JP3789689B2 - 電話機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話機に関し、特に、電話による外部からの指示に応じて家電機器その他の機器等を制御する電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外出先から家庭内の機器を制御することを可能にする機能をもつ留守番電話機がある。
この従来の留守番電話機は、呼び出しを受けるとリンガを検出して回線を捕捉することによりオフフック状態にし制御用データを受信して、制御用データの内容に応じて留守番電話機に接続された機器を制御する。従って、この従来の留守番電話機に外出先から電話をかけて機器を制御しようとする者は、留守番電話機により回線が捕捉されたことを確認した後に、例えば電話機の0〜9の数字キーや「#」等のキーを押下してDTMFトーンを発生させる等により、機器を制御するために予め定められている制御用データを送信する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、外出先から家庭内の機器制御を可能にする留守番電話機には、家族以外の者には機器制御をさせないようにする等のため、電話をかけてきた者(以下、「発呼者」という。)に対して暗証番号の入力をさせる等で発呼者を識別する機能が備えられている必要がある。
【0004】
さらに、このような留守番電話機の高機能化を考えた場合、家族の各人が別個の機器制御を行いたいという要求や、子供が制御可能な範囲を親より狭くする等の制限を実現したいという要求に対応することが望まれるが、これらに対応するためにも留守番電話機は、発呼者を識別する機能を備える必要がある。
これらの要求に応える方式として、発呼者は、留守番電話機により回線が捕捉された後に、発呼者を識別するための情報を機器制御用の制御データに含めて送信し、これに対して留守番電話機は、オフフック状態に移行した後に制御データを受信して発呼者を識別しその結果に応じて制御実行可否や制御実行内容を決定する方式が考えられる。
【0005】
しかしながら、この方式では、回線が捕捉された後に、発呼者を識別するための情報が送受信されるため、回線を捕捉している時間が長時間化して、通話料金が高くなるとともに他者が留守番電話へ電話をかけた場合に話中のため通話ができない事態が発生する頻度が増加するという問題が生じる。
また、この方式では、発呼者は、発呼者の携帯電話機の電話番号等の発呼者を識別するための情報を、例えば数字キーや「#」等のキーを押下してDTMFトーンを発生させることにより留守番電話に送信しなければならないので、発呼者にとっての操作負担が増加するという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、回線捕捉後に受信する制御データに依らずに、発呼者を識別して機器制御を行う電話機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、現在、PHS(パーソナル・ハンディホン・システム)の電話機や携帯電話機等が普及しているため、発呼者が用いた携帯電話機等の電話番号を、発呼者を識別する情報として代用することが可能であり、また、多くの電話事業者は、呼出信号の前に発呼側の電話機の電話番号を着信側に通知する発信者情報通知サービスを提供していることに着目してなされたものであり、本発明に係る電話機は、制御対象の外部機器と接続された電話機であって、電話番号を記憶する記憶手段と、発信者情報通知サービスにより電話回線を通じて送られてくる発信者番号を取得する発信者番号取得手段と、前記発信者番号取得手段により取得された発信者番号と同一の電話番号が前記記憶手段に記憶されているときに前記外部機器の制御を行う機器制御手段とを備えることを特徴とする。ここで、外部機器と電話機との間の接続は、有線接続の他、無線接続も含む。
【0008】
上記構成により、発信者情報通知サービスにより送られてくる発信者番号を用いることにより発呼者の識別を行い特定の発呼者から発呼があった場合に機器を制御するので、回線捕捉後に発呼者を識別するためのデータを受信する必要がなく回線捕捉時間の長時間化を防止し、また、機器制御のために発呼者が暗証番号や携帯電話機の電話番号等をキー入力して送信する必要がなく発呼者の操作負担の増加を防止した上で、権限確認を伴う機器制御が実現できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
<構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る留守番電話機100の構成を示すブロック図である。なお、同図には、留守番電話機100に接続された外部機器30と、外部機器30の電源ラインに接続されたリレー装置20とをも示している。
【0010】
同図に示すように、留守番電話機100は、着信検出回路1、発信者番号検出回路2、2線−4線変換回路3、制御部4、発信信号発生部5、リングバックトーン検出回路6、外部機器制御回路7、フラッシュROM8、DTMFレシーバ9、通話回路10、キー11、LCD12及び回線捕捉用リレー13を備え、公衆交換網に接続されている。
【0011】
ここで、着信検出回路1は、電話がかかってきたことを検出して着信した旨を制御部4に通知する回路であり、発信者番号検出回路2は、発呼者が用いた電話機の電話番号(以下、「発信者番号」という。)が交換機から通知されると、この発信者番号を検出して制御部4に通知する回路である。なお、発信者番号は、電話事業者により提供されている発信者情報通知サービスにより、交換機から着信側に送られてくるもので、発呼側の電話機の電話番号である。また、着信検出回路1は、発信者番号の前に交換機から送られてくる情報受信端末起動信号及び発信者番号の後に送られてくる呼出信号を検出する。
【0012】
2線−4線変換回路3は、回線と接続される2線を、送話用及び受話用の2つの信号ループを形成させるべく通話回路10と4線で接続する回路である。
発信信号発生部5は、制御部4から発呼の宛先の電話番号を得るとトーン又はパルスのいずれかの方法により発呼を行うものである。
リングバックトーン検出回路6は、発信信号発生部5により発呼が行われることにより戻ってくる呼出音であるリングバックトーンを検出し制御部4に通知する回路である。
【0013】
外部機器制御回路7は、制御部4からの指示を受けて、留守番電話機100の外部に接続されたリレー装置20や外部機器30を制御する回路である。即ち、外部機器制御回路7は、制御部4からどの機器をどのように制御するかの指示を受けて、制御対象の外部機器に応じて制御用信号等を供給する回路であり、例えばリレー装置への電流の供給や、接続された機器に接続線を通じて制御データを送信することや、リモコン操作可能な機器に対して機器操作用のコマンドを赤外線のリモコン信号にして発すること等を行うものである。
【0014】
フラッシュROM8は、留守番電話機100の各部の動作を制御するための制御プログラムを記憶する書き換え可能な不揮発性メモリであり、また、発呼者番号を含む制御振り分け用情報毎に、機器制御用処理を対応づけた制御表をも記憶している。なお、この制御表については後に詳しく説明する。
DTMFレシーバ9は、受信した音声信号がどのようなDTMF信号であるかを制御部4に渡すものである。DTMF信号は、電話機のそれぞれのキーに対応して発生するものであるため、制御部4はDTMFレシーバ9により、発呼者から送られてくるDTMF信号を識別することにより、発呼者がいずれのキーを押下したかを知ることができる。
【0015】
通話回路10は、レシーバ及びマイクにより、音声通話を可能にする回路である。
キー11は、ユーザ操作を受け付けて制御部4に通知するための1〜9の数字キーや「#」、「*」その他のキーであり、また、制御表の更新処理を開始するための専用キー等も含んでいる。LCD12は、制御部4の指示に応じて液晶画面に文字、記号等を表示することによりユーザに各種情報を通知する液晶ディスプレイである。
【0016】
回線捕捉用リレー13は、オフフック状態とオンフック状態とを切り替えるリレーである。
制御部4はCPUであり、フラッシュROM8に記憶された制御用プログラムを読み出して実行することにより、留守番電話機100の各部からの通知を受けつつ各部を制御し、従来の留守番電話機の機能を含む各種機能を実現する。例えば、制御部4は、発信者番号検出回路2により発信者番号の通知を受けて数秒後に回線を捕捉することによりオフフック状態にし、DTMFレシーバ9を介してDTMFトーンを受信し、発信者番号及びDTMFトーンに応じて、外部機器制御回路7を通じて留守番電話機100の外部に接続された機器を制御する。なお、発信者番号通知を受けて回線を捕捉する前に発呼者が電話を切った場合にはDTMFトーンはないものとして発信者番号のみに応じて機器制御を行う。また、制御部4は、機器制御を行った場合に、発信信号発生部5を介して発呼を行う機能を有し、さらに、ユーザ操作をキー11を介して受け付けて、制御表の内容を更新したり、制御表の内容をLCD12に表示したりする機能をも有する。
【0017】
外部機器30は、例えば照明機器、ビデオ録画再生機器等の機器である。なお、留守番電話機100には複数の機器が接続され得る。
また、リレー装置20は、外部機器30の電源ラインに接続され、外部機器30の電源のオン・オフを切り替えることができる装置である。
<データ構造>
以下、上述のフラッシュROM8に記憶されている制御表について説明する。
【0018】
図2は、フラッシュROM8に記憶されている制御表のデータ構造及び内容例を示す図である。
制御表200は、制御振り分け用情報210と機器制御処理アドレス220とを対応付けたテーブルである。
ここで、制御振り分け用情報210は、制御権限を有する発呼者が持つ電話機についての電話番号である電話番号211と、機器制御の詳細を指定する意味をもつDTMFトーン212とで構成される。
【0019】
また、機器制御処理アドレス220は、機器制御処理の内容を定める制御プログラムのフラッシュROM8内におけるアドレスを示す。なお、機器制御処理は、制御部4により実行されるもので、例えば、予めフラッシュROM8に記憶しており制御対象機器を特定し制御内容詳細を特定するための制御用データを、外部機器制御回路7に転送することを内容とする処理である。
【0020】
この制御表200が制御部4により参照されることにより、留守番電話機100が受け取る情報に応じた照明機器等の制御が実現される。
同図に示す制御表200の内容例では、例えば、留守番電話機100が着信した際に発信者番号が090−1△△△−□□□□であり、回線捕捉した後に「1」「#」のDTMFトーンを受信した場合には、留守番電話機100に接続された家の1階にある照明機器の電源ラインを制御するリレー装置を駆動し電源をオン状態にすることにより照明を点灯する処理が実行されることを示している。
【0021】
また、同図の内容例は、発信者番号が070−6×××−△△△△である場合は、ビデオ録画再生機器に対して制御を行い、回線捕捉後に受け取ったDTMFトーンで示された録画予約用のコード番号に応じたテレビ番組の録画予約処理が実行されることを示している。
<動作>
以下、上述した構成を備える留守番電話機100の動作について説明する。
【0022】
ここでは、留守番電話機100に対して家の者(発呼者)が外出先から電話番号が090−1△△△−□□□□の携帯電話機により電話をかけることにより家の中の照明を制御しようとする場合を例にして説明する。また、制御表の内容は図2に例示したものとして説明する。
図3は、留守番電話機100の機器制御に関する動作を示すフローチャートである。
【0023】
発呼者から電話がかけられると留守番電話機100は、着信を開始し、即ち開始着信検出回路1により着信を検出し(ステップS301)、その後、発信者番号検出回路2により発信者番号を検出する(ステップS302)。なお、発信者番号は準拠する規格によるが通常例えば呼出信号の前に置かれており検出可能である。また、発信者番号が検出できなかった場合には、図3に示す動作は中止し、通常の留守番電話機と同様の動作を行う。
【0024】
制御部4は、発信者番号検出回路2から発信者番号を受け取りフラッシュROM8に格納した後、数秒待機し(ステップS303)、着信検出回路1により着信が継続しているか、即ち呼出信号の検出が継続しているかを判断する(ステップS304)。
もし、着信が継続していれば、制御部4は、回線捕捉用リレー13を閉じてオフフック状態にし(ステップS305)、発呼者の操作に応じて発呼側の携帯電話機から送られてくるDTMFトーンをDTMFレシーバ9を介して受信し(ステップS306)、受信したDTMFトーンの意味内容と既に受け取っている発信者番号とを、フラッシュROM8に記憶されている制御表中の制御振り分け用情報210に照らし合わせることにより、制御振り分け用情報210に対応する機器制御処理アドレス220を参照して、実行すべき機器制御処理のアドレスを特定し、その機器制御処理を起動する(S307)。
【0025】
例えば、発呼者が「1」「#」のキーを押下した場合には、図2に示すように、ステップS307により1階照明点灯処理が起動される。1階照明点灯処理は、外部機器制御回路7に対して、1階の照明機器の電源ラインに接続されているリレー装置を指定して電源オンとするように指示する処理である。これを受けて外部機器制御回路7は、該当するリレー装置を電源ONとなるように制御する。
【0026】
制御部4は、発信者番号及びDTMFトーンに応じて機器の制御を行った後、制御完了の旨を表す音声信号を送信し(ステップS308)、回線を切断することによりオンフック状態にする(ステップS309)。外出先にいる発呼者は制御完了の旨を表す音声信号を聴くことにより、機器の制御が完了したことを認識することができる。ここで、制御完了の旨を表す音声信号は例えば「*」「#」というDTMFトーンと予め定められている。ステップS308は、留守番電話機100内部で機器の制御動作を開始した後に行われ、実際に外部機器が完全に動作完了してから実行されるとは限らない。
【0027】
なお、ステップS307において制御表に照らした場合に、留守番電話機100が検出した発信者番号と同一の電話番号や受信したDTMFトーンが制御表に含まれていないものであったならば、機器の制御を行わず、ステップS308をスキップして、回線を切断する(ステップS309)。
また、ステップS304において、着信の検出がなくなった場合、即ち、制御部4が着信が継続しなくなったと判断した場合に、受け取っている発信者番号をフラッシュROM8に記憶されている制御表中の制御振り分け用情報210に照らし合わせることにより、制御振り分け用情報210に対応する機器制御処理アドレス220を参照して、実行すべき機器制御処理のアドレスを特定しその機器制御処理を起動する(S310)。例えば、発呼者がリングバックトーンを2回聴いた後に電話を切ったような場合には、処理はステップS304においてyesの分岐に進み、リビングルーム照明点灯処理が実行されることになる(図2参照)。リビングルーム照明点灯処理は、外部機器制御回路7に対して、リビングルームの照明機器の電源ラインに接続されているリレー装置を指定して電源オンとするように指示する処理である。
【0028】
ステップS310の処理が終了した後、制御部4は、回線捕捉用リレー13を閉じてオフフック状態にし、受け取ってフラッシュROM8に格納してある発信者番号を用いて、発信信号発生部5により、外出先から先ほど呼び出しをしてきた発呼者に対して、発呼を行い(ステップS311)、その後数秒間待機して(ステップS312)、オンフック状態にする(ステップS309)。ステップS311もステップS308と同様に、留守番電話機100内部で機器の制御動作を開始した後に行われ、実際に外部機器が完全に動作完了してから実行されるとは限らない。
【0029】
ステップS311における発呼を受けることにより、携帯電話機の呼び出し音が数回鳴る等するため、発呼者は機器の制御が完了したことを認識することができる。
なお、ステップS310において制御表に照らした場合に、留守番電話機100が検出した発信者番号と同一の電話番号が制御表に含まれていないものであったならば、機器の制御を行わず、ステップS311以後の処理をスキップする。例えば、090−2△△△−○○○○という電話番号が制御表に含まれていない場合において、その電話番号の携帯電話機からの呼び出しを受けたときには、ステップS310に至ったならば制御部4は機器の制御を行わず発呼から回線切断迄の動作を行わない。
【0030】
また、留守番電話機100に対して家の者(発呼者)が外出先から電話番号が070−6×××−△△△△のPHS電話機により電話をかけて、家の中のビデオ録画再生装置に録画予約を行わせることも可能であり、この場合にも留守番電話機100は上述の手順(ステップS301〜ステップS309)で処理を行う(図2参照)。
【0031】
以下、制御部4が、ユーザ操作をキー11を介して受け付けて、制御表の内容を更新したり、制御表の内容をLCD12に表示したりする機能について説明する。
キー11のうち、制御表の更新処理を開始するための専用のキーをユーザが押下した場合に、制御部4は、LCD12を介してユーザに対して電話番号及びDTMFトーンの内容の入力を促すメッセージを表示し、ユーザからキー11を通じて入力された電話番号及びDTMFトーンの内容を取得し、また、LCD12を介してユーザに対して予めフラッシュROM8に記憶されている各機器制御処理のいずれかの選択を促すメッセージを、例えば、「1.1階照明点灯処理」、「2.1階照明消灯処理」、「3.2階照明点灯処理」等と表示して、ユーザからキー11を通じて番号の選択を受け付けて、受け付けた情報に基づいて、各機器制御処理アドレスを電話番号及びDTMFトーンの内容と対応付けて制御表に追加登録する。
【0032】
追加登録した後、制御部4は、制御表の内容を文字列で表してLCD12に順次表示する。
また、同様に、キー11のうち特定のキーをユーザが押下した場合にも、制御部4は、制御表の内容を文字列で表してLCD12に順次表示する。
これらの機能により、留守番電話機100に予め備えられている各機器制御処理をどの携帯電話機からどのようなDTMFトーンにより実行させることができるかについて、ユーザは留守番電話機100を操作することにより指定することができるようになり、また、現在の指定状況をLCD12を通じて確認することができるようになる。
<補足>
以上、本発明に係る留守番電話機について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限られないことは勿論である。即ち、
(1)本実施の形態では、留守番電話機100は、外部機器である照明機器、ビデオ録画再生機器等の制御ができることとしたが、各種家電機器、電磁ロック等の家庭内セキュリティ機器等を制御することができるようにしてもよい。なお、各機器制御処理の内容を定める制御プログラムと外部機器制御回路7との役割分担等はどのようなものであってもよい。
(2)本実施の形態では、機器制御の詳細を指定するためにDTMFトーンを用いることとしたが、これに限定されることはなく、例えば、外出先から留守番電話機に携帯情報端末機により電話をかけてデジタルデータを送信することとし、これに対して留守番電話機はデジタルデータを受信してこれと発信者番号とに応じて機器制御処理内容を振り分けることとしてもよい。なお、デジタルデータの送受信は音声信号に変調して送信されたものを受信した側が復調して利用するようにしてもよい。
【0033】
また、発信者番号の内容は、発信者情報通知サービスにより留守番電話機100に送られてくるものであれば、内線番号その他の情報を構成要素として含んでいてもよく、これに制御表内の電話番号が対応していればよい。
(3)本実施の形態では、留守番電話機100が検出した発信者番号と同一の電話番号及び受信したDTMFトーンが制御表に含まれていないものであったならば、機器の制御を行わず、ステップS308をスキップして、回線を切断する(ステップS309)こととしたが、発信者番号と同一の電話番号が制御表に含まれていないものであった場合には、機器の制御を行わず、ステップS308に代えて音声録音等の通常の留守番電話機同様の動作を行った後に回線を切断する(ステップS309)こととしてもよい。
(4)本実施の形態で示したステップS303及びステップS312における数秒待機は、例えば、タイマ等を用いて所定時間の経過をカウントすることにより実現してもよいし、リンガ音又はリングバックトーンを所定回数カウントすることにより実現してもよく、それぞれ異なる方式で実現してもよい。リングバックトーンのカウントは、リングバックトーン検出回路6を利用することにより実現できる。また、待機時間が数秒に限定されることはなく、ユーザが留守番電話機に任意の待機時間を予め設定しておくことを可能にしてもよい。
(5)本実施の形態では、制御部4はステップS311において、検出してフラッシュROM8に格納している発信者番号を用いて発呼することとしたが、発呼の宛先となる電話番号としては、検出したものでなく制御表に予め含まれている電話番号を用いることとしても差し支えない。
(6)本実施の形態では、制御部4はステップS310における機器の制御が完了した後、つまり留守番電話機による機器制御の開始後に、ステップS311で発信者番号宛てに発呼することとしたが、機器の動作中に異常が発生した場合には、発呼後に数秒待機して回線切断という動作を2回繰り返す等により機器制御を要求した者に対して異常を通知することとしてもよい。このためには、外部機器制御回路7が、外部機器30等から異常発生の通知を受けるか又はリレー装置20等の異常を検出する等を行うことができるものであり、異常を制御部4に通知することができるものである必要がある。
(7)本実施の形態では、留守番電話機100は、制御表の更新処理を開始するための専用のキーを備えていることとしたが、特に専用のキーを備えなければならないことはなく、数字等の一般的なキーを組み合せて同時に押下されることや、長い間押下されること等を制御部4が検知した場合に制御表の更新処理を開始することとしてもよい。
【0034】
なお、制御表の更新や制御表の表示を指示するユーザ操作を受け付ける方式については、ユーザが選択し得る動作を選択肢としてLCDに一覧表示してユーザの選択を受け付ける等、いかなる方式を採用してもよい。
(8)本実施の形態では、図2に示したように制御表に、各機器制御処理アドレスは1つの電話番号と対応づけられているものとしたが、複数の電話番号と対応づけられていることとしてもよい。これにより、複数の者に同一機器を制御する権限を与えることが可能になる。なお、照明機器、ビデオ録画再生機器その他多数の機器を、同一の電話番号に対応づけてもよく、この場合は、回線捕捉後の通話状態において受信可能なDTMFトーンその他のデータによって機器を特定すればよい。
【0035】
また、図2に示した制御表は、各機器制御処理を特定するために機器制御処理アドレスを含むこととしたが、制御表は、発呼者側の電話番号に応じて機器制御処理の内容を振り分けることができる情報を含みさえすれば、いかなる内容を構成要素とするものであってもよく、ひとまとまりとして存在しなくてもよい。例えば、090−1△△△−□□□□等のある電話番号に対して、照明機器制御全般等といった特定内容の制御振り分け処理が対応付けられていることとしてもよい。ここで、この制御振り分け処理は、受信したDTMFトーンに応じて1階照明点灯処理等といった詳細な機器制御処理内容を振り分けることを内容とする処理である。
【0036】
また、図2に示す制御表の代わりに、機器の制御権限を与えた者についての電話番号のみをフラッシュROM8に記録しておき、制御部4が発信者番号検出回路2を介して取得した発信者番号がフラッシュROM8に記録されていれば、例えばリレー装置の状態切替等、予め定められた機器制御を実行することとしてもよい。この場合にも、詳細な機器制御については通話中に受信したデータを利用することにより行うこととしてもよい。また、この場合には、機器の制御権限に関する意味をもつところの前記電話番号の追加登録、更新又は削除を、留守番電話機に対するユーザのキー操作等に従って行うようにしてもよい。
(9)本実施の形態における留守番電話機100の機器制御に関する処理手順(図3のフローチャートの手順)等を機械語プログラムにより実現し、これを記録媒体に記録して流通・販売の対象にしても良い。このような記録媒体には、ICカードや光ディスク、フロッピーディスク、ROM等があるが、これらに記録された機械語プログラムは、プログラム実行能力を有する電話機内にインストールされることにより利用に供される。即ち、プログラム実行能力を有し外部機器制御インタフェースを有する電話機は、インストールされた上記機械語プログラムを逐次実行することにより、発信者番号等に応じた機器制御を実現することができるようになる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る電話機は、制御対象の外部機器と接続された電話機であって、電話番号を記憶する記憶手段と、発信者情報通知サービスにより電話回線を通じて送られてくる発信者番号を取得する発信者番号取得手段と、前記発信者番号取得手段により取得された発信者番号と同一の電話番号が前記記憶手段に記憶されているときに前記外部機器の制御を行う機器制御手段とを備えることを特徴とする。
【0038】
これにより、発信者情報通知サービスにより送られてくる発信者番号を用いることにより発呼者の識別を行い特定の発呼者から発呼があった場合に機器を制御するので、回線捕捉後に発呼者を識別するためのデータを受信する必要がなく回線捕捉時間の長時間化を防止し、また、機器制御のために発呼者が暗証番号等をキー入力して送信する必要もなく発呼者の操作負担の増加を防止した上で、権限確認を伴う機器制御が実現できる。
【0039】
ここで、前記記憶手段は、前記電話番号を、前記外部機器についての制御の内容を特定する情報と対応付けて記憶しており、前記機器制御手段は、前記発信者番号と同一の電話番号により特定される内容の前記制御を行うこととすることもできる。
これにより、発呼者の識別情報を回線捕捉後に受信することなく、各発呼者に応じて機器制御の内容を変えることも可能となる。従って、家族の各人がそれぞれ携帯電話機等を持てば、各人が外出先等から本発明に係る電話機に電話をかけることにより、それぞれ異なる内容の家庭内機器の制御を本発明に係る電話機に行わせることができるようになる。
【0040】
また、前記電話機はさらに、前記機器制御手段により前記制御がなされた後に、前記発信者番号取得手段により取得された発信者番号宛てに発呼し、オンフック状態にする制御完了通知手段を備えることとすることもできる。
これにより、本発明に係る電話機は機器制御後に発信者番号宛てに電話をかけ戻すので、本発明に係る電話機に電話をかけた者は機器制御の完了を認識することができるようになる。
【0041】
また、前記電話機はさらに、ユーザ操作を受け付け、当該ユーザ操作に応じて、前記記憶手段に記憶されている前記電話番号を更新する更新手段を備えることとすることもできる。
これにより、本発明に係る電話機を操作する者は、機器制御を許容する発呼者を変更する等ができるようになる。
【0042】
また、前記電話機はさらに、着信後に回線を捕捉してデータを受信するデータ受信手段を備え、前記機器制御手段の行う前記制御の詳細な内容は、前記データ受信手段により受信されたデータに応じた内容であることとすることもできる。これにより、回線捕捉後のデータ受信により、機器制御に必要な各種情報を得て、これに基づいて複雑な機器制御まで行うことができるようになる。
【0043】
また、前記データ受信手段は、DTMFトーンを受信し、前記機器制御手段の行う前記制御の詳細な内容は、前記データ受信手段により受信されたDTMFトーンに応じた内容であることとすることもできる。
これにより、回線捕捉後にDTMFトーンにより機器制御処理内容を振り分けることが可能となるため、本発明に係る電話機に対し電話をかけた者は、手にした電話機のキーを押下することにより所望の機器制御を本発明に係る電話機に行わせることができるようになる。
【0044】
また、前記発信者番号取得手段は、回線を捕捉しないで前記発信者番号を取得し、前記機器制御手段は、前記発信者番号取得手段による発信者番号の取得後、回線を捕捉しないままで前記制御を行うこととすることもできる。
これにより、DTMFトーンその他による詳細な機器制御の指示が不要な場合に迅速に機器制御が可能となる。また、機器制御にあたり通話料金が不要となる。
【0045】
このように、本発明は、電話機に接続された機器の遠隔制御を、制御権限を確認した上で実現する技術として実用的効果は大きく、留守番電話機等の利用の可能性を拡大する有用な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る留守番電話機100の構成を示すブロック図である。
【図2】フラッシュROM8に記憶されている制御表のデータ構造及び内容例を示す図である。
【図3】留守番電話機100の機器制御に関する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 着信検出回路
2 発信者番号検出回路
3 2線−4線変換回路
4 制御部
5 発信信号発生部
6 リングバックトーン検出回路
7 外部機器制御回路
8 フラッシュROM
9 DTMFレシーバ
10 通話回路
11 キー
12 LCD
13 回線捕捉用リレー
20 リレー装置
30 外部機器
100 留守番電話機
200 制御表
210 制御振り分け用情報
211 電話番号
212 DTMFトーン
220 機器制御処理アドレス
Claims (6)
- 制御対象の外部機器と接続された電話機であって、
電話番号を記憶する記憶手段と、
発信者情報通知サービスにより電話回線を通じて送られてくる発信者番号を、回線を捕捉しないで、取得する発信者番号取得手段と、
前記発信者番号取得手段により取得された発信者番号と同一の電話番号が前記記憶手段に記憶されているときに前記外部機器の制御を行う機器制御手段と、
前記機器制御手段により前記制御がなされた後に、前記発信者番号取得手段により取得された発信者番号宛てに発呼し、オンフック状態にする制御完了通知手段と、
発信者番号が取得されてから所定時間経過後に、着信が継続しているかを判断する判断手段と、
着信が継続していると判断された場合に回線を捕捉してデータを受信するデータ受信手段とを備え、
着信が継続していると判断された場合に、前記機器制御手段は、前記データ受信手段により受信されたデータに応じて前記制御を行い、
着信が継続していないと判断された場合に、前記機器制御手段は、前記発信者番号取得手段による発信者番号の取得後、回線を捕捉しないままで前記制御を行う
ことを特徴とする電話機。 - 前記記憶手段は、前記電話番号を、前記外部機器についての制御の内容を特定する情報と対応付けて記憶しており、
前記機器制御手段は、前記発信者番号と同一の電話番号により特定される内容の前記制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の電話機。 - 前記電話機はさらに、ユーザ操作を受け付け、当該ユーザ操作に応じて、前記記憶手段に記憶されている前記電話番号を更新する更新手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の電話機。 - 前記データ受信手段は、DTMFトーンを受信し、
前記機器制御手段の行う前記制御の詳細な内容は、前記データ受信手段により受信されたDTMFトーンに応じた内容である
ことを特徴とする請求項1記載の電話機。 - 前記電話機はさらに、前記機器制御手段による前記制御において異常が発生した場合には前記発信者番号取得手段により取得された発信者番号宛てに所定態様で発呼及び回線切断を行う手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の電話機。 - 前記外部機器は、録画機能を有する録画機器であり、
前記機器制御手段は、前記録画機器の制御として、テレビ番組の予約処理を行う
ことを特徴とする請求項1記載の電話機。
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