JP3791050B2 - 高温熔融物の撹拌方法および撹拌装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熔融ガラスなどの高温熔融物を撹拌し、均質化するための撹拌方法および撹拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガラス熔融炉には、熔融ガラスを均質化するために、熔融ガラスの撹拌装置が設置されている。たとえば、TVバルブ用ガラスを製造するガラス熔融炉にはフォアハース部のゴブ切り出し装置の上流に撹拌装置が設置される。
【0003】
かかる撹拌装置には熔融ガラスの均質化のために2つの機能がある。ひとつは、撹拌翼を回転軸のまわりに回転させて、熔融ガラスの流れを乱して、均質化する機能である。もうひとつは、熔融ガラスに上向きまたは下向きの流れを生じさせて流路を長くし、熔融ガラスを均質化する機能である。
【0004】
上向きまたは下向きの流れを熔融ガラスに与えるために、一般に撹拌翼は回転方向に向かって一定の角度で傾斜している。撹拌翼が、回転方向に向かって下方に傾斜していると、その回転により熔融ガラスには上方の流れが付与され、回転方向に向かって上方に傾斜していると、その回転により熔融ガラスには下方の流れが付与される。
【0005】
図3は、このような撹拌装置に用いられる撹拌翼を示す斜視図である。回転軸30のまわりに撹拌翼34が取りつけられている。回転軸30の回転方向は、図の実線矢印で示した向きである。撹拌翼34は、この回転方向に向かって上方に傾斜する傾斜面34aを有する。この撹拌翼を熔融ガラス中で回転させると、熔融ガラスには、傾斜面34aに沿って、点線矢印で示した下向きの流れが付与されることになる。
【0006】
図5は、こうした撹拌翼を用いた撹拌装置全体の上方からの平面図である。回転軸30のまわりに、上から順に、撹拌翼34、35、36が取りつけられており、撹拌翼35および36は図3に示す撹拌翼34と同じものである。隣りあう撹拌翼は、互いに約45°ねじれた状態で、回転軸30に取りつけられている。この撹拌翼を熔融ガラス中で図の矢印方向に回転させると、熔融ガラスには、傾斜面34a、35a、36aに沿って、下向きの流れが付与されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記撹拌装置によって、熔融ガラスに下方の流れを付与する際、この流れにともなって、泡が巻き込まれやすいという問題がある。泡が巻き込まれると、熔融ガラスが冷却され、固化して最終のガラス製品となった場合の品質を著しく落とし、製造歩留りの低下につながるおそれがある。
【0008】
よって、本発明は、熔融ガラスなどの高温熔融物を撹拌、均質化する際、前記泡の巻き込みの発生を抑制する撹拌方法および撹拌装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高温熔融物を撹拌して均質化するための方法であって、回転軸の周囲に設けられていて水平に対してかつ回転方向に向かって傾斜した翼面を有する複数個の撹拌翼を回転させることにより、最上段の前記撹拌翼回転軸近傍においては高温熔融物の流れを上方に偏向させ、その外側では高温熔融物の流れを下方に偏向させ、残りの撹拌翼は高温熔融物の流れを下方に偏向させることを特徴とする高温熔融物の撹拌方法を提供する。
【0010】
また、高温熔融物を撹拌して均質化するための撹拌装置であって、回転軸と、回転軸の周囲に設けられていて水平に対してかつ回転方向に向かって傾斜した翼面を有する複数個の撹拌翼とを備え、前記最上段の翼面は、回転軸近傍においては高温熔融物の流れを上方に偏向させる傾斜を有し、その外側においては高温熔融物の流れを下方に偏向させる傾斜を有するとともに、残りの撹拌翼の翼面は、高温熔融物の流れを下方に偏向させる傾斜を有することを特徴とする高温熔融物の撹拌装置を提供する。
【0011】
本発明では上記構成を採用することにより、高温熔融物に下方の流れを付与する際でも、この流れにともなって、泡が巻き込まれることが少ない。
【0012】
また、高温熔融物の流れを上方に偏向させる傾斜は、翼の回転方向に向かって下方に傾斜するものであり、高温熔融物の流れを下方に偏向させる傾斜は、翼の回転方向に向かって上方に傾斜するものであることを特徴とする請求項2記載の高温熔融物の撹拌装置を提供する。
【0013】
この態様においては、高温熔融物の表面近傍でかつ撹拌装置の回転軸近傍では高温熔融物に上方の流れを付与するとともに、全体としては高温熔融物に下方の流れを付与することが容易である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って、本発明の撹拌方法および装置を説明する。図2は、本発明の撹拌装置の撹拌翼の形態を示す斜視図である。回転軸30のまわりには撹拌翼31が取りつけられている。
【0015】
回転軸30の回転方向は、図の実線矢印で示した向きである。撹拌翼31は、回転軸30の近傍では、この回転方向に向かって下方に傾斜する傾斜面31aを有し、その外側では、回転方向に向かって上方に傾斜する傾斜面31bを有する。したがって、この撹拌翼を高温熔融物中で回転させると、高温熔融物には、回転軸30の近傍では、傾斜面31aに沿って、点線矢印で示した上向きの流れが付与され、その外側では、傾斜面31bに沿って、点線矢印で示した下向きの流れが付与されることになる。
【0016】
図4は、このような撹拌翼を用いた撹拌装置40の上方からの平面図である。回転軸30のまわりに、上から順に、撹拌翼31、32、33が取りつけられており、撹拌翼32および33は従来から用いられている撹拌翼34と同じものである。隣りあう撹拌翼は、互いに約45°ねじれた状態で、回転軸30に取りつけられている。
【0017】
この撹拌翼を熔融ガラス中で図の矢印方向に回転させると、全体としては、高温熔融物に下向きの流れが付与されるとともに、高温熔融物の表面近傍でかつ撹拌装置の回転軸近傍では、上向きの流れが付与されることになる。こうして、本発明の撹拌装置によれば、高温熔融物に下向きの流れを付与することができる一方で、この下向きの流れに起因する泡の巻き込みが生じにくい。
【0018】
各撹拌翼の傾斜面の傾斜角度は、撹拌翼の回転速度によって適宜調整すればよいが、一般的には、水平に対して20〜90°程度の間で調整できる。また、上下の隣りあう撹拌翼の間のねじれ角度も、どの程度の強さの流れを付与するかによって、また各段のブレードの枚数によって、適宜調整できるが、一般的には、35〜55°程度の間で調整できる。回転方向に向かって下方に傾斜する傾斜面31aの幅についても、高温熔融物の粘性や、撹拌翼の回転速度に応じて、適宜調整すればよい。
【0019】
【0020】
なお、本実施形態では、撹拌翼の1つの傾斜面内で傾斜角度がほぼ一定であるが、1つの傾斜面内で傾斜角度が変化するものであってもよい。撹拌翼の周縁に近付くにしたがって、傾斜角度が大きくなるもの、逆に小さくなるものなども採用できる。
【0021】
また、撹拌翼は回転軸と別部品として作成され、回転軸に後で取りつけられたものでもよく、回転軸と一体で成形されたものでもよい。
【0022】
撹拌翼の材質は、高温熔融物に対する耐性のある材料であれば、特に限定されない。熔融ガラスを撹拌、均質化する場合であれば、耐熱性に優れた白金、または白金ロジウム合金を使用することが好ましい。また、耐熱性を向上するために、融点の高いモリブデンを芯材として用い、このモリブデン芯材にアルミナをコーティングし、その上に白金または白金ロジウム合金を被覆した材料なども使用できる。
【0023】
図1は、本発明の撹拌装置が用いられたサイドポート式ガラス熔融用タンク窯を示す平面図である。図1に示すガラス熔融用タンク窯1は、熔解槽10、冷却槽12、およびフォアハース部14,14・・・等から構成される。熔解槽10の図中右側にはドックハウス16が形成され、ドックハウス16から熔解槽10にガラス原料が供給される。熔解槽10に供給されたガラス原料は、蓄熱室18からの熱風と燃焼口(ポート)から噴霧された油とで形成されるバーナによって熔解されて高温の熔融ガラスGになる。
【0024】
熔融ガラスGは、熔解槽10からスロート22を通過して冷却槽12に供給され、そして冷却槽12において所定の温度に冷却されるとともに熔融ガラスG中に含有した気泡が除去された後、フォアハース部14に供給される。フォアハース部14には、図1に示す撹拌装置40が設置されており、熔融ガラスGの撹拌、均質化を行う。必要に応じて、同様の撹拌装置で、熔融ガラスGに、上向きの流れを付与するものを併用してもよい。
【0025】
次いで、均質化された熔融ガラスGは、フォアハース部14の先端に設けられたゴブ切り出し装置15によって、ゴブとして切り出され、後段の成形工程で成形処理を受けて、製品化される。
【0026】
なお、図1では、本発明の撹拌装置をサイドポート式ガラス熔融用タンク窯に用いた場合について説明したが、他のガラス熔融炉に適用できる。さらに、本発明は、熔融ガラス以外の高温熔融物、たとえば、熔融金属などにも適用できる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、撹拌装置の回転軸近傍においては高温熔融物の流れを上方に偏向させうるので、高温熔融物を撹拌、均質化する際に、回転軸周辺での巻き込み泡の発生を防止でき、ガラス製品の品質と歩留り向上に寄与しうる。
【0028】
また、複数個の撹拌翼を回転軸の周囲に設けて、最上段の撹拌翼の翼面は、回転軸近傍においては高温熔融物の流れを上方に偏向させる傾斜を有するようにし、残りの撹拌翼の翼面は、高温熔融物の流れを下方に偏向させる傾斜を有するようにすれば、回転軸近傍では高温熔融物に上方の流れを付与するとともに、全体としては高温熔融物に下方の流れを付与することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス熔融用タンク窯の平面図。
【図2】本発明の1実施形態における撹拌翼を示す斜視図。
【図3】従来の撹拌翼を示す斜視図。
【図4】本発明の1実施形態における撹拌装置を示す平面図。
【図5】従来の撹拌装置を示す平面図。
【符号の説明】
1:ガラス熔融用タンク窯
10:熔解槽
12:冷却槽
14:フォアハース部
22:スロート
30:回転軸
31〜36:撹拌翼
40:撹拌装置
Claims (3)
- 高温熔融物を撹拌して均質化するための方法であって、
回転軸の周囲に設けられていて水平に対してかつ回転方向に向かって傾斜した翼面を有する複数個の撹拌翼を回転させることにより、最上段の前記撹拌翼回転軸近傍においては高温熔融物の流れを上方に偏向させ、その外側では高温熔融物の流れを下方に偏向させ、残りの撹拌翼は高温熔融物の流れを下方に偏向させることを特徴とする高温熔融物の撹拌方法。 - 高温熔融物を撹拌して均質化するための撹拌装置であって、
回転軸と、回転軸の周囲に設けられていて水平に対してかつ回転方向に向かって傾斜した翼面を有する複数個の撹拌翼とを備え、
前記最上段の翼面は、回転軸近傍においては高温熔融物の流れを上方に偏向させる傾斜を有し、その外側においては高温熔融物の流れを下方に偏向させる傾斜を有するとともに、残りの撹拌翼の翼面は、高温熔融物の流れを下方に偏向させる傾斜を有することを特徴とする高温熔融物の撹拌装置。 - 高温熔融物の流れを上方に偏向させる傾斜は、翼の回転方向に向かって下方に傾斜するものであり、
高温熔融物の流れを下方に偏向させる傾斜は、翼の回転方向に向かって上方に傾斜するものであることを特徴とする請求項2記載の高温熔融物の撹拌装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16021096A JP3791050B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 高温熔融物の撹拌方法および撹拌装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16021096A JP3791050B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 高温熔融物の撹拌方法および撹拌装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH107421A JPH107421A (ja) | 1998-01-13 |
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ID=15710139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16021096A Expired - Fee Related JP3791050B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 高温熔融物の撹拌方法および撹拌装置 |
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