JP5958832B2 - コンバイン - Google Patents
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また、特許文献4の伝動機構は、脱穀装置の選別部から無段変速装置を介してフィードチェンを伝動しているために、フィードチェンの伝動効率が低いという問題があった。
請求項1に係る発明は、エンジン(62)を搭載する機体フレーム(1)の前方に配置された刈取装置(4)と、該刈取装置(4)の後方に配置された脱穀装置(3)と、該脱穀装置(3)の扱室(50)の一側に形成される扱ぎ口(26B)に沿って配置されたフィードチェン(12B)と、該フィードチェン(12B)の上側に対向して配置された挟持杆(12A)と、前記フィードチェン(12B)の後方に配置された排藁搬送装置(58)を備えたコンバインであって、
前記排藁搬送装置(58)の前部に、フィードチェン(12B)から引継がれる脱穀穀桿の滞留を検出する排藁センサ(58A)を設け、前記排藁センサ(58A)によって、脱穀穀桿の滞留が所定の第1時間に亘って検出された場合に、前記フィードチェン(12B)の搬送速度を減速し、さらに、前記排藁センサ(58A)によって、脱穀穀桿の滞留が前記第1時間より長い所定の第2時間に亘って検出された場合には、前記エンジン(62)と、フィードチェン(12B)の駆動を停止する構成としたことを特徴とするコンバインである。
なお、操縦席6の左側のサイドパネルには、植立穀稈の種類によって、脱穀装置3に備えられた揺動選別装置52のシーブ52Cの傾斜角度(開度)と、第1唐箕53Aの送風の切換えを行なうモードダイヤル6Eが設けられている。
刈取装置4は、刈取後フレーム28と、刈取後フレーム28の先端部に左右方向に横設された刈取伝動ケース29と、刈取伝動ケース29から上下方向に立設された連結フレーム29Aによって形成された主枠となる刈取フレーム30に取付けられている。刈取後フレーム28の基部は、機体フレーム1の立設された左右一対の懸架台35,35の上部に回動可能に軸支された横伝動筒36の右側に偏倚した部位に取付けられている。
前側補助挟扼杆は、バネ板等からなる上側補助挟扼杆と下側補助挟扼杆を有して構成されている。上側補助挟扼杆の前端部は、フレーム4Aの終部に装着されたブラケット38Cにボルト等の締結部材によって取付けられており、後端部は、フィードチェン12Bの始端部に延設している。また、下側補助挟扼杆の前端部は、下側から上側補助挟扼杆を覆うようにフレーム4Aの終部に装着されたブラケット38Cにボルト等の締結部材によって取付けられており、後端部は、挟持杆12Cの前側まで延設している。
なお、上側補助挟扼杆と下側補助挟扼杆の左右方向の幅は、フィードチェン12Bの左右方向の幅よりも幅狭に形成されており、下側補助挟扼杆は、フィードチェン12Bの左右の外プレートの間に上載されている。
なお、後側補助挟扼杆43は、フィードチェン12B等の保守・点検作業時には、扱胴カバー50Dを開放して挟扼杆12Cを上方に移動した後に、広い保守・点検作業空間を確保するために、軸44Aを中心として機体の左側から見て反時計方向に揺動させることができる。
また、手扱ぎ規制プレート40が反時計方向に揺動するに伴って、作動部41Aの上側部とモードスイッチ46の端子部46Aの間隔が狭まり、作動部41Aの上側部がモードスイッチ46の端子部46Aをより強く押圧する。
なお、作動部41Aの形状は、上記の形状に限定されることなく、前側に向かって1/4円弧状(9時から12時に円弧状)に形成して該1/4円弧状の中心を軸44Aの軸芯よりも前側に偏倚させた形状、前側に向かって1/4円弧状(9時から12時に円弧状)と円弧下端部から後下がり傾斜した直線部に形成して該1/4円弧状の中心を軸44Aの軸芯よりも前側に偏倚させた形状等にすることもできる。
一方、前側プレート41を軸44Aを中心として機体の左側から見て時計方向に揺動させて、手扱ぎ作業から通常の刈取脱穀作業への切換えを行なう場合には、モードスイッチ46の検知状態をON状態からOFF状態に緩やかに変更ことができる。
なお、通常の刈取脱穀作業から手扱ぎ作業への切換えた場合には、補助作業者の安全性を維持するために、操縦席6の前面に配置されたモニタ等によって操縦者に警告を行なう。
このように、モードスイッチ46として変位センサを使用した場合には、予め制御装置85に通常の刈取脱穀作業から手扱ぎ作業への切換えを行なう前側プレート41の揺動位置に対応するモードスイッチ46の端子部46Aの変位量(閾値A)と、手扱ぎ作業から通常の刈取脱穀作業への切換えを行なう前側プレート41の揺動位置に対応するモードスイッチ46の端子部46Aの変位量(閾値B)を設定することにより、土壌面により走行装置2の走行による振動等が著しく変化した場合にあっても、閾値A、Bを変更することによって作業の切換えを容易に変更でき、安定して作業の切換えを行なうことができる。
すなわち、手扱ぎ規制プレート40が下方向に回動し、この手扱ぎ規制プレート40の後部と挟持杆12Aの前部との間隔が縮小して、フィードチェン12Bへの手扱ぎ穀稈の供給が規制される規制状態と、手扱ぎ規制プレート40が上方向に回動し、手扱ぎ規制プレート40の後部と挟持杆12Aの前部との間隔が拡大して、フィードチェン12Bへの手扱ぎ穀稈の供給が許容される非規制状態とに切り換わる構成である。
また、機体からの張出しを防止するために、前側プレート41の右面を搬送装置34の上側に配置された後側防塵カバー49Bの左端側よりも内側に配置するのが好適である。なお、図17に示すように、後側プレート42は、前側プレート41の後端部の軸41Aを中心として揺動可能であるので、後側防塵カバー49Bを取外すことなく、手扱ぎプレート40を上下方向に揺動させることができる。
なお、走行用油圧式無段変速装置66の後側には、走行用油圧式無段変速装置66のトラニオン軸66Aを回転させる第3変速モータ66Cが取付けられている。
脱穀装置3は、図4に示すように、前側の上部に穀稈の脱穀を行う扱室50を備え、扱室50の下側に脱穀された穀粒の選別を行なう選別室51を備えている。
扱室50には、複数の扱歯を有する扱胴55が前後壁50A,50Cに軸支された扱胴軸に支持されている。そして、扱室50の前壁50Aの左側下部には穀稈供給口26Aが開口され、左壁50Bの下部には扱胴55に沿って扱ぎ口26Bが開口され、後壁50Cの左側下部には排藁口26Cが開口されている。また、扱室50の左側には扱ぎ口26Bに沿って穀桿の株元を挟持して後方に搬送する脱穀部搬送装置12が並設され、脱穀部搬送装置12によって搬送された脱穀が完了した脱穀穀桿は、脱穀部搬送装置12の後方に設けられた排藁搬送装置58に引き継がれてさらに後方に搬送された後、一対の排藁カッタ59によって裁断され外部に排出される。
なお、排藁搬送装置58の前部には、脱穀部搬送装置12のフィードチェン12Bから引継がれた脱穀穀桿の量に応じて変形する補助挟扼杆の変形量を検出する排藁センサ58Aが設けられている。
なお、後述する移送棚52Bの上側に設けられ層厚センサ86の検出値に応じて第1モータ60Hを駆動して、シーブ部材60の前後方向に対する傾斜角度を調整するのが好適である。
なお、後述する移送棚52Bの上側に設けられ層厚センサ86の検出値に応じて、割プーリ71Fの可動側シーブを駆動する第2モータ72を駆動し割プーリ71Fの有効径を変更して第一唐箕53Aの送風を調整するのが好適である。
脱穀部搬送装置12は、図3,6等に示すように、上側に位置する挟持杆12Aと、下側に位置するフィードチェン12Bを備えている。挟持杆12Aは、扱室50の扱胴カバー50Dに対してスプリング等の付勢手段14によってフィードチェン12B側に付勢されている。フィードチェン12Bは、上側チェンレール18Aの前後端部にそれぞれ回転自在に支持された張設輪17B,17Bと、張設輪17B,17Bの間に設けられた駆動スプロケット17Aに巻回されて駆動される無端のチェンである。上側チェンレール18Aに上載された作用側のフィードチェン12Bは、前側から後方に向かって移動する過程で挟持杆12Aと穀稈の株元を挟持する。なお、搬送される穀桿のフィードチェン12Bの終端部等への巻付きを防止するために、後側の張設輪17Bは両側部に巻付防止プレート17Dが設けられたアイドルスプロケットを使用するのが好適である。
なお、調速ダイヤル6Aと共に、あるいは調速ダイヤル6Aに替えて、脱穀装置3の前方の機体フレーム1に手扱ぎ作業中のフィードチェン12Bの速度VFの速度調整を行なう調速ペダル45を設けることもできる。
また、図20に示すように、フィードチェン用油圧式無段変速装置10の後側に、フィードチェン用油圧式無段変速装置10のトラニオン軸10Fを回転させる第1変速モータ10Cと、第1変速モータ10Cよりも出力等が大きくトラニオン軸10Fを高速で回転させる第2変速モータ10Eが並設して取付けることもできる。
トラニオン軸10Fに基端部が支持されている扇形ギヤ10Gの先端部に、機体フレーム1に取付けられた第1変速モータ10Cのギヤ10cと、第2変速モータ10Eのギヤ10eが係合している。後述する制御装置85によって、通常の刈取りモード時には第1変速モータ10Cを駆動させトラニオン軸10Fを回転させ、手扱ぎモード時には第2変速モータ10Eを駆動させトラニオン軸10Fを回転させる。なお、通常の刈取りモード時には第2変速モータ10Eは自由回転し、手扱ぎモード時には第1変速モータ10Cが自由回転する。
また、第1変速モータ10Cは、刈取装置4の駆動速度に連動してフィードチェン用油圧式無段変速装置10を変速する。具体的には、走行用油圧式無段変速装置66から出力され、刈取装置4へ伝達される回転の速度を検出し、この回転速度に応じて第1変速モータ10Cを作動させるのが好適である。
コンバインの左側(未刈取側)には側部に沿って、図2に示すように、コンバインの外側に張り出す張出姿勢と、内側に収納される収納姿勢に切替え可能なナローガイド20が設けられている。
なお、モードスイッチ6Bが接続されて通常の刈取りモードから手扱ぎモード時には、手扱ぎ作業を行なう補助作業者とナローガイド20の接触を防止するために、ナローガイド20は収納姿勢に維持される。
次に、本実施形態の伝動機構について説明する。エンジン62の回転は、図9に示すように、フィードチェン用油圧式無段変速装置10に伝動される第1経路Aと、走行用油圧式無段変速装置66に伝動される第2経路Bと、グレンタンク5の前方のギヤボックス39に伝動される第3経路Cに分岐して伝動される。
なお、割プーリ71Fの可動シーブには、割プーリ71Fの有効径を変更するために、第2モータ72が連結されている。
なお、ギヤボックス68には、フィードチェン用油圧式無段変速装置10の出力軸10Bに備えるギヤ68Aの回転速度を測定するフィードチェン速度センサ10Sが設けられている。
また、トランスミッション65内の伝動経路において、副変速装置よりも下手側の部位に設けたセンターギヤ65Gの左右両側部には、左右のサイドクラッチギヤ65Hを係合および離脱自在に軸支している。このセンターギヤ65Gと左右のサイドクラッチギヤ65Hの間には、爪クラッチ式の左右のサイドクラッチ65Iをそれぞれ形成している。この左右のサイドクラッチ65Iには、左右の車軸65Aの基部に取り付けた左右の車軸ギヤを噛み合わせている。
また、左右のサイドクラッチ65Iは、操縦席6の前下方のステップ上に配置した掻込ペダル22の踏込み操作に連動しており、掻込ペダル22が踏み込まれた場合には、左右のサイドクラッチ65Iを介してセンターギヤ65Gとサイドクラッチギヤ65Hが離脱してエンジン62の回転は車軸65Aに伝動されない。一方、掻込ペダル22の踏み込みが解除された場合には、左右のサイドクラッチ65Iを介してセンターギヤ65Gとサイドクラッチギヤ65Hが係合してエンジン62の回転が車軸65Aに伝動される。
コンバインを停止させた状態で、主変速レバー16を再度前進側へ操作すると、走行用油圧式無段変速装置66の出力によって出力軸65Cが駆動し、刈取クラッチ65Fを介して刈取装置4が駆動される。この際、左右のサイドクラッチ65Iが遮断されているために、走行装置2は前進駆動されず、停車状態を維持する。この構成によって、畦際まで刈り進んで停車した状態で、刈取装置4に入ったままの植立穀稈を、掻込ペダル22と主変速レバー16の操作によって刈り取ることができる。
すなわち、掻込ペダル22が踏込み込まれた場合には、刈取クラッチ65Fを介してトランスミッション65の出力軸65Cと刈取装置4の横伝動軸36Aが接続されて刈取装置4が駆動する。一方、掻込ペダル22の踏込みが解除された場合には、刈取クラッチ65Fを介してトランスミッション65の出力軸65Cと刈取装置4の横伝動軸36Aの接続を解除して刈取装置4の駆動を停止する。
次に、本実施形態のフィードチェン12Bの駆動・停止方法について説明する。操縦席6に設けられた制御装置85の入力側には、図10に示すように、走行装置2の速度Vを検出するする走行速度センサ66Sと、刈取装置4の搬送装置34の速度VHを検出するする搬送速度センサ34Sと、脱穀部搬送装置12のフィードチェン12Bの速度VFを検出するするフィードチェン速度センサ10Sと、副変速レバー15のレバー位置を検出する副変速レバー位置センサ15Sと、主変速レバー16に設けられたフィードチェン12Bの速度VFの増減速を行なう増減速スイッチ16A,16Bと、扱胴カバー50Dの側面に設けられているフィードチェン12Bの速度VFの増減を行なう調速ダイヤル6Aと、手扱モードへの切り換えを行なうモードスイッチ6Bと、フィードチェン12Bを後側から前側に向かって逆回転させる逆転スイッチ6Cと、フィードチェン12B上の搬送される穀桿の有無を検知する穀桿センサ34Cと、扱胴カバー50Dの側面に設けられているフィードチェン12Bの駆動を緊急停止する停止スイッチ6Dが所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。一方、出力側には、通常の刈取りモード時にフィードチェン用油圧式無段変速装置10のトラニオン軸10Fを駆動する第1変速モータ10Cと、手扱ぎモード時にフィードチェン用油圧式無段変速装置10のトラニオン軸10Fを駆動する第2変速モータ10Eが所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
なお、モードスイッチ6Bは、作業者が手動で操作するスイッチに限定されるものではない。すなわち、刈取装置4の搬送装置34の終端部からフィードチェン12Bの始端部に引継がれる穀桿の姿勢の乱れを防止するために、搬送装置34の終端部には、上下方向に揺動する手扱ぎ規制プレート40と、手扱ぎ規制プレート40の下側に後側補助挟扼杆43が設けられている。手扱モードへの切り換え時には、手扱ぎ穀桿を後側補助挟扼杆43及びフィードチェン12B上に上載するために、手扱ぎ規制プレート40を軸44Aを中心として上側に揺動させることで、規制状態から非規制状態へ切替える。手扱ぎ規制プレート40を揺動させる操作に連動して、ON/OFFするモードスイッチ46を設け、モードスイッチ46をモードスイッチ6Bとして利用することもできる。
図11には、フィードチェン12Bの速度VFの第1駆動方法が図示されている。横軸は走行速度センサ66Sで検出された走行装置2の走行速度Vを示し、V1,2は走行速度Vの第1,2設定値である。左側の縦軸はフィードチェン速度センサ10Sで検出されたフィードチェン12Bの速度VFを示し、VF1,2はフィードチェン12Bの速度VFの第1,2設定値であり、右側の縦軸は搬送速度センサ34Sで検出された搬送装置34の速度VHを示し、VH1,2は搬送速度VHの第1,2設定値であり、VH1,2は走行装置2の走行速度Vが第1,2設定値V1,2時の速度に対応する。
また、実線はフィードチェン12Bの速度VFを示し、破線は搬送装置34の速度VHを示している。
搬送装置34の速度VHが第1設定値VH1よりも低速と判断された場合には、第1状態に示すように、フィードチェン12Bの速度VFを下式1で演算される速度に制御する。なお、副変速レバー15により設定される変速段位により、走行装置2の走行速度Vに対する搬送装置34の搬送速度VHは変化する。
式1 VF=K×V
但し K=VH1/V1
式2 VF=VF1+1.5〜2.5×K×(V―V1)
但し K=(VH2―VH1)/(V2―V1)
フィードチェン12Bの速度VFが搬送装置34の第2設定値VH2よりも低速と判断された場合には、第2状態に示すように、フィードチェン12Bの速度VFを式2で演算される速度に制御する。
一方、フィードチェン12Bの速度VFが搬送装置34の第2設定値VH2と等速以上と判断された場合には、第3状態に示すように、フィードチェン12Bの速度VFを第2設定値VF2に維持する。
なお、走行速度センサ66Sで検出された走行装置2の走行速度Vが所定時間に亘って最大速度V2を超える場合には、操縦席6の前面に配置されたモニタ等によって操縦者に警告を行なのが好適である。
図12には、フィードチェン12Bの速度VFの第2駆動方法が図示されている。実線はフィードチェン12Bの速度VFを示し、破線は搬送装置34の速度VHを示し、第1駆動方法と同一部材には同一符号を付して重複した記載を省略する。
一方、モードスイッチ6Bの入力があったと判断された場合、フィードチェン12Bの速度VFを下式3で演算される速度に制御する。なお、フィードチェン12Bの速度VFは調速ダイヤル6Aによって10〜20%の範囲で増減速することができ、手扱ぎ作業によって穀桿をフィードチェン12Bに上載せた場合には、調速ダイヤル6Aを操作してフィードチェン12BVFを増速するのが好適である。
式3 VF=0.25〜0.5×VH1
図13には、第1駆動方法によって駆動されているフィードチェン12Bの第1停止方法が図示されている。
図13の上側から第1段には停止スイッチ6Dの操作状況が図示され、第2段にはフィードチェン12Bに伝動される回転速度の増減速を行なうフィードチェン用油圧式無段変速装置10のトラニオン軸10Fの位置状況が図示され、第3段にはフィードチェン12Bの速度VFが図示されている。また、図13の第4段にはエンジン62の駆動状況が図示され、最下段には走行装置2と連動して駆動する刈取装置3に設けられた搬送装置34の速度VHが図示されている。
また、停止スイッチ6Dの入力があったと判断された場合、エンジン62を停止させて走行用油圧式無段変速装置66に伝動される回転を遮断して、走行装置2、刈取装置4に設けられた搬送装置34の回転を停止する。
図14には、第2駆動方法によって駆動されているフィードチェン12Bの第2停止方法が図示されている。なお、第1停止方法と同一部材には同一符号を付して重複した記載を省略する。
また、停止スイッチ6Dの入力があったと判断された場合、エンジン62を停止させて走行用油圧式無段変速装置66に伝動される回転を遮断して、走行装置2、刈取装置4に設けられた搬送装置34の回転を停止する。
次に、本実施形態のフィードチェン12Bから排藁搬送装置58に引継がれる脱穀穀桿の詰まり防止方法について説明する。
操縦席6に設けられた上述した制御装置85の入力側には、図23に示すように、フィードチェン12Bから排藁搬送装置58に引継がれた脱穀穀桿の量に応じて変形する補助挟扼杆の変形量を検出する排藁センサ58Aが所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。一方、出力側には、フィードチェン用油圧式無段変速装置10のトラニオン軸10Fを駆動する第1変速モータ10C(図10の変速モータ10Cと同じ)と、走行用油圧式無段変速装置66のトラニオン軸66Aを駆動する第3変速モータ66Cと、エンジン62に供給される燃料の噴射量を調整するECUを備えたエンジン62と、脱穀装置3等にエンジン62の回転の伝動を接続及び遮断する脱穀クラッチ90Aと、刈取装置4等にエンジン62の回転の伝動を接続及び遮断する刈取クラッチ65Fが所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
図24の上側から第1段には、排藁センサ58Aの検出状態が図示され、第2段には、フィードチェン用油圧式無段変速装置10のトラニオン軸10Fに連結された第1変速モータ10Cによって増減速されるフィードチェン12Bの回転速度(請求項における「搬送速度」)が図示され、第3段には、走行用油圧式無段変速装置66のトラニオン軸66Aに連結された第3変速モータ66Cによって増減速される刈取装置4の搬送装置34の刈取速度(請求項における「搬送速度」)が図示され、第4段には、エンジン62の駆動状態が図示されている。
なお、フィードチェン12Bから搬送されてくる脱穀穀桿の搬送量の変動による中断を防止し刈取脱穀作業を効率的に行なうために、排藁センサ58Aの出力信号が検出された時点から、その出力信号の出力が短時間(請求項における「第1時間」、2〜5秒程度)継続していると判断した場合に、フィードチェン12Bの回転速度を減速し、刈取装置4の刈取速度を減速し、エンジン62の駆動を維持するのが好適である。また、フィードチェン12Bの回転速度、刈取装置4の刈取速度のいずれか一方の速度のみを減速して、他方の速度を維持することもできる。
次に、本実施形態の穀粒と藁屑を選別する揺動選別棚52Aのシーブ52Cと、シーブ52Cに空気を送風する第一唐箕53Aの駆動方法について説明する。
操縦席6に設けられた上述した制御装置85の入力側には、図25に示すように、植立穀稈の種類・状態によりシーブ52Cのシーブ部材60の傾斜角度(開度)と、第1唐箕53Aの送風の切換えを行なうモードダイヤル6Eと、揺動選別棚52Aの移送棚52Bを移動する穀粒等の層厚を検出する層厚センサ86が所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。一方、出力側には、シーブ部材60の傾斜角度を変更する操作アーム60Fをワイヤを介して駆動する第1モータ60Hと、第1唐箕53の送風を変更する割プーリ71Fの可動シーブを駆動する第2モータ72が所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
なお、本実施形態においては、モードダイヤル6Eにより、植立穀稈の種類・状態によよって稲モードと、稲湿材(雨に濡れ湿った稲)モードと、麦モードに切換えられ、操縦席6の前面に配置されたモニタにモード状態が表示される。
図26は、稲モードのシーブ52のシーブ部材60と、第1唐箕53Aの駆動方法が図示されている。
図26の上段の横軸は、層厚センサ86で検出された揺動選別棚52Aの移送棚52Bを移動する穀粒等の層厚を示し、設定中心は想定される層厚の中心である。図26の上段の縦軸は、第1モータ60Hで駆動されたシーブ部材60の開度を示し、設定中心は駆動可能なシーブ部材60の開度の中心であり、最大値は、前後方向に並設されたシーブ部材60が側面視において略上下方向に起立した状態を示し、最小値は、前後方向に並設されたシーブ部材60が側面視において略水平方向に倒伏した状態を示している。
図26の下段の横軸は、層厚センサ86で検出された揺動選別棚52Aの移送棚52Bを移動する穀粒等の層厚を示し、設定中心は想定される層厚の中心である。図26の下段の縦軸は、第2モータ72で駆動された第1唐箕53Aの送風を示し、設定中心は駆動可能な第1唐箕53Aの送風の中心であり、最大値は、割プーリ71Fの有効径が最小径となり第1唐箕53Aの回転が最高速となり送風される状態を示し、最小値は、割プーリ71Fの有効径が最大径となり第1唐箕53Aの回転が最低速となり送風される状態を示している。
なお、選別を効率的に行なうために、シーブ部材60の開度の増減を第1唐箕53Aの送風の増減の前に行なうのが好適である。
図27は、稲湿材モードのシーブ52のシーブ部材60と、第1唐箕53Aの駆動方法が図示されている。
図27の上段の横軸は、層厚センサ86で検出された揺動選別棚52Aの移送棚52Bを移動する穀粒等の層厚を示し、縦軸は、第1モータ60Hで駆動されたシーブ部材60の開度を示している。また、図27の下段の横軸は、層厚センサ86で検出された揺動選別棚52Aの移送棚52Bを移動する穀粒等の層厚を示し縦軸は、第2モータ72で駆動された第1唐箕53Aの送風を示している。
なお、選別を効率的に行なうために、シーブ部材60の開度の増減を第1唐箕53Aの送風の増減の前に行なうのが好適である。
図28は、麦モードのシーブ52のシーブ部材60と、第1唐箕53Aの駆動方法が図示されている。
図28の上段の横軸は、層厚センサ86で検出された揺動選別棚52Aの移送棚52Bを移動する穀粒等の層厚を示し、縦軸は、第1モータ60Hで駆動されたシーブ部材60の開度を示している。また、図28の下段の横軸は、層厚センサ86で検出された揺動選別棚52Aの移送棚52Bを移動する穀粒等の層厚を示し縦軸は、第2モータ72で駆動された第1唐箕53Aの送風を示している。
なお、選別を効率的に行なうために、シーブ部材60の開度の増減を第1唐箕53Aの送風の増減の前に行なうのが好適である。
図30は、麦モードのシーブ52のシーブ部材60と、第1唐箕53Aの駆動方法が図示されている。
図30の上段の横軸は、経過時間を示し、縦軸は、第1モータ60Hで駆動されたシーブ部材60の開度を示している。また、図30の下段の横軸は、経過時間を示し、縦軸は、第2モータ72で駆動された第1唐箕53Aの送風を示している。
2 走行装置
3 脱穀装置
4 刈取装置
10 フィードチェン用油圧式無段変速装置(油圧式無段変速装置)
10A 入力軸
12A 挟持杆
12B フィードチェン
17A 駆動スプロケット
26B 扱ぎ口
34 搬送装置
35B フィードチェン回動軸
40 手扱ぎ規制プレート
41 前側プレート
42 後側プレート
43 後側補助挟扼杆(補助挟扼杆)
50 扱室
50A 前壁
51 選別室
55 扱胴
58 排藁搬送装置
58A 排藁センサ
62 エンジン
68 ギヤボックス
68B 出力軸
68C カップリング
68D 駆動軸
71 カウンタ軸
71C プーリ(第1プーリ)
71D プーリ(第3プーリ)
71E プーリ(第2プーリ)
80 支持部材
A 第1経路
B 第2経路
Claims (13)
- エンジン(62)を搭載する機体フレーム(1)の前方に配置された刈取装置(4)と、該刈取装置(4)の後方に配置された脱穀装置(3)と、該脱穀装置(3)の扱室(50)の一側に形成される扱ぎ口(26B)に沿って配置されたフィードチェン(12B)と、該フィードチェン(12B)の上側に対向して配置された挟持杆(12A)と、前記フィードチェン(12B)の後方に配置された排藁搬送装置(58)を備えたコンバインであって、
前記排藁搬送装置(58)の前部に、フィードチェン(12B)から引継がれる脱穀穀桿の滞留を検出する排藁センサ(58A)を設け、
前記排藁センサ(58A)によって、脱穀穀桿の滞留が所定の第1時間に亘って検出された場合に、前記フィードチェン(12B)の搬送速度を減速し、さらに、前記排藁センサ(58A)によって、脱穀穀桿の滞留が前記第1時間より長い所定の第2時間に亘って検出された場合には、前記エンジン(62)と、フィードチェン(12B)の駆動を停止する構成としたことを特徴とするコンバイン。 - 前記排藁センサ(58A)によって、脱穀穀桿の滞留が前記第1時間に亘って検出された場合に、前記フィードチェン(12B)と、刈取装置(4)の搬送装置(34)の搬送速度を減速する構成とした請求項1記載のコンバイン。
- 前記排藁センサ(58A)によって、脱穀穀桿の滞留が前記第1時間に亘って検出された場合に、前記刈取装置(4)の搬送装置(34)と、フィードチェン(12B)の搬送速度を減速し、さらに、前記排藁センサ(58A)によって、脱穀穀桿の滞留が前記第2時間に亘って検出された場合には、前記エンジン(62)と、フィードチェン(12B)と、刈取装置(4)の搬送装置(34)の駆動を停止する構成とした請求項2記載のコンバイン。
- 前記刈取装置(4)側の搬送装置(34)の終端部付近に支持部を配置し、該支持部に、フィードチェン(12B)へ向けて延設される手扱ぎ規制プレート(40)の基部を上下回動可能に支持し、
前記手扱ぎ規制プレート(40)が下方向に回動し該手扱ぎ規制プレート(40)の後部と挟持杆(12A)の前部との間隔が縮小して、前記フィードチェン(12B)への手扱ぎ穀稈の供給が規制される規制状態と、前記手扱ぎ規制プレート(40)が上方向に回動し前記手扱ぎ規制プレート(40)の後部と挟持杆(12A)の前部との間隔が拡大して、前記フィードチェン(12B)への手扱ぎ穀稈の供給が許容される非規制状態とに切り換え可能な構成とした請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。 - 前記支持部に、前記刈取装置(4)から搬送される穀稈をフィードチェン(12B)と対向して挟持する補助挟扼杆(43)の前部を上下回動可能に装着した請求項4記載のコンバイン。
- 前記補助挟扼杆(43)とフィードチェン(12B)の間を搬送される穀稈から受ける力によって補助挟扼杆(43)が上方へ回動した場合に、前記手扱ぎ規制プレート(40)が、この補助挟扼杆(43)との上下方向の間隔を一定に維持した状態で上方へ退避回動する構成とした請求項5記載のコンバイン。
- 前記手扱ぎ規制プレート(40)に、前記支持部に回動可能に支持された前側プレート(41)と、該前側プレート(41)の後部に上下方向に回動可能に装着された後側手扱ぎプレート(42)とを備えた請求項4〜6のいずれか1項に記載のコンバイン。
- 前記機体フレーム(1)の下方に配置された走行装置(2)と、前記エンジン(62)から入力された回転を無段階に変速してフィードチェン(12B)側へ出力する油圧式無段変速装置(10)と、前記脱穀装置(3)の扱室(50)の下方に選別部(51)を備え、
前記刈取装置(4)を走行装置(2)の走行速度に同調した速度で駆動し、
前記エンジン(62)の回転を脱穀装置(3)及びフィードチェン(12B)に伝達する第1経路(A)と、エンジン(62)の回転を前記刈取装置(4)に伝達する第2経路(B)とを備え、
前記第1経路(A)における選別部(51)よりも上流側の部位に配置したカウンタ軸(71)の回転を前記油圧式無段変速装置(10)に入力する構成とした請求項4〜7のいずれか1項に記載のコンバイン。 - 前記カウンタ軸(71)に、該カウンタ軸(71)の回転を前記扱室(50)の扱胴(55)側へ出力する第1プーリ(71C)と、カウンタ軸(71)の回転を前記選別部(51)側へ出力する第2プーリ(71E)と、カウンタ軸(71)の回転を前記油圧式無段変速装置(10)側へ出力する第3プーリ(71D)を備えた請求項8記載のコンバイン。
- 前記脱穀装置(3)の前壁(50A)にカウンタ軸(71)を支持する支持部材(80)を備え、該カウンタ軸(71)の軸心方向において、前記第1プーリ(71C)を支持部材(80)に対して一側に偏倚した部位に配置し、第2プーリ(71E)及び第3プーリ(71D)を、前記支持部材(80)に対して第1プーリ(71C)を配置した側とは反対側に偏倚した部位に配置した請求項9記載のコンバイン。
- 前記カウンタ軸(71)を脱穀装置(3)の前壁(50A)の前方において左右方向に向けて配置し、該カウンタ軸(71)の前方に、フィードチェン(12B)を機体外側方へ回動自在に支持する縦方向のフィードチェン回動軸(35B)を設け、
側面視において、前記油圧式無段変速装置(10)をカウンタ軸(71)とフィードチェン回動軸(35B)の間の部位に配置した請求項8〜10のいずれか1項に記載のコンバイン。 - 前記フィードチェン(12B)駆動用の駆動スプロケット(17A)を備えた駆動軸(68D)を、機体前後方向において前記フィードチェン回動軸(35B)とカウンタ軸(71)の間の部位であって、上下方向において前記油圧式無段変速装置(10)の入力軸(10A)とカウンタ軸(71)の間となる部位に配置した請求項11記載のコンバイン。
- 前記油圧式無段変速装置(10)から駆動力が入力されるギヤボックス(68)の出力軸(68B)の先端部に、前記駆動スプロケット(17A)と接続されるか、または該駆動スプロケット(17A)を支持する駆動軸(68D)と接続されるカップリング(68C)を設け、
前記フィードチェン(12B)を機体外側方に向けて回動させた場合に、前記出力軸(68B)と駆動スプロケット(17A)との接続が解除されるか、または前記出力軸(68B)と駆動軸(68D)との接続が解除され、
前記フィードチェン(12B)を機体内側方に向けて回動させた場合には、前記出力軸(68B)と駆動スプロケット(17A)とが接続されるか、または前記出力軸(68B)と駆動軸(68D)とが接続される構成とした請求項8〜12のいずれか1項に記載のコンバイン。
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