JP3793414B2 - かしめ方法とワーク寸法測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用トランスミッションの無段変速機を構成するVプーリの可動シーブ等のワークに形成された環状溝にピストンまたはアクチュエータのケーシング等の所定の部材の端縁部をかしめるかしめ方法とその際に使用されるワーク寸法測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用トランスミッションである無段変速機を構成するVプーリは、固定シーブと、図8に示される可動シーブ1とを備える。可動シーブ1の幅広部2の側周壁部には段部が設けられており、この段部によって幅広部2が大径部3と小径部4とに区分されている。このうち、小径部4の側周壁部には環状溝5が形成されており、該環状溝5には図示しない油圧アクチュエータを構成するケーシング6の筒状部7の端縁部がかしめられている。可動シーブ1は、前記油圧アクチュエータの作用下に前記固定シーブに対して接近または離間する。
【0003】
筒状部7の端縁部の環状溝5へのかしめは、図9に示されるかしめ装置10により遂行される。すなわち、まず、かしめ装置10を構成するスピンドル12に可動シーブ1が支持され、次に該可動シーブ1上にケーシング6が載置される。勿論、この際には、可動シーブ1の環状溝5がケーシング6の筒状部7で囲繞される。なお、可動シーブ1上に載置されたケーシング6は、かしめ装置10のクランプ14で押圧されることにより固定される。
【0004】
そして、スピンドル12が回転付勢されることに伴って回転動作したケーシング6の筒状部7の端縁部が、例えば、特開平6−297056号公報または特開平6−297057号公報に参照されるかしめ装置10のかしめローラ(図示せず)で押圧される。これにより端縁部が可動シーブ1の環状溝5にかしめられ、その結果、可動シーブ1とケーシング6とが互いにかしめ結合される。
【0005】
ところで、このようなかしめ結合を行う前には、図9にかしめ装置10とともに示されるワーク寸法測定装置20によって可動シーブ1の寸法、すなわち、該可動シーブ1の高さおよび振れを予め検査しておくことが通例である。高さおよび振れが許容範囲を超える可動シーブ1にケーシング6をかしめ結合しようとした場合、かしめローラが可動シーブ1またはケーシング6に干渉してかしめ結合を遂行できないことがあるからである。また、筒状部7の端縁部が環状溝5に良好にかしめられなくなるという事態を招くことがあり、このために可動シーブ1からケーシング6が離脱してしまうことが懸念されるからである。
【0006】
このワーク寸法測定装置20は、ガイドレール22a、22bに沿って紙面に対し垂直方向に移動する基台24と、図9におけるA−B方向に変位自在なスライダ26と、該スライダ26に連結された台座28と、該台座28の左端部に固定された支持部材30に揺動自在に支持されたビーム32と、可動シーブ1の寸法を測定する電気マイクロメータ34とを備える。
【0007】
基台24の下部には、ガイドレール22a、22bにそれぞれ嵌合された滑走ローラ36a、36bと、図示しないモータの作用下に回転付勢されるボールねじ38が通された被案内盤40とが連結されている。すなわち、基台24は、ボールねじ38が回転動作することに伴って図9における紙面に対し垂直方向に移動する。
【0008】
一方、基台24上の略中央部には、角柱状のロッドレスシリンダ42が位置決め固定されている。スライダ26はこのロッドレスシリンダ42の図示しないピストンに連結されており、したがって、該スライダ26は、ロッドレスシリンダ42の作用下にA−B方向に変位する。このようにスライダ26が変位することに追従して、スピンドル12に支持された可動シーブ1およびケーシング6に対して電気マイクロメータ34が接近または離間する。
【0009】
また、基台24上の左端部には、台座28を停止させるためのストッパ44が配置されている。このストッパ44は、ボルト46に螺合されることにより位置決め固定されている。
【0010】
台座28は、ベース部材48と、第1柱状部材50と、第2柱状部材52とを有し、ベース部材48はスライダ26と、第1柱状部材50はベース部材48と、第2柱状部材52は第1柱状部材50と相互に連結されている。なお、第1柱状部材50は、その長手方向がベース部材48の長手方向に直交するように連結されており、また、第2柱状部材52は、その長手方向がベース部材48の長手方向と平行になるようにボルト54を介して連結されている。また、第1柱状部材50および第2柱状部材52には、両者の連結強度を確保するための補強板55が接合されている。
【0011】
第2柱状部材52の下部には、シリンダ56が設置されている。そして、このシリンダ56のピストンロッド58の先端部には、ビーム32の屈曲した下端部に当接または離間して該ビーム32を揺動動作させるためのフランジナット60が連結されている。なお、図9では、ピストンロッド58が前進動作してフランジナット60がビーム32の下端部に当接している状態が示されている。
【0012】
第2柱状部材52の左端面には、上記したように、支持部材30が固定されている。該支持部材30は、第2柱状部材52に接合された平板部と、該平板部に橋架された環状支持部を有し、ビーム32はこの環状支持部の貫通孔に嵌合されている。
【0013】
電気マイクロメータ34は、ビーム32に連結された長尺な連結部材62の先端部に支持されており、かつ該電気マイクロメータ34が有する測定子64は、第2柱状部材52の上端面に設置された演算器66に図示しないリード線を介して電気的に接続されている。また、電気マイクロメータ34には差動トランスを構成する複数個の図示しない電磁コイルが収容されており、該電磁コイルの内部には、測定子64から延在するコア(図示せず)が挿入されている。後述するように、演算器66は、可動シーブ1に対して摺動動作する測定子64が発した電気信号に基づいて演算を行うことにより可動シーブ1の高さおよび振れを算出する。
【0014】
可動シーブ1の高さおよび振れは、以下のようにして測定される。
【0015】
まず、可動シーブ1の上端面にケーシング6を載置してかしめ装置10のスピンドル12を回転付勢した後、ロッドレスシリンダ42の内部に圧縮エアを導入してスライダ26を図9におけるA方向へ変位させ、これにより台座28および測定子64を可動シーブ1に接近させる。スライダ26の変位は、台座28のベース部材48がストッパ44に当接することにより停止される。
【0016】
次に、シリンダ56のピストンロッド58を後退動作させる。これによりフランジナット60がビーム32の下端部から離間し、その結果、ビーム32が揺動動作してその下端部が水平位置に復元する。この復元に伴って、図10に示すように、電気マイクロメータ34の測定子64が可動シーブ1の大径部3の上端面に載置される。すなわち、スピンドル12が回転付勢されることにより回転動作している可動シーブ1の大径部3の上端面に対して測定子64が摺動動作する。
【0017】
上端面が傾斜している場合または上端面に凹凸が存在する場合には、測定子64が傾斜または凹凸に沿って上下に振動する。この際、電気マイクロメータ34の内部では、測定子64から延在するコアが電磁コイルの内部で変位する。これにより該電磁コイルに誘導起電力が発生し、この誘導起電力が電気信号としてリード線を介して演算器66に送られる。
【0018】
演算器66は、誘導起電力の大きさ、すなわち、受信した電気信号の大きさに基づいて測定子64の基準点からの振動量を算出する。この振動量が可動シーブ1の振れであり、高さは、最も大きい振れと最も小さい振れとの平均値として求められる。
【0019】
このようにして求められた振れと高さが許容範囲内である場合、かしめ装置10によるかしめ結合が遂行される。すなわち、上記したように、かしめローラによってケーシング6の端縁部が押圧され、可動シーブ1の側周壁部にかしめられる。
【0020】
なお、振れや高さは、可動シーブ1の大径部上端面に塵が付着した場合や、可動シーブ1の加工精度が良好でない場合等に許容範囲を超える。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来技術に係るワーク寸法測定装置20においては、ストッパ44によって台座28を停止させるようにしている。このため、可動シーブ1とは径が異なる可動シーブに対してケーシング6をかしめ結合するために台座28の停止位置を変更するような場合には、寸法測定を行う前に適切なストッパ44を選定して交換しなければならない。すなわち、このワーク寸法測定装置20には、台座28の停止位置を変更する度にストッパ44を交換するという煩雑な作業を行わなければならず、しかも、このためにかしめ作業効率が低下するという不具合がある。
【0022】
また、このワーク寸法測定装置20を使用して可動シーブ1の高さおよび振れを測定しようとした際、可動シーブ1の大径部上端面がケーシング6から充分に露呈している場合には測定子64が確実に該上端面に載置されるが、ケーシング6からの露呈距離が短い場合には、該上端面に測定子64が載置されないことがある。すなわち、ストッパ44では台座28を所定の位置に精度よく停止させることができず、このために可動シーブ1の上端面の高さおよび振れを測定できないことがあるという不具合が顕在化している。
【0023】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、ワークの寸法を確実に測定することができ、しかも、ワークを交換する場合であってもかしめ作業効率を低下させることのないかしめ方法とワーク寸法測定装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、大径部と小径部とを備えかつ前記小径部の側周壁部に環状溝を有するワークの前記環状溝に所定の部材の筒状部の端縁部をかしめることにより前記ワークと前記所定の部材とを互いにかしめ結合するかしめ方法において、
前記ワークに対して接近または離間自在な測定手段を位置決めする位置決めローラを前記大径部の側周壁部に当接させる第1の工程と、
回動動作された状態の前記ワークの寸法を前記測定手段で測定する第2の工程と、
前記ワークの寸法精度が許容範囲内であるときに前記環状溝に前記端縁部をかしめる第3の工程と、
を有することを特徴とする。
【0025】
位置決めローラをワークの側周壁部に当接させることにより、ワークを変更した場合であっても、測定手段を所定の位置に確実に位置決めすることができる。したがって、ワークの寸法を確実に測定することができる。
【0026】
しかも、この場合、回動動作したワークに当接した位置決めローラは、速やかに回転動作を開始する。すなわち、位置決めローラをワークの側周壁部に当接させるようにしたことに伴って該ワークの回動動作が妨げられることもない。
【0027】
また、本発明は、大径部と小径部とを備えかつ前記小径部の側周壁部に環状溝を有するワークの前記環状溝に所定の部材の筒状部の端縁部をかしめることにより前記ワークと前記所定の部材とを互いにかしめ結合するかしめ装置に付設されるワーク寸法測定装置において、
移動手段の作用下に前記ワークに対して接近または離間自在な台座と、
前記台座に固定された揺動機構と、
前記台座に揺動自在に支持されるとともに、前記揺動機構の作用下に揺動動作するビームと、
前記ビームに取り付けられて前記ワークに指向して延在する連結部材と、
前記連結部材の一端部に支承されて前記台座とともに前記ワークに対して接近または離間する測定手段と、
前記台座に取り付けられて該台座とともに前記ワークに対して接近または離間する位置決めローラと、
を備え、
前記測定手段は、前記位置決めローラが前記大径部の側周壁部に当接することで前記ワークに対する接近が終了した後、前記揺動機構が前記ビームを揺動させることに伴って前記ワークに対して揺動動作して検出部位が前記ワークに当接し、
かつ回転動作された状態の前記ワークの寸法を測定することを特徴とする。
【0028】
このような構成とすることにより、ワークの回動動作を妨げることなく測定手段を所定の位置に確実に位置決めすることができる。したがって、ワークの寸法を確実に測定することができる。
【0029】
なお、ワークの好適な例としては、自動車用トランスミッションである無段変速機を構成するVプーリの可動シーブを挙げることができ、一方、所定の部材の好適な例としては、ピストンまたはアクチュエータのケーシングを挙げることができる。勿論、前記Vプーリは大径部と小径部とを備え、かつ前記小径部の側周壁部に環状溝を有し、一方、前記ケーシングは筒状部を有する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るかしめ方法につきその際に使用されるワーク寸法測定装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、図8〜図10に示される構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0031】
本実施の形態に係るワーク寸法測定装置100の概略側面図を図1に示すとともに、その平面図を図2に示す。このワーク寸法測定装置100は、かしめ装置10のスピンドル12に支持された可動シーブ1(ワーク)の寸法、すなわち、高さおよび振れを測定する測定手段としての電気マイクロメータ34と、可動シーブ1の側周壁部に当接することにより電気マイクロメータ34を位置決めする位置決めローラ102とを備える。このうち、電気マイクロメータ34は、基台24上に位置決め固定されたロッドレスシリンダ42のスライダ26が図1におけるA−B方向に変位することに追従して、可動シーブ1に対し接近または離間する。一方、位置決めローラ102は、弾性体、好ましくはゴムで構成されている。
【0032】
基台24の下部には、ガイドレール22a、22bに嵌合された滑走ローラ36a、36bと、ボールねじ38が通された被案内盤40とが連結されている。すなわち、基台24は、ボールねじ38が回転付勢されることに伴って図2におけるC−D方向に変位する。
【0033】
一方、基台24上には1組の固定盤103a、103bが立設されており、該1組の固定盤103a、103bの間には2本のガイドバー104a、104bが橋架されている。
【0034】
また、スライダ26には、略L字型のアーム部材106を介して台座108が連結されている。なお、アーム部材106と台座108との間にはコイルスプリング110が介装されている。後述するように、このコイルスプリング110は衝撃緩和材として機能する。
【0035】
また、アーム部材106に設けられた図示しない貫通孔には、遊びがある状態で調節ねじ112が通されている。該調節ねじ112の胴部は、コイルスプリング110に通された後、台座108を構成する調節ねじ着座部材114に螺合されている。
【0036】
台座108は、上記した調節ねじ着座部材114の他、ガイドバー104a、104bが通されたブッシュハウジング116と、該ブッシュハウジング116の上端面に接合された舟形部材117と、該舟形部材117の上端面に接合された演算器載置部材118とを有する。そして、調節ねじ着座部材114は、ブッシュハウジング116の一端面から演算器載置部材118の一端面に亘って接合されている。なお、ガイドバー104a、104bは、調節ねじ着座部材114の下端部近傍にも通されている。
【0037】
ブッシュハウジング116の下部には、シリンダ56が固定されている。そして、このシリンダ56のピストンロッド58の先端部には、ビーム32の下端部に当接または離間して該ビーム32を揺動動作させるためのフランジナット60が連結されている。
【0038】
また、ブッシュハウジング116の左端面には支持部材30の平板部が固定されており、該支持部材30の環状支持部にはビーム32が支持されている。
【0039】
舟形部材117は、ブッシュハウジング116に比してやや幅狭でかつ長尺である(図2参照)。この舟形部材117には孔部120が設けられており、該孔部120にはビーム32が通されている。また、舟形部材117の左端部は内側に指向して屈曲されている。
【0040】
この左端部には、ボルト122を介して連結部材124が連結されている。そして、位置決めローラ102は、この連結部材124に回転自在に支持されている。
【0041】
より具体的に説明すれば、図3に示すように、連結部材124および位置決めローラ102には貫通孔126、128がそれぞれ設けられている。位置決めローラ102は、これら貫通孔126、128を通ったボルト130の側周壁部にベアリング132を介して係合されている。なお、ボルト130にはナット134が係止されており、これにより該ボルト130の抜け止めがなされている。
【0042】
電気マイクロメータ34は、ビーム32の上端部に連結された長尺な連結部材62の先端部に支持されている。そして、該電気マイクロメータ34の測定子64は、台座108を構成する演算器載置部材118の上端面に設置された演算器66に図示しないリード線を介して電気的に接続されている。
【0043】
次に、上記のように構成されたワーク寸法測定装置100を使用して可動シーブ1の高さおよび振れを測定した後、可動シーブ1とケーシング6とを互いにかしめ結合するかしめ方法について説明する。
【0044】
本実施の形態に係るかしめ方法は、位置決めローラ102を可動シーブ1の側周壁部に当接させる第1工程S1と、回動動作された状態の可動シーブ1の高さおよび振れを電気マイクロメータ34により測定する第2工程S2と、可動シーブ1とケーシング6とを互いにかしめ結合する第3工程S3とを有する。
【0045】
まず、ガイドレール22a、22bに沿って基台24を図2におけるD方向に後退させた状態で、かしめ装置10のスピンドル12を可動シーブ1の貫通孔に通す。この際、可動シーブ1の貫通孔内に設けられた段部がスピンドル12の大径部に載置されることによって該可動シーブ1がスピンドル12に支持される。さらに、ケーシング6をスピンドル12に通して可動シーブ1上に載置した後、下降させたクランプ14でケーシング6を押圧し、該ケーシング6を支持する。そして、ボールねじ38を回転付勢することにより、基台24をC方向(図2参照)に変位させる。
【0046】
次いで、スピンドル12を回転付勢するとともに、ロッドレスシリンダ42の内部に圧縮エアを導入し、スライダ26を図1におけるA方向に変位させる。この変位に追従し、アーム部材106を介してスライダ26に連結された台座108がガイドバー104a、104bに案内されながら可動シーブ1およびケーシング6に接近し、最終的に、図4に示すように、位置決めローラ102が可動シーブ1の側周壁部に当接する(第1工程S1)。この当接によりスライダ26の変位が停止されるとともに、電気マイクロメータ34が位置決めされる。
【0047】
この当接の際、アーム部材106と台座108との間に介装されたコイルスプリング110が圧縮されることによりその衝撃が著しく緩和される。また、位置決めローラ102がゴムにより構成されているので、可動シーブ1に対して該位置決めローラ102自体が著しい衝撃を与えることもない。すなわち、位置決めローラ102は穏やかに可動シーブ1に当接するので、位置決めローラ102を可動シーブ1に当接させるようにしたことにより該可動シーブ1が変形するという事態が惹起されることはない。
【0048】
なお、この緩和の度合いは、調節ねじ112を螺回することによって設定することができる。すなわち、調節ねじ112を締める方向に螺回してアーム部材106と台座108(調節ねじ着座部材114)との間隔を短くした場合、コイルスプリング110が圧縮されるので、緩和の度合いが小さくなる。調節ねじ112を緩める方向に螺回した場合には、この逆である。
【0049】
また、位置決めローラ102は、回転動作している可動シーブ1に当接した直後から、ボルト130を中心に速やかに回転動作する。すなわち、位置決めローラ102が当接することによって可動シーブ1が回転動作することが困難になることもない。
【0050】
なお、第1工程S1を行う前には、シリンダ56のピストンロッド58を前進動作させてフランジナット60をビーム32の下端部に当接させることにより、ビーム32を予め上方向に揺動動作させておく。これにより、第1工程S1において、電気マイクロメータ34の測定子64が可動シーブ1の側周壁部に当接することが回避される。すなわち、第1工程S1が終了した時点では、図5に拡大して示すように、測定子64は可動シーブ1の大径部上端面から離間している。
【0051】
この状態から、ピストンロッド58を後退動作させ、フランジナット60をビーム32の下端部から離間させる。これにより該ビーム32が下方向に揺動動作し、その結果、該ビーム32の下端部が水平位置に復元するとともに、該ビーム32に連結された連結部材62も揺動動作して水平状態となる。
【0052】
電気マイクロメータ34は、連結部材62が水平状態となった場合、位置決めローラ102よりも先端部に位置するように支持されている。すなわち、ビーム32が揺動動作した場合、測定子64は、図6に示すように可動シーブ1の大径部3の上端面に確実に載置される。
【0053】
このように、位置決めローラ102を可動シーブ1の大径部3の側周壁部に当接させることにより、測定子64を可動シーブ1の大径部3の上端面に確実に載置させることができる。
【0054】
以下、上記と同様の機構によって可動シーブ1の高さおよび振れが測定される(第2工程S2)。すなわち、大径部3の上端面の傾斜または凹凸に沿って測定子64が上下方向に振動し、これにより測定子64から延在するコアが電気マイクロメータ34に収容された複数個の電磁コイル(差動トランス)の内部で変位する。この変位に伴って該電磁コイルに発生した誘導起電力が、電気信号としてリード線を介して演算器66に送られる。
【0055】
演算器66は、誘導起電力の大きさ、すなわち、受信した電気信号の大きさに基づき、測定子64の基準点からの振動量を算出する。この振動量は、図示しない表示装置により、例えば、図7に示すように、曲線CV1、CV2として出力される。
【0056】
この曲線CV1、CV2が可動シーブ1の上端面の振れを表す。また、高さは、各曲線CV1、CV2において最も大きな振れの基準点(振れ=0)からの距離H1、h1と、最も小さな振れの基準点からの距離H2、h2との平均値である。すなわち、振れが曲線CV1で表される可動シーブ1の高さは(H1+H2)/2を計算することにより求められ、一方、振れが曲線CV2で表される可動シーブ1の高さは(h1+h2)/2を計算することにより求められる。
【0057】
以上のように、本実施の形態によれば、可動シーブ1の大径部3の上端面に測定子64を確実に載置することができるので、該可動シーブ1の高さおよび振れを確実に測定することができる。
【0058】
図7において、実線で示される曲線CV1は、直線L1およびL2で示される予め設定された振れの許容範囲内である。したがって、算出された高さ(h1+h2)/2が許容範囲内であると判断された場合、かしめ装置10を構成する図示しないかしめローラによって、ケーシング6の筒状部7の端縁部が可動シーブ1に形成された環状溝5にかしめられる(第3工程S3)。要するに、可動シーブ1とケーシング6とのかしめ結合が遂行される。
【0059】
かしめ結合が行われる前には、電気マイクロメータ34を可動シーブ1から予め離間させておくようにしてもよい。この場合、まず、シリンダ56のピストンロッド58を前進動作させることによりビーム32を揺動動作させるとともに連結部材62を揺動動作させ、測定子64を可動シーブ1の大径部3の上端面から離間させる。この状態で、ロッドレスシリンダ42の作用下に、スライダ26を図1におけるB方向に後退動作させればよい。
【0060】
一方、破線で示される曲線CV2は、直線L2よりも上方に位置している。すなわち、振れが許容範囲を超えている。このような場合、かしめ結合は行われない。
【0061】
これとは別に、可動シーブ1とは径が異なる可動シーブの振れおよび高さを測定する場合、上記と同様にして第1工程S1を行うようにすればよい。この場合においても、前記可動シーブの大径部の側周壁部に位置決めローラ102を当接させた後、シリンダ56のピストンロッド58を後退動作させてビーム32を揺動動作させることにより、測定子64を前記大径部の上端面に確実に載置することができる。
【0062】
このことから諒解されるように、本実施の形態によれば、位置決めローラ102を可動シーブ(ワーク)に当接させることにより台座108を停止させるようにしているので、台座108の停止位置を変更するために位置決めローラ102を交換する必要がない。したがって、可動シーブ1とは径が異なる可動シーブに交換してケーシング6をかしめ結合するような場合であっても煩雑な作業を行う必要がなく、したがって、かしめ作業効率が低下することもない。
【0063】
なお、本実施の形態では、可動シーブ1とケーシング6とをかしめ結合する前に可動シーブ1の高さおよび振れを測定する場合を例示して説明したが、かしめ結合される対象は特にこれらに限定されるものではない。
【0064】
また、電気マイクロメータ34に代替えして空気マイクロメータを使用するようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るかしめ方法によれば、かしめ結合を行う前にワークの寸法精度を検査する際、測定手段を位置決めする位置決めローラをワークの大径部の側周壁部に当接させるようにしている。このため、ワークを変更した場合であっても、測定手段を所定の位置に確実に位置決めすることができ、結局、ワークの寸法を確実に測定することができるという効果が達成される。
【0066】
また、本発明に係るワーク寸法測定装置によれば、測定手段を位置決めする位置決めローラを備えているので、ワークの回動動作を妨げることなく測定手段を所定の位置に位置決めすることができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るワーク寸法測定装置の概略側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】位置決めローラを拡大して示す要部拡大縦断面図である。
【図4】位置決めローラが可動シーブの側周壁部に当接して台座および測定子が位置決めされた状態を示す概略側面図である。
【図5】図4の要部拡大説明図である。
【図6】測定子が可動シーブの大径部上端面に載置された状態を示す要部拡大説明図である。
【図7】振れおよび高さの定義を説明する説明図である。
【図8】可動シーブとケーシングとが互いにかしめ結合された状態を示す概略縦断面図である。
【図9】かしめ装置と従来技術に係るワーク寸法測定装置の概略側面図である。
【図10】ロッドレスシリンダのスライダがストッパに当接して台座および測定子が位置決めされた状態を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1…可動シーブ(ワーク) 3…大径部
4…小径部 5…環状溝
6…ケーシング 7…筒状部
10…かしめ装置 12…スピンドル
20、100…ワーク寸法測定装置 24…基台
26…スライダ 28、108…台座
32…ビーム 34…電気マイクロメータ(測定手段)42…ロッドレスシリンダ 44…ストッパ
56…シリンダ 58…ピストンロッド
60…フランジナット 64…測定子
66…演算器 102…位置決めローラ
106…アーム部材 110…コイルスプリング
112…調節ねじ 130…ボルト
132…ベアリング 134…ナット
CV1、CV2…曲線

Claims (3)

  1. 大径部と小径部とを備えかつ前記小径部の側周壁部に環状溝を有するワークの前記環状溝に所定の部材の筒状部の端縁部をかしめることにより前記ワークと前記所定の部材とを互いにかしめ結合するかしめ方法において、
    前記ワークに対して接近または離間自在な測定手段を位置決めする位置決めローラを前記大径部の側周壁部に当接させる第1の工程と、
    回動動作された状態の前記ワークの寸法を前記測定手段で測定する第2の工程と、
    前記ワークの寸法精度が許容範囲内であるときに前記環状溝に前記端縁部をかしめる第3の工程と、
    を有することを特徴とするかしめ方法。
  2. 大径部と小径部とを備えかつ前記小径部の側周壁部に環状溝を有するワークの前記環状溝に所定の部材の筒状部の端縁部をかしめることにより前記ワークと前記所定の部材とを互いにかしめ結合するかしめ装置に付設されるワーク寸法測定装置において、
    移動手段の作用下に前記ワークに対して接近または離間自在な台座と、
    前記台座に固定された揺動機構と、
    前記台座に揺動自在に支持されるとともに、前記揺動機構の作用下に揺動動作するビームと、
    前記ビームに取り付けられて前記ワークに指向して延在する連結部材と、
    前記連結部材の一端部に支承されて前記台座とともに前記ワークに対して接近または離間する測定手段と、
    前記台座に取り付けられて該台座とともに前記ワークに対して接近または離間する位置決めローラと、
    を備え、
    前記測定手段は、前記位置決めローラが前記大径部の側周壁部に当接することで前記ワークに対する接近が終了した後、前記揺動機構が前記ビームを揺動させることに伴って前記ワークに対して揺動動作して検出部位が前記ワークに当接し、
    かつ回転動作された状態の前記ワークの寸法を測定することを特徴とするワーク寸法測定装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記ワークが自動車用トランスミッションである無段変速機を構成するVプーリの可動シーブであり、かつ前記所定の部材がピストンまたはアクチュエータのケーシングであり、
    前記Vプーリは大径部と小径部とを備え、かつ前記小径部の側周壁部に環状溝を有し、
    前記ケーシングは筒状部を有することを特徴とするワーク寸法測定装置。
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