JP3792934B2 - ガスケットとその製造方法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、金属を主体とするガスケット、特に自動車等に搭載されるエンジンにあってその構成部材間にあって該二部材の密封をなす金属板と弾性シール部からなるガスケットとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等のエンジン用のガスケットは、ボア孔、水孔あるいは油孔等が通る対向した部材間に装着されてこれら二部材の密封をなす重要部品であり、これの構成材としては、トルク保持力に優れる金属板と安定した面圧を得られるゴム等からなった弾性シール材とを組み合わせて一体形成しているものが多く見られる。
このような金属板と弾性シール材との組合せ構造を持つガスケットの一例を挙げると、一定の厚みを持つガスケット本体の開口部周縁に取付部を設けて、この取付部へ弾性ガスケットを配置する構造が広く知られており、金属製板材のガスケット本体部で面圧縮による強い密封を期待し、弾性ガスケットで柔軟性の高い局部的な面圧を得てそれぞれの箇所に最適な密封力を提供し、もって総合的な高い密封作用を期待している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような金属板からなるガスケット本体の開口部周縁に弾性ガスケットを配置したガスケット構造は、それぞれの材料の特性に合った性能を発揮し得ない部分を多く有しているものと考えられ密封性能にムラが発生し易い。
すなわち、このガスケットの成型においては、図面を基に説明すると図3に示すように、成形型3においてガスケット本体1の開口部周縁のキャビティ内へ弾性材料を充填してガスケット本体1と共に圧縮成型せしめると、弾性ガスケット2のキャビティ体積以外の余剰の材料はその内・外周部の両方向へ溢れて流れ出し、その内周側部位へは成形型3の割り面へ余剰材受け溝3aを形成し得ても、その外周部(ガスケット本体1側)へは有効な材料の逃げ空間が設けられず、従って弾性ガスケット2の外周部へは図3に示すような、前記開口部周縁から連なり板状のガスケット本体1の平面部へ拡って延びる薄膜2aが形成されるものとなる。
【0004】
こうなると、形成されたガスケットは前記薄膜2aによって装着時にガスケット本体1の圧縮による面圧分布が部分部分で異なるものとなり、密封面の均一性が大きく損なわれる。
勿論、この薄膜2aの拡散は弾性ガスケット2にも悪影響を及ぼすもので、該弾性ガスケット2の局部面圧範囲を不確かなものとしてしまい、結果として密封作用を弱める虞がある。
本発明はこのような欠点に鑑みてなされており、それぞれの材料特性を有効に発揮させ、成型性と総合的なシール性能を高めたガスケットを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明を図面に基づいて説明すると、図1及び図2に示すように、自動車用エンジンのシリンダヘッドあるいは吸排気部材の取り付け部材とシリンダブロック等との間に装着される金属製板状のガスケット本体1と弾性体製のシール部4とからなるガスケットであって、図1に示すように前記ガスケット本体1におけるボア孔、水孔あるいは油孔等の開口部の周縁に段のある肉薄部1aを配設すると共に、前記肉薄部1aからわずかに離間させて前記ガスケット本体1の平面部へ前記肉薄部1aを囲むように環状溝1bを形成し、前記肉薄部1aにシール部4をプレス成型せしめたことを特徴としている。
【0006】
また、金属からなる板状のガスケット本体1と、弾性体からなるシール部4を組み合わせたガスケットの製造方法であって、図1に示すように前記ガスケット本体1のボア孔、水孔あるいは油孔等の開口部の周縁に段となった肉薄部1aを造形すると共に、該肉薄部1aからわずかに離間させて前記ガスケット本体1の平面へ環状溝1bを刻設せしめ、成形型3内にて前記ガスケット本体1の肉薄部1aに合成ゴムとか合成樹脂等の弾性材料をそのキャビティ容積より僅かに多く供給し、前記環状溝1bを余剰弾性材料の溢れ吸収空間とせしめてシール部4を形成することを特徴としている。
【0007】
【作用】
本発明は上記したように、肉薄部1aの形成されたガスケット本体1の開口部近傍にこれを囲むように環状溝1bを設けており、シール部4を形成するとき前記環状溝1bを余剰弾性材料の溢れ吸収空間として、図2に示すようにガスケット本体1の平面上に拡散しようとする弾性材料を該環状溝1bで遮断するものであって、前記ガスケット本体1の平面上におけるシール部4(弾性材料)の明確な線引きをなさしめる働きをなしている。
【0008】
このガスケットの成型においては、図1に示すように成形型3内で前記ガスケット本体1における肉薄部1a上に投入された弾性材料は締圧を受けるとキャビティ内に充満し、その容積より僅かに多く供給された弾性材料は余剰材となって内・外周面に溢れ出るものとなり、この流出する余剰弾性材料に対し、その内周側は成形型3に刻設した余剰材料受け溝3aが対応してこれを吸収せしめ、外周側はガスケット本体1の平面部に設けた環状溝1bが余剰受け空間となってこれを受け止めそれ以上の拡散を防ぐ働きをなす。
ここでガスケット本体1はその平面部の環状溝1bにてシール部4が明確に区切られ、ガスケット本体1の板状金属部分とシール部4の弾性体部分とが図2に示すように平面的にはっきりと区画されるものとなる。
【0009】
【実施例】
本発明のガスケットの成形では、金属板からガスケット本体1を形成するときに予めその平面部へ環状溝1bを形成すると共に、開口部の周縁にも肉薄部1aを圧延あるいは切削するなどして造形しておき、このガスケット本体1と弾性材料とを成形型3内に投入して圧縮成形するが、このときシール部4の空間容積に対して弾性材料を体積量よりわずかに多め(100.1%〜107%程度の範囲)に投入せしめ、図1に示すように溢れ出る余剰材を内周部の余剰材料受け溝3aとガスケット本体1の環状溝1bとで受け止め、ここでの余剰材料共ども固着成型せしめる。
この成型後に成形型3から取出してバリとなった余剰材料を取り去り(環状溝1bにある余剰材料はその凹み部へ溜る状況ゆえあえて取り除かなくても問題の残るものでない。)ガスケットが形成される。
【0010】
このような、環状溝1bと肉薄部1aの間部は両側の低面部から突出した輪形状を形造っており、圧縮において該間部は平面部と異なる局部的面圧を発揮するものとなる。
【0011】
本発明のガスケット本体1に設ける環状溝1bの造形配置においては、例えば異径輪状に複数本配設するとか上下面に設ける場合それぞれ食い違わせて配置するとかあるいは蛇行形状等の真円でない形状を採用することもでき、その断面形状においても半丸、三角、四角、あるいは多角、さらにはこれらの組合せ形状など様々な溝形状を選択することができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明によると、ガスケット本体1の開口部近傍にこれを囲むように環状溝1bを設けたことにより、成型時に余剰弾性材料の溢れ吸収空間を形成してガスケット本体1の平面上に拡散しようとする弾性材料を遮断するので明確な区画をなさしめることができる。
このようなはっきりとした区画により、金属板からなるガスケット本体1と弾性体からなるシール部4はそれぞれの材料特性を発揮し、圧縮による面圧分布が変化しない均一な密封面をそれぞれ形成して良好な面圧を保つから強い密封作用を果たすものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成型状態を示す断面図である。(図2のA−A´断面部を示す。)
【図2】 本発明の実施例を示す部分平面図である。
【図3】 本発明を用いない従来の成型例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガスケット本体
1a 肉薄部
1b 環状溝
2 弾性ガスケット
2a 薄膜
3 成形型
3a 余剰材受け溝
4 シール部
Claims (2)
- 金属からなる板状のガスケット本体と、弾性体からなるシール部を組み合わせたガスケットにおいて、
前記ガスケット本体の開口部の周縁を段のある肉薄部に造形すると共に、該肉薄部からわずかに離間させて前記ガスケット本体の平面部へ環状溝を形成し、
前記肉薄部にシール部を配置せしめたことを特徴とするガスケット。 - 金属からなる板状のガスケット本体と、弾性体からなるシール部を組み合わせたガスケットの製造方法において、
ガスケット本体の開口部の周縁に段のある肉薄部を造形すると共に、該肉薄部からわずかに離間させて前記ガスケット本体の平面部へ環状溝を刻設し、
成形型内にて前記ガスケット本体の肉薄部に弾性材料を供給充填し、前記環状溝を余剰材料の溜り空間とせしめてシール部をプレス形成することを特徴とするガスケットの製造方法。
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