JP3790457B2 - 作業機の伝動構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速装置からなる第1変速装置と、第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを備えた作業機の伝動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような作業機の伝動構造においては、第1変速装置や第2変速装置の操作を行うことで、エンジンからの動力を所望の走行速度に変速することができ、又、別途設けた作業用の切換装置の操作を行うことで、作業装置に動力を伝達する作業装置駆動状態と作業装置に動力を伝達しない作業装置停止状態とに切り換えることができるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
つまり、上記の従来技術によると、作業に適した所望の走行速度で作業を行う作業走行状態と、作業を行わずに所望の走行速度で移動する移動走行状態とを切り換え現出するためには、第1変速装置や第2変速装置の操作と作業用の切換装置の操作とを行わなければならないことから、操作性の向上を図る上において改善の余地があった。
【0004】
本発明の目的は、操作性の向上を図れるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、前記作業走行状態では、機体の前後進にかかわらず前記作業装置が正転駆動されるように構成した。
【0006】
〔作用〕
上記請求項1記載の発明によると、第1変速装置や第2変速装置の操作を行うだけで、作業に適した所望の走行速度で作業を行う作業走行状態と、作業を行わずに所望の走行速度で移動する移動走行状態とを容易に切り換え現出することができる。
【0007】
しかも、第1変速装置が無段変速装置であることから、第1変速装置を操作する場合には、無段階の操作感覚のよいスムーズな変速操作を行えるととも、有段変速装置である場合に比較して目的に応じた種々の変速状態の現出が可能となり、更に、第2変速装置をも無段変速装置で構成すれば、第2変速装置を操作する場合においても、無段階の操作感覚のよいスムーズな変速操作を行えるととも、より目的に応じた種々の変速状態の現出が可能になる。
【0008】
その上、機体の後進に伴って作業装置が逆転駆動されることに起因した作業不良の発生を未然に回避することができ、又、機体を後進させた場合であっても、作業装置が正転駆動されることで、作業を継続することができる。
【0009】
つまり、例えば、作業機がコンバインや人参収穫機などの収穫作業機である場合には、条合わせなどのために機体を後進させるのに伴って作業装置の一例である収穫搬送装置が逆転駆動されると、収穫搬送中の作物が逆向きに搬送されることに起因した作物詰まりや作物放出などの作業不良を招くことになるが、上記請求項1記載の発明では、機体を後進させても収穫搬送装置は正転駆動されることから、収穫搬送中の作物が逆向きに搬送されることはなく、結果、その逆向き搬送に起因した作物詰まりや作物放出などの作業不良の発生を未然に回避することができる。
【0010】
又、機体を後進させた場合であっても、収穫搬送装置が正転駆動されることで、収穫搬送途中の作物を脱穀装置(コンバインの場合)や葉切り装置(人参収穫機の場合)などに向けて搬送することができ、次の処理を施すことができる。
【0011】
〔効果〕
従って、操作性の向上を図れるとともにスムーズな変速操作感を得られるようになり、又、機体の後進に伴って作業装置が逆転駆動されることに起因した作業不良の発生を未然に回避できる上に、作業効率の向上をも図れるようになった。
【0012】
〔構成〕
本発明のうちの請求項記載の発明では、無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、前記第1変速装置の操作で機体の後進状態が現出されるように構成し、前記第2変速装置の変速用として前記第2変速装置に装備した移動部材が、前記第1変速装置の操作による機体の後進状態の現出に伴って前記作業装置停止状態を現出するように構成した。
【0013】
〔構成〕
本発明のうちの請求項記載の発明では、無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、前記第2変速装置の操作で機体の後進状態が現出されるように構成し、前記第2変速装置の操作用として前記第2変速装置に装備した移動部材が、前記第1変速装置の操作による機体の後進状態の現出に伴って前記作業装置停止状態を現出するように構成した。
【0014】
〔作用〕
上記請求項2又は3記載の発明によると、第1変速装置や第2変速装置の操作を行うだけで、作業に適した所望の走行速度で作業を行う作業走行状態と、作業を行わずに所望の走行速度で移動する移動走行状態とを容易に切り換え現出することができる。
【0015】
しかも、第1変速装置が無段変速装置であることから、第1変速装置を操作する場合には、無段階の操作感覚のよいスムーズな変速操作を行えるととも、有段変速装置である場合に比較して目的に応じた種々の変速状態の現出が可能となり、更に、第2変速装置をも無段変速装置で構成すれば、第2変速装置を操作する場合においても、無段階の操作感覚のよいスムーズな変速操作を行えるととも、より目的に応じた種々の変速状態の現出が可能になる。
【0016】
又、作業装置に対する伝動系に逆転動力の伝達を阻止するワンウェイクラッチを装備しなくても、機体を後進させる際には、作業装置を停止させることができ、作業装置が逆転駆動されることに起因した作業不良の発生や作業装置の破損などを未然に回避することができる。
【0017】
ちなみに、例えば、作業機がコンバインや人参収穫機などの収穫作業機である場合には、作業装置の一例である収穫搬送装置が逆転駆動されると、収穫搬送中の作物が逆向きに搬送されるようになることから、その逆向き搬送に起因した作物詰まりや作物放出などの作業不良が発生するようになり、又、作業機が田植機などの移植作業機である場合には、作業装置の一例である苗植付装置に装備された植付機構などが逆転駆動されると、その逆転駆動に起因した苗植付装置における作業不良の発生や植付機構などの破損を招く虞がる。
【0018】
〔効果〕
従って、操作性の向上を図れるとともにスムーズな変速操作感を得られるようになり、又、構造の簡素化及び製造コストの削減を図りながら、機体の後進に伴って作業装置が逆転駆動されることに起因した作業不良の発生や作業装置の破損などを未然に回避できるようになった。
【0019】
〔構成〕
本発明のうちの請求項記載の発明では、無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、前記第2変速装置の変速用として前記第2変速装置に装備した移動部材が、前記第2変速装置の操作による高速伝動状態の現出に伴って前記作業装置停止状態を現出するように構成した。
【0020】
〔作用〕
上記請求項記載の発明によると、第1変速装置や第2変速装置の操作を行うだけで、作業に適した所望の走行速度で作業を行う作業走行状態と、作業を行わずに所望の走行速度で移動する移動走行状態とを容易に切り換え現出することができる。
【0021】
しかも、第1変速装置が無段変速装置であることから、第1変速装置を操作する場合には、無段階の操作感覚のよいスムーズな変速操作を行えるととも、有段変速装置である場合に比較して目的に応じた種々の変速状態の現出が可能となり、更に、第2変速装置をも無段変速装置で構成すれば、第2変速装置を操作する場合においても、無段階の操作感覚のよいスムーズな変速操作を行えるととも、より目的に応じた種々の変速状態の現出が可能になる。
【0022】
又、作業装置に対する伝動系に高速動力の伝達を阻止する高速牽制機構を装備しなくても、機体を高速走行させる際には、作業装置を停止させることができて、作業装置が高速駆動されることに起因した作業不良の発生や作業装置の破損などを未然に回避することができる。
【0023】
ちなみに、例えば、作業機がコンバインや人参収穫機などの収穫作業機である場合には、作業装置の一例である収穫搬送装置が高速駆動されると、収穫搬送中の作物が高速で搬送されるようになることから、その高速搬送に起因した搬送不良や作物詰まりなどの作業不良が発生するようになり、又、作業機が田植機などの移植作業機である場合には、作業装置の一例である苗植付装置に装備された植付機構などが高速駆動されると、その高速駆動に起因した植え付け不良や植付機構などの破損を招く虞がる。
【0024】
〔効果〕
従って、操作性の向上を図れるとともにスムーズな変速操作感を得られるようになり、 又、構造の簡素化及び製造コストの削減を図りながら、機体の高速走行に伴って作業装置が高速駆動されることに起因した作業不良の発生や作業装置の破損などを未然に回避できるようになった。
【0025】
〔構成〕
本発明のうちの請求項記載の発明では、無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、前記作業装置駆動状態での前記第2変速装置の操作に連動して、前記作業装置の駆動速度を、前記第2変速装置による変速後の走行速度に応じた速度に変速する作業用変速装置を装備した。
【0026】
〔作用〕
上記請求項記載の発明によると、第1変速装置や第2変速装置の操作を行うだけで、作業に適した所望の走行速度で作業を行う作業走行状態と、作業を行わずに所望の走行速度で移動する移動走行状態とを容易に切り換え現出することができる。
【0027】
しかも、第1変速装置が無段変速装置であることから、第1変速装置を操作する場合には、無段階の操作感覚のよいスムーズな変速操作を行えるととも、有段変速装置である場合に比較して目的に応じた種々の変速状態の現出が可能となり、更に、第2変速装置をも無段変速装置で構成すれば、第2変速装置を操作する場合においても、無段階の操作感覚のよいスムーズな変速操作を行えるととも、より目的に応じた種々の変速状態の現出が可能になる。
【0028】
又、作業用変速装置の人為操作を行わなくても、作業装置の駆動速度を第2変速装置による変速後の走行速度に応じた速度に変速することができ、走行速度と作業装置の駆動速度とが対応しないことに起因した作業不良の発生を未然に回避することができる。
【0029】
ちなみに、例えば、作業機がコンバインや人参収穫機などの収穫作業機である場合には、走行速度と作業装置の一例である収穫搬送装置の駆動速度とが対応していないと、走行に伴って収穫される作物量に適した搬送速度が得られないことに起因した搬送不良や作物詰まりなどの作業不良が発生するようになり、又、作業機が田植機などの移植作業機である場合には、走行速度と作業装置の一例である苗植付装置の駆動速度とが対応していないと、走行に伴って植え付けられる苗の植え付け間隔が適性間隔から外れるなどの作業不良が発生するようになる。
【0030】
〔効果〕
従って、操作性の向上を図れるとともにスムーズな変速操作感を得られるようになり、又、走行速度と作業装置の駆動速度とが対応しないことに起因した作業不良の発生を未然に回避できるようになった。
【0031】
〔構成〕
本発明のうちの請求項記載の発明では、無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置 停止状態とを切り換え現出するように構成して、前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、前記第2変速装置に装備した伝動軸の摺動で、前記第2変速装置の変速、並びに、前記作業装置駆動状態と前記作業装置停止状態との切り換えを行うように構成した。
【0032】
〔作用〕
上記請求項記載の発明によると、第1変速装置や第2変速装置の操作を行うだけで、作業に適した所望の走行速度で作業を行う作業走行状態と、作業を行わずに所望の走行速度で移動する移動走行状態とを容易に切り換え現出することができる。
【0033】
しかも、第1変速装置が無段変速装置であることから、第1変速装置を操作する場合には、無段階の操作感覚のよいスムーズな変速操作を行えるととも、有段変速装置である場合に比較して目的に応じた種々の変速状態の現出が可能となり、更に、第2変速装置をも無段変速装置で構成すれば、第2変速装置を操作する場合においても、無段階の操作感覚のよいスムーズな変速操作を行えるととも、より目的に応じた種々の変速状態の現出が可能になる。
【0034】
又、第2変速装置の変速や作業装置に対する伝動状態の切り換えを行うための専用の移動部材を設けなくても、伝動軸の摺動操作によって、第2変速装置の変速並びに作業装置駆動状態と作業装置停止状態との切り換えを行える。
【0035】
〔効果〕
従って、操作性の向上を図れるとともにスムーズな変速操作感を得られるようになり、又、構造の簡素化及び製造コストの削減を図れるようになった。
【0036】
〔構成〕
本発明のうちの請求項記載の発明では、上記請求項記載の発明において、前記第2変速装置に装備した伝動軸の摺動で、前記第2変速装置の変速、前記作業装置駆動状態と前記作業装置停止状態との切り換え、並びに、前記作業用変速装置の変速を行うように構成した。
【0037】
〔作用〕
上記請求項記載の発明によると、第2変速装置の変速、作業装置に対する伝動状態の切り換え、及び、作業用変速装置の変速を行うための専用の移動部材を設けなくても、伝動軸の摺動操作によって、第2変速装置の変速、作業装置駆動状態と作業装置停止状態との切り換え、並びに作業用変速装置の変速を行える。
【0038】
〔効果〕
従って、構造の簡素化及び製造コストの削減を図りながら操作性の向上を効果的に図れるようになった。
【0039】
〔構成〕
本発明のうちの請求項記載の発明では、上記請求項6又は7記載の発明において、前記伝動軸が回転軸であり、該伝動軸に内装されるとともにその周面から突出する状態にバネ付勢されたボールと、前記伝動軸に一体回転可能かつ相対摺動可能に外嵌するとともに前記伝動軸との嵌合面に前記ボールの係入を許容する複数のリング状の凹部が形成された筒状のボスとから、前記伝動軸を所望の変速位置に保持するボールデテント機構を構成した。
【0040】
〔作用〕
上記請求項記載の発明によると、ボス側に伝動軸に向けてバネ付勢されたボールを内装する場合に比較して、ボールデテント機構を外径の小さいコンパクトなものに構成することができるとともに、ボスを外嵌支持するベアリングとして小径のものを採用することができる。
【0041】
又、伝動軸とミッションケースなどの固定部材との間でボールデテント機構を構成する場合に比較して、伝動軸を抵抗少なくスムーズに回転させることができる。
【0042】
〔効果〕
従って、伝動のロスを招くことなく伝動切り換え構造の小型化を図れるようになった。
【0043】
〔構成〕
本発明のうちの請求項9記載の発明では、上記請求項1〜8のいずれか一つに記載の発明において、前記第2変速装置を有段変速装置で構成した。
【0044】
〔作用〕
上記請求項9記載の発明によると、第2変速装置を、無段変速装置よりも安価な有段変速装置で構成することから、第1変速装置と第2変速装置の双方を無段変速装置で構成する場合に比較して製造コストの削減を図れる。
【0045】
〔効果〕
従って、製造コストの削減を図りながら操作性の向上を図れるようになった。
【0046】
〔構成〕
本発明のうちの請求項10記載の発明では、上記請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、前記第1変速装置と前記第2変速装置の操作を、単一の操作具の移動操作で行うように構成した。
【0047】
〔作用〕
上記請求項10記載の発明によると、変速用として単一の操作具を装備するだけであることから、操縦部には、その単一の操作具を操作性良く装備するためのスペースを確保するだけでよく、又、変速操作の際には、その操作具の移動操作を行うだけで、目的に応じた変速状態の現出、及び、作業装置駆動状態と作業装置停止状態との切り換えを容易に行えるようになる。
【0048】
〔効果〕
従って、操作具配設箇所の省スペース化を図れる上に操作性の向上を更に図れるようになった。
【0049】
【発明の実施の形態】
図1には作業機の一例である自脱形コンバインの全体側面が、図2にはその全体平面がそれぞれ示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1を備えた走行機体2の前部左側に、作業装置の一例である刈り取り式の収穫搬送装置3を左右向きの軸心周りに昇降揺動可能に連結し、走行機体2の前部右側に操縦塔4や運転座席5などを備えた操縦部6を形成し、走行機体2における収穫搬送装置3と操縦部6の直後方箇所に、収穫搬送装置3からの刈取穀稈に対して脱穀処理や選別処理などを施す脱穀装置7を搭載し、走行機体2における脱穀装置7の左後方箇所に、脱穀装置7からの排ワラを細断処理する排ワラ切断装置8を装備し、走行機体2における脱穀装置7の右後方箇所に、脱穀装置7から揚送コンベヤ9を介して搬送される穀粒を穀粒袋10に詰め込む袋詰め装置11を配設して構成されている。
【0050】
図1に示すように、左右のクローラ式走行装置1は、その前部に配備された駆動輪12、その後部に前後方向に位置調節可能に配備された遊動輪13、それら駆動輪12と遊動輪13との間に配設された3つの外転輪14、及び、それらを外囲する状態に張設されたクローラベルト15、などによって構成されている。
【0051】
図1及び図2に示すように、収穫搬送装置3は、倒伏した植立穀稈をすくい上げる3つのデバイダ16、倒伏した植立穀稈をすき起こす左右の引起機構17、稲や麦などの植立穀稈の株元側を切断するバリカン形の刈取機構18、及び、刈取穀稈を後方に向けて搬送しながら縦向き姿勢から横向き姿勢に姿勢変更する搬送機構19、などを備えて2条分の刈り取り搬送を行うように構成されている。
【0052】
図3及び図4に示すように、脱穀装置7は、脱穀処理方向が前後向きに設定された脱穀処理部20と、選別処理方向が左右向きに設定された選別処理部21と、回収搬送方向が前後向きに設定された回収部22とが、上方からその順に備えられており、脱穀装置7の上部に配備される脱穀処理部20は、その左外側部に配置されたフィードチェーン23が、搬送機構19からの刈取穀稈の株元側を挟持して後方に向けて搬送することで、脱穀装置7の左側上部に形成された扱室24内における受網25上に刈取穀稈の穂先側を案内し、扱室24内に前後向きに装備された扱胴26がその支軸27周りに回転することで、フィードチェーン23により受網25上に案内された刈取穀稈の穂先側に対して脱穀処理を施すように構成されている。
【0053】
脱穀装置7の上下中間部に配備される選別処理部21は、受網25の下方に配設された揺動選別機構28が、前後向きの駆動軸29の回転で左右方向に揺動駆動されることで、脱穀処理に伴って受網25から漏下する脱穀処理物や扱室24の脱穀処理方向下手側端部に形成された送塵口30から放出される脱穀処理物を、その選別処理方向下手側となる右方に向けて移送しながら、大きさの差異で穀粒とワラ屑と切れワラなどとに篩い分ける篩い選別処理を施し、かつ、扱胴26の左下方に左右向きに配備された唐箕31が、その支軸32周りに回転して選別風を生起させるとともに、その選別風を、唐箕31から選別処理方向下手側となる脱穀装置7の右側端部に形成された排塵口33にわたる選別風路34内を流動させることで、選別風路34内に供給された脱穀処理物を、比重の差異で穀粒とワラ屑と切れワラなどとに吹き分ける風選別処理を施すように構成されている。
【0054】
脱穀装置7の下部に配備される回収部22は、揺動選別機構28の下方における選別処理方向上手側に配設された1番スクリュー35が、その支軸36周りに回転することで、揺動選別機構28の選別処理方向上手側に配置されたグレンシーブ37から漏下し、かつ、選別風路34を通過した穀粒を1番物として揚送コンベヤ9に向けて搬送し、又、揺動選別機構28の下方における選別処理方向下手側に配設された2番スクリュー38が、その支軸39周りに回転することで、揺動選別機構28の選別処理方向下手側に配置されたストローラック40から漏下し、かつ、選別風路34を通過した穀粒とワラ屑などとの混在物を2番物としてスロワ式の還元搬送機構41に向けて搬送し、還元搬送機構41のスロワ羽根42が2番スクリュー38と一体回転することで、2番物を扱室24内に還元して再処理するように構成されている。
【0055】
脱穀処理物のうち、揺動選別機構28のストローラック40から漏下せずに揺動選別機構28の後端まで移送された切れワラや、選別風に乗って選別処理方向下手側上部に向けて吹き上げられたワラ屑などの塵埃は、3番物として排塵口33から機外に排出されるようになっている。
【0056】
図示は省略するが、排ワラ切断装置8には、フィードチェーン23によって左右向き姿勢で搬送された排ワラを、松葉状の二つ折りにするとともに、その屈折端から順に細断する所謂シリンダ形カッターが採用されており、これによって、左右向き姿勢の排ワラをそのまま受け取って複数のディスクで細断するディスク形カッターを採用する場合に比較して、脱穀装置7の後方において排ワラ切断装置8の配設に要する配設空間の左右長さを大幅に小さくすることができ、結果、その右側方に袋詰め装置11の配設空間を確保できるようになっている。
【0057】
図1及び図2に示すように、袋詰め装置11には、揚送コンベヤ9で搬送された穀粒を、左右二股状の吐出筒43を介して左右の穀粒袋10内に案内供給する2袋式のものが採用されており、1袋式のものを採用する場合に比較して袋詰め作業効率の向上を図れるようになっている。
【0058】
つまり、左右方向に並設される収穫搬送装置3と操縦部6の直後方に、脱穀処理方向と選別処理方向とが直交するように扱胴26よりも長さの長い揺動選別機構28が左右向きに配備されることで前後長さが大幅に短くなる脱穀装置7を配置し、その脱穀装置7の直後方に、省スペース化が図られた排ワラ切断装置8と、袋詰め作業効率の向上を図れる2袋式の袋詰め装置11とを左右方向に並設したことによって、作業能力の低下を招くことなく、揺動選別機構28が前後向きに配備されることで前後長さが長くなるた脱穀装置7の左右一側方に、排ワラ切断装置8と袋詰め装置11とを前後向きに並設する場合に比較して、それらが搭載される走行機体2の前後長さを短くすることができるとともに軽量化を図れるようになり、その結果、コンバイン全体の小型軽量化を効果的に図れるようになって、操縦部6を備える乗用型のものでありながら軽トラックの荷台に積載することが可能となり、もって、道路状況などから軽トラックでしかコンバインを輸送することができない山間地などの圃場においても、作業能力の高い乗用形のコンバインを使用できるようになっている。
【0059】
図1、図2及び図4に示すように、運転座席5の下方にはエンジン44が搭載され、このエンジン44からの動力が、ベルトテンション式の主クラッチ45を介して、第1変速装置の一例である静油圧式無段変速装置46に伝達され、作業クラッチ兼用のベルト式伝動機構47を介して脱穀装置7に伝達され、ベルトテンション式の昇降クラッチ48を介して、収穫搬送装置3を昇降するネジ送り式の昇降装置49に伝達されるように構成されている。
【0060】
図4〜6に示すように、昇降装置49は、エンジン44からの動力が昇降クラッチ48を介して走行機体2側に装備されたネジ軸50に伝達され、その動力でネジ軸50が正転して、収穫搬送装置3側に装備された筒状の雌ネジ部材51を収穫搬送装置3側にネジ送りすることで、収穫搬送装置3を上昇させるようになり、又、昇降クラッチ48によってエンジン44からネジ軸50への動力の伝達が断たれた状態で、昇降クラッチ48の出力プーリ52に対して制動アーム53が制動作用して、ネジ軸50の回転が阻止されることで、収穫搬送装置3を所望の高さ位置で昇降停止させるようになり、更に、昇降クラッチ48によってエンジン44からネジ軸50への動力の伝達が断たれた状態で、出力プーリ52に対する制動アーム53の制動作用が解除され、収穫搬送装置3の重量によりネジ軸50が逆転して、雌ネジ部材51を走行機体2側にネジ送りすることで、収穫搬送装置3を下降させるように構成されている。
【0061】
尚、ネジ軸50及び雌ネジ部材51のリード角は、収穫搬送装置3の重量でネジ軸50を逆転させることが可能な大きい角度に設定されている。
【0062】
昇降クラッチ48は、走行機体2とテンションアーム54とにわたって架設された第1バネ55によって、エンジン44からネジ軸50への動力の伝達が断たれる遮断状態に復帰付勢されている。
【0063】
制動アーム53は、収穫搬送装置3の重量で出力プーリ52が逆転する際の回転方向下手側から、その回転で出力プーリ52に対して食い込み勝手となる突っ張り姿勢で出力プーリ52に接当可能となるように、走行機体2と制動アーム53とにわたって架設された第2バネ56によって出力プーリ52に接合付勢されている。
【0064】
走行機体2には、収穫搬送装置3に装備した連係ピン57と昇降クラッチ48のテンションアーム54とにわたって架設される連係アーム58がその支軸59周りに揺動可能に装備されており、この連係アーム58は、収穫搬送装置3の上限位置への到達に連動してテンションアーム54を操作することで昇降クラッチ48を伝動状態から遮断状態に切り換えるようになっている。
【0065】
つまり、収穫搬送装置3の上限位置への到達に伴って収穫搬送装置3の上昇を自動停止させることができるようになっている。
【0066】
図7〜11に示すように、静油圧式無段変速装置46に伝達された動力は、ミッションケース60内に装備された噛合式の有段変速装置の一例であるギヤ式変速装置61、及び、左右のサイドクラッチブレーキ62、などを介して対応するクローラ式走行装置1に伝達され、又、ギヤ式変速装置61、及び、作業クラッチの一例である刈取クラッチ63、などを介して収穫搬送装置3に伝達されるように構成されている。
【0067】
ギヤ式変速装置61は、静油圧式無段変速装置46による変速後の動力を高低2段に変速する第2変速装置として機能するように構成されている。
【0068】
ギヤ式変速装置61の構成について詳述すると、ギヤ式変速装置61は、静油圧式無段変速装置46による変速後の動力がベベルギヤ64を介して伝達される伝動軸65に、低速用の第1駆動ギヤ66と高速用の第2駆動ギヤ67とが、その軸心周りに一体回転するとともにその軸心に沿って一体摺動するように装備され、かつ、ボールデテント機構68によって、伝動軸65を作業用の低速前進位置(図7〜9参照)と移動用の高速前進位置(図10参照)と移動用の低速後進位置(図11参照)とに、位置切り換え保持できるように構成されている。
【0069】
図7〜9に示すように、作業用の低速前進位置では、第1駆動ギヤ66が、左右のサイドクラッチブレーキ62の支軸69に遊嵌された走行用の中継ギヤ70における低速用の第1従動ギヤ部71と、作業用の出力軸72に一体回転するように装備された作業用の出力ギヤ73とに噛合し、第2駆動ギヤ67が、走行用の中継ギヤ70における高速用の第2従動ギヤ部74との噛合を解除するようになっている。
【0070】
図10に示すように、移動用の高速前進位置では、第1駆動ギヤ66が、低速用の第1従動ギヤ部71及び作業用の出力ギヤ73との噛合を解除し、第2駆動ギヤ67が、高速用の第2従動ギヤ部74と噛合するようになっている。
【0071】
図11に示すように、移動用の低速後進位置では、第1駆動ギヤ66が、低速用の第1従動ギヤ部71と噛合する一方で作業用の出力ギヤ73との噛合を解除し、第2駆動ギヤ67が、高速用の第2従動ギヤ部74との噛合を解除するようになっている。
【0072】
つまり、ギヤ式変速装置61の変速や収穫搬送装置3に対する伝動状態の切り換えを行うための専用の移動部材を設けなくても、移動部材として機能するように構成された伝動軸65の摺動操作によって、ギヤ式変速装置61の変速並びに収穫搬送装置3の駆動状態と停止状態との切り換えを行えるようになっており、もって、構造の簡素化及び製造コストの削減を図りながら操作性の向上を図れるようになっている。
【0073】
図8〜11に示すように、ボールデテント機構68は、伝動軸65に内装されるとともにその周面から突出する状態にバネ75によって付勢されたボール76と、伝動軸65に一体回転可能かつ相対摺動可能に外嵌するとともに、伝動軸65との嵌合面にボール76の係入を許容する3つのリング状の凹部77が形成された筒状のボス78とから、伝動軸65を所望の変速位置に保持するように構成されており、これによって、ボス78側に伝動軸65に向けてバネ75によって付勢されたボール76を内装する場合に比較して、ボールデテント機構68を外径の小さいコンパクトなものに構成することができるとともに、ボス78を外嵌支持するベアリング79として小径のものを採用することができ、更に、伝動軸65とミッションケース60との間でボールデテント機構68を構成する場合に比較して、伝動軸65を抵抗少なくスムーズに回転させることができるようになっている。
【0074】
図7及び図9〜11に示すように、左右の各サイドクラッチブレーキ62は、支軸69に相対摺動可能に遊嵌された可動部材80を、その噛合伝動部81が中継ギヤ70の内嵌伝動部82と噛合する一方で、その係止部83がミッションケース60に装備された係止ピン84との係止を解除する伝動位置に摺動操作することで、ギヤ式変速装置61による変速後の動力を、噛合伝動部81に噛合された伝動ギヤ85などを介して対応するクローラ式走行装置1に伝達する伝動状態(図7及び図9参照)が現出され、又、可動部材80を、その噛合伝動部81が中継ギヤ70の内嵌伝動部82との噛合を解除するとともに、その係止部83がミッションケース60の係止ピン84との係止を解除する非伝動位置に摺動操作することで、ギヤ式変速装置61による変速後の動力を対応するクローラ式走行装置1に伝達しない遮断状態(図10における右側のサイドクラッチブレーキ62参照)が現出され、更に、可動部材80を、その噛合伝動部81が中継ギヤ70の内嵌伝動部82との噛合を解除する一方で、その係止部83がミッションケース60の係止ピン84と係止する制動位置に摺動操作することで、対応するクローラ式走行装置1を制動停止させる制動状態(図11における右側のサイドクラッチブレーキ62参照)が現出されるようになっている。
【0075】
図1、図2、図5〜7及び図12〜16に示すように、操縦塔4には、左右向きの支軸86周りと前後向きの支軸87周りとに十字揺動可能に構成された操縦レバー88が装備され、この操縦レバー88が、第1連係機構89を介して昇降装置49に連係され、かつ、第2連係機構90を介して左右のサイドクラッチブレーキ62に連係されている。
【0076】
第1連係機構89は、操縦レバー88と左右向きの支軸86周りに一体揺動する前後向きの第1天秤アーム91、第1天秤アーム91の後端から制動アーム53にわたる第1連係ワイヤ92、及び、第1天秤アーム91の前端からテンションアーム54にわたる第2連係ワイヤ93、などによって、操縦レバー88の前後中央の中立位置への操作に連動して、第2バネ56の付勢による制動アーム53の出力プーリ52への接当を許容するとともに、第1バネ55の付勢によるテンションアーム54の遮断位置への揺動操作を許容し、又、操縦レバー88の前方の下降位置への操作に連動して、第2バネ56の付勢に抗して制動アーム53を出力プーリ52から離間させ、逆に、操縦レバー88の後方の上昇位置への操作に連動して、第1バネ55の付勢に抗してテンションアーム54を伝動位置に揺動操作するように構成されている。
【0077】
第2連係機構90は、操縦レバー88と前後向きの支軸87周りに一体揺動する左右向きの第2天秤アーム94、対応するサイドクラッチブレーキ62の操作アーム95と支軸96周りに一体揺動する左右のクランクアーム97、及び、第2天秤アーム94の左右両端から対応するクランクアーム97にわたる左右の第3連係ワイヤ98、などによって、操縦レバー88の左右中央の中立位置への操作に連動して、バネ99の付勢による左右の両サイドクラッチブレーキ62の伝動状態の現出を許容し、又、操縦レバー88の中立位置から左右いずれかの緩旋回位置への操作に連動して、バネ99の付勢に抗して対応するサイドクラッチブレーキ62の遮断状態を現出し、更に、操縦レバー88の左右いずれかの緩旋回位置から急旋回位置への操作に連動して、バネ99の付勢に抗して対応するサイドクラッチブレーキ62の制動状態を現出するように構成されている。
【0078】
つまり、操縦レバー88を中立位置に操作すると、収穫搬送装置3を昇降停止させることができるとともに、左右のクローラ式走行装置1を等速駆動する直進状態を現出することができ、又、操縦レバー88を前方の下降位置に操作すると、収穫搬送装置3を自重下降させることができ、逆に、操縦レバー88を後方の上昇位置に操作すると、エンジン44からの動力で収穫搬送装置3を上昇させることができ、一方、操縦レバー88を左右いずれかの緩旋回位置に操作すると、その操作方向に対応する一方のクローラ式走行装置1を遊転させるとともに他方のクローラ式走行装置1を駆動させる緩旋回状態を現出することができ、更に、操縦レバー88を左右いずれかの急旋回位置に操作すると、その操作方向に対応する一方のクローラ式走行装置1を制動させるとともに他方のクローラ式走行装置1を駆動させる急旋回状態を現出することができるようになっている。
【0079】
図12〜15及び17に示すように、前後向きの支軸87は、その後端部が左方に向かうように屈曲形成され、その後端部が、左右向きの支軸86に遊嵌されるとともに挟持バネ100によって挟持付勢された上下一対の挟持部材101によって挟持され、この挟持作用によって、操縦レバー88を前後方向と左右方向の中立位置に復帰させることができるようになっている。
【0080】
つまり、操縦レバー88を前後方向の中立位置に復帰させるための専用の復帰機構と左右方向の中立位置に復帰させるための専用の復帰機構とを装備する必要がないことから、構成の簡素化並びに製造コストの削減を図れるようになっている。
【0081】
図7、図16及び図18〜20に示すように、左右のサイドクラッチブレーキ62は、その操作アーム95と支軸96周りに一体揺動する左右のクランクアーム97と第3連係機構102とを介して、操縦部6に配備された操作ペダル103に連係されている。
【0082】
第3連係機構102は、操作ペダル103を踏み込み揺動可能に支持する支軸104、右側の支軸96に揺動可能に支持される天秤アーム105、及び、支軸104と天秤アーム105とにわたって架設された連係バネ106、などによって、操作ペダル103の踏み込み操作に伴って、天秤アーム105に装備された連係ピン107が左右の両クランクアーム97を押圧操作して、左右の両サイドクラッチブレーキ62の遮断状態及び制動状態を現出するように構成されている。
【0083】
又、操縦部6には、操作ペダル103に装備された係合ピン108との係合で、操作ペダル103を踏み込み位置に保持して左右の両サイドクラッチブレーキ62を制動状態に維持するロックレバー109が装備されている。
【0084】
つまり、左右のサイドクラッチブレーキ62を走行ブレーキ及び駐車ブレーキに兼用できるように構成されており、もって、走行ブレーキ及び駐車ブレーキを装備する場合に比較して構成の簡素化並びに製造コストの削減を図れるようになっている。又、操作ペダル103の踏み込み操作を行うだけの簡単な操作で、機体を走行停止させながら収穫搬送装置3を定速駆動させる状態を現出できる利点を有するようになっている。しかも、制動状態では、左右のクローラ式走行装置1への伝動が断たれていることから、静油圧式無段変速装置46と左右のサイドクラッチブレーキ62とが干渉する不都合の発生を回避でき、もって、図21に示すように、左右のサイドクラッチブレーキ62として、摩擦ブレーキ110を備えたものを採用しても、静油圧式無段変速装置46と左右のサイドクラッチブレーキ62とが干渉することに起因したブレーキディスクの焼き付きを防止できるようになっている。
【0085】
図7、図16、図18及び19に示すように、左右のサイドクラッチブレーキ62は、その操作アーム95と支軸96周りに一体揺動する左右のクランクアーム97と第4連係機構111とを介して、操作ペダル103に支軸104周りに一体揺動可能、かつ、縦向きの支軸112周りに相対揺動可能に支持された操作レバー113に連係されている。
【0086】
第4連係機構111は、操作レバー113と支軸112周りに一体揺動する天秤アーム114と、天秤アーム114の両端から対応するクランクアーム97にわたる一つの連係ワイヤ115とから、操作レバー113の左右方向への揺動操作に連動して、その操作位置に応じて操作方向に対応するサイドクラッチブレーキ62を伝動状態、遮断状態、及び制動状態に切り換えるように構成されている。
【0087】
つまり、降車位置からでも、操作レバー113を左右方向に揺動操作することで、左右のクローラ式走行装置1を等速駆動する直進状態と、左右いずれか一方のクローラ式走行装置1を遊転させるとともに他方のクローラ式走行装置1を駆動させる緩旋回状態と、左右いずれか一方のクローラ式走行装置1を制動させるとともに他方のクローラ式走行装置1を駆動させる急旋回状態とを切り換え現出することができ、又、操作レバー113を上下方向に揺動操作することで、走行状態と、左右の両クローラ式走行装置1への伝動を断つ遮断状態と、左右の両クローラ式走行装置1を制動する制動状態とを切り換え現出することができるようになっている。
【0088】
ちなみに、操作レバー113は伸縮自在に構成されており、操作レバー113を連係ワイヤ116を介して収縮保持するバネ117の付勢に抗して伸長させることで、降車位置からの前述した切り換え操作を行い易くすることができるようになっている。尚、図18〜20に示す符号118は、操作レバー113との係合で操作ペダル103に対する操作レバー113の相対揺動を阻止するロック金具である。
【0089】
図22〜26に示すように、ミッションケース60から操縦部6のサイドパネル119とにわたって支持フレーム120が架設され、この支持フレーム120には、その丸孔121に円筒状のボス部122が内嵌されることで前後揺動可能に支持された揺動ブラケット123が装備され、この揺動ブラケット123には、支軸124を介して、前後方向に一体揺動可能に、かつ、支軸124周りに相対揺動可能に支持される変速レバー125が操作具の一例として装備されている。
【0090】
図7、図8及び図22〜26に示すように、揺動ブラケット123は、連係リンク126を介して静油圧式無段変速装置46の操作アーム127に連係され、変速レバー125は、揺動ブラケット123のボス部122の中心を通る連係ロッド128、及び、ミッションケース60に支軸129周りに左右揺動可能に支持された連係アーム130を介してギヤ式変速装置61の伝動軸65に連係されている。
【0091】
つまり、単一の変速レバー125の移動操作によって、静油圧式無段変速装置46の無段変速操作とギヤ式変速装置61の有段変速操作とを行えるようになっており、それぞれ専用の変速レバーを設ける場合に比較して、変速レバー配設箇所の省スペース化並びに変速操作性の向上を図れるようになっている。
【0092】
又、変速レバー125とギヤ式変速装置61とを連係する連係ロッド128が、静油圧式無段変速装置46を変速操作する際の変速レバー125の揺動中心を通るようになることから、ギヤ式変速装置61を変速操作するための変速レバー125の左右方向への揺動操作を、静油圧式無段変速装置46を変速操作するための変速レバー125の前後方向への揺動操作の影響を受けることなく行えるようになっている。
【0093】
図27に示すように、変速レバー125は、その移動操作経路131として、その中立位置から機体前方側に向かう状態で左右に並ぶ変速比の異なる高低2つの前進変速操作経路132,133と、中立位置から機体後方側に向かう後進変速操作経路134と、それらの各変速操作経路132〜134の選択を可能にする左右向きの選択操作経路135とを有するとともに、サイドパネル119に形成したガイド溝136によって操作案内されるように構成されている。
【0094】
そして、変速レバー125を、選択操作経路135に沿って左右方向に移動させることで、ギヤ式変速装置61における伝動軸65の位置を低速前進位置と高速前進位置と低速後進位置とに切り換える前後進の切り換え操作と変速比の切り換え操作とを行えるようになり、それらの切り換え操作によって、変速レバー125を高速側の前進変速操作経路132に位置させた状態では、ギヤ式変速装置61の伝動軸65が高速前進位置に位置するようになり、もって、その変速レバー125を前後方向に移動させることで、零速からその操作経路132で現出可能な比較的に高い前進限界速度までの比較的に広い変速領域での無段階の変速操作を行えるようになる。又、変速レバー125を低速側の前進変速操作経路133に位置させた状態では、ギヤ式変速装置61の伝動軸65が低速前進位置に位置するようになり、もって、その変速レバー125を前後方向に移動させることで、零速からその操作経路133で現出可能な比較的に低い前進限界速度までの比較的に狭い低速側の変速領域での比較的緻密な無段階の変速操作を行えるようになる。更に、変速レバー125を後進変速操作経路134に位置させた状態では、ギヤ式変速装置61の伝動軸65が低速後進位置に位置するようになり、もって、その変速レバー125を前後方向に移動させることで、零速から後進限界速度までの無段階の変速操作を行えるようになる。
【0095】
つまり、前後進の切り換え、変速比の切り換え、及び、各変速操作経路132〜134での変速のそれぞれを、単一の変速レバー125の移動操作経路131に沿った一連の移動操作でスムーズに行えるようになっている。
【0096】
図7〜11及び図27に示すように、変速レバー125を低速側の前進変速操作経路133に位置させて、ギヤ式変速装置61の伝動軸65を低速前進位置に位置させた状態(図7〜9参照)においてのみ、収穫搬送装置3に対する伝動が行われ、変速レバー125を高速側の前進変速操作経路132に位置させて、ギヤ式変速装置61の伝動軸65を高速前進位置に位置させた状態(図10参照)、及び、変速レバー125を後進変速操作経路134に位置させて、ギヤ式変速装置61の伝動軸65を低速後進位置に位置させた状態(図11参照)では、収穫搬送装置3に対する伝動が断たれるようになっている。
【0097】
つまり、変速レバー125の移動操作経路131において、低速側の前進変速操作経路133が、収穫搬送装置3に動力を伝達する作業装置駆動領域137であり、又、高速側の前進変速操作経路132、後進変速操作経路134、及び、選択操作経路135が、収穫搬送装置3に動力を伝達しない作業装置停止領域138であることから、単一の変速レバー125の移動操作によって、静油圧式無段変速装置46及びギヤ式変速装置61の変速操作だけでなく、そのときの変速状態に応じて、収穫搬送装置3に動力を伝達する状態と収穫搬送装置3に動力を伝達しない状態とを切り換え現出することができるようになっている。
【0098】
しかも、上記の構成によって、収穫搬送装置3に対する伝動系に逆転動力の伝達を阻止するワンウェイクラッチを装備しなくても、機体を後進させる際には収穫搬送装置3を停止させることができるようになり、又、収穫搬送装置3に対する伝動系に高速動力の伝達を阻止する高速牽制機構を装備しなくても、機体を高速前進させる際には収穫搬送装置3を停止させることができるようになることから、収穫搬送装置3が逆転駆動されることや高速駆動されることに起因した作業不良の発生などを未然に回避できるようになっている。
【0099】
図2及び図27に示すように、変速レバー125の移動操作経路131において、作業装置駆動領域137となることで使用頻度の高くなる低速側の前進変速操作経路133は、作業装置停止領域138となることで使用頻度の低くなる高速側の前進変速操作経路132よりも、運転座席5から離間するとともに後進変速操作経路134に接近する位置に設定されている。
【0100】
これによって、使用頻度が高くなる作業走行時における低速側の前進変速操作経路133に沿った変速レバー125の移動操作を、操縦部6の狭い小型機種のものであっても窮屈感を覚えることなく快適に行えるとともに、作業走行時に低速側の前進変速操作経路133と後進変速操作経路134とにわたって変速レバー125を頻繁に移動操作する条合わせ操作などが行い易くなっている。
【0101】
図7〜11及び図27に示すように、選択操作経路135は、高速側の前進変速操作経路132と低速側の前進変速操作経路133とにわたる変速比選択部139が中立位置よりも前進側の微速前進領域に位置するようになっている。これによって、変速レバー125の変速比選択部139での移動操作で変速比を切り換える際には、伝動方向上手側の噛合部材である第1駆動ギヤ66及び第2駆動ギヤ67が常に回転するようになることから、変速比の切り換えをスムーズに行えるようになり、その結果、変速比選択部139を、第1駆動ギヤ66及び第2駆動ギヤ67が停止する中立位置に設定した場合に生じる虞のある、第1駆動ギヤ66と第1従動ギヤ部71及び出力ギヤ73、又は、第2駆動ギヤ67と第2従動ギヤ部74が噛合不能な状態で回転停止していることに起因した噛合不良を未然に回避できるようになっている。
【0102】
選択操作経路135において、低速側の前進変速操作経路133と後進変速操作経路134とにわたる前後進選択部140は、変速比選択部139よりも前進側に位置することで変速レバー125の高速側の前進変速操作経路132への移動を規制する選択規制経路部141を有するようになっており、これによって、変速レバー125を低速側の前進変速操作経路133と後進変速操作経路134とにわたって移動させる場合には、選択規制経路部141を経由するように変速レバー125を移動させることで、変速レバー125が高速側の前進変速操作経路132に移動する誤操作を効果的に防止できるようになっている。
【0103】
又、選択規制経路部141での変速レバー125の移動操作で後進状態から作業用の低速前進状態への切り換えを行うようにすると、伝動方向上手側の噛合部材である第1駆動ギヤ66が常に回転するようになって、出力ギヤ73に対する噛合をスムーズに行えるようになることから、第1駆動ギヤ66が停止する中立位置での変速レバー125の移動操作で後進状態から作業用の低速前進状態への切り換えを行う場合に生じる虞のある、第1駆動ギヤ66と出力ギヤ73が噛合不能な状態で回転停止していることに起因した噛合不良を未然に回避できるようになっている。
【0104】
図2及び図22に示すように、サイドパネル119における両前進変速操作経路132,133の後方には、作業クラッチ兼用のベルト式伝動機構47を操作するクラッチレバーの一例である脱穀クラッチレバー142と、刈取クラッチ63を操作するクラッチレバーの一例である刈取クラッチレバー143とが、それらが前方の入り位置に倒伏揺動操作された状態では、それらの把持部144,145が後進変速操作経路134の右側方に位置するように配設されている。
【0105】
つまり、比較的大きいスペースとなる両前進変速操作経路132,133の後方箇所を有効利用して脱穀クラッチレバー142と刈取クラッチレバー143とを合理的に配置することから、変速レバー125と各クラッチレバー142,143とをコンパクトに配置することができて、それらの配設箇所の省スペース化を図れるようになり、又、両クラッチレバー142,143は、それらの把持部144,145が後進変速操作経路134の右側方に位置する入り位置に操作された状態では、前方に倒伏するようになることから、両クラッチレバー142,143を入り位置に位置させた状態であっても、変速レバー125の後進変速操作経路134での移動操作を容易に行えるようになっている。
【0106】
図22〜25、図28及び図29に示すように、支持フレーム120には、変速レバー125を、各変速操作経路132〜134の微速領域では中立復帰機構146の復帰力によって零速位置である中立位置に復帰させ、かつ、各変速操作経路132〜134における微速領域よりも高速側の変速領域では所望の操作位置に保持する保持機構147が装備されている。
【0107】
保持機構147は、固定部材となる支持フレーム120から延出された支軸148に、その反支持フレーム120側の端部に装備した係合ピン149によって反支持フレーム120側への移動が規制される状態に、円筒状の可動体150を相対摺動可能かつ相対回動可能に外嵌し、その可動体150に、リング状の押圧部材151と椀状の移動部材152とリング状の接当部材153とを介して、変速レバー125と前後方向に一体揺動する揺動ブラケット123を支持フレーム120に圧接する第1バネ154を装備することで、変速レバー125の摩擦保持が可能となるように構成されている(図23及び図28参照)。
【0108】
中立復帰機構146は、押圧部材151の支持フレーム120側への移動を規制する第1リング部材155を可動体150に装備し、支軸148に係止した第2リング部材156と可動体150との間に、可動体150を支持フレーム120から離れる方向に付勢する第2バネ157を介装し、可動体150における反支持フレーム120側の端面に、係合ピン149の係入を許容するV溝158を形成し、係合ピン149がV溝158の底部に位置する状態が零速位置となるように操作アーム159及び連係リンク160を介して可動体149を揺動ブラケット123に連係することで、係合ピン149の中心がV溝158の溝幅内に位置する微速状態(図29参照)では、第2バネ157の付勢とV溝158の案内作用で、変速レバー125の零速位置への復帰操作が可能となるように構成されている(図29参照)。
【0109】
つまり、静油圧式無段変速装置46を微速状態に維持することができないようになっており、これによって、収穫搬送装置3を微速駆動状態に維持することができなくなり、もって、収穫搬送装置3を微速駆動状態に維持することに起因した刈り取り不良などの作業不良の発生を未然に回避できるようになっている。
【0110】
又、保持機構147が中立復帰機構146を有するように構成していることから、それらを個別に構成する場合に比較して、構造の簡素化及び製造コストの削減を図れるようになっている。
【0111】
尚、図22〜25に示す符号161は、保持機構147の支軸148、及び、支持フレーム120からの揺動ブラケット123の離脱を阻止するボルト162に対する揺動ブラケット123の相対前後揺動を可能にするために、揺動ブラケット123にそのボス部122の中心を支点にして形成された上下一対の円弧状の長孔である。
【0112】
又、図12の(イ)に示す符号163は、操縦レバー88を左右方向に揺動可能に支持する前後向きの支軸87に対して上方から接当する位置に操作されることで、操縦レバー88の中立位置から前方への揺動操作を阻止して、収穫搬送装置3の下降操作を防止する下降防止金具であり、この下降防止金具によって、操縦レバー88の誤操作で収穫搬送装置3が不測に下降する不都合の発生を回避できるようになっている。
【0113】
図30に示すように、左右のクローラ式走行装置1における各外転輪14は、その構成の簡素化を図るために、へら絞り加工によって、その左右中間部にクローラベルト15から突出する芯金突起164の係入を許容する周溝165を有する形状に形成されている。
【0114】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)作業機としては、作業装置3として掘り取り式の収穫搬送装置3を備えた人参収穫機や大根収穫機、あるいは作業装置3として苗植付装置を備えた田植機などであってもよい。
【0115】
(2)第1変速装置46が、一方のディスクの端面に他方のディスクの周面が接触し、かつ、一方のディスクに対する他方のディスクの摺動操作で無段階の変速が可能となるように構成されたディスク式無段変速装置、あるいは、ベルト式無段変速装置で構成されたものであってもよい。
【0116】
(3)第2変速装置61が、静油圧式やベルト式などの無段変速装置で構成されたもの、あるいは、爪クラッチ式や油圧クラッチ式などの有段変速装置で構成されたものであってもよい。
【0117】
(4)第1変速装置46専用の操作具125と第2変速装置61専用の操作具125とを備えるようにしてもよい。
【0118】
(5)図31に示すように、第2変速装置61の低速前進状態では、伝動軸65と一体回転する低速用の第1駆動ギヤ66が、左右のサイドクラッチブレーキ62の支軸69に遊嵌された走行用の中継ギヤ70における低速用の第1従動ギヤ部71と、作業用の出力軸72と一体回転する低速作業用の第1出力ギヤ166とに噛合し、又、高速前進状態では、伝動軸65と一体回転する高速用の第2駆動ギヤ67が、走行用の中継ギヤ70における高速用の第2従動ギヤ部74に噛合するとともに、伝動軸65と一体回転する高速作業用の第3駆動ギヤ167が、作業用の出力軸72と一体回転する高速作業用の第2出力ギヤ168に噛合し、更に、後進状態では、第1駆動ギヤ66が、低速用の第1従動ギヤ部71と噛合する一方で低速作業用の第1出力ギヤ166との噛合を解除する、というように、第1駆動ギヤ66、第1出力ギヤ166、第3駆動ギヤ167、及び第2出力ギヤ168とから、作業装置駆動状態での第2変速装置61の操作に連動して、作業装置3の駆動速度を第2変速装置61による変速後の走行速度に応じた速度に変速する作業用変速装置169を有するように構成してもよい。
【0119】
(6)第2変速装置61の後進状態が作業装置駆動状態となるように構成してもよい。尚、この構成においては、その後進状態においても作業装置3が正転駆動されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの全体側面図
【図2】 コンバインの全体平面図
【図3】 脱稿装置の縦断背面図
【図4】 伝動構造を示す概略図
【図5】 昇降装置の構成を示す要部の縦断側面図
【図6】 昇降装置の構成を示す要部の縦断背面図
【図7】 ミッションケース内の伝動構造を示す概略図
【図8】 第2変速装置の構成を要部の縦断背面図
【図9】 第2変速装置の低速前進状態を示す要部の縦断背面図
【図10】 第2変速装置の高速前進状態を示す要部の縦断背面図
【図11】 第2変速装置の後進状態を示す要部の縦断背面図
【図12】(イ)操縦レバーの連係構造を示す要部の縦断側面図
(ロ)操縦レバーの連係構造を示す要部の縦断正面図
【図13】 操縦レバーの連係構造を示す要部の横断平面図
【図14】 操縦レバーの中立状態を示す要部の縦断背面図
【図15】 操縦レバーの旋回操作状態を示す要部の縦断背面図
【図16】 サイドクラッチブレーキに対する連係構造を示す要部の背面図
【図17】(イ)操縦レバーの下降操作状態を示す要部の縦断側面図
(ロ)操縦レバーの上昇操作状態を示す要部の縦断側面図
【図18】 操作ペダル及び操作レバーに対する連係構造を示す要部の側面図
【図19】 操作ペダル及び操作レバーに対する連係構造を示す要部の背面図
【図20】 操作ペダル及び操作レバーに対する連係構造を示す要部の平面図
【図21】 ミッションケース内の別の伝動構造を示す概略図
【図22】 操作具の連係構造を示す要部の縦断側面図
【図23】 操作具の前進増速操作状態を示す要部の縦断側面図
【図24】 操作具の連係構造を示す要部の拡大側面図
【図25】 操作具の連係構造を示す要部の縦断背面図
【図26】 操作具の連係構造を示す要部の横断平面図
【図27】 操作具の移動操作経路を示す平面図
【図28】 保持機構の保持状態を示す要部の一部縦断背面図
【図29】 中立復帰機構による中立復帰開始状態を示す要部の一部縦断背面図
【図30】 外転輪の構成を示す要部の縦断正面図
【図31】 変速操作構造の別実施形態を示す概略図
【符号の説明】
走行装置
3 作業装置
44 エンジン
46 第1変速装置
61 第2変速装置
65 移動部材
68 ボールデテント機構
76 ボール
77 凹部
78 ボス
125 操作具
169 作業用変速装置

Claims (10)

  1. 無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、
    前記作業走行状態では、機体の前後進にかかわらず前記作業装置が正転駆動されるように構成してある作業機の伝動構造。
  2. 無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、
    前記第1変速装置の操作で機体の後進状態が現出されるように構成し、
    前記第2変速装置の変速用として前記第2変速装置に装備した移動部材が、前記第1変速装置の操作による機体の後進状態の現出に伴って前記作業装置停止状態を現出するように構成してある作業機の変速操作構造。
  3. 無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、
    前記第2変速装置の操作で機体の後進状態が現出されるように構成し、
    前記第2変速装置の操作用として前記第2変速装置に装備した移動部材が、前記第1変速装置の操作による機体の後進状態の現出に伴って前記作業装置停止状態を現出するように構成してある作業機の変速操作構造。
  4. 無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、
    前記第2変速装置の変速用として前記第2変速装置に装備した移動部材が、前記第2変速装置の操作による高速伝動状態の現出に伴って前記作業装置停止状態を現出するように構成してある作業機の変速操作構造。
  5. 無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、
    前記作業装置駆動状態での前記第2変速装置の操作に連動して、前記作業装置の駆動速度を、前記第2変速装置による変速後の走行速度に応じた速度に変速する作業用変速装置を装備してある作業機の伝動構造。
  6. 無段変速装置からなる第1変速装置と、該第1変速装置による変速後の動力を変速する第2変速装置とを介して、エンジンからの動力を走行装置に伝達するように構成し、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、作業装置に伝動する作業装置駆動状態と、前記作業装置に伝動しない作業装置停止状態とを切り換え現出するように構成して、
    前記第1変速装置の操作、又は、前記第2変速装置の操作で、前記走行装置及び前記作業装置に伝動する作業走行状態と、前記走行装置に伝動する一方で前記作業装置に伝動しない移動走行状態とを切り換え現出可能に構成し、
    前記第2変速装置に装備した伝動軸の摺動で、前記第2変速装置の変速、並びに、前記作業装置駆動状態と前記作業装置停止状態との切り換えを行うように構成してある作業機の伝動構造。
  7. 前記第2変速装置に装備した伝動軸の摺動で、前記第2変速装置の変速、前記作業装置駆動状態と前記作業装置停止状態との切り換え、並びに、前記作業用変速装置の変速を行うように構成してある請求項記載の作業機の伝動構造。
  8. 前記伝動軸が回転軸であり、該伝動軸に内装されるとともにその周面から突出する状態にバネ付勢されたボールと、前記伝動軸に一体回転可能かつ相対摺動可能に外嵌するとともに前記伝動軸との嵌合面に前記ボールの係入を許容する複数のリング状の凹部が形成された筒状のボスとから、前記伝動軸を所望の変速位置に保持するボールデテント機構を構成してある請求項6又は7記載の作業機の伝動構造。
  9. 前記第2変速装置を有段変速装置で構成してある請求項1〜8のいずれか一つに記載の作業機の変速操作構造。
  10. 前記第1変速装置と前記第2変速装置の操作を、単一の操作具の移動操作で行うように構成してある請求項1〜9のいずれか一つに記載の作業機の伝動構造。
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