JP2007143869A - 内視鏡処置具 - Google Patents

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Abstract

【課題】体腔内への内視鏡の挿入が一度ですみ、しかも病変部の全体を確実に持ち上げることができ、病変部を残存させることなく切除することが可能な内視鏡処置具を提供すること。
【解決手段】本発明の内視鏡処置具10は、先端部が互いに対向しており、基部14で結合された開閉自在な一対の爪部12、13と、内部に前記一対の爪部が挿入され、前記一対の爪部に沿って相対的に移動可能に設けられた前記爪部を閉じることができる押えリング16と、前記押えリング内に挿入され、一方側の端部に切り欠き孔18及び他方側の端部に係合孔19が設けられ、前記切り欠き孔に前記一対の爪部の基部が取り外し可能に係合された連結板17と、を備える把持具11と、前記一対の爪部の基部に接続され、前記押えリング内を通って伸びている極細の糸15とからなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection:EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection:ESD)等に使用する内視鏡処置具に関し、特に早期胃癌等の病変部を切除する際に病変部を隆起させて病変部の下層を剥離しやすくする内視鏡処置具に関する。
従来から胃の中に挿入シースを挿入する内視鏡を用いて早期胃癌の病変部を切除することが行われている。この早期胃癌切除術では、EMRに加えて、大きな病変部を切除するために高周波ナイフ(ITナイフ、フレックスナイフ、フックナイフ等)を用いて病変粘膜を剥離するESDが普及している。ESDでは、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔率が4%と高率であるため、安全に病変部を切除することが課題となっている。このため、早期胃癌等の病変部を切除する場合、粘膜下層と筋層との間に生理食塩水を注入して病変部を隆起させ、スネアや高周波ナイフを用いて粘膜下層の切開、剥離を行ってきた。
このような早期胃癌等の病変部の典型的な切除方法を図7〜図9を用いて説明する。なお、図7(a)〜図7(d)は従来の病変部を切除中の操作を示す斜視図であり、図8は図7(b)のA−A断面図、図9は図7(c)のB−B断面図である。
まず、図7(a)に示したように内視鏡下において病変部51の周囲数カ所にマーキング52を施し、次いで、図7(b)及び図8に示したように、このマーキング52点を目標にして粘膜層53と筋層54との間に生理食塩水55を適宜量注入して病変部51を隆起させる。その後、図7(c)及び図9に示したように、ITナイフ56を用いて病変部51の周囲を切開し、必要に応じて図示しない他の高周波ナイフ、フックナイフ等により病変部51と筋層54とを剥離する。そして、図7(d)に示したように、切除された病変部51を回収用ネットや三脚、五脚を用いて捕獲し、内視鏡を引き抜いて病変部51を回収する。この場合、図示しない内視鏡の一つの処置具誘導チャンネルから生理食塩水注入具、ITナイフ、スネア等の内視鏡処置具を相互に交換して挿入することにより処置が行われる。
しかしながら、上述のような生理食塩水を局所注入して病変部を隆起させた場合、注入された生理食塩水は時間の経過とともに粘膜下層に拡散するので、人工的に形成した粘膜隆起は徐々に平坦になって行く。病変部の切開、剥離には十分な病変部の隆起が必要であり、この病変部の隆起が十分でないと筋層の穿孔の可能性が高くなる。従って、病変部を切除する場合、局所注入した生理食塩水が拡散して粘膜隆起が平坦になった場合、再度生理食塩水を局所注入したり、保水能力の高いヒアルロン酸を局所注入して病変部を隆起させることが行われているが、他の手段を併用して隣接する筋層ないしは正常組織との間の間隔を広げることも知られている。
たとえば、下記特許文献1には、病変部を剥離しやすい状態とするために、磁気アンカーとクリップとを組み合わせて病変部を持ち上げる磁気アンカー誘導装置の発明が開示されている。そこで、以下においてこの下記特許文献1に開示されている磁気アンカー誘導装置を図10を用いて説明する。なお図10は胃内における磁気アンカー誘導装置の使用状況を示す図である。
この磁気アンカー誘導装置60は、病変部61に取り付けられたクリップ62と、このクリップ62に対して連結部63を介して取り付けられた磁気アンカー64と、外部から磁気アンカー64に駆動力を与える磁気誘導体65とを備えている。この磁気アンカー誘導装置60は次のような操作により病変部61を持ち上げる。まず、従来の方法と同様にして、内視鏡66を用いて病変部61の下部に生理食塩水67を注入することにより病変部61を隆起させる。次いで、把持鉗子68によってクリップ62を病変部61に取り付ける。次いで、内視鏡66を引き抜き、把持鉗子68に磁気アンカー64を取付け、再度内視鏡66を挿入し、外部の磁気誘導体65を操作することにより磁気アンカー64を患部の所定位置に固定する。
その後、内視鏡66を引き抜き、把持鉗子68に連結部63を取付け、再度内視鏡66を挿入し、患部内で連結部63の一端をクリップ62に取り付けるとともに連結部63の他端を磁気アンカー64に取り付ける。この状態で外部から磁気誘導体65を操作してクリップ62を引っ張ることにより病変部61を持ち上げることができ、この状態でITナイフ等により病変部を安全に切除することが可能となるというものである。
また、下記特許文献2には、図11に示したように、1本の内視鏡用チャンネル71と2本の処置具誘導挿入具チャンネル72を有する誘導シース73を使用し、2本の処置具誘導挿入具チャンネル72からそれぞれ挿入された2本の鉗子74、75により病変部を持ち上げ、1本の内視鏡用チャンネル71から挿入された内視鏡76内を通された電気メス77により病変部を切除する内視鏡治療装置70が開示されている。
特開2004−105247号公報(特許請求の範囲、段落[0025]〜[0033]、図6〜図11) 特開2000−325303号公報(特許請求の範囲、段落[0013]〜[0020]、図1〜図4)
しかしながら、上記特許文献1に開示されている磁気アンカー誘導装置60は、クリップ62の病変部61への取付け、クリップ62と磁気アンカー64との取付け、外部の磁気誘導体65の操作により磁気アンカー64を患部の所定位置への固定及び外部の磁気誘導体65の操作による病変部の持ち上げといった多段階の操作が必要であり、また磁気アンカー64のサイズが大きいために病変部61の持ち上げまでに複数回の内視鏡66の抜き差しが必要であり、しかも、外部の磁気誘導体65の操作には磁気アンカー誘導装置60を操作する人が操作することができないために、別の人が操作する必要があり、操作が煩雑で手間がかかるという問題点が存在しており、現在は一般的には普及していない。
また、上記特許文献2に開示されている内視鏡治療装置70は、2本の処置具誘導挿入具チャンネル72からそれぞれ挿入された2本の鉗子74、75により病変部を持ち上げるようにしているが、このような構成では処置具誘導挿入具チャンネルの数が増えた分だけ誘導シース73の外径が大きくなるため、患者の苦痛が大きくなるという問題点が存在している。
更に、特許文献1に開示されている磁気アンカー誘導装置60や特許文献2に開示されている内視鏡治療装置70では、病変粘膜周辺に病変部が残存する場合がある問題点も存在している。
本願の発明者は、上述のような従来例の問題点を解決し得る内視鏡処置具を得るべく種々検討を重ねた結果、病変部の周囲を複数の把持具によって把持した状態で把持具を持ち上げることにより、病変部の全体をテントのように吊り上げることができるため、煩雑な操作を必要としないで病変部全体の隆起を行うことができると共に病変部全体の切除を容易に行うことができること、及び、これらの操作を極細の糸を用いて行うことにより、内視鏡の取り出しや再挿入を行うことなく、1つの内視鏡処置具誘導チャンネルから複数の把持具を取り出すことができるため、内視鏡処置具誘導チャンネルの数や径を大きくする必要がなくなり、患者に与える苦痛を減らすことができることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、体腔内への内視鏡の挿入が一度ですみ、しかも病変部の全体を確実に持ち上げることができ、以て病変部を残存させることなく容易に切除することが可能な内視鏡処置具を提供することを目的とする。
本発明の上記目的を達成するため、請求項1に係る内視鏡処置具の発明は、
先端部が互いに対向しており、基部で結合された開閉自在な一対の爪部と、内部に前記一対の爪部が挿入され、前記一対の爪部に沿って相対的に移動可能に設けられた前記爪部を閉じることができる押えリングと、前記押えリング内に挿入され、一方側の端部に切り欠き孔及び他方側の端部に係合孔が設けられ、前記切り欠き孔に前記一対の爪部の基部が取り外し可能に係合された連結板と、を備える把持具と、
前記一対の爪部の基部に接続され、前記押えリング内を通って伸びている極細の糸と、
からなること特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内視鏡処置具において、前記把持具は少なくとも表面が電気絶縁性材料からなることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の内視鏡処置具において、前記把持具の表面は窒化硅素又は酸化硅素からなる電気絶縁性材料により被覆されていることを特徴とする。
更に、請求項4に係る内視鏡処置具の発明は、
先端部が互いに対向しており、基部で結合された開閉自在な一対の爪部と、内部に前記一対の爪部が挿入され、前記一対の爪部に沿って相対的に移動可能に設けられた前記爪部を閉じることができる押えリングと、前記押えリング内に挿入され、一方側の端部に切り欠き孔及び他方側の端部に係合孔が設けられ、前記切り欠き孔に前記一対の爪部の基部が取り外し可能に係合された連結板と、を備える把持具と、
前記一対の爪部の基部に接続され、前記押えリング内を通って伸びている極細の糸と、
前記連結板の係合孔に係合する部材を備えた固定部材と、
前記固定部材に結合された操作ワイヤと、
先端に前記固定部材を挿入できるとともに前記把持具の押えリングを保持でき、かつ、内部に前記操作ワイヤが通された第1の可撓性シースと、
内部に前記第1の可撓性シース及び極細の糸が挿入された第2の可撓性シースを備えていることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項4に記載の内視鏡処置具において、前記一対の爪部及び押えリングは、少なくとも表面が電気絶縁性材料からなることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の内視鏡処置具において、前記把持具の表面は窒化硅素又は酸化硅素からなる電気絶縁性材料により被覆されていることを特徴とする。
本発明は上記のような構成を備えることにより、以下に述べるような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、把持具を病変部に押し当てて押えリングを移動させて爪部を閉じることにより把持具の爪部及び押えリング部分で病変部を把持することができ、連結板を爪部の基部から取り外すと一対の爪部及び押えリング部分が病変部を把持したまま残存する。しかも、一対の爪部の基部には極細の糸が接続されているから、この状態で極細の糸を引っ張ると病変部を持ち上げることができるようになるため、別途ITナイフやフックナイフ等の高周波ナイフを用いた病変部の切開が容易になり、筋層穿孔の可能性を非常に小さくすることができる。
また、請求項2に係る発明によれば、高周波ナイフには高周波電流が流れているから、把持具の少なくとも表面を電気絶縁性材料からなるものとすることにより、高周波ナイフとの接触による短絡や発熱がなくなり、安全性が向上すると共に患者の正常組織に与える悪影響を少なくすることができる。
また、請求項3に係る発明によれば、窒化硅素や酸化硅素は良質な電気絶縁性物質であり、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等により簡単に電気絶縁性物質からなる被膜を形成することができる。
更に、請求項4に係る発明によれば、内視鏡処置具は内視鏡の鉗子挿入口から差し込まれて病変部の近傍まで誘導されて使用されるが、第1のシースを操作して把持具を病変部に押し当て、次いで操作ワイヤを引っ張ると押えリングが一対の爪部の方向に押し出されるために一対の爪部が閉じられ、把持具の一対の爪部で病変部を把持することができる。この状態では一対の爪部の基部は押えリングの端部より露出するから、連結板を基部から外すことができ、結果として把持具のうち一対の爪部及び押えリングが病変部を把持したまま残存する。しかも、一対の爪部の基部に接続されている極細の糸が第1の可撓性シースと第2の可撓性シースの間を通されているから、内視鏡処置具全体をこの内視鏡処置具が挿入された内視鏡から引き抜くと、一対の爪部の基部から延びている極細の糸は内視鏡の鉗子挿入口より外部に導出された状態となる。ここで、外部からこの極細の糸を引くことにより病変部を引き上げることができ、別途ITナイフやフックナイフ等の高周波ナイフを用いた病変部の切開が容易になり、筋層穿孔の可能性を非常に小さくすることができる。
加えて、引き抜いた内視鏡処置具に別の把持部を取り付け、或いは、別途予め把持具を取り付けた内視鏡を再度内視鏡の鉗子挿入口より挿入し、上記と同様の操作を行うことにより別の把持具の一対の爪部及び押えリング部分により再度病変部を把持することができる。
この操作を繰り返すことにより、内視鏡の取り出しや再挿入を行うことなく、複数個の把持具の一対の爪部及び押えリング部分で病変部を把持でき、しかもこれらの複数個の把持具の一対の爪部の基部に接続された複数本の極細の糸は全て内視鏡の鉗子挿入口より外部に導出されているから、これらの複数本の極細の糸を外部から引くことにより、特に煩雑な操作を必要とせずに病変部全体の隆起を行うこともできるため、別途高周波ナイフ等を用いて病変部の残存が無く、かつ、病変部全体の切除を容易に行うことができるとともに、筋層穿孔の可能性を更に小さくすることができる。
また、請求項5に係る発明によれば、高周波ナイフには高周波電流が流れているから、把持具の少なくとも表面を電気絶縁性材料からなるものとすることにより、高周波ナイフとの接触による短絡や発熱がなくなり、安全性が向上すると共に患者の正常組織に与える悪影響を少なくすることができる。
また、請求項6に係る発明によれば、窒化硅素や酸化硅素は良質な電気絶縁性物質であり、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等により簡単に電気絶縁性物質からなる被膜を形成することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例により詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための内視鏡処置具を例示するものであって、本発明をこの実施例に特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、以下の実施例においては、図7〜図9に示した従来例と同一の構成部分には同一の参照符号を付与して説明する。
実施例の内視鏡処置具を図1〜図3を用いて説明する。なお、図1は実施例の内視鏡処置具の分解斜視図であり、図2は実施例の内視鏡処置具の組立後の斜視図であり、また、図3は図2の内視鏡処置具を使用するための取付具の一部拡大斜視図である。
この実施1の内視鏡処置具10は、把持具11と、この把持具11の一対の爪部12,13の結合部分である基部14に接続された極細の糸15とからなる。この把持具11は、病変部の把持を行うためのものであり、例えばオリンパス光学株式会社よりクリップ(商品名:HX−600−090)として市販されているものの表面をプラズマCVD法により窒化硅素からなる絶縁被膜を形成したものを用いた。なお、この絶縁皮膜としては窒化硅素だけでなく酸化硅素からなるものも使用でき、また、プラズマCVD法による窒化硅素又は酸化硅素からなる絶縁被膜の形成方法は、例えば液晶表示パネルや半導体素子の製造分野で普通に採用されており、周知のものであるのでその詳細な説明は省略する。
この把持具11のうち留置部11'は、基部14で互いに結合された一対の爪部12、13と、これらの爪部12、13と基部14との間の周囲に移動可能に設けられた押えリング16とから構成されている。爪部12、13は、先端部分が互いに相手の爪部に向かって屈曲されており、これらの屈曲された先端部分12a、13aは押えリング16の操作により開閉自在となっている。すなわち、爪部12、13は、長さ方向の中間部分が交差し、交差部分よりも後端側が相互に離れる方向に湾曲されて作用部12b、13bとなっており、この作用部12b、13bの更に後端側は互いに結合されて基部14となり、この基部14は、極細の糸15が結びつけられているとともに、押えリング16内に挿入されている。
この押えリング16及び爪部12、13は、互いに移動可能に組み付けられており、押えリング16が相対的に爪部12、13の先端部分に向かって移動すると、押えリング16が作用部12b、13bを覆った際には爪部12、13の先端部分12a、13aが開かれ、更に押えリングが爪部12、13の先端部分12a、13aまで覆うと逆に爪部12、13が外側から押え付けられる。これにより爪部12、13の先端部分12a、13aが閉じた状態を維持することができる。そして、この状態では基部14が押えリング16の端部から露出する。
一方、爪部12、13の基部14は、押えリング6内を通されている連結板17の一方側の端部に設けられた切り欠き孔18に取り外し可能に嵌合されて把持具11が構成される。この連結板17は押えリング16よりも長さが長く、基部14が押えリング16内の端部に位置するとき、連結板17の反対側の端部に設けられた係合孔19が押えリング16の端部より露出するようになっている。そして、爪部12、13の基部14に接続された極細の糸15は、押えリング16内を通って外部へ伸びている。
この把持具11及び極細の糸15からなる実施例の内視鏡処置具10は、図3に示したような取付具20を使用して次のようにして病変部に把持される。なお、図3は取付具20の一部拡大斜視図であり、左端の先端部が拡大表示されている。この取付具20は、挿入部21及び操作部22とからなる。挿入部21の先端部には把持具11を保持するための固定部材23とその先端部に前記把持具11の連結板17に設けられた係合孔19に連結するためのピン24を備えており、この固定部材21の後端部は操作ワイヤ25が接続されている。この操作ワイヤ25はコイルシースからなる第1の可撓性シース26内を通され、操作部22のチューブ継手27内を通ってスライダ28に接続されており、このスライダ28により操作ワイヤ25を介して固定部材23の移動及び回転を制御できるようになっている。
また、第1の可撓性シース26はチューブ継手27及びスライダ28内を通ってリング30に結合されている。更に、第1の可撓性シース26の外側は合成樹脂製シースからなる第2の可撓性シース29で被覆されており、この第2の可撓性シース29は操作部22のチューブ継手27に接続され、このチューブ継手27によって第2の可撓性シース29の移動及び回転を制御できるようになっている。そしてこの実施例で使用したチューブ継手27には、極細の糸を通すための孔31が設けられている。
この取付具20に把持具11及び極細の糸15からなる内視鏡処置具10を取り付ける操作は次のようにして行われる。まず最初に、操作部22のスライダ28及びリング30を同時に引き抜くことにより、固定部材23、操作ワイヤ25及び第1の可撓性シースをチューブ継手27より引き抜く。次いで、図示しない先端に微細な針孔を有する細い弾性ワイヤをチューブ継手27に設けられた孔31から挿入してチューブ継手27のスライダ側の開口より突き出させ、この状態で把持具11に固定された極細の糸15の一端を通した後、弾性ワイヤを引き抜く。そうすると、把持具11に固定された極細の糸15の一端はチューブ継手27に設けられた孔31から引き出される。
その後、把持具11の連結板17の端部に設けられている係合孔19を固定部材23のピン24に合わせて嵌め込み、その後把持具11を先端側に軽く引くと把持具11は固定部材23に固定される。次いで、スライダ28をリング30側に移動させると、操作ワイヤ25及び固定部材23が第1の可撓性シース26内に引き込まれ、把持具11の押えリング16が第1の可撓性シース26の先端部に嵌合して固定される。この状態では把持具11の爪部の先端部分12a、13aは僅かに閉じた状態となる。そして、この状態で、把持具11が固定された固定部材23、操作ワイヤ25及び第1の可撓性シース26を一体的にチューブ継手27内に挿入し、チューブ継手27がスライダ28と離間するように移動させると、把持具11は第2の可撓性シース29の先端から露出せずに第2の可撓性シース29内に挿入された状態となる。
そして、予め体腔内に挿入された内視鏡32の鉗子挿入口(図示せず)より取付具20の挿入部21を挿入して内視鏡32の先端部34から突き出させ、内視鏡32の視野内に入るようにして、病変部51の近傍にまで誘導する。そして、病変部51の近傍でチューブ継手27を引っ張ることによりチューブ継手27とスライダ28とが隣接する状態とすると、第2の可撓性チューブ29が引き上げられて把持具11が露出する。このとき把持具11内の爪部12、13の基部14に接続された極細の糸15は、押さえリング16内を経て第1の可撓性シース26と第2の可撓性シース29との間を通って操作部22のチューブ継手27に設けられた糸用の孔31を経て外部に延びた状態となっている。
ここで、更にスライダ28をゆっくりリング側30へ移動させると、把持具11の押えリング16が爪部の作用部12b、13bを押圧するため、把持具11の爪部の先端部分12a、13aは大きく開く。この状態で、把持具11の爪部の先端部12a、13aを病変部51の把持すべき部分に押し当て、更にスライダ28をゆっくり引くと、把持具11の押えリング16が爪部の先端部12a、13aの近傍まで押圧するようになるため、爪部の先端部12a、13aは、病変部51に食い込み、病変部51を把持する。それとともに、基部14及び連結板17の切り欠き孔18が露出するので、操作部22を操作することにより連結板17を爪部12、13の基部14から外すことができ、病変部51には把持具11の爪部12、13及び押さえリング16のみからなる留置部11'が固定されたままとなる。
そして、チューブ継手27、スライダ28及びリング30を同時に引き抜くことにより、連結板17が保持された固定部材23、操作ワイヤ25、第1の可撓性シース26及び第二の可撓性シース29を引き抜く。そうすると、図4に示すように、留置部11'から延びている極細の糸15は内視鏡32の鉗子孔37内を通って図示しない鉗子挿入口より外部に伸びた状態となる。なお、図4は病変部51近傍の内視鏡32の先端部付近の状態を表した概要図であり、符号35は観察窓、符号36は照明窓、符号37、38はそれぞれ鉗子孔を示すが、これらの構成は全て周知のものであるため、詳細な説明は省略する。
この状態で、外部より極細の糸15を引くことにより留置部11'を持ち上げ、病変部51を持ち上げることもできるが、病変部51が大きくて複数箇所で持ち上げる必要がある場合は上述の操作を繰り返せばよい。この際、引き抜いた内視鏡処置具に別の把持部を取り付けて再使用してもよいが、別途予め把持具11を固定部材23に取り付けた内視鏡処置具20を必要数用意しておき、交換使用すると処置時間を短縮できるために望ましい。このようにして一つの鉗子孔37を介して複数個の留置部11'により病変部51を把持することができるとともに、複数個の留置部11'から延びている複数本の極細の糸15も鉗子孔37を通って鉗子挿入口より外部に伸びた状態とすることができる。この状態で外部からそれぞれの極細の糸15を引っ張ると、病変部51はテント状に上方に隆起される。そこで、従来例の場合と同様にして、内視鏡32の別の鉗子挿入口38からITナイフ57、スネア等を挿入し、病変部51の切開、剥離を行う。
なお、病変部51の位置と極細の糸15の延在している方向との関係から、極細の糸15を外部から引いても病変部51を望ましい方向に隆起させることができない場合が生じる。この場合は、先端部が所定角度だけ曲げられた可撓性シース29'が取り付けられたチューブ継手27を用意し、可撓性シース29'の先端から鉗子挿入口より外部に伸びた状態の複数本の極細の糸15の全てを通してチューブ継手27のスライダ側の開口より取り出す。そして、この先端部が曲げられた可撓性シース29'を再度内視鏡32の鉗子挿入口より挿入して先端部が曲げられた可撓性シース29'の先端部が内視鏡32の鉗子孔37から突き出るようにする。次いで、チューブ継手27を回転させることにより、図5に示すように、先端部が曲がっている可撓性シース29'の先端部が病変部51から離れる方向、より具体的には可撓性シース29'の先端部が病変部51を隆起させようとする方向に位置するようにする。この状態で外部からそれぞれの極細の糸15を引っ張ると、病変部51はテント状に上方に隆起される。そこで、内視鏡32の別の鉗子挿入口38からITナイフ57を挿入し、病変部51の切開、剥離を行う。なお、この可撓性シース29'としては、ワイヤーアクションにより先端部の角度を自在に付けることが可能なものを使用することもでき、この場合には病変部51の隆起を更に容易に行うことができるようになる。
また、この実施例では、複数個の留置部11'を用いており、それぞれの留置部11'に接続されている複数本の極細の糸15は互いに独立して内視鏡32の鉗子孔37内を通って、チューブ継手27のチューブ継手27のスライダ側の開口から外部へ取り出されているから、それぞれの留置部11'と極細の糸とを1:1に対応させるため、それぞれの留置部11'の押さえリング16に識別のための表示を行うとともに、極細の糸15もそれに対応した識別ができるようにすることが好ましい。この識別のための表示としては、異なる着色による識別、異なる数字やシンボルによる識別等、適宜の手段を用いることができる。着色による識別の場合には、押えリング16の着色と極細の糸15に対する着色を同じにすることによりに行うことができ、数字識別の場合には、押えリング16に番号を付しておくとともに極細の糸17における術者側に対応番号を付けたコッヘルを挟んでおくことにより行うことができる。
なお、上述の実施例では全て2つの鉗子孔37、38を備える内視鏡(2−チャンネルファイバー)を用いた場合を示したが、鉗子孔が1つの通常の内視鏡を使用する場合には、別途第2の可撓性シース29よりも直径が大きい可撓性シースを通常の内視鏡に沿って配置し、両者をテープにより固定することにより2−チャンネルファイバーを用いたときと同様の処置を行うことが可能となる。
上述の実施例によれば、簡単な操作で病変部51全体の隆起を行うことができるため、筋層54穿孔することなく安全に、病変部51全体を残存部がないように切除することができる。更に、複数の把持具を一本の内視鏡32の鉗子孔37内を順番に通して複数の把持具により病変部を把持することができるため、複数の把持具を個々に押し出すための鉗子孔を複数設ける必要がない。このため、内視鏡32を太くする必要がなく、患者に与える苦痛を軽減させることができる。
また、切除した病変部51については、これを複数の留置部11'が把持した捕獲状態となっているため、そのまま内視鏡32を体腔内から引き抜くことにより病変部51を体外に取り出すことができる。このため、切除後に別途病変部51の捕獲操作が不要となり、手術が簡単となるばかりでなく、手術時間を短縮することができる。更に、病変部51が大きい場合においては、病変部51を複数の留置部11'がそれぞれ把持している部分に分けるように切断することができるため、大きな病変部51への対応も柔軟に行うことができる。
実施例の内視鏡処置具の分解斜視図である。 実施例の内視鏡処置具の組立後の斜視図である。 図2の内視鏡処置具を使用するための取付具の一部拡大斜視図である。 実施例によって病変部を切除する際における病変部の把持状態を示す斜視図である。 病変部を切除する際の病変部の吊り上げ状態を示す斜視図である。 ITナイフによって病変部を切除する状態を示す斜視図である。 図7(a)〜図7(d)は従来の病変部を切除中の操作を示す斜視図である。 図7(b)のA−A断面図である。 図7(c)のB−B断面図である。 従来例の胃内における磁気アンカー誘導装置の使用状況を示す図である。 別の従来例の内視鏡治療装置の斜視図である。
符号の説明
10 内視鏡処置具
11 把持具
11' 把持具の留置部
12、13 爪部
12a、13a 爪部の先端部分
12b、13b 爪部の作用部
14 基部
15 極細の糸
16 押さえリング
17 連結板
18 切り欠き孔
19 係合孔
20 取付具
21 挿入部
22 操作部
23 固定部材
24 ピン
25 操作ワイヤ
26 第1の可撓性シース
27 チューブ継手
28 スライダ
29 第2の可撓性シース
29' 先端部が曲げられた第2の可撓性シース
30 リング
31 糸用の孔
32 内視鏡
33 鉗子挿入口
34 内視鏡の先端
35 観察窓
36 照明窓
37、38 鉗子孔
51 病変部
52 マーキング
53 粘膜層
54 筋層
57 ITナイフ

Claims (6)

  1. 先端部が互いに対向しており、基部で結合された開閉自在な一対の爪部と、内部に前記一対の爪部が挿入され、前記一対の爪部に沿って相対的に移動可能に設けられた前記爪部を閉じることができる押えリングと、前記押えリング内に挿入され、一方側の端部に切り欠き孔及び他方側の端部に係合孔が設けられ、前記切り欠き孔に前記一対の爪部の基部が取り外し可能に係合された連結板と、を備える把持具と、
    前記一対の爪部の基部に接続され、前記押えリング内を通って伸びている極細の糸と、
    からなること特徴とする内視鏡処置具。
  2. 前記把持具は少なくとも表面が電気絶縁性材料からなることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡処置具。
  3. 前記把持具の表面は窒化硅素又は酸化硅素からなる電気絶縁性材料により被覆されていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡処置具。
  4. 先端部が互いに対向しており、基部で結合された開閉自在な一対の爪部と、内部に前記一対の爪部が挿入され、前記一対の爪部に沿って相対的に移動可能に設けられた前記爪部を閉じることができる押えリングと、前記押えリング内に挿入され、一方側の端部に切り欠き孔及び他方側の端部に係合孔が設けられ、前記切り欠き孔に前記一対の爪部の基部が取り外し可能に係合された連結板と、を備える把持具と、
    前記一対の爪部の基部に接続され、前記押えリング内を通って伸びている極細の糸と、
    前記連結板の係合孔に係合する部材を備えた固定部材と、
    前記固定部材に結合された操作ワイヤと、
    先端に前記固定部材を挿入できるとともに前記把持具の押えリングを保持でき、かつ、内部に前記操作ワイヤが通された第1の可撓性シースと、
    内部に前記第1の可撓性シース及び極細の糸が挿入された第2の可撓性シースを備えていることを特徴とする内視鏡処置具。
  5. 前記一対の爪部及び押えリングは、少なくとも表面が電気絶縁性材料からなることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡処置具。
  6. 前記把持具の表面は窒化硅素又は酸化硅素からなる電気絶縁性材料により被覆されていることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡処置具。
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