JP3791487B2 - 電気光学装置の電源回路、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置、電圧生成回路および電子機器 - Google Patents
電気光学装置の電源回路、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置、電圧生成回路および電子機器 Download PDFInfo
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【発明の属する技術分野】
本発明は、実装部品数を削減した電気光学装置の電源回路、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置、電圧生成回路および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気光学装置にあっては、駆動方式や電極構成などによって種々のタイプに分類することができるが、一方の基板に複数の走査電極(または走査線)が形成され、他方の基板に複数のデータ電極(またはデータ線)が形成され、さらに、これら両基板の間に液晶のような電気光学材料が挟持されて、両電極間の電位差に基づく電気光学変化によって表示等を行うタイプが最も簡易な構成といえる。
【0003】
このような電気光学装置において、電気光学材料を駆動するために必要な選択電圧は、通常、約20〜25V程度であって、ロジック回路を動作させるための入力電圧3〜5Vと比較して遙かに高い。このため、電気光学装置の電源回路にチャージポンプ回路を用いるとともに、単一の電源電圧を当該チャージポンプ回路により昇圧して、選択電圧を生成する構成が一般的となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チャージポンプ回路を用いて選択電圧を生成するためには、一般に、昇圧倍数に応じた個数のコンデンサが必要となる。上述したように、電気光学装置にあっては、入力電圧に対して出力すべき選択電圧の昇圧倍数が高いので、チャージポンプ回路においてコンデンサは多数必要となる、という欠点がある。
【0005】
ここで、電源回路に用いるコンデンサは、その容量が大きく、一般的に半導体基板上で形成するのが困難であるので、ICチップに集積化されずに外付け部品として実装されるケースがほとんどである。このため、コンデンサが多数必要になれば、装置全体のコスト高を招くだけでなく、実装工程が複雑化して生産効率が低下する、という問題を引き起こすことにもなる。
【0006】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外付け部品として実装される部品数を削減して、実装の簡略化や低コスト化などを図ることが可能な電気光学装置の電源回路、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置、電圧生成回路、および、この電気光学装置を用いた電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に記載の電気光学装置の電源回路は、複数の走査線と複数のデータ線とを交差してなる電気光学装置に対して、前記走査線への選択電圧として用いられる電位を供給する電源回路であって、前記データ線に印加される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、前記電圧生成回路により生成された一方の選択電圧に基づいて蓄電を行う蓄電素子と、前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路とを具備し、前記電圧生成回路は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子がオンすると、第1および第2の入力電位の間において電力を蓄積する一方、前記スイッチング素子がオフすると、蓄積された電力を放出するインダクタとを含み、前記インダクタから放出された電力に基づいて、前記データ線に印加される信号電圧の中間値を基準として正極性および負極性の選択電圧のいずれか一方を生成することを特徴としている。
この発明では、走査線への選択電圧のうち、正極性または負極性のいずれか一方は、電圧生成回路によって、スイッチング素子のオフ時にインダクタから放出される電力に基づいて生成される。このため、一方の選択電圧を、第1および第2の入力電位の電位差よりも大きな電位とすることが比較的容易である。さらに、この発明では、他方の選択電圧は、反転回路によって、電圧生成回路による一方の選択電圧を蓄電した後に極性反転することによって生成される。このため、第1発明では、従来の構成と比較すると、消費電力を大きくすることなく、構成部品、特に、半導体基板への構成が困難であるために外付け部品として実装される蓄電素子等の部品が削減される。したがって、この発明によれば、実装の簡略化や低コスト化などが図られることとなる。なお、本発明における蓄電素子としては、充放電可能な二次電池等も適用可能であるが、部品の小型化等を考慮すると、コンデンサが適当であると考えられる。
また、この発明において、前記電圧生成回路は、さらに、前記インダクタから放出された電力に基づく電圧と、目標電圧との比較結果にしたがって、前記スイッチング素子のオン・オフを制御する回路を備えることが望ましい。このような構成によれば、出力電圧の帰還によりスイッチング素子のオンオフが制御されるので、選択電圧のいずれか一方とともに、これを極性反転させた他方の選択電圧の双方を負荷等によらず安定化させることが可能となる。
なお、前記スイッチング素子は、パルス信号に応じてオン・オフ制御されることが望ましく、パルス幅やパルス間隔を制御することによって発生する電力を調整することができる。
【0008】
また、本発明に記載の電気光学装置の電源回路は、複数の走査線と複数のデータ線とを交差してなる電気光学装置に対して、前記走査線への選択電圧として用いられる電位を供給する電源回路であって、前記データ線に印加される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、前記電圧生成回路により生成された一方の選択電圧に基づいて蓄電を行う蓄電素子と、前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路とを具備し、前記電圧生成回路は、パルス信号を一次側に入力するトランスを含み、前記トランスの二次側出力に基づいて、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成することを特徴としている。
この発明では、走査線への選択電圧のうち、正極性または負極性のいずれか一方は、電圧生成回路におけるトランスによって昇圧された信号に基づいて生成される。このため、電圧の高い一方の選択電圧を、比較的容易に生成することができる。さらに、スイッチング素子のオンオフによる電力の消費が抑えられるので、低消費電力化を図ることも可能となる。また、この発明では、他方の選択電圧は、反転回路によって、電圧生成回路による一方の選択電圧を蓄電した後に極性反転することによって生成されるので、構成部品、特に、半導体基板への構成が困難であるために外付け部品として実装される蓄電素子等の部品が削減される。したがって、この発明によっても、実装の簡略化や低コスト化などが図られることとなる。
ここで、この発明において、前記トランスは、一次側に印加された電圧によって機械的振動を発生する一方、該機械的振動を電圧に変換して二次側から出力する圧電トランスであることが望ましい。このように、トランスとして圧電トランスを用いると、小型化に寄与するとともに、機械的振動の共振周波数を、機械的な固有振動周波数に近づけることで、電圧変換効率を向上させることもできる。また、この発明における電圧生成回路は、さらに、前記トランスの二次側出力に基づく電圧と目標電圧との比較結果にしたがって、前記トランスの一次側への前記パルス信号の供給を制御する回路を備える構成が望ましい。このような構成によれば、出力電圧の帰還によりパルス信号が制御されるので、選択電圧のいずれか一方と、これを極性反転させた他方の選択電圧との双方を負荷等によらず安定化させることが可能となる。また、パルス信号のパルス幅やパルス間隔を制御することによって発生する電力を調整することができる。
【0009】
さて、上記発明において、前記反転回路は、クロック信号に基づいて、電極が接続される先の電圧端子が切替えられる蓄電素子を有することが望ましい。この構成によれば、効率良く蓄電・放電が行われることとなる。
また、上記発明において、前記複数の走査線のうち、一部の走査線からなる第1の領域のみを表示状態とする一方、その他の走査線からなる第2の領域を非表示とする場合に、前記第2の領域に属する走査線が選択されたときには、前記反転回路による極性反転を停止させる、または、その反転頻度を低下させることが望ましい。この構成によれば、表示を行わない場合の走査線が選択されたときには、反転回路による極性反転が禁止され、または、その反転頻度が低下するので、その分、電力が無駄に消費されるのが防止されることとなる。
さて、上記目的を達成するために、本発明は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動回路であって、前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧をそれぞれ生成する電源回路と、前記電源回路により生成された正極性および負極性の選択電圧を、前記走査線の各々に対して所定の順番で印加する走査線駆動回路とを具備し、前記電源回路は、第1および第2の入力電位から、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、前記電圧生成回路により生成された選択電圧に基づいて蓄電を行う蓄電素子と、前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路とを備え、前記電圧生成回路は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子がオンすると、第1および第2の入力電位の間において電力を蓄積する一方、前記スイッチング素子がオフすると、蓄積された電力を放出するインダクタとを含み、前記インダクタから放出された電力に基づいて、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成することを特徴としている。この構成によれば、上記第1発明と同様な理由により、蓄電素子などの部品数が削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などが図ることが可能となる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動回路であって、前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧をそれぞれ生成する電源回路と、前記電源回路により生成された正極性および負極性の選択電圧を、前記走査線の各々に対して所定の順番で印加する走査線駆動回路とを具備し、前記電源回路は、第1および第2の入力電位から、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、前記電圧生成回路により生成された選択電圧に基づいて蓄電を行う蓄電素子と、前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路とを備え、前記電圧生成回路は、パルス信号を一次側に入力するトランスを含み、前記トランスの二次側出力に基づいて、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成することを特徴としている。この構成によれば、上記第2発明と同様な理由により、蓄電素子などの部品数が削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などが図ることが可能となる。
【0010】
一方、上記目的を達成するために、本発明は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、スイッチング素子をオンオフさせるとともに、前記スイッチング素子をオンさせた場合に、第1および第2の入力電位の間において電力をインダクタに蓄積させる一方、前記スイッチング素子をオフさせる場合に、前記インダクタに蓄積させた電力を放出させ、前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として正極性および負極性の選択電圧のいずれか一方を生成し、当該選択電圧に基づいて蓄電させる第1の過程と、前記第1の過程により蓄電させた電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する第2の過程とを備え、
前記第1の過程および前記第2の過程により生成された選択電圧を、前記走査線の各々に対して所定の順番で印加することを特徴としている。この方法によっても、上記第1発明と同様な理由により、蓄電素子などの部品数が削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などを図ることが可能となる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、パルス信号をトランスの一次側に入力させるとともに、前記トランスの二次側出力に基づいて、前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として正極性および負極性の選択電圧のいずれか一方を生成し、当該選択電圧に基づいて蓄電を行う第1の過程と、前記第1の過程により蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する第2の過程とを備え、前記第1の過程および前記第2の過程により生成された選択電圧を、前記走査線の各々に対して所定の順番で印加することを特徴としている。この方法によっても、上記第2発明と同様な理由により、蓄電素子などの部品数が削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などを図ることが可能となる。
くわえて、上記目的を達成するために、本発明は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して画素が設けられた電気光学装置であって、前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧をそれぞれ生成する電源回路と、前記電源回路により生成された正極性および負極性の選択電圧を、前記走査線の各々に対して所定の順番で印加する走査線駆動回路とを具備し、前記電源回路は、第1および第2の入力電位から、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、前記電圧生成回路により生成された選択電圧に基づいて蓄電を行う蓄電素子と、前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路とを備え、前記電圧生成回路は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子がオンすると、第1および第2の入力電位の間において電力を蓄積する一方、前記スイッチング素子がオフすると、蓄積された電力を放出するインダクタとを含み、前記インダクタから放出された電力に基づいて、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成することを特徴としている。この構成によっても、上記第1発明と同様な理由により、蓄電素子などの部品数が削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などを図ることが可能となる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して画素が設けられた電気光学装置であって、前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧をそれぞれ生成する電源回路と、前記電源回路により生成された正極性および負極性の選択電圧を、前記走査線の各々に対して所定の順番で印加する走査線駆動回路とを具備し、前記電源回路は、第1および第2の入力電位から、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、前記電圧生成回路により生成された選択電圧で蓄電を行う蓄電素子と、前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路とを備え、前記電圧生成回路は、パルス信号を一次側に入力するトランスを含み、前記トランスの二次側出力に基づいて、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成することを特徴としている。この構成によっても、蓄電素子などの部品数が削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などを図ることが可能となる。
【0012】
また、本発明の電気光学装置は、複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して画素が設けられた電気光学装置であって、前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧をそれぞれ生成する電源回路を有し、前記電源回路は、パルス信号に応じて駆動されるインダクタあるいはトランスを用いて、第1および第2の入力電位から前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、前記電圧生成回路により生成された選択電圧で蓄電を行う蓄電素子と、前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路とを備え、前記複数の走査線のうち、一部の走査線からなる第1の領域のみを表示状態とする一方、その他の走査線からなる第2の領域を非表示とする場合に、前記第2の領域に属する走査線が選択されたときには、前記反転回路による極性反転を停止させる、または、その反転頻度を低下させることを特徴としている。この構成によっても、上記と同様な理由により、蓄電素子などの部品数が削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などを図ることが可能となる。さらに、この構成によれば、表示を行わない場合の走査線が選択されたときには、反転回路による極性反転が禁止され、または、その反転頻度が低下するので、その分、電力が無駄に消費されるのが防止されることとなる。
【0013】
さらに、上記目的を達成するために本発明に係る電子機器は、上記電気光学装置を表示部に用いることを特徴としている。したがって、この電子機器によれば、外付け部品数が削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などが図られることとなる。
【0014】
なお、本発明において、上記したインダクタや圧電トランスは、液晶パネルの基板上、または液晶パネルの基板に一端側端子が接続されたフレキシブル基板上、あるいはこのフレキシブル基板の他方側端子に接続されたプリント基板上に配置される。従来は、この基板上に電源回路のコンデンサが多数個実装されていたが、本発明により、基板上に実装する部品点数は大幅に削減され、装置を小型化することができる。
【0025】
また、本発明に記載の電子機器は、本発明に記載の電気光学装置を含むことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0027】
<第1実施形態>
まず、本発明の実施形態に係る電源回路を説明する前に、この電源回路が適用される電気光学装置について説明する。図1は、この電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【0028】
この図に示されるように、パネル100には、複数本のデータ線(セグメント電極)212が列(Y)方向に延在して形成される一方、複数本の走査線(コモン電極)312が行(X)方向に延在して形成されるとともに、データ線212と走査線312との各交点に対応して画素116が形成されている。さらに、各画素116は、電気光学材料(液晶層)118と、二端子型スイッチング素子の一例である薄膜ダイオード(Thin Film Diode:以下、単にTFDと称する)220との直列接続からなる。なお、説明の便宜上、走査線312の総数を240本とし、データ線212の総数を320本として、240行×320列のマトリクス型表示装置として説明するが、これに限定する趣旨ではない。
【0029】
次に、パネル100の構造について簡単に説明する。図2は、その構造を示す部分破断斜視図である。この図に示されるように、パネル100は、素子基板200と、これに対向配置される対向基板300とを備えている。このうち、素子基板200の対向面には、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電体、あるいは、Al合金、Ag合金などの反射性の金属からなる画素電極234がX方向およびY方向にマトリクス状に配列しており、このうち、同一列に配列する240個の画素電極234が、Y方向に延在するデータ線212の1本に、それぞれTFD220を介して接続されている。ここで、TFD220は、基板側からみると、タンタル単体やタンタル合金などから形成され、データ線212とは枝分かれした第1の導電体222と、この第1の導電体222を陽極酸化してなる絶縁体224と、クロム等などの第2の導電体226とから構成されて、導電体/絶縁体/導電体のサンドイッチ構造を採る。このため、TFD220は、電流−電圧特性が正負双方向にわたって非線形となるダイオードスイッチング特性を有することになる。
【0030】
一方、対向基板300の対向面には、走査線312がX方向に延在し、かつ、画素電極234と対向するように形成されている。そして、このように構成された素子基板200と対向基板300とは、シール材およびスペーサ(ともに図示省略)によって、一定の間隙を保っており、この閉空間に、電気光学材料として例えばTN(Twisted Nematic)型や、強誘電型などの双安定型、高分子分散型、ねじれの無い垂直配向型、水平配向型などの液晶105が封入されて、これにより、図1における液晶層118が形成されることとなる。すなわち、液晶層118は、データ線212と走査線312との交点において、電極たる走査線312と、画素電極234と、両者の電極間に挟持される液晶105とで構成されることになる。
【0031】
さて、説明を再び図1に戻すと、走査線駆動回路350は、各走査線312毎に、電源回路400により生成された電圧を所定の順番で選択して走査信号Y1〜Y240を供給するものである。また、データ線駆動回路250は、選択された走査線312と交差する画素の表示内容と、当該走査線312に印加される選択電圧の極性とに応じて、各データ線212毎に、電源回路400により生成された電圧を選択してデータ信号X1〜X320を供給するものである。
【0032】
ここで、図1において上から数えてj(jは、1≦j≦240を満たす整数)番目の走査線312に印加される走査信号Yjと、図1において左から数えてi(iは、1≦i≦320を満たす整数)番目のデータ線212に印加されるデータ信号Xiとの波形例を図3に示す。
【0033】
この図において、電圧VSP、VSNはそれぞれ選択電圧であり、電圧VHP、VHNはそれぞれ非選択電圧である。また、非選択電圧VHP、VHNは、データ信号の高電位側、低電位側電圧としてもそれぞれ共用されている。そして、選択電圧VSP、VSNは、データ信号の高電位側、低電位側電圧の中間電圧VCを基準にして対称となっている。このようにデータ信号の中間電圧VCを基準として、選択電圧VSP、VSNに対称性を持たせるのは、液晶層118を交流駆動するための前提である。なお、TFD220において、印加電圧の極性に対する電流−電圧特性の非対称性があって、それを補償するために、データ信号の中間電圧VCに対して、選択電圧VSP、VSNを非対称にする場合もあるが、極性については、以下、中間電圧VCを基準に規定して、高電位側となる電圧を正極性、低電位側となる電圧を負極性と呼ぶこととする。
【0034】
さて、走査信号Yjは、図3に示されるように、第1に、当該走査線312が選択される1水平走査期間(1H)を2分割した後半期間(1/2H)において、選択電圧VSPとなり、この後、第2に、非選択電圧VHPとなり、第3に、選択電圧VSPが印加されてから1垂直走査期間(1F)経過して、当該走査線312が再び選択されると、その水平走査期間の後半期間(1/2H)において、今度は、選択電圧VSNとなり、この後、第4に、非選択電圧VHNとなる、というサイクルの繰り返し信号である。なお、このような走査信号は、すべての走査線312に対して、1垂直走査期間(1F)において、走査線312が1本ずつ1水平走査期間(1H)順次シフトして選択される関係となる。
【0035】
また、データ信号Xiは、走査信号Yjに対応して、次の通りとなる。すなわち、i番目のデータ線212とj番目の走査線312との交点位置に対応する画素116の表示内容がオン表示(ノーマリーホワイトモードにおける黒表示またはノーマリーブラックモードにおける白表示)である場合であって、かつ、j番目の走査線312が選択される水平走査期間の後半期間に、当該走査線312に印加される選択電圧が正極性である場合、データ信号Xiは、図3(a)に示されるように、当該水平走査期間(1H)の前半期間においては高電位側の電圧VHPとなり、その後半期間においては、印加される選択電圧とは逆極性の低電位側の電圧VHNとなる一方、同表示を行う場合であって、かつ、j番目の走査線312が選択される水平走査期間の後半期間に、当該走査線312に印加される選択電圧が負極性である場合、データ信号Xiは、同図に示されるように、当該水平走査期間(1H)の前半期間においては低電位側の電圧VHNとなり、その後半期間においては、印加される選択電圧とは逆極性の高電位側の電圧VHPとなる。
【0036】
また、i番目のデータ線212とj番目の走査線312との交点位置に対応する画素の表示内容がオフ表示(ノーマリーホワイトモードにおける白表示またはノーマリーブラックモードにおける黒表示)である場合であって、かつ、j番目の走査線312が選択される水平走査期間の後半期間に、当該走査線312に印加される選択電圧が正極性である場合、データ信号Xiは、図3(c)に示されるように、当該水平走査期間(1H)の前半期間においては低電位側の電圧VHNとなり、その後半期間においては、印加される選択電圧とは同極性の高電位側の電圧VHPとなる一方、同表示を行う場合であって、かつ、j番目の走査線312が選択される水平走査期間の後半期間に、当該走査線312に印加される選択電圧が負極性である場合、データ信号Xiは、同図に示されるように、当該水平走査期間(1H)の前半期間において高電位側の電圧VHPとなり、その後半期間においては、印加される選択電圧とは同極性の低電位側の電圧VHNとなる。
【0037】
なお、パルス幅変調によって、両者の中間表示を行う場合には、同図(b)に示されるような波形となる。また、同図において、破線領域は、i番目の走査線312以外の走査線312と交差する画素の表示内容、および、その選択期間の後半期間において印加される走査信号の極性に依存して、データ信号Xiの電圧が定められることを意味する。
【0038】
このように走査信号Yjに対し、選択電圧を、1水平走査期間ではなく、半分の1/2の水平走査期間(1/2H)で印加するとともに、この2つの期間に分けてデータ信号Xiを印加すると、1水平走査期間(1H)において、データ信号Xiが高電位側電圧VHPと低電位側電圧VHNとなる期間が半分ずつとなる。このため、非選択期間において、TFD220には、表示内容によらず一定の電圧が印加される結果、非選択期間でのTFD220でのオフリーク量が一定となるので、いわゆるクロストークの発生が防止されることとなる。
【0039】
なお、図1および図2において、走査線とデータ線とを入れ替えて構成するこもでき、その場合は図2における符号312がデータ線、符号212が走査線となり、その結果、図1における液晶層118とTFD220の接続関係が入れ替わることになるが、これでも駆動上は問題無い。
【0040】
さて、本発明は、駆動波形自体を問題とするものではないので、これ以上の言及は避けることとするが、ここで、明示する必要があるのは、走査線駆動回路350は、電源回路400により生成された電圧を用いて、各走査線312に走査信号Y1〜Y240をそれぞれ供給する一方、データ線駆動回路250は、同じく電源回路400により生成された電圧を用いて、各データ線212にデータ信号X1〜X320をそれぞれ供給する点にある。また、電気光学装置として考えた場合、制御信号やクロック信号等を供給して、走査線駆動回路350やデータ線駆動回路250を制御する構成も必要であるが、このような構成についても本発明とは直接関係しないので、図1においては省略することする。
【0041】
<電源回路>
次に、本発明の第1の実施形態に係る電源回路であって、上述した電気光学装置に適用される電源回路について説明する。図4は、この電源回路400の概略構成を示すブロック図である。この電源回路400は、単一電源410によるVcc−GNDから選択電圧VSP、VSNを生成するとともに、電圧Vccおよび接地電位GNDを、そのまま非選択電圧VHP、VHNとして供給するものである。
【0042】
なお、上述したように、非選択電圧VHP、VHNは、それぞれデータ信号の高電位側、低電位側電圧としても共用される。このため、極性の基準となる中間電圧VCは、電圧Vcc(VHP)と接地電位GND(VHN)との中間値となるのでVcc/2となるが、本実施形態では、この電圧を実際に生成することはなく、あくまでも仮想的な電圧を意味する。
【0043】
さて、図4において、電圧生成回路420は、電圧Vcc(第1の入力電位)と接地電位GND(第2の入力電位)との電位差を用い、正極性の選択電圧VSPを生成して、供給線p1を介して出力するものである。次に、反転回路430は、互いに連動するスイッチSW1、SW2とを備えて、次のように構成されている。すなわち、スイッチSW1の選択端子aは、正極性の選択電圧VSPの供給線p1に接続され、同選択端子bは電圧Vccの供給線に接続され、さらに、同被選択端子cはコンデンサCpの一方の端子に接続されている。また、スイッチSW2の選択端子aは電位GNDに接地され、同選択端子bは供給線n1に接続され、さらに、同被選択端子cはコンデンサCpの他方の端子に接続されている。このようなスイッチは、単一又は複数のトランジスタ等のスイッチング素子により構成される。
【0044】
また、発振回路440は、電圧生成回路420に対して、後述するクロック信号CK1(またはCK2)を供給するとともに、反転回路430に対し、スイッチSW1、SW2のスイッチングを制御するための信号/A、Bを供給するものである。なお、以下の説明において、信号に付される「/」は、反転信号を意味する。
【0045】
くわえて、接地電位GNDと供給線n1との間においては、コンデンサCb2が介挿されている。
【0046】
このような構成の電源回路400では、まず、電圧生成回路420が、正極性の選択電圧VSPを生成して出力する。この際、反転回路430では、発振回路440の信号/A、Bによって、スイッチSW1、SW2の端子a、bがそれぞれ交互に切り替えられる。ここで、スイッチSW1、SW2の端子aがそれぞれ選択されていると、コンデンサCpは、図5において▲1▼で示されるように、選択電圧VSPを高電位側とし、接地電位GNDを低電位側として接続されて充電される。
【0047】
次に、スイッチSW1、SW2の端子bがそれぞれ選択されると、コンデンサCpにおける高電位側が電圧Vccになるので、図5において▲2▼で示されるように、低電位側の電位は、端子aの選択時における接地電位GNDから、高電位側の変動分(VSP−Vcc)だけ引き下げられる。したがって、コンデンサCpの低電位側に接続された供給線n1の電位は、中間電圧VCを基準にして正極性の選択電圧VSPを反転させた電圧、すなわち、負極性の選択電圧VSNとなる。
【0048】
そして、再び、スイッチSW1、SW2の端子aがそれぞれ選択されて、コンデンサCpが、選択電圧VSPを高電位側とし、接地電位GNDを低電位側として接続されて充電され、以後、同様な動作が繰り返し実行されることとなる。
【0049】
なお、スイッチSW1、SW2の端子aがそれぞれ選択されている期間においても、供給線n1の電位は、コンデンサCb2によって負極性の選択電圧VSNに保持されることとなる。
【0050】
次に、電源回路400における各部の詳細について説明することとする。
【0051】
<電圧生成回路>
まず、電圧生成回路420について説明する。なお、実施形態に係る電源回路400に適用可能な電圧生成回路420としては、種々のものが考えられるが、ここでは、電気光学装置に適用する際に適当なものとして想定される2つの態様を挙げて説明することとする。
【0052】
<電圧生成回路:その1>
そこでまず、電圧生成回路420の第1の態様について説明する。図6は、この第1の態様に係る電圧生成回路の構成を示す回路図である。この図に示される電圧生成回路420は、インダクタ(コイル)Lを用いて、電圧Vccを昇圧するスイッチング・レギュレータである。
【0053】
図6において、ラッチ回路422は、発振回路440から供給されるクロック信号CK1の立ち上がりにおいて、入力端Dに供給される信号Vcpをラッチし、出力端Qから信号Vrcpとして出力するものである。論理積(AND)回路424は、信号Vrcpとクロック信号CK1との論理積たるパルス信号Vgを出力するものである。このため、AND回路424は、ラッチ回路422による信号Vrcpにしたがって、クロック信号CK1を出力することになる。ここで、クロック信号CK1は、例えば、図7に示されるように、パルス幅が0.5μs程度であって、周波数が数百kHz程度のパルス信号である。
【0054】
次に、AND回路424から出力されるパルス信号Vgは、本発明におけるスイッチの一態様たるNチャネル型トランジスタ426のゲートに供給されている。ここで、トランジスタ426のソースは電位GNDに接地される一方、そのドレインは、一端が電圧Vccの供給線に接続されたインダクタLの他端に接続されている。さらに、インダクタLの他端は、ダイオードD1を介し、一端が電位GNDに接地されたコンデンサCb1の他端OUTに接続されて、この他端OUTに現れる電圧が、正極性の選択電圧VSPとして出力される構成となっている。
【0055】
さて、コンデンサCb1の他端OUTは、抵抗R1、R2を介して電位GNDに接地されている。ここで、説明の便宜上、抵抗R1、R2の接続点における電圧、すなわち、選択電圧VSPを抵抗R1、R2によって分圧した電圧をVSP'とすると、この電圧VSP'は、コンパレータ428の負入力端に供給されている。一方、コンパレータ428の正入力端には、基準電圧Vrefが供給されている。このため、コンパレータ428の出力信号Vcpは、電圧VSP'が基準電圧Vrefを下回るとHレベルになる一方、電圧VSP'が基準電圧Vrefを上回るとLレベルになる。そして、この出力信号Vcpがラッチ回路422の入力端Dに帰還されている。なお、基準電圧Vrefは、後述するように固定的でなく、温度等の環境や設定などに応じて可変される電圧である。
【0056】
次に、電圧生成回路420の動作について説明する。まず、スイッチング素子であるトランジスタ426がオンすると、インダクタLには、電圧Vccから接地方向にオン電流ionが流れるので、エネルギーが蓄積されることとなる。一方、トランジスタ426がオフすると、オフ電流ioffが流れるので、トランジスタ426のオン期間に蓄積されたエネルギーは、ダイオードD1の順方向を介し、かつ、電圧Vccに対して直列に加算されてコンデンサCb1に移動することとなる。また、インダクタLに蓄積されたエネルギ−が全てコンデンサCb1に移動すると、ダイオードD1は逆バイアスとなるので、コンデンサCb1の他端OUTに現れる選択電圧VSPが電圧Vcc側に逆流しない。このため、選択電圧VSPは、トランジスタ426のオンオフ毎に、上昇することとなる。
【0057】
しかし、実際には、コンデンサCb1の充電電圧は、液晶表示装置の走査線等の抵抗や容量からなる負荷への放電にしたがって減衰する。ここで、選択電圧VSPが低下し、これを抵抗R1、R2で分圧した電圧VSP'が、図7に示されるように、基準電圧Vrefよりも下回った場合、コンパレータ428の出力信号Vcpは、Hレベルに遷移する。これに伴って、ラッチ回路422による信号Vrcpは、信号VcpがHレベルに遷移した直後のクロック信号CK1の立ち上がりにおいてHレベルに遷移するので、AND回路424が開く。このため、クロック信号CK1がAND回路424から出力されるパルス信号Vgとして出力される。したがって、電圧VSP'が基準電圧Vrefよりも下回ると、トランジスタ426が少なくとも1回以上オンオフするので、選択電圧VSPが上昇することとなる。すなわち、電圧VSP'が基準電圧Vrefよりも下回った場合には、選択電圧VSPを上昇させる方向への制御が人為的に行われることとなる。
【0058】
一方、選択電圧VSPが高くなって、電圧VSP'が基準電圧Vrefよりも上回った場合、コンパレータ428の出力信号Vcpは、Lレベルに遷移する。これに伴って、信号Vrcpは、信号VcpがLレベルに遷移した直後のクロック信号CK1の立ち上がりにおいてLレベルに遷移するので、AND回路424が閉じる。このため、クロック信号CK1がトランジスタ426のゲートに供給されないので、選択電圧VSPは、コンデンサCb1の放電によって徐々に低下することとなる。すなわち、電圧VSP'が基準電圧Vrefよりも上回った場合には、選択電圧VSPを低下させる方向への制御が自然発生的に行われることとなる。
【0059】
したがって、全体でみれば、電圧VSP'は、両方向への制御が均衡する地点、すなわち、基準電圧Vref付近で安定化することとなる。ここで、電圧VSP'は、選択電圧VSPを抵抗R1、R2によって分圧した電圧であるから、VSP'=VSP・R2/(R1+R2)が成立し、これが基準電圧Vrefで安定化するので、結局、この電源回路420によって生成される正極性の選択電圧VSPは、Vref(R1+R2)/R2で安定化することになる。
【0060】
なお、VSPを安定化させるためには、抵抗R1、R2の抵抗値を高くしておく必要があり、半導体IC内に形成される多結晶シリコン配線層を抵抗に用いることによって実現することができる。また、図7において電圧VSP'の縦スケールは、説明のために他の信号と比較して拡大してある。逆に言えば、コンパレータ428は、電圧Vccを電源として動作するために、その入力である電圧VSP'および基準電圧Vrefも、実際には、GND以上かつVcc以下となるように設定されている。
【0061】
<電圧生成回路:その2>
次に、電圧生成回路420の第2の態様について説明する。図8は、この第2態様に係る電圧生成回路の構成を示す回路図である。この図に示される電圧生成回路420は、圧電トランス427を用いて、電圧Vccを昇圧するタイプである。このため、図6におけるトランジスタ426およびインダクタLが、圧電トランス427に置換されるとともに、この二次側出力のうち、電位GND以上の部分が、ダイオードD3、D4によって半波整流されて、コンデンサCb1に充電される構成となっている。また、圧電トランス427を用いたこととの関係上、第1の態様におけるクロック信号CK1が用いられずに、クロック信号CK2が、詳細には、図9に示されるように、デューティ比が約50%であって、周波数が百kHz程度のパルス信号が替わりに用いられる。なお、他の部分ついては、図6に示された第1態様と同様であるので、その説明を省略することとする。
【0062】
さて、圧電トランス427は、一次側電極および二次側電極でそれぞれ誘電体を挟持するものであり、一次側では、印加されるパルス信号Vgによって誘電体が伸長・圧縮し、これにより機械的な振動が発生する一方、二次側では、該振動により誘電分極が生じて、これにより昇圧された電圧が二次側出力として取り出される構成となっている。なお、圧電トランス427における共通電極は接地GNDに接続されている。
【0063】
ここで、クロック信号CK2のデューティ比を約50%とするのは、圧電トランス427を用いて昇圧する関係上、対称性を有する波形が変換効率の面において有効であるからである。また、クロック信号CK2の周波数を百kHz程度とするのは、圧電トランス427における誘電体の固有周波数が、百kHz程度であるからである。すなわち、クロック信号CK2の周波数を、圧電トランス427における誘電体の固有周波数近傍に設定すると、電圧の変換効率が向上するというメリットがあるからである。
【0064】
さて、この第2の態様に係る電圧生成回路420の動作は、次に説明するように、図6に示される第1の態様とほぼ同じとなる。すなわち、選択電圧VSPが低下して、その分圧電圧VSP'が基準電圧Vrefを下回ると、図9に示されるように、コンパレータ428の出力信号VcpがHレベルに遷移して、これがラッチ回路422によってクロック信号CK2の立ち上がりにおいて取り込まれる結果、AND回路424が開いて、パルス信号Vgとしてクロック信号CK2が圧電トランス427に供給される。このため、クロック信号CK2が圧電トランス427によって昇圧された後、ダイオードD3、D4によって整流されて、これがコンデンサCb1において充電されるので、選択電圧VSPが上昇する制御が行われることとなる。
【0065】
一方、選択電圧VSPが上昇して、その分圧電圧VSP'が基準電圧Vrefを上回ると、図9に示されるように、コンパレータ428の出力信号VcpがLレベルに遷移して、これがラッチ回路422によってクロック信号CK2の立ち上がりにおいて取り込まれる結果、AND回路424が閉じるので、クロック信号CK2は圧電トランス427に供給されない。このため、コンデンサCb1の充電電圧は、負荷への放電にしたがって減衰するので、選択電圧VSPを低下させる方向への制御が行われることとなる。
【0066】
したがって、第2の態様に係る電圧生成回路420では、図6に示される第1の態様と同様に、正側の選択電圧VSPが、Vref(R1+R2)/R2で安定化することになる。なお、図9においても電圧VSP'の縦スケールは、第1の態様と同様な理由により他の信号と比較して拡大してある。
【0067】
また、この第2の態様では、圧電トランス427の替わりに、巻線コイルを用いた通常のトランスを用いることも可能である。ただし、通常のトランスは、構成部品として見た場合、そのサイズがどうしても大きくなる傾向にあるので、上述した圧電トランス427を用いた構成の方が、回路規模のコンパクト化する点からみれば有利である。
【0068】
なお、図8において、圧電トランス427における共通電極や、ダイオードD3のカソードは、電位GNDに接地される構成となっているが、電圧Vccの供給線に接続される構成でも良い。また、図6または図8において、コンデンサCb1の一端は電位GNDに接地されているが、電圧Vccの供給線に接続される構成としても良い。この構成の方が、コンデンサCb1に要求される耐圧が小さくて済む。
【0069】
<電圧生成回路における基準電圧Vref>
ところで、電気光学材料の特性は、一般に、温度によって変化する。また、ユーザの嗜好や用途などに対応するために、電気光学装置には、通常、表示特性等を調節する機構が設けられる。一方、選択電圧VSP(および極性反転される選択電圧VSN)は、電気光学装置における表示特性を規定する電圧でもある。このため、選択電圧VSPを、環境や設定などに応じて、補償・調節する構成が必要となる。
【0070】
このような構成としては、第1に、図6または図8に示される電圧生成回路420において、固定的な基準電圧Vrefを基準にして選択電圧を生成し、第2に、生成された選択電圧を、抵抗分割やトランジスタなどにより降下調節して、所望の選択電圧を間接的に得る構成が考えられる。しかしながら、この構成では、生成された選択電圧から調節された電圧までの降下分は損失となるので、低消費電力化が要求される電気光学装置では望ましくない。
【0071】
そこで、基準電圧Vrefを、環境や設定などの変化に対応して適宜可変して、所望する選択電圧を直接的に生成する構成が望ましいと考える。一般的には、基準電圧発生回路内において、温度変化に応じて抵抗値が変化する温度特性を有する抵抗を基準電圧発生源回路に直列的及び/又は並列的に接続し、基準電圧を温度に応じて変化させることが好ましい。この温度−基準電圧の特性の変化は、液晶表示装置における温度−透過率の特性変化カーブを、基準電圧として供給する電圧の変化で補償するように設定すればよい。
【0072】
また、このような構成の例としては、この他に、例えば、図10(a)に示されるように、温度センサ4202によって検出された温度を、温度−電圧テーブル4204によって電圧に変換して、これを基準電圧Vrefとして用いる構成が考えられる。また、同図(b)に示されるように、コントラスト設定部4206において設定された電圧、すなわち、コントラストに対応して出力される電圧を、基準電圧Vrefとして用いる構成、さらには、同図(c)に示されるように、同図(a)および(b)においてそれぞれ出力される電圧に対して、係数kに応じて重み付けして、この電圧を基準電圧Vrefとして用いる構成などが考えられる。
【0073】
<反転回路>
次に、反転回路430について説明する。図11(a)は、電源回路400の反転回路430について、具体的な構成例を示す回路図である。この図に示されるように、反転回路430のスイッチSW1は、その端子aおよび端子b間において、ゲートに信号/Aを入力するPチャネル型トランジスタTp1と、ゲートに信号Bを入力するNチャネル型トランジスタTn1とが直列接続されるとともに、その接続点が端子cとして構成されている。同様に、スイッチSW2は、その端子aおよび端子b間において、ゲートに信号/Aを入力するPチャネル型トランジスタTp2と、ゲートに信号Bを入力するNチャネル型トランジスタTn2とが直列接続されるとともに、その接続点が端子cとして構成されている。そして、トランジスタをスイッチング素子として用いたスイッチSW1、SW2の端子c間においてコンデンサCpが接続された構成となっている。
【0074】
したがって、このような構成では、信号/A、BがともにLレベルになると、トランジスタTp1、Tp2がオンし、トランジスタTn1、Tn2がオフするので、スイッチSW1、SW2においてそれぞれ端子aが選択される一方、信号/A、BがともにHレベルになると、トランジスタTp1、Tp2がオフし、トランジスタTn1、Tn2がオンするので、スイッチSW1、SW2においてそれぞれ端子bが選択されることとなる。
【0075】
なお、図11(a)にあっては、スイッチSW1、SW2をそれぞれトランジスタで構成することとしたが、例えば、同図(b)に示されるように、スイッチSW2をダイオードD11、D12に置き換えた構成としても良い。ただし、この構成では、ダイオードD11、D12において順方向に発生する電圧降下の分だけ、コンデンサCpの充電電圧が低下する、という欠点はある。なお、スイッチSW1を、ダイオードD11、D12に置き換えた構成としても良いのはもちろんである。
【0076】
また、図11における各トランジスタは、単チャネル型トランジスタであるが、これをPチャネルとNチャネルの相補型トランジスタ(両トランジスタを一緒にオンオフ制御)によるトランスミッションゲート構成としても構わない。
【0077】
<発振回路>
次に、トランジスタTp1、Tp2、Tn1およびTn2の各ゲートに供給される信号/A、Bとともに、電圧生成回路420に供給されるクロック信号CK1(CK2)を生成する発振回路440の構成について説明する。図12は、この発振回路440の構成を示すブロック図である。この図において、源振回路442は、デューティ比約50%のクロック信号CK2を発振・生成するものである。ここで、源振回路442の具体的構成としては、例えば、図13(a)に示されるように、3段直列インバータの正転出力を、コンデンサを介して入力端▲1▼に帰還して発振させるCR発振回路や、同図(b)に示されるようにインバータの出力端から入力端▲1▼への帰還経路に水晶振動子を介挿させた水晶発振回路などが用いられる。
【0078】
なお、同図(a)または(b)に示される発振回路442の発振についてオンオフ制御する場合には、同図(a)の初段のインバータや、同図(b)のインバータを同図(c)に示されるようなNAND回路に置換する構成とすれば良い。この構成において、NAND回路の一方の入力端には、置換前におけるインバータの入力端▲1▼と同じ帰還信号が供給され、他方の入力端には、発振をオンさせる場合にはHレベル、発振をオフさせる場合にはLレベルとなる制御信号ONが供給される。なお、この制御信号ONは、実際には、パネル100を制御する制御回路(図示省略)によって供給されるものであり、パネル100において長時間表示を行わない場合には、Lレベルになる信号である。この場合、電源回路400においては、クロック信号の供給が停止されるので、それだけ低消費電力化が図られることとなる。
【0079】
さて、説明を図12に戻すと、上述した第2の態様に係る電圧生成回路(図8参照)に対しては、源振回路442によるクロック信号CK2が、そのまま供給されるが、上述した第1の態様に係る電圧生成回路を用いる場合には、デューティ比約50%のクロック信号CK2が、整形回路443によって波形整形されて、これがクロック信号CK1として供給される構成となっている。
【0080】
なお、実際には、第1の態様に係る電圧生成回路を用いる場合には、図13(b)に示される発振回路によって、周波数が1MHz程度のクロック信号(したがって、パルス幅は0.5μs)を生成し、これを整形回路443によって適当に間引きすることによって、周波数が数百kHz程度のクロック信号CK1を生成するか、または発振回路によって、周波数が数百kHz程度のクロック信号を生成し、微分回路を通過させることによって、パルス幅0.5μs、周波数百kHzのクロック信号CK1を生成する。後者では、発振回路の周波数が下がった分、消費電力が低く抑えられる利点がある。また、第2の態様に係る電圧生成回路を用いる場合には、図13(a)に示される発振回路によって、周波数が100kHz程度のクロック信号を生成し、これをそのままクロック信号CK2として供給する構成となる。したがって、第2の態様では、整形回路443は不要となる。
【0081】
次に、図12において、分周回路444は、クロック信号CK2を分周して、周波数10kHz程度のクロック信号CKを出力するものであり、クロック形成回路446は、クロック信号CKから、低論理振幅の信号/A、Bを生成するものである。ここで、クロック形成回路446は、クロック信号CKから、例えば、図14に示されるような低論理振幅の信号/A、Bを生成する。すなわち、クロック形成回路446は、第1に、クロック信号CKを反転させた信号であって、立ち上がりを遅延させた信号A、および、立ち下がりを遅延させた信号/Bをそれぞれ生成し、第2に、これら信号A、/Bをそれぞれ反転させて、信号/A、Bを生成する。
【0082】
なお、クロック形成回路446までは電源410が用いられるので、その出力振幅は、接地電位GNDから電圧Vccまでに制限される。一方、反転回路430において、スイッチSW1、SW2を構成するトランジスタTp1、Tp2、Tn1、Tn2は、それよりも遙かに高い電圧間でスイッチングする。このため、クロック形成回路446による低論理振幅の信号/A、Bは、レベルシフタ448によって高論理振幅の信号にそれぞれ変換される。そして、振幅変換された信号/Aが、トランジスタTp1、Tp2のゲート信号として、同じく振幅変換された信号Bが、トランジスタTn1、Tn2のゲート信号として、それぞれ反転回路430に供給される。
【0083】
ここで、図14に示されるように、信号/AがLレベルになる期間と、信号BがHレベルになる期間とは、互いに重複しないように設定されているので、トランジスタTp1、Tp2と、トランジスタTn1、Tn2とは、互いに排他的ににオンすることになる。このため、4つのトランジスタが同時にオンすることによるコンデンサCpのリークが防止されつつ、スイッチSW1、SW2において、それぞれ端子a、bが交互に選択されることとなる。
【0084】
このように第1実施形態に係る電源回路400において、電圧生成回路420として、第1の態様(図6参照)を採用すると、外付けする必要がある部品は、インダクタLおよびコンデンサCb1だけで済み、また、第2の態様(図8参照)を採用すると、圧電トランス427およびコンデンサCb1だけで済む。ほかに必要なのは、極性反転の際に用いるコンデンサCpと、負極性の選択電圧VSNを保持するためのコンデンサCb2とだけである。このため、本実施形態に係る電源回路400によれば、単一の電源電圧Vccをチャージポンプ回路により昇圧して、選択電圧を生成する従来の構成と比較して、外付けしなければならない部品数が大幅に削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などが図ることが可能となる。
【0085】
さらに、第1実施形態に係る電源回路400では、第1に、正極性の選択電圧VSPが電圧生成回路420によって生成されるとともに、スイッチSW1、SW2において端子aが選択されて、コンデンサCpに充電され、第2に、端子bが選択されて、これにより、選択電圧VSPが中間電圧VCを基準にして極性反転されて、負極性の選択電圧VSNが生成される。このため、正極性の選択電圧VSPおよび負極性の選択電圧VSNを、中間電圧VCを基準にして対称的に生成することが比較的容易となる上に、電気光学材料の充放電電流による熱損失が防止されるので、一段と低消費電力化が図られることとなる。
【0086】
<第1実施形態の変形>
上述した反転回路430は、スイッチSW1の選択端子bを電圧Vccの供給線に接続するととともに、スイッチSW2の選択端子aを電位GNDに接地する構成としたが、これに限られない。例えば、図15に示されるように、スイッチSW1の選択端子bを電位GNDに接地するとともに、スイッチSW2の選択端子aを電圧Vccの供給線に接続する構成としても良い。この構成において、スイッチSW1、SW2の端子aがそれぞれ選択されると、コンデンサCpは、図16において▲1▼で示されるように、選択電圧VSPを高電位側とし、電圧Vccを低電位側として接続されて充電される。次に、スイッチSW1、SW2の端子bがそれぞれ選択されると、図16において▲2▼で示されるように、コンデンサCpにおける高電位側が接地電位GNDになるので、低電位側の信号線n1の電位は、端子aの選択時における電圧Vccから、高電位側の変動分(VSP−GND)だけ引き下げられる結果、第1実施形態と同様に、正極性の選択電圧VSPを、中間電圧VCを基準に反転させた負極性の選択電圧VSNとなる。なお、図15においては、簡略化のため発振回路440を省略している。この点においては、以下の図17、図19および図23においても同様である。
【0087】
また、電圧生成回路420は、正極性の選択電圧VSPを生成する構成としたが、図17に示されるように、負極性の選択電圧VSNを生成する構成としても良い。この構成において、スイッチSW1、SW2の端子bがそれぞれ選択されると、コンデンサCpは、図18において▲1▼で示されるように、電圧Vccを高電位とし、負極性の選択電圧VSNを低電位として接続されて充電される。次に、スイッチSW1、SW2の端子aがそれぞれ選択されると、図18において▲2▼で示されるように、コンデンサCpにおける低電位側が接地電位GNDになるので、高電位側の信号線p1の電位は、端子bの選択時における電圧Vccから、低電位側の変動分(GND−VSN)だけ引き上げられる結果、負極性の選択電圧VSNを、中間電圧VCを基準に反転させた正極性の選択電圧VSPとなる。
【0088】
さらに、電圧生成回路420が負極性の選択電圧VSNを生成する構成において、図19に示されるように、スイッチSW1の選択端子bを電位GNDに接地するとともに、スイッチSW2の選択端子aを電圧Vccの供給線に接続する構成としても良い。この構成において、スイッチSW1、SW2の端子bがそれぞれ選択されると、コンデンサCpは、図20において▲1▼で示されるように、接地電位GNDを高電位とし、負極性の選択電圧VSNを低電位として接続されて充電される。次に、スイッチSW1、SW2の端子aがそれぞれ選択されると、図20において▲2▼で示されるように、コンデンサCpにおける低電位側が電圧Vccになるので、高電位側の信号線p1の電位は、端子bの選択時における接地電位GNDから、低電位側の変動分(Vcc−VSN)だけ引き上げられる結果、同様に、負極性の選択電圧VSNを、中間電圧VCを基準に反転させた正極性の選択電圧VSPとなる。
【0089】
ここで、図17および図19において、負極性の選択電圧VSNを生成する電圧生成回路420としては、例えば、第1の態様に係るものであれば、図21に示されるものとなる。すなわち、図21に示される電圧生成回路420は、図6に示される構成に対し、極性反転に伴って、第1に、電圧Vccが接地電位GNDに、接地電位GNDが電圧Vccにそれぞれ置き換わり、第2に、ダイオードD1の順方向が反対となり、第3に、コンパレータ428における正入力端および負入力端に供給される信号が反対となり、第4に、トランジスタ426がPチャネル型となり、第5に、論理積回路424はNAND回路に置き換わっている。そして、この構成では、トランジスタ426のオン期間にインダクタLに蓄積されたエネルギーが、トランジスタ426のオフ期間に逆極性で取り出されて、コンデンサCb1に蓄積(厳密に言えば、放電)されることとなる。なお、出力たる選択電圧VSNを分圧した電圧VSN'と基準電圧Vrefとの比較結果にしたがって、トランジスタ426のオンオフを帰還制御する点については図6と同様である。このため、負極の選択電圧VSNが高いと(絶対値が小さいと)、クロック信号CK1の反転信号がトランジスタ426に供給されるので、選択電圧VSNを降下させる(絶対値を大きくする)制御が人為的に行われる一方、負極の選択電圧VSNが低い(絶対値を大きいと)と、クロック信号CK1の反転信号がトランジスタ426に供給されないので、選択電圧VSNを上昇させる(絶対値を小さくする)制御が自然発生的に行われることとなる。
【0090】
一方、負極性の選択電圧VSNを生成する電圧生成回路420としては、第2の態様に係るものであれば、図22に示されるものとなる。すなわち、図22に示される電圧生成回路420は、図8に示される構成に対し、極性反転に伴って、第1に、電圧Vccが接地電位GNDに、接地電位GNDが電圧Vccにそれぞれ置き換わり、第2に、ダイオードD3、D4の順方向が反対となり、第3に、コンパレータ428における正入力端および負入力端に供給される信号が反対となり、第4に、論理積回路424はNAND回路に置き換わっている。そして、この構成では、負極の選択電圧VSNが高いと、クロック信号CK2の反転信号が圧電トランス427の一次側に供給されるので、選択電圧VSNを降下させる制御が人為的に行われる一方、負極の選択電圧VSNが低いと、クロック信号CK2の反転信号が圧電トランス427の一次側に供給されないので、選択電圧VSNを上昇させる制御が自然発生的に行われることとなる。
【0091】
なお、図21において、圧電トランス427における共通電極や、ダイオードD3のアノードは、電圧Vccの供給線に接続される構成となっているが、電位GNDに接地される構成でも良い。また、図21または図22において、コンデンサCb1の一端は電圧Vccの供給線に接続されているが、電位GNDに接地される構成としても良い。この構成の方が、コンデンサCb1に要求される耐圧が小さくて済む。
【0092】
ところで、電気光学材料の特性などの諸般の事情によって、データ線に印加する電圧として、電源410(図4参照)による電圧Vccを用いることができない場合がある。このような場合、図23に示されるように、電圧Vccとは異なる電圧Vcxを、データ信号の高電位側電圧(非選択電圧)VHPとして供給する一方、接地電位GNDを、データ信号の低電位側電圧(非選択電圧)VHNとして供給するとともに、スイッチSW1の端子bを電圧Vcxの供給線に接続する構成とすれば良い。この構成において、スイッチSW1、SW2の端子aがそれぞれ選択されると、コンデンサCpは、図24において▲1▼で示されるように、選択電圧VSPを高電位とし、接地電位GNDを低電位として接続されて充電される。次に、スイッチSW1、SW2の端子bがそれぞれ選択されると、図24において▲2▼で示されるように、コンデンサCpにおける高電位が電圧Vcxになるので、低電位たる信号線n1の電位は、端子aの選択時における接地電位GNDから、高電位の変動分(VSP−Vcx)だけ引き下げられる結果、第1実施形態と同様に、データ線に印加される電圧の中間電圧VC'(=Vcx/2)を基準に、正極性の選択電圧VSPを反転させた負極性の選択電圧VSNとなる。
【0093】
なお、このような構成において、電圧Vcxは、図示しないオペアンプやDC−DCコンバータ等によって、Vcc−GNDから生成されることになる。また、図示は省略するが、スイッチSW1の端子bを電位GNDに接地されるとともに、スイッチSW2の端子aを電圧Vcxの供給線に接続した構成でも同様である。
【0094】
さらに、このように電圧Vccの代わりに電圧Vcxを用いる構成は、他の実施形態においても適用でき、図15、図17、図19における電圧Vccを電圧Vcxに置き換えることで実施可能である。
【0095】
なお、先に述べたように、TFD220の電流−電圧特性が正負極において非対称であることを印加電圧によって補償する場合には、データ信号として(Vcc−GND)を用い、一方、電源回路400においては電圧Vccとは異なる電圧Vcxを用いて、正極性の選択電圧VSPおよび負極性の選択電圧VSNを生成し、データ信号の中間電圧VCに対して非対称とすれば良い。これにより、TFD220での非線形性を補償することができる。
【0096】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態に係る電源回路にあっては、TFD220を用いたパネル100に適用したために、データ信号の中間電圧VCを実際には生成しない構成となっている。これに対して、TFD220のようなスイッチング素子を用いない、いわゆるパッシブマトリクス方式の電気光学装置にあっては、非選択電圧をデータ信号の中間電圧VCとする場合がほとんどである。
【0097】
そこで、第2実施形態として、パッシブマトリクス方式の電気光学装置に適用される電源回路を説明する。ここでも、電源回路について説明する前に、この電源回路を含めた電気光学装置の全体構成について簡単に説明する。図25は、この電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。この図に示される電気光学装置において、図1に示されるものと相違する点は、第1に、パネル100には、TFD220のようなスイッチング素子が形成されずに、走査電極(走査線)313が行方向に延在して形成される一方、データ電極(データ線)213が列方向に延在して形成されている点と、第2に、電源回路400が、選択電圧VSP、VSNと、データ信号に用いられる電圧VHP、VHNとともに、中間電圧VCを実際に生成する点と、第3に、表示制御信号PDがデータ線駆動回路250と走査線駆動回路350と電源回路400とに供給されている点とにある。
【0098】
まず、第1の相違点によって、パネル100の構造は、図26に示されるように非常にシンプルなものとなる。すなわち、パネル100を構成する一方の基板200においてデータ電極213が形成される一方、他方の基板300において走査電極313が形成されて、両基板間に電気光学材料として、例えばTN型や、STN(Super Twisted Nematic)型、BTN(Bi-stable Twisted Nematic)型や強誘電型などの双安定型、高分子分散型などの液晶105が挟持された構成となっている。このため、画素116は、データ電極213と走査電極313との交差において、両電極とこの間に挟持された液晶とにより構成されることとなる。
【0099】
次に、第2の相違点については、この電気光学装置における駆動波形が図27に示されることと関係がある。すなわち、図27において、電圧VSP、VSNはそれぞれ選択電圧である点で図3と共通であるが、非選択電圧は、中間電圧VCのみである点で図3と相違する。この相違のため、図25において中間電圧VCが非選択電圧として走査線駆動回路350に供給されているのである。
【0100】
なお、図27に示されるように、走査信号Yjの選択信号は、当該走査電極313が選択される水平走査期間(1H)にわたって正極性の選択電圧VSPまたは負極性の選択電圧VSNが印加される。このため、データ信号Xiも、走査信号Yjに対応して、次の通りとなる。すなわち、図25において左から数えてi番目のデータ電極213と同図において上から数えてj番目の走査電極313との交点に位置する画素116の表示内容がオン表示の場合であって、かつ、j番目の走査電極313が選択される水平走査期間(1H)に、当該走査電極313に印加される選択電圧が正極性である場合、データ信号Xiは、図27(a)に示されるように、当該選択電圧とは逆極性の低電位側の電圧VHNとなる一方、同表示を行う場合であって、かつ、j番目の走査電極313が選択される水平走査期間(1H)に、当該走査電極313に印加される選択電圧が負極性である場合、データ信号Xiは、同図に示されるように、当該選択電圧とは逆極性の高電位側の電圧VHPとなる。
【0101】
また、i番目のデータ電極213とj番目の走査電極313との交点に位置する画素116の表示内容がオフ表示の場合であって、かつ、j番目の走査電極313が選択される水平走査期間(1H)に、当該走査電極313に印加される選択電圧が正極性である場合、データ信号Xiは、図27(c)に示されるように、当該選択電圧とは同極性の高電位側の電圧VHPとなる一方、同表示を行う場合であって、かつ、j番目の走査電極313が選択される水平走査期間(1H)に、当該走査電極313に印加される選択電圧が負極性である場合、データ信号Xiは、同図に示されるように、当該選択電圧とは同極性の低電位側の電圧VHNとなる。
【0102】
次に、第3の相違点について説明すると、表示制御信号PDは、図示しない制御回路から供給される信号であって、ある走査電極313に含まれる領域だけ表示状態とし、それ以外の走査電極313に含まれる領域については非表示領域とする場合(部分表示の場合)には、表示領域に含まれる走査電極313が選択される期間だけHレベルとなり、それ以外の期間ではLレベルとなる信号である。例えば、図28に示されるような部分表示、具体的には、パネル100において、上から数えて1〜120本目の走査電極によって走査される領域が表示領域となる一方、121〜240本目の走査電極によって走査される領域が非表示領域となる部分表示について想定すると、表示制御信号PDは、図29に示されるように、1垂直走査期間(1H)のうち、前半の120Hの期間ではHレベルとなり、この後半の120Hの期間ではLレベルとなる。
【0103】
この際、表示領域に属する走査電極313に印加される走査信号Y1〜Y120は、図29に示されるように、その選択期間である1水平走査期間(1H)に選択信号VSPまたはVSNとなるが、非表示領域に属する走査電極313に印加される走査信号Y121〜Y240は、非選択電圧VCに固定化される。一方、データ信号Xiは、表示制御信号PDがHレベルとなる期間においては、上述したように、その選択電圧の極性と、その走査電極313との交差に位置する画素116の表示内容とに応じて定められるが、表示制御信号PDがLレベルとなる期間においては、走査信号Y120の電圧が選択電圧となった際の電圧レベルにラッチされる。すなわち、表示制御信号PDがLレベルとなる期間におけるデータ信号Xiの電圧は、i番目のデータ電極213と、表示領域の境界に位置する240番目の走査電極313との交点に位置する画素116の表示内容と、その際に印加される選択電圧の極性とに応じて、電圧VHPまたはVHNのいずれか一方にラッチされる。ここで、走査信号Yjにおける選択電圧の極性は、1垂直走査期間(1F)毎に反転されるので、表示制御信号PDがLレベルとなる期間におけるデータ信号Xiも1垂直走査期間(1F)毎に反転されることとなる。このため、非選択電圧VCに固定化された走査信号Y1〜Y120と、表示制御信号PDがLレベルとなる期間のデータ信号Xiとによって印加される電圧、すなわち、非表示領域に属する画素116への印加電圧の実効値はゼロとなるので、オフ表示が行われることとなる。
【0104】
<電源回路>
次に、本発明の第2の実施形態に係る電源回路について説明する。図30は、この電源回路400の概略構成を示すブロック図である。この電源回路400は、単一電源410から供給されるVcc−GNDから選択電圧VSP、VSNを生成する点では、第1実施形態(図4参照)に係る電源回路と共通であるが、降圧回路450によって生成された中間電圧VC(=Vcc/2)を非選択電圧として供給するとともに、電圧Vccおよび接地電位GNDを、それぞれデータ信号の高電位側電圧VHPおよび低電位側電圧VHNとして供給して、非選択電圧と共用しない点において、第1実施形態に係る電源回路と相違している。
【0105】
さらに、本実施形態に係る電源回路400にあっては、その発振回路440も若干相違している。すなわち、図31に示されるように、源振回路442によるクロック信号CK2を分周してクロック信号CKを出力する分周回路444には、表示制御信号PDが供給されている。ここで、本実施形態における分周回路444は、表示制御信号PDがHレベルの場合にだけ、クロック信号CKを出力する一方、表示制御信号PDがLレベルの場合には、クロック信号CKの出力を停止する構成となっている。クロック信号CKの出力が停止されると、クロック形成回路446によって信号/A、Bが生成されることもないので、反転回路430におけるスイッチSW1、SW2のスイッチング動作も停止することになる。
【0106】
上述したように表示制御信号PDがLレベルの場合には、走査電極313への印加電圧は非選択電圧VCに固定されるので、正極性の選択電圧VSPおよび負極性の選択電圧VSNを生成する必要はなく、したがって、この場合において、一方の選択電圧から他方の選択電圧を生成するためにスイッチSW1、SW2をスイッチングさせることは無意味な動作となる。これに対し、本実施形態に係る電源回路にあっては、表示制御信号PDがLレベルの場合、反転回路430におけるスイッチSW1、SW2のスイッチング動作が停止するので、その分、低消費電力化が図られることとなる。
【0107】
なお、表示制御信号PDがLレベルの場合、分周回路444においてクロック信号CKの出力を停止する構成としたが、分周比を高くして、クロック信号CKの周波数を低下させる構成としても、同様に、消費電力を抑えることが可能となる。
【0108】
さて、このような第2実施形態において、他の点については、第1実施形態と同様である。すなわち、第1の点として、第2実施形態の電圧生成回路420に第1の態様(図6参照)を用いても良いし、第2の態様(図8参照)を用いても良い。第2の点として、反転回路430において極性反転に用いる電位をどの電位とすべきかという点も、第1実施形態と同様に考えることができるので、図30に示される構成のほか、スイッチSW1の端子bを電位GNDに、スイッチSW2の端子aを電圧Vccの供給線にそれぞれ接続する構成としても良い。第3の点として、電圧生成回路420が正極性でなく、負極性の選択電圧を生成しても良いので、第2実施形態の電圧生成回路420に、図21に示される構成を用いても良いし、図22に示される構成を用いても良い。第4の点として、電圧Vccでなく、電圧Vcxを非選択電圧VHPとして用いても良いので、図23に示される構成において、VHPとVHNの間に、降圧回路450を介挿して、第2実施形態に係る電源回路400として構成しても良い。さらに、上記第1〜第4の点を適宜組み合わせて、第2実施形態に係る電源回路400として構成しても良いのは、もちろんである。
【0109】
<第2実施形態の変形>
図30に示される電源回路400にあっては、第1実施形態とは異なり、中間電圧VCが実際に生成されている。このため、反転回路430における反転を、中間電圧VCを基準にして行う構成としても良い。具体的には、図32に示されるように、反転回路430において、スイッチSW1の選択端子bと、スイッチSW2の選択端子aとが、中間電圧VCの供給線に接続される構成となる。この構成では、まず、スイッチSW1、SW2の端子aがそれぞれ選択されていると、コンデンサCpは、選択電圧VSPを高電位側とし、中間電圧VCを低電位側として接続されて充電される。次に、スイッチSW1、SW2の端子bがそれぞれ選択されると、コンデンサCpにおける高電位側が中間電圧VCになるので、低電位側の電位は、端子aの選択時における中間電圧VCから、高電位側の変動分(VSP−VC)だけ引き下げられる。したがって、コンデンサCpの低電位側に接続された供給線n1の電位は、中間電圧VCを基準にして正極性の選択電圧VSPを反転させた電圧、すなわち、負極性の選択電圧VSNとなる。
【0110】
なお、このように中間電圧VCを基準にして極性反転を行う構成においても、反転回路の基準に関する上記第2の点を除いた構成を採用することができる。すなわち、電圧生成回路420の態様に関する第1の点と、電圧生成回路420が正極性でなく、負極性の選択電圧を生成する第3の点と、電圧Vccでなく、電圧Vcxを非選択電圧VHPとして用いる第4の点とを適宜組み合わせて、第2実施形態の変形例に係る電源回路400として構成しても良いのは、もちろんである。
【0111】
<第3実施形態>
上述した第1および第2実施形態に係る電源回路にあっては、1本の走査線(電極)を順次選択する、という電気光学装置に適用したものであったが、一般に、このような電気光学装置にあっては、選択走査線に印加される選択電圧が高くなる傾向がある。
【0112】
そこで、第3実施形態として、複数本の走査電極をまとめて同時に選択するとともに、それら複数本の走査電極に対し、1垂直走査期間内において、複数本の走査電極を複数回選択する、というマルチラインセレクション(Multi-Line Selection)方式によって駆動して、選択電圧を低下させた電気光学装置および電源回路について説明する。
【0113】
図33は、この電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。この図に示される電気光学装置にあっては、パネル100にTFD220のようなスイッチング素子が形成されずに、走査電極313が行方向に延在して形成される一方、データ電極213が列方向に延在して形成されている点において、図25に示される電気光学装置と共通であるが、電源回路400が、走査線駆動回路350に対して電圧VH、VC、VLの計3電圧を供給する一方、データ線駆動回路250に対して電圧±V2、±V1、VCの計5電圧を供給する点において相違している。
【0114】
この相違点を中心に説明すると、この電気光学装置における駆動波形が図34に示されることと関係がある。すなわち、図34に示されるように、各走査電極313への走査信号Y1〜は、選択電圧VH、VLおよび非選択電圧VCの3電圧を取り得るが、各データ電極213へのデータ信号X1〜は、電圧±V2、±V1、VCの5電圧を取り得るためである。
【0115】
さて、このマルチセレクション方式にあっては、図34に示されるように、1フレーム(1F)を4等分した各フィールド(1f)のそれぞれにおいて、走査電極313が順次4本毎に同時に選択されて、各選択期間において、正規性および直交性を満たす選択電圧が印加されている。ここで、「正規性」とは、すべての走査電極313に印加される電圧の実効値がフレーム周期単位において互いに等しくなることを意味し、また、「直交性」とは、ある走査電極313に印加される電圧と、他の任意の走査電極313に印加される電圧とを1フレーム分、積和した結果がゼロになることを意味する。
【0116】
次に、i番目のデータ電極213へのデータ信号Xiは、例えば次のようにして定められる。すなわち、第1に、選択された走査電極313への選択電圧が正極性(VH)であれば「1」とし、負極性(VL)であれば「−1」とする一方、選択された走査電極313とi番目のデータ電極213と交差に位置する画素116の表示がオフであれば「−1」とし、オンであれば「1」とし、第2に、同時選択される4本の走査電極313と交差する4個の画素116についてそれぞれ対比して、不一致数を求め、第3に、不一致数が「4」であれば電圧V2とし、「3」であれば電圧V1とし、「2」であれば電圧VCとし、「1」であれば電圧V1とし、「0」であれば電圧−V2として、データ信号Xiの電圧が定められる。
【0117】
なお、図34におけるデータ信号Xiは、i番目のデータ電極213において、走査電極Y1〜Y8と交差する8つの画素116の表示が、例えば、オン、オン、オン、オン、オン、オフ、オン、オンとするような場合の波形である。
【0118】
また、ここでは、1フレームにおいて時間的に分散させて選択電圧を印加する構成としたが、1フレームにおいて時間的に集約させて選択電圧を印加する構成としても良い。さらに、同時に選択される走査電極数は「4」に限られず、例えば、「2」や、「3」、「7」などとしても良く、この場合には、データ信号に用いられる電圧数も、同時に選択される走査電極数に応じて増減することになる。
【0119】
<電源回路>
次に、本発明の第3の実施形態に係る電源回路について説明する。図35は、この電源回路400の概略構成を示すブロック図である。
【0120】
この電源回路では、単一電源410から供給される電圧Vccおよび接地電位GNDを、それぞれデータ信号に用いられる電圧V2、VCとして供給する。したがって、本実施形態では、データ信号の中間電圧VCは、上述した第1および第2実施形態のようにVcc/2ではなく、接地電位GNDとなるので、極性の基準が相違する点に注意すべきである。
【0121】
一方、電圧生成回路460は、Vcc−GNDを負方向に極性反転した電圧−V2(=−Vcc)を生成するものである。この具体的構成としては、図21や図22などの電圧生成回路420と同様にして、電圧−V2を発生させても良いし、コンデンサを用いて(V2−VC)を充電して電圧V2側のコンデンサ電極をVCに切り換えて接続することにより、先の中間電圧VCを基準として負方向に−(V2−VC)=−V2を発生させても良いし、オペアンプ等を用いても良い。また、降圧回路470は、電圧Vccおよび接地電位GNDの間を2分割した電圧V1(=Vcc/2)を生成するものであり、降圧回路480は、接地電位GNDおよび電圧−V2の間を2分割した電圧−V1(=−Vcc/2)を生成するものである。
【0122】
さて、電圧生成回路420は、上述した構成によって、電源410によるVcc−GNDから正極性の選択電圧VHを生成するものである。この具体的構成としては、図6や図8などの電圧生成回路420と同様にしても良いし、コンデンサを用いて極性反転しても良いし、オペアンプ等を用いても良い。ただし、この選択電圧VHは、選択電圧VSPよりも低くて済む。また、反転回路430においては、スイッチSW2の選択端子aが電圧−V2の供給線に接続されているが、正極性の選択電圧VHを、中間電圧VCを基準に極性反転して負極性の選択電圧VLを生成する点において変わりはない。
【0123】
したがって、この電源回路400では、データ信号の中間電圧VCを基準にして、まず、正極性の選択電圧VHが電圧生成回路420によって生成され、次に、選択電圧VHが反転回路430によって極性反転されて、負極性の選択電圧VLが生成されるとともに、マルチセレクション方式において必要なデータ信号の電圧が5値生成されることとなる。
【0124】
なお、このような第3実施形態(及び後述するその変形形態)において、他の点については、第1実施形態や第2実施形態と同様である。すなわち、第1の点として、第3実施形態の電圧生成回路420に第1の態様(図6参照)を用いても良いし、第2の態様(図8参照)を用いても良い。第2の点として、反転回路430において極性反転に用いる電位をどの電位とすべきかという点も、第1および第2実施形態と同様に考えることができるので、図35に示される構成のほか、スイッチSW1の端子bを電圧−V2の供給線に、スイッチSW2の端子aを電圧Vccの供給線にそれぞれ接続する構成としても良い。第3の点として、電圧生成回路420が正極性でなく、負極性の選択電圧を生成しても良いので、第3実施形態の電圧生成回路420に、図21に示される構成を用いても良いし、図22に示される構成を用いても良い。第4の点として、電圧Vccとは異なる電圧Vcxを電圧V2とするとともに、中間電圧VCを基準に負極性側に反転して、電圧−V2として用いても良い。さらに、上記第1〜第4の点を適宜組み合わせて、第3実施形態に係る電源回路400として構成しても良いのは、もちろんである。
【0125】
<第3実施形態の変形>
図35に示される電源回路400にあっては、第2実施形態と同様に、中間電圧VCが実際に生成されている。このため、反転回路430における反転を、中間電圧VCを基準にして行う構成としても良い。具体的には、図36に示されるように、反転回路430において、スイッチSW1の選択端子bと、スイッチSW2の選択端子aとが、中間電圧VCの供給線に接続される構成となる。この構成では、まず、スイッチSW1、SW2の端子aがそれぞれ選択されていると、コンデンサCpは、選択電圧VHを高電位側とし、中間電圧VCを低電位側として接続されて充電される。次に、スイッチSW1、SW2の端子bがそれぞれ選択されると、コンデンサCpにおける高電位側が中間電圧VCになるので、低電位側の電位は、端子aの選択時における中間電圧VCから、高電位側の変動分(VH−VC)だけ引き下げられる。したがって、コンデンサCpの低電位側に接続された供給線n1の電位は、中間電圧VCを基準にして正極性の選択電圧VHを反転させた電圧、すなわち、負極性の選択電圧VLとなる。
【0126】
なお、このように中間電圧VCを基準にして極性反転を行う構成においても、反転回路の基準に関する上記第2の点を除いた構成を採用することができる。すなわち、電圧生成回路420の態様に関する第1の点と、電圧生成回路420が正極性でなく、負極性の選択電圧を生成する第3の点と、電圧Vccでなく、電圧Vcxを電圧V2として用いる第4の点とを適宜組み合わせて、第3実施形態の変形例に係る電源回路400として構成しても良いのは、もちろんである。
【0127】
また、図35や図36に示した電気光学装置においては部分表示について言及しなかったが、表示制御信号PDを、データ線駆動回路250、走査線駆動回路350および電源回路400に供給して、第2実施形態と同様な処理を行う構成として良いのはもちろんである。
【0128】
さらに、第1、第2および第3実施形態にあっては、電気光学材料として液晶を用いた表示装置を例にとって説明したが、エレクトロルミネッセンスや、蛍光表示管、プラズマディスプレイなど、電気光学効果を用いたすべての装置に適用可能である。すなわち、本発明は、上述した構成と類似した構成を有するすべての電気光学装置に適用可能なものである。
【0129】
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置を携帯型電子機器に適用する場合について説明する。この場合、電子機器は、図37に示されるような構成に概略される。すなわち、CPU(Central Processing Unit)1002は、バスを介して電気機器の各部を制御するものである。また、VRAM1004は、パネル100の画素に1対1に対応する記憶領域を有するものであり、CPU1002によってランダムに書き込まれた表示データが、走査方向にしたがってシーケンシャルに読み出される構成となっている。さらに、制御回路1006は、パネル100の駆動に必要な各種タイミング信号などを生成して、駆動回路150に供給するものである。なお、駆動回路150は、上述したデータ線駆動回路250や、走査線駆動回路350を総称したものである。また、電源回路400は、上述したように電源410から、駆動回路150において、走査信号やデータ信号に用いられる電圧を生成するものである。なお、電源410は、この電子機器の電源としても用いられる。このような電子機器によれば、電源回路400における外付け部品数が削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などが図られることとなる。
【0130】
<携帯電話>
次に、上述した表示装置を携帯電話に適用した例について説明する。図38は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302のほか、受話口1304、送話口1306とともに、パネル100を備えるものである。そして、このパネル100は、上述した部分表示を可能とするものであって、例えば、着信時または発信時には、全領域を表示領域とする全画面表示を行う一方、待ち受け時には、電界強度や、番号、文字など必要な情報を表示する領域のみを表示領域とし、他の領域については非表示領域とする部分表示を行うものである。これにより、待ち受け時にパネル100で消費される電力が抑えられるので、待ち受け可能時間の長期化を図ることも可能となる。
【0131】
なお、本実施形態に係る電気光学装置を適用する電子機器としては、低消費電力化の要求の強い機器、例えば、上述した携帯電話のほか、ページャ、時計、PDA(個人向け情報端末)などが好適である。ただし、この他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などにも適用可能である。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、両極の選択電圧をチャージポンプ回路やスイッチングレギュレータにより生成する従来の構成と比較すると、構成部品、特に、半導体基板への構成が困難であるために外付け部品として実装される蓄電素子やインダクタ等の部品が削減されるので、実装の簡略化や低コスト化などが図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る電源回路を含む電気光学装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 同電気光学装置におけるパネル部分の構成を示す部分破断斜視図である。
【図3】 同電気光学装置における駆動波形の一例を示す波形図である。
【図4】 同電気光学装置における電源回路の構成を示すブロック図である。
【図5】 同電源回路における極性反転動作を説明するための図である。
【図6】 同電源回路において第1の態様に係る電圧生成回路の構成を示す回路図である。
【図7】 同電圧生成回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】 同電源回路において第2の態様に係る電圧生成回路の構成を示す回路図である。
【図9】 同電圧生成回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】 (a)〜(c)は、それぞれ電圧生成回路への基準電圧を生成するための構成の一例を示すブロック図である。
【図11】 (a)および(b)は、それぞれ同電源回路における反転回路の具体的な構成の一例を示す回路図である。
【図12】 同電源回路における発振回路の構成を示す回路図である。
【図13】 (a)および(b)は、それぞれ同発振回路における源振回路の構成の一例を示すブロック図であり、(c)は、その源振回路のインバータにおけて置換可能なNAND回路を示す図である。
【図14】 同発振回路により生成される信号を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】 同電源回路の第1変形例を示すブロック図である。
【図16】 同変形例における極性反転動作を示す図である。
【図17】 同電源回路の第2変形例を示すブロック図である。
【図18】 同変形例における極性反転動作を示す図である。
【図19】 同電源回路の第3変形例を示すブロック図である。
【図20】 同変形例における極性反転動作を示す図である。
【図21】 同変形例において適用可能な電圧生成回路の構成を示す回路図である。
【図22】 同変形例において適用可能な電圧生成回路の構成を示す回路図である。
【図23】 同電源回路の第4変形例を示すブロック図である。
【図24】 同変形例における極性反転動作を示す図である。
【図25】 本発明の第2実施形態に係る電源回路を含む電気光学装置の全体構成を示すブロック図である。
【図26】 同電気光学装置におけるパネル部分の構成を示す部分破断斜視図である。
【図27】 同電気光学装置における駆動波形の一例を示す波形図である。
【図28】 同電気光学装置において部分表示を説明するためのパネルの平面図である。
【図29】 同電気光学装置において部分表示の際の信号波形を説明するための波形図である。
【図30】 同電気光学装置における電源回路の構成を示すブロック図である。
【図31】 同電源回路における発振回路の構成を示すブロック図である。
【図32】 同電源回路の変形例を示すブロック図である。
【図33】 本発明の第3実施形態に係る電源回路を含む電気光学装置の全体構成を示すブロック図である。
【図34】 同電気光学装置における駆動波形の一例を示す波形図である。
【図35】 同電気光学装置における電源回路の構成を示すブロック図である。
【図36】 同電源回路の変形例を示すブロック図である。
【図37】 実施形態に係る電気光学装置を適用した電子機器の概略構成を示すブロック図である。
【図38】 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
100……パネル
116……画素
118……液晶層
200……基板
212、213……データ線(データ電極)
220……TFD
234……画素電極
250……データ線駆動回路
300……基板
312、313…走査線(走査電極)
350……走査線駆動回路
400……電源回路
410……電源
420、460……電圧生成回路
426……トランジスタ
427……圧電トランス
430……反転回路
440……発振回路
450、470、480……降圧回路
1300……携帯電話
L……インダクタ
Cp、Cb1、Cb2……コンデンサ
Claims (13)
- 複数の走査線と複数のデータ線とを交差してなる電気光学装置に対して、前記走査線への選択電圧として用いられる電位を供給する電源回路であって、
前記データ線に印加される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、
前記電圧生成回路により生成された一方の選択電圧に基づいて蓄電を行う蓄電素子と、
前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路と、
を具備し、前記電圧生成回路は、
スイッチング素子と、前記スイッチング素子がオンすると、第1および第2の入力電位の間において電力を蓄積する一方、前記スイッチング素子がオフすると、蓄積された電力を放出するインダクタとを含み、前記インダクタから放出された電力に基づいて、前記データ線に印加される信号電圧の中間値を基準として正極性および負極性の選択電圧のいずれか一方を生成し、
前記複数の走査線のうち、一部の走査線からなる第1の領域のみを表示状態とする一方、その他の走査線からなる第2の領域を非表示とする場合に、前記第2の領域に属する走査線が選択されたときには、前記反転回路による極性反転を停止させる、または、極性反転頻度を低下させる
ことを特徴とする電気光学装置の電源回路。 - 前記電圧生成回路は、さらに、
前記インダクタから放出された電力に基づく電圧と、目標電圧との比較結果にしたがって、前記スイッチング素子のオンまたはオフを制御する回路を備えることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置の電源回路。 - 前記スイッチング素子は、パルス信号に応じてオンまたはオフ制御されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気光学装置の電源回路。
- 複数の走査線と複数のデータ線とを交差してなる電気光学装置に対して、前記走査線への選択電圧として用いられる電位を供給する電源回路であって、
前記データ線に印加される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、
前記電圧生成回路により生成された一方の選択電圧に基づいて蓄電を行う蓄電素子と、
前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路と、
を具備し、前記電圧生成回路は、
パルス信号を一次側に入力するトランスを含み、前記トランスの二次側出力に基づいて、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成し、
前記複数の走査線のうち、一部の走査線からなる第1の領域のみを表示状態とする一方、その他の走査線からなる第2の領域を非表示とする場合に、前記第2の領域に属する走査線が選択されたときには、前記反転回路による極性反転を停止させる、または、極性反転頻度を低下させる
ことを特徴とする電気光学装置の電源回路。 - 前記トランスは、
一次側に印加された電圧によって機械的振動を発生する一方、
該機械的振動を電圧に変換して二次側から出力する圧電トランスであることを特徴とする請求項4記載の電気光学装置の電源回路。 - 前記電圧生成回路は、さらに、
前記トランスの二次側出力に基づく電圧と目標電圧との比較結果にしたがって、前記トランスの一次側への前記パルス信号の供給を制御する回路を備える
ことを特徴とする請求項4記載の電気光学装置の電源回路。 - 前記反転回路は、クロック信号に基づいて、電極が接続される先の電圧端子が切替えられる蓄電素子を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気光学装置の電源回路。
- 複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動回路であって、
前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧をそれぞれ生成する電源回路と、
前記電源回路により生成された正極性および負極性の選択電圧を、前記走査線の各々に対して所定の順番で印加する走査線駆動回路と、を具備し、
前記電源回路は、
第1および第2の入力電位から、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、
前記電圧生成回路により生成された選択電圧に基づいて蓄電を行う蓄電素子と、
前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路と
を備え、前記電圧生成回路は、
スイッチング素子と、前記スイッチング素子がオンすると、第1および第2の入力電位の間において電力を蓄積する一方、前記スイッチング素子がオフすると、蓄積された電力を放出するインダクタとを含み、
前記インダクタから放出された電力に基づいて、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成し、
前記複数の走査線のうち、一部の走査線からなる第1の領域のみを表示状態とする一方、その他の走査線からなる第2の領域を非表示とする場合に、前記第2の領域に属する走査線が選択されたときには、前記反転回路による極性反転を停止させる、または、極性反転頻度を低下させる
ことを特徴とする電気光学装置の駆動回路。 - 複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動回路であって、
前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧をそれぞれ生成する電源回路と、
前記電源回路により生成された正極性および負極性の選択電圧を、前記走査線の各々に対して所定の順番で印加する走査線駆動回路と、を具備し、
前記電源回路は、
第1および第2の入力電位から、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、
前記電圧生成回路により生成された選択電圧に基づいて蓄電を行う蓄電素子と、
前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路とを備え、
前記電圧生成回路は、
パルス信号を一次側に入力するトランスを含み、前記トランスの二次側出力に基づいて、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成し、
前記複数の走査線のうち、一部の走査線からなる第1の領域のみを表示状態とする一方、その他の走査線からなる第2の領域を非表示とする場合に、前記第2の領域に属する走査線が選択されたときには、前記反転回路による極性反転を停止させる、または、極性反転頻度を低下させる
ことを特徴とする電気光学装置の駆動回路。 - 複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、
スイッチング素子をオンまたはオフさせるとともに、前記スイッチング素子をオンさせた場合に、第1および第2の入力電位の間において電力をインダクタに蓄積させる一方、前記スイッチング素子をオフさせる場合に、前記インダクタに蓄積させた電力を放出させ、前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として正極性および負極性の選択電圧のいずれか一方を生成し、当該選択電圧に基づいて蓄電させる第1の過程と、
前記第1の過程により蓄電させた電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する第2の過程とを備え、
前記第1の過程および前記第2の過程により生成された選択電圧を、前記走査線の各々に対して所定の順番で印加し、
前記複数の走査線のうち、一部の走査線からなる第1の領域のみを表示状態とする一方、その他の走査線からなる第2の領域を非表示とする場合に、前記第2の領域に属する走査線が選択されたときには、前記極性反転を停止させる、または、前記極性反転頻度を低下させる
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して設けられた画素を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、
パルス信号をトランスの一次側に入力させるとともに、前記トランスの二次側出力に基づいて、前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として正極性および負極性の選択電圧のいずれか一方を生成し、当該選択電圧に基づいて蓄電を行う第1の過程と、
前記第1の過程により蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する第2の過程とを備え、
前記第1の過程および前記第2の過程により生成された選択電圧を、前記走査線の各々に対して所定の順番で印加し、
前記複数の走査線のうち、一部の走査線からなる第1の領域のみを表示状態とする一方、その他の走査線からなる第2の領域を非表示とする場合に、前記第2の領域に属する走査線が選択されたときには、前記極性反転を停止させる、または、前記極性反転頻度を低下させる
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と複数のデータ線との各交差に対応して画素が設けられた電気光学装置であって、
前記データ線に供給される信号電圧の中間値を基準として、正極性および負極性の選択電圧をそれぞれ生成する電源回路を有し、
前記電源回路は、
パルス信号に応じて駆動されるインダクタあるいはトランスを用いて、第1および第2の入力電位から前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか一方を生成する電圧生成回路と、
前記電圧生成回路により生成された選択電圧で蓄電を行う蓄電素子と、
前記蓄電素子に蓄電された電圧を、所定の値を基準として極性反転させ、前記正極性または負極性の選択電圧のいずれか他方として出力する反転回路とを備え、
前記複数の走査線のうち、一部の走査線からなる第1の領域のみを表示状態とする一方、その他の走査線からなる第2の領域を非表示とする場合に、
前記第2の領域に属する走査線が選択されたときには、前記反転回路による極性反転を停止させる、または、その反転頻度を低下させる
ことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項12に記載の電気光学装置を表示部に用いたことを特徴とする電子機器。
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