JP3791088B2 - 鉗子装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内等に挿入されて、体内組織等を把持したり、摘出したりするために用いられる鉗子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
体腔内に挿入される鉗子は、挿入軸の先端に作動部材として、一対または3個以上の把持爪を備える構成としたものである。把持爪は遠隔操作により開閉操作されるものであり、このために挿入軸内に操作部材が挿通されており、この操作部材の基端部には開閉操作部が連結される。開閉操作部は、操作部材を軸線方向に往復移動させるものであり、この操作部材の軸線方向の動きを把持爪の開閉動作に変換するために、操作部材の先端と把持爪との間にはリンク機構が介装される。
【0003】
以上の構成を有する鉗子は、直接または内視鏡の処置具挿通チャンネルやトラカール等を介して体腔内に導かれて、開閉操作部を適宜操作して、把持爪を開閉することによって、臓器等を把持して持ち上げたり、また患部組織の切除や摘出を行ったりする。ここで、口腔等から内視鏡の挿入部を体腔内の所定の位置まで導いた状態で、この内視鏡の本体操作部に設けた処置具導入部に、鉗子を把持爪側から挿入して、挿入部における処置具挿通チャンネルに挿入するが、この場合には挿入軸は可撓性を備える必要がある。従って、挿入軸は密着コイルで形成し、この密着コイル内にリンク機構を作動させる操作ワイヤを挿通させる。
【0004】
また、例えば体表皮から腹腔内に挿入経路を形成しておき、この挿入経路を介して内視鏡や鉗子等の処置具を挿入して、治療等を行うことも可能である。ここで、腹腔内に挿入経路を確保するためのガイド部材として、複数本のトラカールを体表皮から直接腹腔内にまで刺入し、気腹ガスで腹腔内を膨らませた状態にする。そして、1本のトラカールに内視鏡を挿入して、腹腔内部の観察を行い、他のトラカールを介して種々の処置具を腹腔内に挿入して、内視鏡による監視下で所要の治療や検査等が行われる。この場合においては、鉗子装置の挿入軸は可撓性を有する必要はなく、硬質パイプで挿入軸を形成して、この挿入軸に杆状またはワイヤ状のリンク機構を作動させる操作部材を挿通させる構成とすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
患部を摘出するために用いられる鉗子において、体内組織に病変部分があると、この病変部分を把持爪で把持させて、その切除・摘出が行われる。ここで、鉗子による病変組織の切除は、病変部分を取り残しなく完全に行わなければならない。病変部分の取り残しがあると、この取り残しの部分から転移するおそれがある等のことから、絶対に避けなければならないのは当然として、摘出するのは病変部分のみとし、健康な組織細胞まで摘出しないようにする必要もある。
【0006】
体内組織における病変部分が腫瘍等のように体腔内壁から膨出しておれば、鉗子を用いてほぼ正確に摘出処理を行うことができる。しかしながら、病変部分が体腔内壁から突出していない場合や、奥まった部位にある時には、鉗子の把持爪により把持できる範囲は把持爪の拡開時における角度に依存するから、かなり小さいものとなり、従って病変部分を取り残す場合もあり、また操作によっては、病変部分だけでなく周辺の健康な組織も傷めてしまうおそれがある等、高度で熟練のある操作が要求され、その操作性が悪いという問題点がある。
【0007】
また、鉗子により組織の摘出を行うと、出血が生じることになるので止血を行うが、止血は通常、先端に電極を有する高周波処置具を用いて行う。この高周波処置具の電極を出血部分に当接させて、高周波電流を流すことにより出血部位の凝固を行う。この高周波処置具を用いるに当って、内視鏡を介して体腔内に挿入する場合には鉗子を処置具挿通チャンネルから取り出して、それと交換して高周波処置具を挿入しなければならないことから、迅速な止血処置を行えず、この間に多量の出血が生じることになる。また、トラカールをガイドとする場合には、さらにもう1本のトラカールを体内に刺入して、高周波処置具を挿通する経路を確保しておけば、患部の切除後に直ちに止血を行うことができる。しかしながら、体内に刺入されるトラカールの数が多くなると、患者のダメージがより大きくなると共に、多数の処置具を用いるのは、複数人の共同作業が必要となる等、その操作性が悪いという問題点等がある。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、鉗子により体内組織や臓器等を把持して、摘出する操作を行うに当って、患部等の必要な組織を確実に摘出し、しかも摘出後の止血も一連の操作の中で行えるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、本発明は、開閉可能な大型把持爪を、リンク機構を介して中空の挿入軸に設けて、この大型把持爪を開閉駆動する中空の駆動軸を前記挿入軸内に摺動可能に挿通させて設け、前記駆動軸の内部に通路を形成して、この通路内に中空部材からなる移動部材を軸線方向に移動可能に設けて、この移動部材の先端にリンク機構を介して開閉可能な小型把持爪を設け、前記移動部材の内部には前記小型把持爪を開閉駆動する開閉操作部材を設け、前記大型把持爪に高周波電源を接続すると共に、小型把持爪を大型把持爪に対して電気的に絶縁する構成としたことをその特徴とするものである。
【0010】
ここで、鉗子装置は直接体腔内に挿入されるものもあるが、何らかのガイド手段を用いて体腔内に導かれるのが一般的である。この鉗子装置の体腔内への挿入をガイドする手段としては、トラカールや内視鏡等が用いられる。トラカールをガイドとする場合には、挿入軸は硬質パイプで構成する。大型把持爪には高周波電源が接続されているから、硬質パイプの外面を電気絶縁部材部材で被覆するか、または硬質パイプそのものを電気絶縁部材である硬質の合成樹脂で形成する。一方、内視鏡をガイドとする場合には、挿入軸は可撓性を持たせる必要があり、このために例えば密着コイルで構成することができる。そして、密着コイルで挿入軸を形成する場合には、その外側に電気絶縁性を有し、可撓性のあるチューブを被着する等の構成とする。小型把持爪は開閉動作だけでなく、前後動することから、この小型把持爪は移動部材に装着されるが、小型把持爪のリンク機構を設けた移動部材と大型把持爪のリンク機構を設けた駆動軸との間を電気的に絶縁するために、これら駆動軸と移動部材との間に電気絶縁部材からなるガイド部材を設けて、移動部材をこのガイド部材により駆動軸と調芯した状態で移動させる構成とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。而して、図1乃至図9に示した鉗子装置は、大型把持爪を備えた第1の鉗子と、小型把持爪からなる第2の鉗子とを硬質の挿入軸に装着したものである。
【0012】
まず、図1において、Fは鉗子装置であって、この鉗子装置Fは第1の鉗子1と第2の鉗子20とから構成される。第1の鉗子1は、図2及び図3からも明らかなように、硬質パイプからなる挿入軸2の先端にリンク機構を介して作動部としての一対の大型把持爪3,3を装着してなるものである。大型把持爪3は凹湾曲形状となっており、両大型把持爪3の先端部が相互に当接して閉じた状態と、先端部が離間して開いた状態とに変位可能となっている。ここで、大型把持爪3は体内組織や臓器等を切除するためのものであり、このために大型把持爪3の先端における把持部3aは鋭利になった刃先状となっている。
【0013】
大型把持爪3,3を開閉駆動するためのリンク機構は、挿入軸2の先端側に形成したすり割り2aの部位に設けられている。即ち、すり割り2aの両側の内面に一対の支軸4を突設し、各大型把持爪3の延在部3bの中間位置を枢支している。また、延在部3bの端部は、枢支ピン5によってリンク板6の一端側に枢着されている。そして、リンク板6の他端側は駆動軸7の側面に枢支ピン8により枢着されている。従って、駆動軸7を前進させると大型把持爪3が開き、後退させると大型把持爪3が閉じるようになる。
【0014】
駆動軸7は硬質パイプからなるものであり、その先端の外面における枢支ピン8の装着部は面取りすることにより平坦化されている。そして、駆動軸7は挿入軸2内において、途中の部位に挿入軸2の内面と接触する大径部7aが設けられ、この大径部7aは挿入軸2の内面と摺動可能となっており、これによって駆動軸7は挿入軸2に調芯される。駆動軸7の基端側には、図4に示したように、連結ピン9がその軸線と直交する方向に突出する状態に設けられている。この連結ピン9は挿入軸2の基端側に軸線方向に向けて設けた長孔10を貫通して外部に突出して、挿入軸2に嵌合して設けた第1の操作部11に連結されている。従って、第1の操作部11を手指等で挿入軸2の軸線方向にスライド変位させると、駆動軸7が挿入軸2に対して摺動して、リンク機構が作動することになる結果、大型把持爪3の開閉動作が行われる。
【0015】
ここで、第1の操作部11を挿入軸2に沿って前進させると、第1の操作部11に連結ピン9を介して連結されている駆動軸7が挿入軸2内を先端側に向けて突出する方向に移動して、リンク機構の作用により大型把持爪3が開くことになり、後退させた時には、駆動軸7が連動して挿入軸2内に引き込まれる方向に移動する結果、大型把持爪3が閉じられる。
【0016】
また、一対からなる大型把持爪3には、その延在部3bへの連設部近傍の根元部分に切り欠き3cが形成されている。これによって、一対の大型把持爪3,3が閉じた状態、即ちそれらの先端部が接合状態になっても、基端側においては挿入軸2の軸芯位置を含む部位に空所が形成される。そして、挿入軸2及び駆動軸7の基端部は開口しており、駆動軸7は中空のものからなり、さらにリンク板6及び支軸4,枢支ピン5,8は左右両側に配置されているから、駆動軸7の軸芯及びその前方に所定の大きさの通路が形成される。そして、大型把持爪3が閉じた状態では、この大型把持爪3の先端部の接合位置で行き止まりとなり、大型把持爪3が開くと、通路の前方が開放される。
【0017】
第2の鉗子20は中空の部材である駆動軸7内に形成した挿通されている。第2の鉗子20は、第1の鉗子1とほぼ同様の構成となっている。即ち、先端に一対からなる把持爪21,21を有するが、把持爪21は第1の鉗子1における把持爪3よりかなり小さくなった小型把持爪となっている。ただし、この小型把持爪21は体内組織等を切除するためのものではなく、把持して持ち上げるためのものであり、その先端における把持部21aは鋭利にはなっていない。そして、この小型把持爪21の基端側には延在部21bが連設されて、この延在部21bの端部には枢支ピン22によってリンク板23が枢着されており、またこのリンク板23の他端は、駆動軸7内に挿通させた中空のスライド軸24の先端部分の外面に設けた面取り部分に枢支ピン25を用いて枢着されている。さらに、スライド軸24内には駆動ロッド26が挿通されており、この駆動ロッド26の先端部は、把持爪21の延在部21bの中間位置に設けた支軸27に連結されている。従って、スライド軸24は小型把持爪21を前後動させる移動部材であり、駆動ロッド26は小型把持爪21の開閉駆動させる開閉操作部材である。
【0018】
スライド軸24は、駆動軸7の基端部から所定の長さ突出させており、このスライド軸24を含めて、第2の鉗子20全体を駆動軸7内において、軸線方向にスライド変位することになる。そして、大型把持爪3が閉じた状態においては、両大型把持爪3,3により囲繞される空間内に小型把持爪21が配置され、大型把持爪3を開いて、スライド軸24を押し出すように変位させると、小型把持爪21は前方に向けて突出できる。
【0019】
小型把持爪21を遠隔操作により開閉するためのスライド軸24の基端側の突出部分において、駆動ロッド26に連結ピン28がその軸線と直交する方向に突出させて設けられ、この連結ピン28はスライド軸24に軸線方向に所定の長さを有する長孔29を介して外部に突出させている。そして、この連結ピン28には第2の操作部30が連結されており、この第2の操作部30を移動させることによって、小型把持爪21を開閉させることができる。また、スライド軸24の先端部には保持リング31が連結して設けられている。スライド軸24は駆動軸7内で軸線方向に往復移動可能となっており、小型把持爪21は、閉じた状態では、駆動軸7の内部に引き込めるようになっている。
【0020】
ここで、駆動ロッド26は小型把持爪21の延在部21bの中間部に設けた支軸27に連結されているから、駆動ロッド26を前進させると、小型把持爪21,21が閉じるようになり、駆動ロッド26を後退させた時には、小型把持爪21,21が開くようになる。従って、大型把持爪3と小型把持爪21とは動作方向が反対になっている。
【0021】
ここで、第1の鉗子1を構成する大型把持爪3は、患部等を切除すると共に、切除部分の止血を行えるようにしたものであり、このために大型把持爪3には高周波電流が流されるようになっている。このために、図1及び図4から明らかなように、挿入軸2には高周波電源32からのコード33が着脱可能に接続されるコネクタ部34が設けられている。このコネクタ部34には電源供給コード35が接続されており、この電源供給コード35は挿入軸2と駆動軸7との間の隙間内を通って先端部分にまで延在されて、図5に示したように、その先端は両大型把持爪3における延在部3bに接続されている。一方、36は患者プレートであって、この患者プレート36は患者の体表皮に当接させることによって、この患者プレート36により患者の体内を所定の電位に保った状態で、高周波電源32から大型把持爪3に高周波電流を流すことによって、患者の体内における出血部分をジュール熱の作用により凝固させることになる。
【0022】
以上のように、大型把持爪3には高周波電流が流されるが、それ以外の部位には電流が流れないようにする。このために、患者の体腔内壁と直接接触する挿入軸2の少なくとも外面は電気絶縁性部材で構成する必要があり、絶縁コーティングしたり、または絶縁チューブを被着するようにしても良いが、本実施の形態では挿入軸2は硬質の合成樹脂で形成している。一方、小型把持爪21にも電流が流れないように保持しなければならない。また、小型把持爪21は挿入軸2に対して前後動するが、スライド軸24を駆動軸7に対して調芯した状態で移動させなければならない。以上のことから、スライド軸24と駆動軸7とを調芯するための部材として、スライド軸24の先端側及び基端側の端部近傍に絶縁リング37を固着して設ける。これによって、スライド軸24はこの絶縁リング37の内面と摺動することになって、調芯性が確保されると共に、小型把持爪21及びそれが連結されているスライド軸24が大型把持爪3及びそれに連結されている部材と電気的に絶縁される。
【0023】
以上のように構成される鉗子装置Fは、図1に示したように、第2の鉗子20を第1の鉗子1における中空の駆動軸7内に挿通させておく。そして、第1,第2の鉗子1,20における把持爪3,21を閉じた状態となし、かつ大型把持爪3,3の切り欠き3c,3cにより形成される空所から大型把持爪3,3により囲繞された部位に第2の鉗子20における小型把持爪21を配置しておく。この状態で、例えばトラカール等のガイド手段を介して腹腔の内部に導く。また、患者の体表皮には患者プレート36を当接させておき、高周波電源32はOFFの状態に保持する。
【0024】
鉗子装置Fの先端を前述したガイド手段から腹腔内における患部等、処置すべき体内組織の近傍位置にまで突出させた状態で、まず第1の操作部11を操作して駆動軸7を押し出す方向に変位させる。これによって、第1の鉗子1における大型把持爪3が拡開することになる。そして、スライド軸24を駆動軸7内で押し出す方向に摺動させて、第2の鉗子20全体を第1の鉗子1から突出させ、その先端に設けた小型把持爪21を処置対象部に向けて進行させる。これと共に、第2の操作部30を後退させるように操作する。この操作により、図6に示したように、駆動ロッド26がスライド軸24内に引き込まれる方向に変位して、それにリンク機構を介して連結されている小型把持爪21,21が開く。そこで、この小型把持爪21で処置対象部を囲繞させるようになし、次いで第2の操作部30を戻して、小型把持爪21を閉じることによって、図7に示したように、処置すべき体内組織の一部を小型把持爪21,21間に把持させる。
【0025】
小型把持爪21を閉じて、体内組織を把持させた状態に保持して、第2の鉗子20全体を第1の鉗子1内に引き込む。これによって、図8に示したように、体内組織が第2の鉗子20により引っ張り上げられることになる。この結果、体内組織における広い領域を第1の鉗子1における大型把持爪3により把持可能な状態になる。第2の鉗子20による体内組織の引っ張り上げの度合いを調整することによって、所定の広がりのある患部が第1の鉗子1における大型把持爪3により切除できる高さ位置まで持ち上げられる。しかも、第2の鉗子20の第1の鉗子1内への引き込み度合いを調整することによって、患部等を完全に、しかも患部等のみを大型把持爪3,3の把持部3a,3a間に引っ張り上げることができる。この状態で、図9に示したように、第1の操作部11を操作して、駆動軸7を後退させることによって、リンク機構が作動して、大型把持爪3,3が閉じて、それらの先端が接合して患部の切除・摘出を行うことができる。このように、第2の鉗子20により体内組織を把持して引き上げた状態で、第1の鉗子1により体内組織の所定の位置を切除するように操作することによって、たとえ自然状態では非膨出状態で、広い範囲にわたって切除・摘出を行わなければならない患部等の処置対象部に対して、必要な箇所のみを正確に切除・摘出できる。従って、患部の一部を取り残したり、また健康な組織が必要以上切除されてしまう等といった事態が生じることはない。
【0026】
しかも、第2の鉗子20を閉じる際に、高周波電源32をONの状態にすることによって、大型把持爪3に高周波電流を流す。これによって、大型把持爪3,3の接合と共に、この大型把持爪3と患者プレート36との間に流れる高周波電流により発生するジュール熱の作用で患部の切除がより効率的かつ正確に行われる。しかも、この切除と同時に出血部分を凝固させることができ、従って切除の後に直ちに止血が行われる。即ち、体内組織を持ち上げて、この体内組織のうち患部等、摘出する必要のある体内組織や臓器等のうち、必要な部位を、しかも余分な組織等にダメージを与えることなく切除を行った後、切除を行うことにより生じる出血部分の止血という一連の処置を鉗子装置Fのみで行えるから、処置の迅速性が確保される。しかも、切除した体内組織等は小型把持爪21により保持されているから、それを確実に回収できるようになる。さらに、処置具の持ち替え等を行う必要がない等もあり、鉗子装置Fの操作性が著しく向上する。
【0027】
次に、図10乃至図15には可撓性を有する挿入軸を備えた鉗子装置を示すものである。この鉗子装置も第1の鉗子51と第2の鉗子70とから構成される。第1の鉗子51は、図11及び図12からも明らかなように、密着コイルからなり、挿入経路に沿って任意の方向に曲がる可撓性のある挿入軸52の先端に、先端側に一対のすり割りを設けた先端リング53を連結し、この先端リング53に第1の鉗子51が装着されている。第1の鉗子51は、その作動部材として一対の大型把持爪54,54からなり、この大型把持爪54は凹湾曲形状となって、先端部分が相互に接合可能な把持部54aとなっている。
【0028】
大型把持爪54,54を遠隔操作で開閉駆動するために、先端リング53の先端側に一対の支点ピン55,55が設けられており、各大型把持爪54の基端側に延在させた延在部54bの中間位置がこれら支点ピン55に枢着され、各延在部54bの端部は枢支ピン56を介してリンク板57の一端側が枢着されている。そして、リンク板57の他端側は枢支ピン58を介してスライダ59が連結されている。このスライダ59は中空の硬質部材からなり、先端リング53の内面に沿って摺動可能となっている。スライダ59には第1の操作ワイヤ60の先端が連結されており、この第1の操作ワイヤ60を押し引き操作することより大型把持爪54,54を開閉させることができる。また、スライダ59の内部には固定リング61が設けられており、支点ピン55は先端リング53と固定リング61との間に連結されている。
【0029】
第2の鉗子70は固定リング61内に配置されており、この第2の鉗子70は構造的には第1の鉗子51とほぼ同様のものである。即ち、先端に一対からなる小型把持爪71,71を有し、この小型把持爪71の先端部は把持部71aとなっている。小型把持爪71は大型把持爪54より小さいもので、大型把持爪54を閉じた状態では、その把持部54a,54aより内側に位置することになる。小型把持爪71は体内組織等を把持して持ち上げるためのものであり、また大型把持爪54は体内組織等を切除するためのものである。小型把持爪71の基端側に延在させた延在部71bは先端にすり割りを設けたスライド筒72内に配置されており、このスライド筒72は大型把持爪54の内側において、固定リング61内に摺動可能に配置されている。スライド筒72は、先端リング53と同様、すり割り(図示せず)を有するものであり、延在部71bの中間位置はこのスライド筒72に支点ピン73により枢動可能に支持されている。また、延在部71bの端部には、リンク板74が枢支ピン75で枢着されている。さらに、リンク板74の他端には、操作ロッド76が枢支ピン77により連結されており、操作ロッド76はスライド筒72の内部を貫通しており、このスライド筒72に対して軸線方向に相対移動可能となっている。そして、スライド筒72には第2の操作ワイヤ78が連結されており、また操作ロッド76には第3の操作ワイヤ79が連結されている。第2の操作ワイヤ78を押し引きすると、第2の鉗子70全体が軸線方向に移動することになり、第3の操作ワイヤ79を押し引き操作することにより第2の鉗子70の小型把持爪71,71が開閉駆動される。
【0030】
第1,第2及び第3の操作ワイヤ60,78,79は挿入軸52内に沿ってその基端側に設けた押し引き操作機構部80にまで延在されている。押し引き操作機構部80は、図13に示したように、挿入軸52を構成する密着コイルの基端部に連結した固定パイプ81と、この固定パイプ81に挿嵌させた第1のスライド作動部82と、第1のスライド作動部82に挿嵌させた第2のスライド作動部83と、第2のスライド作動部83に挿嵌させた第3のスライド作動部84とから構成されており、これら第1〜第3のスライド作動部82〜84にはそれぞれ指掛け部82a〜84aが連設されている。また、第1〜第3のスライド作動部82〜84の挿入軸52内の端部には、取付部82b〜84bがそれぞれ略120°となる関係に延在されており、これら各取付部82b〜84bには第1,第2及び第3の操作ワイヤ60,78,79が連結されている。
【0031】
従って、第1の操作ワイヤ60の基端部を連結した第1のスライド作動部82の指掛け部82aを操作すると、その動きが第1の操作ワイヤ60に伝達されて、リンク板57を介して第1の鉗子51を構成する大型把持爪54を開閉動作する。また、第2の操作ワイヤ78に連結した第2のスライド作動部83の指掛け部83aを操作すると、第2の操作ワイヤ78を介して第2の鉗子70を軸線方向に移動する。この第2のスライド作動部83が移動する際には、第3のスライド作動部84も連動して同じ方向に動くことになる。さらに、第2の鉗子70が所定長さ突出した状態で、第3の操作ワイヤ79に連結した第3のスライド作動部84の指掛け部84aを操作すると、第3の操作ワイヤ79を介して第2の鉗子70が開閉操作される。
【0032】
以上のように、挿入軸52内には第1〜第3の操作ワイヤ60,78,79が通っているが、これら各操作ワイヤ60,78,79は、図14にも示されているように、挿入軸52内において、それぞれ位置を違えて平行に延在されるが、各操作ワイヤ60,78,79は、それぞれスライダ59,スライド筒72及び操作ロッド76を軸線方向に動かすものであり、これらは全て同軸に配置されている。このために、図15に示したように、スライダ59,スライド筒72及び操作ロッド76には、それぞれ張り出し部59a,72a,76aを設けて、挿入軸52の中心軸線からずらせた位置で、それぞれ第1〜第3の操作ワイヤ60,78,79に連結している。
【0033】
以上のように構成した場合においても、第1の実施の形態と同様に、挿入軸52の押し引き操作機構部80の近傍位置に高周波電源へのコネクタ部85を設けると共に、このコネクタ部85からの電源供給コード86を密着コイルからなる挿入軸52に接続する。ここで、挿入軸52は金属線材からなり、かつ先端リング53も金属パイプで構成し、さらに支点ピン55も、また大型把持爪54も金属で形成し、これら各部材を構成する金属は、鋼材等の導電性部材とすることによって、コネクタ部85から大型把持爪54に至る電源供給経路が形成される。ただし、挿入軸52が露出したままになっていると、この挿入軸52が体腔内壁と接触している状態で高周波電流を流すと、接触部で短絡が生じることになる。これを避けるために、挿入軸52の外面及び先端リング53の外面を絶縁チューブ87で覆うようにしている。また、小型把持爪71に高周波電流が流れないようにしなければならない。そこで、先端リング53とスライド筒72との間に介装されている固定リング61を電気絶縁性を有する部材で形成し、かつこの固定リング61に連結される支点ピン55は、この固定リング61を非貫通状態に装着する。さらに、挿入軸52内に挿通されている第1〜第3の操作ワイヤ60,78,79を全て合成樹脂等の電気絶縁性部材で構成する。また、押し引き操作部80を構成する固定パイプ81,第1〜第3のスライド作動部82〜84も電気絶縁部材により形成する。
【0034】
このように、挿入軸52及びその内部に挿通されている第1〜第3の操作ワイヤ60,78,79を可撓性部材で構成することによって、鉗子装置を内視鏡の処置具挿通チャンネルを介して体腔内に挿入して、内視鏡による体腔内の検査を行っている間に、患部等摘出・切除しなければならない部位が発見された時に、処置具挿通チャンネル内に鉗子装置を挿入して、小型把持爪71で切除する部位を持ち上げた上で、大型把持爪54により切除するが、この時に大型把持爪54に高周波電流を流すことによって、切除を円滑に行うことができ、かつ凝固による出血部分の止血を同時に行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、鉗子により体内組織や臓器等を把持して、摘出する操作を行うに当って、患部等の必要な組織を確実に摘出し、しかも摘出後の止血も一連の操作の中で行えるようになる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す鉗子装置の外観図である。
【図2】図1の先端部分を拡大して示す平面図である。
【図3】図1の鉗子装置の先端部分の断面図である。
【図4】図1の鉗子装置の基端部分の断面図である。
【図5】鉗子装置を患者の体腔内に挿入した状態を示す模式図である。
【図6】鉗子装置の作動状態を示す作用説明図である。
【図7】鉗子装置により体内組織を把持した状態を示す作用説明図である。
【図8】鉗子装置により体内組織を引っ張り上げた状態を示す作用説明図である。
【図9】鉗子装置により体内組織の切除・摘出する状態を示す作用説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す鉗子装置の外観図である。
【図11】第2の実施の形態における鉗子装置の先端部分の断面図である。
【図12】図10の鉗子装置の先端部分を分解して示す要部外観図である。
【図13】図10の鉗子装置の基端部分の断面図である。
【図14】挿入軸の断面図である。
【図15】操作ワイヤの先端部分の連結機構を示す構成説明図である。
【符号の説明】
1,51 第1の鉗子 2,52 挿入軸
3,54 大型把持爪 6,23,57,74 リンク板
7 駆動軸 11 第1の操作部
20,70 第2の鉗子 21,71 小型把持爪
24 スライド軸 26 駆動ロッド
30 第2の操作部 32 高周波電源
33 コード 34,85 コネクタ部
35,86 電源供給コード 36 患者プレート
37 絶縁リング 53 先端リング
59 スライダ 60 操作ワイヤ
71 固定リング 72 スライド筒
73 操作ロッド 80 押し引き操作機構部
87 絶縁チューブ

Claims (4)

  1. 開閉可能な大型把持爪を、リンク機構を介して中空の挿入軸に設けて、この大型把持爪を開閉駆動する中空の駆動軸を前記挿入軸内に摺動可能に挿通させて設け、
    前記駆動軸の内部に通路を形成して、この通路内に中空部材からなる移動部材を軸線方向に移動可能に設けて、この移動部材の先端にリンク機構を介して開閉可能な小型把持爪を設け、前記移動部材の内部には前記小型把持爪を開閉駆動する開閉操作部材を設け、
    前記大型把持爪に高周波電源を接続すると共に、小型把持爪を大型把持爪に対して電気的に絶縁する構成としたことを特徴とする鉗子装置。
  2. 前記挿入軸は硬質パイプで構成し、この硬質パイプの少なくとも外面が電気絶縁部材からなることを特徴とする請求項1記載の鉗子装置。
  3. 前記挿入軸はフレキシブルシャフトから構成され、このフレキシブルシャフトの外面を絶縁チューブで覆う構成としたことを特徴とする請求項1記載の鉗子装置。
  4. 前記小型把持爪のリンク機構を設けた前記移動部材と前記大型把持爪のリンク機構を設けた前記駆動軸との間を電気的に絶縁するために、これら駆動軸と移動部材との間に電気絶縁部材からなるガイド部材を設けて、前記移動部材をこのガイド部材により前記駆動軸と調芯した状態で移動させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の鉗子装置。
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