JP3790762B2 - 磁気再生ヘッドおよび磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気再生ヘッドおよび磁気記録再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気再生ヘッドに関する。
近年、ハードディスクドライブにおける磁気記録密度は急激に上昇し、それに伴い、再生ヘッドに要求される再生感度および再生分解能も年々上昇している。スピン依存散乱を動作原理に用いたGMRヘッドの出現は飛躍的に出力を上昇させ、高記録密度化に対応することが可能となっている。
また、さらなる高記録密度化に対応するため多くの構造が提案されている。その目的に対応した形で多層膜の積層面に垂直に通電するタイプの再生素子が提案されている。たとえばTMR(Tunneling-junction Magnet-Resistance)素子やCPPGMR(Current Perpendicular to the Plane Giant Magnet-Resistance)素子がそれらの再生素子に相当する。しかし、1平方インチあたり1T(テラ)ビットを有するような超高記録密度ではそれらの素子でも感度不足もしくは抵抗値が高すぎて採用が困難と予想される。
最近、100%以上の磁気抵抗効果を示すものとして、2つの針状のニッケル(Ni)を付き合わせた「磁気微小接点」、あるいは2つのマグネタイトを接触させた磁気微小接点が、非特許文献1乃至非特許文献3に開示されている。とくに、非特許文献1に開示された磁気抵抗効果素子は、10万%という巨大な磁気抵抗変化率を室温で示し、ナノメートルサイズの微小磁気接点を用いた磁気抵抗効果素子が再生素子としての大きな可能性を有することを示している。
S.Z.Hua and H.D.Chopra,Phys.Rev.B,vol.67,060401(R)(2003) N. Garcia, M. Munoz, and Y. -W. Zhao, Physical Review Letters, vol.82, p2923 (1999) J. J. Versluijs, M. A. Bari and J. M. D. Coey, Physical Review Letters, vol.87, p26601 -1 (2001)
1Tbpsi(Tera-bit per square inch)級の高記録密度ハードディスクドライブに使用される再生ヘッドには、高出力のみならず高分解能が求められる。例えば、略1Tbpsiをビット密度2.5Mbpi(Mega-bit per square inch)、トラック密度400ktpi(Kilo-track per inch)で実現する場合を考えると、一般的なシールド型ヘッドでは、その再生ギャップは約20nm〜30nm程度となり、そこにCPPGMR素子やTMR素子を再生素子として挿入することが困難となる。そこで、媒体磁界に反応する磁界検出層のみを再生分解能を有するシールドに挟み込むフラックスガイド型再生ヘッドが提案されているが、出力が急激に低下してしまうこと、再生素子としてGMR積層膜を適用する場合、GMR積層膜を構成するフリー層のみが残こるようにフリー層が露出する直前でエッチングを止める製造プロセスが困難であること、さらに、仮に上記製造プロセスが行えても製造コストの上昇を招くということに問題があった。
また、近年、トラック幅、ビット長の急激な減少に伴い、GMR素子サイズも減少を続けている。それに伴い、素子に流すセンス電流の電流密度上昇や抵抗変化率上昇などの負担も急激に増加する。近年、その問題を解決するために、膜面に水平にセンス電流を流すCIP(Current In Plane)素子から膜面垂直に電流を流すCPPGMR素子の開発が精力的に進められているが、シールド磁性体に通電することや低抵抗であることからなかなか十分なS/Nや出力を得られていない。
また、再生感度の観点でもトラック幅が20nm程度になると一般的なGMR素子ではフリー層バイアス膜の磁化方向がフリー層方向を向いているため、直接的にバイアス磁界としてフリー層を印加、フリー層全体の透磁率を低下させて再生感度を低下させる。
また、現在精力的に開発が進められているCPPGMR素子やTMR素子は、膜面垂直方向に電流を流す構造のため、サイズが十分小さくならないと特性が出なかったり、逆に抵抗が上がりすぎて高周波特性に問題が発生したりする。
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、再生出力が大きくシールドすることが可能な磁気再生ヘッドおよびこの磁気再生ヘッドを有する磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様による磁気再生ヘッドは、外部磁界を感知する第1磁性層と、前記第1磁性層のトラック幅方向の側部の少なくとも一方に設けられ磁化方向が固着された第2磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1絶縁層と、前記絶縁層内に設けられ前記第1および第2磁性層を電気的に接続するコンタクトとを備え、前記第1および第2磁性層の磁化方向は外部磁界が印加されない状態で略直交していることを特徴とする。
なお、前記第2磁性層は前記第1磁性層のトラック幅方向の両側に設けられていてもよい。
なお、前記第1磁性層の膜厚方向の上下に設けられた磁性体からなる第1シールドおよび第2シールドを有し、前記第2磁性層の磁化方向は媒体走行面に垂直であってもよい。
なお、前記第1磁性層と前記第1シールドとの間に設けられた第2絶縁層と、前記第2磁性層と前記第2シールドとの間に設けられた第3絶縁層とを備えていてもよい。
なお、抵抗変化を感知するセンス電流が、前記第1シールド、前記第2磁性層、コンタクト、前記第1磁性層、前記第2シールドの順序かまたは逆の順序に流れるように構成してもよい。
なお、前記第2磁性層は前記第1磁性層のトラック幅方向の一方の側に設けられた第3磁性層と他方の側に設けられた第4磁性層からなり、前記第3磁性層上に設けられた第1電極と第4磁性層上に設けられた第2電極とを更に備え、抵抗変化を感知するためのセンス電流が、前記第1電極、前記第3磁性層、前記コンタクト、前記第1磁性層、前記コンタクト、前記第4磁性層、前記第2電極の順序かまたは逆の順序に流れるように構成してもよい。
なお、前記コンタクトは、単一の点、直線状、もしくは複数のドット状となっていてもよい。
なお、前記第1および第2磁性層は、材質の異なる複数の強磁性膜が積層された積層膜であってもよい。
また、本発明の第2の態様による磁気記録再生装置は、上記記載のいずれかの磁気再生ヘッドを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、再生出力が大きくシールドすることが可能な磁気再生ヘッドおよびこの磁気再生ヘッドを有する磁気記録再生装置を得ることができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による磁気再生ヘッドを、図1乃至図2を参照して説明する。本実施形態による磁気再生ヘッドはナノコンタクト再生素子を有し、このナノコンタクト再生素子の構成を図1(a)、(b)に示す。図1(a)は、本実施形態に係るナノコンタクト再生素子の構成を示す平面図、図1(b)は、図1(a)に示す切断線A−Aで切断したときの断面図である。なお、図1(a)においては、後述するハードバイアス層8a、8bおよびリード層10a、10bは省略している。
本実施形態に係るナノコンタクト再生素子は、媒体の信号磁界Hsigを感知する磁化方向が可変の磁性層からなるフリー層2と、フリー層2のトラック幅Wtの方向の両脇に設けられた磁化方向が固着されたピン層4a、4bと、フリー層2とピン層4a、4bとの間に設けられた例えばSiOからなる絶縁層6a、6bと、絶縁層6a、6b内に設けられフリー層2とピン層4a、4bとを電気的に接続するナノサイズ(例えば、1nm〜10nm)のナノコンタクト7a、7bと、ピン層4a、4b上に形成されピン層の磁化の向きを固定するハードバイアス層8a、8bと、ハードバイアス層8a、8b上に形成されたリード層10a、10bとを備えている。フリー層2およびピン層4a、4bは例えば膜厚が10nmで高さhが40nmのNi層から構成され、ハードバイアス層8a、8bは例えば膜厚80nmのCoPt層から構成される。なお、フリー層2のトラック方向の幅Wtは例えば30nmとした。リード層10a、10bは例えば膜厚100nmのMoWから構成される。
そして、本実施形態においては、フリー層2とピン層4a、4bは図1(b)に示すように、略同一平面内に配置された構成となっている。また、図1(a)に示すように、フリー層2とピン層4a、4bの一方の側面が媒体走行面ABS(Air Bearing Surface)となる。ナノコンタクト7a、7bは幅が図1(a)に示すようにフリー層2の高さhに比べて非常に小さい。なお、ナノコンタクト7a、7bは媒体走行面ABSから15nmの高さに形成されている。また、図1においては、ナノコンタクト7a、7bは、フリー層2とピン層4a、4bとの接合面にそれぞれ1個設けられていたが、複数個設けてもよい。また、ナノコンタクト7a、7bは、図1(b)において、略水平となるように設けられていたが、傾斜して設けてもよい。
なお、本実施形態による磁気再生ヘッドが適用される媒体は図1(a)上では垂直記録方式となっているが水平記録方式でもよい。フリー層2の磁化方向は、外部磁界すなわち信号磁界が零の場合には媒体走行面ABSに略平行となるように構成される。なお、フリー層2の磁化方向は、外部磁界が零でない場合は、図1(a)に示すように、媒体走行面ABSに水平な方向から垂直な方向に傾く。また、ピン層4a、4bの磁化方向は媒体走行面ABSに略垂直で媒体走行面ABSに向くようにハードバイアス層8a、8bにより固着される。なお、製造時の着磁加熱処理により、フリー層2の磁化の向きは、外部磁界が零のときに媒体走行面ABSに平行となるように設定される。
また、センス電流Isは、例えば、リード層10a、ハードバイアス層8a、ピン層4a、ナノコンタクト7a、フリー層2、ナノコンタクト7b、ピン層4b、ハードバイアス層8b、リード層10bの順に流れる。
本実施形態のナノコンタクト再生素子にセンス電流Isを流しながら、信号磁界Hsigを加えて感応領域の磁化を動かせた場合の素子抵抗をプロットした特性を図2に示す。信号磁界Hsig=0の時の抵抗値を0とおいた。信号磁界Hsigの向きは、フリー層2の磁化の向きがピン層4a、4bの磁化の向きと反平行となる方向を正とし、フリー層2の磁化の向きがピン層4a、4bの磁化の向きと平行となる方向を負とした。信号磁界Hsigが負の方向に加えられると、ナノコンタクト再生素子の抵抗は減少しある大きさの磁界ところで飽和する。また、信号磁界Hsigが正の方向に加えられると、ナノコンタクト再生素子の抵抗は増加してある大きさの磁界のところで飽和する。磁界が零の場合は、信号磁界Hsigを負の方向に加えた場合の飽和抵抗値と、正の方向に加えた場合の飽和抵抗値のほぼ中間の抵抗値を示した。さらに、このナノコンタクト7a、7bの大きさを一定にして、フリー層2の幅および高さを変えたナノコンタクト再生素子を作成し、上述した場合と同様に特性を測定したところ、飽和抵抗値に達する磁界は変化したが、飽和抵抗値には変化はなく一定であった。
本実施形態においては、フリー層2とピン層4a、4bがナノコンタクト7を介して略同一面内に配置される。ナノコンタクト7a、7bの幅(ハイト方向)に対してフリー層2のトラック方向の幅Wtが長いため、フリー層2はピン層4a、4bとの交換結合の影響を一般的なシールドタイプGMRヘッドと比較して受けにくく、信号磁界Hsigに対して大きな磁化回転を行う。その結果、磁界感度が良好となる。
また、センス電流はナノコンタクト7a、7bを通じてピン層4a、4bとフリー層2間を流れる。ナノコンタクト7a、7bに存在する磁壁の有無で抵抗値は変化する。そのフリー層2の上下をシールドで挟んでシールド型ヘッドとして用いれば、フリー層2の積層方向には非磁性中間層、ピン層さらに磁化方向調節層を有さないため、それらを積層方向に有するTMR素子やCPPGMR素子に比較してシールド間隔を狭めることができる。また、バイアスポイントも良好に保ちやすくその結果歪の小さな出力特性が得られる。
また、フリー層2を挟んでピン層4a、4bはトラック幅方向に配置されたことにより、ナノコンタクト7a、7bを媒体走行面に近い場所に配置することができ、その結果大きな磁化回転に伴う大出力を得ることができる。
また、フリー層2の磁化方向はトラック幅方向、ピン層は媒体走行面方向を向かせた直交配置となっている。そうすることで、一般的なGMRヘッドのように縦バイアス膜の磁化から発生した磁束がフリー層のエッジへ流入し、全体的にフリー層の透磁率を低下させてしまう現象を防止することができる。また、ピン層4a、4bの磁化方向は媒体走行面側を向いているためピン層のエッジの磁化による磁束のフリー層2への直接的な流入を防ぐことができる。その結果、再生感度が良好なナノコンタクト再生素子を得ることができる。
また、抵抗はナノコンタクト7a、7bの部分で規定され、フリー層2の形状の影響を受けにくい。さらに再生出力はナノコンタクト7a、7bの部分に発生する抵抗変化だけで規定されるため、本質的にフリー層のサイズ(トラック幅Wt、ハイト長さh)による影響を受けない。したがって、従来の製造工程を用いて製造することが可能となり、製造コストが上昇するのを防止することができる。また、トラック幅減少に伴う出力低下が原理的にない。
なお、上記実施形態においては、ピン層は、フリー層2のトラック幅方向の両脇に設けられたが、フリー層2のトラック幅方向の片側に設けてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による磁気再生ヘッドを、図3乃至図4を参照して説明する。図3は本実施形態による磁気再生ヘッドの構成を示す平面図、図4は図3に示す切断線A−Aで切断したときの断面図である。なお、図3はリード層10a、10bまでが形成されたときの平面図を示す。
本実施形態による磁気再生ヘッドは、第1実施形態のナノコンタクト再生素子においてナノコンタクトをフリー層2の膜厚方向に線上に設けるとともに、下部シールド12と、下ギャップ層14と、上ギャップ層16と、上部シールド18とを新たに設けた構成となっている。ナノコンタクト7a、7bの面積の一辺はフリー層2の膜厚で厳密に規定できる。下部シールド12は、膜厚1.5μmのNiFe合金からなり、図示しないアルチック基板上に形成されたアルミナからなるアンダーコート(図示せず)上に設けられる。この下部シールド12上に例えば膜厚10nmのアルミナからなる下ギャップ層14が形成され、この下ギャップ層14上に第1実施形態で説明したナノコンタクト再生素子が設けられる。このナノコンタクト再生素子上に例えば膜厚10nmのアルミナからなる上ギャップ層16が設けられ、この上ギャップ層16上に例えば膜厚1.5μmのNiFe合金からなる上部シールド18が設けられている。
本実施形態の磁気再生ヘッドを用いて700ktpiのトラック密度を有する媒体から孤立再生波形を良好に再生することができた。本実施形態の磁気再生ヘッドにおいて、フリー層2の高さhを変えずに、幅Wtを40nmから20nmに変えても同じセンス電流値で再生ヘッドの出力に差は生じなかった。したがって通常のCIPタイプGMRヘッドのように素子幅減少に伴って素子抵抗の低下とそれに伴う出力低下は生じなかった。
また、下部シールド12と上部シールド18との間隔30nmの中にナノコンタクト再生素子をCIP構造で挿入することができた。
本実施形態による磁気再生ヘッドも第1実施形態による磁気再生ヘッドと同じ効果を得ることができる。
なお、本実施形態において、フリー層2を構成する材料を膜厚10nmのNiの単層から、膜厚5nmのNiFe合金層と膜厚5nmのNi層からなる積層膜に変えた場合、軟磁特性が向上した。
また、本実施形態において、フリー層2を構成する材料を膜厚10nmのNiの単層から、膜厚5nmのNiFe合金層と膜厚5nmのNi層からなる積層膜に変え、フリー層2のトラック幅を20nmとした場合、1Tbpsiを満足する媒体に対応することができた。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による磁気再生ヘッドを、図5を参照して説明する。図5は本実施形態による磁気再生ヘッドの構成を示す断面図である。本実施形態による磁気再生ヘッドはCPP構造のシールド型磁気再生ヘッドであって、下部シールド12と、上部シールド18との間に、NiFe層2とNi層2との積層膜からなるフリー層2が設けられている。このフリー層2のトラック幅方向の一方の側にはNiFe層4aとNi層4aとの積層膜からなるピン層4aがナノコンタクト7aを介して設けられ、他方の側にはNiFe層4bとNi層4bとの積層膜からなるピン層4bがナノコンタクト7bを介して設けられている。
さらに、下部シールド12とフリー層2のNiFe層2との間には例えばTaからなる下ギャップ層13が設けられている。そして、下部シールド12とピン層4a、4bのNiFe層4aおよびNiFe層4bとの間にはそれぞれ例えば膜厚20nmのSiOからなる絶縁層15aおよび絶縁層15bが設けられている。なお、本実施形態においては、第1乃至第2実施形態と同様に、フリー層2とピン層4a、4bは略同一平面上に配置された構成となっている。
また、フリー層2のNi層2上には、フリー層2の磁化を縦バイアスする例えば膜厚7nmのIrMnからなる反強磁性層23が設けられ、この反強磁性層23上には例えば膜厚5nmのSiOからなる絶縁層24が設けられている。一方、ピン層4a、4b上には、ピン層4a、4bをバイアスするハードバイアス層8a、8bが設けられている。ハードバイアス層8a、8bと絶縁層24を覆うように例えばTaからなる上ギャップ層17が設けられている。また、上ギャップ層17上には上部シールド18が設けられた構成となっている。
したがって、上部シールド18からハードバイアス膜8a、8bに流入したセンス電流はピン層4aのNiFe/Ni積層膜を通り、ナノコンタクト7a、7bを通り、フリー層2のNiFe/Ni積層膜を通り、下部シールド12にいたる。このように構成された本実施形態においては、1Tbpsiを満足する媒体に対応することができた。
また、本実施形態による磁気再生ヘッドは、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、ナノコンタクトは微小な複数の穴で構成されても同様な効果があった。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による磁気再生ヘッドを図6(a)、(b)を参照して説明する。本実施形態による磁気再生ヘッドはナノコンタクト再生素子を有し、このナノコンタクト再生素子の平面図を図6(a)に示し、図6(a)に示す切断線A−Aで切断したときの断面図を図6(b)に示す。この実施形態に係るナノコンタクト再生素子は、フリー層2と、このフリー層2のトラック幅方向の両脇に設けられたピン層4a、4bと、フリー層2とピン層4a、4bとの間に設けられた絶縁層6a、6bと、絶縁層6a、6b内に設けられフリー層2とピン層4a、4bを電気的に接続するナノコンタクト7a、7bと、フリー層2上に設けられた例えば膜厚2.5nmのCuからなる非磁性層20と、非磁性層20上に設けられた例えば膜厚2.5nmのCoFeからなる強磁性層22と、ピン層4a、4b上に設けられたCoPtからなるハードバイアス層8a、8bと、ハードバイアス層8a、8b上に設けられた例えばMoWからなるリード層10a、10bとを備えている。フリー層2は例えば膜厚2.5nmのNiFe層2と、膜厚2.5nmのNi層2からなる積層構造となっている。また、ピン層4aは例えば膜厚2.5nmのNiFe層4aと、膜厚2.5nmのNi層4aからなる積層構造となっている。ピン層4bは例えば膜厚2.5nmのNiFe層4bと、膜厚2.5nmのNi層4bからなる積層構造となっている。
そして、第2実施形態の場合と同様に、フリー層2とピン層4a、4bは略同一平面上に配置される。また、第2実施形態の場合と同様に、フリー層2の磁化方向は、外部磁界すなわち信号磁界が零の場合には媒体走行面ABSに略平行となるように構成される。なお、フリー層2の磁化方向は、外部磁界が零でない場合は、媒体走行面ABSに水平な方向から垂直な方向に傾く。また、ピン層4a、4bの磁化方向は媒体走行面ABSに略垂直で媒体走行面ABSに向くようにハードバイアス層8a、8bにより固着される。なお、製造時の着磁加熱処理により、フリー層2の磁化の向きは、外部磁界が零のときに媒体走行面ABSに平行となるように設定される。
このため、本実施形態による磁気再生ヘッドも第2実施形態の磁気再生ヘッドと同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、Cuからなる非磁性層20と、CoFeからなる強磁性層22がフリー層2上に積層されることでフリー層2と静磁結合し、これによりフリー層2の磁化方向と反平行の磁化状態が強磁性層22に形成される。これにより、フリー層2の磁化状態がより安定化してバルクハウゼンノイズなどが抑制される。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態による磁気再生ヘッドを、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態による磁気再生ヘッドの構成を示す断面図である。本実施形態による磁気再生ヘッドは、第2実施形態で説明した磁気再生ヘッドにおいて、ナノコンタクト再生素子を第4実施形態で説明したナノコンタクト再生素子に置き換えた構成となっている。すなわちフリー層2を膜厚2.5nmのNiFe層2と膜厚2.5nmのNi層2からなる積層膜とし、ピン層4aを膜厚2.5nmのNiFe層4aと膜厚2.5nmのNi層4aからなる積層膜とし、ピン層4bを膜厚2.5nmのNiFe層4bと膜厚2.5nmのNi層4bからなる積層膜とし、フリー層2のNi層2上に形成される例えば膜厚2.5nmのCuからなる非磁性層20と、この非磁性層20上に形成される例えば膜厚2.5nmのCoFeからなる強磁性層22とを備えるように構成したものである。なお、フリー層2の幅を20nmとした。
また、本実施形態においては、ナノコンタクト7a、7bは、第1乃至第2実施形態の場合と異なり、フリー層2の側部だけでなく非磁性層20および強磁性層22の側部にも設けられる。このため、本実施形態においては、センス電流は矢印に示すように流れる。すなわち、リード層10a、ハードバイアス層8a、ピン層4a、ナノコンタクト7a、フリー層2、ナノコンタクト7b、ピン層4b、ハードバイアス層8b、リード層10bの順に流れる。
また、本実施形態による磁気再生ヘッドは、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態の磁気再生ヘッドは、ほぼ1Tbpsiを満足する記録密度の媒体に対応することができた。
また、本実施形態においては、第4実施形態の場合と同様に、フリー層2の磁化方向と反平行の磁化状態が強磁性層22に形成されるため、フリー層2の磁化状態がより安定化してバルクハウゼンノイズなどが抑制される。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法を、図8(a)乃至図11(d)を参照して説明する。本実施形態による製造方法は、図4に示す第2実施形態による磁気再生ヘッドにおいて、フリー層2およびピン層4a、4bをNiFe/Niからなる積層膜で構成した場合の製造方法である。図8(a)乃至図9(b)は本実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程を示す断面図、図10(a)乃至図11(a)は図8(a)乃至図9(a)に対応する製造工程を示す平面図である。また、図11(b)乃至図11(d)は本実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程を示す平面図であって、図11(c)は、図9(b)に対応する平面図である。なお、図8(a)乃至図9(b)は、図10(a)に示す切断線A−Aに沿って切断したときの断面図である。
まず、アルチック基板(図示せず)上にアルミナからなるアンダーコート(図示せず)を形成し、このアンダーコート上に下部シールド(図示せず)として膜厚1.5μmのNiFe合金を形成する。この下部シールドの表面を鏡面研磨し、表面が鏡面研磨された下部シールド上に膜厚10nmのアルミナからなるギャップ層(図示せず)を形成し、このギャップ層上にナノコンタクト再生素子が形成される。
ナノホール再生素子は、上記ギャップ層上に、図8(a)および図10(a)に示すように、膜厚10nmのNiFe層30a、膜厚10nmのNi層30bからなる磁性膜30をスパッタリング法により順次形成する。このスパッタリングを行っているときに磁界を印加することにより、磁性膜30に図10(a)に示す矢印方向に磁気異方性を付与する。
次に、フリー層となる領域(感応領域)を規定するため、磁性膜30上にEBレジストからなる幅30nm、高さ300nmのレジストパターン32を形成する(図8(b)、図10(b)参照)。続いて、膜厚70nmのCoPtからなるバイアス膜34を形成し、その後、膜厚100nmのMoWからなるリード膜36を形成する(図8(c)、図10(c)参照)。CoPt膜、MoW膜はレジスト側面になるべく付着しないように、基板垂直に粒子が入射するように、ビーム入射角度およびターゲット・基板相対角度が良好に選択されたイオンビームスパッタリング法による成膜が望ましい。
次に、レジストパターン32の段差を目標に、FIB(Focused Ion Beam)を照射し、リード膜36、バイアス膜34、磁性膜30にスリット38を形成する(図9(a)、図11(a)参照)。スリット幅はリード膜36の表面で50nm程度とし、EBレジストエッジ、およびリード膜36、バイアス膜34およびレジストパターンで整形されて、磁性膜30には約10nmの幅のスリット38が形成される(図9(a)参照)。スリットは、間を約0.1μm程度残すように磁性膜30の両側から切れ込み38を入れる(図11(a)参照)。この切り込み38をFIBで形成すると、切り込み38を中心としてある範囲がFIB加工の影響を受け削られる。このFIB加工の影響を受ける範囲は、図11(a)の下側の切り込み38の形成した場合は破線で示す範囲39aであり、図11(a)の上側の切り込み38の形成した場合は実線で示す範囲39bである。
次に、上述のように形成されたサンプルに、膜面垂直から約80度の水平に近い角度で100V〜250Vのイオンエネルギーでイオンミリングを行う(図11(b)参照)。ミリングはスリット38に平行にビームが入射するように角度を規定しサンプルを回転させることなくミリング処理を行う。ミリングは磁性膜30の上側と下側からバランスよく行う。途中、ミリング角度を垂直方向にも向けて再デポ層などが無いように磁性膜30の中央部と両側部分との接合幅が数nm程度になるまでミリング処理を行う(図11(b)参照)。これにより、ナノコンタクト領域40が形成される。
続いて、レジストパターン32をリフトオフすると、感応領域には磁性膜30のみ、固着領域には磁性膜30上に、バイアス膜34a、34bおよびリード膜36a、36bが存在する構造となる(図9(b)、図11(c)参照)。
この後、上ギャップ形成、上シールド形成を行い、図11(d)に示すようにデプス加工を行うことで、媒体走行面ABSよりも約10nmほどの位置にナノコンタクトが来るようにしてシールド型再生ヘッドを形成する。
本実施形態による製造方法は、磁性膜の膜質をコントロールしやすい。また、製造工程が容易で磁気再生ヘッドの製造の一般的な装置でナノサイズのコンタクト領域を作ることができる。ナノコンタクトは磁性膜30だけでなく積層膜全体にわたるが、もともとのMR値が大きいため大きな問題とはならない。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法を、図12(a)乃至図13(c)を参照して説明する。図12(a)乃至図13(c)は、本実施形態による磁気再生ヘッドの製造工程を示す断面図である。
まず、アルチック基板(図示せず)上にアルミナからなるアンダーコート(図示せず)を形成し、このアンダーコート上に下部シールド(図示せず)として膜厚1.5μmのNiFe合金を形成する。この下部シールドの表面を鏡面研磨し、表面が鏡面研磨された下部シールド上に膜厚10nmのアルミナからなるギャップ層(図示せず)を形成し、このギャップ層上にナノコンタクト再生素子が形成される。
ナノホール再生素子は、上記ギャップ層上に、図12(a)に示すように、膜厚5nmのNi層50をスパッタリング法により形成する。このスパッタリングを行っているときに磁界を印加することにより、Ni膜50に図12(a)に示す矢印方向に磁気異方性を付与する。その後、膜厚10nmのSiOからなる絶縁膜52をスパッタリング法により形成する。続いて、フリー層となる感応領域を規定するために、EBレジストからなる幅30nmのレジストパターン54を形成する(図12(a)参照)。
次に、レジストパターン54をマスクとして絶縁膜52およびNi膜50にイオンミリングを施すことにより、感応領域(フリー層)となるNi膜50aと、このNi膜50a上の絶縁膜52aを残地する(図12(b)参照)。このとき、Ni膜50aは、表面が露出した傾斜部分を有することになる。続いて、全面に、膜厚5nmのSiOからなる絶縁膜56を形成する(図12(c)参照)。
次に、CHFガスなどのフレオン系ガスを照射しながら絞られた電子ビームを感応領域50aの傾斜部に照射し(図12(d)参照)、絶縁膜56にナノコンタクト領域を形成するためのナノホールを形成する(図13(a)参照)。このナノホールの形成は、図14(a)に示すように垂直から80度傾けた角度にてCHFガス、酸素ガス、Arガス混合ガスによるRIBE(Reactive Ion Beam Etching)法により、Ni膜50aの傾斜部分に形成された絶縁膜56に部分的にピンホールを形成してもよい(図14(b)参照)。穴は1つもしくは複数でもかまわない。また、穴は点でなく線状であってもかまわない。また、ビームはArだけでも同様な効果がある。なお、本実施形態にいては、絶縁膜56はシリコン酸化物からなっていたが、アルミニウム、クロム、ハフニウム、タンタル、タングステン、および銅のいずれかの酸化物、またはこれらの酸化物の積層膜であってもよい。
次に、全面に、ピン層となる膜厚5nmのNiからなる磁性膜60、さらにバイアス層となる膜厚40nmのCoPt膜62、さらにリード層となるMoW膜64を形成する(図13(b)参照)。このとき、ナノホール58は磁性膜60によって埋め込まれてナノコンタクト58aとなり、磁性膜60と、フリー層50aは電気的に接続される。
続いて、レジストパターン54をリフトオフすることにより、ピン層60a、60bと、ピン層60a、60b上に設けられたバイアス層62a、62bと、バイアス層62a、62b上に設けられたリード層64a、64bとが形成され、再生素子が形成される(図13(c)参照)。
この後、上ギャップ形成、上部シールド形成を行うことで、シールド型磁気再生ヘッドが系生成される。なお、フリー層50a、ピン層60a、60bとして単層のNi膜の代わりに、膜厚2.5nmのNiFe/膜厚2.5nmのNiからなる積層膜にした場合、さらに軟磁性が良好になる。
以上説明したように、本実施形態の製造方法によって製造された磁気再生ヘッドは、第1実施形態の磁気再生ヘッドにおいて、フリー層とピン層との接合面を傾斜させた構造となり、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態の製造方法により製造された磁気再生ヘッドは、CIP型であったが、図15に示すような、CPP型のナノコンタクトMR素子を作ることができる。この場合、下部シールド48とフリー層50aとの間に形成されるアルミナからなるギャップ層(図示せず)と、図13(b)に示すMoW膜64とを形成しないで、上部シールド68を形成する前に、CoPt膜62上に例えば膜厚5nmのTaからなる非磁性導電層66を形成する。この非磁性導電層66を形成したことによりCoPtからなるバイアス膜62a、62bと、上部シールド68との交換結合を防ぐことが可能となる。
この図15に示す磁気再生ヘッドも第7実施形態の製造方法によって製造された磁気再生ヘッドと同様の効果を得ることができる。
また、図15に示す例においては、MoWからなるリード膜は設けられておらず、上部シールド68がリード層を兼用していたが、バイアス層62a、62b上にリード層を設け、このリード層からセンス電流を流してもよい。この場合、リード層と、上部シールド68との間に、図15に示す場合と同様に、Taからなる非磁性導電層66を挿入すれば、バイアス膜62a、62bと、上部シールド68との交換結合を防ぐことができる効果が得られる。図15において、センス電流Isは上部シールド68から入り、非磁性導電層66、バイアス膜62a、62b、ナノコンタクトを通り、感応領域に入り、シールドへ抜けてゆく。このようにCPP構造にすることで、より狭ギャップに対応した再生ヘッドを作成することができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法を、図16(a)乃至図17(c)を参照して説明する。図16(a)乃至図17(c)は、本実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程を示す断面図である。
まず、アルチック基板(図示せず)上にアルミナからなるアンダーコート(図示せず)を形成し、このアンダーコート上に下部シールド(図示せず)として膜厚1.5μmのNiFe合金を形成する。この下部シールドの表面を鏡面研磨し、表面が鏡面研磨された下部シールド上に膜厚10nmのアルミナからなるギャップ層(図示せず)を形成し、このギャップ層上にナノコンタクト再生素子が形成される。
ナノホール再生素子は、上記ギャップ層上に、図16(a)に示すように、膜厚10nmのNi層70をスパッタリング法により形成する。このスパッタリングを行っているときに磁界を印加することにより、Ni膜70に図16(a)に示す矢印方向に磁気異方性を付与する。その後、膜厚5nmのSiOからなる絶縁膜72をスパッタリング法により形成する。続いて、フリー層となる感応領域を規定するために、EBレジストからなる幅30nmのレジストパターン74を形成する(図16(a)参照)。
次に、レジストパターン74をマスクとして絶縁膜72およびNi膜70にイオンミリングを施すことにより、感応領域(フリー層)となるNi膜70aと、このNi膜70a上の絶縁膜72aを残置する(図16(b)参照)。続いて、全面に、膜厚5nmのSiOからなる絶縁膜76を形成する(図16(c)参照)。
次に、図16(d)に示すように、ほぼ水平方向からイオンミリングを行い、図17(a)に示すように、フリー層70aの側部の下方にのみSiOからなる絶縁膜76aを残置させ、フリー層70aの側面の一部分を露出させる。この状態で、更に図17(b)に示すように、Ni膜78、CoPt膜80、MoW膜82を形成する。その後、図17(c)に示すようにレジストパターン54をリフトオフすることで、フリー層70aと側部の一部分が接合したNiからなるピン層78a、78bと、ピン層78a、78b上に設けられたCoPtからなるバイアス層80a、80bと、バイアス層80a、80b上に設けられたMoWからなるリード層82a、82bとが形成され、ナノコンタクト再生素子が形成される。フリー層70aとピン層78a、78bとが接合した部分がナノコンタクトとなる。このナノコンタクトのサイズは、フリー層70aの膜厚、絶縁層76の膜厚およびエッチング量によって規定されることは云うまでもない。
その後、全面に上ギャップ層(図示せず)、上部シールド(図示せず)を形成することでシールド型磁気再生再生ヘッドが作成できる。
以上説明したように、本実施形態の製造方法によって製造された磁気再生ヘッドは、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態の製造方法により製造された磁気再生ヘッドは、CIP型であったが、図18に示すような、CPP型のナノコンタクトMR素子を作ることができる。この場合、下部シールド69とフリー層70aとの間に形成されるアルミナからなるギャップ層(図示せず)と、図17(b)に示すMoW膜82とを形成しないで、上部シールド86を形成する前に、CoPt膜80上に例えば膜厚5nmのTaからなる非磁性導電層84を形成する。この非磁性導電層84を形成したことによりCoPtからなるバイアス膜80a、80bと、上部シールド86との交換結合を防ぐことが可能となる。
この図18に示す磁気再生ヘッドも第8実施形態の製造方法によって製造された磁気再生ヘッドと同様の効果を得ることができる。
なお、図18に示す磁気再生ヘッドにおいて、上部シールド86から流入したセンス電流は、図18の矢印のように、非磁性導電膜84、バイアス膜80a、80b、ピン層78a、78b、ナノコンタクトを介してフリー層70aに入り、下部シールド69に抜けてゆく。CPP構造にすることでより狭ギャップ化をはかることができる。なお、ナノコンタクト部分は直線状でも、微小穴が点状(ドット状)に開いていても効果があった。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態による磁気記録再生装置について説明する。図1乃至図18に関して説明した第1乃至第8実施形態による磁気ヘッドは、例えば、記録再生一体型の磁気ヘッドアセンブリに組み込まれ、磁気記録再生装置に搭載することができる。
図19は、このような磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図である。すなわち、本実施形態による磁気記録再生装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。同図において、長手記録用または垂直記録用磁気ディスク200は、スピンドル152に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気ディスク200は、長手記録用または垂直記録用の記録層を有する。磁気ディスク200は、磁気ディスク200に格納される情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ153は、前述したいずれかの実施形態による磁気ヘッドをその先端付近に搭載している。
磁気ディスク200が回転すると、ヘッドスライダ153の媒体走行面(ABS)は磁気ディスク200の表面から所定の浮上量をもって保持される。
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
アクチュエータアーム155は、固定軸157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。
図20は、アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ160は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム151を有し、アクチュエータアーム155の一端にはサスペンション154が接続されている。
サスペンション154の先端には、前述したいずれかの磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けられている。再生用ヘッドを組み合わせても良い。サスペンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線164を有し、このリード線164とヘッドスライダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図中165は磁気ヘッドアッセンブリ160の電極パッドである。
本発明の第1実施形態による磁気再生ヘッドの構成を示す図。 第1実施形態による磁気再生ヘッドの外部磁界に対する抵抗変化を示す特性図。 本発明の第2実施形態による磁気再生ヘッドの平面図。 第2実施形態による磁気再生ヘッドの構成を示す断面図。 本発明の第3実施形態による磁気再生ヘッドの構成を示す断面図。 本発明の第4実施形態による磁気再生ヘッドの構成を示す図。 本発明の第5実施形態による磁気再生ヘッドの構成を示す断面図。 本発明の第6実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程断面図。 第6実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程断面図。 第6実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程を示す平面図。 第6実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程を示す平面図。 本発明の第7実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程断面図。 本発明の第7実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程断面図。 第7実施形態の第1変形例による磁気ヘッドの製造方法の製造工程断面図。 第7実施形態の第2変形例によって製造される磁気ヘッドの構成を示す断面図。 本発明の第8実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程断面。 第8実施形態による磁気再生ヘッドの製造方法の製造工程断面。 第8実施形態の変形例によって製造される磁気再生ヘッドの構成を示す断面図。 磁気記録再生装置の概略構成を示す要部斜視図。 アクチュエータアームから先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図。
符号の説明
2 フリー層(感応領域)
4a、4b ピン層
6a、6b 絶縁層
7a、7b ナノコンタクト
8a、8b ハードバイアス層
10a、10b リード層
12 下部シールド
13 下ギャップ層
14 下ギャップ層
15a、15b 絶縁層
16 上ギャップ層
17 上ギャップ層
18 上部シールド
20 非磁性層
22 強磁性層
23 反強磁性層
24 絶縁層

Claims (9)

  1. 外部磁界を感知する第1磁性層と、前記第1磁性層のトラック幅方向の側部の少なくとも一方に設けられ磁化方向が固着された第2磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1絶縁層と、前記絶縁層内に設けられ前記第1および第2磁性層を電気的に接続するコンタクトとを備え、前記第1および第2磁性層の磁化方向は外部磁界が印加されない状態で略直交していることを特徴とする磁気再生ヘッド。
  2. 前記第2磁性層は前記第1磁性層のトラック幅方向の両側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の磁気再生ヘッド。
  3. 前記第1磁性層の膜厚方向の上下に設けられた磁性体からなる第1シールドおよび第2シールドを有し、前記第2磁性層の磁化方向は媒体走行面に垂直であることを特徴とする請求項1または2記載の磁気再生ヘッド。
  4. 前記第1磁性層と前記第1シールドとの間に設けられた第2絶縁層と、前記第2磁性層と前記第2シールドとの間に設けられた第3絶縁層とを備えたことを特徴とする請求項3記載の磁気再生ヘッド。
  5. 抵抗変化を感知するセンス電流が、前記第1シールド、前記第2磁性層、コンタクト、前記第1磁性層、前記第2シールドの順序かまたは逆の順序に流れることを特徴とする請求項3記載の磁気再生ヘッド。
  6. 前記第2磁性層は前記第1磁性層のトラック幅方向の一方の側に設けられた第3磁性層と他方の側に設けられた第4磁性層からなり、前記第3磁性層上に設けられた第1電極と前記第4磁性層上に設けられた第2電極とを更に備え、抵抗変化を感知するためのセンス電流が、前記第1電極、前記第3磁性層、前記コンタクト、前記第1磁性層、前記コンタクト、前記第4磁性層、前記第2電極の順序かまたは逆の順序に流れることを特徴とする請求項2記載の磁気再生ヘッド。
  7. 前記コンタクトは、単一の点、直線状、もしくは複数のドット状となっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気再生ヘッド。
  8. 前記第1および第2磁性層は、材質の異なる複数の強磁性膜が積層された積層膜であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気再生ヘッド。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の磁気再生ヘッドを備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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