JP3791827B2 - 切削加工方法及び切削加工装置、ならびに洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

切削加工方法及び切削加工装置、ならびに洗浄方法及び洗浄装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属等を切削加工する切削加工方法及び切削加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、切削加工装置において、鉄やステンレス等のワークに穴あけ加工や切削加工等を行なう場合には、ツールとワークとの加工部分に水溶性の切削油や防錆剤等を混入させたクーラント液を噴射して、該加工部分を冷却して加工するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
切削加工装置のツールは、ワークに対して高速回転して穴あけ加工や切削加工を行なっており、加工部分は非常に高熱となる。そのため、その加工部分にクーラント液をかけて冷却するようにしている。しかしながら、ツールはワークに対して高速回転しているので、クーラント液を加工部分に噴射させても、ほとんどのクーラント液は弾き飛ばされてしまったり、ツールの回りにクーラント液が巻きついたり、あるいは膜状にはりつき、実際にツールとワークの加工部分に直接クーラント液がかからず、効果的に冷却することができないという問題があった。
【0004】
そのため、クーラント液を噴射するノズルからの噴射圧力、つまり、ワークからのクーラント液を回収して切り粉等を除去して、さらにクーラント液をノズルから噴射させるためのポンプ圧力を高いものにしなければならず、切削加工装置がコストアップになってしまうという問題があった。
また、ツールの回りをカーテン状にクーラント液を噴射させ、さらに噴射させたクーラント液にひねりを付与して、噴射したクーラント液がツールとワークの加工部分に流れるようにしたものも提供されている。しかし、かかる場合もクーラント液の噴射装置が大型化、コストアップとなり、また、ツールの回りにクーラント液を噴射させているが、これはツールの周りの雰囲気の温度が低下するものの、ツールとワークとの加工部分にクーラント液がかからず、やはり冷却性能が劣るという問題がある。
【0005】
上記の問題を解決しようとして出願されたのが、例えば、WO97/29882号公報、特開平9−168942号公報が挙げられる。これらの両公報に記載されている技術は、クーラント液に気泡を混入させたものであり、この気泡を混入させたクーラント液をツールとワークの加工部分に噴射して冷却性を上げるようにしたものである。
しかしながら、かかる両公報に開示されている技術は、以下のような問題を有している。すなわち、両公報には、クーラント液に単に気泡を混入させるとしか開示されておらず、気泡の大きさに関しては何らの記載もない。
【0006】
つまり、クーラント液に混入させた気泡を利用して冷却性と潤滑性などを向上させているとしているものの、本発明者は、単に気泡をクーラント液に混入しても上記のような効果は何ら発生しないことを突きとめたのである。
クーラント液に混入する気泡は、ある一定の大きさ以下でないと、浸透性、保水性の機能が生じず、逆に気泡の大きさがある程度以上大きくなると、気泡自体が空気を持っているために、その空気が冷却性に対して逆効果となり、ツールとワークとの間の浸透性、保水性といった切削加工に必要な効果が得られないことが分かった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みて提供したものであって、ある所定の範囲の小さな気泡をクーラント液に混入することで、ツール及びワークに対して浸透性、保水性を付与し、以て切削加工における作業性を向上させた切削加工方法及び切削加工装置を提供することを目的としているものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の請求項1記載の切削加工方法では、毎分10リットル〜60リットルの範囲の流量としたクーラント液35の容量に対して3%〜13%の割合でエアーを混入させた該クーラント液35に気泡発生器52により0.3μm〜10μmの大きさの気泡54を無数に発生させ、前記無数の気泡54を含ませた気泡混入クーラント液39を前記気泡発生器52の出力側に設けたノズル53からツール33とワーク34の間に連続してかけてワーク34を加工するようにしていることを特徴としている。
【0009】
かかる切削加工方法により、気泡混入クーラント液39内に混入されている気泡54は0.3μm〜10μmと非常に小さいことと、該気泡54の爆発力によってツール33とワーク34の間に浸透していき、これによりツール33の先端部とワーク34の加工部分が冷却される。これにより、ワーク34及びツール33は気泡54の持つ浸透性、保水性が維持され、ワーク34及びツール33は熱をほとんど発生させることがなく、切削加工の作業性を向上させ、またツール33も長持ちさせることができる。
【0010】
請求項2記載の切削加工方法では、前記ツール33からノズル53を離して、ノズル53からの気泡混入クーラント液39をワーク34上に流すようにしてツール33及びワーク34の加工部分55を冷却するようにしていることを特徴としている。
【0011】
かかる切削加工方法により、十分にツール33及びワーク34を冷却することができた。
【0012】
請求項3記載の切削加工方法では、上記気泡発生器52の出力側を複数に分岐し、この分岐した配管部材の先端のノズル53からそれぞれ気泡54を含んだ気泡混入クーラント液39をツール33とワーク34の間に連続してかけてワーク34を加工するようにしていることを特徴としている。
【0013】
かかる切削加工方法により、効率よくツール33及びワーク34を冷却することができ、より切削加工の作業性を向上させることができる。
【0014】
請求項4記載の切削加工方法では、気泡発生器52と、冷却後のクーラント液35を回収するタンク36と、このタンク36内に貯留しているクーラント液35を気泡発生器52側に循環させるポンプ42とでクーラント液35の循環経路を構成し、この循環経路の途中に切削加工で生じた切り粉37を回収するフィルター装置38を介設していることを特徴としている。
【0015】
かかる切削加工方法により、切削加工しながら同時に生じる切り粉37を回収することができ、切り粉37の回収作業を含めた全体の作業性を向上させることができる。
【0016】
請求項5記載の切削加工装置では、クーラント液35の容量に対して3%〜13%の割合でエアーを混入させる調整弁44と、この調整弁44によりエアーを混入させたクーラント液35を毎分10リットル〜60リットルの範囲の流量で送るポンプ42と、このポンプ42の出力側に設けられてクーラント液35に0.3μm〜10μmの大きさの気泡54を無数に発生させる気泡発生器52と、この気泡発生器52の出力側に設けたノズル53とを設け、上記の大きさの気泡54を含んだ気泡混入クーラント液39を前記ノズル53からツール33とワーク34の間に連続してかけてワーク34を加工するようにしていることを特徴としている。
【0017】
かかる構成により、気泡混入クーラント液39内に混入されている気泡54は0.3μm〜10μmと非常に小さいことと、該気泡54の爆発力によってツール33とワーク34の間に浸透していき、これによりツール33の先端部とワーク34の加工部分が冷却される。これにより、ワーク34及びツール33は気泡54の持つ浸透性、保水性が維持され、ワーク34及びツール33は熱をほとんど発生させることがなく、切削加工の作業性を向上させ、またツール33も長持ちさせることができる。
【0018】
請求項6記載の切削加工装置では、上記気泡発生器52の出力側を複数に分岐し、この分岐した配管部材の先端のノズル53からそれぞれ気泡54を含んだ気泡混入クーラント液39をツール33とワーク34の間に連続してかけてワーク34を加工するようにしていることを特徴としている。
【0019】
かかる構成により、効率よくツール33及びワーク34を冷却することができ、より切削加工の作業性を向上させることができる。
【0020】
請求項7記載の切削加工装置では、気泡発生器52と、冷却後のクーラント液35を回収するタンク36と、このタンク36内に貯留しているクーラント液35を気泡発生器52側に循環させるポンプ42とでクーラント液35の循環経路を構成し、この循環経路の途中に切削加工で生じた切り粉37を回収するフィルター装置38を介設していることを特徴としている。
【0021】
かかる構成により、切削加工しながら同時に生じる切り粉37を回収することができ、切り粉37の回収作業を含めた全体の作業性を向上させることができる。
【0022】
請求項8記載の切削加工装置では、クーラント液35の容量に対して3%〜13%の割合でエアーを混入させたクーラント液35を毎分10リットル〜60リットルの範囲の流量で送るポンプ42と、このポンプ42の出力側に設けられエアーを混入させたクーラント液35に0.3μm〜10μmの大きさの気泡54を無数に発生させる1台の気泡発生装置60と、この気泡発生装置60から複数本分岐された配管部材61を介して無数の気泡54を含ませた気泡混入クーラント液39がそれぞれ供給される複数の切削加工機31とで構成され、各切削加工機31において前記気泡混入クーラント液39をツール33とワーク34の間に連続してかけてワーク34を加工するようにしていることを特徴としている。
【0023】
かかる構成により、それぞれの切削加工機31に気泡発生器52を設けた場合と比べて、気泡発生装置60を1台とし、複数の切削加工機31に気泡54を含んだ気泡混入クーラント液39を供給するようにしているので、全体の設置コストを安価にでき、これにより製造コストも安価にすることができる。
【0024】
請求項9記載の切削加工装置では、各切削加工機31からの冷却後のクーラント液35を回収するタンク36と、タンク36内のクーラント液35を濾過して切り粉37を回収するフィルター装置38とを設け、前記ポンプ42により前記フィルター装置38で濾過したクーラント液35を気泡発生装置60へ送るようにしていることを特徴としている。
【0025】
かかる構成により、切削加工しながら同時に生じる切り粉37を回収することができ、切り粉37の回収作業を含めた全体の作業性を向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明にかかる切削加工装置30の概略構成図を示し、切削加工機31の下部にはチャック32が設けられ、このチャック32にツール33が着脱自在に装着されるようになっている。
ツール33の高速回転により、穴あけ加工、切削加工等の加工がされるワーク34は図外のワークテーブルに載置されており、このワークテーブルの下方には加工時にツール33とワーク34の加工部分に噴射されるクーラント液35を回収・貯溜するタンク36が配置されている。
【0027】
上記タンク36内には加工時に使用した切削油等のクーラント液35が貯溜されており、加工時に発生した切り粉37(図中の黒い部分)が回収されている。このタンク36には回収した切り粉37を除去するためのフィルター装置38がホース、パイプ等の配管部材40を介して接続されている。
また、フィルター装置38の出口側はホース、パイプ等の配管部材41を介して切削加工装置30のクーラント液35を装置全体に循環させるポンプ42と配管接続されている。上記配管部材41の途中で分岐した分岐配管41aには調整弁44を介設したコンプレッサー43が設けられている。このコンプレッサー43からエアーを調整弁44を介してポンプ43に送気している。
【0028】
上記調整弁44は、ポンプ43に送気する空気量を調整するものであり、クーラント液35の容量に対して3%〜13%の割合で調整できるようになっている。これは、ワーク34の材質や切削方法により調整可能としたもので、その調整は手動で行なうようになっている。
また、ポンプ43からの流量も、毎分10リットル〜60リットルの範囲で調整可能としてあり、クーラント液35の流量もワーク34の材質や切削(加工)方法により、適宜対応させるものである。
【0029】
上記ポンプ42の出力側より可撓性の配管部材51が延出され、この配管部材51の先端に気泡54を発生させる気泡発生器52を設けている。この気泡発生器52はツール33の近傍に可撓性の配管部材51により配置できるようになっており、さらに、気泡発生器52の出力側より突設させたノズル53の先端はツール33とワーク34の加工部分に対面している。
上記気泡発生器52は、株式会社OHR流体工学研究所製のものを用いており、この気泡発生器52から噴射される気泡54の大きさは、0.3〜100μmの大きさである。本発明に使用する切削加工用の気泡54の大きさは、上記の0.3〜100μmが好ましく、さらに好ましい気泡54の大きさは、0.3〜30μm、あるいは0.3〜10μmである。しかし、最も好ましい気泡54の大きさは、0.3〜0.5μmの大きさである。
【0030】
ツール33をワーク34の加工面に近接させ、ポンプ42を駆動すると循環回路のクーラント液35が循環し、ポンプ42にてエアーを混入したクーラント液35が気泡発生器52に入力される。この気泡発生器52内で例えば、0.3〜10μm(あるいは、0.3〜0.5μm)の気泡54が大量、且つ一定に生成され、この気泡54を含んだ気泡混入クーラント液39がノズル53からツール33とワーク34の加工部分55に噴射されることになる。
ここで、気泡発生器52により気泡54を無数に含んだクーラント液を「気泡混入クーラント液39」と称し、ツール33とワーク34の加工部分55に噴射してこの部分を冷却し、その冷却した使用後であって、気泡発生器52に入るまでのクーラント液を「クーラント液35」と称して両者を区別する。
【0031】
気泡混入クーラント液39内に混入されている気泡54は非常に小さいことと、該気泡54の爆発力によってツール33とワーク34の間に浸透していき、これによりツール33の先端部とワーク34の加工部分55が冷却され、さらに連続して気泡54を含んだクーラント液35が噴射されるので、保水性を維持することができる。なお、気泡54の爆発力は、400km/hとも言われており、その気泡が爆発したときの力と、無数の小さな気泡54が爆発しながら周りに気泡54自体が飛散することで、ツール33の先端面及びワーク34の加工部分55の全体にわたってクーラント液35が浸透して冷却するものである。
なお、気泡54自体は爆発ないし飛散するが、気泡混入クーラント液39自体は飛び散ることはなく、水が流れるごとくツール33とワーク34に噴射されていくものである。
【0032】
気泡混入クーラント液39はツール33等に対して連続して噴射され、その噴射されてツール33及びワーク34の加工部分55を冷却した後のクーラント液35(気泡混入クーラント液39→クーラント液35)はタンク36に回収される。また、同時にクーラント液35と共に加工時に発生した切り粉37もタンク36内に回収される。
タンク36内の比較的大きな切り粉37は、タンク36内に配設された無端コンベア(図示せず)に搬送されて排出回収される。また、小さな切り粉37はタンク36からフィルター装置38に循環されて、該フィルター装置38により回収されるようになっている。なお、このフィルター装置38のフィルター自体の構成は後述する。
【0033】
フィルター装置38で小さな切り粉37を回収・除去し、濾過されたクーラント液35は再び注入されたエアーと共にポンプ42により循環される。そして、ポンプ42から出たエアーを混入したクーラント液35は上記と同様にして気泡発生器52へ送られ、該気泡発生器52で小さな気泡54を発生させて、ノズル53から気泡54を混入した気泡混入クーラント液39として再びツール33等に噴射されるようになっている。
【0034】
図2は気泡54を含んだ気泡混入クーラント液39の他の噴射方法を示し、図1ではツール33の近傍にノズル53を配置していたが、本発明により、ツール33からノズル53を離して、ノズル53からの気泡混入クーラント液39をワーク34上に流すようにしてツール33及びワーク34の加工部分55を冷却するようにしたものである。この方法でも十分にツール33及びワーク34を冷却することができた。
【0035】
また、図3は三方にノズル53を配置した構成を示すものであり、気泡発生器52から分配器56により可撓性のホース等の配管部材を3分配し、各配管部材の先端に上記と同様のノズル53を設けて、この3方向のノズル53から気泡54を無数に含んだ気泡混入クーラント液39を加工部分55等に噴射するようにしたものである。
かかる場合、ツール33の先端面とワーク34の加工部分55の冷却を確実に行なうことができる。なお、図3では3つに分岐しているが、2つあるいは4つ以上に分岐して気泡混入クーラント液39をツール33側に噴射するようにしても良いのは勿論である。
【0036】
図4は、ポンプ42の出力側に分配器56を設け、この分配器56の出力側にそれぞれ気泡発生器52を設け、この気泡発生器52のノズル53をそれぞれ加工部分55に対して3方向から気泡混入クーラント液39を噴射させるようにしたものである。この場合、3つの気泡発生器52でそれぞれ小さな無数の気泡54を発生させた気泡混入クーラント液39をツール33及びワーク34の加工部分55に噴射させているので、より確実にツール33及びワーク34の加工部分55を冷却することができる。
【0037】
なお、図2〜図4において、図示していない構成は図1の構成と同様であり、また、図1〜図4において、フィルター装置38はクーラント液35の循環経路内であれば、何れに設けるようにしても良い。例えば、ワーク34とタンク36との間にフィルター装置38を介設して、タンク36内に切り粉37が貯溜されないようにしても良い。この場合には、タンク36に入る前に切り粉37が回収されるので、タンク36内には切り粉37がなくなり、タンク36内での切り粉37の回収装置を別途設ける必要がない。
【0038】
図5は1台の気泡発生装置60から複数の切削加工機31に小さな無数の気泡54を含んだ気泡混入クーラント液39を供給するようにしたものであり、気泡54の大きさは先の実施形態と同様である。上記気泡発生装置60は、気泡発生器52の能力をアップさせたやや大型のものであり、気泡発生装置60の能力に応じて、例えば、5台〜10台の切削加工機31に気泡混入クーラント液39を供給するようにしている。
なお、各切削加工機31における気泡混入クーラント液39を噴射させるノズル53、ツール33、ワーク34等の構成は図1の場合と同様であり、また、ポンプ42、フィルター装置38の構成も同じである。なお、この場合のポンプ42の能力は切削加工機31の数に応じて大型のものを使用するのは言うまでもない。
【0039】
1台の気泡発生装置60から複数の配管部材61を各切削加工機31に配管し、各切削加工機31からは共通接続した配管部材62によりフィルター装置38へと循環経路を構成し、図1の場合と同様にクーラント液35を循環させている。また、フィルター装置38は、各切削加工機31に対応させてそれぞれ設けるようにしても良い。
このように、1台の気泡発生装置60で複数の切削加工機31に気泡54を含んだ気泡混入クーラント液39をそれぞれ供給、回収させることで、各切削加工機31に図1に示すように気泡発生器52、タンク36、フィルター装置38、ポンプ42等をそれぞれ配設する必要がないため、全体のコストを大幅に低下させることができる。
【0040】
次に、本発明の方法、装置により加工した結果を以下に示す。
加工事例1
切削加工機31の機械名 : 森精機株式会社製 MV−80B
被削材 : SS41 450mm×800mm 厚み16mm
フルバックによる荒加工から仕上げ加工を行なった。
(1)荒加工
回 転:400rpm(従来)→ 600rpm(本発明)
送 り:600(従来)→ 1200mm/分(本発明)
切り込み:0.5(従来)→ 1mm(本発明)
荒加工の結果として、回転、送り共に条件を上げたが切り粉の焼けもなく、歪みも0.02mm程度であった。
【0041】
(2)仕上げ加工
回 転:400rpm(従来)→ 480rpm(本発明)
送 り:600(従来)→ 900mm/分(本発明)
切り込み:0.2mm(本発明)
仕上げ加工の結果、回転、送り共に荒加工同様に条件を上げたが、歪みも0.02mmのみであり、加工工程において、荒加工→仕上げ加工→裏面の荒加工→仕上げ加工のみで、仕上げが可能になった。
また、荒加工、仕上げ加工ともに、従来では加工後のワークの温度は60〜70℃まで上昇していたが、本発明では、切削方法で温度は少々異なるものの、体温に近い30〜40℃であった。そのため、焼けのない切り粉であった。
【0042】
従来の切削方法、装置から本発明の方法、装置により、荒加工において、回転では1.5倍、送りでは2倍となり、また、切り込みでは2倍となった。従来では、ワークが歪まないように、切り込みを少しずつ行ない、表面と裏面とを交互に加工していたが、本発明では、加工におけるワークの温度上昇がほとんどないことや、0.3μm〜100μm、好ましくは、0.3μm〜10μm、あるいは0.3μm〜30μm、さらに最も好ましくは、0.3μm〜0.5μmの気泡を無数に含んだクーラント液で冷却しているので、1回の加工で荒加工が行なうことができ、これによりベース加工の歪みの問題が解消され、大幅な時間短縮ができ、コストダウン化を図ることができた。このように生産性を大幅に向上させることができるものである。
また、ワークの加工部分も冷却できることから、当然にツールも冷却できるために、バイト、ドリル等のツールも従来より2倍程度長く使用することができるようになり、これにより、ワークの製造コストも従来と比べて大きく低下させることができた。
【0043】
加工事例2
なお、下記の左側の数値が従来例で、右側の数値が本発明である。
機械名:松浦機械製マシニングセンター
被削材:S45C
(1)ハイスコーティングドリル 16φ オイルホール付き
回転 : 2500→3000(rpm)
送り : 600→720(mm/分)
(2)ハイスエンドミル 16φ
回転 : 400→600(rpm)
送り : 110→160(mm/分)
(3)ヘリカルエンドミル 16φ
回転 : 800→960(rpm)
送り : 70→140(mm/分)
(4)リーマー 16.5φ
回転 : 210→300(rpm)
送り : 50→ 90(mm/分)
(5)仕上げエンドミル 16.6φ
回転 : 1200→1440(rpm)
送り : 300→360(mm/分)
上記加工事例2に示すように、仕上げ面、リーマー面ともに以前に比べて粗度を上げることができた。
【0044】
加工事例3
機械名:MC−800V
被削材:SS400
(1)フルバック 150mm 4刃
回転:600→600→600
送り:150→300→500
(2)ドリル 18mm センター下穴 ハイス
回転:800→800→800→800
送り:150→170→210→300
(3)ドリル 9mm ハイス
回転:1000→1200→1200→1200
送り: 200→ 200→ 300→ 400
(4)エンドミル 14mm ハイス
回転:800→800→800→800
送り:200→200→300→400
(5)エンドミル 12mm ハイス
回転:720→864
送り:150→150
以上の結果、仕上げ面、穴径ともに以前に比べて粗度が向上し、従来に比べて加工スピードが約2倍以上早くなった。なお、上記の加工で回転速度を上げず、送り速度を上げているのは、その回転速度は工具メーカーが保証している値近辺であり、それ以上速度は工具メーカーの保証外となるからである。したがって、速度はメーカー保証の最大か、あるいは少し上の速度とし、ワーク34の送り速度を上げているものである。
【0045】
なお、上記気泡発生器52は、本発明者が切削加工に用いるのを初めて知見したものであり、この気泡発生器52を用いて切削加工するのは知られていなかった。また、図1等に示す方法、装置で切削加工する場合、ポンプ42の圧力等も低いものでも良好な結果を得ることができた。
また、本発明の方法、装置により、いわゆるホーニング加工の場合にも適用することができる。
【0046】
さらに、上記の効果以外に以下のことが判明した。気泡混入クーラント液39には上述の気泡54を無数に含んでいるので、タンク36内に回収した使用後のクーラント液35にも気泡54が含まれており、そのため、タンク36内のクーラント液35の気泡54が上昇することで、クーラント液35の腐敗も防止することができるようになった。
【0047】
なお、気泡混入クーラント液39によりツール33及びワーク34を冷却して切削加工等を行なうのは、砥石で包丁を研ぐ時に水が無ければ研ぐことができず、包丁の歯がこぼれたり、砥石を削ってしまうことになるが、水(気泡混入クーラント液39)があることにより、包丁や砥石に傷が付かなくて研げることと同じような原理である。
【0048】
また、本発明の方法、装置は、切削加工にだけでなく、部材の表面の洗浄にも適用することができる。例えば、図1に示す構成において、切削加工機31を取り除き、図示するワーク34を洗浄用とした場合、該ワーク34の表面に0.1μm〜100μm(好ましくは、0.1〜30μm、あるいは0.1〜10μm、さらに、より好ましくは、0.3〜0.5μm)の大きさの気泡54を含んだ気泡混入クーラント液39を上記と同様に噴射させることで、気泡54の爆発力を利用して、ワーク34の異物を簡単且つ確実に除去することができる。
なお、洗浄用としての装置は、図1の場合と同様に、タンク36、フィルター装置38、ポンプ42等を備えており、洗浄と同時にフィルター装置38によりワーク34の表面に付着している付着物を回収している。これにより、全体の洗浄作業性を向上させている。
【0049】
なお、上記の実施形態では、クーラント液35(気泡混入クーラント液39)の循環経路の中で、ポンプ43の後段に気泡発生器52を介設して気泡54を発生させるようにしていたが、気泡発生器52をタンク36内に配設し、タンク36内で気泡54を発生させるようにしても良い。
【0050】
次に、上記フィルター装置38内で使用しているフィルターの構成について説明する。上記のフィルター1は図6〜図10に示すように、合成樹脂製またはステンレス、アルミ等の金属製でジグザグ状に折曲形成した支持体2と、この支持体2の表面に沿って配される不織布からなり支持体2と同様にジグザグ状に折曲形成した濾過材4と、この濾過材4の表面を覆う不織布からなる偏平なネット5とで構成されている。
上記支持体2の材料として、合成樹脂製またはステンレス、アルミ等を用いているのは、リサイクルとして何回も使用するためからである。特に、支持体2を合成樹脂製で形成した場合には、金属製の場合と比べて重量を軽くすることができ、フィルター自体、あるいは濾過材4の交換作業を容易にすることができるようにしている。
【0051】
支持体2の表面側に着脱自在に装着される濾過材4自体は、油や水分を吸収しない材料からなる不織布で構成されており、全体をジグザグ状に緩く折曲形成されている。そして、支持体2の外周面に着脱自在に装着されるものである。濾過材4はシート状の不織布で構成され、1層で濾過材4を構成しているが、濾過材4を2層、3層等の複数層で構成するようにしても良い。この濾過材4を構成するシート状の不織布は、材料として例えば油や水分を吸収しないポリエチレン、ポリエステル、ナイロンなどを用いており、坪量としては30g/m2 のものを使用している。
なお、濾過材4を複数層、例えば3層とした場合に真ん中の不織布に活性炭を混入したものを用いて、切削油等のクーラント液の臭いをとるようにしても良い。
【0052】
また、支持体2の両側には該支持体2の外径より少し細径とした首部8をそれぞれ一体的に設け、この首部8は円筒状に形成されている。また、この首部8の外周面にはリング状でゴム製とした弾接材9が装着されるようになっている。
なお、この弾接材9の内径は上記首部8の内径より少し小さく形成されていて、弾接材9を伸ばしながら首部8に容易に装着できるようになっている。また、この弾接材9は少しの厚みを持たせている。
【0053】
図7に示すように、支持体2の軸方向の長さより濾過材4の長さを長くして、支持体2の外周面にジグザグ状に濾過材4を配設した後に、濾過材4の両側の端部46を支持体2の内側及び首部8の外周面に沿うように折り畳むようにしている。
次に、図8に示すように、首部8の外周面に折り畳んだ濾過材4の端部46の外周面をベルト状の固定具47で締め付けて固定する。首部8の外周面には弾接材9を装着しているので、固定具47を締め付けることで、支持体2及び濾過材4の端部側を確実にシールすることができる。図9は支持体2の首部8側の要部拡大断面図を示している。なお、上記固定具47の材料としては、合成樹脂製の市販の物でも良く、また、金属製の物でも良い。濾過材4の端部46を確実に締め付け固定できるものであれば良い。
【0054】
このように、支持体2と濾過材4の端部側をシールする際に、濾過材4を支持体2の外周面に配設し、濾過材4の端部46を折り畳み、固定具47で濾過材4を締め付け固定するだけでシールすることができ、しかも、簡単且つ迅速に行なうことができる。
すなわち、支持体2の表面に濾過材4を単に装着しただけでは、濾過材4の端部からクーラント液が漏れる形で流れるために、フィルターとしての機能を損なってしまう。そのため、濾過材4の両側の端部を固定具47で締め付けて密封させることでフィルターとしての機能を完全に近い形に向上させている。
【0055】
また、支持体2の表面に濾過材4を固定具47により締め付け固定した後は、図6に示すように、濾過材4の表面をネット5により覆うようにしている。このネット5の両側には合成樹脂製のヒモ48がそれぞれ通してあり、ネット5を濾過材4の表面に覆設した場合には、ヒモ48の位置が首部8の位置と対応しており、そのため、ヒモ48を締め付けながらくくることで、ネット5を濾過材4に容易に着脱自在に装着することができる。
【0056】
ここで、濾過材4の各部の折曲角度であるが、折り畳むように折曲しているのではなく、フィルター1の断面図を示す図10に示すように、30度〜45度くらいとして、折曲部分の両側で囲まれる断面略三角形状の空間部分を切り粉などの異物を捕捉する捕捉部14としている。
かかる形状の捕捉部14により、後述するように多くの異物(穴あけ加工、切削加工等による切り粉)を捕捉し、フィルター1の交換時期を遅らせるようにしている。これにより、フィルター1のランニングコストを低減させている。
【0057】
また、濾過材4の折曲角度を二つ折りのように折曲せずに折曲角度を拡げて折曲片数を少なくすることで、濾過材4の周方向の長さを短くでき、これにより濾過材4の面積を小さくできて濾過材4自体のコストを低減させている。また、濾過材4を支持する支持体2の面積も小さくでき、更には支持体2の折曲数が増加しないので、金属製の場合でも、あるいは合成樹脂製とした場合でも支持体2の材料コストや製造コストを低減させることができる。
なお、濾過材4の捕捉部14の角度を30度〜45度くらいとして説明したが、20度〜60度くらいにしても良いが、角度をあまり小さくすると、濾過材4や支持体2の面積が大きくなり、また、支持体2等の折曲数が増加するので、角度はあまり小さくしない方が良い。また、捕捉部14の角度を大きくした場合には、ネット5を用いることで、異物26の滑落は防止することができる。
【0058】
次に、支持体2を金属製で構成した場合の構成について説明する。パンチングメタル状の多数の穴6を穿孔した平板をジグザグ状に折曲して、さらに略円筒形にすることで支持体2が形成される。支持体2には穴6がほぼ全体にわたって横方向、縦方向に連続して穿孔してある。この多数の穴6により切削油(クーラント液)等の流体を通過させるものであり、不織布からなる濾過材4と多数の穴6により低圧力にて流体を流し易くしている。
また、支持体2を合成樹脂製で構成した場合は、支持体2を分割した形状のものを一体成形にて形成し、これらを接着剤などで組み合わせて略円筒状の支持体2を形成する。
【0059】
本発明に使用するフィルター1は、支持体2と、不織布からなる濾過材4とで構成することができるが、濾過材4の表面側の空間部分からなる捕捉部14にて捕捉した異物が滑落するおそれがある。そこで、濾過材4の外周面側に異物が滑落するのを防止するために不織布からなるネット5を覆設するようにしている。なお、ネット5は上述したようにフィルターの必須構成要件ではない。しかし、ネット5を用いる方が異物の滑落を防止するのに役立つものである。
【0060】
図11は上記ネット5の平面図を示し、濾過材4と同様に油や水分を吸収しない不織布にてネット5を構成している。このネット5は、図12〜図14に示すように、上下の上ベース地18と下ベース地19は略六角形状を連続した形(所謂蜂の巣の形状)で形成されており、この太めの上ベース地18と下ベース地19との間を細い縦糸20を無数に編んで構成されている。そして、ネット5の1つの六角形状の空間部分をクーラント液等の流体が通過する通過部21としている。
この通過部21の縦方向の寸法は例えば、3〜8mmであり、横方向の寸法は2〜6mmくらいであるが、流体内に混入する異物が楽に通過する大きさであれば、特に限定されるものではない。しかし、あまり大きくすると捕捉した異物が通過部21を介して外側に滑落するおそれがあるので、異物の大きさを考慮して適宜設定することができる。
【0061】
ここで、ネット5の材料は、例えば油や水分を吸収しないポリエチレン、ポリエステル、ナイロンなどの不織布にて構成している。
また、このネット5の編組織はダブルラッセルと呼ばれるものであるが、これらに限られるものではなく、クーラント液等の流体を容易に通過させることができて、濾過材4で捕捉した異物を滑落させないものであれば、網状のものであれば良いものである。
【0062】
また、図11に示すようにネット5の両側の端部には縦方向の略全長にわたって一対の面状ファスナー23、24が装着されていて、支持体2の表面に濾過材4を装着した後に両側の面状ファスナー23、24にて着脱自在に容易に装着するようにしている。
なお、ネット5の両側の保持は、上記の面状ファスナー23、24に限られるものではない。例えば、合成樹脂製の糸でネット5の両端部分を1回、あるいは複数回縫うことで、ネット5を支持体2に着脱自在に装着するようにしても良い。
【0063】
ここで、濾過材4を図6に示す構成とした場合には、例えば、以下のものを使用している。
すなわち、濾過材4は、旭化成工業株式会社製で生地の商品名がセミアと呼ばれているものであり、素材はエステルと活性炭からなり、活性炭をサンドイッチ構造とした不織布である。また、目付は、120g/m2 S−3 である。
また、濾過材4として、ポリプロピレン、ポリエチレン等を使用することで、切り粉37などの異物の滑落性が良く、後述するフィルターの逆洗を行なう場合に有効である。
【0064】
なお、濾過材4を構成している部材は、上記のものが好適例であるが、これらに限られるものではなく、切削加工にて生ずる切り粉の種類や大きさに応じて適宜且つ任意に変更し得ることは言うまでもない。
【0065】
ここで、フィルター1の内部は図10に示すように、負圧になっており、ネット5の通過部21、濾過材4及び支持体2の多数の穴6を介して切削油等のクーラント液が流れるようになっている。また、フィルター1の内部が負圧になっていることからネット5や濾過材4は支持体2から容易には外れない。
【0066】
次に、図15〜図18によりフィルター1の作用について説明する。なお、図15〜図18に示す矢印はクーラント液が流れている方向を示している。図15はフィルター1を交換した直後であり、クーラント液はネット5、断面を略三角形状とした空間部分からなる捕捉部14、濾過材4、支持体2の多数の穴6を介して流れるものであり、図15では捕捉部14には未だ切り粉が捕捉されていない状態を示している。
【0067】
切削加工を始めると、図16に示すように捕捉部14の底部には切り粉等の異物26が捕捉されだす。捕捉部14にて捕捉された異物26によりクーラント液は異物26を通過しにくくなって異物26より外側に位置する濾過材4及び穴6を介して流れることになる。これを繰り返していき、図17に示すように異物26が捕捉部14にて徐々に堆積されていく。
図18は捕捉部14の全体にわたって異物26を捕捉した状態を示し、切削加工装置30の循環経路内で所定の圧力値になるまでフィルター1を使用することができる。
なお、比較的大きな異物26は捕捉部14で捕捉し、小さな異物26は濾過材4自体で捕捉される。
【0068】
ここで、濾過材4の捕捉部14にて異物26を捕捉していき、途中で切削加工作業を停止しても、濾過材4の周囲にはネット5が覆設してあるので、異物26を捕捉部14から滑落することはない。そのため、この異物26の脱落による循環経路内の詰まりを防止できて、フィルターケース56内の圧力上昇に伴う誤動作による運転停止ということもない。
また、濾過材4を不織布で構成しているので、通気性ないし流通性が良く、そのため、切削加工におけるフィルター1を交換するまでの時間を延ばすことができる。
【0069】
ところで、本発明に使用しているフィルター1では支持体2の表面に濾過材4を配設しているが、濾過材4のみでは濾過材4自体が柔軟性ないし可撓性を有しているので自立が不可能だからであり、そのため、支持体2の表面に濾過材4を配している。また、不織布からなる濾過材4を使用せずに、支持体2自体を濾過材として使用した場合、支持体2の穴6の径を小さくして異物を捕捉するようになるが、かかる場合、穴6が異物により塞がれてしまうと、その部分では異物の捕捉が不可能となり、全部の穴6が異物にてつまってしまうと、その時点でフィルターとしての機能がなくなってしまうことになる。
すなわち、支持体2のみでは、直ぐに穴6がつまってしまうために、異物の捕捉量が少なくなり、フィルターの交換時期が早くなり、また、リサイクル化の観点から支持体2から異物を取り除く作業が必要となる。したがって、支持体2と濾過材4からなるフィルターが最も望ましいものである。
【0070】
上記のようにして切削加工装置を稼働していき、フィルター1が目詰まりを起こして交換を行なう場合、本発明では、フィルター1の濾過材4をナイロン、ポリエステル、ポリエチレン等の不織布で構成しているため、油は吸収されておらず、濾過材4が吸着した切り粉等の異物26の重量分だけ重くなっているだけである。
したがって、本発明のフィルター1は軽量であり、切削加工装置からフィルター1を取り外す場合にも非常に楽であり、交換作業性が飛躍的に向上する。
【0071】
また、異物26の捕捉は捕捉部14が完全に埋まるまで可能であり、そのため、フィルター1つまり濾過材4の交換時期が遅くなり、ランニングコストを低減させることができる。つまり、従来の異物26の捕捉部分は二つ折りに折り畳んだ濾過紙の空間部分であったので、異物26が直ぐに一杯になり、フィルターの交換時期が早くなっていたのである。
更に、濾過材4のみの交換であってフィルター1を構成している主要部品の合成樹脂製または金属製の支持体2のリサイクル化を図ることで、省資源化を図ることができると共に、コストダウンをも図ることができるものである。
【0072】
濾過材4を構成するものとして、特に目の粗さは限定されるものでもなく、捕捉する切削加工における切り粉等の異物26の種類に応じて適宜決定されるのは言うまでもない。
【0073】
ここで、上記実施形態においては、クーラント液等の流体が外側から内側に流れる構造のために、濾過材4を支持体2の表面(外側の面)に着脱自在に配した場合について説明していたが、これとは逆にクーラント液の流れの方向がフィルターの内側から外側に流れる場合には、濾過材4を支持体2の裏面(内側の面)に配するようにしている。
すなわち、濾過材4は切り粉等の異物を捕捉するものであるため、切削油の流れの方向に対して濾過材4を支持体2の前に配置するものである。かかる構成は図示しないが、先の実施形態において濾過材4を支持体2の内側に配置するものである。この場合において、切削油の流れの方向が逆であるだけで、切り粉等の異物を捕捉する作用は先の実施形態と同じなので、説明は省略する。
【0074】
また、ネット5を配しない場合でも、フィルター1を構成することができるが、上記と同様の理由で、つまり捕捉した異物の滑落を防止する目的でネット5を濾過材4の内側に配するようにしても良い。この場合、円筒状としたネット5の径は先の実施の形態の場合よりも小さくできる。
【0075】
ところで、上記実施形態において、円筒形状のフィルター1においては、上述したように、支持体2及び濾過材4の半径方向の寸法を種々設定することができるものであり、そのため、捕捉部14の内側の折曲角度を20度〜60度として説明していた。
そこで、この捕捉部14の内側の折曲角度についてもう少し掘り下げて説明する。図19(a)は支持体2及び濾過材4の半径方向の寸法が短い場合を示しており、捕捉部14の内側の折曲角度も一般的には大きくなる。
【0076】
すなわち、本発明に使用されるフィルター1の支持体2及び濾過材4の折曲の数(山折りの部分の数)は、最大を60山としている。図19(a)に示すような支持体2及び濾過材4の半径方向の寸法が短い場合で、山折りの数が例えば、40山、20山といった60山より少ない場合には、支持体2及び濾過材4の内側の折曲角度は大きくなる。
また、図19(b)に示すように、支持体2及び濾過材4の半径方向の寸法を大きくした場合(例えば、中心部分の内径を1cmとした場合など)は、山折りの数が図19(a)の場合と同じとすると、捕捉部14の内側の折曲角度は小さくなる。
【0077】
そこで、支持体2及び濾過材4の半径方向の長さに関係なく、捕捉部14の内側の折曲角度を規定する。支持体2及び濾過材4の山折りの数を最大60山とすると、360度/60山で、支持体2及び濾過材4の中心Oにおける角度θは、6度となる。また、山折りの数を40山とすると、360度/40山で、支持体2及び濾過材4の中心Oにおける角度θは9度となる。さらに、山折りの数を20山とすると、360度/20山で中心Oにおける角度θは18度となる。また、山折りの数を8山とすると、360度/8山で中心Oにおける角度θは45度となる。
【0078】
支持体2及び濾過材4の山折りの数が同じでも、半径方向の長さが異なれば捕捉部14の実際の内側の折曲角度は半径方向の長さが長くなるほど小さくなるが、上記のように中心Oにおける角度θを規定することで、支持体2及び濾過材4の半径方向の長さに関係なく、捕捉部14の内側の折曲角度を規定することができる。
【0079】
本発明における支持体2及び濾過材4の断面の中心Oにおける角度θを6度〜45度とし、この6度〜45度の角度を捕捉部14の内側の折曲角度に対応させている。これにより、支持体2及び濾過材4の半径方向の長さに関係なく捕捉部14の角度を規定することができるものである。
【0080】
さて、フィルター1の支持体2及び濾過材4の山折りの数を少なくすればするほど、支持体2及び濾過材4の周方向の長さを短くできて、材料のコストや製造コストを安くすることができる。また、濾過材4に不織布を用いていることで、通気性が良いので、捕捉部14の内側の折曲角度が大きくても異物がいっぱいに溜まるまで捕捉が可能である。
そこで、図19(c)に示すように、支持体2及び濾過材4の山折りの数を最小4山とすることも可能である。この場合、支持体2及び濾過材4の中心Oにおける角度θは、90度となる。かかる場合には、支持体2及び濾過材4の周方向の長さを最も短くでき、材料コスト、製造コストを最も安くすることができるものである。
【0081】
ところで、上記実施形態において、フィルター1の捕捉部14は空間としており、この空間の捕捉部14により切り粉等の異物26を捕捉するようにしていた。しかし、図17及び図18に示すように、異物26を徐々に捕捉していくと、フィルター1の圧力損失が徐々に高くなってしまう。
そこで、圧力損失があまり高くならないように且つ効率良く異物26を捕捉できるようにしたのが図20に示す構成である。
【0082】
つまり、先の実施形態では、捕捉部14の底部より徐々に異物26を捕捉するようにしていたが、この実施形態では、捕捉部14の空間全体で異物26を捕捉すべく、捕捉部14の空間内に捕捉ネット15を着脱自在に装着するようにしたものである。
この捕捉ネット15は、図21に示すように略二つ折りにしたり、あるいは三つ折りにしたものであり、材料は、上記ネット5と同じ物である。すなわち、ネット5と同様に図12〜図14に示すように、上ベース地18、下ベース地19及び縦糸20等で構成され、所謂ハニカム状に構成されている。しかし、捕捉ネット15の厚みや通過部21の大きさはネット5より小さいものを使用している。
捕捉ネット15の長さは捕捉部14の長手方向と同じとし、また、二つ折りした時に捕捉部14の径方向の寸法と同様にしている。
【0083】
クーラント液がフィルター1のネット5を介して流れると、クーラント液に混入している切り粉等の異物が捕捉ネット15の上ベース地18、下ベース地19、縦糸20に絡みつくようにして引っついていき、さらに、上述と同様に異物が濾過材4により捕捉されることになる。
特に、異物は先に捕捉ネット15により捕捉されていき、捕捉ネット15で捕捉されなかった異物が濾過材4で捕捉される。したがって、捕捉部14内の空間に配設した捕捉ネット15により先ず異物が捕捉され、そのため、濾過材4自体の通流性が衰えず、フィルター1の圧力損失の低下も少なく、フィルター1により多くの異物を捕捉することができる。
【0084】
フィルター装置38内の圧力が所定値より高くなった場合や、所定の切削加工作業時間経過後にフィルター1を交換することになる。この場合、上述と同様に交換するのは、ネット5、捕捉ネット15、及び濾過材4であり、支持体2等は再度使用して、リサイクル化を図るようにしている。
【0085】
ここで、フィルター1を構成しているネット5、捕捉ネット15、濾過材4、及び支持体2等は原則としてリサイクル化を図るようにしており、ネット5や捕捉ネット15は表面に付着している切り粉37を水をかけて落とし、更にネット5、捕捉ネット15を洗浄することで、再度使用可能となる。また、洗い流した鉄屑等の切り粉37は集めて再度使用することができる。支持体2は水で洗浄することで、再度使用する。
【0086】
図22は、所定時間切削加工した場合に、フィルター1を洗浄する場合の構成図を示している。なお、図22では、フィルター1の構成部材としては、支持体2と不織布からなる濾過材4とで構成した場合であり、前述のネット5、捕捉ネット15等は用いていない場合であるが、もちろん、フィルター1の構成としてネット5、捕捉ネット15を用いた場合でも適用できるのは言うまでもない。
【0087】
また、図22に示すフィルター装置38は、図1等に示すフィルター装置38に対応しているものであり、図1に示すクーラント液35の循環経路内に図22に示すフィルター装置38を介設しているものである。フィルター装置38の入力側と出力側に電磁弁64、65をそれぞれ介設し、また、フィルター1を洗浄する際に洗浄水73を循環させる経路に電磁弁66、67、回収容器70、ポンプ71、フィルター72等を設けている。
切削加工時は、電磁弁66、67を閉とし、電磁弁64、65を開として、クーラント液35を図中の矢印イ、ロに示すように循環させ、フィルター1にてクーラント液35を濾過して切り粉37を回収するようにしている。
【0088】
フィルター1を洗浄する場合には、電磁弁64、65を閉とし、電磁弁66、67を開としてポンプ71を駆動して洗浄水73を循環させる。洗浄水73は、フィルター装置38の内側に配設したノズル74から噴水状にフィルター1に向かって勢い良く噴射される。濾過材4の捕捉部14に溜まった鉄屑等の切り粉37はノズル74から噴射される洗浄水73により綺麗に洗い落とされることになる。
濾過材4から洗い落とされた切り粉37は、電磁弁67を介して回収容器70内に回収される。なお、回収容器70では、切り粉37を回収するために、例えば目の細かい金網75を配設して、この金網75にて切り粉37を回収するようにしている。
【0089】
金網75を通過した洗浄水73はポンプ71により循環され、金網75で回収できなかった細かい切り粉37はフィルター72により回収され、不純物のない洗浄水73は電磁弁66、ノズル74から濾過材4に噴射され、これを繰り返すようになっている。
なお、図22に示す洗浄方法では、フィルター装置38内に貯溜しているクーラント液35を洗浄水73として使用しているものであり、別途洗浄水を用いることがないので、ランニングコストを抑えることができる。もちろん、クーラント液35を用いずに、別途洗浄水を用いるようにしても良い。
【0090】
なお、ノズル74は、上下2段で、それぞれ4つを配設しているが、ノズル74の位置や個数は任意である。また、洗浄水73は濾過材4の表面に噴射させているが、フィルター1の内側に図外のノズルを配設して、このノズルにより濾過材4の内側から外側へと逆洗による洗浄を行なうようにしても良い。もちろん、図22に示す洗浄方法と逆洗方法を組み合わせてフィルター1を洗浄するようにしても良い。
【0091】
これにより、濾過材4の表面に付着していた切り粉37を洗い流すことができ、濾過材4を再度使用することができる。また、回収容器70内に集めた切り粉37は、業者が回収して鉄屑を溶かし、また別の材料に用いることができる。
したがって、切削加工により出た切り粉37は、そのままスクラップとして廃棄するのではなく、フィルター1を介して回収することで、リサイクル化を図ることができ、また、濾過材4、ネット5、捕捉ネット15等もリサイクル化ができて、切り粉37やフィルター1等をゴミとして全く廃棄されることがないものである。そのため、本発明は環境にやさしい方法、装置を提供することができるものである。
【0092】
特に、図22に示す方法では、切り粉37等の不純物をとるフィルター1の濾過材4は、洗浄により不純物が回収されるので、洗浄後はそのまま濾過材4を交換せずに再度使用できるものである。したがって、フィルター1の交換作業を不要として、作業性を非常に向上させることができる。
【0093】
ところで、上記のフィルター1の形状として略円筒形状としていたが、図23に示すような上部を細径としたフィルター1を構成するようにしても良い。例えば、図22に示す円筒状のフィルター1では洗浄水73を濾過材4の表面にかけた場合に、洗浄水73が反射して跳ね返り、洗浄水73がかけられた部分は切り粉37を洗い流すことができて、他の部分では切り粉37を落としにくい恐れがある。
そこで、フィルター1の形状を図23に示すような略円錐型の形状とすることで、ノズル74から噴射された洗浄水73は濾過材4の表面に当たってから下方の濾過材4の表面に伝って流れ落ちるので、下方の切り粉37も十分に洗い流すことができるものである。
【0094】
これにより、切り粉37等が落下し易くなり、切り粉37の回収が容易になると同時に、洗浄時間も短くすることができる。なお、図23に示すフィルター1は簡略化して描いたものであり、実際は図6に示すように断面が略ジグザグ状になっているものである。
【0095】
なお、図22に示す洗浄装置では、クーラント液35の循環経路内に介設したフィルター装置38をそのまま電磁弁の開閉により洗浄装置として兼用していたが、専用の洗浄装置として構成するようにしても良い。かかる場合には、各電磁弁64〜67を削除した部材で洗浄装置を構成することができる。
【0096】
【発明の効果】
本発明の切削加工方法及び切削加工装置によれば、クーラント液内に混入されている気泡は0.3μm〜10μmと非常に小さいことと、該気泡の爆発力によってツールとワークの間に浸透していき、これによりツールの先端部とワークの加工部分が冷却される。これにより、ワーク及びツールは気泡の持つ浸透性、保水性が維持され、ワーク及びツールは熱をほとんど発生させることがなく、切削加工の作業性を向上させ、またツールも長持ちさせることができる。
【0097】
また、洗浄方法及び洗浄装置によれば、洗浄液内に混入されている気泡は0.1μm〜10μmと非常に小さいことと、該気泡の爆発力によって被洗浄材の面に浸透していき、これにより非常に小さな付着物でも簡単に洗い流すことができ、簡単で且つ確実に被洗浄材を洗浄することができる。
【0098】
また、切削加工や洗浄において、フィルター装置により切り粉や付着物を同時に回収しているので、全体の作業性を向上させることができる。
さらに、切り粉等を回収して、リサイクル化を図り、また、濾過材等を洗浄することで、再度の使用が可能となり、そのため、廃棄する部材が全くないものであり、環境のやさしい方法、装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の切削加工装置の概略構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態のクーラント液をワークの上面に流すようにして冷却するようにした場合の要部斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態の三方からクーラント液を噴射させるようにした場合の図である。
【図4】 本発明の実施の形態のそれぞれ気泡発生器により三方からクーラント液を噴射させるようにした場合の図である。
【図5】 本発明の実施の形態の1台の気泡発生装置により複数の切削加工機にクーラント液を供給するようにした場合のブロック構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態のフィルター装置内で使用しているフィルターの分解斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態のフィルターを構成している濾過材及び支持体の側面図である。
【図8】 本発明の実施の形態の濾過材の端部を固定具にて締め付けた状態を示すフィルターの要部正面図である。
【図9】 本発明の実施の形態のフィルターの濾過材の端部側の要部拡大断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態のフィルター装置で使用しているフィルターの断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態のフィルターのネットの平面図である。
【図12】 本発明の実施の形態のフィルター装置に使用されるフィルターのネットの要部拡大平面図である。
【図13】 本発明の実施の形態のフィルター装置に使用されるフィルターのネットの要部拡大斜視図である。
【図14】 本発明の実施の形態のフィルター装置に使用されるフィルターのネットの拡大側面図である。
【図15】 本発明の実施の形態の切削加工装置に使用されるフィルターで切り粉を捕捉する状態を示す説明図である。
【図16】 本発明の実施の形態の切削加工装置に使用されるフィルターで切り粉を捕捉している状態を示す説明図である。
【図17】 本発明の実施の形態の切削加工装置に使用されるフィルターで切り粉を捕捉している状態を示す説明図である。
【図18】 本発明の実施の形態の切削加工装置に使用されるフィルターで切り粉を捕捉している状態を示す説明図である。
【図19】 本発明の実施の形態のフィルターの捕捉部の内側の折曲角度を規定するための説明図である。
【図20】 本発明の実施の形態のフィルターの捕捉部内に捕捉ネットを配置した場合の説明図である。
【図21】 本発明の実施の形態のフィルターの配置する捕捉ネットの斜視図である。
【図22】 本発明の実施の形態のフィルターを洗浄する場合の概略構成図である。
【図23】 本発明の実施の形態の一端側を細径としたフィルターの斜視図である。
【符号の説明】
30 切削加工装置
31 切削加工機
33 ツール
34 ワーク
35 クーラント液
37 切り粉
38 フィルター装置
39 気泡混入クーラント液
42 ポンプ
52 気泡発生器
53 ノズル
54 気泡
60 気泡発生装置
61 配管部材

Claims (9)

  1. 毎分10リットル〜60リットルの範囲の流量としたクーラント液(35)の容量に対して3%〜13%の割合でエアーを混入させた該クーラント液(35)に気泡発生器(52)により0.3μm〜10μmの大きさの気泡(54)を無数に発生させ、前記無数の気泡(54)を含ませた気泡混入クーラント液(39)を前記気泡発生器(52)の出力側に設けたノズル(53)からツール(33)とワーク(34)の間に連続してかけてワーク(34)を加工するようにしていることを特徴とする切削加工方法。
  2. 前記ツール(33)からノズル(53)を離して、ノズル(53)からの気泡混入クーラント液(39)をワーク(34)上に流すようにしてツール(33)及びワーク(34)の加工部分(55)を冷却するようにしていることを特徴とする請求項1記載の切削加工方法。
  3. 上記気泡発生器(52)の出力側を複数に分岐し、この分岐した配管部材の先端のノズル(53)からそれぞれ気泡(54)を含んだ気泡混入クーラント液(39)をツール(33)とワーク(34)の間に連続してかけてワーク(34)を加工するようにしていることを特徴とする請求項1記載の切削加工方法。
  4. 気泡発生器(52)と、冷却後のクーラント液(35)を回収するタンク(36)と、このタンク(36)内に貯留しているクーラント液(35)を気泡発生器(52)側に循環させるポンプ(42)とでクーラント液(35)の循環経路を構成し、この循環経路の途中に切削加工で生じた切り粉(37)を回収するフィルター装置(38)を介設していることを特徴とする請求項1または請求項3記載の切削加工方法。
  5. クーラント液(35)の容量に対して3%〜13%の割合でエアーを混入させる調整弁(44)と、この調整弁(44)によりエアーを混入させたクーラント液(35)を毎分10リットル〜60リットルの範囲の流量で送るポンプ(42)と、このポンプ(42)の出力側に設けられてクーラント液(35)に0.3μm〜10μmの大きさの気泡(54)を無数に発生させる気泡発生器(52)と、この気泡発生器(52)の出力側に設けたノズル(53)とを設け、上記の大きさの気泡(54)を含んだ気泡混入クーラント液(39)を前記ノズル(53)からツール(33)とワーク(34)の間に連続してかけてワーク(34)を加工するようにしていることを特徴とする切削加工装置。
  6. 上記気泡発生器(52)の出力側を複数に分岐し、この分岐した配管部材の先端のノズル(53)からそれぞれ気泡(54)を含んだ気泡混入クーラント液(39)をツール(33)とワーク(34)の間に連続してかけてワーク(34)を加工するようにしていることを特徴とする請求項5記載の切削加工装置。
  7. 気泡発生器(52)と、冷却後のクーラント液(35)を回収するタンク(36)と、このタンク(36)内に貯留しているクーラント液(35)を気泡発生器(52)側に循環させるポンプ(42)とでクーラント液(35)の循環経路を構成し、この循環経路の途中に切削加工で生じた切り粉(37)を回収するフィルター装置(38)を介設していることを特徴とする請求項5または請求項6記載の切削加工装置。
  8. クーラント液(35)の容量に対して3%〜13%の割合でエアーを混入させたクーラント液(35)を毎分10リットル〜60リットルの範囲の流量で送るポンプ(42)と、このポンプ(42)の出力側に設けられエアーを混入させたクーラント液(35)に0.3μm〜10μmの大きさの気泡(54)を無数に発生させる1台の気泡発生装置(60)と、この気泡発生装置(60)から複数本分岐された配管部材(61)を介して無数の気泡(54)を含ませた気泡混入クーラント液(39)がそれぞれ供給される複数の切削加工機(31)とで構成され、各切削加工機(31)において前記気泡混入クーラント液(39)をツール(33)とワーク(34)の間に連続してかけてワーク(34)を加工するようにしていることを特徴とする切削加工装置。
  9. 各切削加工機(31)からの冷却後のクーラント液(35)を回収するタンク(36)と、タンク(36)内のクーラント液(35)を濾過して切り粉(37)を回収するフィルター装置(38)とを設け、前記ポンプ(42)により前記フィルター装置(38)で濾過したクーラント液(35)を気泡発生装置(60)へ送るようにしていることを特徴とする請求項8記載の切削加工装置
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