JP3788393B2 - デジタルスチルカメラ装置、ビデオカメラ装置及び情報端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ装置、デジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置及びデジタルスチルカメラを有する情報端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像デバイスを用いたデジタルス チルカメラ装置で、太陽や蛍光灯等の高輝度被写体を撮像すると、撮影画面の縦方向に帯状の明るい線が現れる。これをスミア(smear)現象と呼んでいる。このスミア現象は、面撮像デバイスの各フォトダイオード(光電変換素子)に生じる電荷を垂直転送ラインで転送して読み出す際に、入射光量の大きな部分の電荷が垂直転送ラインに溢れ出たり、或いは、入射光自体が垂直転送ラインに照射されて垂直転送ラインに電荷を発生させたりすることによって生じる。
【0003】
デジタルスチルカメラの電子シャッタ/自動露光調節/AGCの撮像デバイス制御系において、そのスミアによる電荷は本来の入射光量の電荷(有効信号成分)に含まれないため、自動露光調節(AE)制御によって、スミアが明るい被写体と判断されて、露出不足になる問題があった。また、自動ホワイトバランス(AWB)制御によって、スミアが被写体の色バランスに関係なく発生するため、スミア量によっては、色バランス演算誤差が生じ、自動ホワイトバランスがずれる問題があった。このため、自動露光調節制御及び自動ホワイトバランス制御の精度を上げるために、CCDの出力データからスミア・データを取り除くことが求められていた。一般的には、有効画素領域外の遮光された画素領域である垂直OP(オプティカルブラック:光学的黒)の出力レベルからスミア量を求める手法が行われている。
【0004】
カメラ信号処理系において、このスミア現象は、カメラ映像信号の画質を劣化させ、これによって、モニタ上の画面の縦方向に帯状の線が現れ、非常に目障りとなる。このため、CCDからの出力データからスミア・データを取り除くことが必要である。一般的には、有効画素領域外の遮光された画素領域である垂直OP(オプティカルブラック:光学的黒)の出力レベルからスミア量を求める手法が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、有効画素領域外の遮光された画素領域である垂直OPの出力レベルからスミア量を求める上で、垂直OPの暗電流の変化や暗ノイズの挙動、垂直OPの欠陥画素を考慮しなければならず、それらの対策が困難である。また、それらの対策のために回路規模が大きくなり、消費電力が増大するという問題がある。そして、飽和レベルに達していない弱いスミア現象の発生を正確に検出することも困難である。
【0006】
以上の点に鑑み、本発明は、デジタルスチルカメラの電子シャッタ/自動露光調節/AGCの撮像デバイス系において、垂直オプティカルブラックの暗電流の変化や暗ノイズの挙動、垂直オプティカルブラックの欠陥画素の対策を行わずに、飽和レベルに達していない弱いスミア現象が発生しても正確にスミア量を算出し、スミアの影響を受けない自動露出調節制御および自動ホワイトバランス制御を実現することのできるデジタルスチルカメラ装置、かかるデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置及びかかるデジタルスチルカメラを有する情報端末装置を提案しようとするものである。
【0007】
又、本発明は、カメラ信号処理系において、垂直オプティカルブラックの暗電流の変化や暗ノイズの挙動、垂直オプティカルブラックの欠陥画素の対策を行わずに、飽和レベルに達していない弱いスミア現象が発生しても正確にスミア量を算出し、カメラ映像信号に含まれるスミア成分を低減することのできるデジタルスチルカメラ装置、かかるデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置及びかかるデジタルスチルカメラを有する情報端末装置を提案しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、撮像手段と、電子シャッタと、レンズ絞り手段と、撮像手段よりの撮像信号からスミアを検出するスミア検出手段と、電子シャッタに対する電子シャッタスピード測定/制御手段と、レンズ絞り手段に対するレンズ絞り値測定/制御手段と、電子シャッタスピード測定/制御手段及びレンズ絞り値測定/制御手段を制御する自動露光調節制御手段と、撮像手段よりの撮像信号の利得を自動制御する自動利得制御手段と、スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、電子シャッタスピード測定/制御手段及びレンズ絞り値測定/制御手段によって、電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及びレンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、自動露光調節制御手段を固定状態にして、撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定する第1の色情報積分値測定手段と、自動利得制御手段の利得を固定した状態で、第1の電子シャッタスピード及び第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、電子シャッタスピード測定/制御手段によって、電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に速くし、その分だけ、レンズ絞り値測定/制御手段によって、レンズ絞り手段のレンズ絞りを開けると共に、自動露光調節制御手段を固定状態にして、測色エリアで、赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定する第2の色情報積分値測定手段と、第1及び第2の色情報積分値測定手段による赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出するスミア量算出手段とを有するデジタルスチルカメラ装置である。
【0009】
第1の発明によれば、撮像手段と、第1の色情報積分値測定手段によって、スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、電子シャッタスピード測定/制御手段及びレンズ絞り値測定/制御手段によって、電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及びレンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、自動露光調節制御手段を固定状態にして、撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定し、第2の色情報積分値測定手段によって、自動利得制御手段の利得を固定した状態で、第1の電子シャッタスピード及び第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、電子シャッタスピード測定/制御手段によって、電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に速くし、その分だけ、レンズ絞り値測定/制御手段によって、レンズ絞り手段のレンズ絞りを開けると共に、自動露光調節制御手段を固定状態にして、測色エリアで、赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定し、スミア量算出手段によって、第1及び第2の色情報積分値測定手段による赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出する。
【0010】
第2の発明は、第1の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置である。
【0011】
第3の発明は、第1の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有する情報端末装置。
【0012】
第4の発明は、第1の発明のデジタルスチルカメラ装置において、両測定/制御手段は、自動露光調節状態の積分値から、スミア量算出手段によって算出されたスミア量を差し引いて自動露光調節し、自動ホワイトバランス調整量の積分値から、スミア量算出手段によって算出されたスミア量を差し引いて自動ホワイトバランス調整を行うようにしたデジタルスチルカメラ装置である。
【0013】
第5の発明は、第4の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置である。
【0014】
第6の発明は、第4の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有する情報端末装置。
【0015】
以上の第1から第6までの発明は、デジタルスチルカメラの電子シャッタ/自動露光調節/AGCの撮像デバイス制御系に関する発明である。
【0016】
第7の発明は、撮像手段と、電子シャッタと、レンズ絞り手段と、撮像手段よりの撮像信号からスミアを検出するスミア検出手段と、電子シャッタに対する電子シャッタスピード測定/制御手段と、レンズ絞り手段に対するレンズ絞り値測定/制御手段と、電子シャッタスピード測定/制御手段及びレンズ絞り値測定/制御手段を制御する自動露光調節制御手段と、撮像手段よりの撮像信号の利得を自動制御する自動利得制御手段と、スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、電子シャッタスピード測定/制御手段及びレンズ絞り値測定/制御手段によって、電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及びレンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、自動露光調節制御手段を固定状態にして、撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定する第1の色情報積分値測定手段と、自動利得制御手段の利得を固定した状態で、第1の電子シャッタスピード及び第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、電子シャッタスピード測定/制御手段によって、電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に遅くし、その分だけ、レンズ絞り値測定/制御手段によって、レンズ絞り手段のレンズ絞りを絞ると共に、自動露光調節制御手段を固定状態にして、測色エリアで、赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定する第2の色情報積分値測定手段と、第1及び第2の色情報積分値測定手段による赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出するスミア量算出手段とを有するデジタルスチルカメラ装置である。
【0017】
第8の発明は、第7の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置である。
【0018】
第9の発明は、第7の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有する情報端末装置である。
【0019】
以上の第7から第9までの発明は、カメラ信号処理系に関する発明である。
【0020】
第10の発明は、第7の発明のデジタルスチルカメラ装置において、電子シャッタスピード測定/制御手段は、スミア量算出手段によって算出されたスミア量が小さくなるまで、同じ露光量のままで、電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に遅くすると共に、レンズ絞り値測定/制御手段は、レンズ絞り手段のレンズ絞りをその分だけ絞っていき、これを繰り返すようにしたデジタルスチルカメラ装置である。
【0021】
第11の発明は、第10の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置である。
【0022】
第12の発明は、第10の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有する情報端末装置である。
【0023】
第13の発明は、第1の発明のデジタルスチルカメラ装置において、両測定/制御手段は、多分割測色を行う手段と、スミア量算出手段によるスミア量算出を、多分割測色の各エリア毎に行うスミア検出エリアを特定するスミア検出エリア特定手段とを含むデジタルスチルカメラ装置である。
【0024】
第14の発明は、第13の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置である。
【0025】
第15の発明は、第13の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有する情報端末装置である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態のデジタルスチルカメラ装置の一例を詳細に説明する。
【0027】
先ず、図1を参照して、デジタルスチルカメラ装置の全体の構成を説明する。11は撮像手段(イメージャ)としての固体撮像素子であって、ここではCCD(チャージ・カプルド・デバイス)である。10はその撮像レンズである。CCD11からの撮像信号は、撮像回路12に供給される。撮像回路12は、CDS(Correlated Double Sampling:二重相関サンプリング)回路、AGC(Automatic Gain Control:自動利得調整器)、A/D変換器等を含む。撮像回路12よりの出力信号は、信号処理回路14に供給される。そして、CCD11、撮像回路12及び信号処理回路14にて、撮像系が構成される。
【0028】
CCD11からの撮像信号は、スミア検出回路20に供給されてスミアが検出され、そのスミア検出回路20からのスミア検出信号は、スミア量算出回路21に供給されて、スミア量が算出される。スミア検出回路20からのスミア検出信号は、タイミング発生器17及びAE(Automatic Expodure:自動露光調節)演算/制御回路15に供給される。スミア量算出回路21からのスミア量信号は、AE演算/制御回路15に供給される。AE演算/制御回路15からのAE制御信号は、撮像レンズ10、CCD11及び撮像回路12に供給される。AE演算/制御回路15からの制御信号がタイミング発生器17に供給されて、タイミング発生器17より各種のタイミング信号が発生せしめられ、その発生せしめられたタイミング信号が、CCD11及びAE演算/制御回路15に供給される。
【0029】
撮像回路12の出力信号が積分回路13に供給され、その積分出力が、AWB(Auto White Balance:自動ホワイトバランス)演算/制御回路16に供給される。AWB演算/制御回路16からの制御信号は、信号処理回路14、積分回路13及びスミア量算出回路21に供給される。スミア量算出回路21よりのスミア量信号がAWB演算/制御回路16に供給される。積分回路13よりの積分出力がAE演算/制御回路15に供給されると共に、AE演算/制御回路15からの制御信号が積分回路13に供給される。積分回路13、AE演算/制御回路15、AWB演算/制御回路16、タイミング発生器17、スミア検出回路20及びスミア量算出回路21にて、積分演算制御系が構成される。尚、図示を省略するも、積分演算制御系には、自動合焦演算/制御回路も設けられる。
【0030】
信号処理回路14よりの映像信号が表示系18に供給されて映像が表示されると共に、その映像信号が記録系19に供給されて、外部記録媒体に記録される。
【0031】
次に、図1のカメラ装置の撮像時の動作を説明する。CCD(イメージャ)11の前面には原色フィルタ(図示せず)が装着され、被写体の光像は撮像レンズ10及び原色フィルタを経て、CCD11の撮像面に入射される。原色フィルタは、赤、緑及び青のフィルタ部がモザイク状に配列された光学フィルタである。又、この原色フィルタの代わりに、イエロー、シアン、マゼンタ及びグリーンのフィルタ部がモザイク状に配列された補色系光学フィルタを用いてもよい。
【0032】
CCD11は、レンズ10を経て入射される被写体の光像に光電変換を施して撮像信号(電荷)を生成し、生成された撮像信号はラスタスキャン方式で出力される。出力された撮像信号は、撮像回路12に供給されて、CDS回路によるノイズ除去、AGC回路によるゲイン調整が行われた後、A/D変換器に供給されて、アナログ撮像信号がデジタル撮像信号(撮像データ)に変換される。
【0033】
信号処理回路14は、撮像回路12から出力された撮像データに対し、ガンマ処理、色分離処理、4:2:2の比率によるYUV変換などの信号処理を施して、輝度信号データ及びクロマ信号データからなる画像データを作成する。
【0034】
信号処理回路14からの画像データは、LCD(Liquid Crystal Displey: 液晶表示装置)等の表示系18に供給されて画像表示が行われると共に、記録系19に供給されて、メモリースティック等の外部記録媒体に記録される。
【0035】
次に、積分演算制御系の動作について説明する。撮影系の撮像回路12から出力されたデジタル映像信号は、本線系の信号処理回路14に供給されると共に、積分回路13に供給される。この積分回路13は、1画面分における露出検出エリア部分のデジタル信号を積分して被写体の明るさに対応した自動露光調節(AE)を行うための自動露光調節積分値の信号を生成し、この信号がAE演算/制御回路15に供給される。又、積分回路13は、1画面分におけるR(赤)、G(緑)、及びB(青)の3色の色情報検出エリア部分のデジタル信号を積分して被写体の色情報に対応した自動ホワイトバランス制御を行うための自動ホワイトバランス制御積分値の信号を生成し、この信号がAWB演算/制御回路16に供給される。以上の露出検出エリアおよび色情報検出エリアは、それぞれ複数ずつ用意されることもある。
【0036】
AE演算/制御回路15は、タイミング発生器17からのタイミング信号に同期して、記録系19で画像記録を行う際に適正な明るさ及び露光量になるようにレンズ10のレンズ絞り手段のレンズ絞り値、CCD11の電子シャッタの電子シャッタスピードを制御する。又、AE演算/制御回路15は撮像回路12内のAGC回路のゲイン制御及び積分回路13の積分動作の制御をも行う。
【0037】
AWB演算/制御回路16は、タイミング発生器17からのタイミング信号に同期して、記録系19で画像記録を行う際に適正なホワイトバランスになるように信号処理回路14のR(赤)信号のゲインおよびB(青)信号のゲインを制御する。
【0038】
次に、スミア検出回路20の動作について説明する。ここで、図2を参照するに、図2はCCD11の受光面の領域を示し、その垂直OB(オプティカルブラック:光学黒)2にスミア検出枠3を設けている。スミア検出枠3は,入射有効領域5の外の遮光された画素領域である垂直OP(オプティカルブラック:光学的黒)2の出力レベルを検出する領域である。ここでは、スミア検出枠3は、CCD11の入射有効領域の上側に設けているが、入射有効領域5の下側に設けても良い。尚、4は、水平OBである。
【0039】
スミア検出回路20は、スミア検出枠3の画素領域に出力される信号レベルが所定のしきい値内にある場合、即ち、第1のしきい値レベルより大きく、第2のしきい値レベルより小さい場合にスミアを検出する。言い換えれば、スミア検出枠3の画素領域に出力される信号レベルが、第1のしきい値レベル以下、又は、第2のしきい値レベル以上のときは、スミアは発生していないものと見なされる。
【0040】
それと同時に、スミアを検出した時に、スミア量算出モードをONにすることで、スミア量算出回路21を動作状態にする。スミアを検出しないときは、スミア量算出モードをOFFにし、スミア量算出回路21を動作させない。
【0041】
即ち、ここでの、スミア検出回路20は、スミア量の算出を行うか否かの判定手段である。尚、スミア検出回路20において、スミア量の積分、スミア量の計数を行わせるようにしても良い。
【0042】
以下に、デジタルスチルカメラの電子シャッタ/自動露光調節/AGCの撮像デバイス制御系のスミア量算出について説明する。スミア量算出モードがONのときの、スミア量算出手段21によるスミア量の算出の仕方の例を、図3のフローチャートを参照して説明する。ステップST−1では、現在の電子シャッタのシャッタ速度、レンズ絞りの絞り、即ち、レンズのF値並びに赤信号、緑信号及び青信号の積分値R、G、Bを測定し、その後自動露出調節(AE)制御を固定する。シャッタ速度は、例えば、1/500(秒)、F値は、例えば、5.6であった。赤信号、緑信号及び青信号の積分値(相対値)R、G、Bは、それぞれ、例えば、R=105、G=205、B=57.5でる。
【0043】
ステップST−2では、AGCゲインを固定し、電子シャッタのシャッタ速度をステップST−1の場合の1/2倍にし、F値を1絞り開けて、自動露出調節を固定し、そのときの赤信号、緑信号及び青信号の積分値R′、G′、B′を測定する。シャッタ速度は1/1000(秒)、F値は4.0になる。R、G、Bは、それぞれ、例えば、R=125、G=230、B=72.5である。
【0044】
ステップST−3では、ステップST−1及び2によって測定された赤信号、緑信号及び青信号の積分値R、G、B及びR′、G′、B′を基にして、次に示す数1の式{図3では、(α)}から、スミア量xを算出する。
【0045】
【数1】
(R−x):(G−x):(B−x)=(R′−2x):(G′−2x):(B′−2x)
【0046】
上述において、自動露出調節の固定時に、電子シャッタのシャッタ速度を1/2にしても、スミア量が変わらない。その後、F値を1絞り開けると、スミア量は、元の2倍になる。
【0047】
これは、スミアがCCD11の内部の垂直レジスタ(垂直転送路中)で発生しており、センサー部とは関係がないため、レンズ絞りによる、CCDセンサー表面に注がれる入射光量のみに依存するからである。
【0048】
ステップST−2で、自動露出調節制御の固定時に、電子シャッタのシャッタ速度を1/2にし、F値を1絞り開ける動作を行っても、被写体の有効信号成分はステップST−1と同じであるので、撮影上、不都合は発生しない。
【0049】
ステップST−3におけるスミア量xの算出は、上述の数1の式から算出され、それぞれ次に数2〜数4の式によって表される。
【0050】
【数2】
x=(R′・G−R・G′)/(R′+2G−2R−G′)
【0051】
【数3】
x=(B′・G−B・G′)/(B′+2G−2B−G′)
【0052】
【数4】
x=(R′・B−R・B′)/(R′+2B−2R−B′)
【0053】
この数2〜4のスミア量の式は、同じ被写体を写している間は、ステップST−1での積分値R、G、Bの比率と、ステップST−2での積分値R′、G′、B′の比率が同じであるために、スミア量を求めることができる。
【0054】
次に、数1の式から、数2の式のスミア量xの誘導の仕方を以下の数5の式に示す。
【0055】
【数5】
(R−x)/(G−x)=(R′−2x)/(G′−2x)
(R−x)・(G′−2x)=(R′−2x)・(G−x)
R・G′−2R・x−G′・x+2x2 =R′・G−R′・x
−2G・x+2x2
R・G′−2R・x−G′・x=R′・G−R′・x−2G・x
R′・x+2G・x−2R・x−G′x=R′・G−R・G′
x・(R′+2G−2R−G′)=R′・G−R・G′
∴ x=(R′・G−R・G′)/(R′+2G−2R−G′)
【0056】
次に、数1の式から、数3の式のスミア量xの誘導の仕方を以下の数6の式に示す。
【0057】
【数6】
(B−x)/(G−x)=(B′−2x)/(G′−2x)
(B−x)・(G′−2x)=(B′−2x)・(G−x)
B・G′−2B・x−G′・x+2x2 =B′・G−B′・x
−2G・x+2x2
B・G′−2B・x−G′・x=B′・G−B′・x−2G・x
B′・x+2G・x−2B・x−G′・x=B′・G−B・G′
x・(B′+2G−2B−G′)=B′・G−B・G′
∴ x=(B′・G−B・G′)/(B′+2G−2B−G′)
【0058】
次に、数1の式から、数4の式のスミア量xの誘導の仕方を以下の数7の式に示す。
【0059】
【数7】
(B−x)/(R−x)=(B′−2x)/(R′−2x)
(R−x)・(B′−2x)=(R′−2x)・(B−x)
R・B′−2R・x−B′・x+2x2 =R′・B−R′・x
−2B・x+2x2
R・B′−2R・x−B′・x=R′・B−R′・x−2B・x
R′x+2B・x−2R・x−B′x=R′・B−R・B′
x・(R′+2B−2R−B′)=R′・B−R・B′
∴ x=(R′・B−R・B′)/(R′+2B−2R−B′)
【0060】
スミア量算出回路21は、以上の算出式で求めたスミア量x を出力し、AE演算/制御回路15へ送られる。AE演算/制御回路15は、AE積分値からスミア量xを差し引くことにより、スミア量の影響を受けないAE制御を精度を損なわずに行うことができる。
【0061】
又、算出されたスミア量xは、AWB演算/制御回路16へ供給される。AWB演算/制御回路16は、AWB積分値からスミア量xを差し引くことにより、スミアの影響を受けないAWB制御を精度を損なわずに行うことができる。
【0062】
測色を多分割エリア毎に行う場合は、スミアを検出して、スミア量算出をそのエリア毎に行うことにより、どのエリアにスミアが生じているかを判断することができる。この場合、スミア検出エリアを避けて、AE制御及びAWB制御を行うこともできる。
【0063】
上述の実施の形態では、デジタルスチルカメラ装置の例について述べたが、デジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置及びデジタルスチルカメラを有する情報端末装置にも本発明を適用することができる。
【0064】
本発明は、AE制御及びAWB制御のみならず、AF(自動合焦)制御にも適用することができる。
【0065】
以下に、カメラ信号処理系のスミア低減について説明する。スミア量算出モードがONのときは、スミア量算出手段21によって、図4のフローチャートに示すように、スミア量の算出が行われる。ステップST−11では、現在の電子シャッタのシャッタ速度、レンズ絞り手段の絞り値、即ち、レンズのF値並びに赤信号、緑信号及び青信号の積分値R、G、Bを測定し、その後自動露出調節(AE)制御を固定する。このときのシャッタ速度は、例えば、1/500(秒)、F値は、例えば、5.6である。赤信号、緑信号及び青信号の積分値(相対値)R、G、Bは、それぞれ、例えば、R=125、G=230、B=72.5である。
【0066】
ステップST−12では、AGCゲインを固定し、電子シャッタのシャッタ速度をステップST−11の場合の2倍にし、F値を1絞り絞って、自動露出調節(AE)制御を固定し、そのときの赤信号、緑信号及び青信号の積分値R′、G′、B′を測定する。このときのシャッタ速度は1/250(秒)、F値は8.0である。R′、G′、B′は、それぞれ、例えば、R′=105、G′=205、B′=57.5である。
【0067】
ステップST−13では、ステップST−11及び12によって測定された赤信号、緑信号及び青信号の積分値R、G、B及びR′、G′、B′を基にして、次に示す数1の式{図4では、(β)}から、スミア量xを算出する。
【0068】
【数8】
(R−x):(G−x):(B−x)=(R′−x/2):(G′−x/2):(B′−x/2)
【0069】
上述において、自動露出調節制御の固定時に、電子シャッタのシャッタ速度を2倍にしても、スミア量が変わらない。その後、F値を1絞り絞ると、スミア量は、元の1/2になる。
【0070】
これは、スミアがCCD11の内部の垂直レジスタ(垂直転送路中)で発生しており、センサー部とは関係がないため、レンズ絞りによる、CCDセンサの表面に注がれる入射光量のみに依存するからである。
【0071】
ステップST−12で、自動露出調節制御の固定時に、電子シャッタのシャッタ速度を2倍にし、F値を1絞り絞る動作を行っても、被写体の有効信号成分はステップST−11と同じであるので、撮影上、不都合は生じない。
【0072】
ステップST−13におけるスミア量xの算出は、上述の数8の式から算出され、それぞれ次の数9〜数11の式によって表される。
【0073】
【数9】
x=(R′・G−R・G′)/(R′+G/2−R/2−G′)
【0074】
【数10】
x=(B′・G−B・G′)/(B′+G/2−B/2−G′)
【0075】
【数11】
x=(R′・B−R・B′)/(R′+B/2−R/2−B′)
【0076】
この数9〜11のスミア量の式は、同じ被写体を写している間は、ステップST−11での積分値R、G、Bの比率と、ステップST−12での積分値R′、G′、B′の比率が同じであるために、スミア量を求めることができる。
【0077】
次に、数8の式から、数9の式のスミア量xの誘導の仕方を以下の数12の式に示す。
【0078】
【数12】
(R−x)/(G−x)=(R′−x/2)/(G′−x/2)
(R−x)・(G′−x/2)=(R′−x/2)・(G−x)
R・G′−R・x/2−G′・x+x2 /2=R′・G−R′・x
−G・x/2+x2 /2
R・G′−R・x/2−G′・x=R′・G−R′・x−G・x/2
R′・x+G・x/2−R・x/2−G′x=R′・G−R・G′
x・(R′+G/2−R/2−G′)=R′・G−R・G′
∴ x=(R′・G−R・G′)/(R′+G/2−R/2−G′)
【0079】
次に、数8の式から、数10の式のスミア量xの誘導の仕方を以下の数13の式に示す。
【0080】
【数13】
(B−x)/(G−x)=(B′−x/2)/(G′−x/2)
(B−x)・(G′−x/2)=(B′−x/2)・(G−x)
(B・G′−B・x/2−G′・x+x2 /2=B′・G−B′・x
−G・x/2+x2 /2
B・G′−B・x/2−G′・x=B′・G−B′・x−G・x/2
B′・x+G・x/2−B・x/2−G′・x=B′・G−B・G′
x・(B′+G/2−B/2−G′)=B′・G−B・G′
∴ x=(B′・G−B・G′)/(B′+G/2−B/2−G′)
【0081】
次に、数8の式から、数11の式のスミア量xの誘導の仕方を以下の数14の式に示す。
【0082】
【数14】
(B−x)/(R−x)=(B′−x/2)/(R′−x/2)
(R−x)・(B′−x/2)=(R′−x/2)・(B−x)
R・B′−R・x/2−B′・x+x2 /2=R′・B−R′.x
−B・x/2+x2 /2
R・B′−R・x/2−B′・x=R′・B−R′・x−B・x/2
R′x+B・x/2−R・x/2−B′x=R′・B−R・B′
x・(R′+B/2−R/2−B′)=R′・B−R・B′
∴ x=(R′・B−R・B′)/(R′+B/2−R/2−B′)
【0083】
スミア量算出回路21は、以上の算出式で求めたスミア量x を出力し、AE演算/制御回路15へ送られる。AE演算/制御回路15は、スミア量x が小さくなるまで、同じ露光量のままで、電子シャッタスピードを2倍にし、レンズ絞りを1絞り絞っていくことを繰り返して行く。
【0084】
その繰り返し条件は次の通りである。
(1)スミア量が所定値以下になるまで、
(2)レンズ絞り値が、小絞りボケを生じる直前まで、
(3)電子シャッタのシャッタスピードが、スローシャッタに入る直前まで、の3つの条件のうち、いずれかの条件を満たさなくなるまで行われる。これらの条件をつけなくても良い場合もある。また、これらの条件に、ある所定の条件を追加することも可能である。
【0085】
ここで、条件(1)における所定値とは、モニタ画面上の映像信号のスミア成分が目立たなくなる値を言う。
又、条件(2)の小絞りボケは、レンズ絞りを例えばピンホール状態まで絞ったときに、回折現象が発生して、画像に生じるボケのことを言い、それを避けるために、小絞りボケの直前までレンズ絞りを絞るようにする。
尚、小絞りボケの発生を遅らせるために、光量を減らすND(Neutral Density) フィルタを併用しても良い。
更に、条件(3)については、電子シャッタスピードがスローシャッタ範囲に入ると、画像ブレを起こしやすくなって画像劣化を生じるので、スローシャッタに入る直前まで電子シャッタスピードを遅らせるようにする。
以上により、スミア量が完全になくならないまでも、かなりの割合でスミア成分を低減できるので、カメラ映像信号の画質劣化を抑えることが出来る。
【0086】
以上の構成により、垂直OPの暗電流の変化や暗ノイズの挙動、垂直OPの欠陥画素の対策を行わなくて済むので、大きな回路規模を必要とせず、消費電力を抑えることが出来る。また、飽和レベルに達していない弱いスミア現象が発生しても正確にスミア量を算出してカメラ映像信号のスミア成分を低減し、カメラ映像信号の画質劣化を抑えることが出来る。
【0087】
【発明の効果】
第1の発明によれば、撮像手段と、電子シャッタと、レンズ絞り手段と、撮像手段よりの撮像信号からスミアを検出するスミア検出手段と、電子シャッタに対する電子シャッタスピード測定/制御手段と、レンズ絞り手段に対するレンズ絞り値測定/制御手段と、電子シャッタスピード測定/制御手段及びレンズ絞り値測定/制御手段を制御する自動露光調節制御手段と、撮像手段よりの撮像信号の利得を自動制御する自動利得制御手段と、スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、電子シャッタスピード測定/制御手段及びレンズ絞り値測定/制御手段によって、電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及びレンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、自動露光調節制御手段を固定状態にして、撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定する第1の色情報積分値測定手段と、自動利得制御手段の利得を固定した状態で、第1の電子シャッタスピード及び第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、電子シャッタスピード測定/制御手段によって、電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に速くし、その分だけ、レンズ絞り値測定/制御手段によって、レンズ絞り手段のレンズ絞りを開けると共に、自動露光調節制御手段を固定状態にして、測色エリアで、赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定する第2の色情報積分値測定手段と、第1及び第2の色情報積分値測定手段による赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出するスミア量算出手段とを有するので、垂直オプティカルブラックの暗電流の変化や暗ノイズの挙動、垂直オプティカルブラックの欠陥画素の対策を行わずに、飽和レベルに達していない弱いスミア現象が発生しても正確にスミア量を算出し、スミアの影響を受けない自動露出調節制御及び自動ホワイトバランス制御を実現することのできるデジタルスチルカメラ装置を得ることができる。
【0088】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するので、第1の発明と同様の効果の得られるデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置を得ることができる。
【0089】
第3の発明によれば、第1の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するので、第1の発明と同様の効果の得られるデジタルスチルカメラを有する情報端末装置を得ることができる。
【0090】
第4の発明によれば、第1の発明のデジタルスチルカメラ装置において、両測定/制御手段は、自動露光調節状態の積分値から、スミア量算出手段によって算出されたスミア量を差し引いて自動露光調節し、自動ホワイトバランス調整量の積分値から、スミア量算出手段によって算出されたスミア量を差し引いて自動ホワイトバランス調整を行うようにしたので、第1の発明の効果に加えて、垂直オプティカルブラックの暗電流の変化や暗ノイズの挙動、垂直オプティカルブラックの欠陥画素の対策を行わずに、飽和レベルに達していない弱いスミア現象が発生しても正確にスミア量を算出し、スミアの影響を受けない自動露出調節制御および自動ホワイトバランス制御を実現することのできるデジタルスチルカメラ装置を得ることができる。
【0091】
第5の発明によれば、第4の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するので、第4の発明と同様の効果の得られるデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置を得ることができる。
【0092】
第6の発明によれば、第4の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するので、第4の発明と同様の効果の得られるデジタルスチルカメラを有する情報端末装置を得ることができる。
【0093】
第7の発明によれば、撮像手段と、電子シャッタと、レンズ絞り手段と、撮像手段よりの撮像信号からスミアを検出するスミア検出手段と、電子シャッタに対する電子シャッタスピード測定/制御手段と、レンズ絞り手段に対するレンズ絞り値測定/制御手段と、電子シャッタスピード測定/制御手段及びレンズ絞り値測定/制御手段を制御する自動露光調節制御手段と、撮像手段よりの撮像信号の利得を自動制御する自動利得制御手段と、スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、電子シャッタスピード測定/制御手段及びレンズ絞り値測定/制御手段によって、電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及びレンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、自動露光調節制御手段を固定状態にして、撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定する第1の色情報積分値測定手段と、自動利得制御手段の利得を固定した状態で、第1の電子シャッタスピード及び第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、電子シャッタスピード測定/制御手段によって、電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に遅くし、その分だけ、レンズ絞り値測定/制御手段によって、レンズ絞り手段のレンズ絞りを絞ると共に、自動露光調節制御手段を固定状態にして、測色エリアで、赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定する第2の色情報積分値測定手段と、第1及び第2の色情報積分値測定手段による赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出するスミア量算出手段とを有するので、垂直オプティカルブラックの暗電流の変化や暗ノイズの挙動、垂直オプティカルブラックの欠陥画素の対策を行わずに、飽和レベルに達していない弱いスミア現象が発生しても正確にスミア量を算出し、カメラ映像信号に含まれるスミア成分を低減することのできるデジタルスチルカメラ装置を得ることができる。
【0094】
第8の発明によれば、第7の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するので、第4の発明と同様の効果の得られるデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置を得ることができる。
【0095】
第9の発明によれば、第7の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するので、第7の発明と同様の効果の得られるデジタルスチルカメラを有する情報端末装置を得ることができる。
【0096】
第10の発明によれば、第7の発明のデジタルスチルカメラ装置において、電子シャッタスピード測定/制御手段は、スミア量算出手段によって算出されたスミア量が小さくなるまで、同じ露光量のままで、電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に遅くすると共に、レンズ絞り値測定/制御手段は、レンズ絞り手段のレンズ絞りをその分だけ絞っていき、これを繰り返すようにしたので、垂直オプティカルブラックの暗電流の変化や暗ノイズの挙動、垂直オプティカルブラックの欠陥画素の対策を行わずに、飽和レベルに達していない弱いスミア現象が発生しても正確にスミア量を算出し、カメラ映像信号に含まれるスミア成分を頗る確実に低減することのできるデジタルスチルカメラ装置を得ることができる。
【0097】
第11の発明によれば、第10の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するので、第10の発明と同様な効果の得られるデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置を得ることができる。
【0098】
第12の発明によれば、第10の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するので、第10の発明と同様な効果の得られるデジタルスチルカメラを有する情報端末装置を得ることができる。
【0099】
第13の発明によれば、第1の発明のデジタルスチルカメラ装置において、両測定/制御手段は、多分割測色を行う手段と、スミア量算出手段によるスミア量算出を、多分割測色の各エリア毎に行うスミア検出エリアを特定するスミア検出エリア特定手段とを含むので、第1の発明の効果に加えて、いずれのエリアにスミアが生じているかを、判断することのできるデジタルスチルカメラ装置を得ることができる。
【0100】
第14の発明によれば、第13の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するので、第13の発明と同様の効果の得られるデジタルスチルカメラを有するビデオカメラ装置を得ることができる。
【0101】
第15の発明によれば、第13の発明と同様の構成のデジタルスチルカメラを有するので、第13の発明と同様の効果の得られるデジタルスチルカメラを有する情報端末装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のデジタルスチルカメラ装置の一例を示すブロック線図である。
【図2】図1のデジタルスチルカメラ装置に使用される撮像手段としてのCCDの受光面の領域の例を示す線図である。
【図3】本発明の実施の形態のデジタルスチルカメラ装置におけるスミア量算出のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態のデジタルスチルカメラ装置におけるスミア量算出のフローチャートである。
【符号の説明】
10 撮像レンズ、11 CCD、12 撮像回路、13 積分回路、14 信号処理回路、15 AE演算/制御回路、16 AWB演算/制御回路、17タイミング発生器、18 表示系、19 記録系、20 スミア検出回路、21 スミア量検出回路。
Claims (15)
- 撮像手段と、
電子シャッタと、
レンズ絞り手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号からスミアを検出するスミア検出手段と、
上記電子シャッタに対する電子シャッタスピード測定/制御手段と、
上記レンズ絞り手段に対するレンズ絞り値測定/制御手段と、
上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段を制御する自動露光調節制御手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号の利得を自動制御する自動利得制御手段と、
上記スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及び上記レンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定する第1の色情報積分値測定手段と、
上記自動利得制御手段の利得を固定した状態で、上記第1の電子シャッタスピード及び上記第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、上記電子シャッタスピード測定/制御手段によって、上記電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に速くし、その分だけ、上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記レンズ絞り手段のレンズ絞りを開けると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記測色エリアで、上記赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定する第2の色情報積分値測定手段と、
上記第1及び第2の色情報積分値測定手段による上記赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出するスミア量算出手段とを有することを特徴とするデジタルスチルカメラ装置。 - 撮像手段と、
電子シャッタと、
レンズ絞り手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号からスミアを検出するスミア検出手段と、
上記電子シャッタに対する電子シャッタスピード測定/制御手段と、
上記レンズ絞り手段に対するレンズ絞り値測定/制御手段と、
上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段を制御する自動露光調節制御手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号の利得を自動制御する自動利得制御手段と、
上記スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及び上記レンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定する第1の色情報積分値測定手段と、
上記自動利得制御手段の利得を固定した状態で、上記第1の電子シャッタスピード及び上記第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、上記電子シャッタスピード測定/制御手段によって、上記電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に速くし、その分だけ、上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記レンズ絞り手段のレンズ絞りを開けると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記測色エリアで、上記赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定する第2の色情報積分値測定手段と、
上記第1及び第2の色情報積分値測定手段による上記赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出するスミア量算出手段とを備えるデジタルスチルカメラを有することを特徴とするビデオカメラ装置。 - 撮像手段と、
電子シャッタと、
レンズ絞り手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号からスミアを検出するスミア検出手段と、
上記電子シャッタに対する電子シャッタスピード測定/制御手段と、
上記レンズ絞り手段に対するレンズ絞り値測定/制御手段と、
上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段を制御する自動露光調節制御手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号の利得を自動制御する自動利得制御手段と、
上記スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及び上記レンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定する第1の色情報積分値測定手段と、
上記自動利得制御手段の利得を固定した状態で、上記第1の電子シャッタスピード及び上記第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、上記電子シャッタスピード測定/制御手段によって、上記電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に速くし、その分だけ、上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記レンズ絞り手段のレンズ絞りを開けると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記測色エリアで、上記赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定する第2の色情報積分値測定手段と、
上記第1及び第2の色情報積分値測定手段による上記赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出するスミア量算出手段とを備えるデジタルスチルカメラを有することを特徴とする情報端末装置。 - 撮像手段と、
電子シャッタと、
レンズ絞り手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号からスミアを検出するスミア検出手段と、
上記電子シャッタに対する電子シャッタスピード測定/制御手段と、
上記レンズ絞り手段に対するレンズ絞り値測定/制御手段と、
上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段を制御する自動露光調節制御手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号の利得を自動制御する自動利得制御手段と、
上記スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及び上記レンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定する第1の色情報積分値測定手段と、
上記自動利得制御手段の利得を固定した状態で、上記第1の電子シャッタスピード及び上記第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、上記電子シャッタスピード測定/制御手段によって、上記電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に遅くし、その分だけ、上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記レンズ絞り手段のレンズ絞りを絞ると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記測色エリアで、上記赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定する第2の色情報積分値測定手段と、
上記第1及び第2の色情報積分値測定手段による上記赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出するスミア量算出手段とを有することを特徴とするデジタルスチルカメラ装置。 - 撮像手段と、
電子シャッタと、
レンズ絞り手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号からスミアを検出するスミア検出手段と、
上記電子シャッタに対する電子シャッタスピード測定/制御手段と、
上記レンズ絞り手段に対するレンズ絞り値測定/制御手段と、
上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段を制御する自動露光調節制御手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号の利得を自動制御する自動利得制御手段と、
上記スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及び上記レンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定する第1の色情報積分値測定手段と、
上記自動利得制御手段の利得を固定した状態で、上記第1の電子シャッタスピード及び上記第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、上記電子シャッタスピード測定/制御手段によって、上記電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に遅くし、その分だけ、上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記レンズ絞り手段のレンズ絞りを絞ると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記測色エリアで、上記赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定する第2の色情報積分値測定手段と、
上記第1及び第2の色情報積分値測定手段による上記赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出するスミア量算出手段とを備えるデジタルスチルカメラを有することを特徴とするビデオカメラ装置。 - 撮像手段と、
電子シャッタと、
レンズ絞り手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号からスミアを検出するスミア検出手段と、
上記電子シャッタに対する電子シャッタスピード測定/制御手段と、
上記レンズ絞り手段に対するレンズ絞り値測定/制御手段と、
上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段を制御する自動露光調節制御手段と、
上記撮像手段よりの撮像信号の利得を自動制御する自動利得制御手段と、
上記スミア検出手段によって、スミアを検出したときに、上記電子シャッタスピード測定/制御手段及び上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記電子シャッタの第1の電子シャッタスピード及び上記レンズ絞り手段の第1のレンズ絞り値を測定すると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記撮像手段の有効画素領域の所定の測色エリアで、それぞれ赤、緑並びに青の第1の色情報積分値を測定する第1の色情報積分値測定手段と、
上記自動利得制御手段の利得を固定した状態で、上記第1の電子シャッタスピード及び上記第1のレンズ絞り値のときの露光量と同じ露光量になるように、上記電子シャッタスピード測定/制御手段によって、上記電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に遅くし、その分だけ、上記レンズ絞り値測定/制御手段によって、上記レンズ絞り手段のレンズ絞りを絞ると共に、上記自動露光調節制御手段を固定状態にして、上記測色エリアで、上記赤、緑並びに青の第2の色情報積分値を測定する第2の色情報積分値測定手段と、
上記第1及び第2の色情報積分値測定手段による上記赤、緑並びに青の第1及び第2の色情報積分値から、スミア量を算出するスミア量算出手段とを備えるデジタルスチルカメラを有することを特徴とする情報端末装置。 - 請求項1に記載のデジタルスチルカメラ装置において、
上記両測定/制御手段は、自動露光調節状態の積分値から、上記スミア量算出手段によって算出されたスミア量を差し引いて自動露光調節し、自動ホワイトバランス調整量の積分値から、上記スミア量算出手段によって算出されたスミア量を差し引いて自動ホワイトバランス調整を行うようにしたことを特徴とするデジタルスチルカメラ装置。 - 請求項2に記載のビデオカメラ装置において、
上記両測定/制御手段は、自動露光調節状態の積分値から、上記スミア量算出手段によって算出されたスミア量を差し引いて自動露光調節し、自動ホワイトバランス調整量の積分値から、上記スミア量算出手段によって算出されたスミア量を差し引いて自動ホワイトバランス調整を行うようにしたことを特徴とするビデオカメラ装置。 - 請求項3に記載の情報端末装置において、
上記両測定/制御手段は、自動露光調節状態の積分値から、上記スミア量算出手段によって算出されたスミア量を差し引いて自動露光調節し、自動ホワイトバランス調整量の積分値から、上記スミア量算出手段によって算出されたスミア量を差し引いて自動ホワイトバランス調整を行うようにしたことを特徴とする情報端末装置。 - 請求項4に記載のデジタルスチルカメラ装置において、
上記電子シャッタスピード測定/制御手段は、上記スミア量算出手段によって算出されたスミア量が小さくなるまで、同じ露光量のままで、上記電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に遅くすると共に、その分だけ、上記レンズ絞り値測定/制御手段は、上記レンズ絞り手段のレンズ絞りを絞っていき、これを繰り返すようにしたことを特徴とするデジタルスチルカメラ装置。 - 請求項5に記載のビデオカメラ装置において、
上記電子シャッタスピード測定/制御手段は、上記スミア量算出手段によって算出されたスミア量が小さくなるまで、同じ露光量のままで、上記電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に遅くすると共に、その分だけ、上記レンズ絞り値測定/制御手段は、上記レンズ絞り手段のレンズ絞りを絞っていき、これを繰り返すようにしたことを特徴とするビデオカメラ装置。 - 請求項6に記載の情報端末装置において、
上記電子シャッタスピード測定/制御手段は、上記スミア量算出手段によって算出されたスミア量が小さくなるまで、同じ露光量のままで、上記電子シャッタの電子シャッタスピードを所定量に遅くすると共に、その分だけ、上記レンズ絞り値測定/制御手段は、上記レンズ絞り手段のレンズ絞りを絞っていき、これを繰り返すようにしたことを特徴とする情報端末装置。 - 請求項1に記載のデジタルスチルカメラ装置において、
上記両測定/制御手段は、
多分割測色を行う手段と、
上記スミア量算出手段によるスミア量算出を、多分割測色の各エリア毎に行うスミア検出エリアを特定するスミア検出エリア特定手段とを含むことを特徴とするデジタルスチルカメラ装置。 - 請求項2に記載のビデオカメラ装置において、
上記両測定/制御手段は、
多分割測色を行う手段と、
上記スミア量算出手段によるスミア量算出を、多分割測色の各エリア毎に行うスミア検出エリアを特定するスミア検出エリア特定手段とを含むことを特徴とするビデオカメラ装置。 - 請求項3に記載の情報端末装置において、
上記両測定/制御手段は、
多分割測色を行う手段と、
上記スミア量算出手段によるスミア量算出を、多分割測色の各エリア毎に行うスミア検出エリアを特定するスミア検出エリア特定手段とを含むことを特徴とする情報端末装置。
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