JP3789385B2 - 安定な尿素含有外用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定な性状を保つ外用組成物に関する。さらに詳しくは、長期間保存しても粘度低下を起こさず、使用感に優れる安定な尿素含有外用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
尿素には皮膚角質の保湿作用や角質溶解作用があるため、アトピー性皮膚炎、老人性乾皮症等の皮膚疾患の治療や、乾燥肌や肌のかゆみ、あかぎれ等を改善するために、皮膚化粧料や医薬品・部外品の外用剤の成分として使用されている。しかし、尿素を含有するクリーム、ゲル製剤は、尿素が、クリーム、ゲルの構成成分のカルボキシビニルポリマー、プロピルメチルセルロース、プロピルエチルセルロースに代表される水溶性高分子に影響を与え、粘度が維持されない。そのため、カルボキシビニルポリマーの量を増加するとともにアンモニウム化合物を配合して粘度を維持する(特開昭59-20217号公報)、多価アルコールと水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のpH調整剤を配合する(特開昭63-166825号公報)ことによって、尿素を含有するクリーム、ゲルを安定化させる方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の様な製剤は水溶性高分子や多価アルコールの配合量が多いため、肌へのなじみが悪く、また強いべたつき感を感じ、実用的ではなかった。また、ヒドロキシメチルセルロース等を配合してクリーム、ゲル等を得る場合には、外用剤として相応しい固さを確保するために、約2〜3%以上の高分子成分を配合しなければならず、皮膚へ塗布する際にのびが悪かったり、乾いた後に皮膚に白い繊維状の高分子が付着し、不快感を与える等の課題を残している。
【0004】
長期間保存しても粘度が低下せず、良好な使用感が保たれる尿素配合のクリーム、ゲル剤の開発が待たれているところである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの状況に鑑みて鋭意検討した結果、意外にもアルキル変性カルボキシビニルポリマーおよび/または疎水化ヒドロキシメチルセルロースを配合することによって、上記課題が解決できることを見出し本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、尿素、水、アルキル化水溶性高分子を含有する外用組成物であり、アルキル化水溶性高分子を含有する安定化された尿素含有外用組成物である。本発明のアルキル化水溶性高分子はアルキル化したカルボキシビニルポリマー、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン類、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、グァーガム、トラガントガム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドンであり、代表的なものとしてアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。この外用組成物がアルキル変性カルボキシビニルポリマーを0.05〜2%含むものである、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.05〜2%含むものである又はクリームまたはゲル剤である事も可能である。又、本発明は、水、アルキル化水溶性高分子による尿素含有外用組成物中の安定化方法であり、本安定化方法のアルキル化水溶性高分子は、アルキル化したカルボキシビニルポリマー、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン類、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、グァーガム、トラガントガム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドンであり、代表的なものとしてアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。アルキル変性カルボキシビニルポリマーを0.05〜2%含むものである、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.05〜2%含むものである、又はクリームまたはゲル剤である事も可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明におけるアルキル化水溶性高分子としては、アルキル化したカルボキシビニルポリマー、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セラチン類、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、グァーガム、トラガントガム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドンが挙げられるが、これに限定されない。
【0008】
本発明におけるアルキル化水溶性高分子の代表的なものとしてアルキル変性カルボキシビニルポリマー(以下、A-CPと略記することがある)および疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下O-HPMCと略記することがある)が挙げられる。
【0009】
アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体とも呼ばれ、アクリル酸と炭素数10〜30の直鎖状または分枝状アルキル基のエステル体、およびメタクリル酸と同じくアルキル基のエステル体が共重合したものであり、大きな親水基と小さな親油基を持つO/W型高分子乳化剤であり、親水部分が水に膨潤して油の周りに水和ゲル層を形成し、ゲル状乳化組成物を形成します。
A-CPはPEMULEN TR-1の商品名で市販されており(日光ケミカルズ(株))、容易に入手可能である。
【0010】
疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下O-HPMCと略記することがある)とは、通常のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)に、炭素数16〜32の直鎖状または分枝状のアルキル基を導入し、疎水性を持たせたものであり、HPMCよりも少量で粘稠性を発現することができる。
O-HPMCはサンジェロースという商品名で市販されており(エステック(株))、容易に入手可能である。
【0011】
本発明においてアルキル変性カルボキシビニルポリマー、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量は特に限定されないが、本発明に係る尿素含有外用組成物の全重量に対して、通常それぞれ0.05〜2%、0.05〜2%であり、好ましくはそれぞれ0.3〜1%、0.5〜1.5%であり、より好ましくはそれぞれ0.4〜0.6%、0.75〜1.25%である。
【0012】
本発明に使用する水は、アルキル化水溶性高分子を混合前に膨潤するために使用してもよいが、これに限定されない。
【0013】
本発明に係る外用ゲル組成物には、薬理作用を持つ成分を配合させることもできる。配合可能な他の薬効成分は特に限定されないが、例えば、抗潰瘍剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛消炎剤、抗アレルギー剤、ビタミン剤、生薬、抗生物質、抗ウイルス剤、ホルモン剤等が挙げられる。
【0014】
さらに具体的にはグリチルリチン酸およびその誘導体ならびにそれらの塩、グリチルレチン酸およびその誘導体、ε-アミノカプロン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、アラントイン等の抗炎症剤、レチノール、レチノイン酸、ビタミンA油、パルミチン酸レチノール、カロテン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸グルコシド、リン酸L-アスコルビルマグネシウム、ジパルミチン酸アスコルビル、テトラ2-ヘキシルデカン酸L-アスコルビルなど)、酢酸トコフェロール、酢酸d-α-トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸d-α-トコフェロール、ビタミンEリノレート、d-α-トコフェロール、d-β-トコフェロール、d-γ-トコフェロール、d-δ-トコフェロール、天然ビタミンE、塩酸ピリドキシン、ジカプリル酸ピリドキシン、ジパルミチン酸ピリドキシン、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン、ニコチン酸アミド、パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、パントテン酸カルシウム、コレカルシフェロール等のビタミン類、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、油溶性甘草エキス等の美白剤、クロタミトン、ジフェンヒドラミン等の抗痒剤、ヒノキチオール、セファランチン、ニコチン酸トコフェロール等の育毛・養毛剤、γ-オリザノール、フェルラ酸等が挙げられる。
【0015】
本発明の外用ゲル組成物には、通常用いられる種々の添加剤を配合することができる。この様な添加剤は特に限定されないが、例えば乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、安定化剤、着色剤、清涼化剤、着香剤、吸着剤、吸収促進剤、pH調整剤、粘稠剤、湿潤剤、油類、抗酸化剤等を挙げることができる。
【0016】
乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、脂肪酸石鹸(ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウムなど)、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアロイル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のイオン性界面活性剤、レシチン類(大豆レシチン、卵黄リン脂質、水素添加レシチン、水酸化レシチンなど)、サポニン類(大豆サポニン、カンゾウサポニン、酵素処理サポニンなど)、アラビアゴム等の天然由来界面活性剤等が挙げられる。
【0017】
懸濁化剤としては、例えばメチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム、トラガント末、カルメロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0018】
防腐剤としては、例えばメチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ヒノキチオール等が挙げられる。
【0019】
安定化剤としては、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸等の脂肪酸、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン類、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、グァーガム、トラガントガム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、エデト酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸等のキレート剤、天然ビタミンE、d-α-トコフェロール、δ-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、アスコルビン酸、エリソルビン酸およびこれらの塩または誘導体、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸ナトリウム、フィチン酸、亜硫酸ナトリウム、カテキン類、ポリフェノール等の抗酸化剤、グリセリルモノアルキルエーテル、パルミチン酸デキストリン等が挙げられる。
【0020】
着色剤としては、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、タルク、ベニバナ色素、クチナシ色素、パプリカ色素、β-カロチン、カラメル、銅クロロフィリンナトリウム、シルク末等が挙げられる。
【0021】
清涼化剤としては、d−カンフル、ハッカ油、l−メントール、d−ボルネオール等が挙げられる。
【0022】
着香剤としては、一般的に化粧品や外用剤に用いられる香料の他に、ウイキョウ末、オレンジ油、カミツレ油、スペアミント油、パイン油、ハッカ油、ベルガモット油、l−メントール、レモン油等の精油が挙げられる。
【0023】
吸着剤としては、カルメロースカルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウム、デキストリン等が挙げられる。
【0024】
吸収促進剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール、オレイン酸、リシノレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸、レシチン類等の界面活性剤、高級アルコールと中鎖脂肪酸、パルミチン酸イソプロピル等脂肪酸のエステル油、乳酸およびその塩、l-メントール等が挙げられる。
【0025】
pH調整剤としては、クエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、フマル酸等の有機酸とそれらの塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、塩酸等の無機酸とそれらの塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、リン酸二水素カリウム、リン酸水素ナトリウム等が挙げられる。
【0026】
粘稠剤としては、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン類、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、グァーガム、トラガントガム、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0027】
湿潤剤としては、ソルビトール、キシリトール、還元麦芽糖水飴、マルチトール、エリスリトール、ショ糖、トレハロース、ブドウ糖などの糖類または糖アルコール、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、セリシン、デオキシリボ核酸またはその塩、加水分解コラーゲン、ポリグルタミン酸、ポリアルギン酸、小麦ペプチド、コンドロイチン硫酸ナトリウム、キチン、キトサン等の高分子湿潤剤、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール、アロエエキス、モモの葉エキス、ビワエキス、米発酵エキス、米糠エキス、コケモモエキス、ウワウルシエキス、カンゾウエキス等の植物エキス、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、グリシン、アルギニン、グルタミン酸、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ジグリセリン、ベタイン等のアミノ酸類、スフィンゴ脂質、セラミド、レシチン、コレステロール等の油性湿潤剤、乳酸、乳酸ナトリウム等が挙げられる。
【0028】
油類としては、オリーブ油、米糠油、大豆油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油、アボガド油等の植物性油脂、スクワラン、魚油、馬油等の動物性油脂、カルナバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ラノリン、ホホバ油等のロウ類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、ポリイソブデン、合成スクワラン等の炭化水素、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸オクチル、オクタン酸セチル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、クエン酸トリエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル等のエステル油、メチルポリシロキサン、シリコン樹脂、環状ジメチルシリコーン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
【0029】
本発明にかかる外用組成物は、通常行われている製剤化方法で製造することができる。例えば、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを使用してゲル状乳化組成物製剤を製造する場合には、加温した油相と、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを含む水相を適切な温度に加温して混合し、乳化させる。さらに尿素、その他の配合成分と、必要に応じて中和剤等を添加して、冷却しながら増粘させ目的のゲル状乳化組成物製剤を得ることができる。
【0030】
また、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用してゲル化製剤を製造する場合には、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースを適宜加温した精製水に分散させて冷却し、膨潤させる。必要に応じて粘度調整剤、中和剤、pH調整剤等を加えてゲル化する。さらに尿素、その他の配合成分を添加し、よく攪拌混合して、製剤を得ることができる。
【0031】
さらに、この乳化組成物を微細なエマルジョンとするためには、以下の様な方法で実施することができる。まず、加温した油相と水相を混合して、乳化組成物を得る。一方、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを分散させた水溶液を冷却しながら膨潤させた後、乳化組成物を添加してよく攪拌混合する。必要であれば、中和剤を添加して増粘させてもよい。
上記のような乳化組成物を得る際には、通常使用されている単純攪拌機や、ホモミキサー、ポリトロンホモジナイザー、マントンガウリン乳化機、超高圧乳化機、超音波乳化機などを用いることができる。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
実施例1
O-HPMC 0.75gを50gの精製水中に分散させて、85℃以上に加温して攪拌した。攪拌を続けながら、室温まで冷却し、透明ゲルを得た。尿素 10g、グリセリン 5g、クエン酸 0.1gおよびクエン酸ナトリウム 0.35gを、33.8gの精製水で溶解した。この溶解液を透明ゲルに攪拌しながら添加し、均一になるまで攪拌を続け、尿素配合ゲル組成物 100gを得た。
【0034】
実施例2
O-HPMC 0.5gを50gの精製水中に分散させて、85℃以上に加温して攪拌した。攪拌を続けながら、室温まで冷却し、透明ゲルを得た。尿素 20g、グリセリン 5g、クエン酸 0.1gおよびクエン酸ナトリウム 0.35gを、24.05gの精製水で溶解した。この溶解液を透明ゲルに攪拌しながら添加し、均一になるまで攪拌を続け、尿素配合ゲル組成物 100gを得た。
【0035】
比較例1
カルボキシビニルポリマー 0.5gを50gの精製水中に分散させて、85℃以上に加温して攪拌した。攪拌を続けながら、室温まで冷却し、透明ゲルを得た。尿素 20g、グリセリン 5gおよびL−アルギニン 0.3gを、24.2gの精製水で溶解した。この溶解液を透明ゲルに攪拌しながら添加し、均一になるまで攪拌を続け、尿素配合ゲル組成物 100gを得た。
【0036】
比較例2
カルボキシビニルポリマー 0.5gを50gの精製水中に分散させて、85℃以上に加温して攪拌した。攪拌を続けながら、室温まで冷却し、透明ゲルを得た。尿素 10g、グリセリン 5gおよびL−アルギニン 0.4gを、34.1gの精製水で溶解した。この溶解液を透明ゲルに攪拌しながら添加し、均一になるまで攪拌を続け、尿素配合ゲル組成物 100gを得た。
【0037】
比較例3
ヒドロキシエチルセルロース 1.0gを50gの精製水中に分散させて、85℃以上に加温して攪拌した。攪拌を続けながら、室温まで冷却し、透明ゲル状液を得た。尿素 10g、グリセリン 5g、クエン酸 0.1gおよびクエン酸ナトリウム 0.35gを、33.55gの精製水で溶解した。この溶解液を透明ゲルに攪拌しながら添加し、均一になるまで攪拌を続け、尿素配合ゲル組成物 100gを得た。
【0038】
比較試験1
実施例1および2、比較例1〜3で製造したゲル状組成物を、45および50℃で1カ月間保存した。保存開始前、1カ月後にそれぞれのサンプルの性状を目視で検査した。また、サンプルの適量を手の甲の部分に塗布し、使用感を調べた。さらにB型粘度計 ローターNo.4(芝浦システム(株)社製)を使い、6 rpm、2分、20℃の条件下でそれぞれの粘度を測定した(表1、2)。
【0039】
Figure 0003789385
【0040】
Figure 0003789385
【0041】
表に示したように、実施例1および2の製剤は使用感が良く、また、保存後も性状は透明ゲルのまま変化せず、粘度もほとんど変化しなかった。
一方、比較例1および2の製剤はべたつき感があり、また、保存によって半透明になり、粘度も著しく低下した。
また、比較例3の製剤は初期からゲル状液であり、固さを得られなかった。ヒドロキシエチルセルロースを約3%配合すると適度な固さを得られるが、非常に強いべたつき感を生じ、また、乾いた後には皮膚が白くなり不快な感じを受けてしまった。
【0042】
実施例3
酢酸d-α-トコフェロール 0.3g、流動パラフィン 1.3g、ステアリン酸 0.4g、セトステアリルアルコール 0.3g、親油型モノステアリン酸グリセリン 0.3gおよびモノステアリン酸デカグリセリル 1.5gを加温融解し、均一な油相を得た。
次にジプロピレングリコール 2.5g、粉末還元麦芽糖水飴 2.0g、ポリエチレングリコール 1.5g、メチルパラペン 0.2gおよびL−アルギニン 0.18gを精製水12.5gに入れ、加温溶解させ、均一な水相を得た。油相に水相を添加し、単純攪拌機を使って、約80℃で5分間攪拌して乳化させ、その後約55℃まで冷却させた。
A-CP 0.55gを55.37gの精製水に分散させ、85℃以上で攪拌させ高分子溶液を得た。上記の乳化液にこの高分子溶液を加え、15分間攪拌した。
さらに、約30℃まで冷却させながら、精製水 15gに尿素 5.5g、グリシン 0.5gおよび水酸化ナトリウム 0.1gを溶解させたものを加え、10分間攪拌してゲル状乳化組成物 100gを得た。
【0043】
実施例4
A-CP 0.45gを55.47gの精製水に分散させ、85℃以上で攪拌させ高分子溶液を調製したこと以外は実施例3と同様の方法で、ゲル状乳化組成物 100gを得た。
【0044】
比較例4
酢酸d-α-トコフェロール 0.3g、流動パラフィン 1.3g、ステアリン酸 0.4g、セトステアリルアルコール 0.3g、親油型モノステアリン酸グリセリン 0.3gおよびモノステアリン酸デカグリセリル 1.5gを加温融解し、均一な油相を得た。
次にジプロピレングリコール 2.5g、粉末還元麦芽糖水飴 2.0g、ポリエチレングリコール 1.5g、メチルパラペン 0.2gおよびL−アルギニン 0.4gを精製水12.5gに入れ、加温溶解させ均一な水相を得た。油相に水相を添加し、単純攪拌機を使って、約80℃で5分間攪拌して乳化させ、その後約55℃まで冷却させた。
カルボキシビニルポリマー 0.45gを55.85gの精製水に分散させ、85℃以上に加温して攪拌した。攪拌を続けながら室温まで冷却し、カルボキシビニルポリマーの分散液を得た。尿素 5.0gおよびグリシン 0.5gを15gの精製水で溶解した。この溶解液および上記の乳化液をカルボキシビニルポリマーの分散液に攪拌しながら添加し、ゲル状乳化組成物 100gを得た。
【0045】
試験試験2
実施例3および4、比較例4で製造したゲル状乳化組成物を、45および50℃で1カ月間保存した。保存開始前、1カ月後にそれぞれのサンプルの性状を目視で検査した。また、サンプルの適量を手の甲の部分に塗布し、使用感を調べた。さらに、スプレッドメーターを用いて、展延性を測定しゲルの固さを評価した。展延性は、測定開始60秒後の組成物の直径を、直交する縦軸と横軸の平均値から算出した。
【0046】
Figure 0003789385
【0047】
Figure 0003789385
【0048】
Figure 0003789385
【0049】
Figure 0003789385
【0050】
Figure 0003789385
【0051】
Figure 0003789385
【0052】
表に示したように、実施例3および4の製剤は、保存後も性状は白色ゲル状のクリームのまま変化せず、また展延性も変化せず、良好な使用感を保っていた。比較例4の製剤は、保存によってゲル構造の一部が破壊され分離してしまったため、展延性の測定も、使用感の評価もできなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明により、長期間保存しても外観、粘度、展延性等の性状が変化せず、使用感に優れた尿素配合外用組成物が製造可能となった。

Claims (7)

  1. 尿素と、水と、0.5〜1.5%の炭素数16〜32の直鎖状または分枝状のアルキル基を導入したヒドロキシプロピルメチルセルロースと、を含む外用組成物
  2. 炭素数16〜32の直鎖状または分枝状のアルキル基を導入したヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.75〜1.25%含む、請求項1に記載の外用組成物
  3. 外用組成物の性状が、クリームまたはゲルである、請求項1または2に記載の外用組成物
  4. 10〜20%の尿素と、水と、0.05〜2%の炭素数16〜32の直鎖状または分枝状のアルキル基を導入したヒドロキシプロピルメチルセルロースと、を含む外用組成物
  5. 炭素数16〜32の直鎖状または分枝状のアルキル基を導入したヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.5〜1.5%含む、請求項4に記載の外用組成物
  6. 炭素数16〜32の直鎖状または分枝状のアルキル基を導入したヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.75〜1.25%含む、請求項4または5に記載の外用組成物
  7. 外用組成物の性状が、クリームまたはゲルである、請求項4ないし6のうち何れか一項に記載の外用組成物
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