決め可能なバニシング工具のバニシング球を金型の自由曲面上に押し付けてバニシング加工する装置において、自由曲面の加工点におけるバニシング球の法線方向押付け力が、設定法線押付け力でバニシング加工できるように法線押付け力の計測と演算を容易にするものである。
バニシング工具の変形は、3軸上の工具押付け力の反力として検出される。この数値から加工点の法線方向の押付け力を演算で求める。演算で求めた法線押付け力と、加工面に適合する設定法線押付け力とを比較する。この差から補正押付け量を演算し、補正押付け量を3軸成分に変換し機械駆動部制御系に入力してバニシング工具の位置を補正して法線押付け力を適正範囲に保ち面粗度向上の効果を得ようとするものである。
また、請求項3に記載のバニシング加工装置は、加工点が自由曲面の加工軌跡を移動する加工工具を位置決め可能で回転角度を制御可能な主軸を有する数値制御工作機械において前記自由曲面をバニシング加工するための装置であって、
前記主軸に装着される工具本体部とバニシング加工用の球を支えるバックアップ軸部とをくの字状または湾曲状部分で繋いで一体に形成し前記球の中心を前記主軸の軸線上にあるように設けたバニシング工具と、
該バニシング工具の取付部分に取着されこの工具に働く工具押付け力を直交するX・Y・Z軸の3軸方向で検知可能に設けられたセンサユニットと、該センサユニットの出力から求めた前記自由曲面上の加工点のバニシング工具に加わる3軸分力演算手段と、
前記自由曲面の加工点における主軸に直交する平面内において、主軸軸線のZ軸方向以外の直交する前記X・Y軸の2分力の合力の方向と、バニシング加工用の球を支える主軸軸線と交叉し且くの字状または湾曲形状部分の軸線を含む方向とが一致するように主軸を回転制御する主軸制御手段と、
前記主軸を回転制御して得たX・Y軸成分の合成ベクトル成分と主軸軸線のZ軸方向の分力とから法線方向の押付け力を求める法線押付け力演算手段と、求めた法線押付け力と加工プログラム上の設定法線押付け力との差を押付け力の補正押付け量として演算し押付け力の前記3軸分力演算手段から得られた3分力の合成ベクトルと方向が一致するよう補正押付け力を分解し各軸方向の補正押付け力を得る各軸方向の補正押付け力演算手段と、前記各軸補正押付け力とバニシング工具の剛性・機械構造体の剛性を用いて各軸の補正量を演算する各軸方向の補正量演算手段と、バニシングプログラムの加工データに前記各軸方向の補正量を補正する加工プログラム補正出力手段とを含んでなり、
この補正した加工プログラムの出力を3軸方向の移動部材の駆動部に入力して被加工物とバニシング工具の干渉を避けて傾斜角の大きな自由曲面の加工を可能としたものである。
請求項3の発明によれば、本発明では、回転角度が制御可能な主軸バニシング加工装置である。またバニシング工具を棒状でなく、傾斜角の大きい自由曲面にも障害なく当接できるような形状に剛球支持部を形成して、先端にバニシング球を設けてバックアップ軸を形成している。検出ユニットでは工具の押付け力を3軸の分力で検出するが主軸に直交する平面内において、主軸と直交する2分力の合力の方向とバニシング加工用の球を支える方向とが一致するように主軸を回転制御して押付け力を検出している。バニシング軸のバックアップ軸部を傾けて形成してバニシング球を自由曲面の加工点に当てバニシング加工するため、自由曲面の傾斜角が大きくなっても、請求項1のようにバニシング球のバックアップ軸が主軸軸線と一致する構造に比べ、複雑な自由曲面のバニシング加工が可能となる。
また、請求項4に記載のバニシング加工装置は、加工点が自由曲面の加工軌跡を移動する加工工具を位置決め可能で回転自在に設定された主軸を有する数値制御工作機械において前記自由曲面をバニシング加工するための装置であって、
前記主軸に装着される工具本体部とバニシング加工用の球を支えるバックアップ軸部とをくの字状または湾曲状部分で繋いで一体に形成し前記球の中心を前記主軸の軸線Z軸に対しオフセットするように設けられたバニシング工具と、
該バニシング工具の取付部分に取着されこの工具に働く工具押付け力を少なくとも主軸回転軸方向の力とバニシング加工用の球が主軸回転中心からオフセットした方向のX・Y軸の2軸方向または直交するX・Y・Z軸の3軸方向で検知可能に設けられたセンサユニットと、
バニシング加工中にバニシング球に加わる主軸回転中心と直交するX・Y軸方向の押付け力の内主軸軸線とオフセット半径Rを含む平面に直角な成分が正対し平衡状態になる時の主軸の回転角度を読み取り可能な回転角読取手段と、
前記2軸または3軸方向の分力と前記回転角度とから法線押付け力を求める法線押付け力演算手段と、求めた法線押付け力と加工プログラム上の設定法線押付け力との差を補正押付け量として演算し押付け力の前記3軸分力演算手段から得られた3分力の合成ベクトルと方向が一致するよう補正押付け力を分解し各軸方向の補正押付け力を得る各軸方向の補正押付け力演算手段と、前記各軸補正押付け力とバニシング工具の剛性・機械構造体の剛性を用いて各軸の補正量を演算する各軸方向の補正量演算手段と、バニシングプログラムの加工データに前記各軸方向の補正量を補正する加工プログラム補正出力手段とを含んでなり、この補正した加工プログラムの出力を3軸方向の移動部材の駆動部に入力して主軸軸線からオフセットしたバニシング球が自由曲面の傾きにならい旋回を自在にすることにしたのでバニシング球を保持するバニシング工具本体が被加工物との干渉を避けるための主軸回転制御を不要になったものである。
請求項4の発明によれば、バニシング工具を装着した主軸は、バニシング球から加えられる反力により旋回自在な状態で支承されている。また、バックアップ軸部が傾斜角の大きい自由曲面にも障害なく当接できるような形状に剛球支持部が形成され、かつバニシング球が主軸軸線からオフセットして設けられている。そのため、バニシング球が自由曲面上を移動するとき、加工点における傾斜面の勾配に倣ってバニシング工具の工具本体が主軸軸心回りに旋回し、オフセット方向以外の分力が相殺される時にX,Y軸方向の分力がバランスし、主軸の旋回角θを検出することができる。
従って、主軸軸線方向分力と、θが加工点の法線方向を示すことになるので、分力fx,fyとを用い、主軸軸線からバニシング球の中心のオフセット方向の工具押付け力を演算するだけで良く制御が単純となる利点がある。
本発明は上述の手段により前記課題を解決するようにした結果、次に記載する効果を奏する。
請求項1の発明は、金型の自由曲面上の加工点に法線方向に加えるバニシング工具の押付け力を設定値内になるよう移動部材を制御しバニシング加工する加工法であり、機械の熱変形や曲面の勾配の急変などに起因するバニシング力の変化を補償してバニシング加工する。
本発明によるバニシング加工方法によれば、バニシング加工圧力を制御しないバニシング加工に比べ均一の面粗度となり、ミガキ時間を大幅に削減できる効果を有する。
さらに、加工表面の残留圧縮応力も均一となり金型表面の疲労強度も均一となり長寿命化が期待できる。
請求項2の発明は、請求項1のバニシング加工の方法を具現する装置である。バニシング球が自由曲面上を押圧しながら前加工の終わった加工面上をバニシング加工プログラムに従い移動するときに、連続的にX,Y,Z軸方向について計測した押付け力から法線押付け力を演算し、算出した法線押付け力を加工プログラム上の設定法線押付け力になるようにバニシング球の位置を制御する。そのため、本発明の方法を用いることでバニシング加工表面が均一に平滑な面に仕上ることができ、従来のように手作業によるミガキ時間を大幅に短縮あるいは削除できる。また、法線押付け力を金型表面に加えることにより金型表面に残留圧縮が付与されるため疲労強度が向上するなどの効果も有する。
請求項3の発明は、バニシング工具の形状を傾斜角の大きな自由曲面に当接できるように形成し、バニシング球が自由曲面の傾斜面上でX,Y軸の合力の方向と、バニシング加工用の球を支える方向とが、主軸回転中心の軸に直交する平面内において一致するように主軸を回転制御してバニシング工具の姿勢を制御するので、補正押付け量の演算と制御が容易となる効果に加えバニシング加工が可能な加工面との接触角度の範囲が広くなるという効果を有する。
請求項4の発明は、バニシング工具の形状をくの字状に形成し、バニシング球を主軸軸線からオフセットした位置に設定し、かつ主軸を回転自在にして回転角の検出可能としバニシング加工を行う結果、バニシング球が自由曲面の傾斜加工面で、バニシング球が主軸軸心を中心として自在に旋回して、主軸と直交する例えばX,Y軸平面に投影した自由曲面の法線ベクトルとバニシング球の押付け方向とが一致しているので、この時に検知した主軸の回転角θと3軸方向の分力を用い容易に法線押付け力が演算できるので、加工可能な傾斜面の角度の範囲が広がり、かつ制御系の構成が簡単化できる効果を有する。
以下に本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は主軸軸線上に金型Wの自由曲面7に当接するバニシング球が設けられた検出ユニット付バニシング工具の工具ホルダへの装着図、図2は本発明のバニシング加工方法のフローチャート、図3は図2で示すバニシング加工方法を具現するバニシング加工装置のブロック線図である。
図1において、バニシング工具1は主軸に装着される工具ホルダ2に嵌装されている。バニシング工具1は工具本体3A、この先端の窪みに嵌着しワークの切削面に当接するバニシング球4、工具本体3Aを装着する工具ホルダ2のフランジ下方に工具本体3Aの軸外周部に力センサ6が固装されたセンサユニット5とで構成されている。
図2に示すフローチャートによりバニシング加工方法について以下説明する。本加工方法は切削加工の終わった金型の自由曲面に対し法線方向の押付け力を一定にするバニシング加工方法である。ステップS1において、バニシング加工用のプログラムを数値制御装置に入力する。続いてステップS2において基準となる設定法線押付け力Fnoとバニシング工具の剛性を含めた機械構造体の剛性Kx,Ky,Kzを入力する。ステップS3において、バニシング加工のプログラムに従った加工作業を開始する。ステップS4において、バニシング球4が金型Wの自由曲面7上の加工点に当接し加圧を開始し、同時にセンサユニット5がX,Y,Z軸の3軸方向押付け力を検知する。ステップS5において、検知した押付け力の要素fx,fy,fzから法線押付け力Fnxを演算する。
ステップS6において、算出した法線押付け力Fnxと設定法線押付け力Fnoとの差から押付け力の補正量Δfnを求め、ステップS4で得たfx、fy、fzの3分力の合成ベクトルと方向が一致するように押付け力の補正量を分解し、各軸方向の補正押付け力Δfx、Δfy、Δfzを得る。ステップS7において,ステップS6で得た各軸方向の補正押付け力とバニシング工具1の剛性を含めた機械構造体の各軸方向の剛性Kx、Ky、Kzを用いて各軸方向の補正量Δnx、Δny、Δnzを演算する.ステップS8においてバニシング加工軌跡のプログラムに次の指令がないときは加工を終了し,加工指令があるときはステップS9に移行し、ステップ7で得た各軸方向の補正量を修正しステップS3にもどり、引き続きバニシング加工力を監視しながら加工を続行するバニシング加工方法である。
本発明に係るバニシング加工方法を実施できる加工機械は、少なくとも3軸以上の数値制御装置付の工作機械である。ここでは3軸制御の場合について説明する。
図3は、バニシング加工装置のブロック線図である。図3において、バニシング加工装置は、数値制御装置20、バニシング加工に関するプログラムや管理データを入力できる入力部21、バニシング工具1、センサユニット5、バニシング加工データおよび補正データで3軸制御される機械駆動手段22、および押付け力の3軸分力演算手段23、法線方向の押付け力と補正量に関する補正量演算部24で構成されている。ここで管理データには、バニシング加工軌跡用加工プログラム、設定法線押付け力Fnoおよびバニシング工具1の剛性も含めた機械構造体の各軸方向の剛性Kx,Ky,Kzを含んでいる。
補正量演算部24は、ストレンゲージ等の歪みで応力を検出するセンサユニット5で検知した自由曲面上の加工点におけるX軸,Y軸,Z軸の3軸方向の歪みを電圧変化量として検知し、無線若しくは有線で受信しこれを押付け力に変換する3分力演算手段の出力を受ける。演算した押付け力の分力から自由曲面上の法線方向の押付け力を算出する法線押付け力Fnx演算手段25、この法線押付け力Fnxと入力部に先に入力した設定法線押付け力Fnoとの差から押付け力の補正量を演算し,押付け力の3軸分力演算手段23より得られたfx、fy、fzの3分力の合成ベクトルと方向が一致するように押付け力の補正量を分解し、各軸方向の補正押付け力Δfx、Δfy、Δfzを得る各軸方向の補正押付け力演算手段26,各軸方向の補正押付け力とバニシング工具1の剛性を含めた機械構造体の各軸方向の剛性Kx、Ky、Kzを用いて各軸方向の補正量Δnx、Δny、Δnzを演算する各軸方向の補正量演算手段27、数値制御装置に入力されているバニシングプログラムの加工データに各軸方向の補正量を修正する加工プログラム補正手段28からなり最終出力はX,Y,Z軸方向の移動部材の駆動部22に入力され3軸を制御する。
次に歪みを検知して押付け力を測定する力センサ6は、公知の技術であるひずみゲージを利用した方法や、キスラー社製3分力動力計のようにな圧電素子を利用した電力計を使用することができる。
図1に示すバニシング加工装置におけるバニシング工具1、力センサ6が固装され三軸の歪信号を出力するセンサユニット5、各軸方向の押付け力演算手段26,各軸方向の補正量演算手段27、バニシング工具1の3軸方向移動量を補正する加工プログラム補正出力手段28について説明する。予め、ボールエンドミルなどで加工された自由曲面7に、バニシング工具1の先端の窪みに回転可能に嵌装されたバニシング球4を押付け、マシニングセンタ等の主軸またはテーブルの位置とバニシング球4とを相対移動させて自由曲面7のバニシング加工を行う。
3軸分力演算手段23では、力センサ6がバニシング加工時のX,Y,Z各軸に関する3軸方向の歪を検知し、その歪からバニシング工具の物性と形状から定まる特性値にもとづき歪を3軸方向の分力に変換するよう演算し、当接する球4が加工面に加える3軸方向の押付け力が算出される。
自由曲面7上を移動するバニシング球4が自由曲面7を押圧し圧縮変形させる力は法線方向の押付け力である。従って3軸方向の押付け力fx,fy,fzから法線押付け力Fnxを算出し、このFnxが設定法線押付け力Fnoとなるように制御して均整なバニシング加工面を形成するものである。
即ち、加工反力のベクトルの方向を、加工ポイントの自由曲面の法線ベクトルとし、ベクトルの絶対値がプログラム中に指示した設定法線押付け荷重となるよう、現在の指令値から法線ベクトル方向へ補正を行う。設定法線押付け力と測定より得られた加工時の押付け力つまり反力との差に対する補正押付け量はバニシング工具,主軸,機械およびワーク等の剛性、バニシング球4の直径およびバニシング球4やワークの材質によって演算される。
つまり,各軸方向の補正量Δnx,Δny,Δnzは各軸方向の補正押付け力演算手段26より得た各軸方向の補正押付け力Δfx、Δfy、Δfzとバニシング工具1の剛性を含めた機械構造体の各軸方向の剛性Kx,Ky,Kzを用い次式で算出される。
Δnx=Δfx/Kx ────(式1)
Δny=Δfy/Ky ────(式2)
Δnz=Δfz/Kz ────(式3)
また、各軸方向の補正量と各軸方向の補正押付け力の関係を示すデータテーブルを用意しておき、テーブルから補正量を選択して決定することもできる。金型の自由曲面を加工した際のボールエンドミルでの仕上げ加工用加工プログラムと同じものをバニシング加工用の加工プログラムとして利用することができる。実施例1に示す加工方法と加工装置では、回転主軸に力センサ6を固設したバニシング工具1によりバニシング加工する場合を示した。しかし、力センサ6を固設したバニシング工具1をハウジングに固定しバニジング加工しようとする自由曲面を有するワーク側を移動位置決めして実施することも可能である。定法線押付け力Fnoはこれまで一定として記述してきた。バニシング加工中の接触部における接触面内での応力は、一般に知られているヘルツ接触の状態となっており、最大接触応力および平均接触応力は比較的簡単に算出可能である.押付け力が一定の場合、自由曲面の曲率半径により最大接触応力、平均接触応力は異なるため,曲率が大きく変化する場合には押付け力を変化させ最大あるいは平均接触応力が一定となるように設定法線押付け力Fnoを変化させることも可能である。たとえば、バニシング加工プログラムに自由曲面の曲率のデータを持たせ、曲率データと予め設定する設定最大接触応力から設定法線押付け力Fnoを演算あるいはデータテーブルを用いて補正量を決定することも可能である
実施例2は、バニシング工具10に固設したセンサユニット5の出力をX,Y,Z軸方向の押付け力の3分力fx,fy,fzに変換・演算し、バニシング球4の中心が主軸軸線上にあってバニシング球4を保持する工具本体3Bの軸部が、くの字状若しくは湾曲形状に形成されたバニシング工具10を主軸に装着し、自由曲面上の加工点においてバニシング球4が加工面から受ける分力fx,fyの合成ベクトルの方向が、主軸の軸心方向を除いたバニシング球4を支える方向即ち主軸軸線と交叉し且くの字状若しくは湾曲形状の軸線を含む方向と正対するよう主軸の回転角θを制御し、回転角θと分力fx,fyおよびfzとから加工点の法線押付け力を演算し、この法線押付け力と設定法線押付け力との差を許容値内に入るようにバニシング球の位置を制御してバニンシグ加工する方法を具現するバニシング加工装置である。
また、主軸回転中心軸の方向を除いたバニシング球4を支える方向を、力センサ6のfx、またはfyと一致させた場合の主軸回転角θは、バニシング球4を支える方向に直交する出力fyまたはfxが零あるいは最小となるように制御することも実現可能である。
図4はバニシング工具10の先端部分でバニシング球4を支える工具本体3Bを主軸軸線と交叉するように形成し、バニシング球4の中心が主軸軸線上にあるようになしたセンサユニット5付バニシング工具全体図、図5は図4の加工点部分の拡大図、図6は図4に示すバニシング加工のブロック線図、図7は図6に示すバニシング加工装置の加工プロセスを説明するフローチャートである。
図4において、図1との第1の相違点は、工具本体3Bの形状にある。図1ではバニシング球4が嵌装された工具本体3Aの軸線とバニシング球4の中心は常に主軸軸線上にある。図4では工具本体3Bが、くの字状に曲げられているが、バニシング球4は主軸軸線上にあるように工具本体3Bが形成されている点で相違してる。
第2の相違点は、実施例1の図1においてバニシング工具1は主軸に装着されているが、必ずしも主軸の回転を要件としてはいない。しかし、図4において、バニシング工具10を装着する主軸はC軸制御可能であることを要件としている。バニシング工具10についてのセンサユニット5や力センサ6の配置は実施例1と同様であり、ここでの説明を省略する。
実施例2の図6を実施例1の図3と比較したときの相違点は、実施例2のバニシング工具10の形状が異なりバニシング工具10の主軸回りの回転角を制御できることである。即ち、図6のブロック線図において、3軸分力演算手段23の出力はC軸制御手段30に入力される。このC軸制御手段では力センサ6で計測され演算された分力fx,fyの合力の方向が、主軸の回転中心軸の方向を除いたバニシング球4を支える方向と正対するように主軸をC軸制御する。
図7に示す本実施例の加工プロセスのフローチャートにおいて,図2に示す実施形態1のフローチャートとの相違点は、ステップS4−1において主軸(C軸)回転角θを検出するプロセスと、ステップS4−2において押付け力fx,fyの合力の方向がバニシング工具10の主軸回転中心軸の方向を除いたバニシング球4を支える方向と正対するように主軸をC軸制御するプロセスとが加わっている点である
このように主軸の回転角θを制御することにより、バニシング加工可能な加工面の傾斜角度が、実施例1で使用したバニシング工具1では45度程度が限界であったのに対し図6に示すようにバニシング工具10では70〜80度近く立ち上がった面の加工にも対応することができるようになる。
実施例3は、バニシング工具11に固設した力センサ6の出力を、X,Y,Z軸方向の押付け力の3分力にfx,fy,fzに変換・演算するものである。バニシング球4の中心を主軸軸心からオフセットさせたバニシング工具11が主軸に装着される。自由曲面上の傾斜面に倣ってバニシング球4がオフセット半径Rで自在に回転できるように主軸に支承され、加工点に及ぼすX軸,Y軸方向の押付け力の内、主軸軸線とオフセット半径Rを含む平面に直角な成分が相殺されたときの主軸の回転角θを検知する。即ち、バニシング球4に加わる反力fx,fyの合力がバニシング工具11の主軸回転中心軸の方向を除いたバニシング球4を支える方向と正対し、押付け力と反力の平衡状態がもたらされる。押付け力fx,fyと前記平衡時の回転角θとから前記平面上の押付け力の成分を演算し、前記平面に含まれるこれらの成分とfzとから加工点における法線押付け力を演算し、この法線押付け力が設定法線押付け力となるよう、バニシング球4の位置を制御してバニシング加工する方法を具現するバニシング加工装置である。
図8はバニシング工具11の先端部分でバニシング球4を支える工具本体3Cを主軸軸線と交叉するように形成し、主軸軸線に対しバニシング球の中心がオフセットするようになしたセンサユニット付バニシング工具、図9は図8に示すバニシング加工装置のブロック線図、図10(a)は図8に示すバニシング工具11の加工点におけるオフセット説明図、(b)(c)はオフセット時の座標補正の説明図である。図11は図9に示すバニシング加工装置の加工を示すフローチャートである。
図8において、実施例2の図4との相違点は、第1にバニシング球4の中心が主軸軸線からオフセットするように形成したバニシング工具11を使用していることである。第2にバニシング工具11が工具の軸心に対し回転自在でその回転角θの検出ができること、即ちバニシング工具11が主軸に装着されている場合には主軸が回転自在な状態に維持されてC軸の現在位置検出ができる点である。
主軸の回転中心からバニシング球4の中心へ向かう方向がバニシング加工反力の方向と一致しない場合、主軸中心回りに回転トルクが発生し、主軸を回転自在とすることにより、主軸の回転中心からバニシング球4の中心へ向かう方向が、自由曲面の法線ベクトルのうち主軸軸心方向(Z軸)のベクトル以外のベクトルの方向、即ちX,Y軸成分の合成ベクトルの方向と一致する。バニシング球4の中心がオフセットしているため主軸の回転角を検出してバニシング加工位置を補正する。主軸の回転角度を制御する必要がなくなり、センサユニット5による検出が主軸軸心方向(Z軸)と主軸軸心からバニシング球4の中心のオフセット方向の2方向の力を検出するだけで良いので制御が単純となる利点がある。
バニシング工具11にはセンサユニット5が取着され、力センサ6の配置も実施例1と同様であり、ここでの説明を省略する。
図9において、バニシング工具11は主軸軸心に対しオフセット半径Rで回転自在に装着されている。バニシング加工用のバニシング球4は自由曲面上の作用点で法線方向に自由曲面を押付け加工すると同時に法線方向の反力を受けている。バニシング球4が受ける反力はバニシング工具11のセンサユニット5に歪をもたらし歪み信号を出力する。
実施例2と同様に主軸軸線方向をZ軸とし、これに直交する二軸をX,Y軸とするとき、バニシング工具11が自由曲面を押圧するとき、fx,fyの合力はバニシング工具11の主軸回転中心軸の方向を除いたバニシング球4を支える方向と正対する。
本実施例では変換して得られた3軸分力の内fx,fyの分力の主軸回転軸とバニシング球バックアップ軸を含む方向の成分は相殺され、このときのバニシング工具11の回転角θが回転角読取手段40で読み取られる。これが実施例2のブロック線図と相違する点であり、計測したこれらの分力fz,Fsと回転角θとから法線方向押付け力を演算し、設定法線押付け力と比較して補正押付け量を算出し、続いて制御系を駆動するための機械座標系の制御データに変換して出力する制御系の構成は実施例1,2と同様である。
図10(a)において、バニシング球4がオフセット径Rで回転自在で回転角θの場合、機械座標は次式で与えられる。
つまり,回転角による機械座標補正量はX方向ではRcosθ、Y方向ではRsinθで与えられる。図10(b)(c)において、主軸とバニシング球4がそれぞれ1a,1bの位置にあったとする。バニシング工具11の中心が例示する四角錐に接近して矢印の方向に移動し傾斜面をバニシング加工する場合に、主軸中心1aが位置2aに移動し、バニシング球4が前加工された加工点P1に至ったとき引き続き移動する主軸が3aに達する間にバニシング球4は2bの位置に停止している。即ち、主軸中心線に直交しバニシング球4の中心を通る方向は、x,y平面に投射した加工面の法線ベクトルに一致する。
更に、主軸が4aの位置に移動したときバニシング球4は傾斜面上を移動しながらP2点に達する。
バニシング球4に加わる反力がセンサユニット5で検知できるのでfz,Fsから法線方向の押付け力を演算することができる。
図11に示すフローチャートを図7のフローチャートと比較する。実施例2では主軸の回転を制御するステップS4−2があるのに対して、実施例3では主軸の回転は自在であり能動的に動作するためステップS4−2の無い点が相違している。
3軸制御のマシニングセンタでボールエンドミル工具を用いて自由曲面を加工する場合、CAMからのデータで必要なデータは加工物表面の座標データのみであるが、CAMデータあるいはCADデータより自由曲面の法線ベクトル情報を入手することは可能である。
実施例1および実施例2の実施形態では、法線ベクトルの情報はバニシング球4が作用する自由曲面上の作用点の法線方向として得ることができる。
実施例1〜3では、バニシング工具1,10,11に固設した力センサ6の出力を3分力に変換し、これらと法線ベクトルの情報とから法線押付け力を演算することを行っている。これに対し、CAMから加工点のベクトル情報を求め、そのベクトルのうち主軸の軸心方向(Z軸)以外のベクトルの方向つまりX,Y軸成分のベクトルを合成した合成ベクトルと、バニシング球4をバックアップする方向のうちX,Y軸成分の合成ベクトルとが一致するように主軸回転角(C軸)を制御することにより、実施例2のような力センサより自由曲面の法線ベクトルを演算する必要がなくなるので、C軸の制御に関して簡単となる。バニシング加工の押付け力が設定法線押付け力となるように制御する方法は実施例2と同様に実施することで実現される。
あるいは,実施例2のバニシング工具10を用いて加工する場合、CAMデータに加工する機械座標に加えバニシング工具の回転角θをプログラムから指令することも可能である。この方法によれば,実施例2の加工方法では工具と被削材の干渉が避けられない加工対象に対してもバニシング加工が可能となる
本実施例は、5軸以上の制御軸を有した加工機に実施例1,2を適用するものである。図12は5軸加工機の一種であるパラレルリンク工作機械である。 6本の伸縮自在に制御されたアクチュエータ9A,9B,9C,9D,9E,9Fによって主軸8をx,y,z,a,b軸の5軸制御することが可能である。被加工物はテーブル3に取付けて加工を行う。本実施例では主軸1に実施例1あるいは2のバニシング工具1,10を装着し、予めエンドミルなどで加工された自由曲面をバニシング加工するものである。
5軸加工機では直交するx,y,z軸以外にx軸回りの回転軸a軸とy軸回りのb軸を有しているため,実施例2のような湾曲したバニシング工具10を用いなくても広範囲な傾斜角の自由曲面を加工することが可能であるばかりでなく,自由曲面の法線ベクトル方向と主軸中心線を一致させて加工することで法線押付け力のセンサーは主軸中心線方向のみの力を測定することで実現されるので装置が簡便となる。
実施例1のバニシング工具1を本加工機にて使用する場合,fx,fy,fzのバニシング加工力から法線ベクトルを算出し,法線ベクトルと主軸中心線が一致するようにあるいはそれぞれのなす角度が小さくなるようにa,b軸を制御することができる。このとき、a,b軸の移動にともないバニシング加工点が移動しないようにx,y,z軸を補正する。実施例2のバニシング工具10を用いさらに主軸1に搭載されているC軸の制御機能と合わせて使うことによりさらにバニシング加工範囲は広がる。また、これまでセンサーから得たバニシング加工力から自由曲面の法線ベクトル方向を推定し制御する方法を述べたが、実施例4のようにCAMデータを利用してa,b軸を制御することも可能である。
主軸軸線上にバニシング球が設けられたセンサユニット付バニシング工具の工具ホルダへの装着図である。〔実施例1〕 バニシング加工方法のフローチャートである。 図1に示すバニシング加工装置のブロック線図である。〔実施例1〕 バニシング工具の先端部分で球を支えるバックアップ軸部を主軸軸線と交叉するように形成しバニシング球の中心が主軸軸線上にあるようになしたセンサユニット付バニシング工具である。〔実施例2〕 図4における加工点の拡大図で押付け力として作用するバニシング球バックアップ方向の説明図である。 図4に示すバニシング工具による加工装置のブロック線図である。〔実施例2〕 図6に示すバニシング加工装置の加工プロセスを説明するフローチャートである。 バニシング工具の先端部分でバニシング球を支えるバックアップ軸部を主軸軸線と交叉するように形成し、主軸軸線に対しバニシング球の中心がオフセットするようになした検出ユニット付バニシング工具である。〔実施例3〕 図8に示すバニシング工具を用いたバニシング加工装置のブロック線図である。〔実施例3〕 (a)は図9に示すバニシング工具の加工点におけるオフセット説明図で、(b)(c)はオフセット時の座標補正の説明図である。 図10に示すバニシング加工装置の加工プロセスを説明するフローチャートである。 バニシング工具を装着可能なパラレルリンク工作機械である。〔実施例5〕
符号の説明
1,10,11 バニシング工具 2 工具ホルダ
3A,3B,3C 工具本体 4 バニシング球
5 センサユニット 6 力センサ
7 自由曲面 20 数値制御装置
21 入力部 22 機械駆動手段
23 3軸分力演算手段 24 補正量演算部
25 法線押付け力演算手段 26 各軸方向の補正押付け力演算手段
27 各軸方向の補正量演算手段 28 加工プログラム補正出力手段
30 C軸制御手段 40 C軸回転角読取手段 W 金型

Claims (4)

  1. 加工点が自由曲面の加工軌跡を移動する加工工具または被加工物が位置決め可能な数値制御工作機械により前記自由曲面をバニシング加工する方法であって、
    バニシング工具の加工点で力センサの直交3軸の検出3分力から工具の実際の法線方向押付け力を演算して求め、
    前記法線方向押付け力と予め定めた設定法線押付け力との差を加工点の法線方向押付け力の補正押付け量として求め、
    前記補正押付け量を工作機械の座標系データに変換し、
    前記座標データを数値制御工作機械の数値制御装置に入力して演算し、
    加工点に対し前記バニシング工具の位置を制御することにより押付け力を発生させて自由曲面上の加工軌跡をバニシング加工することを特徴とするバニシング加工方法。
  2. 加工点が自由曲面の加工軌跡を移動する加工工具または被加工物が位置決め可能な数値制御工作機械において前記自由曲面をバニシング加工するための装置であって、
    バニシング工具と、該バニシング工具の取付部分に取着されこの工具に働く工具押付け力を直交する3軸方向で検知可能に設けられたセンサユニットと、
    該センサユニットの出力から求めた前記自由曲面上の加工点のバニシング工具に加わる3軸分力演算手段と、該3軸分力演算手段の出力から法線方向の押付け力を求める法線押付け力演算手段と、求められた法線方向押付け力と予め定めた設定法線押付け力との差を押付け力の補正押付け量として演算し押付け力の前記3軸分力演算手段から得られた3分力の合成ベクトルと方向が一致するよう補正押付け力を分解し各軸方向の補正押付け力を得る各軸方向の補正押付け力演算手段と、前記各軸補正押付け力とバニシング工具の剛性・機械構造体の剛性を用いて各軸の補正量を演算する各軸方向の補正量演算手段と、バニシングプログラムの加工データに前記各軸方向の補正量を補正する加工プログラム補正出力手段とを含んでなり、
    この補正した加工プログラムの出力を3軸方向の移動部材の駆動部に入力して前記自由曲面の法線方向にバニシング工具を位置決めし法線押付け力を設定押付け力に近づけるようにすることを特徴とするバニシング加工装置。
  3. 加工点が自由曲面の加工軌跡を移動する加工工具を位置決め可能で回転角度を制御可能な主軸を有する数値制御工作機械において前記自由曲面をバニシング加工するための装置であって、
    前記主軸に装着される工具本体部とバニシング加工用の球を支えるバックアップ軸部とをくの字状または湾曲状部分で繋いで一体に形成し前記球の中心を前記主軸の軸線上にあるように設けたバニシング工具と、
    該バニシング工具の取付部分に取着されこの工具に働く工具押付け力を直交するX・Y・Z軸の3軸方向で検知可能に設けられたセンサユニットと、該センサユニットの出力から求めた前記自由曲面上の加工点のバニシング工具に加わる3軸分力演算手段と、
    前記自由曲面の加工点における主軸に直交する平面内において、主軸軸線のZ軸方向以外の直交するX・Y軸の2分力の合力の方向と、バニシング加工用の球を支える主軸軸線と交叉し且くの字状または湾曲形状部分の軸線を含む方向とが一致するように主軸を回転制御する主軸制御手段と、
    前記主軸を回転制御して得たX・Y軸成分の合成ベクトル成分と主軸軸線のZ軸方向の分力とから法線方向の押付け力を求める法線押付け力演算手段と、求めた法線押付け力と加工プログラム上の設定法線押付け力との差を押付け力の補正押付け量として演算し押付け力の前記3軸分力演算手段から得られた3分力の合成ベクトルと方向が一致するよう補正押付け力を分解し各軸方向の補正押付け力を得る各軸方向の補正押付け力演算手段と、前記各軸補正押付け力とバニシング工具の剛性・機械構造体の剛性を用いて各軸の補正量を演算する各軸方向の補正量演算手段と、バニシングプログラムの加工データに前記各軸方向の補正量を補正する加工プログラム補正出力手段とを含んでなり、
    この補正した加工プログラムの出力を3軸方向の移動部材の駆動部に入力して被加工物とバニシング工具の干渉を避けて傾斜角の大きな自由曲面の加工を可能としたことを特徴とするバニシング加工装置。
  4. 加工点が自由曲面の加工軌跡を移動する加工工具を位置決め可能で回転自在に設定された主軸を有する数値制御工作機械において前記自由曲面をバニシング加工するための装置であって、
    前記主軸に装着される工具本体部とバニシング加工用の球を支えるバックアップ軸部とをくの字状または湾曲状部分で繋いで一体に形成し前記球の中心を前記主軸の軸線Z軸に対しオフセットするように設けられたバニシング工具と、
    該バニシング工具の取付部分に取着されこの工具に働く工具押付け力を少なくとも主軸回転軸方向の力とバニシング加工用の球が主軸回転中心からオフセットした方向のX・Y軸の2軸方向または直交するX・Y・Z軸の3軸方向で検知可能に設けられたセンサユニットと、
    バニシング加工中にバニシング球に加わる主軸回転中心と直交するX・Y軸方向の押付け力の内主軸軸線とオフセット半径Rを含む平面に直角な成分が正対し平衡状態になる時の主軸の回転角度を読み取り可能な回転角読取手段と、
    前記2軸または3軸方向の分力と前記回転角度とから法線押付け力を求める法線押付け力演算手段と、求めた法線押付け力と加工プログラム上の設定法線押付け力との差を補正押付け量として演算し押付け力の前記3軸分力演算手段から得られた3分力の合成ベクトルと方向が一致するよう補正押付け力を分解し各軸方向の補正押付け力を得る各軸方向の補正押付け力演算手段と、前記各軸補正押付け力とバニシング工具の剛性・機械構造体の剛性を用いて各軸の補正量を演算する各軸方向の補正量演算手段と、バニシングプログラムの加工データに前記各軸方向の補正量を補正する加工プログラム補正出力手段とを含んでなり、
    この補正した加工プログラムの出力を3軸方向の移動部材の駆動部に入力して主軸軸線からオフセットしたバニシング球が自由曲面の傾きにならい旋回を自在にすることにしたのでバニシング球を保持するバニシング工具本体が被加工物との干渉を避けるための主軸回転制御を不要になったことを特徴とするバニシング加工装置。
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