JP3789721B2 - 盗難防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、店内に陳列された商品に結合され、当該商品を万引き等の不正行為から保護する盗難防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンパクトディスクカセットや磁気テープカセット等の商品を陳列して販売する販売店では、これらの商品を万引き等の不正行為から保護するため、図6に示す如き盗難防止システムを採用している。
【0003】
斯かる盗難防止システムは、販売店の出口40付近に設置された盗難防止ゲート30と、商品50に取り付けられた警報ユニット20とから構成されている。
盗難防止ゲート30には回路基板31及び送信アンテナ(図示省略)が内蔵され、回路基板31は、警報ユニット20に対する警報作動信号(報知信号)を発生すべき送信回路(図示省略)を具えている。
【0004】
警報ユニット20は、図7に示す如く、ケーシング21の内部にブザー22、回路基板23、電池(図示省略)等を具え、ケーシング21の表面には、複数の放音孔24が開設されると共に、商品50との取付け状態に連動する警報作動スイッチ片25が凸設されている。ブザー22は、回路基板23によって動作が制御されており、商品50から警報ユニット20が取り外されたとき、或いは警報ユニット20が前記盗難防止ゲート30を通過するときに発鳴するものである。又、図7の警報作動スイッチ片25に替えて、ワイヤで警報ユニットを商品に取り付けるタイプのものもある。この場合、警報ユニットは、ワイヤが取り外されたこと或いはワイヤが切断されたことを検知して警報を発鳴する。
【0005】
販売店においては、商品50は、警報ユニット20を取り付けた状態で陳列台に陳列される。店員が客に商品50を販売する際は、警報無効化装置(図示省略)から警報ユニット20の回路基板23に特定のリセット信号を送ってブザー22を発鳴しない状態に設定した上で、警報ユニット20を商品50から取り外し、代金と引き替えに、客に商品50を手渡している。
【0006】
一方、客が不正に商品50から警報ユニット20を取り外すと、警報作動スイッチ片25がオフとなって、ブザー22が発鳴することになる。又、客が不正に商品50を警報ユニット20と共に店外へ持ち出そうとしたときは、警報ユニット20の回路基板23が、盗難防止ゲート30の送信アンテナからの警報作動信号を受けて、ブザー22が発鳴することになる。
【0007】
図3に従来の警報ユニットにおける回路構成の要部を示すブロック図を示す。図3において、盗難防止ゲートから送信された警報作動信号は受信アンテナ及び信号増幅回路からなる受信回路1で受信された後、制御回路2で検知され、所定の警報作動信号であればブザー3から警報が発鳴される。又、受信回路1及び制御回路2は、警報ユニット内に設置された電池4から動作電源が供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
斯かる警報ユニットは電源として電池を使用するため、待機状態での消費電力は極めて少なくすることが望まれる。即ち、警報ユニットは通常商品1個毎に取り付けられており、すべての警報ユニットの電池を交換することは大変な手間と費用がかかってしまうため、このことは極めて重要な問題である。
【0009】
一方、上述したように、警報ユニットは、受信アンテナで電磁波を受信した場合、それが盗難防止ゲートから送信された警報作動信号であるか否かを判定する。即ち、受信アンテナで受信される電磁波が警報作動信号でなく、外来のノイズ(例えばインバータ蛍光灯から発せられる電磁波ノイズ)であっても、制御回路(マイクロコンピュータ)は動作することとなる。特に、警報ユニットが取り付けられた商品がインバータ蛍光灯の近傍に陳列されている場合、マイクロコンピュータは連続的に信号判定動作をすることとなるため、電池の寿命が極端に短くなり、外来のノイズを受けない場合の電池寿命が約3〜5年であるのに対し、1〜2週間で電池切れになるといった問題があった。
【0010】
従って、本発明は、ノイズの発生するインバータ蛍光灯等の近辺に設置されていても、マイクロコンピュータの消費電流を抑えることができ、電池寿命の短命化を防止できる盗難防止装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、盗難防止の対象物と結合され、所定領域に送信されている警報作動信号を受信したことを検知して警報を発する盗難防止装置において、受信回路と、制御回路と、警報発生器とを備え、前記制御回路は前記警報作動信号を判定するマイクロコンピュータを含むと共に、前記受信回路から入力された信号が警報作動信号でないと判定した場合に、前記受信回路による受信を所定期間無効化すると共に前記マイクロコンピュータの判定動作を停止することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
【0013】
図1に本発明に係る盗難防止装置の第1実施例における警報ユニットの動作フローチャートを示す。尚、本実施例における盗難防止装置の構成自体は、従来装置と変わらないものである。
【0014】
先ず、S1において、制御回路2は、警報ユニットが商品に取り付けられ、監視準備ができたことを検知して、受信回路1からの信号入力を受付可能状態とする(受信許可)と共に、S2において、内蔵するマイクロコンピュータの信号判定動作を停止する(マイコン停止)。
【0015】
S3において、受信回路1から信号入力があると、S4にてマイクロコンピュータが起動し、信号判定動作を開始する(マイコン起動)。
【0016】
S5において、制御回路2は、マイクロコンピュータの信号判定動作により、受信回路1が受信した信号が図2に示す警報作動信号であるか否かを判定する。本実施例では、警報作動信号を、周期3msec、デューティ50%の高周波バースト信号としている。
【0017】
S5にて警報作動信号と判定された場合、S6へ移り、従来例と同様に制御回路2はブザー3を駆動し、警報を発鳴させる。警報は公知の無効化手段にて解除されるまで発鳴を続け、S7において、警報が解除されると、S1の受信許可状態に戻る。
【0018】
一方、S5において、受信した信号が警報作動信号でないと判定されると、S8において、制御回路2は受信回路1からの信号入力を無効化(受信禁止)、例えばマイクロコンピュータの入力割込による起動を禁止すると共に、S9において、マイクロコンピュータの信号判定動作を停止する(マイコン停止)。
【0019】
次いで、S10において、マイコン停止状態の期間を計時し、所定時間が経過するとS1の受信許可状態に戻る。本実施例では、マイコン停止状態の期間を200msecとした。斯かる計時は、マイコン停止状態ではマイクロコンピュータのメインクロックのみを停止し、マイクロコンピュータに内蔵された低消費電流駆動のタイマークロック(サブクロック)でカウントすることで実現できる。
【0020】
本実施例においては、制御回路2が受信した信号が警報作動信号でないノイズの場合、一定期間マイクロコンピュータの動作を強制的に停止させる(即ち、割込信号による起動を禁止する)ので、その期間の消費電流が抑えられる。
【0021】
次に、具体的な消費電流量について説明する。図3に示す受信回路1と制御回路2(マイクロコンピュータ)における信号入力が無い場合と、信号入力があり、マイクロコンピュータにて信号判定動作をしている場合での消費電流を表1に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0003789721
【0023】
斯かる電流値自体は、実際の回路構成、マイクロコンピュータの種類によって変わってくるため、一例に過ぎないが、信号の有無によって、約100倍もの消費電流の差が出てくる。即ち、従来装置では、警報作動信号ではなくノイズ信号が入力された場合でも、必ず信号判定動作をすることになり、ノイズ信号が続く場合、常に約500μAの電流が流れることになる。これに対し、本実施例では、入力された信号がノイズ信号であると判断(斯かる判断は3msec以内で可能である)した時点に続く200msecの間は強制的にマイクロコンピュータを停止させるため、消費される電流は受信回路の約10μAのみであり、ノイズ信号であると判断する際の消費電流500μAの通電時間が3msecであるとして、平均すると、式1に示されるように、17.2μAとなり、従来装置
の500μAに比べ大幅に消費電流が抑えられる。
【0024】
【式1】
Figure 0003789721
【0025】
以上、本実施例では、S8における入力信号の無効化(受信禁止状態)を、マイクロコンピュータの入力割込による起動をソフトウェア上で実現したが、図4に示すように、受信回路1への電源供給を制御回路2から行う回路構成とし、ノイズ信号と判断した時に受信回路1への電源供給を一定期間停止することで実現しても良い。
【0026】
また、S10における計時方法で、タイマークロックを持たないマイクロコンピュータを用いる場合は、図5に示すようなCR時定数回路を別途マイクロコンピュータに付加すれば良い、即ち、マイクロコンピュータのOUTポートから、信号判定動作時にLow信号を出力し、ノイズ信号と判定した時にHigh信号を出力してマイコン停止状態にすれば、CR時定数によって決まる所定時間後にINポートがLowからHighに変わるので、所定時間後にマイクロコンピュータが起動することになる。
【0027】
本発明において、マイコン停止状態の期間を長くすれば、消費電流はより抑えられるが、斯かる停止期間はゲートから送出される警報作動信号を検知しないので、不正に商品が店外に持ち出される際に警報ユニットがゲートを通過する期間より短くなるように設定する必要がある。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、ノイズの発生するインバータ蛍光灯等の近辺に設置されていても、受信された信号がノイズであることを検知して、一定期間マイクロコンピュータの信号判定動作を停止しているので、不要なノイズ判定時のマイクロコンピュータの消費電流を抑えることができ、電池寿命の短命化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る盗難防止装置の動作を示すフローチャート。
【図2】警報作動信号の一例を示す信号波形図。
【図3】本発明の一実施例及び従来例に係る盗難防止装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の他の実施例に係る盗難防止装置の構成を示すブロック図。
【図5】マイクロコンピュータを一定期間停止させるCR時定数回路の一例を示す回路図。
【図6】販売店の出口付近に設置された盗難防止ゲートを示す斜視図。
【図7】商品に取り付けられる警報ユニットを示す斜視図。
【符号の説明】
1 受信回路
2 制御回路
3 ブザー
4 電池

Claims (2)

  1. 盗難防止の対象物と結合され、所定領域を通過する際に、当該所定領域に送信されている警報作動信号を受信したことを検知して警報を発する盗難防止装置において、受信回路と、制御回路と、警報発生器とを備え、前記制御回路は前記警報作動信号を判定するマイクロコンピュータを含むと共に、前記受信回路から入力された信号が警報作動信号でないと判定した場合に、前記制御回路は、前記受信回路への電源供給を停止することによって、前記受信回路による受信を所定期間無効化すると共に前記マイクロコンピュータの判定動作を停止することを特徴とする盗難防止装置。
  2. 盗難防止の対象物と結合され、所定領域を通過する際に、当該所定領域に送信されている警報作動信号を受信したことを検知して警報を発する盗難防止装置において、受信回路と、制御回路と、警報発生器とを備え、前記制御回路は前記警報作動信号を判定するマイクロコンピュータを含むと共に、前記受信回路から入力された信号が警報作動信号でないと判定した場合に、前記制御回路は、前記マイクロコンピュータの入力割込による起動を禁止することによって、前記受信回路による受信を所定期間無効化すると共に前記マイクロコンピュータの判定動作を停止することを特徴とする盗難防止装置。
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