JP3792736B2 - 防水コネクタ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、防水コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3及び図4は、特開昭64−59787号公報に記載の防水コネクタ1を示す。同図において、このコネクタ1は、コネクタハウジング3と一体に筒状部5が形成され、この筒状部5を覆うようにフード部7が形成されている。このフード部7と筒状部5との間には相手側コネクタが挿入される挿入用空所9が設けられている。筒状部5には、端子金具11が収容される端子収容室13が形成されている。この端子収容室13の内壁からは可撓性の係止腕15が突設されている。可撓性の係止腕15は、端子収容室13内に収容された端子金具11と係合して、端子収容室13内からの端子金具11の抜けを阻止する。
【0003】
また、コネクタ1には、筒状部5の外周に防水栓17が装着されている。この防水栓17は挿入用空所9内に挿入された相手側コネクタのフード部の内壁と筒状部5の外周との間に密着状態で挟持され、相手側コネクタのフード部と筒状部5との間をシールする。
【0004】
さらに、このコネクタ1には、筒状部5に二重係止用のキャップ19が装着されている。このキャップ19は、一方が開口された筒状で、開口縁部が外側に突出してストッパ部21が形成されている。そして、筒状部5の前面側(相手側コネクタの端子が挿入される側)を内部に嵌入して装着されている。この状態では、キャップ19が、端子収容室13内の端子金具11に係合している可撓性の係止腕15の撓み空間に位置するため、係止腕15はたわみが阻止されている。これにより、端子金具11は、可撓性の係止腕15との係合と、可撓性の係止腕15のたわみを阻止することにより、端子収容室13内に二重に係止されている。
【0005】
また、キャップ19のストッパ部21は、筒状部5に装着されている防水栓17の端部に当接することにより、防水栓17をコネクタハウジング3との間で挟持する。これにより、挿入用空所9内への相手側コネクタの挿抜時に防水栓17の位置がずれたり、筒状部5から不用意に離脱しないようになっている。
【0006】
また、二重係止用のキャップが、防水栓のコネクタハウジングからの離脱を阻止する構造の防水コネクタとしては、特開平1−213973号公報でも提案されている。この公報の防水コネクタでは、キャップが筒状部に完全に嵌合して、係止腕の撓みを阻止すると共に、防水栓をコネクタハウジングとの間で挟持する本係止位置と、キャップが筒状部から若干外れて、係止腕のたわみを許す仮係止位置とで装着出来るようになっている。この防水コネクタによれば、キャップを仮係止位置に装着して、係止腕を撓ませることで端子金具を端子収容室内から抜き出すことが出来るようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載された例えば防水コネクタ1は、相手側コネクタを挿入用空所9内から抜き出すとき、相手側コネクタの抜き出し方向に防水栓17が引っ張られるため、筒状部5へのキャップ19の嵌合力が弱いと、相手側コネクタと共に、キャップ19及び防水栓17が筒状部から外れてしまうという問題がある。
【0008】
そこで、筒状部5へのキャップ19の嵌合力を強くして、キャップ19を筒状部5にきつめに嵌合させると、今度は端子金具11を端子収容室13内から抜き出す際に、キャップ19を筒状部5から外しにくくなり、端子金具を端子収容室内から抜き出すのが面倒な作業となる。
【0009】
そこで、本発明は、相手側コネクタの抜き出しによるコネクタハウジングからの防水栓の外れを防止することが出来ると共に、端子金具を端子収容室から抜き出す際には手間がかかることのない防水コネクタの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、コネクタハウジングに一体に設けられて相手側コネクタの嵌合フード部内に挿入されると共に、端子金具を収容する端子収容室が設けられた筒状部と、前期端子収容室内に設けられて端子金具と係合し端子金具の端子収容室内からの抜けを阻止する可撓性の係止腕と、前記コネクタハウジングに装着されて前記可撓性の係止腕の撓み空間内に挿入され係止腕のたわみを阻止するスペーサと、前記筒状部の外周に装着されると共に、相手側コネクタと筒状部との間をシールする防水栓とを有する防水コネクタにおいて、前記コネクタハウジングの相手側コネクタの嵌合側への前記スペーサの装着により、前記筒状部からの防水栓の抜けを阻止する位置に移動可能な抜止手段を前記コネクタハウジングに一体に設けられ、前記抜止手段が、コネクタハウジングと一体に形成されて、コネクタハウジングへのスペーサの未装着時に位置して防水栓の抜けを許す非抜止位置と、コネクタハウジングへのスペーサの装着時に位置して防水栓の抜けを阻止する抜止位置との間でたわみ変形可能な可撓板であることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、前記可撓性の係止腕の撓みが阻止されると共に、前記抜止手段による防水栓の抜けが阻止される本係止位置と、係止腕の撓みを許すと共に、前記抜止手段による防水栓の抜けが阻止される仮係止位置とで前記スペーサが前記コネクタハウジングに装着されることを特徴としている。
【0013】
【作用】
請求項1の発明によれば、スペーサをコネクタハウジングの相手側コネクタの嵌合側に装着すると、コネクタハウジングに一体に形成された抜止手段が移動して、筒状部からの防水栓の抜けを阻止する。また、相手側コネクタをコネクタハウジングから抜き出すと、抜き出し方向に防水栓が引っ張られるが、コネクタハウジングと一体に形成された抜止手段が防水栓の抜けを阻止する。また、防水栓に加わる引張力は、スペーサに直接加わることがなく、スペーサがコネクタハウジングから外れることがない。
【0014】
また、スペーサをコネクタハウジングに未装着の場合には、可撓板は非抜止位置に位置して防水栓の筒状部からの抜けを許す。また、スペーサをコネクタハウジングに装着すると、可撓板は抜止位置に撓んで防水栓の筒状部からの抜けを阻止する。
【0015】
請求項2の発明によれば、スペーサをコネクタハウジングに本係止位置に装着すると、係止腕のたわみ空間に挿入されて係止腕の撓みが阻止されると共に、抜止手段が防水栓の抜けを阻止する位置に撓んだままとなる。
【0016】
また、スペーサをコネクタハウジングに仮係止位置に装着すると、係止腕の撓み空間内に挿入することがなく係止腕が撓み可能な状態となるが、抜止手段は防水栓の抜けを阻止する位置に撓む。
【0017】
従って、スペーサが仮係止位置、本係止位置のいずれかの位置でコネクタハウジングに係止されていれば、抜止手段が防水栓の抜けを阻止する位置に撓んで、防水栓の筒状部からの抜けを阻止する。
【0018】
【実施例】
以下、本発明に係る防水コネクタの実施例について図面を用いて説明する。図1は実施例の防水コネクタ23を示し、(a)は全体の構成を示す図であり、(b)は組み付けた状態を示す。
【0019】
図1(a)、(b)に示すように、防水コネクタ23は、筒状部25とこの筒状部25の外側に相手側コネクタの挿入用空所27を形成するフード部29とが一体に形成されたコネクタハウジング31と、筒状部25の外周に装着される防水栓33と、コネクタハウジング31に装着されるスペーサ35とからなる。
【0020】
筒状部25には、端子金具(雌形端子金具)37が収容される端子収容室39、39が形成され、これらの端子収容室39、39の間には挿入溝41が設けられている。また、端子収容室39の内壁からは、図1(b)に示すように、可撓性の係止腕43がそれぞれ突設されている。係止腕43の先端部には係止段部45が形成されている。この係止段部45は、端子収容室39内に収容された端子金具37の係止孔37aに係合して、端子収容室39内からの端子金具37の抜けを阻止する。また、係止腕43の下部には、係止腕43の撓み空間47が設けられている。撓み空間47の下部には、抜止手段としての可撓板49がコネクタハウジング31と一体に形成されている。
【0021】
可撓板49は、図2(a)に示すように、平板状で先端部が端子収容室39側に向けて傾斜してコネクタハウジング31から突設されており、コネクタハウジング31との連結部を中心に下方へ撓み変形自在となっている。また、可撓板49には下面側に、ストッパ凸部51が突設されている。この可撓板49は、スペーサ35がコネクタハウジング31に装着されると、図2(b)に示すように、略水平状態に撓んで、ストッパ凸部51が、筒状部25に装着された防水栓33の端部と当接する抜止位置に位置する。また、スペーサ35がコネクタハウジング31に装着されていない状態では、撓むことがないので、図2(a)に示すように防水栓の抜けを許す非抜止位置に位置している。
【0022】
スペーサ35は、図1(a)に示すように、挿入本体53と、この挿入本体53の両側部から突設された撓み阻止部55、55(ただし反対側の撓み阻止部55は不図示)と、この撓み阻止部55、55の外側に形成された案内部57、57とから形成されている。
【0023】
挿入本体53は、筒状部25の端子収容室39、39間に設けられた挿入溝41内に挿入される。また、撓み阻止部55は、可撓性の係止腕43の撓み空間47内に挿入される。さらに、案内部57、57は、筒状部25に設けられた案内溝59、59内にそれぞれ挿入される。また、挿入本体53の両側壁には係止突起61、61(ただし反対側の係止突起61は不図示)が突設されている。
【0024】
係止突起61は、挿入溝41の内壁に設けられた係止孔63、65に係合して、挿入溝41からのスペーサ35の抜けを阻止する。この係止孔63、65は、端子収容室39の入口側と奥側にそれぞれ設けられており、入口側の係止孔63に係止突起61が係合した状態では、スペーサ35は仮係止位置に位置し、奥側の係止孔65に係止突起61が係合した状態では、スペーサ35は本係止位置に位置する。
【0025】
また、スペーサ35は、仮係止位置では、撓み阻止部55が撓み空間47内に挿入されることがなく、本係止位置では、撓み阻止部55が撓み空間47内に挿入されて係止腕43の撓みを阻止する。すなわち本係止位置では、端子収容室39内に収容された端子金具37は、係止腕43と係合されて抜けが阻止され、係止腕43の撓みがスペーサ35により阻止されて二重に係止される。
【0026】
次に、防水コネクタ23を組み付ける手順について説明する。
【0027】
図2(a)に示すように、筒状部25に防水栓33が装着されている状態から、スペーサ35の挿入本体53を挿入溝41内に挿入し(すなわち、スペーサ35をコネクタハウジング31の相手側コネクタの嵌合側に装着し)、図2(b)に示すように、係止突起61を係止孔63に係合させて、スペーサ35を仮係止位置にする。この状態では、可撓板49は略水平状態まで撓み、防水栓33の端部にストッパ凸部51が当接して防水栓33の抜けを阻止する。また、この状態では、係止腕43の撓み空間47内に撓み阻止部55は挿入されていない。次に、図2(b)に示すように、端子金具37を端子収容室39内に、コネクタハウジング31の後端部側から挿入し、係止孔37a内に係止腕43の係止段部45を係合させる。
【0028】
さらに、スペーサ35を挿入溝41内の奥方に挿入し、係止突起61を係止孔65内に係合して本係止位置にすると、撓み空間47内に撓み阻止部55が挿入されて係止腕43の撓みが阻止されて、端子金具37が端子収容室39内に二重に係止される。また、可撓板49が略水平位置まで撓が撓むことにより、図2(c)に示すように、ストッパ凸部51が防水栓33の端部に当接して、防水栓33の筒状部25からの抜けが阻止される。
【0029】
この状態で、図示しない相手側コネクタを挿入用空所27内に挿入すると、相手側コネクタの嵌合フード部の内壁と筒状部25との間に防水栓33が密着状態で挟持されることにより、嵌合フード部の内壁と筒状部25との間がシールされる。さらに、この状態から相手側コネクタの嵌合フード部を挿入用空所27内から抜き出すと、防水栓33はフード部内壁に引っ張られて筒状部25から抜ける方向に力が加わるが、ストッパ凸部51により、その移動が阻止されているので、防水栓33が移動することがなく、筒状部25から抜けることがない。また、防水栓33が引っ張られて筒状部25から抜ける方向に力が加わっても、この力がスペーサ35に加わることがないので、相手側コネクタを外す際にスペーサ35がコネクタハウジング31から脱落することがない。
【0030】
また、相手側コネクタを外す際にスペーサ35に直接力が加わらないので、スペーサ35を挿入溝41内に挿入するときの挿入力を弱く設定することが出来る。従って、端子金具37を端子収容室39内から外す際に、スペーサ35を本係止位置から仮係止位置に容易に抜き出すことが出来る。
【0031】
さらに、端子金具37を端子収容室39内から抜き出す場合には、スペーサ35を仮係止位置までコネクタハウジング31から引き抜けば、図2(b)に示すように撓み空間47内から撓み阻止部55が退避するので、係止腕43を治具等により強制的に撓ませることで端子金具37を端子収容室39内から容易に抜き出すことが出来る。
【0032】
なお、図において符号67は、コネクタに嵌合した相手側コネクタと係合するロックアームを示す。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、コネクタハウジングに抜止手段を一体に設けたことにより、相手側コネクタをコネクタハウジングから抜き出す際に、抜き出し方向に防水栓が引っ張られても、コネクタハウジングと一体に形成された抜止手段が防水栓の抜けを阻止する。また、防水栓に加わる引張力は、スペーサに直接加わることがないので、コネクタハウジングの相手側コネクタの嵌合側へのスペーサの挿入力を弱く設定することが出来る。従って、相手側コネクタの抜き出しによるコネクタハウジングからの防水栓の外れを防止することが出来ると共に、端子金具を端子収容室から抜き出す際には手間がかかることがない。
【0034】
また、スペーサをコネクタハウジングに仮係止位置及び本係止位置に装着すると、コネクタハウジングに一体に形成された可撓板が撓み変形して防水栓の抜けを阻止する。従って、相手側コネクタを抜き出す際に、スペーサに抜き出し方向の力が加わらないので、スペーサが脱落することがなく、また、防水栓もコネクタハウジングから抜け出ることがない。
【0035】
請求項2の発明によれば、スペーサをコネクタハウジングに本係止位置に装着すると、可撓性の係止腕の撓みが阻止されると共に、前記抜止手段による防水栓の抜けが阻止される。仮係止位置に装着すると、防水栓の抜けが阻止されるが係止腕の撓みは許す。従って、スペーサが本係止位置、仮係止位置のいずれかの位置でコネクタハウジングに係止されていれば、抜止手段が防水栓の抜けを阻止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防水コネクタの実施例を示し、(a)は全体の構成を示す分解斜視図、(b)は内部を示す断面図である。
【図2】本発明に係る防水コネクタの実施例を示し、(a)は端子金具、スペーサを組み付ける前の状態を示す防水コネクタを示す断面図、(b)はスペーサを組み付けた状態を示す断面図、(c)は端子金具、スペーサを組み付けた状態を示す断面図である。
【図3】従来の防水コネクタを示す断面図である。
【図4】従来の防水コネクタを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
23 防水コネクタ
25 筒状部
31 コネクタハウジング
33 防水栓
35 スペーサ
37 端子金具
39 端子収容室
43 可撓性の係止腕
47 撓み空間
49 可撓板
【産業上の利用分野】
本発明は、防水コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3及び図4は、特開昭64−59787号公報に記載の防水コネクタ1を示す。同図において、このコネクタ1は、コネクタハウジング3と一体に筒状部5が形成され、この筒状部5を覆うようにフード部7が形成されている。このフード部7と筒状部5との間には相手側コネクタが挿入される挿入用空所9が設けられている。筒状部5には、端子金具11が収容される端子収容室13が形成されている。この端子収容室13の内壁からは可撓性の係止腕15が突設されている。可撓性の係止腕15は、端子収容室13内に収容された端子金具11と係合して、端子収容室13内からの端子金具11の抜けを阻止する。
【0003】
また、コネクタ1には、筒状部5の外周に防水栓17が装着されている。この防水栓17は挿入用空所9内に挿入された相手側コネクタのフード部の内壁と筒状部5の外周との間に密着状態で挟持され、相手側コネクタのフード部と筒状部5との間をシールする。
【0004】
さらに、このコネクタ1には、筒状部5に二重係止用のキャップ19が装着されている。このキャップ19は、一方が開口された筒状で、開口縁部が外側に突出してストッパ部21が形成されている。そして、筒状部5の前面側(相手側コネクタの端子が挿入される側)を内部に嵌入して装着されている。この状態では、キャップ19が、端子収容室13内の端子金具11に係合している可撓性の係止腕15の撓み空間に位置するため、係止腕15はたわみが阻止されている。これにより、端子金具11は、可撓性の係止腕15との係合と、可撓性の係止腕15のたわみを阻止することにより、端子収容室13内に二重に係止されている。
【0005】
また、キャップ19のストッパ部21は、筒状部5に装着されている防水栓17の端部に当接することにより、防水栓17をコネクタハウジング3との間で挟持する。これにより、挿入用空所9内への相手側コネクタの挿抜時に防水栓17の位置がずれたり、筒状部5から不用意に離脱しないようになっている。
【0006】
また、二重係止用のキャップが、防水栓のコネクタハウジングからの離脱を阻止する構造の防水コネクタとしては、特開平1−213973号公報でも提案されている。この公報の防水コネクタでは、キャップが筒状部に完全に嵌合して、係止腕の撓みを阻止すると共に、防水栓をコネクタハウジングとの間で挟持する本係止位置と、キャップが筒状部から若干外れて、係止腕のたわみを許す仮係止位置とで装着出来るようになっている。この防水コネクタによれば、キャップを仮係止位置に装着して、係止腕を撓ませることで端子金具を端子収容室内から抜き出すことが出来るようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載された例えば防水コネクタ1は、相手側コネクタを挿入用空所9内から抜き出すとき、相手側コネクタの抜き出し方向に防水栓17が引っ張られるため、筒状部5へのキャップ19の嵌合力が弱いと、相手側コネクタと共に、キャップ19及び防水栓17が筒状部から外れてしまうという問題がある。
【0008】
そこで、筒状部5へのキャップ19の嵌合力を強くして、キャップ19を筒状部5にきつめに嵌合させると、今度は端子金具11を端子収容室13内から抜き出す際に、キャップ19を筒状部5から外しにくくなり、端子金具を端子収容室内から抜き出すのが面倒な作業となる。
【0009】
そこで、本発明は、相手側コネクタの抜き出しによるコネクタハウジングからの防水栓の外れを防止することが出来ると共に、端子金具を端子収容室から抜き出す際には手間がかかることのない防水コネクタの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、コネクタハウジングに一体に設けられて相手側コネクタの嵌合フード部内に挿入されると共に、端子金具を収容する端子収容室が設けられた筒状部と、前期端子収容室内に設けられて端子金具と係合し端子金具の端子収容室内からの抜けを阻止する可撓性の係止腕と、前記コネクタハウジングに装着されて前記可撓性の係止腕の撓み空間内に挿入され係止腕のたわみを阻止するスペーサと、前記筒状部の外周に装着されると共に、相手側コネクタと筒状部との間をシールする防水栓とを有する防水コネクタにおいて、前記コネクタハウジングの相手側コネクタの嵌合側への前記スペーサの装着により、前記筒状部からの防水栓の抜けを阻止する位置に移動可能な抜止手段を前記コネクタハウジングに一体に設けられ、前記抜止手段が、コネクタハウジングと一体に形成されて、コネクタハウジングへのスペーサの未装着時に位置して防水栓の抜けを許す非抜止位置と、コネクタハウジングへのスペーサの装着時に位置して防水栓の抜けを阻止する抜止位置との間でたわみ変形可能な可撓板であることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、前記可撓性の係止腕の撓みが阻止されると共に、前記抜止手段による防水栓の抜けが阻止される本係止位置と、係止腕の撓みを許すと共に、前記抜止手段による防水栓の抜けが阻止される仮係止位置とで前記スペーサが前記コネクタハウジングに装着されることを特徴としている。
【0013】
【作用】
請求項1の発明によれば、スペーサをコネクタハウジングの相手側コネクタの嵌合側に装着すると、コネクタハウジングに一体に形成された抜止手段が移動して、筒状部からの防水栓の抜けを阻止する。また、相手側コネクタをコネクタハウジングから抜き出すと、抜き出し方向に防水栓が引っ張られるが、コネクタハウジングと一体に形成された抜止手段が防水栓の抜けを阻止する。また、防水栓に加わる引張力は、スペーサに直接加わることがなく、スペーサがコネクタハウジングから外れることがない。
【0014】
また、スペーサをコネクタハウジングに未装着の場合には、可撓板は非抜止位置に位置して防水栓の筒状部からの抜けを許す。また、スペーサをコネクタハウジングに装着すると、可撓板は抜止位置に撓んで防水栓の筒状部からの抜けを阻止する。
【0015】
請求項2の発明によれば、スペーサをコネクタハウジングに本係止位置に装着すると、係止腕のたわみ空間に挿入されて係止腕の撓みが阻止されると共に、抜止手段が防水栓の抜けを阻止する位置に撓んだままとなる。
【0016】
また、スペーサをコネクタハウジングに仮係止位置に装着すると、係止腕の撓み空間内に挿入することがなく係止腕が撓み可能な状態となるが、抜止手段は防水栓の抜けを阻止する位置に撓む。
【0017】
従って、スペーサが仮係止位置、本係止位置のいずれかの位置でコネクタハウジングに係止されていれば、抜止手段が防水栓の抜けを阻止する位置に撓んで、防水栓の筒状部からの抜けを阻止する。
【0018】
【実施例】
以下、本発明に係る防水コネクタの実施例について図面を用いて説明する。図1は実施例の防水コネクタ23を示し、(a)は全体の構成を示す図であり、(b)は組み付けた状態を示す。
【0019】
図1(a)、(b)に示すように、防水コネクタ23は、筒状部25とこの筒状部25の外側に相手側コネクタの挿入用空所27を形成するフード部29とが一体に形成されたコネクタハウジング31と、筒状部25の外周に装着される防水栓33と、コネクタハウジング31に装着されるスペーサ35とからなる。
【0020】
筒状部25には、端子金具(雌形端子金具)37が収容される端子収容室39、39が形成され、これらの端子収容室39、39の間には挿入溝41が設けられている。また、端子収容室39の内壁からは、図1(b)に示すように、可撓性の係止腕43がそれぞれ突設されている。係止腕43の先端部には係止段部45が形成されている。この係止段部45は、端子収容室39内に収容された端子金具37の係止孔37aに係合して、端子収容室39内からの端子金具37の抜けを阻止する。また、係止腕43の下部には、係止腕43の撓み空間47が設けられている。撓み空間47の下部には、抜止手段としての可撓板49がコネクタハウジング31と一体に形成されている。
【0021】
可撓板49は、図2(a)に示すように、平板状で先端部が端子収容室39側に向けて傾斜してコネクタハウジング31から突設されており、コネクタハウジング31との連結部を中心に下方へ撓み変形自在となっている。また、可撓板49には下面側に、ストッパ凸部51が突設されている。この可撓板49は、スペーサ35がコネクタハウジング31に装着されると、図2(b)に示すように、略水平状態に撓んで、ストッパ凸部51が、筒状部25に装着された防水栓33の端部と当接する抜止位置に位置する。また、スペーサ35がコネクタハウジング31に装着されていない状態では、撓むことがないので、図2(a)に示すように防水栓の抜けを許す非抜止位置に位置している。
【0022】
スペーサ35は、図1(a)に示すように、挿入本体53と、この挿入本体53の両側部から突設された撓み阻止部55、55(ただし反対側の撓み阻止部55は不図示)と、この撓み阻止部55、55の外側に形成された案内部57、57とから形成されている。
【0023】
挿入本体53は、筒状部25の端子収容室39、39間に設けられた挿入溝41内に挿入される。また、撓み阻止部55は、可撓性の係止腕43の撓み空間47内に挿入される。さらに、案内部57、57は、筒状部25に設けられた案内溝59、59内にそれぞれ挿入される。また、挿入本体53の両側壁には係止突起61、61(ただし反対側の係止突起61は不図示)が突設されている。
【0024】
係止突起61は、挿入溝41の内壁に設けられた係止孔63、65に係合して、挿入溝41からのスペーサ35の抜けを阻止する。この係止孔63、65は、端子収容室39の入口側と奥側にそれぞれ設けられており、入口側の係止孔63に係止突起61が係合した状態では、スペーサ35は仮係止位置に位置し、奥側の係止孔65に係止突起61が係合した状態では、スペーサ35は本係止位置に位置する。
【0025】
また、スペーサ35は、仮係止位置では、撓み阻止部55が撓み空間47内に挿入されることがなく、本係止位置では、撓み阻止部55が撓み空間47内に挿入されて係止腕43の撓みを阻止する。すなわち本係止位置では、端子収容室39内に収容された端子金具37は、係止腕43と係合されて抜けが阻止され、係止腕43の撓みがスペーサ35により阻止されて二重に係止される。
【0026】
次に、防水コネクタ23を組み付ける手順について説明する。
【0027】
図2(a)に示すように、筒状部25に防水栓33が装着されている状態から、スペーサ35の挿入本体53を挿入溝41内に挿入し(すなわち、スペーサ35をコネクタハウジング31の相手側コネクタの嵌合側に装着し)、図2(b)に示すように、係止突起61を係止孔63に係合させて、スペーサ35を仮係止位置にする。この状態では、可撓板49は略水平状態まで撓み、防水栓33の端部にストッパ凸部51が当接して防水栓33の抜けを阻止する。また、この状態では、係止腕43の撓み空間47内に撓み阻止部55は挿入されていない。次に、図2(b)に示すように、端子金具37を端子収容室39内に、コネクタハウジング31の後端部側から挿入し、係止孔37a内に係止腕43の係止段部45を係合させる。
【0028】
さらに、スペーサ35を挿入溝41内の奥方に挿入し、係止突起61を係止孔65内に係合して本係止位置にすると、撓み空間47内に撓み阻止部55が挿入されて係止腕43の撓みが阻止されて、端子金具37が端子収容室39内に二重に係止される。また、可撓板49が略水平位置まで撓が撓むことにより、図2(c)に示すように、ストッパ凸部51が防水栓33の端部に当接して、防水栓33の筒状部25からの抜けが阻止される。
【0029】
この状態で、図示しない相手側コネクタを挿入用空所27内に挿入すると、相手側コネクタの嵌合フード部の内壁と筒状部25との間に防水栓33が密着状態で挟持されることにより、嵌合フード部の内壁と筒状部25との間がシールされる。さらに、この状態から相手側コネクタの嵌合フード部を挿入用空所27内から抜き出すと、防水栓33はフード部内壁に引っ張られて筒状部25から抜ける方向に力が加わるが、ストッパ凸部51により、その移動が阻止されているので、防水栓33が移動することがなく、筒状部25から抜けることがない。また、防水栓33が引っ張られて筒状部25から抜ける方向に力が加わっても、この力がスペーサ35に加わることがないので、相手側コネクタを外す際にスペーサ35がコネクタハウジング31から脱落することがない。
【0030】
また、相手側コネクタを外す際にスペーサ35に直接力が加わらないので、スペーサ35を挿入溝41内に挿入するときの挿入力を弱く設定することが出来る。従って、端子金具37を端子収容室39内から外す際に、スペーサ35を本係止位置から仮係止位置に容易に抜き出すことが出来る。
【0031】
さらに、端子金具37を端子収容室39内から抜き出す場合には、スペーサ35を仮係止位置までコネクタハウジング31から引き抜けば、図2(b)に示すように撓み空間47内から撓み阻止部55が退避するので、係止腕43を治具等により強制的に撓ませることで端子金具37を端子収容室39内から容易に抜き出すことが出来る。
【0032】
なお、図において符号67は、コネクタに嵌合した相手側コネクタと係合するロックアームを示す。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、コネクタハウジングに抜止手段を一体に設けたことにより、相手側コネクタをコネクタハウジングから抜き出す際に、抜き出し方向に防水栓が引っ張られても、コネクタハウジングと一体に形成された抜止手段が防水栓の抜けを阻止する。また、防水栓に加わる引張力は、スペーサに直接加わることがないので、コネクタハウジングの相手側コネクタの嵌合側へのスペーサの挿入力を弱く設定することが出来る。従って、相手側コネクタの抜き出しによるコネクタハウジングからの防水栓の外れを防止することが出来ると共に、端子金具を端子収容室から抜き出す際には手間がかかることがない。
【0034】
また、スペーサをコネクタハウジングに仮係止位置及び本係止位置に装着すると、コネクタハウジングに一体に形成された可撓板が撓み変形して防水栓の抜けを阻止する。従って、相手側コネクタを抜き出す際に、スペーサに抜き出し方向の力が加わらないので、スペーサが脱落することがなく、また、防水栓もコネクタハウジングから抜け出ることがない。
【0035】
請求項2の発明によれば、スペーサをコネクタハウジングに本係止位置に装着すると、可撓性の係止腕の撓みが阻止されると共に、前記抜止手段による防水栓の抜けが阻止される。仮係止位置に装着すると、防水栓の抜けが阻止されるが係止腕の撓みは許す。従って、スペーサが本係止位置、仮係止位置のいずれかの位置でコネクタハウジングに係止されていれば、抜止手段が防水栓の抜けを阻止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防水コネクタの実施例を示し、(a)は全体の構成を示す分解斜視図、(b)は内部を示す断面図である。
【図2】本発明に係る防水コネクタの実施例を示し、(a)は端子金具、スペーサを組み付ける前の状態を示す防水コネクタを示す断面図、(b)はスペーサを組み付けた状態を示す断面図、(c)は端子金具、スペーサを組み付けた状態を示す断面図である。
【図3】従来の防水コネクタを示す断面図である。
【図4】従来の防水コネクタを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
23 防水コネクタ
25 筒状部
31 コネクタハウジング
33 防水栓
35 スペーサ
37 端子金具
39 端子収容室
43 可撓性の係止腕
47 撓み空間
49 可撓板
Claims (2)
- コネクタハウジングに一体に設けられて相手側コネクタの嵌合フード部内に挿入されると共に、端子金具を収容する端子収容室が設けられた筒状部と、前記端子収容室内に設けられて端子金具と係合し端子金具の端子収容室内からの抜けを阻止する可撓性の係止腕と、前記コネクタハウジングに装着して前記可撓性の係止腕の撓み空間内に挿入されて係止腕のたわみを阻止するスペーサと、前記筒状部の外周に装着されると共に、相手側コネクタと筒状部との間をシールする防水栓とを有する防水コネクタにおいて、前記コネクタハウジングの相手側コネクタの嵌合側への前記スペーサの装着により、前記筒状部からの防水栓の抜けを阻止する位置に移動可能な抜止手段を前記コネクタハウジングに一体に設けられ、
前記抜止手段が、コネクタハウジングと一体に形成されて、コネクタハウジングへのスペーサの未装着時に位置して防水栓の抜けを許す非抜止位置と、コネクタハウジングへのスペーサの装着時に位置して防水栓の抜けを阻止する抜止位置との間でたわみ変形可能な可撓板であることを特徴とする防水コネクタ。 - 請求項1記載の発明であって、前記可撓性の係止腕の撓みが阻止されると共に、前記抜止手段による防水栓の抜けが阻止される本係止位置と、係止腕の撓みを許すと共に、前記抜止手段による防水栓の抜けが阻止される仮係止位置とで前記スペーサが前記コネクタハウジングに装着されることを特徴とする防水コネクタ。
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