JP3791601B2 - ナノグラファイト構造体の作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超微細加工された立体構造のナノグラファイト構造体とその作製方法に関し、より具体的には、任意な二次元または三次元形状を有するナノグラファイト構造体を作製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
グラファイトは、良好な異方的電気伝導や異方的熱伝導を示し、強度にも優れた材料である。このグラファイトと同様の炭素原子配列構造がナノスケールの直径でチューブ状になったものがカーボンナノチューブである。このカーボンナノチューブは、そのチューブ状形状に付随して、特異的な電気伝導特性や、ダイヤモンド並のヤング率など機械的特性を有するので、将来多くの応用分野において、かかるカーボンナノチューブからなる構造体の利用の展開が予測される。しかし、現在のカーボンナノチューブの合成で用いられている合成技術では、チューブ状やホーン状の形状をある程度選択的に大量に合成することは可能となっているものの、かかるカーボンナノチューブにより構成される、複雑な任意形状のナノスケール構造体を作製する際に、そのまま適用することは困難である。
【0003】
また、Si基板上でのカーボンナノチューブ合成技術として、基板表面に鉄やニッケルの微小パターンを予め形成し、この金属パターンを触媒反応の核(カタリスト)として利用することで、カーボンナノチューブの成長する位置を選択的限定する手法がある。具体的には、所望とする形状の微小パターン表面の鉄やニッケルなどの金属を触媒点として、メタンガス等の原料を分解して、生成される炭素原子から、ナノチューブが成長されるため、所望のパターニングされたカーボンナノチューブ合成を可能とする技術である。
【0004】
一方、その位置・形状制御を行いつつ、カーボンナノチューブの選択成長を可能とする、別種の手法として、メタンガス等の原料ガスを分解した炭素源に代えて、SiCを母材として利用し、このSiCを分解して得られる炭素原子をグラファイト構造へと触媒成長させる方法がある(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.37, (1998) pp. L605−L606)。この方法においては、母材であるSiCを加熱すると、SiC自体が分解し、Siは蒸発し、残ったCは、母材のSiC表面に配向しつつ、例えば、カーボンナノチューブなどのグラファイト構造へと成長していく。母材のSiC表面に、予め微小パターニングを施すことで、位置、平面形状の制御が可能となる。しかしながら、これらの表面に設ける微小パターンを利用して、そのパターンと合致したカーボンナノチューブ層を作製する方法では、例えば、任意な太さのチューブ形状のグラファイト(広義のナノチューブ)を成長させることはできるものの、任意な外形形状を示す三次元構造を持つグラファイト構造体を作製することはできない。
【0005】
一方、分岐構造を有するカーボンナノチューブを作製する試みとして、事前形成によるY分岐の形成が、例えば、Appl. Phys. Lett., 79, 1879−1881 (2001)に、酸化マグネシウムを触媒原料として利用し、酸化マグネシウムの結晶方位に対応したナノチューブのY分岐を合成できることが報告されている。また、T分岐や枝構造のグラファイト構造体を形成する方法としては、例えば、Nature 402, 253−254 (1999)に、アルミナブロックに電界エッチングでT分岐や枝構造を持つ穴を開け、この穴をテンプレートとしてグラファイト成長させることで、T分岐や枝構造のグラファイト構造体を得ている。その後、鋳型としたアルミナを選択的に溶出することで、目的のT分岐構造のグラファイト構造体を取り出すことができる。しかし、これら分岐構造の作製に利用できる方法はいずれも、特定の分岐構造の形成には適する手法ではあるものの、その形状、サイズ、さらに基板上での位置などを任意に決定して、三次元グラファイト構造体を合成することはできない。
【0006】
一方で、集束イオンビームや電子線をエネルギー源とする炭化水素化合物の分解反応を利用した、アモルファスカーボンの三次元構造体成長技術が、松井・藤田ら(J. Vac. Sci. Technol. B 16(6), 3181−3184 (2000))によって報告されている。前記の方法では、炭化水素化合物のガス、例えば、芳香族炭化水素のピレンやフェナントレン等をガス化して、基板表面上の局部的に集束イオンビームや電子線ビームが照射される位置に吹き付ける。基板表面に吸着した炭化水素化合物分子は、電子線やイオンビームの照射位置から放出される二次電子によって分解され、分解生成物として、局所的にアモルファスカーボンが構造体として成長する。
【0007】
この方法を用いたアモルファスカーボンの成長では、原料ガス分圧や、基板表面温度、ならびに照射されるビーム走査条件を制御することで、分解生成した活性種(炭素など)の面内マイグレーションを利用して、ビームの照射方向に対して垂直な方向、すなわち横方向への成長をも起こすことができる。この横方向の成長と、照射ビームの回転走査とを組み合わせることで、ワイングラスやナノコイル、ナノドリルといった、ナノスケールの三次元アモルファスカーボン構造体を作製することも可能であることが報告されている。このような集束イオンビームや電子線をエネルギー源とする手法では、微細なイオンビーム径を利用することで、その加工寸法を数ナノメートルで制御することが可能であり、さらに、三次元の中空構造をも作り出すことも可能であることが示され、極めて重要なナノ加工技術である。このようなアモルファスカーボンによるナノ三次元構造体の作製技術は、例えば、ナノスケールのメカニカルデバイス(NEMS)やバイオエレクトロニクスへの応用が考えられ、さらには、医療分野や、航空宇宙工学、量子演算コンピュータなどの次世代エレクトロニクスに至る広範囲な分野での応用が期待される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法で作製されるナノスケールのアモルファスカーボン三次元構造体自体は、その硬さ(ヤング率)が600−800GPaに達しており(J. Vac. Sci. Technol. B 採択済み・印刷中)、従って、実際のデバイス、例えば、共振を利用したフィルタや、ナノ・メカニカルデバイスなど、その工業的応用範囲は非常に広い。また、高硬度のアモルファスカーボンは、その構造中にはsp2混成型およびsp3混成型の結合が乱雑に混ざりあった状態となっており、絶縁性が強い。しかしながら、高硬度のアモルファスカーボンは、熱処理等で構造が変化し、その硬度が低くなったり、電気伝導性が増したりし、その特性が変化し易い。
【0009】
従って、高硬度のアモルファスカーボンに代えて、高いヤング率を有し、熱処理等で構造が更に変化することのない、グラファイト構造を示す炭素材料からなるナノスケールの三次元構造体を、任意な形状に作製できる方法の開発が望まれている。
【0010】
本発明は前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、集束イオンビームや電子線をエネルギー源とする炭化水素化合物の分解反応を利用して作製可能な、サイズ、形状、作製位置を任意に選択されるナノスケールのアモルファスカーボン三次元構造体の成長技術と同様に、そのサイズ、形状、作製位置を任意に選択することが可能な超微細加工特性を有する、任意な二次元または三次元形状を有するナノグラファイト構造体の作製方法と、かかる作製方法を適用して作製されるナノグラファイト構造体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を進めたところ、高硬度のアモルファスカーボンは、熱処理を施すと、その内部構造が変化する性質を有するが、その際、アモルファスカーボン中、あるいは、その表面に触媒金属原子を存在させて、低温熱処理を行うと、熱触媒反応により、アモルファスカーボンを選択的にグラファイト化することができることを見出した。加えて、かかる高硬度のアモルファスカーボンに、例えば、集束イオンビームや電子線をエネルギー源とする炭化水素化合物の分解反応を利用して作製される、サイズ、形状、作製位置を任意に選択されるナノスケールのアモルファスカーボン構造体を採用すると、前記の低温熱処理を施し、熱触媒反応によりグラファイト化を行う結果、その超微細な二次元または三次元構造を保持したナノグラファイト構造体の作製が可能となることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法は、
二次元もしくは三次元の任意なナノスケールの立体構造を有するナノグラファイト構造体を作製する方法であって、
前記二次元もしくは三次元の任意な立体構造に対応するナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体であり、触媒金属原子を該構造体中に含有するか、あるいは表面に付着している立体構造体に対して、熱処理を施すことで前記アモルファスカーボンをグラファイト化して、該ナノスケールの立体構造形状を保持するグラファイト構造体へと変換する工程を含むことを特徴とするナノグラファイト構造体の作製方法である。
【0013】
また、本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法においては、前記触媒金属原子として、鉄、ニッケル、またはモリブデンが好適に利用できる。また、前記熱処理は、処理温度を、前記触媒金属原子の種類に応じて、700℃〜900℃の範囲内に選択される低温熱処理であることが好ましい。
【0014】
一方、本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法においては、前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、炭素源反応前駆体として、少なくとも炭化水素分子を用いて、集束イオンビームによる分解生成反応によって製造される、ナノスケールの中空三次元立体構造を有するアモルファスカーボン構造体であることができる。例えば、前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、炭素源反応前駆体として、少なくとも炭化水素分子を用いて、電子ビームによる分解生成反応によって製造される、ナノスケールの中空三次元立体構造を有するアモルファスカーボン構造体であってもよい。
【0015】
また、前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、反応前駆体として、有機金属分子ならびに高分子炭化水素分子を用いて、集束イオンビームまたは電子ビームをビーム励起源とする分解生成反応によって製造され、該立体構造体中に前記有機金属分子に含有される金属元素を触媒金属原子として含有してなる構造体であってもよい。その際、前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、該立体構造体全体に前記触媒金属原子を含有してなる構造体であり、熱処理を施すことで、熱触媒反応によって前記アモルファスカーボンをグラファイト化して三次元グラファイト構造に変換することを特徴とするナノグラファイト構造体の作製方法とすることができる。また、前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、該立体構造体の一部に前記触媒金属原子を含有してなる構造体であり、熱処理を施すことで、熱触媒反応によって前記アモルファスカーボンをグラファイト化して三次元グラファイト構造に変換することを特徴とするナノグラファイト構造体の作製方法とすることもできる。
【0016】
加えて、本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法では、前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、基板表面に作製されている該構造体に対して、その作製に先立ち、前記基板表面に蒸着もしくはスパッタにより前記触媒金属原子を付着させて、該立体構造体の底部表面に触媒金属原子が付着されてなる構造体であり、
熱処理を施すことで、熱触媒反応によって前記アモルファスカーボンをグラファイト化して三次元グラファイト構造に変換することを特徴とするナノグラファイト構造体の作製方法とすることもできる。あるいは、前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、その作製後、前記構造体表面に蒸着もしくはスパッタにより前記触媒金属原子を付着させてなる構造体であり、熱処理を施すことで、熱触媒反応によって前記アモルファスカーボンをグラファイト化して三次元グラファイト構造に変換することを特徴とするナノグラファイト構造体の作製方法とすることも可能である。
【0017】
さらに、本発明は、上述する本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法を利用することで作製が可能となるナノグラファイト構造体の発明をも提供し、
すなわち、本発明にかかるナノグラファイト構造体は、二次元もしくは三次元の任意なナノスケールの立体構造を有するグラファイト構造体であって、
該ナノグラファイト構造体は、上述する何れかの構成を有する本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法によって作製されていることを特徴とするナノグラファイト構造体である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法は、予め目的とする任意で、超微細な、二次元もしくは三次元の立体構造を有するアモルファスカーボン構造体を作製し、その構造体中に鉄元素等の触媒金属原子を含有させるか、あるいはその表面に触媒金属原子を付着しているかの状態とした上で、このナノスケールのアモルファスカーボン構造体全体に700℃程度の低温熱処理を施すと、含有されている触媒金属原子で誘起される熱触媒反応により、選択的なグラファイト化が進行され、最終的に、当初の超微細な立体構造を保持したまま、アモルファスカーボンを構造的、化学的に安定なナノグラファイト結晶体へと変換するものである。
【0019】
以下に、本発明をより詳しく説明する。
【0020】
本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法においては、予め目的とする任意で、超微細な、二次元もしくは三次元の立体構造に作製されたアモルファスカーボン構造体を出発材料として利用している。かかるナノスケールのアモルファスカーボン構造体の作製には、上で述べた、集束イオンビームや電子線をエネルギー源とする炭化水素化合物の分解反応を利用した、アモルファスカーボンの三次元構造体成長技術を利用することができる。具体的には、集束イオンビーム装置もしくは電子ビーム装置を利用し、基板表面の任意な位置にビームを照射しつつ、炭素源として、芳香族炭化水素ガスなどの反応前駆体を局所的に供給し、分解生成反応を行わせることで、ナノスケールのアモルファスカーボン構造体を形成することができる。
【0021】
このイオンビーム照射または電子ビーム照射による分解生成反応では、高エネルギーの一次イオン種あるいは一次電子と反応前駆体との直接反応もあるものの、一般的に、高エネルギーの一次イオン種あるいは一次電子が表面を衝撃することで発生する複数の二次電子による表面に吸着している反応前駆体の分解反応が、主要な分解生成反応過程となっている。例えば、利用される集束イオンビーム装置もしくは電子ビーム装置は、近年のビーム装置の性能向上により、照射される電子線やイオンビームの有効ビーム径は、5〜7nm程度となっている。細いビーム径の高エネルギー電子線やイオンビームを、基板もしくは分解生成物に照射すると、例えば、加速エネルギー約30keVのイオンを照射した場合、その進入深さは数十ナノメートルに達し、その際、前方散乱によりやはり数十nm程度の広りを生じる。この衝撃の間に起こる反応素過程として、オージェ過程や原子の外核電子励過程、非弾性散乱過程を経て、数eV〜数keVのエネルギーを有する二次電子の放出がなされる。これら低エネルギーの二次電子の反応前駆体に対する反応断面積は大きく、表面に吸着されている反応前駆体と効率的に反応し、非平衡状態で分解を起こさせ、アモルファスカーボンを生成させる。
【0022】
従って、作製されるアモルファスカーボン構造体では、照射される電子線やイオンビームの有効ビーム径と比較して、より広い範囲で成長を起こさせることも可能である。例えば、加速エネルギー30keVのGa+イオンを用いた集束イオンビーム装置を使用した場合、一次イオンの進入長(ペネトレーション長)は20nm程度であり、発生する二次電子のグラファイト中の散乱長は20nm程度であるため、一次イオンビームのビーム径よりも広い範囲でアモルファスカーボン成長が生じる。例えば、直径5nmのGa+イオンビームを用い、反応前駆体として、フェナントレンを利用する分解生成反応では、直径80nm程度のアモルファスカーボン・ピラーの作製も可能であることが報告されている。
【0023】
加えて、ピラー状の超微細構造の成長途中で、照射ビームの中心位置をピラー中心からシフトさせると、発生する二次電子の散乱範囲も対応してシフトする。その結果、成長途中のピラーの先端側壁から、二次電子が放出されるようになり、先端側壁が新たな成長ポイントとなる。つまり、ピラーの先端側壁部から横方向のオーバーハングした新しい枝が伸張することになる。この横方向の成長と回転ビーム走査とを組み合わせると、例えば、松井・藤田ら(J. Vac. Sci. Technol. B 16(6), 3181−3184 (2000))が報告しているような、中心に中空構造を有するワイングラス形状やコイル形状などの任意な超微細構造を有する、ナノスケールのアモルファスカーボン構造体を作製することができる。
【0024】
なお、ナノスケールのアモルファス立体構造体を、集束イオンビームによる分解生成反応によって製造する際、具体的には、30keVのGa+イオンを用い、反応前駆体として、フェナントレンを利用する成長条件において、例えば、イオン電流1nA、原料ガス分圧を133.3321×10 -6 Pa(=1×10-6Torr:換算率1Torr=133.332Pa)に選択して、約1ミクロンメートル/分の成長速度が得られる。
【0025】
また、ナノスケールのアモルファスカーボン立体構造体を、電子線ビームによる分解生成反応によって製造することも可能であり、その際、利用する電子線の加速エネルギーは低加速エネルギーであるほど、形状制御性が良好である。すなわち、電子加速電圧が高いと、アモルファスカーボン中の一次電子のペネトレーション長が長く、照射された一次電子はアモルファスカーボン堆積物層を透過し、目的としない基板表面上に到達し、その部位に別の副生成物の形成が生じる結果、形状制御性を低下させる要因となることもある。一方、低加速一次電子では、ペネトレーション長が短くなり、それに伴い、照射されている堆積物中における二次電子の放出が相対的に多くなり、形状制御性が良好となる。結果的に、超微細立体構造を、安定して、高い再現性で作製することが一層容易となる。
【0026】
本発明では、ナノスケールのアモルファスカーボン構造体中に、触媒金属原子を含有したものを利用することができる。例えば、上述する電子線やイオンビーム励起反応を利用してアモルファスカーボン構造体を作製する際、反応前駆体として、炭化水素分子に加えて、触媒金属原子を含有する有機金属分子を用いて、この有機金属分子の分解反応で得られる触媒金属原子を成長段階で添加されたものとすることができる。この手法では、反応前駆体として利用する、炭化水素分子と有機金属分子は、表面に吸着した状態で分解反応がなされることが望ましく、炭化水素分子としては、フェナントレンなどの高分子炭化水素分子のガス、例えば、多環芳香族炭化水素分子のガスが利用でき、有機金属分子としては、触媒金属原子の鉄を含んだ有機鉄化合物であるフェロセンや、触媒金属原子を含有するメタロセン類、あるいは、ニッケルカルボニルやモリブデンカルボニルなどの金属カルボニル化合物などをも利用することが可能である。また、利用可能な触媒金属元素は、鉄、ニッケル、モリブデンの他、それらの合金、混合物、さらには、上に述べたメタンガスの分解生成反応でナノチューブの成長において、その触媒として利用可能な金属元素をも利用することができる。
【0027】
あるいは、予め基板表面に、触媒金属原子を付着させ、その後、アモルファスカーボン構造体の作製を行うことで、該構造体の底面部表面、すなわち、基板表面と接する部分に、触媒金属原子が選択的に付着されたナノスケールのアモルファスカーボン構造体に形成することができる。さらには、ナノスケールのアモルファスカーボン構造体を作製した後、触媒金属原子を、蒸着やスパッタにより構造体表面に付着させたものとすることができる。
【0028】
なお、局所的に添加される、触媒金属原子の含有率は、アモルファスカーボン中において、触媒金属原子/(触媒金属原子+炭素原子)の原子数比率として、例えば、数%〜10数%の範囲に選択することができる。表面に付着させる際には、その後、拡散した際、触媒金属原子の含有率は、アモルファスカーボン中において、触媒金属原子/(触媒金属原子+炭素原子)の原子数比率として、数%〜10数%の範囲に選択することができる。また、アモルファスカーボン全体に添加する際には、触媒金属原子の含有率は、アモルファスカーボン中において、上記の局所的に添加する形態よりは、有意に低い含有率に選択することができる。
【0029】
さらに、本発明では、アモルファス立体構造体を、前記ビーム励起反応を利用して作製する際、反応前駆体として、有機金属分子と高分子炭化水素分子とを用い、アモルファス立体構造体中に触媒金属原子を添加する手法を用いる場合、原料ガス供給手段として、複数のガス供給ノズルを併設し、炭化水素ガス(例えば、フェナントレン)と有機金属ガス(例えば、フェロセン)とを分離して個別に供給すると、触媒金属原子の含有比率の制御性が良い。また、アモルファス立体構造体の一部のみに、触媒金属原子を添加する際には、前記の分離して個別に供給する手段を利用し、必要部分のみに、有機金属ガスの供給を行う形態とすることができる。なお、成長条件等が既に決まっている場合には、複数の原料を所定の比率で混合し、一つの加熱坩堝で原料混合物を加熱・ガス化して供給する形態を採用しても良い。
【0030】
本発明の作製方法では、以上に説明した手法により、予め二次元もしくは三次元の任意な立体構造を有するナノスケールのアモルファスカーボン構造体を作製し、この構造体中に鉄、ニッケル、モリブデン等の触媒金属原子を含有させる、あるいは、表面に付着させた立体構造体とした上で、熱処理を施すことで、触媒金属原子による固相の熱触媒反応により、アモルファスカーボンをグラファイト結晶に変成させる。この固相反応によっても、立体構造体の外形は保持されるので、予め作製した任意な立体構造を有するナノスケールのグラファイト構造体が高い再現性で得られる。この触媒金属原子による固相の熱触媒反応は、例えば、グラファイトと鉄の二元系合金は738℃で相分離し、オーステナイト、セメンタイト(Fe3C)、およびグラファイトが析出する反応に相当し、従って、熱処理温度は、前記の相分離温度に相当する温度を選択することが好ましい。触媒金属原子として、鉄を用いた固相反応によるグラファイト成長では、その熱処理温度は、触媒金属原子の含有量、添加状態、例えば、アモルファスカーボン構造体中に均一に添加されているか、表面に付着されているかなどによって、幾分異なるものの、概ね740℃程度に選択し、真空中で加熱処理すればよい。また、利用する触媒金属原子の種類、その含有量、添加状態に応じて、熱処理温度は、適宜選択されるものであるが、鉄、ニッケル、モリブデン等の触媒金属原子を利用する際には、Gaなど利用するイオンビームに由来する低融点金属の蒸散が速やかになされる温度であり、例えば、少なくとも600℃以上、より好ましくは、700℃〜900℃の範囲内に選択される低温熱処理であることが好ましい。少なくとも、触媒金属原子によって誘起される固相反応でなく、アモルファスカーボン自体でも、その内部構造の変化が進行する温度よりも、遥かに低い温度で、低温熱処理を行うことが好ましい。また、前記低温熱処理を実施する際の、真空度は、少なくとも、Gaなどのイオンビームに利用した低融点金属の蒸散が速やかに進む真空度、好ましくは、例えば、133.3321×10 -6 Pa(=1×10-6Torr:換算率1Torr=133.332Pa)以下とすることが望ましい。
【0031】
本発明の作製方法では、アモルファスカーボンからグラファイト結晶への変成は、触媒金属原子による固相の熱触媒反応によっており、例えば、アモルファスカーボン構造体の底面部表面、すなわち、基板表面と接する部分に、触媒金属原子が選択的に付着されたもの、あるいは、ナノスケールのアモルファスカーボン構造体を作製した後、触媒金属原子を、蒸着やスパッタにより構造体表面に付着させたものを用いた際、固相の熱触媒反応の進行と共に、表面に付着していた触媒金属原子は、アモルファスカーボン構造体内部への拡散しつつ、グラファイト化が進んでいく。最終的には、一端の表面から開始したグラファイト化は、触媒金属原子の拡散端の移動とともに、構造体全体へと伝播し、全体がグラファイト化されたナノスケールのグラファイト構造体が、その外形形状に依存せず、高い再現性で得られる。
【0032】
【実施例】
以下に、具体例を示して、本発明をより具体的に説明する。以下に示す具体例は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は、これらの具体例の形態に限定されるものではない。
【0033】
図1は、本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法を、ピラー状グラファイト構造体の作製に適用した、第一の実施形態を示す。具体的には、基板1上に形成されているピラー状アモルファスカーボン構造体2の最先端部に選択的に触媒金属原子の鉄を添加したものを利用し、熱処理によりピラー状グラファイト構造体へと変換する事例を示す。
【0034】
基板1上へのピラー状アモルファスカーボン構造体2の形成は、集束イオンビームによる反応前駆体の分解生成反応による。目標とする基板1上の位置にGa+の集束イオンビームを照射しつつ、同時に反応前駆体ガスを導入する。この例では、アモルファスカーボンの形成には、フェナントレンガスを、また、触媒金属原子の添加用にはフェロセンを用いている。まず、フェナントレン坩堝を約80℃に加熱し、昇華するフェナントレン蒸気をビーム励起反応の反応前駆体として用いる。この例では、反応容器内における、フェナントレンガスの分圧は2×10 -4 Paである。フェナントレンガスは、坩堝から、ガスチューブ、およびガスノズルを通して、基板1上のビーム照射位置の近傍に噴射している。なお、ガスノズルから、ガスジェットとして噴射されており、ビーム照射位置の近傍における、実際の局所的なガス分圧は、反応容器内の平均的分圧と比較し、数桁高いと予想される。イオン電流1nmAのGa+イオンビームを照射すると、イオンビーム照射位置でフェナントレンの分解が進行し、図1に示すようなナノスケールのアモルファスカーボン・ピラーが基板1上に成長する。例えば、ビーム照射位置をX−Yで走査すると、その走査位置に応じて、種々の形状を有する三次元構造体、例えば、ビーカーやベローズのような形状のもの、あるいはワングラスのような形状のものなどを、自由に作製することも可能である。
【0035】
イオンビームを利用するアモルファスカーボン構造体の作製法の利点は、このような任意な形状を有する三次元構造体の作製に適することである。この形状制御性の高さは、イオンビームの物体中における進入長・拡散長は、比較的短いことに主に起因している。つまり、進入長・拡散長が短いため、イオン衝撃により生成される二次電子の発生領域も狭くなることに起因している。従って、二次電子の発生領域は、イオンビームの照射ポイントを中心とし、その周囲数十ナノメートルの範囲であり、その微細な領域のみで、表面に吸着している反応前駆体分子層の分解生成反応が起こり、ナノスケールのピラー状に成長が起こる。
【0036】
その際、イオンビームの照射位置を、ピラー中心から序々にラジアル方向に移動させると、それに伴い、二次電子の発生領域も移動していく。例えば、ピラーの先端において、ビーム・ポジションの移動を行うと、移動側のピラー側壁において二次電子の発生が始まる。その結果、側壁での分解生成反応により、側壁方向側(移動方向側)にアモルファスカーボンの成長が生じる。つまり、イオンビームの走査を行うことで、オーバーハング形状の形成が可能となる。ただし、二次電子の発生領域が狭いために、この側壁での成長範囲は、数十ナノメートルに限られており、側壁で形成される成長物は、基板表面に到達・接触することもない。
【0037】
従って、イオンビーム照射位置をX−Y方向でスキャンし、回転運動を与え、1周回転した際、上(Z)方向へアモルファスカーボン成長速度が、元の成長部分と接触しない程度であれば、コイル・スプリングのような形状を形成することもできる。スキャンするビームの回転速度が速く、各周の回転毎の成長が、Z方向に連続し、加えて、スキャンするビームの回転半径を周期的に変調すると、例えば、ベローズやビーカーのような形状にアモルファスカーボンの成長がなされる。さらに、このようなスキャンするビームの回転による回転楕円体様の成長部と、ビーム照射位置を固定した際のピラー成長部を組み合わせると、ピラー状の脚部と楕円体様の盃部分とからなるワイングラスのような一様でない形状の作製も可能である。
【0038】
さらに、アモルファスカーボン構造体の作製中、イオンビーム照射を一時中断し、成長を一時停止し、既に作製を終えた構造体上の別部分にビーム照射位置を移動させると、その照射位置において、再度成長を開始することができる。従って、この手法を利用すると、例えば、図6に示すような、途中から分岐構造を付加したアモルファスカーボン構造体を作製することができ、任意なT分岐やY分岐を有する構造体を作製することも可能である。このような枝構造は、デバイス作製やナノメカニカル構造部品を作製する上で極めて重要である。
【0039】
一方、集束イオンビームに代えて、電子線を用いて、ビーム励起反応を行うことも可能である。電子線を利用する場合、同じ加速エネルギーでは、イオンに比べて、電子の進入長は遥かに長いため、成長しているナノスケールの構造体を電子は突き抜けてしまうこともある。従って、電子線によるビーム励起反応を利用する際には、比較的低加速エネルギーの電子線を用い、進入長を短くすることで、集束イオンビームイオンと同様な立体構造体の作製を行うことができる。電子線を用いる場合の利点は、イオンビームを用いた場合には、構造体中に進入したイオン種が残留し、形成されるアモルファスカーボン構造体は、例えば、Gaなどのイオン源元素を含有しているが、電子の場合は、構造体中に余計な元素の残留がない点である。
【0040】
図1に示す例では、このようなイオンビーム励起反応の手法を用いて、アモルファスカーボン・ピラーを形成した後に、その先端部に触媒金属5の鉄を添加した部位を形成している。その際、反応前駆体ガスを、フェナントレンガスから、鉄添加用のフェロセンのガスに切り替える。フェロセンをイオンビームで分解すると、Feとカーボンの混合物が堆積する。図1の例では、この鉄含有カーボンの堆積層厚さは、約100nm程度である。
【0041】
このような局所的に鉄をドープしたピラー状アモルファスカーボン構造体に、真空中、約740℃で1時間の加熱処理を施す。この熱処理過程では、アモルファスカーボン構造体内に残留しているイオン種のGaは、低融点金属であり、熱処理の初期段階で、アモルファスカーボン・ピラー表面に染み出してくる。約600℃の加熱で、染み出してくるGaは、溶融物として表面に析出した後、完全に蒸発し、ピラー中には残らない。その後、740℃で熱処理する過程で、先端部に添加されている鉄は、凝集して、ピラー中を拡散していく。この拡散過程で、アモルファスカーボンは、鉄を触媒として、グラファイト化反応を起しつつ、凝集して、ピラー中を拡散していく鉄は、ピラーの下端に到達する。最終的に、図2に示すように、ピラー全体はグラファイト化し、当初のアモルファスカーボン構造体2の形状を保持したまま、グラファイト構造体4となり、下端に触媒金属5の鉄が集積される領域が残る。
【0042】
このように作製される形状に対する自由度が高く、形状制御性に優れる集束イオンビームを利用して作製されるナノスケールのアモルファスカーボン構造体に対して、本発明の方法を適用することで、任意な形状に作製されているナノスケールのアモルファスカーボン構造体をグラファイト化することが可能となる。本発明の方法を利用すると、例えば、非常に低加速エネルギーのイオンビームを用いることで、その散乱長を短くすることができる。この利点を利用することで、極めて細いアモルファスカーボン・ピラーを作製しておき、これをグラファイト化すると、人工的な位置と形状を制御されたナノチューブ様のグラファイト構造体を作製することもできる。従来のナノチューブは、綿状にバルクに混じりあった状態で合成されるのに対して、本発明の方法を利用すると、必要な場所のみに、形状も厳密に制御された形でナノチューブ様のグラファイト構造体を作製できることになり、エレクトロニクスデバイスを初め、バイオ素子など、その応用範囲は極めて広い。
【0043】
図1に示す例は、アモルファスカーボン・ピラーに対して、その最先端にフェロセンを用いて、触媒金属原子の鉄を局所的にドープする形態であるが、逆に、予め基板上にフェロセンを用いて、触媒金属原子の鉄を局所的にドープした層を形成し、引き続きアモルファスカーボン・ピラーを作製し、ピラーの最下部(成長の初期)に触媒金属原子の鉄が局所的に含有する形態としてもよい。その最下部触媒金属原子の鉄が局所的に含有する形態でも、同様な熱処理を施すことで、ピラー全体はグラファイト化し、当初のアモルファスカーボン構造体の形状を保持したまま、グラファイト構造体とすることができる。
【0044】
さらに、図3は、本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法を、ピラー状グラファイト構造体の作製に適用した、別の実施形態を示す。具体的には、基板1上に形成されているピラー状アモルファスカーボン構造体全体に、触媒金属原子の鉄を添加したものを利用し、熱処理によりピラー状グラファイト構造体へと変換する事例を示す。
【0045】
すなわち、イオンビーム励起反応を利用して、ピラー状アモルファスカーボン構造体を作製する際、フェナントレンに加えて、フェロセンを所定の混合比で供給しつつ、分解生成反応を行って、触媒金属原子の鉄がピラー中全体に均一に添加されているアモルファスカーボン構造体3とする。ピラー構造の中心に、イオンビームの照射スポットがあり、残留しているイオン種のGaの分布は、このピラー構造の中心部に集中している。このアモルファスカーボン構造体に熱処理を施すと、ピラー中心部に集中していたGaが抜け出した後、その空隙が空洞状に存在している。その後、熱処理を継続する間に、ピラー中全体に均一に添加されている鉄原子は、アモルファスカーボンのグラファイト化を触媒しつつ、しだいに、この空洞状の中心軸部に凝集し、周りにグラファイト構造体が形成される。
【0046】
得られるグラファイト構造体は、触媒金属の鉄を、その中心軸部に含有するピラー状グラファイト構造体となり、触媒含有グラファイトとして利用する応用では重要な技術となる。なお、その後、このピラー状グラファイト構造体の先端に、化学的手段に、もしくは物理的手段、例えば、イオンビームエッチング等で開口を設けた後、化学的処理により、その中心軸部に含有する鉄を選択的に除去することも可能である。
【0047】
図4は、本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法を、ピラー状グラファイト構造体の作製に適用した、第三の実施形態を示す。具体的には、基板1表面に予め、蒸着やスパッタによって、触媒金属原子の鉄を膜状に被覆し、その触媒金属原子被膜上にピラー状アモルファスカーボン構造体を形成することで、アモルファスカーボン構造体の底部表面に触媒金属原子が付着された状態としたものを利用し、熱処理によりピラー状グラファイト構造体へと変換する事例を示す。
【0048】
このアモルファスカーボン構造体表面に付着されている触媒金属原子の鉄は、熱処理過程で、アモルファスカーボン内に拡散して、下端部に触媒金属原子の鉄を添加した場合と同様に、アモルファスカーボンのグラファイト化を触媒しつつ、凝集して、ピラー中を拡散していく鉄は、ピラーの先端に到達する。最終的に、ピラー全体はグラファイト化し、当初のアモルファスカーボン構造体の形状を保持したまま、グラファイト構造体となり、先端に触媒金属の鉄が集積される領域が残る。
【0049】
なお、予め基板1表面に形成しておく、触媒金属原子被膜は、場合によっては、リソグラフィ技術を利用して、例えば、ドット形状にパターニングし、次いで、そのドット形状の被膜上のみに、高い形状制御性を有する集束イオンビームによる励起反応で、対応する横断面形状を有するアモルファスカーボン構造体を形成することも可能である。その場合、基板1表面上には、不要な触媒金属原子被膜が存在せず、目的とする位置に、所望の形状を有するナノスケールのグラファイト構造体を形成することができる。
【0050】
図5は、本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法を、ピラー状グラファイト構造体の作製に適用した、第四の実施形態を示す。具体的には、基板1表面にピラー状アモルファスカーボン構造体2を形成した後、蒸着やスパッタによって、触媒金属原子の鉄を膜状に被覆することで、ピラー状アモルファスカーボン構造体2の先端面上に触媒金属原子が付着された状態としたものを利用し、熱処理によりピラー状グラファイト構造体へと変換する事例を示す。
【0051】
このアモルファスカーボン構造体表面に付着されている触媒金属原子の鉄は、熱処理過程で、アモルファスカーボン内に拡散して、先端部に触媒金属原子の鉄を添加した場合と同様に、アモルファスカーボンのグラファイト化を触媒しつつ、凝集して、ピラー中を拡散していく鉄は、ピラーの下端に到達する。最終的に、ピラー全体はグラファイト化し、当初のアモルファスカーボン構造体の形状を保持したまま、グラファイト構造体となり、下端に触媒金属の鉄が集積される領域が残る。
【0052】
なお、図5に示す、アモルファスカーボン構造体を形成した後、触媒金属原子を蒸着やスパッタによって被覆する形態では、利用する蒸着やスパッタ法は、必ずしも指向性の高い堆積手段でないため、ピラー状アモルファスカーボン構造体2の先端面上に加えて、ピラーの側面にも僅かながら触媒金属原子の鉄などが付着することも起こり得る。その場合、先端部に被覆された触媒金属原子の鉄被膜から進行する主要なグラファイト化に加えて、側面に付着した僅かな鉄による副次的なグラファイト化の過程も同時に進行する。その結果、先端部から進行する主なグラファイト結晶ドメインの伸張に加えて、それとは異なる側面から生起された微細なグラファイト結晶ドメイン構造複数を含むグラファイト構造体となる場合もある。ナノチューブのような単一な結晶ドメインと比較して、微細なグラファイト結晶ドメイン構造複数をも含むグラファイト構造体は、単一な結晶ドメインに由来するナノチューブ様の電気的特性を利用とする場合には、微細なグラファイト結晶ドメイン構造の共存は障害要因ともなり得るが、機械的強度の観点では、利点を有している。すなわち、異なる配向を有するグラファイト結晶ドメインを含むと、グラファイト立体構造体に等方的な強度分布を持たせたい場合には有効である。
【0053】
図6は、本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法を、Y分岐状グラファイト構造体の作製に適用した、第一の実施形態を示す。具体的には、基板1上に形成されているY分岐状アモルファスカーボン構造体2の最先端部に選択的に触媒金属原子5の鉄を添加したものを利用し、熱処理によりY分岐状グラファイト構造体へと変換する事例を示す。
【0054】
まず、形状制御性に優れる集束イオンビームを利用して、ピラー状のアモルファスカーボン構造体を作製し、作製を終えた構造体の側壁部分にビーム照射位置を移動させると、その照射位置において、再度成長を開始することができ、図6に示すY分岐構造の作製ができる。その際、二次イオン像を観測しながら、ビーム・ポイントを決定することで、所望の位置に分岐点を設けることができる。その後、分岐の伸張方向に従って、ビーム・ポイントを徐々に移動させ、分岐を完成させる。次いで、この二つの枝の先端部に、反応前駆体ガスとして、フェロセンを供給することで、触媒金属原子の鉄を添加する層をそれぞれ形成する。先に述べた図1の例と同じく、この鉄を添加する層の厚さは、約100nmとする。また、二つの枝の径は、約100nmである。
【0055】
この先端部に触媒金属原子の鉄を添加する層を設けた、Y分岐状グラファイト構造体に、740℃で、2時間の熱処理を施すことで、二つの枝ともに、アモルファスカーボンのグラファイト化がなされ、図7に示す、当初のY分岐状の構造を保持したナノスケールのY分岐状グラファイト構造体3への変換がなされる。この例においても、各枝は、それぞれその先端からグラファイト結晶ドメインの伸張がなされたものとなる。
【0056】
従って、ビーム励起反応を利用して、任意の位置に、高い位置制御で、任意な形状を有するナノスケールのアモルファスカーボン三次元立体構造体を作製した上で、その三次元立体構造体を構成する各単位構造を、熱処理を施す間に、同時に触媒金属原子により誘起されるグラファイト化を行うことができ、本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法は、T分岐やY分岐に限らず、任意な二次元または三次元構造を有するナノスケールのグラファイト構造体の作製に利用できる。この位置と形状制御における自由度の高さ、ならびに、制御性の高さは、デバイス応用やバイオ技術への応用上、極めて重要である。
【0057】
【発明の効果】
本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法は、予め、集束イオンビーム装置もしくは電子ビーム装置を利用し、ビーム励起による芳香族炭化水素ガスなどの反応前駆体ガスを用いた分解生成反応で形成されるナノスケールの三次元アモルファスカーボン構造体に対して、その構造体中に添加した触媒金属原子、あるいは、その表面に付着させた触媒金属原子を利用して、低温熱処理を施すことで、熱触媒反応によりアモルファスカーボンのグラファイト化を再現性よく起すことで、任意形状のナノスケールのグラファイト構造体を任意位置に制御性良く作製できる利点を有する。また、本発明の作製方法を適用して作製される、グラファイト構造体は、その形状の制御性、作製位置の自由度が共に高く、ナノチューブ・エレクトロニクスデバイス応用やバイオ技術への応用上、極めて有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法における、ピラー状グラファイト構造体の作製に適用した実施形態の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法を適用して作製される、ピラー状グラファイト構造体の一例を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法における、ピラー状グラファイト構造体の作製に適用した実施形態の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法における、ピラー状グラファイト構造体の作製に適用した実施形態の第三の一例を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法における、ピラー状グラファイト構造体の作製に適用した実施形態の第四の一例を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法における、Y分岐状グラファイト構造体の作製に適用した実施形態の一例を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明にかかるナノグラファイト構造体の作製方法を適用して作製される、Y分岐状グラファイト構造体の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 アモルファスカーボン構造体
3 熱触媒反応によるグラファイト化領域
4 グラファイト構造体
5 触媒金属

Claims (10)

  1. 二次元もしくは三次元の任意なナノスケールの立体構造を有するナノグラファイト構造体を作製する方法であって、
    前記二次元もしくは三次元の任意な立体構造に対応するナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体であり、触媒金属原子を該構造体中に含有するか、あるいは表面に付着している立体構造体を予め作製し、
    前記二次元もしくは三次元の任意な立体構造に対応するナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体であり、触媒金属原子を該構造体中に含有するか、あるいは表面に付着している立体構造体に対して、真空中、少なくとも600℃以上、900℃以下の処理温度において、熱処理を施すことで前記アモルファスカーボンをグラファイト化して、該ナノスケールの立体構造形状を保持するグラファイト構造体へと変換する工程を含み、
    前記二次元もしくは三次元の任意な立体構造に対応するナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体を予め作製する際、炭素源反応前駆体を局所的に供給して、ビーム励起源を用いる分解生成反応を利用して、前記二次元もしくは三次元の任意な立体構造に対応するナノスケールの立体構造が作製されている
    ことを特徴とするナノグラファイト構造体の作製方法。
  2. 前記触媒金属原子は、鉄、ニッケル、またはモリブデンである
    ことを特徴とする請求項1に記載のナノグラファイト構造体の作製方法。
  3. 前記熱処理は、処理温度を、前記触媒金属原子の種類に応じて、700℃〜900℃の範囲内に選択される低温熱処理である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のナノグラファイト構造体の作製方法。
  4. 予め作製される前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、炭素源反応前駆体として、少なくとも炭化水素分子を用いて、集束イオンビームによる分解生成反応によって製造される、ナノスケールの中空三次元立体構造を有するアモルファスカーボン構造体である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノグラファイト構造体の作製方法。
  5. 予め作製される前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、炭素源反応前駆体として、少なくとも炭化水素分子を用いて、電子ビームによる分解生成反応によって製造される、ナノスケールの中空三次元立体構造を有するアモルファスカーボン構造体である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノグラファイト構造体の作製方法。
  6. 予め作製される前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、反応前駆体として、有機金属分子ならびに高分子炭化水素分子を用いて、集束イオンビームまたは電子ビームをビーム励起源とする分解生成反応によって製造され、該立体構造体中に前記有機金属分子に含有される金属元素を触媒金属原子として含有してなる構造体である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノグラファイト構造体の作製方法。
  7. 予め作製される前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、該立体構造体全体に前記触媒金属原子を含有してなる構造体であり、
    真空中において熱処理を施すことで、熱触媒反応によって前記アモルファスカーボンをグラファイト化して三次元グラファイト構造に変換する
    ことを特徴とする請求項6に記載のナノグラファイト構造体の作製方法。
  8. 予め作製される前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、該立体構造体の一部に前記触媒金属原子を含有してなる構造体であり、
    真空中において熱処理を施すことで、熱触媒反応によって前記アモルファスカーボンをグラファイト化して三次元グラファイト構造に変換する
    ことを特徴とする請求項6に記載のナノグラファイト構造体の作製方法。
  9. 予め作製される前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、基板表面に作製されている該構造体に対して、その作製に先立ち、前記基板表面に蒸着もしくはスパッタにより前記触媒金属原子を付着させて、該立体構造体の底部表面に触媒金属原子が付着されてなる構造体であり、
    真空中において熱処理を施すことで、熱触媒反応によって前記アモルファスカーボンをグラファイト化して三次元グラファイト構造に変換する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノグラファイト構造体の作製方法。
  10. 予め作製される前記ナノスケールの立体構造を有するアモルファスカーボン構造体は、その作製後、前記構造体表面に蒸着もしくはスパッタにより前記触媒金属原子を付着させてなる構造体であり、
    真空中において熱処理を施すことで、熱触媒反応によって前記アモルファスカーボンをグラファイト化して三次元グラファイト構造に変換する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノグラファイト構造体の作製方法。
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