JP3791818B2 - コールセンタの中継装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数拠点を持つネットワーク形コールセンタの中継装置に関し、さらに詳しくは、顧客からの着信を集中センタ経由で各拠点のコールセンタへ中継できるようにしたコールセンタの中継装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数拠点のコールセンタ(電話受付センタ)で電話受付業務を行うに際し、各拠点のコールセンタへ着信した呼があふれた場合は、他の特定のコールセンタへ転送するようにしていた。
【0003】
例えば、A,B,C,Dの4つの地域に設置したコールセンタで故障受付の業務を行う場合は、各顧客は各地域の受付コールセンタへ電話を掛けてくるが、受付者の空きがないコールセンタが地域A,B,Cならば地域Dのコールセンタへ転送し、また受付者の空きがないコールセンタが地域Dならば地域Aのコールセンタへ転送することで運用するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の方式では、各コールセンタへ直接着信させた後、あふれた呼を他のコールセンタへ転送する運用となるため、転送した先のコールセンタの受付者に空きがあるのか否かを判断することができない。しかも空きがない時は、着信ビジーとしていた。また、各地域のコールセンタは時間帯毎の着信数変動があるため、ピーク時の着信数を考慮した受付者を確保しておく必要があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、発信者からの着信を集中センタ経由で各拠点のコールセンタへ中継することにより、各コールセンタの受付者空き情報を的確に把握でき、かつ受付者に空きのあるコールセンタへの中継を効率よく行うことができるコールセンタの中継装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、複数拠点のそれぞれに設置され、交換機及び該交換機に接続された受付台を有するコールセンタと、前記各拠点のコールセンタの各交換機に中継回線を介して接続される交換機を有し、該交換機への発信者からの着信を各拠点のコールセンタへ中継する中継装置であって、前記発信者の発信エリア情報を、前記発信者の発信者番号又は前記発信者の地域毎のダイヤルインサービスで割り振られたダイヤルイン番号より求める発信エリア特定手段と、前記各コールセンタの受付者の空き情報を、前記各拠点のコールセンタの交換機へ接続される中継回線毎に、各コールセンタの受付台の受付者数に応じた使用チャネル数を設定し、当該チャネル数の残数から求める受付者空き状態特定手段と、前記発信者エリア情報と受付者の空き情報に基づいて中継するコールセンタを求めるコールセンタ選択手段と、前記コールセンタ選択手段により求められたコールセンタに前記中継回線を通して呼を中継する手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、発信者からの着信を集中センタ経由で各拠点のコールセンタへ中継することにより、発信者の発信地域情報及び各コールセンタの受付者の空き情報を集中センタで管理し、発信者の発信地域に対応したコールセンタまたは分類された発信エリアのブロック内の着信拠点への中継を行い、かつ、このコールセンタまたは分類された発信エリアのブロック内の着信拠点に空き受付者がいない時は他のコールセンタへの中継を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1及び図2を用いて説明する。図1は本発明にかかる中継装置を適用した複数拠点を持つネットワーク形コールセンタの実施の形態を示すシステム構成図、図2は本発明の実施の形態における中継装置の制御手順を示すフローチャートである。
【0013】
図1において、10は顧客からの全ての着信を中継する集中センタ、20A、20Bは集中センタ10経由で顧客からの全ての着信を受けることが可能は各拠点に設置されたコールセンタである。
【0014】
集中センタ10は交換機(PBX)100を備え、また、各拠点のコールセンタ20A、20Bは交換機(PBX)101、102をそれぞれ備えている。集中センタ10の交換機100と各拠点のコールセンタ20A、20Bの交換機101、102間は専用線(SD−I:Super Digital I Interface)107、108によりそれぞれ接続されている。
【0015】
また、103及び104は各拠点のコールセンタ20A、20Bの受付台であり、この受付台103は交換機101に接続された複数の多機能電話機103Aと、この各多機能電話機103Aに対応する複数のパーソナルコンピュータ103Bを備え、各パーソナルコンピュータ103Bは交換機101に接続された、電話番号簿のサービスなどを行うテレフォニーサーバ114に接続されている。また、受付台104は交換機102に接続された複数の多機能電話機104Aと、この各多機能電話機104Aに対応する複数のパーソナルコンピュータ104Bを備え、各パーソナルコンピュータ104Bは交換機102に接続された、電話番号簿のサービスなどを行うテレフォニーサーバ115に接続されている。
【0016】
上記集中センタ10の交換機100には公衆網117が接続され、この公衆網117には顧客が発信する複数の電話機116が接続されている。さらに、交換機100には、顧客からの全ての着信を集中センタ10の交換機100経由で各拠点のコールセンタ20A、20Bに中継する中継制御プログラムがインストール可能な、電話番号簿のサービスなどを行うテレフォニーサーバ109が接続されている。このテレフォニーサーバ109はルータ111を介してWAN(Wide Area Network)118接続されている。また、WAN118には、顧客情報が格納されたデータベースサーバ110がルータ111を介して接続されており、さらに、ルータ112を介して上記コールセンタ20Aのテレフォニーサーバ114及び各パーソナルコンピュータ103Bが接続され、さらに、ルータ113を介して上記コールセンタ20Bテレフォニーサーバ115及び各パーソナルコンピュータ104Bが接続されている。
【0017】
次に、上記のように構成された複数拠点を持つネットワーク形コールセンタの中継システムの動作について説明する。
【0018】
まず、顧客は電話機116からコールセンタ20Aまたは20Bに電話を掛ける。これに伴い、集中センタ10の交換機100に着信があると、交換機100内の仮想内線番号へ着信キューイングさせ、着信があったことをテレフォニーサーバ109に通知する。このとき、テレフォニーサーバ109には呼を各拠点のコールセンタ20Aまたは20Bの交換機101または102へ中継するための制御プログラムがインストールされているため、この制御プログラムにより受付台103または104の受付者の空きを判断して専用線107または108へ着信キューイング中の呼を着信先変更するように交換機100へ指示する。
【0019】
上記指示を受けた交換機100は、専用線107または108を通して各拠点のコールセンタ20A、20Bの交換機101または102と共通線信号により制御しているため、コールセンタ20Aまたは20Bの交換機101または102へ発信することで、着信キューイング中の呼を中継する。また、集中センタ10の交換機100は、呼が交換機101または102へ到達したことをテレフォニーサーバ109に通知する。これにより、テレフォニーサーバ109は中継が完了したと判断して、中継動作を終了する。
【0020】
もし、集中センタ10の交換機100からコールセンタ20Aまたは20Bの交換機101または102への中継が失敗した場合は、制御プログラムは別拠点へ着信先を変更しなおすことで対応する。
【0021】
次に、図2を参照して本発明の中継装置の動作について詳細に説明する。
【0022】
図2に示す制御プログラムがスタートし、かつ電話機116から公衆網117を通して交換機100に着信があり、この着信をテレフォニーサーバ109が認識すると(ステップ200)、この着信情報からダイヤルイン番号を採取し、発信エリアを求める(ステップ201)。
【0023】
この発信エリアは、電話機116の発信地域別にダイヤルイン番号が異なるようにしてあるため、制御プログラムが持つシステム運用データのダイヤルイン番号テーブルをサーチすることにより発信エリアを求めることができる。このようにして求めた発信エリアが該当する自拠点のコールセンタ20Aまたは20Bへ着信させるために、発信エリア内の着信拠点に受付者の空きがあるか否かを判定する(ステップ202)。
【0024】
受付者の空きは、専用線107または108の回線毎に使用チャネル数をテレフォニーサーバ109に登録しておき、この使用チャネルの残数によって簡易的に判断することができる。例えば、専用線107の回線が23チャネル使用できる場合、23チャネル内の10チャネルを交換機100から交換機101への中継回線で使用することをシステム運用データで設定しておき、受付台103の受付者数を10人分用意しておくことで、専用線107に使用チャネルの残数だけを知っていれば、該当拠点のコールセンタ20Aまたは20Bへ中継可能か否かを判断できる。
【0025】
また、コールセンタ20Aの交換機101には多機能電話機103Aが接続されているため、この多機能電話機103Aから集中センタ10の交換機100へ発信する運用も可能である。この時使用する専用線107のチャネルは中継回線で使用する10チャネル以外としてカウントする。この場合、23チャネル内の中継回線使用の10チャネルを除く13チャネルが交換機101から交換機100への発信可能チャネルとなる。もし、14呼を発信した場合には、中継回線使用の10チャネルが9チャネルになる。
【0026】
尚、使用チャネル数の設定の応用で、使用チャネル数を0に設定すると、該当コールセンタ20Aまたは20Bには中継されなくなるため、コールセンタ20A、20Bの休日に適用できる。
【0027】
上記ステップ202において、使用チャネルの残数から発信エリア内の着信拠点に受付者の空きがあると判定された場合は、呼の着信先変更による中継を行い(ステップ203)、その中継が正常終了ならば終了する。また、異常ならばリトライする。
【0028】
また、ステップ202において、使用チャネルの残数が0となって発信エリア内の着信拠点に受付者の空きがないと判定された場合は、発信エリアのブロック(各拠点のコールセンタ20A、20Bをいくつかのブロックに分類したブロックをいう)内の着信拠点に受付者の空きがあるか否かを判定する(ステップ204)。ここで、肯定判定された場合はステップ203に移行して、呼の着信先変更による中継処理を行う。また、ステップ204において否定判定された場合はステップ205に移行して、その他、着信拠点の受付者の空きがあるか否かを判定する。
【0029】
一方、ステップ205で肯定判定された場合はステップ203に移行して、呼の着信先変更による中継処理を行う。また、否定判定された場合はステップ206に移行し、テレフォニーサーバ109からビジートーンまたは混雑通知トーキーを交換機100及び公衆網117を通して発信電話機116に聞かせる。これにより、顧客に話中または混雑していることを報知することができる。
【0030】
このような本実施の形態によれば、各拠点のコールセンタ20A、20B全体を把握して運用するための集中センタ10を設け、そして、発信者からの全ての着信を集中センタ10経由で各拠点のコールセンタ20A、20Bへ中継するために、発信者の発信地域情報及び各コールセンタ20A、20Bの受付者の空き情報を集中センタ10で管理し、発信者の発信地域に対応したコールセンタ20Aまたは20Bへの中継を最優先で行い、かつ、このコールセンタ20Aまたは20Bに空き受付者がいない時は他のコールセンタ20Aまたは20Bへの中継を行うように構成したので、各コールセンタ20A、20Bの受付者空き情報を的確に把握でき、かつ受付者に空きのあるコールセンタ20A、20Bへの中継を効率よく行うことができる。
【0031】
また、本実施の形態によれば、発信者からの着信は、全てのコールセンタ20A、20Bが対象となり、かつ受付が可能であるため、発信者に対する着信ビジーを大幅に低減できるほか、従来のように各拠点のコールセンタ20A、20Bに対しピーク時の着信を考慮した受付者を確保する必要がなく、各拠点のコールセンタ20A、20Bの受付者数を減らすことができ、コールセンタ20A、20Bの運用コストを低減できるという効果がある。
【0032】
なお、上記図1に示すの実施の形態では、コールセンタの設置拠点数が2箇所の場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、2箇所以上の設置拠点のコールセンタについても同様に適用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、発信者からの着信を集中センタ経由で各拠点のコールセンタへ中継することにより、発信者の発信地域情報及び各コールセンタの受付者の空き情報を集中センタで管理し、発信者の発信地域に対応したコールセンタまたは分類された発信エリアのブロック内の着信拠点への中継を行い、かつ、このコールセンタまたは分類された発信エリアのブロック内の着信拠点に空き受付者がいない時は他のコールセンタへの中継を行うことができる。これにより、各コールセンタの受付者空き情報を的確に把握できるとともに、受付者に空きのあるコールセンタへの中継を効率よくできるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる中継装置を適用した複数拠点を持つネットワーク形コールセンタの実施の形態を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態における中継装置の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 集中センタ
20A、20B コールセンタ
101 交換機(PBX)
101、102 交換機(PBX)
103、104 受付台
103A 多機能電話機
103B パーソナルコンピュータ
104A 多機能電話機
104B パーソナルコンピュータ
107、108 専用線
109 テレフォニーサーバ
110 データベースサーバ
111、112、113 ルータ
114、115 テレフォニーサーバ
116 電話機
117 公衆網
118 WAN
Claims (1)
- 複数拠点のそれぞれに設置され、交換機及び該交換機に接続された受付台を有するコールセンタと、前記各拠点のコールセンタの各交換機に中継回線を介して接続される交換機を有し、該交換機への発信者からの着信を各拠点のコールセンタへ中継する中継装置であって、
前記発信者の発信エリア情報を、前記発信者の発信者番号又は前記発信者の地域毎のダイヤルインサービスで割り振られたダイヤルイン番号より求める発信エリア特定手段と、
前記各コールセンタの受付者の空き情報を、前記各拠点のコールセンタの交換機へ接続される中継回線毎に、各コールセンタの受付台の受付者数に応じた使用チャネル数を設定し、当該チャネル数の残数から求める受付者空き状態特定手段と、
前記発信者エリア情報と受付者の空き情報に基づいて中継するコールセンタを求めるコールセンタ選択手段と、
前記コールセンタ選択手段により求められたコールセンタに前記中継回線を通して呼を中継する手段と、
を備えたことを特徴とするコールセンタの中継装置。
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