JP2758563B2 - 分割型ホブとそのホブを用いた歯車の歯切り方法及びその装置 - Google Patents

分割型ホブとそのホブを用いた歯車の歯切り方法及びその装置

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JP2758563B2 JP10285394A JP10285394A JP2758563B2 JP 2758563 B2 JP2758563 B2 JP 2758563B2 JP 10285394 A JP10285394 A JP 10285394A JP 10285394 A JP10285394 A JP 10285394A JP 2758563 B2 JP2758563 B2 JP 2758563B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、モジュールが異なる
歯車の歯を1種類のホブで創成することができる分割型
ホブと、そのホブを用いた歯車の歯切り方法及びその装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の歯切り用のホブは、円周面上に設
けたウォーム(ねじ筋)に所定間隔で切れ目を入れて切
刃を作り、そのウォームのねじ筋に沿うように二番を取
って形成されている。
【0003】このホブを用いて平歯車を削り出すには、
図12に示すように、ホブ41の切刃42を歯車素材A
の歯形成面Bに直交させた状態で、歯車素材Aが歯の1
ピッチだけ回転することにホブを1回転させ、そのホブ
41と歯車素材Aを歯の長さ方向に相対移動させて歯を
創成する方法が採られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ホブは、単一のモジュールの歯車を創成するように形成
されているだけであり、大きさの異なるモジュールの平
歯車を削り出す場合、その平歯車のモジュールに対応す
る切刃を備えた専用のホブを使用する必要がある。
【0005】すなわち、モジュールの異なる複数種類の
歯車を削り出すには、モジュールごとにそれに合ったホ
ブを準備しなければならず、多種類のホブが必要になる
問題がある。
【0006】また、従来のホブを用いて傘歯車を削り出
す場合、傘歯車の歯の厚みが内端側から外端側に向かっ
て大きくなる方向に連続的に変化するため、ホブの切刃
の先端を傘歯車の内端側の歯に合せて削り込むと、歯幅
の大きい外端側の歯はホブの切刃の先端と根元の両方で
削り出されることになり、その外端側の歯元が大きくア
ンダーカットされた状態になる。逆に、ホブの切刃を傘
歯車の外端側の歯に合せて削り込むと、内端側の歯の切
り込み量が減り、歯が十分に創成できない不具合があ
る。
【0007】このように、モジュールの大きさが連続的
に変化する傘歯車の歯は、ホブを用いて削り出すことが
できず、従来は、グリーソン式歯切盤を使用し、揺動板
上で2本のバイトを往復動させて歯の両側面を別々に削
り出す方法で形成されている。しかし、この方法では、
バイトを往復運動させる速度に一定の限界があるため、
歯車の形成能力が低いという問題があった。
【0008】そこで、この発明は、ホブの形状と切削方
法に工夫を加え、複数のモジュールをもつ歯車を1種類
のホブで形成でき、かつモジュールが変化する歯でも連
続的に削り出すことができるホブを提供することを目的
としている。
【0009】また、この発明の他の目的は、上記のホブ
を用いて効率のよい歯切りを行なうことができる歯車の
歯切り方法と歯切り装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明のホブは、円筒面上において2巻き以上で
捩れる一条のねじ筋に沿って複数の切刃を配列したホブ
を、そのねじ筋の中央から軸方向に2つに分割し、この
分割した各分割ホブをねじ筋の捩れ角度とは異なる角度
方向で相対的に回転可能とし、その相対回転により各分
割ホブにおける分割位置から1周の周回範囲で切削に作
用する切刃の数を増減させるように構成したのである。
【0011】また、この発明の歯車の歯切り方法は、上
記のホブにおける各分割ホブの分割位置を歯車素材の歯
形の中央に位置させた状態で、各分割ホブが共に1回転
するごとに歯車素材を歯の1ピッチずつ回転させ、その
状態で各分割ホブを、ねじ筋の捩れ角度とは異なる角度
方向に相対回転させながら歯車素材の歯の長さ方向に移
動させて歯車を創成する方法を採用したのである。
【0012】さらに、この発明の歯車の歯切り装置は、
独立した2つの回転ユニットの主軸に、それぞれ上記の
ホブの各分割ホブを装着し、その各主軸の一方又は両方
に、両主軸の円周方向の相対位置を任意の角度でずれさ
せる角度割出し手段を連結し、歯車素材の歯形成面が各
分割ホブの刃と直交した状態で歯車素材を支持する回転
軸を設け、各分割ホブが歯車素材が歯形成面上において
創成する歯の長さ方向に直進移動するように回転軸と各
回転ユニットとを相対的に移動可能に支持したのであ
る。
【0013】
【作用】ホブによる歯車の創成は、図3に示すように、
ホブの周面において軸方向に隣接して配列される2つの
切刃7、8が、それぞれ両側方から歯Bを挾み付けるよ
うに削り出して歯形を形成するようになっており、創成
される歯車の歯は、ホブが1回転する間で各切刃7、8
の間で形成される切削空間4が転写された形状になる。
すなわち、その切削空間4の大きさが変化すると、削り
出される歯の大きさ(モジュール)も変化する。
【0014】この各切刃による切削空間の大きさは、各
切刃7、8の軸方向の相対距離の大きさによって決定さ
れる。すなわち、歯形の切削に作用する切刃7、8の距
離が大きくなると、各切刃7、8で挟まれる切削空間4
が大きくなって創成される歯のモジュールが大きくな
り、逆に、切刃7、8間の距離が小さくなると、切削空
間4も小さくなり、歯のモジュールも小さくなる。
【0015】本発明者は、上述のようなホブによる歯車
創成の機構に鑑み、同一のねじ筋上における各点は、ね
じ筋のどの位置をとっても全て同じ捩れ角度をもって配
列される、というねじの連続性に着目し、ねじ筋を途中
で分割し、分割した各ねじ筋をその捩れ方向とは異なる
角度方向で円周方向にずらすことにより、各ねじ筋が平
行状態を保ったまま相互に接近離反し、各ねじ筋の軸方
向の相対距離が変化するという特性をホブに応用したの
である。
【0016】図4は、同一の捩れ角度で捩れるねじ筋に
沿って複数の切刃を形成した2つの分割ホブについて、
各切刃を連続して平面上に展開させて示したものであ
り、各切刃7、8は、同一の角度をもって傾斜するねじ
筋5、6上に一定間隔で配列されている。
【0017】いま、各分割ホブ2、3の切刃7、8が連
続した状態では、ホブを1回転させると、各ねじ筋5、
6上の全ての切刃7、8が切削に作用し、その全ての切
刃7、8の間で挟まれる切削空間の大きさに対応したモ
ジュールの歯形が形成される。
【0018】一方、2つのねじ筋5、6を、図5に示す
ようにホブの円周方向に相対的に位置をずらすと、後方
側のねじ筋6が、前方側のねじ筋5に対して円周方向に
平行移動し、各ねじ筋5、6が軸方向に相対的に接近す
る。
【0019】この状態では、各ねじ筋5、6上に配列さ
れる切刃7、8が軸方向に接近するため、その状態でホ
ブが回転すると、各切刃7、8の間で挟まれる切削空間
も小さくなり、創成される歯形のモジュールも小さくな
る。
【0020】また、図6及び図7に示すように、各ねじ
筋5、6の相対的なずれ量をさらに円周方向に大きくす
ると、ねじ筋5、6上の各切刃7、8が軸方向にさらに
接近し、各切刃7、8の間で形成される切削空間も小さ
くなる。このため、削り出せる歯のモジュールをさらに
小さくすることができる。
【0021】このように、各ねじ筋5、6の円周方向の
ずれ量を調節することにより、各切刃7、8の間で挟ま
れる切削空間の大きさが変化し、削り出す歯のモジュー
ルを任意に変化させることができる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1乃至図7は実施例の分割型ホブを示し
ており、このホブ1は、対称形をした一対の分割ホブ
2、3から形成される。
【0023】この各分割ホブ2、3は、円筒部材9の周
面に1巻き以上で捩れるねじ筋(ウォーム)5、6を形
成し、その各ねじ筋5、6に沿ってそれぞれ複数の切刃
7、8を一定の間隔で形成している。
【0024】上記ねじ筋5、6は、互いに同一の捩れ角
度をもつように設定され、各ねじ筋5、6を長さ方向に
配列した場合、1条の連続したねじ筋を形成するように
なっている。
【0025】また、ねじ筋5の終端部5aとねじ筋6の
始端部6aは、各分割ホブ2、3の中心に向かって延び
る平面で形成され、その終端部5aと始端部6aを向き
合せて分割ホブ2、3を組合せると、各ねじ筋5、6が
互いに連続するように設定されている。
【0026】さらに、各分割ホブ2、3の軸方向の端面
には、各ホブ2、3のねじ筋5、6に沿って延びる摺接
面10、11が形成されており、その摺接面10、11
の間に設けたすき間の範囲で、各分割ホブ2、3が平行
状態を保ったまま円周方向に位置ずれするようになって
いる。
【0027】上記ねじ筋5、6上に形成される各切刃
7、8は、図4及び図7に示すように二等辺三角形の頂
部を欠除した山形のラック歯形状で形成され、その各切
刃7、8の両側辺12、12は、各ねじ筋5、6の中央
線13に対して歯車の歯が有する圧力角20°をもって
対称に傾斜している。
【0028】また、上記各切刃7、8は、ねじ筋5、6
を1周する範囲で等ピッチで14個形成されており、そ
の切刃7、8の各ピッチPは、1つのピッチごとに創成
される歯のモジュールが0.5ずつ変化するように設定
されている。さらに、切刃7、8の形状は、それ単体で
モジュール6の大きさの歯を創成できるような歯形と大
きさで形成され、図4のように分割ホブ2、3同士が接
近した状態では各切刃7、8の間にモジュール9の歯形
の切削空間が形成されるように設定されており、各ねじ
筋5、6を相対的に接近離反させることにより創成され
る歯のモジュールが6から9の範囲で増減するようにな
っている。
【0029】実施例の分割型ホブは上記のような構造で
あり、次にその作用を説明する。図4乃至図7は、各分
割ホブ2、3の切刃7、8を平面的に展開して示したも
のである。なお、これらの図では、作用の説明の上か
ら、ねじ筋5における最後の切刃7n(斜線で示す切
刃)を次のねじ筋6の切刃8の前側に配置して示し、ま
た、ねじ筋6の横側に、そのねじ筋6の最後の切刃8n
(斜線で示す)を配置して示している。
【0030】また、図4において、14は、ねじ筋5の
最後の切刃7nの中心を通って円周方向に延びる周回線
であり、この周回線14と各ねじ筋5、6のなす角度α
がねじ筋5、6の捩れ角を示している。
【0031】いま、各分割ホブ2、3を、図4に示すよ
うに、ねじ筋5、6の終端部5aと始端部6bが一致し
た状態で組合せると、ねじ筋5、6上に配列される各切
刃7、8の間には、モジュール9の歯形に相当する切削
空間が形成される。したがって、この状態で各分割ホブ
2、3を共に回転させると、各切刃7、8の回転軌跡が
歯車素材に転写されることになり、各切刃7、8の間で
モジュール9の歯が創成される。なお、この場合、創成
される歯Bは、両側面がそれぞれ各切刃7、8によって
逆方向から追い込まれて仕上げられることになり、各切
刃7、8は片方の側辺15、16だけが切削に関与する
ことになる。
【0032】一方、各分割ホブ2、3を、図5(a)の
ように周回線14に沿って切刃の1ピッチだけ離れるよ
うに相対回転させると、ねじ筋5、6が軸方向に接近す
る方向に平行移動し、ねじ筋5、6上の各切刃7、8が
互いに接近する。このため、各切刃7、8の間で形成さ
れる切削空間の大きさが小さくなり、切刃7、8間で削
り出される歯のモジュールが小さくなる。
【0033】この場合、ホブが1回転する中で13個分
の切刃7、8が歯車の創成に関与することになり、この
切刃の1個の減少により削られる歯形は、上述した切刃
のピッチの設定により0.5のモジュール分だけ減少す
るが、両切刃7、8がそれぞれ同時に歯の形成に関与す
るため、歯は両側から0.5モジュールずつ削られ、結
果的にモジュール8の歯が創成される。
【0034】また、各分割ホブ7、8の1周分において
は、14個から13個分を差し引いた1個分の切刃7
a、8aが創成加工に対して余ることになるが、この余
りの切刃7a、8aは、図5(c)に示すように、同じ
ねじ筋7、8上にある各切刃7、8の回転軌跡に沿って
歯を削り出すように作用するため、モジュール9の歯を
創成するように作用する。このため、13個分の切刃
7、8で創成されるモジュール8の歯に対して、余りの
切刃7a、8aは軸方向に逃げた状態で回転することに
なり、創成される歯形との干渉が防止される。
【0035】上記各分割ホブ2、3の円周方向の相対的
なずれ量を、図6のようにさらに切刃の1ピッチ分だけ
拡げると、各ねじ筋5、6がさらに接近する方向に平行
移動し、各切刃7、8の間で挟まれる切削空間4の大き
さも小さくなる。そして、ホブの1回転中で12個分の
切刃7、8が歯車の創成に関与することになり、モジュ
ール7の歯が創成される。
【0036】この場合、創成加工より余った2個の切刃
7a、7bと8a、8bは、それぞれモジュール9と8
の歯を創成するように作用するため、創成されるモジュ
ール7の歯形に対して逃げた状態になり、干渉が防止さ
れる。
【0037】さらに、各分割ホブ2、3を離反する方向
に相対回転させ、図7のように切刃の3ピッチ分だけ離
反させると、各ねじ筋5、6上の切刃7、8はさらに軸
方向に接近し、各切刃7、8の間にはモジュール6の歯
形に対応した切削空間が形成される。
【0038】このように、実施例の分割型ホブでは、各
分割ホブ2、3を周回線14に沿って平行に相対回転さ
せることにより、各ねじ筋5、6が互いに接近離反する
方向に平行移動し、各切刃7、8で創成される歯のモジ
ュールを変化させることができる。
【0039】また、創成加工に関与しない切刃は、創成
される歯形から常に軸方向に逃げた状態になるため、不
都合な切刃の干渉がなく、安定した歯車創成を行なうこ
とができる。
【0040】さらに、分割ホブ2、3を用いて歯車を創
成していく途中で、各分割ホブ2、3を連続的に相対回
転させると、各切刃7、8の重なり合う回転軌跡形状も
連続的に変形するため、モジュールが連続的に変化する
傘歯車などの歯でも正確に削り出すことができる。
【0041】なお、上記の例では、各分割ホブ2、3を
周回線14に沿って円周方向に相対回転させたが、この
分割ホブの相対回転方向は、少なくとも各ねじ筋5、6
の捩れる方向とは異なる角度方向であれば各ねじ筋5、
6を軸方向に接近離反させることができ、創成できる歯
のモジュールを変化させることができる。
【0042】図8乃至図11は、上述した分割型ホブを
用いて、傘歯車の歯を創成するようにした歯切り装置の
例を示している。
【0043】図において、21は歯切り装置の基台、2
2はワーク支持台であり、このワーク支持台22から突
出した回転軸23に、傘歯車の歯車素材Aが装着され
る。
【0044】上記基台21の上面には、並行する2個の
回転ユニット25、26が設置され、下面には直線状の
案内路24が設けられており、その案内路24、24に
より基台21はスライド可能に取付けられている。
【0045】上記案内路24は、ワーク支持台22の回
転軸23に直交し、かつその回転軸23に装着した歯車
素材Aの傾斜状の歯形成面Cと平行に沿うように延びて
おり、基台21と各回転ユニット25、26は、案内路
24の案内と、サーボモータやボールねじなどから成る
送り機構38の駆動により、上記歯形成面Cに平行に沿
って直進運動するようになっている。
【0046】各回転ユニット25、26は、駆動用モー
ター27、28と、それに連結する主軸29、30とを
備え、その各主軸29、30の先端に、ホブ1を形成す
る2つの分割ホブ2、3がボルト31によって着脱自在
に装着されている。
【0047】また、各主軸29、30後端部にはスリー
ブ32が嵌合し、そのスリーブ32の周面を取り巻くよ
うにウォームギヤ33が形成され、その各ウォームギヤ
33に、それぞれサーボモータ36、37と連結するウ
ォームホイール34、35が噛み合っている。この各サ
ーボモータ36、37は、ウォームホイール34、35
を同時に逆方向に任意の角度で回動させるように制御さ
れており、サーボモータ36、37が作動すると、ウォ
ームの噛み合いにより各主軸29、30が回動し、各分
割ホブ2、3の円周方向の相対位置を所定の角度でずら
せるようになっている。この構造では、サーボモータ3
6、37とウォームホイール34、35及びウォームギ
ヤ33が、主軸に対する角度割出し手段を構成する。
【0048】また、各回転ユニット25、26の駆動用
モータ27、28は、互いに逆方向の回転を与えるもの
であり、サーボモータ36、37の作動により各主軸2
9、30と各分割ホブ2、3が同一の回転数で共回りす
るように設定されている。
【0049】上記ワーク支持台22の回転軸23は、図
8のように分割ホブ2、3が歯車素材Aを創成歯切する
切削位置において、各分割ホブ2、3の切刃7、8のね
じ筋5、6方向と傘歯車の歯の長さ方向とが一致するよ
うに歯車素材Aを保持している。
【0050】また、この回転軸23は、歯車素材Aを自
由回転状態で支持しており、各回転ユニット25、26
の駆動モータ27、28が各分割ホブ2、3を1回転さ
せるごとに、歯車素材Aが創成する歯の1ピッチ分ずつ
回転するようになっている。
【0051】この実施例の歯切り装置は上記のような構
造であり、次に、その歯切り装置を用いて傘歯車を創成
歯切する手順について説明する。
【0052】ここでは、内端側の歯のモジュール6、外
端側の歯のモジュール9の球面インボリュート歯形の傘
歯車を創成する場合を想定して手順を説明する。この場
合、加工開始前において、各分割ホブ2、3を、図7の
ように各ねじ筋5、6の終端側5aと始端部6aが切刃
の3ピッチだけ離れた状態で保持し、各切刃7、8がモ
ジュール6の歯形を創成する状態に設定しておく。
【0053】歯車の創成を、歯車素材Aを内端面側から
外端面側に向かって削り出して行なう場合、先ず、各分
割ホブ2、3を回転ユニット25、26の駆動モータ2
7、28により同方向に回転駆動し、分割ホブ2、3が
1回転するごとに、歯車素材Aをその中心軸を中心に1
ピッチ回転させる。そして、分割ホブ2、3の各切刃
7、8が互いに接触した状態で、両分割ホブ2、3を歯
車素材Aの内端側の位置に移動させる。
【0054】ついで、基台21と各回転ユニット25、
26を案内路24に沿ってスライドさせ、各分割ホブ
2、3を、歯車素材Aの歯形成面Cと平行に内端側から
外端側から移動させることにより創成歯切を行なう。こ
の場合、各分割ホブ2、3の送り込みと共に各サーボモ
ータ36、37を作動させ、各主軸29、30の相対位
置を変化させて、各分割ホブ2、3を互いに接近する方
向に相対回転させるようにする。
【0055】このように各分割ホブ2、3が相対回転す
ることにより、ねじ筋5、6上の各切刃7、8が軸方向
に離反し、各切刃7、8間で形成される切削空間が拡大
する。これにより、次第にモジュールの大きな歯形が削
り出される。
【0056】そして、各分割ホブ2、3が歯車素材Aの
外端側に移動した時に、図4のように各分割ホブ2、3
を各切刃7、8が連続する位置まで接近させるように設
定することにより、内端側から外端側に向かってモジュ
ールの大きさが6から9へ連続的に変化する傘歯車を創
成することができる。
【0057】ここで、図10と図11は、各分割ホブ
2、3が歯車素材Aの外端位置に移動して創成歯切りす
る場合の各切刃7、8の切削形態と、ホブの移動状態を
それぞれ模式的に示した断面図である。
【0058】なお、上記の実施例では、歯車素材Aを内
端面側から外端面側に向かって削り出す方法を示した
が、逆に外端面側から内端面側に向かって削り出すよう
にしてもよい。
【0059】この場合は、分割ホブ2、3を予め各切刃
7、8が連続するように円周方向に接近させておき、分
割ホブ2、3で創成歯切りしていく途中で各分割ホブ
2、3を離反するように制御する。
【0060】また、この実施例のホブ1は、予め分割ホ
ブ2、3を任意の角度で相対的に回転させることによ
り、任意のモジュールの歯を創成することができるの
で、平歯車の歯切り作業に用いることにより、モジュー
ルの異なる複数種類の平歯車を1つのホブで創成するこ
とができる。
【0061】
【効果】以上のように、この発明は、ねじ筋上に複数の
切刃を設けた2つの分割ホブを相対的に回転させ、各ね
じ筋上の切刃間の距離を変化させることにより、各切刃
の間で歯切りする切削空間の大きさを変化させるように
したので、削り出せる歯のモジュールの大きさを簡単に
かつ連続的に変化させることができる。したがって、こ
の発明の分割型ホブを用いれば、モジュールの異なる複
数種類の平歯車やモジュールが連続的に変化する傘歯車
を1つのホブで創成することができ、ホブの集約化によ
るコストダウンと、切削条件の向上による歯切能力の増
大を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の分割型ホブを示す正面図
【図2】(a)は同上の断面図、(b)はその側面図
【図3】歯車創成における切刃の切削状態を模式的に示
す図
【図4】(a)は分割ホブの切刃を平面上に連続させた
状態で示す展開図、(b)はその切削状態図
【図5】(a)は同上のホブの離反状態を示す展開図、
(b)と(c)は切刃の切削状態図
【図6】(a)は他のホブの離反状態を示す断面図、
(b)はその切削状態図
【図7】(a)は他のホブの離反状態を示す断面図、
(b)はその切削状態図
【図8】実施例の歯切り装置を示す一部横断平面図
【図9】同上の一部縦断正面図
【図10】ホブによる創成歯切作業を示す断面図
【図11】同上の切刃の移動による傘歯車の創成状態を
示す断面図
【図12】従来のホブによる創成歯切りを示す正面図
【符号の説明】
1 ホブ 2、3 分割ホブ 4 切削空間 5、6 ねじ筋 7、8 切刃 9 円筒部材 14 周回線 21 基台 22 ワーク支持台 23 回転軸 24 案内路 25、26 回転ユニット 27、28 駆動モータ 29、30 主軸 33 ウォームギヤ 34、35 ウォームホイール 36、37 サーボモータ A 歯車素材 B 歯 C 歯形成面

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒面上において2巻き以上で捩れる一
    条のねじ筋に沿って複数の切刃を配列したホブを、その
    ねじ筋の中央から軸方向に2つに分割し、この分割した
    各分割ホブをねじ筋の捩れ角度とは異なる角度方向で相
    対的に回転可能とし、その相対回転により各分割ホブに
    おける分割位置から1周の周回範囲で切削に作用する切
    刃の数を増減させるように構成した分割型ホブ。
  2. 【請求項2】 上記各分割ホブの各切刃のピッチが、歯
    車の歯のモジュール単位に対して所定の比率をもつよう
    に設定されている請求項1に記載の分割型ホブ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のホブにおける各分割ホ
    ブの分割位置を歯車素材の歯形の中央に位置させた状態
    で、各分割ホブが共に1回転するごとに歯車素材を歯の
    1ピッチずつ回転させ、その状態で各分割ホブを、ねじ
    筋の捩れ角度とは異なる角度方向に相対回転させながら
    歯車素材の歯の長さ方向に移動させて歯車を創成する歯
    車の歯切り方法。
  4. 【請求項4】 独立した2つの回転ユニットの主軸に、
    それぞれ請求項1に記載したホブの各分割ホブを装着
    し、その各主軸の一方又は両方に、両主軸の円周方向の
    相対位置を任意の角度でずれさせる角度割出し手段を連
    結し、歯車素材の歯形成面が各分割ホブの刃と直交した
    状態で歯車素材を支持する回転軸を設け、各分割ホブが
    歯車素材の歯形成面上で創成する歯の長さ方向に直進移
    動するように上記回転軸と各回転ユニットとを相対的に
    移動可能に支持した歯車の歯切り装置。
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