JP3792481B2 - 歩行補助装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行補助装置、特に、人体を支持する支持具を昇降する機能を備える歩行補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
歩行困難な高齢者や障害者などの歩行を補助する歩行補助装置であり、特に、使用者の起立・着座の補助のための昇降機能を備える装置の従来例として、特開平7−184966号公報に開示されている歩行補助装置がある。この歩行補助装置は、移動体と、移動体に設けた支柱体と、支柱体の上端に回転可能に設けた保持アームと、保持アームを駆動するアクチュエータと、保持アームに設けた使用者保持部と、保持アームに設けられ、使用者から作用する力を検出する作用力検出器と、作用力検出器からの検出値とその目標値を比較して移動体を制御する制御手段を備えている。前記作用力検出器は、使用者保持部の付け根部分に設けられており、アクチュエータにより、保持アームを回転させることで、使用者保持部を上昇、下降し、使用者の抱き上げ・抱き下ろしが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平7−184966号公報に開示されている歩行補助装置は、使用者支持具である使用者保持部を備える可動アームが軸を中心に回動運動すことにより、使用者支持具を昇降させているので、前記昇降に伴い、使用者支持具の床面に対する傾きが大きく変化する。このため、使用者が起立・着座を行う際に、その姿勢が不安定で一定せず、歩行が困難な高齢者や障害者などの使用者に対する補助の効果が十分でない場合がある。
【0004】
また、使用者の身長によって、起立した姿勢における使用者支持具の傾きが変化するので、使用者支持具の傾きが使用者の望ましい傾きにならず、使用者の歩行に対する補助の効果が損なわれる場合がある。
【0005】
また、昇降に伴い、作用力検出器の傾きが変化するので、使用者から作用する力の方向を正確に検出するには、傾きを検出して補正処理を行う必要が生じ、制御装置のコストが増加する。
【0006】
また、使用者支持具が、作用力検出器を介して保持アームの付け根部分で支持されており、片持ち支持構造となっているので、使用者支持具がたわみやすく、また、付け根部分に大きな応力が作用する。このため、十分な強度・剛性を確保し、安全性を高めるために、使用者支持具および周辺の部材の強度を大きくする必要があり、寸法・重量が増加し、装置が大きくなる。
【0007】
本願発明は、かかる従来技術の課題のうち、少なくとも1つを解決した歩行補助装置を提供することをその目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、使用者の足許を取り囲むようにコ字状に形成された基体と、前記基体に設けられ、当該基体を移動させる第一の駆動手段と、前記基体上に少なくとも三本の支持部材で支持され、使用者の体を取り囲むようにコ字状に形成された使用者支持具と、前記使用者支持具に設けられ、この使用者支持具に作用する力を検出する力検出手段と、前記支持部材とは別に設けられ、前記使用者支持具を昇降させる第二の駆動手段と、前記検出手段の信号により第一の駆動手段を制御する制御部と、前記第二の駆動手段に昇降指示をする昇降指示部とを備え、前記三本の支持部材は、前記基体に回動可能に係合軸を介してそれぞれ接続されると共に、前記使用者支持具の前部、右側部及び左側部にそれぞれ係合軸を介して接続されており、それぞれの長手方向の長さを等しくし、且つ、前記使用者支持具の前部に接続される係合軸と前記使用者支持具の右側部に接続される係合軸と間の長さと、前記使用者支持具の前部に接続される係合軸と前記使用者支持具の左側部に接続される係合軸と間の長さとを等しくして平行リンクとなるように構成されており、前記使用者支持具を昇降させる第二の駆動手段は、前記基体と前記使用者支持具とに回動可能に接続され、前記第二の駆動手段が伸縮することにより前記使用者支持具を昇降させるように構成されていることを特徴とする歩行補助装置としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る歩行補助装置の実施の一形態を図1ないし図4を参照して説明する。
〔実施形態 1〕
図1は、本発明の一実施形態に係る歩行補助装置の斜視図、図2は、図1の実施形態に係る歩行補助装置が備えている力検出手段の斜視図、図3は、図1の歩行補助装置において力検出手段の覆部を除いた側面図、図4は、図1の歩行補助装置の昇降動作の説明図である。
【0011】
図1に示されているように、歩行補助装置1は、基体2と、前記基体2に設けられ、当該基体を移動させる駆動手段10と、前記基体2上に少なくとも三本の支持部材11a、11b、11cで支持される使用者支持具3と、前記使用者支持具3を昇降させる駆動手段14と、前記使用者支持具3に作用する力を検出する力検出手段と、前記駆動手段10を制御する制御部8と、前記駆動手段14に昇降指示をする昇降指示部22とを備え、前記三本の支持部材11a、11b、11cは、前記基体2および前記使用者支持具3に回動可能に接続され、且つ平行リンクとなるように構成されている。該平行リンクを構成する条件については後述する。
【0012】
前記基体2は、使用者の足許が動き易いように後向き(後述)部が開放され、前部、右部、左部の部材からなると共に、右部および左部の後部に位置する駆動車輪5a、5b並びに前部の右部、左部に位置する従動車輪4a、4bによって移動可能に支持されている。前記従動車輪4a、4bは、キャスター式車輪であり、自在に進行方向の変更及び回転が可能になつている。
【0013】
前記駆動手段10は、前記駆動車輪5a、5bは、モータ6a、6bに減速機(図示ではモータ6a、6bに含む)およびベルト7a、7bを介して接続されており、前記制御装置8により、前記モータ6a、6bを同方向に駆動制御することにより、歩行補助装置1を前後方向に移動させる。また、モータ6a、6bを互いに逆方向に駆動制御することにより、歩行補助装置1を前記左右の駆動車輪5a、5bの中間点(図示せず)を中心に旋回させることができる。
【0014】
前記使用者支持具3は、前記支持部材11a、11b、11cと直動アクチュエータで構成した駆動手段14(以下、直動アクチュエータ14という)とで昇降可能に支持されている第一部材である下部フレーム31と、前記下部フレーム31に弾性部材33a、33b、33c、33dにより支持されている上部フレーム32とから構成されている。
【0015】
前記上部フレーム32の上面および上部フレーム32、下部フレーム31の側面は、クッション付きカバーで覆っている。該カバーと下部フレーム31の間には、両者間の接触を防ぐための隙間が設けられている。図1は、クッション付きカバーで覆われた状態を示しており、図2は、前記クッション付きカバーを取り除いた場合が示されている。
【0016】
図2において、前記使用者支持具3の上部フレーム32は、使用者の体を取り囲むようにコ字状形を形成し、前記コ字形の縦画および二つの横画に対応する各辺が前部、右腕部、左腕部となっている。使用者は、通常胸部または腹部を前記前部に向けて使用するが、この時の前進する向きを前向き、後退する向きを後向きとする。そして、後向き方向が開放されている。
【0017】
前記使用者支持具3の下部フレーム31は、前記上部フレーム32と相似形に形成されており、該下部フレーム31の各辺の端部および角部の4個所に上下の鉛直方向に前記上部フレーム32の支持部材となる弾性部材33a、33b、33c、33dが設けられ、その上に上部フレーム32が取付けられている。
前記弾性部材33a、33b、33c、33dは、図示の如く、円柱形のゴムであり、上下方向に対しては剛性が高く、水平方向に対しては剛性が低くなるように異方性に構成されることが好ましい。
【0018】
前記使用者支持具3のコ字形の下部フレーム31の前部、右腕部、左腕部の3の下面からそれぞれ設けられている垂設部材12a′、12b′、12c′に、それぞれ係合軸12a、12b、12cを介して前記支持部材11a、11b、11c(図示せず)の上端がそれぞれ回動可能に係合されている。
【0019】
前記基体2の上面には立設部材13a′、13b′、13c′が設けられ、前記立設部材13a′、13b′、13c′に、それぞれ前記支持部材11a、11b、11cの下端が係合軸13a、13b、13cを介して回動可能に係合されている。すなわち、上記の如く、支持部材11a、11b、11cが、その両端で垂設部材12a′、12b′、12c′および立設部材13a′、13b′、13c′と回動可能に係合軸12a、12b、12cおよび13a、13b、13cを介して係合することにより、前記使用者支持具3の下部フレーム31を支持している。
【0020】
前記使用者支持具3への作用力検出手段は、前記下部フレーム31に設けられた上部フレーム32の変位量を検出する変位検出器34a、34b、34c、34dと、前記変位検出器34a、34b、34c、34dが前記上部フレーム32の変位量を検出する検出対象となる基準である板状の指標35a、35b、35c、35d(以下、指標という)によって構成されている。
【0021】
前記上部フレーム32には、変位検出器34a、34bに対応してそれぞれ該指標35a、35bの表面を前後方向に向けて設けられ、変位検出器34c、34dに対応してそれぞれ該指標35c、35dの表面を水平方向に向けて設けられている。前記変位検出器34aおよび34cは、前記下部フレーム31の右腕部の弾性部材33aと33cの中間点の位置、変位検出器34bおよび34dは、前記下部フレーム31の左腕部の前記弾性部材33bと33dの中間点の位置にそれぞれ設けられている。
前記変位検出器34a、34bが、指標35a、35bとの間の前後方向の距離の変化(相対変化)を測定し、変位検出器34c、34dが、指標35c、35dとの間の上下方向の距離の変化(相対変化)を測定する。
【0022】
変位検出器34a、34b、34c、34dは、差動トランス式変位センサであり、センサから伸びるロッドの先端を、該センサに内蔵されたばねにより前記指標35a、35b、35c、35dに垂直に押し当て、前記ロッドの変位を検出する。これによりロッドに平行な変位を検出する。他の方向に対する変位は発生しても、該ロッドの先端が前記指標の表面を滑り、該ロッドが動かないので変位は検出されない。なお、図2では前記変位センサの詳細は図示されていない。
【0023】
また、図1に示す如く、前記使用者支持具3と基体2との間に、該使用者支持具3を昇降させる直動アクチュエータ14が設けられており、該直動アクチュエータ14の両端は、それぞれ係合軸15、16により、前記使用者支持具3の前部に設けられた垂設部材15′及び基体2に設けられた立設部材16′に係合されている。なお、図2では、直動アクチュエータ14が図示されていない。
【0024】
前記使用者支持具3には、使用者が掴まるための棒状部材である取っ手21が設けられており、該取っ手21には、歩行補助装置を操作するための上昇および下降のスイッチ(いずれも図示せず)を備える可搬型の操作部22が取り付けられている。この操作部22は必ずしもこの位置に限定されるものでなく、使用者支持具3に直接設けてもよい。
【0025】
使用者は取っ手21に掴まり体重の一部を預けて歩行するが、前記使用者からの作用力は、弾性部材33a、33b、33c、33dにより、上部フレーム32の四隅に分散して、両持ち構造で支持される。
【0026】
次に、図1、3を参照して前記支持部材11a、11b、11cの平行リンクの条件を説明する。
図3に示す如く、歩行補助装置1の座標系を右向きをX、前向きをY、上向きをZと定めると、Y軸およびZ軸を含む側面への投影において、前記支持部材11a、11b、11cはそれぞれの長手方向の投影軸長を等しくし、且つ、係合軸12aと係合軸12b間の投影長さと、係合軸13aと係合軸13b間の投影長さを等しくし、且つ、係合軸12aと係合軸12c間の投影長さと、係合軸13aと係合軸13b間の投影長さを等しくする。
【0027】
上記の如く、構成することにより、図3に示される如く、支持部材11a、11b、11cが平行リンクになるように配設される。このため、使用者支持具3が常に平行に移動し、その上面の水平が変化しない。上記条件が一つでも充足しなくなると、上記平行リンクの条件が充足されなくなり、その上面の水平が傾くようになる。上記において、係合軸12aと係合軸12b間の側面への投影長さと、係合軸12aと係合軸12c間の側面への投影長さは、必ずしも等しくなくてもよい。
【0028】
図1ないし4を参照して、上記本発明の一実施形態に係る歩行補助装置の動作を説明する。まず、図4を参照して昇降動作を説明する。図4においては、昇降動作と無関係な前進および旋回のための駆動モータ6a等の関係部材の図示が省略されている。
図4に示す如く、使用者が歩行補助装置の上昇動作を行うためには、使用者(介護者でも可)により、昇降操作部22に設けられた上昇スイッチが押されると、直動アクチュエータ14が伸び、使用者支持具3が上昇する。
逆に、昇降操作部22に設けられた下降スイッチが押されると、直動アクチュエータ14が縮み、使用者支持具3が下降する。なお、上昇・下降スイッチは、押され続けている間だけ、使用者支持具3が上昇・下降するようにしてもよく、一回押されたら予め定められた高さまで自動的に上昇・下降するようにしてもよい。
【0029】
この際、支持部材11a、11b、11cの前記平行リンク機構により、使用者支持具3は、円弧状の軌跡41に沿って平行に昇降する。このため、使用者が使用者支持具3に掴まって椅子やベッドから起立する際に、斜め上方に引き上げられるので、使用者は楽に自然に起立することができる。
また、使用者支持具3の傾きが変化しないので、起立・着座の際の使用者の姿勢が安定し、身長に合わせて高さを調整した場合にも、使用者の身長によらず、楽な姿勢で掴まることができる。
【0030】
また、使用者支持具を昇降させるときに、傾きを変化させた方が起立・着座が行いやすい場合には、支持部材11a、11b、11cを前記平行リンク機構の条件を充足しないようにすることもできる。この場合、高さによって使用者支持具3の傾きが変化するようになる。
【0031】
なお、図1において、直動アクチュエータ14を、歩行補助装置1の基体2の中心に設けているが、該直動アクチュエータ14を歩行補助装置1の左右いずれか、あるいは左右両方に設けても差し支えない。
また、係合軸15を係合軸12a、12b、12cのいずれかと共通化することにより、コストを低減しても差し支えない。また、直動アクチュエータ14を係合軸15で使用者支持具3の垂設部材15′と係合させる代わりに、支持部材11a、11b、11cのいずれかに直動アクチュエータ14を設けてもよい。
【0032】
また、直動アクチュエータ14の代わりに、回動型モータを前記基体2もしくは使用者支持具3に設け、支持部材11a、11b、11cのいずれかを動かすことにより、使用者支持具3を昇降させるようにしてもよい。
また、上記機構の強度を増すために、支持部材11a、11b、11cのいずれか二つを接続する部材を設け、二つの支持部材を一体化してもよい。
また、直動アクチュエータ14には、装置および使用者の安全のために、推力を予め定められた大きさ以下に制限する推力制限機構を設けることが望ましい。また、使用者支持具3の高さを検出し、使用者支持具3の高さを所定の範囲に制限するためのリミットセンサを設けることが望ましい。
【0033】
次に、図1ないし図3を参照して上記本発明の一実施形態に係る歩行補助装置の前進および旋回動作を説明する。
使用者が、脚に掛かる負担を減じるために、取っ手21もしくは上部フレーム32に寄りかかって体重を預ける。この結果、上部フレーム32には、鉛直下向きに力が加わり、弾性部材33a、33b、33c、33dが下向きに圧縮され、前記上部フレーム32に下部フレーム31に対して下向きの変位が発生する。
【0034】
前進歩行を開始するための予備動作として、使用者が前記上部フレーム32に前向きに力を加えると、弾性部材33a、33b、33c、33dが前向きに変形し、前記上部フレーム32が下部フレーム31に対して前後方向の変位が発生する。この場合、使用者の体重による力より前記前向きの力がはるかに小さいが、弾性部材33a、33b、33c、33dの調整して構成した剛性の異方性により、両変位が同等の大きさの変位となる。
【0035】
前記上部フレーム32に発生した変位により前後の変位検出器34a、34bに同方向の変位が検出され、制御装置8により変位に比例した作用力が得られる。前記制御装置8は、前記作用力に比例して、モータ6aが駆動車輪5a、5bを同方向に駆動することにより、歩行補助装置1を前進させる。
このようにして、前記歩行補助装置1が前方に移動するので、使用者の歩行速度に対する歩行補助装置の移動の遅速に応じて、前記変位が変化して移動速度が変化し、歩行補助装置1は使用者の歩行に同一の速度で移動させることができる。なお、制御装置8は、マイクロコンピュータを用いてもよく、ソフトウエアにより処理しても差し支えなく、アナログ回路により処理しても差し支えない。
【0036】
なお、図示していないが、障害物検知用としての近接センサを基体2及び使用者支持具3の前部に設置し、障害物に接近したときに警報を出したり、モータ6a、6bを停止させることで危険を回避させることができる。
【0037】
次に、歩行補助装置の旋回動作を説明する。
使用者が歩行補助装置の旋回動作を行うためには、前記上部フレーム32をひねり、上下軸回りの力のモメントを加えると、弾性部材33a、33b、33c、33dが変形し、前記上部フレーム32に上下軸回りの回転変位が発生し、前後方向の変位検出器34aと34cおよび34bと34dによりそれぞれ逆向きの変位が検出される。制御装置8は前記逆向きの変位より力のモメントを演算し、回転速度指令を演算し、相互に駆動車輪5a、5bを逆方向に駆動することにより前記力のモメントに比例した回転速度で、且つ歩行補助装置を使用者の旋回歩行に合わせて旋回させることができる。
【0038】
本実施形態の歩行補助装置は、使用者から加えられた力に応じて、前進、旋回動作を行い、使用者の意図に応じ、使用者の身体状況に応じて歩行補助を行うことができる。また、変位検出器34c、34dにより、上部フレーム32の下向きの変位を検出することにより、使用者から働く上下方向の力を検出することができる。この検出により、傾斜面の歩行する場合は重力の影響を除く補正制御をおこなったり、使用者が使用者支持具3に寄りかかっている状態を調べ、リハビリテーションの効果を測定することもできる。
【0039】
また、上記において、使用者支持具3の変位検出器34a、34b、34c、34dを設け、上部フレーム32の変位を差動トランス式を用いて使用者からの力・トルクを検出する方法を説明したが、その代わりに、歪みゲージを用いたポテンショメータ、または渦電流式ギヤツプセンサ、反射光を用いた光学式センサ、永久磁石を用いた磁気式センサを用いても差し支えない。
【0040】
このような本実施形態は、下記のような作用・効果を奏することができる。
歩行補助装置は、使用者支持具を支持する支持部材11a、11b、11cを平行リンク機構で構成したので、使用者支持具の床面に対する傾きが変化せず、その姿勢が安定であり、歩行が困難な高齢者や障害者などの使用者に対する補助の効果が十分となる。
【0041】
また、支持部材11a、11b、11cが3点支持となっているので、使用者に働く前後・左右方向などの力に対する強度・剛性が高まり、装置の安全性と使用者の安心感が高まる。
また、使用者の身長で、起立した姿勢における使用者支持具の傾きが変化せず使用者支持具の傾きが使用者の望ましい傾きとなり、使用者の歩行に対する補助の効果が十分である。
【0042】
また、昇降に伴い、作用力検出器の傾きが一定であるので、使用者から作用する力の方向を正確に検出し、簡単に制御することができるので、制御装置のコストが安価となる。
【0043】
また、使用者支持具が、両持ち支持構造となっているので、使用者支持具がたわみがなく、力・トルクの測定精度を向上させ、駆動装置の精度が向上し、使用者が歩き易くなり、さらに使用者支持具に加わる応力が小さくなるので、使用者支持具および周辺部材の強度を大きくする必要がなく、装置が小型化できる。
【0044】
次に、本発明に係る歩行補助装置の〔実施形態 1〕の変形例を図5を参照して説明する。図5は、図1の歩行補助装置の変形例の斜視図である。
本変形例は、〔実施形態 1〕の歩行補助装置から使用者支持具の上部フレームと下部フレーム間に設けた使用者による加圧力の力検出手段および前記力検出手段の信号に応じて駆動モータを制御する制御部と、前記力検出手段の信号に応じて歩行補助装置を前進、旋回させる駆動モータを省いたものである。すなわちり、使用者支持具の上昇は駆動装置で行われるが、歩行補助装置の前進および旋回は、使用者の人力で行われるように構成されている。
【0045】
本変形例の説明においては、〔実施形態 1〕の歩行補助装置と同様である部分については、煩瑣となるので、説明を簡略化するようにした。
図5に示されているように、歩行補助装置1は、基体2と、前記基体2に設けられ、当該基体2を移動させる移動用車輪5a’、5b’および従動車輪であるキャスター4a、4bと、前記基体2上に少なくとも三本の支持部材11a、11b、11cで支持される使用者支持具3aと、前記使用支持具3aを昇降させる伸縮自在なアクチェータ14と、前記アクチェータ14に昇降指示をする昇降操作部22とを備え、前記三本の支持部材11a、11b、11cは、前記基体2および前記使用者支持具3aに回動可能に接続され、且つ平行リンクとなるように構成されていることを特徴とするものである。
なお、昇降操作部22は、図示では使用者が昇降の際、掴まる使用者支持具3aに設けられている取っ手となる棒材21に設けられている。
【0046】
前記使用者支持具3aは、〔実施形態 1〕のように上部フレーム32と下部フレーム31の二つの部材で構成されず、図示する如く、使用者を取り囲むようにコ字形の一個の部材で形成されている。
上記以外は、〔実施形態 1〕と同様に、前記コ字形の各辺が前部、右腕部、左腕部となっている。前記コ字形の前部、右腕部、左腕部の3個所にそれぞれ設けられている垂設部材12a′、12b′、12c′に、それぞれ係合軸12a、12b、12cを介して前記支持部材11a、11b、11cの上端がそれぞれ回動可能に係合されている。
【0047】
前記基体2は、詳細な図示を省略したが、〔実施形態 1〕と同様に、前記使用者支持具3aに対応して使用者の足部が前後、左右に移動しやすいように、その足許を取り囲むようにコ字状形に形成されている。前記基体2の上面には立設部材13a′、13b′、13c′が設けられており、前記立設部材13a′、13b′、13c′に、それぞれ前記支持部材11a、11b、11cの下端が係合軸13a、13b、13cを介して回動可能に係合されている。
【0048】
すなわち、支持部材11a、11b、11cがその両端で垂設部材12a′、12b′、12c′および立設部材13a′、13b′、13c′と前記係合軸12a、12b、12cおよび13a、13b、13cを介して前記使用者支持具3を支持されている。
前記支持部材11a、11b、11cは、〔実施形態 1〕と同様に、平行リンクを構成する条件を充足するように配設されている。このため、使用者支持具3が常に平行に移動し、その上面の傾きが変化しないようになる。
【0049】
前記基体2を移動可能に支持する移動手段10aは、〔実施形態 1〕と異なり、前記基体2の下方前部には左右一対のキャスター4a、4bと、前記基体2の下方後部には左右一対の車輪5a’、5b’を備えている。前記キャスター4a、4bは、自在に進行方向の変更及び回転が可能になつている。
【0050】
また、前記使用者支持具3と基体2との間に、〔実施形態 1〕と同様に、該使用者支持具3を昇降させる駆動手段である伸縮自在な直動アクチュエータ14が設けられており、該直動アクチュエータ14の両端は、それぞれ係合軸15、16により、前記使用者支持具3に設けられた垂設部材15a′及び基体2に設けられた立設部材16a′に係合して取付けられている。
【0051】
本変形例の歩行補助装置の昇降機構の動作を説明する。
〔実施形態 1〕の同様であるので図4を参照して説明する。
使用者は、例えば低い姿勢で、掴まるための棒状部材である取っ手21もしくは直接使用者支持具3に掴まった姿勢で、静止し、且つ高さの低い状態の歩行補助装置において昇降操作部22の上昇スイッチ(図示せず)を入れる。
前記上昇スイッチが入ると、使用者支持具3と基体2との間に設けられた直動アクチュエータ14が伸縮することにより、該使用者支持具3が使用者を取っ手21に使用者支持具3に掴まらせた姿勢で上昇する。
【0052】
支持部材11a、11b、11cが平行リンク機構を構成しているので、使用者支持具3が上昇するときは、前記取っ手21及び使用者支持具3は傾斜することなく、円弧状に平行に一定の速度で一定の高さまで上昇して停止する。従って、使用者は安定した姿勢で一定の高さ迄、自然な形で引きあげられる。
【0053】
一定の高さ迄、引きあげられた使用者は、使用者支持具3のコ字形状の前部、左腕部、右腕部をそれぞれ左腕及び右腕で把握する。この場合、引上げられる高さを身長に合わせて使用者支持具3の高さを調整することができるようになっているので、楽な姿勢で引きあげられる。
低い姿勢からの引上げについて説明したが、〔実施形態 1〕と同様に、椅子やベッドから起立する動作の場合や逆に椅子やベッドに着座するも同様である。また、使用者支持具3を昇降させるときに、傾きを変化させた方が起立・着座が行いやすい場合、係合軸の配置をずらし、支持部材11a、11b、11cに平行リンク機構の条件を充足しないようにすることもできる。
【0054】
本変形例の歩行補助装置の前進、旋回の動作は、従来の車輪付き手動式歩行器と同様に人力で行われる。すなわち、使用者が、使用者支持具3に寄りかかって体重を預け、前向きに力を加えると、車輪5a’、5b’およびキャスター4a、4bが回転し、歩行補助装置が前方に移動する。また、使用者支持具をひねり、上下軸まわりのモーメントを加えると、車輪5a’、5b’およびキャスター4a、4bが回転するとともに、キャスター4a、4bの方向が回転し、歩行補助装置が旋回する。
【0055】
本変形例は、〔実施形態 1〕の作用・効果の一部とほぼ同様であるが、下記の作用・効果を奏する。
本変形例の歩行補助装置は、使用者から加えられた力に応じて、前進、旋回動作を行い、使用者の意図に応じ、使用者の身体状況に応じて歩行補助を行うことができる。
【0056】
また、使用者支持具を支持する支持部材11a、11b、11cを平行リンク機構で構成したので、使用者支持具の床面に対する傾きが変化せず、その姿勢が安定であり、歩行が困難な高齢者や障害者などの使用者に対する補助の効果が十分となる。
【0057】
また、支持部材11a、11b、11cで3点支持となっているので、使用者に働く前後・左右方向などの力に対する強度・剛性が高まり、装置の安全性と使用者の安心感が高まる。
【0058】
また、使用者の身長で、起立した姿勢における使用者支持具の傾きが変化せず使用者支持具の傾きが使用者の望ましい傾きとなり、使用者の歩行に対する補助の効果が損なわれない。
【0059】
また、使用者支持具が、両持ち支持構造となっているので、使用者支持具がたわみがなく、使用者が歩き易くなりなる、さらに使用者支持具に加わる応力が小さくなるので、使用者支持具および周辺部材の強度を大きくする必要がなく、装置が小型化できる。
【0060】
【発明の効果】
本発明の構成によれば、歩行困難な使用者に対して高い補助効果を有し、且つ小型軽量低コストな歩行補助装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る歩行補助装置の斜視図である。
【図2】図1の実施形態に係る歩行補助装置が備えている力検出手段の斜視図である。
【図3】図1の歩行補助装置において力検出手段の覆部を除いた側面図である。
【図4】図1の歩行補助装置の変形例の斜視図
【図5】図4の歩行補助装置の動作説明図である。
【符号の説明】
1…歩行補助装置1、2…基体、3、3a…使用者支持具、
4a、4b…従動車輪、5a、5b…駆動車輪、5a’、5b’…移動用輪、
6a、6b…駆動モータ、7a、7b…ベルト、10、10a…駆動手段、
11a、11b、11c…支持部材、
12a、12b、12c、13a、13b、13c…係合軸、
14…アクチェータ、22…昇降操作部、
31…使用者支持具3の下部フレーム、
32…使用者支持具3の上部フレーム、
33a、33b、33c、33d…弾性部材、
変位検出器…34a、34b、34c、34d、
指標…35a、35b、35c、35d。

Claims (1)

  1. 使用者の足許を取り囲むようにコ字状に形成された基体と、
    前記基体に設けられ、当該基体を移動させる第一の駆動手段と、
    前記基体上に少なくとも三本の支持部材で支持され、使用者の体を取り囲むようにコ字状に形成された使用者支持具と、
    前記使用者支持具に設けられ、この使用者支持具に作用する力を検出する力検出手段と、
    前記支持部材とは別に設けられ、前記使用者支持具を昇降させる第二の駆動手段と、
    前記検出手段の信号により第一の駆動手段を制御する制御部と、
    前記第二の駆動手段に昇降指示をする昇降指示部とを備え、
    前記三本の支持部材は、前記基体に回動可能に係合軸を介してそれぞれ接続されると共に、前記使用者支持具の前部、右側部及び左側部にそれぞれ係合軸を介して接続されており、それぞれの長手方向の長さを等しくし、且つ、前記使用者支持具の前部に接続される係合軸と前記使用者支持具の右側部に接続される係合軸と間の長さと、前記使用者支持具の前部に接続される係合軸と前記使用者支持具の左側部に接続される係合軸と間の長さとを等しくして平行リンクとなるように構成されており、
    前記使用者支持具を昇降させる第二の駆動手段は、前記基体と前記使用者支持具とに回動可能に接続され、前記第二の駆動手段が伸縮することにより前記使用者支持具を昇降させるように構成されている
    ことを特徴とする歩行補助装置。
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