JP3794113B2 - Toc成分及び溶存酸素の除去方法 - Google Patents

Toc成分及び溶存酸素の除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はTOC成分及び溶存酸素の除去方法に係り、特に、純水又は超純水製造工程においてTOC(全有機体炭素)を効率的に除去すると共に、DO(溶存酸素)も同時に除去するTOC成分及び溶存酸素の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
主に半導体基板や液晶基板の洗浄用に用いられる超純水の製造において、TOCの除去は他の不純物(微粒子、イオンなど)の除去と同様に極めて重要である。また、特に、半導体基板や液晶基板の洗浄、リンス排水の回収・再利用を行う場合、バクテリアファウリングから処理装置を守り、安定運転を続ける上でも、他のユニット装置による不純物除去の前段でTOCを低減しておくことは、極めて重要である。
【0003】
このため、目標水準までTOCを低減させた処理水を得るべく、2段式逆浸透膜分離処理やイオン交換塔を併用した低圧紫外線酸化処理、生物処理などが行われている。また、処理コストを低減し、より一層のTOC低減を図るために、本出願人により、酸化剤を併用した加熱分解型のTOC除去方法が出願されている(国際公開WO94/18127号公報)。本方式によると、数ppmオーダーのTOCを含む原水を1段階の処理で数ppb−TOCにまで高度に処理することができる。
【0004】
本出願人はまた、このTOC除去法で用いる酸化剤としては過硫酸又は過硫酸塩が最適であること、そしてその添加量は原水中のTOC1重量部当たりS2 8 2- 換算で20〜45重量部とするのが適当であることを確認し、先に特許出願を行った(特開平8−173978号公報)。
【0005】
この加熱分解法によるTOCの除去方式においては、
(a) 簡単な装置でTOCを低レベルにまで除去できる。
(b) 原水のTOC濃度に応じて、酸化剤添加量を調整するだけで対応できる。
(c) 加熱工程があるので、菌の繁殖を防止し、バクテリアファウリングを軽減できる。
といった優れた利点がある。
【0006】
また、基板等の洗浄用超純水や純水には、DOが十分に低減されていることも要求される。これは、DOは、シリコン基板の洗浄ないしリンス工程で、基板表面の自然酸化の進行を誘発し、また水と接する金属材料の腐食の原因になるからである。
【0007】
従来、DOの除去方法としては、真空脱気、窒素脱気、気体透過膜による膜脱気のように、ヘンリーの法則を利用して被処理水と接する気相の酸素分圧を下げてDOを除去するものの他、触媒担持樹脂を用いてDOを水素等と反応させて除去する方式のものがある。これらは、いずれも実用的な技術として確立されており、ppmオーダー以下、場合によっては数ppbレベルにまで、DOの低減が可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、TOCの除去とDOの除去についてはそれぞれ処理方法が確立され、十分な効果が得られているが、TOCの除去と共にDOも同時除去する技術は提供されていない。
【0009】
本発明は、原水を酸化剤の存在下で加熱処理して原水中のTOC成分を分解した後、脱イオン処理することにより、原水中のTOCと共にDOをも同時に除去する方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1TOC成分及び溶存酸素の除去方法は、原水に酸化剤を添加し、原水を酸化剤の存在下で加熱処理することにより原水中のTOC成分を前記酸化剤及び原水中の溶存酸素によって分解した後、脱イオン処理することにより該TOC成分及び溶存酸素を除去するTOC成分及び溶存酸素の除去方法において、該酸化剤の添加量を、該酸化剤から発生する酸素量(酸化剤由来活性酸素量S)と、該TOC成分の分解に必要な酸素量(理論活性酸素量T)原水中の溶存酸素が前記酸化剤によって活性化された量(原水由来活性酸素量D)が、T=S+Dに近い条件となるように設定することにより、原水中のTOC成分を除去すると共に原水中の溶存酸素も同時に除去することを特徴とする。
請求項2のTOC成分及び溶存酸素の除去方法は、原水に酸素を添加した後に酸化剤を添加し、原水を酸化剤の存在下で加熱処理することにより原水中のTOC成分を前記酸素、酸化剤及び原水中の溶存酸素によって分解した後、脱イオン処理することにより該TOC成分及び溶存酸素を除去するTOC成分及び溶存酸素の除去方法において、該酸化剤の添加量を、該酸化剤から発生する酸素量(酸化剤由来活性酸素量S)と、該TOC成分の分解に必要な酸素量(理論活性酸素量T)と、原水中の溶存酸素が前記酸化剤によって活性化された量(原水由来活性酸素量D)と、原水に添加した酸素から発生する活性酸素量(注入酸素由来活性酸素量X)が、T=S+D+Xに近い条件となるように設定することにより、原水中のTOC成分を除去すると共に原水中の溶存酸素も同時に除去することを特徴とする。
【0011】
即ち、本発明では、原水中のTOC成分の酸化分解において、TOC成分を『還元剤』、DOを『酸化剤』として扱い、両者のバランスを取ることによって、一段階の処理によって両者を同時に効果的に除去する。
【0012】
DOは、前述のようにシリコン基板の自然酸化を助長することからも分かるように酸化剤としての挙動を示す物質であるが、その反応速度は極めて小さく、通常、酸化剤として扱われることはない。ところが、本発明者らは、過硫酸塩等の酸化剤を用いる加熱分解方式による水中のTOC除去処理において、添加した過硫酸塩等の酸化剤が発揮できる以上のTOC分解効果が再現性よく得られることから、この系ではDOがTOC成分の酸化に寄与していること、即ち、TOC成分の酸化分解に有効に作用する酸化剤として機能していることを見出した。
【0013】
原水中のTOC成分がすべてイソプロピルアルコール(IPA:C3 7 OH,IPAは、半導体洗浄廃水を回収し、これを原水として純水を得る場合に洗浄廃水に含まれている代表的なTOC成分である。)であることを想定し、これを過硫酸塩としてNa2 2 8 を用いて加熱分解法で処理する場合、次のような反応式に従って分解反応が起こる。
【0014】
Figure 0003794113
上記反応式より明らかなように、1モルのIPA(3モルの炭素)に対して9モルのNa2 2 8 が必要である。これを濃度で表すと、1ppmのTOCの酸化分解には59.5ppmのNa2 2 8 (K2 2 8 であれば67.5ppm)を要することとなる。
【0015】
しかしながら、通常の加熱分解処理においては、1ppmのTOCに対し、59.5ppmより低いおおよそ30〜35ppm程度のNa2 2 8 (即ち、上述の理論量の50〜60%程度)を添加すれば、良好な処理水が得られる。そして、この差分(即ち、上述の理論量の40〜50%)を補っているのが原水中のDOであると考えられる。
【0016】
上述の如く、1分子のIPAを分解するには、9個の活性な酸素原子 [O] が必要である。濃度に換算すると、1ppmのTOC(IPA由来)の分解に必要な [O] (以下「理論活性酸素量T」と称する場合がある。)は4ppmである。上述のNa2 2 8 の理論量:59.5ppmとは、4ppmの [O] を発生させるための濃度である。ところが、実際の必要量はおよそ30〜35ppmであり、これを例えば33ppmとすると、酸化剤のNa2 2 8 から発生する [O] 濃度(以下「酸化剤由来活性酸素量S」と称する場合がある。)は2.2ppm程度である。従って、この差1.8ppm(=4−2.2)の [O] は、原水中のDOが酸化剤の作用によって活性化されて生じたものと推定できる(以下、この原水中のDO由来の活性酸素を「原水由来活性酸素量D」と称する場合がある。)。
【0017】
同様に2ppmのTOCを分解する場合に、Na2 2 8 は66ppm程度添加すればよく、理論活性酸素量T:8ppmに対し、酸化剤由来活性酸素量Sは4.4ppmで、原水由来活性酸素量Dは3.6ppm(=8−4.4)である。
【0018】
また、4ppmのTOCを分解する場合、Na2 2 8 は132ppm程度の添加でよく、原水由来活性酸素量Dは7.2ppmである。
【0019】
本発明はこのような知見に基き、酸化剤添加量を、理論活性酸素量T=酸化剤由来活性酸素量S+原水由来活性酸素量Dに近い条件となるように設定し、即ち、酸化剤の添加量を、理論量よりも、原水中のDOから補足される活性酸素量相当分だけ少なくし、原水中のDOをTOC分解に消費することでTOCの除去と同時にDOを除去する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
本発明のTOC成分及び溶存酸素の除去方法では、必要に応じて前処理を施した原水に、後述の方法で設定された所定量の過硫酸塩等の酸化剤を添加して加熱分解処理した後、脱イオン処理し、更に必要に応じて後処理する。
【0022】
原水としては、一般に半導体又は液晶洗浄工程からの回収水、工水、市水、井水及びこれらを混合したものが用いられ、半導体洗浄工程からの回収水については、適当な前処理工程を経た後、加熱分解処理工程に導入するのが好ましい。
【0023】
前処理工程としては、原水水質に応じて任意の手段を設けることができ、例えば、凝集、濾過、浮上、吸着、イオン交換などの手段を採用することができる。具体的な前処理工程としては、次の(i) 〜(iii) が挙げられる。特に、半導体洗浄工程からの回収水については、下記(iii) の前処理により、活性炭吸着塔で含有されるH2 2 を除去した後、強アニオン交換塔でフッ素の除去を行って加熱分解処理工程に導入するのが好ましい。
【0024】
(i) 凝集・加圧浮上・濾過装置
(ii) イオン交換塔
(iii) 活性炭吸着塔→アニオン交換塔
酸化剤としては、パーオキシ二硫酸ナトリウム(Na2 2 8 )、パーオキシ二硫酸カリウム(K2 2 8 )、パーオキシ二硫酸アンモニウム((NH4 2 2 8 )等の過硫酸塩や過硫酸(H2 2 8 )が挙げられるが、Na2 2 8 ,K2 2 8 などの過硫酸塩が好適である。
【0025】
次に、本発明における酸化剤の添加量の設定方法について説明する。
【0026】
[酸化剤添加量の設定方法]
▲1▼ 原水中のTOC成分を分解するに必要な理論活性酸素量Tを求める。
理論活性酸素量TはTOC成分の酸化分解反応式から求められる。TOC成分が明確でない場合も、予め実験的に把握することができる。
【0027】
▲2▼ 酸化剤の作用で原水中のDOから生じる原水由来活性酸素量Dを求める。
前述の如く、原水中のDOはTOCが共存しても、TOCを分解することはないが、そこに発生期の活性酸素を生じる酸化剤を存在させることにより、DO由来の活性酸素が生じ、このDO由来の活性酸素もTOCの分解に寄与する。理論的には酸化剤から生じた発生期の活性酸素(酸素ラジカル)1個で、DOの酸素を活性化し2個の酸素ラジカルを生成し、併せて3個の酸素ラジカルとなり、これらの酸素ラジカルがTOC分解に使用される。
【0028】
酸化剤によるDOの活性化割合は、対象となる原水によって必ずしもこのような割合にならないが、予め実験することにより、当該原水におけるDOから活性酸素への変化割合を確認できるので、原水由来活性酸素量Dを求めることができる。
【0029】
▲3▼ 酸化剤由来活性酸素量Sを求める。
酸化剤由来活性酸素量Sは酸化剤添加量から求めることができる。
【0030】
▲4▼ 酸化剤添加量を設定する。
理論活性酸素量T,原水由来活性酸素量D及び酸化剤由来活性酸素量Sの関係において、理論的に次のような関係が成立する(ただし、DOがすべて活性酸素に転換された場合)。
【0031】
T<S+Dであると、処理後、TOCはすべて分解されてゼロとなり、DOはTOCの分解に消費されてもなお余るため一部残留する。
T>S+Dであると、処理後、TOCは完全に分解されずに一部残留し、DOはTOCの分解にすべて消費されゼロとなる。
T=S+Dであると、処理後、すべてのTOCの分解にすべてのDOが消費され、TOCもDOもゼロとなる。
【0032】
従って、本発明では、T=S+Dに近い条件で、酸化剤の添加量を設定する。
【0033】
ところで、通常の場合、原水中には飽和溶解度(約8ppm)近くまでDOが含まれているため、原水中のTOCが少量である場合、TOCの分解に必要な理論活性酸素量Tは原水由来活性酸素量Dのみで十分に足りる。しかし、この場合でも活性酸素発生のために酸化剤を添加する必要があり、また、DOが酸化剤に優先してTOC分解に寄与することはないため、処理水中にDOが残存することを避けることはできない。この場合において、酸化剤の添加量を低減してもDOの活性化率は変わらないため、結果としてTOC,DO共に残留することとなる。即ち、本発明の方法に従って、TOC及びDOを共に極低濃度にまで低減するためには、TOCが所定濃度以上に含まれていることが必要となる。このTOC濃度は、TOC成分によっても異なるが、概ね3ppm以上であり、例えばDMSO(ジメチルスルホキシド)であればTOCとして3ppm以上、IPAであれば4ppm以上で処理水中のDOを0.1ppm以下の極低濃度にまで低減することができる。
【0034】
従って、DOを低減するだけではなく、DOをほぼ完全に除去することを目的とする場合、原水のTOCは一般に3ppm以上、特に4ppm以上であることが重要となる。
【0035】
従って、TOCが3ppm未満というような低TOC濃度の原水に対して、TOCの除去に優先してDOの完全除去が必要とされる場合には、原水にIPA等のTOC成分をごく微量添加したり、酸化剤添加量を過少にしたりすることも考えられるが、一般的には、本発明の方法では、TOCをほぼ完全に除去し、同時にDOを可能な範囲で低減し、後段の設備へのDO負荷を軽減するのが効果的である。
【0036】
逆に、原水のTOC濃度が高く、TOCの分解のために多量の活性酸素を必要とし、このため酸化剤の必要添加量が多くなる場合には、原水に酸素を添加してDO濃度を高めるようにしても良い。
【0037】
この場合には、原水に添加した酸素から発生する活性酸素量(以下「注入酸素由来活性酸素量X」と称す場合がある。)も考慮して、
T=S+D+X
に近づくように酸化剤の添加量を設定する。このように、酸素を添加することにより、酸化剤の必要添加量を低減した上でTOCとDOとの同時除去を行える。
【0038】
この場合、原水への酸素の添加方法としては、
▲1▼ 原水を処理槽に導入して、酸素又は酸素富化空気をバブリングする方法。
▲2▼ 原水を気体透過膜モジュールに導入し、このモジュールで酸素又は酸素富化空気を注入する方法。
等が挙げられ、このようにして酸素を添加することにより、理論的には約40ppm程度までDOを高めることができる。
【0039】
即ち、一般に、水の飽和DO濃度は常温で8ppm程度であることは周知の事実であるが、これは窒素(及び他の微量成分)との混合系である空気成分と平衡状態におけるDO濃度である。従って、何らかの手段によって原水と接する気体の酸素分圧を高めれば、DO濃度は8ppm以上に容易に高めることができる。また、加熱分解装置へ原水を送水するポンプの出口側(反応装置側)では、原水は加圧されているので、大気圧下での溶解度以上に気体を溶解することができる。この高圧部に、酸素又は空気を圧入することによっても、原水のDO濃度を高めることができる。なお、酸素又は空気は必ずしも完全に原水中に溶解している必要はない。即ち、加熱分解装置内で未溶解のまま残る気体中の酸素は、加熱分解反応中のDOの消費と並行して水に溶解していき、DO濃度を保つ効果を持つ。
【0040】
本発明において、原水のTOC及びDOはそれぞれTOC計、DO計によりモニタリングすることができる。
【0041】
原水の水質が殆ど変動しない場合には、運転初期に前述の方法で酸化剤の添加量を設定すれば良く、運転途中でのモニタリングは不要である。
【0042】
本発明において酸化剤添加後の加熱分解処理における加熱温度は、90℃以上、特に110〜150℃とするのが好ましく、また、加熱分解反応時間は、加熱温度や原水TOCやDO濃度及び酸化剤の添加量によっても異なるが、通常の場合1〜15分とするのが好ましい。
【0043】
この加熱分解処理に際しては、触媒として白金担持触媒、白金メッキ触媒等の白金系の酸化触媒に接触させても良い。
【0044】
なお、加熱分解処理のpH条件については、特に調整の必要はないが、酸性側の方がTOCが分解し易い。通常、中性の原水に過硫酸塩等を添加するとpHは酸性側となるので、特にpH調整の必要はない。
【0045】
加熱分解処理水は、次いで、脱イオン処理に供するが、この脱イオン処理に先立ち、必要に応じて、酸化剤除去処理を行う。
【0046】
即ち、加熱分解工程における過剰の酸化剤が加熱分解処理水中に含有されて脱イオン処理工程に流入すると、脱イオン処理工程の逆浸透膜やイオン交換樹脂を酸化劣化させ、劣化した樹脂の溶出によるTOCの増加や装置寿命の低減等の問題を生じる。
【0047】
本発明においては、酸化剤としての過硫酸塩等の添加量は、前述の如く設定された必要添加量分のみであるため、加熱分解処理水中に含まれる過硫酸塩等の量は少なく、従って、酸化剤除去処理は必ずしも必要とされないが、酸化剤除去処理を行うことにより、酸化剤による脱イオン処理工程への影響を確実に防止することができる。
【0048】
この酸化剤除去処理手段としては、活性炭及び/又は適当な触媒を充填した充填塔を採用することができる。
【0049】
活性炭としては、粒状、粉状、繊維状のいずれでも良いが、特に粒状か繊維状のものが通水効率の面で有利である。活性炭のタイプ(ヤシガラ系、石炭系、その他)には特に制限はない。一方、触媒としては、一般に用いられている白金系、パラジウム系のものなど、多様なものを用いることができる。
【0050】
上記活性炭及び触媒は、そのいずれか一方を用いるだけでも目的は達せられるが、場合によって、両者を併用しても良い。その他、酸化剤除去手段としては、紫外線照射も採用可能である。
【0051】
酸化剤除去処理条件は、加熱分解処理水中に残留する過硫酸塩等が、後段の脱イオン処理工程のイオン交換樹脂や逆浸透膜を酸化劣化させない程度の、十分低濃度にまで除去できるような条件であれば良く、加熱分解処理水中の残留過硫酸塩等の濃度や、酸化剤除去工程の仕様、即ち、活性炭や触媒の形状、粒径、充填量等によって適宜決定される。例えば、10ppmの残留Na2 2 8 を含む加熱分解処理水を、20/40メッシュの粒状活性炭充填塔で処理する場合、SV=40hr-1程度以下とするのが好ましい。
【0052】
なお、加熱分解処理水は、通常pH4以下の酸性であるので、このような残留酸化剤除去装置を腐食から保護するために、加熱分解処理工程と酸化剤除去工程との間にpH調整のためのアルカリ注入手段を設け、酸性水を中和した後、酸化剤除去工程に導入するのが好ましい。
【0053】
本発明において、脱イオン処理手段としては、イオン交換塔、逆浸透膜分離装置等を必要に応じて組み合せて用いることができる。即ち、例えば、イオン交換塔→逆浸透膜分離装置、逆浸透膜分離装置→イオン交換塔、或いは、逆浸透膜分離装置→逆浸透膜分離装置とすることができる。
【0054】
また、後処理手段としては、要求される処理水水質に応じて、任意の手段を採用することができ、紫外線酸化による殺菌、TOC分解、或いは、イオン交換、逆浸透膜分離、精密濾過膜分離、限外濾過膜分離装置等、一般には超純水製造における二次純水製造工程(サブシステム)に相当する工程、即ち、低圧紫外線照射装置(有機物分解)→混床式イオン交換塔(非再生型イオン交換器:分解生成物の除去)→限外濾過膜分離装置(イオン交換塔から流出するイオン交換樹脂の微粒子の分離)が採用される。
【0055】
脱イオン処理工程及び後処理工程の具体例としては、次の(i) 〜(v) が挙げられる。
【0056】
(i) 脱炭酸塔→アニオン交換塔→逆浸透膜分離装置→二次純水製造工程
(ii) 逆浸透膜分離装置→低圧逆浸透膜分離装置→二次純水製造工程
(iii) カチオン交換塔→脱炭酸塔→アニオン交換塔→逆浸透膜分離装置→二次純水製造工程
(iv) 弱アニオン交換塔→強カチオン交換塔→強アニオン交換塔→二次純水製造工程
(v) 逆浸透膜分離装置→イオン交換塔(混床式イオン交換塔又は(強カチオン交換塔→強アニオン交換塔))→二次純水製造工程
本発明において、これら脱イオン処理工程及び後処理工程の装置は、予め加熱処理によりTOC成分及びDOを除去している上に、酸化剤としての過硫酸塩等の添加量も少ないため、負荷が軽減され、小容量小型装置を採用できる。
【0057】
このような本発明の有機物の除去方法は、特に、TOC4〜5ppm、或いはそれ以上の比較的TOC濃度の高い水を処理する場合に有効で、TOCと共にDOを除去し、同時に酸化剤の必要添加量の低減効果も得ることができる。
【0058】
【実施例】
以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0059】
実験例1
有機系排水の模擬液として、試薬特級のIPAをDO無調整の超純水に溶解した水を原水とし、酸化剤としてNa2 2 8 用い、反応温度130℃、反応時間5分間で、DOを消費するTOCの加熱分解実験を行った。
【0060】
なお、原水としてはTOCが2.0ppm、4.0ppm、6.0ppm、8.0ppmの4種類のものを用意した。これらの原水のDOはいずれも7.6ppmである。
【0061】
各原水についてTOC濃度を10ppb以下にするために必要なNa2 2 8 添加量を求め、この添加量での処理水のDO濃度を測定し、結果を表1に示した。
【0062】
【表1】
Figure 0003794113
【0063】
表1より明らかなように、原水TOC4.0ppm以上のNo.2〜4では、TOCとDOとの良好な同時除去が行われている。特に、TOC濃度の高いNo.3,4では、TOC除去率99.8%以上、DO除去率98.6%以上と良好な除去効果が認められた。
【0064】
実施例1,2、比較例1〜3
実際の基板洗浄薬液に由来する有機物(DMSO10重量%,モノエタノールアミン25重量%を主成分として含む)を含む洗浄・リンス排水(TOC:7.2ppm,DO:7.0ppm)を原水として、Na2 2 8 添加量と酸素添加条件を変えて、実験例1と同様にして加熱分解処理を行った。原水に酸素を添加する場合には、処理前の原水に酸素ガスをバブリングし、バブリング後反応器入口のDO濃度を測定した。
【0065】
なお、この原水の、TOC除去濃度(除去すべきTOC量)と必要とされるNa2 2 8 添加量との関係は図1に示す通りである。
【0066】
図1において、「理論量」とは、TOC分解をすべてNa2 2 8 由来の活性酸素で行う場合のNa2 2 8 添加量であり、この添加量では、TOC分解におけるDOの消費はなく、DOの除去は行えない。「当量値(酸素添加なし)」は、酸素のバブリングを行わない場合において、前述のT=S+DとなるようにNa2 2 8 添加量を求めた値であり、この添加量であれば原水中のDOをTOC分解に消費して除去することができる。また、「当量値(酸素添加あり)」は、酸素のバブリングを行って、DO濃度を10.5ppmに高めた場合において、前述のT=S+D+Xとなるように、Na2 2 8 添加量を求めた値であり、この添加量であれば酸素を添加した場合において、原水中のDOと添加されたDOをTOC分解に消費して除去することができる。
【0067】
原水のTOCは7.2ppmであるため、このTOC及びDOを殆ど除去するために必要なNa2 2 8 添加量は、酸素添加無しでは約360ppmでこれよりもNa2 2 8 が多いとDOが残留し、Na2 2 8 が少ないとTOCが残留する。また、酸素添加有りでは約290ppmであり、これよりもNa2 2 8 が多いとDOが残留し、Na2 2 8 が少ないとTOCが残留する。Na2 2 8 を約290ppm添加した場合において、酸素添加量が多く、DO濃度が10.5ppmよりも多いと、TOCは残留しないが、過剰分のDOが残留する。
【0068】
表2に示すNa2 2 8 添加量で酸素を添加せず又は酸素を添加してTOCの加熱分解を行い、得られた処理水のTOC濃度及びDO濃度を調べ、結果を表2に示した。
【0069】
【表2】
Figure 0003794113
【0070】
表2より明らかなように、酸素添加を行わない場合において、原水TOCに対して50倍のNa2 2 8 を添加するか、Na2 2 8 添加量を原水TOCの40倍とし、酸素添加によりDOを11.7ppmに高めておくことで、TOC分解に原水中のDOを消費して、TOCとDOの同時除去を行うことができ、TOC<20ppbでDO<0.1ppmの処理水を得ることができる。
【0071】
実施例3
図2に示す純水製造システムにより、下記原水を通水処理した。
【0072】
原水:原水1(IPA溶解超純水,TOC:7.2ppm,DO=8.0ppm)と原水2(厚木市水,TOC:0.8ppm,DO:8.0ppm)とを原水1:原水2=60:40の割合で混合した水(TOC:4.6ppm,DO:8.0ppm)
本実施例のシステムでは、原水を加温熱交換器1で加熱した後、酸化剤としてNa2 2 8 を添加し、加熱分解反応器2でTOCの加熱分解を行う。加熱分解処理水は、中和用のNaOHを添加し、次いで冷却熱交換器3で冷却した後、活性炭塔4で残留Na2 2 8 の除去を行う。次いで、流量調整用のタンク5を経て逆浸透膜分離装置6、イオン交換塔7に順次通水して処理水を得た。各部の仕様及び処理条件は下記の通りである。なお、図2中、カッコ内の数値は、各部の通水流量である。また、▲1▼〜▲5▼はサンプリングポイントを示す。
【0073】
Na2 2 8 添加量:164ppm(水中のDOを考慮して、理論量の約60%とした)
加熱分解反応器:
反応器容量=10リットル
反応温度=130℃
平均滞留時間=5分間
活性炭塔:
活性炭=クラレケミカル(株)製「クラレコールKW 20/40」を3リットル充填
SV=40hr-1
逆浸透膜分離装置:
装置=日東電工(株)製「NTU 729 HRS2」
透過水回収率=70%
イオン交換塔:
イオン交換樹脂=三菱化学(株)製「ダイヤイオンSMN−UP」(強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂との混合品)を500ml充填
SV=29.4hr-1
各部で採取した水の水質を分析し、結果を表3に示した。
【0074】
比較例4
Na2 2 8 添加量を300ppmとしたこと以外は実施例3と全く同様にして処理を行い、結果を表3に示した。
【0075】
【表3】
Figure 0003794113
【0076】
表3より、Na2 2 8 添加量を少なくしてDOをTOC分解に消費した実施例3ではTOC及びDOが極めて少ない純水が得られることが明らかである。これに対して、Na2 2 8 添加量にDOを考慮していない比較例4では、TOC除去は行えるがDO除去を十分に行えない。
【0077】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のTOC成分及び溶存酸素の除去方法によれば、TOCの加熱分解に原水中のDOを消費することで、一段階の処理でTOCと共にDOも除去することができる。このため、加熱分解処理の後段で、紫外線酸化によるTOC分解や膜脱気によるDO除去など他の方法を併用する場合には、後段の処理装置への負荷を著しく低減でき、後段装置の小型化、処理の更なる高度化、安定化が達成できる。
【0078】
また、TOC分解に原水中のDOを利用することで過硫酸塩等の添加量を必要最低限とすることができ、過剰の過硫酸塩等による加熱分解処理後の脱イオン処理工程への影響が防止されると共に、添加した過硫酸塩等に由来する加熱分解処理水中の硫酸塩及び硫酸濃度が低いことから、脱イオン処理工程の装置規模の縮小を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1,2及び比較例1〜3における原水に好適なNa2 2 8 添加量を示すグラフである。
【図2】実施例3における純水製造システムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 加温熱交換器
2 加熱分解反応器
3 冷却熱交換器
4 活性炭塔
5 タンク
6 逆浸透膜分離装置
7 イオン交換塔

Claims (3)

  1. 原水に酸化剤を添加し、原水を酸化剤の存在下で加熱処理することにより原水中のTOC成分を前記酸化剤及び原水中の溶存酸素によって分解した後、脱イオン処理することにより該TOC成分及び溶存酸素を除去するTOC成分及び溶存酸素の除去方法において、
    該酸化剤の添加量を、該酸化剤から発生する酸素量(酸化剤由来活性酸素量S)と、該TOC成分の分解に必要な酸素量(理論活性酸素量T)原水中の溶存酸素が前記酸化剤によって活性化された量(原水由来活性酸素量D)が、T=S+Dに近い条件となるように設定することにより、原水中のTOC成分を除去すると共に原水中の溶存酸素も同時に除去することを特徴とするTOC成分及び溶存酸素の除去方法。
  2. 原水に酸素を添加した後に酸化剤を添加し、原水を酸化剤の存在下で加熱処理することにより原水中のTOC成分を前記酸素、酸化剤及び原水中の溶存酸素によって分解した後、脱イオン処理することにより該TOC成分及び溶存酸素を除去するTOC成分及び溶存酸素の除去方法において、
    該酸化剤の添加量を、該酸化剤から発生する酸素量(酸化剤由来活性酸素量S)と、該TOC成分の分解に必要な酸素量(理論活性酸素量T)と、原水中の溶存酸素が前記酸化剤によって活性化された量(原水由来活性酸素量D)と、原水に添加した酸素から発生する活性酸素量(注入酸素由来活性酸素量X)が、T=S+D+Xに近い条件となるように設定することにより、原水中のTOC成分を除去すると共に原水中の溶存酸素も同時に除去することを特徴とするTOC成分及び溶存酸素の除去方法。
  3. 請求項1又は2において、加熱処理した処理水にアルカリを注入し、次いで酸化剤除去処理した後に脱イオン処理を行うことを特徴とするTOC成分及び溶存酸素の除去方法。
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