JP3790627B2 - 表面洗浄方法及び装置 - Google Patents
表面洗浄方法及び装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3790627B2 JP3790627B2 JP18447698A JP18447698A JP3790627B2 JP 3790627 B2 JP3790627 B2 JP 3790627B2 JP 18447698 A JP18447698 A JP 18447698A JP 18447698 A JP18447698 A JP 18447698A JP 3790627 B2 JP3790627 B2 JP 3790627B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aerosol
- cleaned
- nozzle
- cleaning
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)
- Cleaning In General (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面洗浄方法及び装置に係り、特に、半導体ウェハのような平板の表面を洗浄する際に用いるのに好適な、強固に付着した汚染物やエッチング残渣を除去することが可能な、表面洗浄方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI製造工程における半導体用ウェハの表面上や、液晶(LCD)あるいは太陽電池等の表面上の微粒子(パーティクル)や汚れは、最終製品の歩留りを大きく低下させる。このため、前記ウェハ等の表面洗浄が極めて重要である。又、最近の環境保護の立場からも、廃液等を出さない、環境にやさしい洗浄方法が注目されている。
【0003】
従って従来から、種々の表面洗浄方法が提案されており、半導体製造を例に採ると、超音波併用の純水洗浄、純水中に薬液(例えばアンモニア過酸化水素液や硫酸過酸化水素液)を加えた溶液中に被洗浄物を侵漬し、洗浄する等の湿式洗浄方式が用いられている。
【0004】
しかしながら、この種の湿式洗浄方式は、各種設備の設置面積が大きく、廃液処理も必要であるという問題がある。
【0005】
一方、液体を用いない乾式洗浄方式として、ガスを加え化学反応を利用したドライクリーニングがあるが、パーティクル状の汚染物が除去できないという問題がある。
【0006】
更に、ドライアイスや氷、アルゴン固体等の微粒子を、被洗浄物表面に衝突させ、パーティクルを除去することも考えられているが、氷を用いた場合には、被洗浄物の表面が損傷を受ける恐れがあり、ドライアイスを用いた場合には、特に、鉄鋼や石油精製の廃ガスを原料とする市販品では、ドライアイス自体が汚れているため、不純物汚染の問題がある。
【0007】
これらに対して、特開平6−252114や特開平6−295895に記載された、アルゴン固体の微粒子を用いる方法によれば、上記のような問題は存在しない。
【0008】
例えば、特開平6−295895では、図12に示す如く、アルゴン(Ar)ガスのボンベ20から圧力調整弁22を介して供給されるアルゴンガスと、窒素(N2 )ガスのボンベ24から圧力調整弁26を介して供給される窒素ガスを合流点30で混合し、該合流点30で混合されたAr+N2 混合ガスを、配管32を介してフィルタ34でガス中の不純粒子を除去した後、配管36を介して冷却器(又は熱交換器)38で、当該冷却器38の到達冷却温度が、その圧力でのアルゴンガスの液化点近くまで冷却する。冷却された混合ガスは、配管40を介してエアロゾル噴射ノズル42により、被洗浄物であるウェハ10等が走査機構12の移動台13上に載置されて収容されている、洗浄室14を構成する真空容器内に噴出される。真空容器内の圧力はアルゴンのエアロゾルを形成するようにアルゴンの三重点圧力以下に維持される。エアロゾル噴射ノズル42のノズル穴43から噴出された混合ガスは、真空容器である洗浄室14内で急激に断熱膨脹して、アルゴンの液体、固体、気体、あるいは、これらの混合物からなる極微粒子のガス状懸濁物であるエアロゾルを形成する。この多量のアルゴン微粒子を含むエアロゾルがウェハ10の表面に噴射され、吹き付けられたエアロゾルの衝撃力を利用して、ウエハ10の表面が効率的に洗浄される。
【0009】
図において、16は、洗浄室14内を真空に排気するための排気装置である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、洗浄室14中に噴出されたエアロゾルは、被洗浄物10の表面に到達する過程で、周囲のガスにその運動エネルギを奪われ、速度が落ちてしまうため、衝撃力が弱まる。その結果、洗浄力が弱く、強固に付着した汚染物やエッチング残渣を除去し難いという問題点を有していた。
【0011】
なお、特開平8−298252の図5には、洗浄対象の表面に垂直に噴射されるエアロゾルを、同じく、図6に示されるような末広がり形状のノズル穴を有するガスノズルを2個用いて、その斜め後方両側から噴射される音速又は超音速ガスジェットで加速して、洗浄対象の表面に衝突させることが記載されているが、エアロゾル及びガスジェットの噴射方向が必ずしも適切ではなく、ガスノズルが複数必要で、特に、多数のノズル穴からエアロゾルを平行して噴射したい場合には、適していないという問題点を有していた。
【0012】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、簡単な構成で、強固に付着した汚染物やエッチング残渣を効果的に除去することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、微粒子が浮遊するエアロゾルを、被洗浄物表面に斜め方向から吹き付けることにより、該エアロゾルの衝撃力を利用して被洗浄物の表面を洗浄する表面洗浄方法において、常温又は加温した高速ガスを被洗浄物表面に向けて略垂直方向から噴射させ、該高速ガスにより、前記エアロゾルを被洗浄物表面に押し付けて衝突させる方向に加速すると共に、該加速により、前記高速ガスの保有熱による微粒子の液化や気化による効果も生じさせて、被洗浄物の表面を洗浄することにより、前記課題を解決したものである。
【0014】
本発明によれば、図1に示す如く、例えばエアロゾル噴射ノズル42のノズル穴43から被洗浄物(例えばウェハ10)の相対移動方向(図の右方向)の上流側(図の左側)に向けて斜めに噴射されたエアロゾル43Aは、例えばストレートノズルとされた付加ノズル108の直線状のノズル穴109から噴射され、エアロゾル43Aの上方から、該エアロゾル43Aをウエハ10の表面に向けて押さえ付けるように噴射された高速ガス109Aによって物理的に加速され、例えば常温又は加温した高速ガス109Aと低温のエアロゾル43Aとの熱接触に伴うエアロゾル微粒子表面の急激な気化に伴う体積膨張109Bによるエアロゾル43Aの熱的加速との相乗作用による被洗浄物表面へのエアロゾル43Aの衝撃力により、汚れ11の効率的な洗浄が行われる。
【0015】
更に、被洗浄物表面では、高速ガス109Aの保有熱以外に、ウェハ10とエアロゾル43Aとの衝突によるウェハ10からの伝熱による熱や、必要に応じてウェハ10の表面と略並行に流される常温又は加温したパージガス119Aの保有熱も加わり、エアロゾル43Aの液化による除去汚染物の掃流効果109Cが向上し、汚染物の効率的な除去作用が期待できる。
【0016】
本発明は、又、前記高速ガスが衝撃波又は膨張波を伴うようにし、該衝撃波又は膨張波による急激な圧力変化が生じるようにして、被洗浄物の表面を洗浄することにより、前記課題を解決したものである。
【0017】
この場合は、図2に示す如く、例えば末広がりノズルとされた付加ノズル208の出口側(図の下側)が広がるようにされたノズル穴209から噴射され、ウェハ10の表面に衝突する、例えば超音速の高速ガス209Aに伴われる衝撃波(音速)209F又は膨張波によって生じる急激な圧力変化による洗浄効果と、例えばエアロゾル噴射ノズル42のノズル穴43から噴射され、高速ガス209Aによって加速されて、被洗浄物表面に衝突するエアロゾル43Aの衝撃力による洗浄効果の相乗作用により、効率的な洗浄が行われる。更に、衝撃波や膨張波による汚れ11の脱離も期待できる。
【0018】
即ち、衝撃波は、圧力、密度等の状態量が不連続的に変化する面と見做すことができ、圧縮波である。衝撃波や膨張波が被洗浄物(ウェハ10)の表面に達すると、被洗浄物表面では爆発に似た急激な圧力変化が生じる。この急激な圧力変化は被洗浄物表面の汚染物を表面より脱離或いは飛散させる。
【0019】
一方、例えば後出図9に例示するような末広がりの付加ノズル208に導入されたガスは、ノズル穴209のスロート209Cで音速に達し、末広部で超音速に加速される。衝撃波発生に伴い、その速度は減速されるが、高速度でエアロゾル43Aに衝突し、該エアロゾルの速度を増大させる。運動エネルギが増えたエアロゾルは、被洗浄物表面の汚れ11に衝突し、衝撃波や膨張波の脱離効果と相乗して、汚れを除去する。
【0020】
なお、前記エアロゾル43Aを被洗浄物(10)の表面に対して斜め方向から吹き付け、前記高速ガス109A、209Aを、該エアロゾル43Aの上方から、該エアロゾル43Aを被洗浄物表面に向けて押さえ付けるように噴射させて、簡単な構成で十分な効果をあげることができる。
【0021】
特に、前記エアロゾル43Aを、被洗浄物の表面との相対移動方向の上流側に向けて斜めに吹き付けるようにした場合は、汚染物や固形物を効果的に除去できる。
【0022】
更に、常温又は加温したパージガスを被洗浄物表面と略平行に流して、前記エアロゾル43Aによって被洗浄物表面より除去された汚染物や固形物の被洗浄物表面への再付着を防止するようにして、二次汚染を防止することができる。
【0023】
又、前記エアロゾルを、少なくとも一部が固化されたアルゴン微粒子を含むアルゴンエアロゾルとして、洗浄が確実に行われるようにすることができる。
【0024】
本発明は、又、表面洗浄装置において、微粒子をガス中に浮遊させてエアロゾルを形成するエアロゾル形成手段と、該エアロゾル形成手段から供給されるエアロゾルを、被洗浄物表面に斜め方向から吹き付けるエアロゾル噴射ノズルと、常温又は加温した高速ガスを、被洗浄物表面に向けて略垂直方向から噴射することにより、前記エアロゾルを被洗浄物表面に押し付けて衝突させる方向に加速するための付加ノズルと、前記エアロゾルによって被洗浄物表面より除去された汚染物や固形物の被洗浄物の表面への再付着を防止するための、常温又は加温したパージガスを、被測定物表面と略並行に流すパージガス用ノズルとを備え、前記高速ガスにより加速されたエアロゾルによって、被洗浄物の表面を洗浄することにより、前記課題を解決したものである。
【0025】
又、前記付加ノズルをストレートノズルとして、付加ノズルの構成を簡略化したものである。
【0026】
或いは、前記付加ノズルを末広がりノズルとして、該付加ノズルから衝撃波や膨張波が発生するようにしたものである。
【0027】
更に、前記付加ノズル出口で垂直衝撃波が発生するようにしたものである。
【0028】
又、前記付加ノズルの位置を調整可能として、前記エアロゾルに対する高速ガスの衝突位置及びエアロゾルの速度を調整できるようにしたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0030】
本実施形態が適用される半導体用ウェハの表面洗浄装置の全体構成を図3に示す。この表面洗浄装置には、装置外部から被洗浄物であるウェハ10が多数収容されたカセット52が交互に搬入出され、ロードロックされて、真空状態に排気される2つのカセット室54、56と、洗浄前のウェハ10を、前記カセット室54、56の一方のカセット52から1枚ずつ引き出して、矢印Aに示す如く、次のバッファ室62に搬入すると共に、洗浄後のウェハを、バッファ室62から搬出して、矢印Bに示す如く、所定のカセット52に挿入するための、例えば水平面内で伸縮と回転の2軸動作可能な、ウェハハンドリング用の搬送ロボット58が配設されたロボット室60と、常時、真空に保たれているロボット室60とノズル42から噴射されるエアロゾル43Aにより真空度が低下する洗浄室14間の圧力差を解消して、ウェハの受け渡しをするためのバッファ室62と、該バッファ室62内で待機しているウェハを、移動台13を構成するプロセスハンドにより洗浄室14に搬入(Y方向)しながら、ノズル穴43のピッチ分だけ図の左右方向(X方向)に走査するための走査機構12と、下を通過するウェハに対してアルゴンエアロゾル43Aを噴射して洗浄するためのエアロゾル噴射ノズル42を備えた洗浄室14と、該エアロゾル噴射ノズル42に供給されるAr+N2 混合ガスを冷却するための冷却器38を構成する冷凍機76、コンプレッサ78及び熱交換器80と、前記カセット室54、56、ロボット室60、バッファ室62、洗浄室14を排気して真空にするための排気装置16とが、主に備えられている。
【0031】
本発明の第1実施形態は、このような表面洗浄装置において、図12に示した従来例と同様の構成に加えて、図4及び図5に詳細に示す如く、加速用N2 ガス109Aを、ウェハ10の表面に向けて高速で噴射するための、圧力調整弁90、配管92、フィルタ94、配管104、ヒータ106及び付加ノズル108と、ウェハ10の表面から除去された汚染物や固形物を系外に排出するためのパージ用N2 ガス119Aをウェハ10の表面と略平行に流すための、圧力調整弁110、配管112、フィルタ114、配管116、ヒータ117及びパージ用ノズル118を追加したものである。
【0032】
前記付加ノズル108は、例えばストレートノズルとされ、図6乃至図8に示す如く、エアロゾル噴射ノズル42に隣接し、且つ平行に設置されている。該付加ノズル108には、図5に示した如く、エアロゾル噴射ノズル42のノズル穴43と同数の円柱状の直線的なノズル穴109が設けられ、図1に示した如く、該ノズル穴109から噴出される高速(例えば超音速)の加速用N2 ガス109Aがエアロゾル43Aに当るようにノズル穴109が加工・配置される。
【0033】
図7及び図8において、120は、洗浄室14内の流れを制御するためのシールド板である。
【0034】
前記付加ノズル108には、上下・左右の位置が調整できる機構が備えられ、ウェハ10の表面に到達する前のエアロゾル43Aに当るように、更に、エアロゾル43Aの速度を調整するように、付加ノズル108の位置を変えることができる。図6及び図8に、付加ノズル108の位置を上下に調整するための機構の例を示す。ここでは、付加ノズル108を固定しているステー110、112に長穴114を設け、該長穴114の範囲で、ボルト116により、付加ノズル108の位置を上下に調整可能としている。左右にも、同様の機構を設けることができる。
【0035】
前記付加ノズル108から噴出させるガスは、不活性ガス、特に価格及び入手性を考えるとN2 ガスが望ましいが、不活性ガスに限らず、例えばO2 ガスやH2 ガスを用いてもよい。ガスの温度は常温でよいが、例えばヒータ106で加熱しても良い。加熱した方が音速が増し、エアロゾルの加速効果が増す。圧力は高い方が望ましいが、工業的には1MPa以下、700KPa〜300KPaが望ましい。
【0036】
前記パージ用ノズル118は、図5に示した如く、ガスの流れに関して、エアロゾル噴射ノズル42より上流側の、洗浄室14の端部に設けられている。このパージ用ノズル118のノズル穴119からは、圧力調整弁110、配管112、フィルタ114及び配管116を介して、前記窒素ガスボンベ24から供給されるパージ用窒素ガス119Aが常時噴出されている。
【0037】
以下作用を説明する。
【0038】
前記付加ノズル108のノズル穴109からは超音速の加速用N2 ガス109A、前記エアロゾル噴射ノズル42のノズル穴43からはアルゴン微粒子を含むエアロゾル43A、前記パージ用ノズル118のノズル穴119からはパージ用N2 ガス119Aを噴出させた状態で、例えば特開平6−252114や特開平6−295895に記載された方法を用いて、走査機構12によりウェハ10を、図5の手前から奥の方向に、矢印Cで示す如く、ノズル穴のピッチ分だけ横方向(X方向)に走査しながらY方向にジグザクに送り込む。すると、ウェハ10の表面には、加速用N2 ガス109Aによって物理的及び熱的に加速されたArエアロゾル43Aが衝突し、強固に付着した汚染物であっても、エアロゾルの衝撃力により表面から剥離される。一旦剥離された汚染物は、加速用N2 ガス109Aとパージ用N2 ガス119Aのガス保有熱と、ウェハ10からの伝熱による熱によるエアロゾル43Aの液化促進により、ウェハ10の表面上より効率的に除去される。
【0039】
又、エアロゾル及び衝撃波又は膨張波により除去された汚染物を効率良く系外に排出するため、洗浄室14の端部(図5では上部)より、加圧された不活性ガス(経済性からN2 ガスが望ましい)をパージ用ノズル118のノズル穴119又はパイプにより洗浄室14内に導入し、ウェハ10の表面に汚染物を系外へ排出される強制流を作ることができる。この排出強制流の流速は、例えば5〜20m/秒とすることが望ましい。なお、パージ用ノズル118は省略することもできる。
【0040】
前記洗浄室14内の圧力は、アルゴンの三重点(68kPa)以下とする必要があるが、上記排出強制流の流速を小量の窒素ガス(不活性ガス)で確保すると共に、エアロゾルの固体の固さを増し、汚染物除去効果を高めるためには、50kPa〜数kPa(20kPa以下が望ましい)とすることができる。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0042】
本実施形態では、付加ノズルとして、第1実施形態のストレートノズル108の代りに、末広がりノズル208が用いられている。他の点に関しては、第1実施形態と同じであるので、同じ符号を付して説明は省略する。
【0043】
図9に示す如く、本実施形態で用いられている付加ノズル208のノズル穴209の断面は軸対称で、圧力室208Aからノズル穴入口209Bを経てノズル穴出口209Dへ至る途中にスロート209Cをもつ末広形状を有している。これは、一般に言われる超音速ノズルと同一形状である。
【0044】
前記ノズル穴209からの噴出ガスを真空容器(洗浄室14)へ噴出させると、ノズル穴出口209Dでの圧力Peが真空容器(14)の圧力Pbと異なる場合、図10に示すように衝撃波(図10(g)(h)(i)に示すPe<Pbの場合)或いは膨張波(図10(k)に示すPe>Pbの場合)を生じる。Pe=Pbの場合、ノズル穴部での摩擦を考慮しないと流れは等エントロピー的に変化し、適正膨張となって、衝撃波や膨張波を発生することなく、超音速流れとなって真空容器(14)に噴出する(図10(j)の場合)。第1実施形態も含む一般のノズルは、この適正膨張となるように使用されているのに対し、本実施形態では、あえて衝撃波又は膨張波が発生するように用いる。
【0045】
前記ノズル穴出口209Dでの圧力Peは、スロート209Cでの断面積Asとノズル穴出口209Dでの断面積Aeの比Ae/Asによって選択することができる。
【0046】
図11に、N2 ガスにおけるAe/AsとPe/Po(Po:ノズル穴入口109Bでの圧力)の関係、及び、発生する衝撃波の種類を示す。即ち衝撃波を発生させるためには、図10(g)又は(h)に示す如く、末広部に垂直衝撃波が発生する領域I、又は、図10(i)に示す如く、過膨張による斜め衝撃波がノズル外側に発生する領域IIになるようにAe/Asを選ぶ。一般に垂直衝撃波の方が斜め衝撃波より強度が強いので、付着力の強い汚染物に対しては領域Iを選定する。又領域Iではノズル穴の末広部で衝撃波が発生し、ノズル穴209の損傷が懸念されるので、図10(h)に示した如く、丁度ノズル穴出口209Dで垂直衝撃波が発生するように設計するのが望ましい。
【0047】
図9に示した前記ノズル穴209の末広部の角度θは、流れの剥離によるじょう乱を避けるため、拡がり角θ=5〜10°となるようにする。このθが大きいと、ノズル内で早く衝撃波が発生しやすくなる。θが10°より大きくなると、剥離が発生し、エネルギが摩擦で吸収されてしまい、効率が悪い。一方、θが5°より小さいと、ノズルが長くなり、大きくなるだけでなく、工作が困難である。
【0048】
本実施形態においては、ウェハ10の表面に、加速用N2ガスによって加速されたArエアロゾル43A、及び衝撃波又は膨張波が衝突し、強固に付着した汚染物であっても、エアロゾルの衝撃力及び衝撃波又は膨張波による圧力変化により表面から剥離される。
【0049】
なお、前記実施形態においては、いずれも、本発明が、半導体用ウェハの洗浄に適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、ハードディスク、液晶、マイクロマシン、精密機械部品及び電子部品等の他の被洗浄物の洗浄にも同様に適用できることは明らかである。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、被洗浄物を損傷したり、不純物汚染を生じることなく、アルゴン微粒子だけでは除去が難しかった、強固に付着した汚染物やエッチング残渣を効果的に除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による表面洗浄の原理を示す断面図
【図2】本発明の第2実施形態による表面洗浄の原理を示す断面図
【図3】本発明が適用される半導体用ウェハの表面洗浄装置の一例の全体構成を示す平面図
【図4】本発明の第1実施形態の構成を示す管路図
【図5】第1実施形態の洗浄室内部を示す略平面図
【図6】第1実施形態の洗浄室の断面形状を示す横断面図
【図7】図6のVII −VII 線に沿う縦断面図
【図8】同じくVIII−VIII線に沿う縦断面図
【図9】本発明の第2実施形態で用いられている付加ノズルの構成を示す断面図
【図10】前記付加ノズルの圧力と発生する音波の関係の例を示す線図
【図11】前記付加ノズルの各作動状態を示す線図
【図12】特開平6−295895に記載された従来の表面洗浄装置の構成を示す管路図
【符号の説明】
10…ウェハ(被洗浄物)
12…走査機構
13…移動台
14…洗浄室(真空容器)
16…排気装置
20…アルゴン(Ar)ガスボンベ
24…窒素(N2 )ガスボンベ
34、94、114…フィルタ
38…冷却器
42…エアロゾル噴射ノズル
43、109、209、119…ノズル穴
43A…エアロゾル
76…冷凍機
80…熱交換器
106、117…ヒータ
108、208…付加ノズル
109A、209A…加速用高速窒素ガス
109B…体積膨張
109C…掃流効果
118…パージ用ノズル
119A…パージ用窒素ガス
209B…ノズル穴入口
209C…スロート
209D…ノズル穴出口
209F…衝撃波
Claims (14)
- 微粒子が浮遊するエアロゾルを、被洗浄物表面に斜め方向から吹き付けることにより、該エアロゾルの衝撃力を利用して被洗浄物の表面を洗浄する表面洗浄方法において、
常温又は加温した高速ガスを被洗浄物表面に向けて略垂直方向から噴射させ、
該高速ガスにより、前記エアロゾルを被洗浄物表面に押し付けて衝突させる方向に加速すると共に、該加速により、前記高速ガスの保有熱による微粒子の液化や気化による効果も生じさせて、被洗浄物の表面を洗浄することを特徴とする表面洗浄方法。 - 請求項1に記載の表面洗浄方法を使用することよって、前記高速ガスが衝撃波又は膨張波を伴うようにし、該衝撃波又は膨張波による急激な圧力変化が生じるようにして、被洗浄物の表面を洗浄することを特徴とする表面洗浄方法。
- 請求項1又は2に記載の表面洗浄方法において、前記エアロゾルを、被洗浄物の表面との相対移動方向の上流側に向けて斜めに吹き付けることを特徴とする表面洗浄方法。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表面洗浄方法において、更に、常温又は加温したパージガスを被洗浄物表面と略並行に流して、前記エアロゾルによって被洗浄物表面より除去された汚染物や固形物の被洗浄物表面への再付着を防止することを特徴とする表面洗浄方法。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面洗浄方法において、前記エアロゾルが、少なくとも一部が固化されたアルゴン微粒子を含むアルゴンエアロゾルであることを特徴とする表面洗浄方法。
- 微粒子をガス中に浮遊させてエアロゾルを形成するエアロゾル形成手段と、
該エアロゾル形成手段から供給されるエアロゾルを、被洗浄物表面に斜め方向から吹き付けるエアロゾル噴射ノズルと、
常温又は加温した高速ガスを、被洗浄物表面に向けて略垂直方向から噴射することにより、前記エアロゾルを被洗浄物表面に押し付けて衝突させる方向に加速するための付加ノズルと、
前記エアロゾルによって被洗浄物表面より除去された汚染物や固形物の被洗浄物の表面への再付着を防止するための、常温又は加温したパージガスを、被洗浄物表面と略平行に流すパージガス用ノズルとを備え、
前記高速ガスにより加速されたエアロゾルによって、被洗浄物の表面を洗浄することを特徴とする表面洗浄装置。 - 請求項6に記載の表面洗浄装置において、前記付加ノズルがストレートノズルであることを特徴とする表面洗浄装置。
- 請求項6に記載の表面洗浄装置において、前記付加ノズルが末広がりノズルであることを特徴とする表面洗浄装置。
- 請求項8に記載の表面洗浄装置において、前記末広がりノズルから噴射される高速ガスが衝撃波又は膨張波を伴うようにされ、該衝撃波又は膨張波による急激な圧力変化を併用して、被洗浄物表面を洗浄することを特徴とする表面洗浄装置。
- 請求項9に記載の表面洗浄装置において、前記末広がりノズルから衝撃波が発生するようにされていることを特徴とする表面洗浄装置。
- 請求項10に記載の表面洗浄装置において、前記末広がりノズルの出口で垂直衝撃波が発生するようにされていることを特徴とする表面洗浄装置。
- 請求項6乃至11のいずれか一項に記載の表面洗浄装置において、前記エアロゾルが、被洗浄物の表面との相対移動方向の上流側に向けて斜めに吹き付けられることを特徴とする表面洗浄装置。
- 請求項6乃至12のいずれか一項に記載の表面洗浄装置において、前記付加ノズルの位置が調整可能とされていることを特徴とする表面洗浄装置。
- 請求項6及至13のいずれか一項に記載の表面洗浄装置において、前記エアロゾルが、少なくとも一部が固化されたアルゴン微粒子を含むアルゴンエアロゾルであることを特徴とする表面洗浄装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18447698A JP3790627B2 (ja) | 1998-02-13 | 1998-06-30 | 表面洗浄方法及び装置 |
TW88110355A TW446584B (en) | 1998-02-13 | 1999-06-21 | Surface cleaning method and apparatus |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-31366 | 1998-02-13 | ||
JP3136698 | 1998-02-13 | ||
JP18447698A JP3790627B2 (ja) | 1998-02-13 | 1998-06-30 | 表面洗浄方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11297653A JPH11297653A (ja) | 1999-10-29 |
JP3790627B2 true JP3790627B2 (ja) | 2006-06-28 |
Family
ID=26369817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18447698A Expired - Fee Related JP3790627B2 (ja) | 1998-02-13 | 1998-06-30 | 表面洗浄方法及び装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3790627B2 (ja) |
TW (1) | TW446584B (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100385432B1 (ko) * | 2000-09-19 | 2003-05-27 | 주식회사 케이씨텍 | 표면 세정용 에어로졸 생성 시스템 |
KR100421038B1 (ko) * | 2001-03-28 | 2004-03-03 | 삼성전자주식회사 | 표면으로부터 오염물을 제거하는 세정 장비 및 이를이용한 세정 방법 |
JP5190215B2 (ja) * | 2007-03-30 | 2013-04-24 | 東京エレクトロン株式会社 | ターボ分子ポンプの洗浄方法 |
KR100928691B1 (ko) * | 2009-03-24 | 2009-11-27 | 주식회사 지디머신즈 | 슬릿형 초음속 노즐 및 이를 구비한 표면처리장치 |
CN104553251B (zh) * | 2014-12-26 | 2017-01-04 | 东莞市智澳通用机械设备有限公司 | 一种背光源模块贴膜机的除尘装置 |
JP7038618B2 (ja) * | 2018-07-12 | 2022-03-18 | 東京エレクトロン株式会社 | クリーニング方法及び基板処理装置 |
KR20210093906A (ko) | 2018-11-30 | 2021-07-28 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 기판 세정 방법, 처리 용기 세정 방법 및 기판 처리 장치 |
KR102262820B1 (ko) * | 2019-11-15 | 2021-06-09 | 세메스 주식회사 | 기판 세정 장치 및 기판 세정 방법 |
KR102649715B1 (ko) | 2020-10-30 | 2024-03-21 | 세메스 주식회사 | 표면 처리 장치 및 표면 처리 방법 |
CN114888218A (zh) * | 2022-05-17 | 2022-08-12 | 中国电建集团西北勘测设计研究院有限公司 | 一种去除锻件热氧化皮的方法 |
-
1998
- 1998-06-30 JP JP18447698A patent/JP3790627B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1999
- 1999-06-21 TW TW88110355A patent/TW446584B/zh not_active IP Right Cessation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11297653A (ja) | 1999-10-29 |
TW446584B (en) | 2001-07-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3183214B2 (ja) | 洗浄方法および洗浄装置 | |
JP3161473B2 (ja) | 基板の清浄化方法及び該方法に使用する装置 | |
JP3790627B2 (ja) | 表面洗浄方法及び装置 | |
US5931721A (en) | Aerosol surface processing | |
JP2825301B2 (ja) | 微細凍結粒子による洗浄装置 | |
US5035750A (en) | Processing method for semiconductor wafers | |
CN1796008B (zh) | 基板处理装置及其处理方法 | |
JP2576836B2 (ja) | 改良されたエアロゾル洗浄装置 | |
JP2001500796A (ja) | 空力エアゾルチャンバ | |
US6488779B1 (en) | Method and apparatus for cleaning substrates | |
KR20120125546A (ko) | 기판 세정 방법 및 기판 세정 장치 | |
JP2001137797A (ja) | クラスタを利用した乾式洗浄装置及びその方法 | |
US20020139125A1 (en) | Nozzle design for generating fluid streams useful in the manufacture of microelectronic devices | |
US6726777B1 (en) | Cleaning method and apparatus using fluid spraying | |
KR100328640B1 (ko) | 표면세정방법 및 장치 | |
JPH0479326A (ja) | 基板表面の洗浄装置 | |
JPH11165139A (ja) | 表面洗浄方法及び装置 | |
JPH11300293A (ja) | 表面洗浄装置 | |
JPH0487335A (ja) | 半導体ウエハ洗浄装置 | |
JPH11186206A (ja) | 表面洗浄装置 | |
JPH06132273A (ja) | ウエハ洗浄装置 | |
JP2865619B2 (ja) | ガスを用いた洗浄方法および洗浄装置 | |
JP3980213B2 (ja) | エアロゾル洗浄装置 | |
JP2664298B2 (ja) | 洗浄装置および洗浄方法 | |
JP2000262997A (ja) | エアロゾル洗浄装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050531 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050607 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050628 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060117 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060119 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060328 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060403 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |