JP3792566B2 - 歯車研削方法および歯車研削装置 - Google Patents

歯車研削方法および歯車研削装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車研削方法および歯車研削装置に関し、特に、被研削用歯車に予め形成されている歯を、螺旋状の研削部位を備えた歯車研削工具を用いて研削する歯車研削方法および歯車研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術において被研削用歯車に対して歯車研削工具により研削加工を行う場合を図14Aを参照して説明する。歯車研削工具100は周回する螺旋条101からなる砥石部103を有する。一方、被研削用歯車102は予め形成された歯104を有する(例えば、特開昭58−59727号公報参照)。この構成によれば、歯車研削工具100の螺旋条101を被研削用歯車102の歯溝部分と噛合させ、歯車研削工具100と被研削用歯車102とを同期回転させながら、螺旋条101により被研削用歯車102の歯面104aおよび104bを研削する。ここで、図14Bのクロスハッチング部分は前記螺旋条101により同時に研削される前記歯面104a、104bを示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の従来技術においては、歯車研削工具100の螺旋条101は前記歯面104aおよび104bを研削しているので、当該歯面104aおよび104bは前記螺旋条101の研削部位の形状に対応する形状に研削されるに至る。つまり、歯面104aおよび104bの形状は、螺旋条101の形状に制約を受けることとなり、歯面104a、104bの研削形状の自由度が少ない。このため、前記歯面104aおよび104bを所望の形状に研削するためには、その所望の形状に適応した螺旋条101を有する専用の歯車研削工具を用意する必要がある。
【0004】
また、図15に示すように、従来技術を用いて、はすば歯車106の歯面104a、104b両面を一挙に加工する際には、該歯面104aおよび104bに沿った軌跡110aおよび110bに従い研削を行う。ここで、歯車研削工具100がはすば歯車106の歯幅B0の端部108にさしかかると、それまで軌跡110aおよび110bの両方に沿って研削を行ってい研削面が、軌跡110bに関しては端点108b以降負荷がなくなり、一方、軌跡110a側の歯面104aは端点108aに至るまで研削動作が続行される。従って、端点108bを通過した時点で該はすば歯車106に大きな負荷変動が生じ、はすば歯車106の精度に悪影響を与える。
【0005】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、歯車の歯面および歯筋を種々の形状に研削することを可能にし、また、はすば歯車を研削する場合に、歯幅の端部付近でも研削による負荷が変動することがない歯車研削方法および歯車研削装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る歯車研削方法は、第1モータにより被研削用歯車を回転させ、第2モータにより歯車研削工具を前記被研削用歯車に同期して回転させ、前記歯車研削工具の螺旋条を前記被研削用歯車に噛合させ、前記被研削用歯車を軸芯方向に移動させるとともに前記被研削用歯車と前記歯車研削工具との位相を、前記螺旋条の中心線と歯溝の中心線が一致する基準値から変化した状態で、前記螺旋条により前記被研削用歯車の歯の左側歯面または右側歯面のいずれか一方を、歯面に沿って端部まで連続的に研削することを特徴とする。
【0007】
前記の方法において、前記左側歯面または前記右側歯面のいずれか一方を研削した後、前記位相を歯溝の中心に対して反転させ、前記左側歯面または前記右側歯面のうち未研削の歯面を研削するようにしてもよい。
【0008】
また、前記被研削用歯車を軸芯方向に移動させる動作と、前記被研削用歯車と前記歯車研削工具とを接近させる動作とを協働させ、前記被研削用歯車の歯にクラウニング研削を施すようにしてもよい。
【0009】
さらに、前記被研削用歯車を軸芯方向に移動させる動作と前記被研削用歯車と前記歯車研削工具との前記位相を変化させる動作とを協働させ、前記被研削用歯車の前記歯にクラウニング研削を施すようにしてもよい。
【0010】
さらにまた、前記歯車研削工具の前記螺旋条の厚さは、前記左側歯面および前記右側歯面に当接することなく歯底に到達することができる厚さにしてもよい。前記被研削用歯車ははすば歯車であってもよい。
また、本発明に係る歯車研削方法は、第1モータにより被研削用歯車を回転させ、第2モータにより歯車研削工具を前記被研削用歯車に同期して回転させ、前記歯車研削工具の螺旋条の厚さは、噛合する前記被研削用歯車の歯の左側歯面および右側歯面に当接することなく歯底に到達することができる厚さであり、前記螺旋条を前記被研削用歯車に噛合させ、前記被研削用歯車を軸芯方向に移動させるとともに前記被研削用歯車と前記歯車研削工具との位相を変化させることにより、前記螺旋条により前記左側歯面または前記右側歯面のいずれか一方を研削することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る歯車研削装置は、被研削用歯車を軸芯を中心にして回転させる第1モータと、前記被研削用歯車の歯を研削する歯車研削工具と、前記歯車研削工具を軸芯を中心にして回転させる第2モータと、前記被研削用歯車と前記歯車研削工具とを相対的に進退動作させる切込機構と、前記被研削用歯車を軸芯方向に進退動作させるトラバース機構と、前記第1および第2モータによって前記被研削用歯車と前記歯車研削工具とを同期速度で回転させるとともに、前記トラバース機構の進退動作を行いながら前記被研削用歯車と前記歯車研削工具との位相を制御し、該位相が前記螺旋条の中心線と歯溝の中心線が一致する基準値から変化した状態で、前記螺旋条により前記被研削用歯車の歯の左側歯面または右側歯面のいずれか一方を、歯面に沿って端部まで連続的に研削させる回転位相制御部とを有することを特徴とする。
【0012】
前記の構成によれば、被研削用歯車の歯の片側の歯面毎に研削を行い、しかも研削の条件を歯面毎に自由に設定することができるので、歯の両側面を異なる形状に研削することができる。なお、前記の構成では、歯幅の端部付近を研削しても研削負荷に変動がないことから、はすば歯車の加工やクラウニング加工に好適に用いることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る歯車研削方法についてそれを実施する歯車研削装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図1〜図13を参照しながら説明する。
【0014】
本実施の形態における歯車研削方法を実施する歯車研削装置は、基本的には、歯車研削工具を構成する螺旋条と被研削用歯車の歯溝を噛合させて、歯車研削工具と被研削用歯車とを互いに同期速度で回転させながら研削を行うものである。このとき、歯車研削工具と被研削用歯車との互いの位相を制御することにより歯面を片側ずつ研削する。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態において使用する歯車研削装置10は、ベッド12の上面に切込テーブル14が配設され、切込テーブル14は切込モータ16の回転作用下に矢印A方向に進退動作する(切込機構)。前記切込テーブル14の上面に配設されるトラバーステーブル18はトラバースモータ20の回転作用下に矢印A方向と直角の方向、すなわち、矢印B方向に進退動作する(トラバース機構)。
【0016】
また、トラバーステーブル18上には、予め歯形が歯切り形成された被研削用歯車22が着脱自在に配設されるとともに、回転する前記被研削用歯車22の歯の凸部を検出して所定のパルスを発生させる近接スイッチからなる歯先検出センサ24が設けられている。被研削用歯車22はワークスピンドルモータ(第1モータ)26の回転作用下に回転し、この回転の軸芯はトラバーステーブル18の進退方向(矢印B方向)と一致するように設定されている。
【0017】
一方、切込テーブル14の進行方向であって、かつ、ベッド12上にはコラム28が配設され、コラム28に旋回テーブル30が保持される。旋回テーブル30はコラム28内に配設された旋回モータ31(図5参照)により矢印C方向に旋回自在であり、さらに旋回テーブル30にはシフトテーブル32が設けられ、このシフトテーブル32はシフトモータ34の作用下に矢印D方向に移動自在である。
【0018】
旋回テーブル30およびシフトテーブル32は、被研削用歯車22との相対的な位置を調節し、さらに、被研削用歯車22がはすば歯車である場合の歯23のねじれ角β(図9参照)に適合するように、矢印C方向および矢印D方向に変位調整可能である。
【0019】
図2に模式的に示すように、シフトテーブル32には工具スピンドルユニット36が設けられている。この工具スピンドルユニット36は工具スピンドルモータ(第2モータ)38と、この工具スピンドルモータ38によって回転する工具軸39とから基本的に構成される。工具スピンドルモータ38の作用下に回転する歯車研削工具42は円柱形状であり、その周縁に被研削用歯車22を研削するための砥石からなる螺旋条43が設けられている。
【0020】
一方、工具スピンドルユニット36は前記シフトテーブル32に装着される。前記シフトテーブル32はボールねじ35に連結され、該ボールねじ35はシフトモータ34により回転される。従って、工具スピンドルユニット36と歯車研削工具42は、シフトモータ34の駆動作用下にシフトテーブル32とともに矢印D方向に変位する。
【0021】
図3に示すように、被研削用歯車22の歯溝23aにおいて、歯車研削工具42の螺旋条43は、左側歯面である歯面23bおよび右側歯面である歯面23cに当接することなく歯底部23dに到達することのできる厚さに設定されており、また螺旋条43の先端部43aのうち、上下の隅角部43bは半径Rの曲面形状に形成されている。ここで、歯面23bおよび歯面23cのうち、歯底部23dからみて時計回転方向の歯面23cを右側歯面とし、反時計回転方向の歯面23bを左側歯面として区別する。
【0022】
図4に示すように、被研削用歯車22は歯幅がB0であり、ワーク軸48の一端部に一組のクランプ治具50を介して着脱自在に軸支される。ワーク軸48の他端部側には動力伝達機構であるトラクションドライブ51が連結され、このトラクションドライブ51は回転軸49を介してワークスピンドルモータ26に連結される。なお、回転軸49には回転を安定させる機能を有するイナーシャダンパ53が設けられている。
【0023】
図5に示すように、歯車研削装置10は、コントローラ60により統括的に制御される。前記コントローラ60は、駆動回路62、64、66、68、70および72と光ファイバ74を介して接続されている。駆動回路62〜72は光ファイバ74を経由して供給される指令信号によってそれぞれワークスピンドルモータ26、工具スピンドルモータ38、切込モータ16、トラバースモータ20、旋回モータ31およびシフトモータ34を駆動する。前記コントローラ60には、研削のための各種条件を設定する入力装置76が接続可能となっている。
【0024】
さらに、このコントローラ60には、被研削用歯車22の回転を検出する第1パルス発生器80と、歯車研削工具42の回転を検出する第2パルス発生器82と、トラバース軸の移動量を検出する第3パルス発生器84と、歯先検出センサ24とから得られるそれぞれの信号が入力される。これらの信号によって、コントローラ60は、工具軸39、ワーク軸48、トラバース軸の回転量および移動量と、被研削用歯車22の歯23の位置が検出可能となる。
【0025】
また、コントローラ60は、前記の種々の信号によって被研削用歯車22の歯23と、歯車研削工具42の螺旋条43との相対的な位置関係を示す位相θ(図6参照)に係る信号を検出し且つ前記位相θの制御が可能となる。
【0026】
ここで、位相θとは、図6に示すように、螺旋条43の中心線86と、歯溝23aの中心線88が一致する箇所を基準値(θ=0)として、この基準値に対して螺旋条43と歯23が相対的に移動する移動量を示す。位相θは、被研削用歯車22と歯車研削工具42が互いに停止している状態および被研削用歯車22と歯車研削工具42が互いに同期速度ωWとωTで回転している状態において規定される。同期速度ωWおよびωTについては後述する。前記位相θは基準値を「0」として、プラス(+)の値とマイナス(−)の値をとりうる。
【0027】
ところで、被研削用歯車22と歯車研削工具42が互いに回転している状態においては、被研削用歯車22と歯車研削工具42の回転速度および位相θは回転位相制御部60a(図5参照)によって所望の値に制御される。つまり、第1および第2パルス発生器80、82の信号によって被研削用歯車22および歯車研削工具42の回転を検出しながら、所定の位相θ(または回転速度)となるように駆動回路62および64に指令を与えて制御が行われる。
【0028】
次に、このように構成される歯車研削装置10の動作について図7〜図13を参照しながら説明する。
【0029】
まず、被研削用歯車22をワーク軸48の一端部にクランプ治具50を介して装着するとともに、研削する歯形を表す条件(例えば、研削量、モジュールおよび基礎円直径等)を入力装置76から入力しておく。また、シフトテーブル32は、被研削用歯車22の大きさや、研削しようとする歯筋のねじれ角β(図9参照)に応じて矢印C方向および矢印D方向(図1参照)に、予め調整を行っておく。
【0030】
次に、ステップS1において、歯車研削工具42を同期速度ωTで回転させ、被研削用歯車22を同期速度ωWで回転させる。歯車研削工具の同期速度ωTと被研削用歯車22の同期速度ωWとの関係は、螺旋条43の条数をZT、被研削用歯車22の歯数をZWとしたとき、次の(1)式で与えられる。
ωW=ωT×ZT/ZW …(1)
【0031】
このとき、図8に示すように、歯車研削工具42は同期速度ωTで回転することにより、螺旋条43は見かけ上、軸芯方向(矢印V方向)へ移動する。一方、螺旋条43が1ピッチ移動する間に被研削用歯車22も歯23の1ピッチ相当分回転するので、螺旋条43と歯23の上下方向の相対位置が保持されることとなる。
【0032】
次に、ステップS2において、被研削用歯車22の歯溝23aと、歯車研削工具42の螺旋条43とを噛合させる。この動作は、歯先検出センサ24を用いて自動的に行われる。このとき、前記歯車研削工具42の螺旋条43は、その先端から被研削用歯車22の歯溝23aに挿入することができる細い厚さに設定されているので、該被研削用歯車22の歯底部23d付近まで噛合させることが可能である。
【0033】
なお、ステップS2の噛合動作は予め実施した位相教示処理に基づいて位相θを検出および確認しながら実行される。位相教示処理とは、自動噛合を行うために被研削用歯車22と歯車研削工具42の位相状態をコントローラ60に記憶させる処理である。例えば、被研削用歯車22と歯車研削工具42とを低速で回転させながら連れ回りさせ、このとき発生する歯先検出センサ24、第1パルス発生器80および第2パルス発生器82の各信号から位相θのデータを取得し、コントローラ60に記憶させるものである。
【0034】
この位相教示処理は、ワークスピンドルモータ26、工具スピンドルモータ38をオフとした状態で手動によって行ってもよい。
【0035】
次に、ステップS3において、被研削用歯車22と歯車研削工具42との位相θを回転位相制御部60aの機能によって変更する。位相θを、例えば図6のプラスの方向に変更することにより、歯23の歯面23bと歯車研削工具42の螺旋条43とが摺動しながら当接することとなり、その結果、歯面23bの研削が行われる。
【0036】
なお、研削量が大きいときには、位相θを段階的に増加させる設定にするとよい。これにより少量の研削が段階的に行われることになり、研削に伴って歯車研削工具42が受ける負荷を小さくすることができる。なお、研削を行っている歯面23bの反対側の歯面23cは螺旋条43に接触していないので研削は行われない。
【0037】
また、ステップS2の噛合動作とステップS3の研削開始の処理とを協働させて同時に開始するようにしてもよい。
【0038】
さらに、ステップS4において、被研削用歯車22および歯車研削工具42を回転させながら、トラバースモータ20を回転駆動させ、被研削用歯車22およびトラバーステーブル18を矢印B方向(図1参照)に進退動作させる。このように被研削用歯車22を矢印B方向に進退動作させることにより、被研削用歯車22の歯幅B0の全面に対して均一に研削を行うことができる。被研削用歯車22がはすば歯車であるときは、トラバーステーブル18の進退動作および歯筋のねじれ角β(図9参照)に応じて、被研削用歯車22の同期運転を適宜変更する。
【0039】
前述のとおり、従来技術によってはすば歯車を研削する場合においては、歯車研削工具42が端部108(図15参照)にさしかかると大きな負荷変動が生じる。これに対して本実施の形態では、図9に示すように、歯車研削工具42の螺旋条43と被研削用歯車22との相対位置が変化し、研削箇所が歯面23bに沿った軌跡92のように移動する。従って、被研削用歯車22の歯幅B0のうち端部94の研削を行っても、歯23の片面側である歯面23bのみの研削が行われているので、被研削用歯車22および歯車研削工具42にかかる負荷の変動はない。
【0040】
次に、ステップS5において、研削の工程を確認する。すなわち、被研削用歯車22の歯23のうち片側の歯面、つまり歯面23bだけの研削が終了した状態であるならば、ステップS3に戻る。このとき、位相θの符号を基準値に対して反転させ(例えば、マイナス側にする。)、未研削の歯面23bまたは23cを研削する。両方の歯面23bおよび23cの研削が終了すれば、各モータを停止するなどの後処理を行い、研削を終了する。
【0041】
なお、歯面23cを研削する際には当初の歯面23bと同じ研削量にする必要はなく、また、位相θも異なる値としてもよい。換言すれば、歯23の両側の歯面23b、23cは互いに異なる形状に研削することが可能であるとともに、歯面23b、23cおよび歯筋を所望の形状に研削可能である。このため、歯面形状に対する自由度が大きくなる。
【0042】
上記の説明では、歯車研削工具42の螺旋条43を被研削用歯車22の歯底部23d付近まで噛合させた後に研削する例について説明したが、図10Aに示すように、螺旋条43を被研削用歯車22の歯面23bの適当な箇所まで挿入するようにして研削を行うようにしてもよい。また、図10Bに示すように、螺旋条43を歯底部23dの付近まで噛合させ、切込テーブル14を第2パルス発生器82の信号を確認しつつ後退させながら研削を行い、例えば、軌跡96のような経路で研削を行うようにしてもよい。これにより、歯車研削工具42を交換することなく歯面23bおよび23cを任意の形状に研削することができる。
【0043】
このように、本実施の形態によれば、歯車研削工具42の螺旋条43の厚さが歯面23bおよび23cに当接することなく歯底部23dに到達することのできる厚さのものを用いて研削を行い、被研削用歯車22と歯車研削工具42の位相θを変化させながら研削を行う。従って、歯車研削工具42の螺旋条43を被研削用歯車22の片側の歯面23bだけに当接し且つ摺動することとなり、歯面23bと歯面23cとを個別に研削することが可能となる。しかも、研削量、位相θおよび切込テーブル14の移動量等を異なる条件設定にすることにより、歯面23bと歯面23cの両面のそれぞれを異なる形状にすることができる。
【0044】
また、歯23を片側面ずつ研削可能であるために、歯車研削工具42にかかる負荷が小さくなり、歯車研削工具42の寿命を向上させることができる。
【0045】
次に、前記歯車研削装置10を用いてクラウニング研削を行う例について説明する。
【0046】
クラウニング研削とは、歯車同士を滑らかに噛み合わせるなどの目的により、歯筋を膨らみを持った形状に研削する加工や、歯筋をその他の種々の形状に研削する加工をいう。被研削用歯車22にクラウニング研削を行うためには、前記ステップS4において、被研削用歯車22および歯車研削工具42を同期速度ωW、ωTで回転させながらトラバーステーブル18を矢印B方向に進退動作させる際に、その進退量に対応した位相θを設定すればよい。
【0047】
すなわち、入力装置76(図5参照)からクラウニング形状を表すデータをコントローラ60に入力し、コントローラ60は、このデータに基づいて矢印B方向の進退量Bに応じた位相θを設定する。この設定は、例えば、図11に示す曲線のごとく設定し、これを図示しないメモリ内に記憶する。
【0048】
図11に示す曲線の設定値に従い、トラバースモータ20の駆動回路68および位相θを制御する。この設定により、被研削用歯車22の歯幅B0のうち中央部では研削する量を少なくし、歯幅B0の端部ではより多く研削するようにすると、図12Aに示すクラウニング形状の歯面を得ることができる。
【0049】
この場合も、上記の実施の形態と同様に、歯面23b、23cを歯面の形状やクラウニングの形状が異なるように研削することが可能である。さらに、図12Bに示すように、はすば歯車に対してクラウニング研削を行うことが可能である。このとき、歯幅B0のうち端部94部分を研削するときにも負荷の変動がない。さらにまた、種々の変則形状のクラウニング研削が可能であり、例えば、図12Cに示すように、歯幅B0の中心軸89に対して非対称な形状のクラウニング研削も可能である。クラウニング研削を行う他の方法としては、位相θを変更する代わりに、図13に示すように、移動量Bに応じて切込テーブル14の矢印A方向の進退量を変更するようにしてもよい。この場合、矢印AおよびB方向で構成される直交軸に対して切込テーブル14が軌跡90を描くように動作させればよい。
【0050】
この発明に係る歯車研削方法および歯車研削装置は、上記の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々のステップ乃至構成を採り得ることはもちろんである。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る歯車研削方法および歯車研削装置によれば、歯車の歯面形状および歯筋形状を種々の形状に研削することができる。また、はすば歯車を研削する場合に、歯幅の端部付近でも研削による負荷が変動することがなく、それにより研削の精度を向上させるとともに歯車研削工具の寿命を向上させることができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る歯車研削装置を示す斜視図である。
【図2】歯車研削工具と被研削用歯車との位置関係を示す模式説明図である。
【図3】歯車研削工具の螺旋条が被研削用歯車の歯溝と噛合した状態を示す部分断面説明図である。
【図4】被研削用歯車とワークスピンドルモータとの連結状態を示す構成図である。
【図5】本実施の形態に係る歯車研削装置の制御回路を示すブロック図である。
【図6】被研削用歯車と歯車研削工具との位相を示す説明図である。
【図7】歯車研削方法の手順を示すフローチャートである。
【図8】被研削用歯車を歯車研削工具の螺旋条により研削している状態を示す模式説明図である。
【図9】はすば歯車を研削する状態を示す概略正面説明図である。
【図10】図10Aは、螺旋条を被研削用歯車の歯溝の適当な箇所まで挿入するようにして研削を行う例を示す一部概略断面説明図であり、図10Bは、螺旋条を歯底部の付近まで噛合させ、切込テーブル後退させながら研削を行う例を示す一部概略断面説明図である。
【図11】クラウニング研削を行う際の、被研削用歯車の矢印B方向への移動量と、位相の関係を示す説明図である。
【図12】図12Aは、被研削用歯車にクラウニング研削を施した状態を示す模式説明図であり、図12Bは、はすば歯車にクラウニング研削を施した状態を示す模式説明図であり、図12Cは、変則形状のクラウニング研削を施した状態を示す模式説明図である。
【図13】クラウニング研削を行う際の、切込テーブルおよびトラバーステーブルの動作軌跡を示す概略説明図である。
【図14】図14Aは、従来技術に係る歯車研削工具の螺旋条と被研削用歯車の形状を示す一部概略断面説明図であり、図14Bは、従来技術における研削状態を示す一部概略断面説明図である。
【図15】従来技術によりはすば歯車を研削する状態を示す概略正面説明図である。
【符号の説明】
10…歯車研削装置 12…ベッド
14…切込テーブル 16…切込モータ
18…トラバーステーブル 20…トラバースモータ
22…被研削用歯車 23…歯
23a…歯溝 23b、23c…歯面
23d…歯底部 24…歯先検出センサ
26…ワークスピンドルモータ 30…旋回テーブル
32…シフトテーブル 38…工具スピンドルモータ
42…歯車研削工具 43…螺旋条
60…コントローラ 60a…回転位相制御部
76…入力装置

Claims (8)

  1. 第1モータにより被研削用歯車を回転させ、
    第2モータにより歯車研削工具を前記被研削用歯車に同期して回転させ、
    前記歯車研削工具の螺旋条を前記被研削用歯車に噛合させ、前記被研削用歯車を軸芯方向に移動させるとともに前記被研削用歯車と前記歯車研削工具との位相を、前記螺旋条の中心線と歯溝の中心線が一致する基準値から変化した状態で、前記螺旋条により前記被研削用歯車の歯の左側歯面または右側歯面のいずれか一方を、歯面に沿って端部まで連続的に研削することを特徴とする歯車研削方法。
  2. 請求項1記載の歯車研削方法において、
    前記左側歯面または前記右側歯面のいずれか一方を研削した後、前記位相を歯溝の中心に対して反転させ、前記左側歯面または前記右側歯面のうち未研削の歯面を研削することを特徴とする歯車研削方法。
  3. 請求項1または2記載の歯車研削方法において、
    前記被研削用歯車を軸芯方向に移動させる動作と、前記被研削用歯車と前記歯車研削工具とを接近させる動作とを協働させ、前記被研削用歯車の歯にクラウニング研削を施すことを特徴とする歯車研削方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯車研削方法において、
    前記被研削用歯車を軸芯方向に移動させる動作と前記被研削用歯車と前記歯車研削工具との前記位相を変化させる動作とを協働させ、前記被研削用歯車の前記歯にクラウニング研削を施すことを特徴とする歯車研削方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯車研削方法において、
    前記歯車研削工具の前記螺旋条の厚さは、前記左側歯面および前記右側歯面に当接することなく歯底に到達することができる厚さであることを特徴とする歯車研削方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯車研削方法において、
    前記被研削用歯車ははすば歯車であることを特徴とする歯車研削方法。
  7. 第1モータにより被研削用歯車を回転させ、
    第2モータにより歯車研削工具を前記被研削用歯車に同期して回転させ、
    前記歯車研削工具の螺旋条の厚さは、噛合する前記被研削用歯車の歯の左側歯面および右側歯面に当接することなく歯底に到達することができる厚さであり、
    前記螺旋条を前記被研削用歯車に噛合させ、前記被研削用歯車を軸芯方向に移動させるとともに前記被研削用歯車と前記歯車研削工具との位相を変化させることにより、前記螺旋条により前記左側歯面または前記右側歯面のいずれか一方を研削することを特徴とする歯車研削方法。
  8. 被研削用歯車を軸芯を中心にして回転させる第1モータと、
    前記被研削用歯車の歯を研削する歯車研削工具と、
    前記歯車研削工具を軸芯を中心にして回転させる第2モータと、
    前記被研削用歯車と前記歯車研削工具とを相対的に進退動作させる切込機構と、
    前記被研削用歯車を軸芯方向に進退動作させるトラバース機構と、
    前記第1および第2モータによって前記被研削用歯車と前記歯車研削工具とを同期速度で回転させるとともに、前記トラバース機構の進退動作を行いながら前記被研削用歯車と前記歯車研削工具との位相を制御し、該位相が前記螺旋条の中心線と歯溝の中心線が一致する基準値から変化した状態で、前記螺旋条により前記被研削用歯車の歯の左側歯面また は右側歯面のいずれか一方を、歯面に沿って端部まで連続的に研削させる回転位相制御部と、
    を有することを特徴とする歯車研削装置。
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