JP3788334B2 - 半導体装置の異常検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイリスタやトライアック、IGBTなどの電力半導体を用いて負荷に電力を供給する半導体装置の劣化具合を自己診断し、寿命を予告し、また、誤使用を検出し、この寿命と誤使用をユーザに知らせる半導体装置の異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力制御に用いられる半導体素子は、通電電流が大きいためワイヤーボンディングなどで実装されず、水素炉等でベアチップ素子の一方及び他方の面部に銅やモリブデンなどの素子電極が半田付けされた電力半導体(サブリスクリート品)が半導体装置に実装される。
【0003】
そして、電力用途である故、受ける電気的、熱的、機械的ストレスも大きく半導体装置の寿命は電力半導体の寿命と言っても過言ではない。
【0004】
この電力用半導体は、前述したとおり電気的、熱的、機械的ストレスのために、使用期間が長くなるにつれて、半導体素子と素子電極間の接合用の半田が経年劣化する。特に、保証値外の周囲温度や通電電流で使用されると半田劣化が加速される。この半田劣化が進行するとクラックが生じ、その結果、放熱性が悪くなり、さらに半田劣化を加速させる。
【0005】
最終的には、半田クラックが拡大して半導体素子と素子電極の接合が外れ、この時、電流が流れていると瞬間にアークが発生し、その熱で周囲を焼損させることもあり得る。
【0006】
従来の半導体装置の異常検出装置として、例えば半導体素子の異常温度上昇を知らせるサーモラベルが使用されているし、また、その他の従来の技術としては、特開平8−126337号公報及び特開平9−236518号公報に開示された技術がある。
【0007】
特開平8−126337号公報の開示技術は、寿命を判定するために、電流検出、放熱フィン温度検出、素子温度推定部、熱ストレス回数演算部など寿命判定のための回路を用いて、オン時に流れる電流と発熱した半導体素子の熱伝達量より半導体素子の劣化の診断を行っている。
【0008】
また、特開平9−236518号公報の開示技術は、放熱フィンに取り付けたコンデンサの温度特性を利用して発振器の周波数を変え、周波数を電圧に変換し、あらかじめ記憶した判定基準電圧と比較し劣化判定する回路を備えていて、オン時に流れる電流と発熱した半導体素子の熱伝達量より半導体素子の劣化の診断を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の半導体装置の異常検出装置としてのサーモラベルの場合には、半導体装置が制御盤内に取り付けられた状態では、サーモラベルの点検は殆ど行われていない。
【0010】
また、特開平8−126337号公報の開示技術は、寿命を判定するために、電流検出、放熱フィン温度検出、素子温度推定部、熱ストレス回数演算部など寿命判定のための回路規模が大きくなるという問題点があった。
【0011】
また、特開平9−236518号公報の開示技術についても、放熱フィンに取り付けたコンデンサの温度特性を利用して発振器の周波数を変え、周波数を電圧に変換し、あらかじめ記憶した判定基準電圧と比較し劣化判定する回路が必要であり、回路規模が大きくなるという問題点があった。
【0012】
また、半導体素子の温度を直接計測せず、放熱フィンの温度を利用しているために、周囲環境によっては正しい素子温度が得られず、正しい判定ができないという問題点があった。
【0013】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであって、その第1の目的とするところは、電力半導体における半田劣化を簡単に且つ精度よく検出することができて、半導体装置の寿命の正しい予告が可能になり、この寿命の予告を、例えばユーザに知らせることができる半導体装置の異常検出装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の異常検出装置は、半導体素子に一方及び他方の素子電極を半田付けして構成される電力半導体を有する半導体装置の異常検出装置であって、電力半導体のオン作動時における一方及び他方の素子電極近傍の温度のそれぞれを熱電対で測定して電力半導体の検出温度として検出する温度検出手段と、検出温度を判定基準値と比較することで半田の劣化による電力半導体の寿命を判定して半導体装置の寿命予告を行う判定手段と、寿命予告を寿命予告信号として出力する出力手段とを備えたものである。
【0016】
かかる構成により、判定手段は、温度検出手段が検出した検出温度を判定基準値と比較して、検出温度が判定基準値を越えた場合に、電力半導体に半田劣化があって半導体装置の寿命が短いと判定することが可能になり、この判定結果に基づいて半導体装置の寿命予告信号を出力することができる。
【0017】
特に、二対の熱電対を用いて電力半導体の一方及び他方の素子電極近傍の温度を測定しているために、半田クラックが一方及び他方の素子電極側のどちらに生じても、電力半導体の温度上昇や温度差のような検出温度を検出することができる。
【0018】
このために、電力半導体の一方及び他方の素子電極近傍の温度を定期的に検出することで、電力半導体における半田劣化を簡単に且つ精度よく検出することができて、半導体装置の寿命の正しい予告が可能になる。そして、この寿命の予告を、例えばユーザに知らせることは可能である。
【0019】
ここで、半導体素子とは、例えばベアチップ素子であり、一方の素子電極とは、例えば陽極であり、他方の素子電極とは、例えば陰極である。また、電力半導体とは、例えばサイリスタやトライアック、IGBTなどの開閉素子である。そして、半導体装置は、例えばトリガー回路、スナバ回路及び主開閉素子である電力半導体などから構成してある。
【0020】
そして、温度検出手段は、例えば一方及び他方の熱電対と一方及び他方の素子電極近傍温度測定部とで構成してあり、判定手段は、例えば判定部であり、出力手段とは、寿命予告信号を、例えば報知手段に送って、この報知手段を作動させるものである。また、半田の劣化とは半田に生じるクラックを含むものである。また、判定基準値とは、例えば半導体素子に一方及び他方の素子電極を接合した半田付け部にクラックなどがなく完全な接合状態での温度値である。
【0021】
また、上記の第1の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の異常検出装置は、半導体素子に一方及び他方の素子電極を半田付けして構成される電力半導体を有する半導体装置の異常検出装置であって、電力半導体のオン作動時における一方及び他方の素子電極近傍の温度のそれぞれを熱電対で測定して電力半導体の検出温度として検出する温度検出手段と、二対の熱電対のそれぞれの1本の導電線間の電圧から電力半導体のオン残電圧を検出するオン残電圧検出手段と、検出温度とオン残電圧との双方をそれぞれの判定基準値と比較することで半田の劣化による電力半導体の寿命を判定して半導体装置の寿命予告を行う判定手段と、寿命予告を寿命予告信号として出力する出力手段とを備えたものである。
【0022】
かかる構成により、判定手段が、温度検出手段が検出した検出温度とオン残電圧検出手段が検出したオン残電圧との双方が判定基準値を越えた場合に電力半導体において半田劣化があって半導体装置の寿命が短いと判定することが可能になり、この判定結果に基づいて半導体装置の寿命予告信号を出力することができる。このために、電力半導体における半田劣化を簡単に且つ精度よく検出することができる。
【0023】
また、電力半導体の一方及び他方の素子電極側のどちらの半田付け部分にクラックが生じて電流経路が狭まることで、オン残電圧の上昇がオン残電圧検出手段で検出でき、一方及び他方の素子電極近傍の温度とオン残電圧を定期的に検出することで、半導体装置の寿命を精度よく予告することができる。
【0024】
ここで、電力半導体のオン残電圧とは、電力半導体には抵抗分が存在しているために、電力半導体に電流が流れると発生する電圧のことである。そして、オン残電圧検出手段は、例えば一方の熱電対の一本の導電線と他方の熱電対の一本の導電線と、これらの導電線間の電圧を測定するオン残電圧測定部とより構成される。
【0025】
また、上記の第1の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の異常検出装置は、半導体素子に一方及び他方の素子電極を半田付けして構成される電力半導体を有する半導体装置の異常検出装置であって、一方の素子電極近傍に一方の熱電対の温度検出部を、他方の素子電極近傍に他方の熱電対の温度検出部をそれぞれ配置して、二対の熱電対のそれぞれの1本の導電線間の電圧から電力半導体のオン残電圧を検出するオン残電圧検出手段と、オン残電圧を判定基準値と比較することで半田の劣化による電力半導体の寿命を判定して半導体装置の寿命予告を行う判定手段と、寿命予告を寿命予告信号として出力する出力手段とを備えたものである。
【0026】
かかる構成により、判定手段が、オン残電圧が判定基準値を越えた場合に電力半導体において半田劣化があって半導体装置の寿命が短いと判定することが可能になり、この判定結果に基づいて半導体装置の寿命予告信号を出力することができる。このために、電力半導体における半田劣化を簡単に且つ精度よく検出することができる。
【0027】
また、電力半導体の一方及び他方の素子電極側のどちらの半田付け部分にクラックが生じて電流経路が狭まることで、オン残電圧の上昇がオン残電圧検出手段で検出でき、このオン残電圧を定期的に検出することで、半導体装置の寿命を精度よく予告することができる。
【0033】
また、本発明に係る半導体装置の異常検出装置は、上記した本発明に係る半導体装置の異常検出装置において、判定手段は、検出温度の測定開始時点から温度安定期に至る過渡期の温度上昇率が正常の温度上昇率より大きく且つ温度安定期の検出温度が正常の素子温度より高い場合及びオン残電圧検出手段が検出したオン残電圧が正常のオン残電圧より大きい場合の双方に寿命予告を行うものである。
【0034】
かかる構成により、検出温度の過渡期の温度上昇率が正常の温度上昇率より大きく且つ温度安定期の検出温度が正常の素子温度より高い場合及びオン残電圧検出手段が検出したオン残電圧が正常のオン残電圧より大きい場合に、電力半導体に半田劣化があると判定し、半導体装置の寿命予告を行うことができる。
【0035】
また、本発明に係る半導体装置の異常検出装置は、上記した本発明に係る半導体装置の異常検出装置において、判定手段は、オン残電圧検出手段が検出したオン残電圧が正常のオン残電圧より大きい場合に寿命予告を行うものである。
【0036】
かかる構成により、オン残電圧検出手段が検出したオン残電圧が正常のオン残電圧より大きい場合に、電力半導体に半田劣化があると判定し、半導体装置の寿命予告を行うことができる。
【0041】
また、本発明に係る半導体装置の異常検出装置は、上記した本発明に係る半導体装置の異常検出装置において、出力手段からの寿命予告信号を入力して作動する報知手段を備えたものである。
【0042】
かかる構成により、報知手段が半導体装置の寿命予告を、例えばユーザに知らせることができる。すなわち、表示灯を点灯させたり、警報器で音声により警告を発して、ユーザーに半導体装置の寿命予告による交換時期を知らせることができる。
【0043】
ここで、報知手段とは、例えば表示器、警報器などである。なお、半導体装置の寿命警報を表示灯の点滅や変色で知らせるようにしてもよい。
【0046】
また、本発明に係る半導体装置の異常検出装置は、上記した本発明に係る半導体装置の異常検出装置において、電力半導体において、一方の素子電極は半導体素子の電流経路の一方端に接続されており、他方の素子電極は電流経路の他方端に接続されていて、一方の熱電対の温度検出部は一方の素子電極近傍に半田付け、溶接等で溶着され、他方の熱電対の温度検出部は他方の素子電極近傍に半田付け、溶接等で溶着されているものである。
【0047】
かかる構成により、一方及び他方の熱電対で一方及び他方の素子電極近傍の温度差を容易に且つ精度よく検出することができ、また、2対の熱電対のそれぞれの2つの導電線のうちの1本間から半導体素子のオン残電圧を検出することが、できて、オン残電圧の検出に一方及び他方の熱電対を利用することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0049】
図1は本発明に係る半導体装置の異常検出装置の回路構成説明図、図2は同異常検出装置における二対の熱電対による電力半導体の電極温度検出の説明図、図3は図2のX方向からの矢視図である。
【0050】
本発明に係る半導体装置の異常検出装置Aは、サイリスタやトライアック、IGBTなどの電力半導体9を用いて負荷に電力を供給するパワー部、例えば、無接点リレーなどを構成する半導体装置8の劣化具合を自己診断して、この半導体装置8の寿命を正しく予告し、また、誤使用を検出して、この寿命と誤使用をユーザに知らせるものである。
【0051】
図2に示すように、半導体装置8は、トリガー回路、スナバ回路(いづれも図示せず)及び主開閉素子である電力半導体9などから構成してある。この電力半導体9は、半導体素子(ベアチップ素子)1に、これの電流経路の一方端に接続された一方の素子電極(例えば、陽極)2と、電流経路の他方端に接続された他方の素子電極(例えば、陰極)3とをそれぞれ接合して構成してあり、一方の素子電極2側を導電部材であるヒートスプレッダ4の面部4aに導通状態で重ねて、電力半導体9がヒートスプレッダ4に取り付けてある。そして、電力半導体9の他方の素子電極3には、出力手段としての寿命予告出力端子14、誤使用警告出力端子15が接続してある。
【0052】
そして、図2及び図3に示すように、ヒートスプレッダ4の面部4aには一方の熱電対6の温度検出部6Aが半田付けで接続してあり、他方の素子電極3(又は他方の素子電極3近傍)には他方の熱電対7の温度検出部7Aが半田付けで接続してある。
【0053】
そして、図1に示すように、一方の熱電対6の温度測定側は、一方の素子電極近傍温度測定部10に接続してあり、また、他方の熱電対7の温度測定側は、他方の素子電極近傍温度測定部11に接続してある。そして、一方及び他方の熱電対6、7と一方及び他方の素子電極近傍温度測定部10、11とで温度検出手段を構成している。この温度検出手段は、電力半導体9のオン作動時における一方及び他方の素子電極2、3近傍の温度のそれぞれを熱電対6、7で測定して電力半導体9の負荷電流に基づく温度を検出する温度検出機能も有する。
【0054】
また、一方の熱電対6の導電線6Bと他方の熱電対7の導電線7Bとはオン残電圧測定部12に接続してあり、これらでオン残電圧検出手段を構成している。
【0055】
そして、一方の素子電極近傍温度測定部10と他方の素子電極近傍温度測定部11とオン残電圧測定部12とのそれぞれの出力側は判定手段である判定部13の入力側に接続してあり、この判定部13の出力側13aは寿命予告出力端子14に、出力側13bは誤使用警告出力端子15にそれぞれ接続してある。
【0056】
そして、寿命予告出力端子14は報知手段に接続してある。この報知手段は、例えば表示灯、警報器等であり、寿命予告信号(又は誤使用警告信号)で表示灯を点灯させたり、警報器で音声により警告を発して、ユーザーに半導体装置8の交換時期(又は誤使用)を知らせるものである。
【0057】
また、半導体装置8の寿命警告を表示灯の点滅や変色で知らせるようにしてもよいし、また、半導体体装置8の交換時期と誤使用の区別を警報音を変えることで行うようにしてもよい。また、半導体装置8の寿命と誤使用の区別を、外部に異なる出力信号を出すことで行うようにしてもよい。
【0058】
また、誤使用警告出力端子15は外部コントローラに対して信号を出力するようにしてある。なお、誤使用警告出力端子15を報知手段に接続してもよい。
【0059】
半導体異常検出装置Aの制御入力部16は、その入力側に、電源部17に接続されたスイッチ16Aを有しており、制御入力部16の出力側は半導体素子駆動回路18に接続してある。この半導体素子駆動回路18は、半導体素子1に出力する点弧信号を生成する点弧信号生成部19を備えている。
【0060】
また、制御入力部16の出力側は測定指令部20の入力側に接続してあり、測定指令部20の出力側は、一方の素子電極近傍温度測定部10と他方の素子電極近傍温度測定部11とオン残電圧測定部12とのそれぞれの入力側に接続してある。
【0061】
そして、電源部17は、各回路ブロック、すなわち、一方の素子電極近傍温度測定部10、他方の素子電極近傍温度測定部11、オン残電圧測定部12、判定部13、点弧信号生成部19、測定指令部20にそれぞれ電源を供給している。図面中21は、パワー部すなわち半導体装置8の起動時に発生するノイズを吸収するためにサージアブソーバーである。
【0062】
一方の素子電極近傍温度測定部10は、電力半導体9の一方の素子電極2もしくは一方の素子電極2近傍の温度を測定し、他方の素子電極近傍温度測定部11は、他方の素子電極3近傍(ヒートスプレッタ4の面部4a)の温度を測定する。
【0063】
すなわち、電力半導体9を長期間使用すると、半導体素子1と一方の素子電極2間の接合用の半田及び半導体素子1と他方の素子電極3間の接合用の半田が経年劣化し、半田クラックが生じるために一方及び他方の素子電極2、3の温度に基づく検出温度Tj(ロ)が初期値から変化する(図4の(1)参照)。
【0064】
半導体素子1と一方の素子電極2と間の接合用の半田にクラックが生じれば、一方の素子電極2近傍の温度は下がるが、他方の素子電極3近傍の温度は上昇する。また、半導体素子1と他方の素子電極3と間の接合用の半田にクラックが生じれば、他方の素子電極3近傍の温度は下がるが、一方の素子電極2近傍の温度は上昇する。
【0065】
したがって、半導体素子1の一方及び他方の素子電極2、3近傍の温度を測定しているために、半田のクラックが半導体素子1の一方及び他方の素子電極2、3側のどちらに生じても温度上昇や温度差を検出できることになる。
【0066】
オン残電圧測定部12は、2つの熱電対6、7を利用して電力半導体9のオン残電圧VTMを測定する(図4の(2)参照)。すなわち、一方の熱電対6の導電線6Bと他方の熱電対7の導電線7Bとの間の電圧を測定することにより電力半導体9のオン残電圧VTMを測定する。このオン残電圧VTMは、電力半導体9には抵抗分が存在しているために、電力半導体9に電流が流れると発生する電圧である。
【0067】
電力半導体9を長期間使用すると半田が経年劣化し、半田クラックが生じるためにオン残電圧VTMが変化する(図4の(2)参照)。
【0068】
もし、半導体素子1と一方の素子電極2との間の接合用の半田にクラックが生じれば、電流経路が狭まるためにオン残電圧VTMが上昇するし、また、半導体素子1と他方の素子電極3と間の接合用の半田にクラックが生じれば、電流経路が狭まるためにオン残電圧VTMが上昇する。
【0069】
判定部13は、上記した一方の素子電極近傍温度測定部10が測定した温度測定値と、他方の素子電極近傍温度測定部11が測定した温度測定値との温度差から素子温度である検出温度を検出し、その初期値(測定開始時点)と、検出温度Tj(ロ)の過渡期の温度上昇率ΔTj(ロ)と、温度安定期の検出温度Tj (ロ)とを読み出して、それぞれを判定基準値と比較して電力半導体9の劣化程度を自己診断し半導体装置8の寿命予告を行う。ここで、過渡期とは、初期から温度安定期に至る範囲であり、判定基準値とは、半導体素子1に一方及び他方の素子電極2、3を接合した半田にクラックなどがなく完全な接合状態での温度値である。
【0070】
また、判定部13は、周囲温度に対する誤使用判定機能と、負荷電流に対する誤使用判定機能とを有している。すなわち、図5に示すように周囲温度(雰囲気温度)Taの高低度を判断して、周囲温度Taが電力半導体9の使用温度(判定基準値)より高い場合には、半導体装置8の使用が使用保証値外の周囲温度での使用であるとして使用誤使用警告を行うし、更に、電力半導体9の負荷電流が定格負荷電流より大きい場合には発熱量が大きくなることに着目して、負荷電流の発熱に起因する検出温度と定格負荷電流の発熱に起因する温度値(判定基準値)とを比較して検出温度が温度値(判定基準値)より高い場合には、半導体装置8の使用が使用保証値外の通電電流での使用であるとして半導体装置8の誤使用を警告するものである。ここで、使用保証値とは、周囲温度の場合には半導体装置の使用を保証する温度値であり、負荷電流の場合には電流による発熱に起因する温度であって半導体装置の使用を保証する値である。
【0071】
次に上記のように構成された半導体異常検出装置Aの動作を説明する。
【0072】
スイッチ16Aのオン作動により制御入力部16が起動されて、半導体装置駆動回路18の点弧信号生成部19が作動して点弧信号を生成し、この点弧信号が電力半導体9に出力され、この電力半導体9が開閉作動して半導体装置8が駆動される。
【0073】
また、制御入力部16が起動されることにより測定指令部20が作動し、この測定指令部20から一方の素子電極近傍温度測定部10、他方の素子電極近傍温度測定部11及びオン残電圧測定部12がそれぞれに測定指令信号を受けて、一方の素子電極近傍温度測定部10、他方の素子電極近傍温度測定部11及びオン残電圧測定部12が測定を開始する。
【0074】
一方の素子電極2近傍の温度を一方の素子電極近傍温度測定部10で測定し、他方の素子電極2近傍の温度を他方の素子電極近傍温度測定部11で測定して、それぞれの温度測定値が判定部13に入力される。また、電力半導体9のオン残電圧VTMは、二対の熱電対6、7を利用してオン残電圧測定部12で測定されて、そのオン残電圧の測定値は判定部13に入力される。
【0075】
判定部13では、一方の素子電極近傍温度測定部10が測定した温度測定値と、他方の素子電極近傍温度測定部11が測定した温度測定値とから検出温度Tj(ロ)を読み出し、その初期値と、検出温度Tj(ロ)の過渡期の温度上昇率ΔTj(ロ)と、温度安定期の検出温度Tj(ロ)とを読み出して電力半導体9、すなわち半導体装置8の劣化程度を自己診断する。また、判定部13では、オン残電圧VTMの大きさを読み出して電力半導体9、すなわち半導体装置8の劣化程度を自己診断する。
【0076】
すなわち、判定部13では、図4の(1)に示すように検出温度Tj(ロ)の過渡期の温度上昇率ΔTj(ロ)が正常の温度上昇率ΔTj(イ)より大きい場合、温度安定期の検出温度Tj(ロ)が正常の素子温度Tj(イ)より高い場合、及び図4の(2)に示すようにオン残電圧VTM(ロ)が正常のオン残電圧VTM(イ)より大きい場合に寿命予告がなされ、寿命予告出力端子14から寿命予告信号が報知手段に出力されて、この寿命予告信号で報知手段である表示灯(図示せず)を点灯させたり、警報器(図示せず)で音声により警告を発して、ユーザーに半導体装置8の交換時期を知らせる。
【0077】
また、一方の素子電極近傍温度測定部10が測定した温度測定値と、他方の素子電極近傍温度測定部11が測定した温度測定値とは周囲温度(雰囲気温度)Taの高低により変化する。
【0078】
したがって、判定部13では、図5に示すように検出温度Tj(ロ)の過渡期の温度上昇率ΔTj(ロ)が正常の温度上昇率ΔTj(イ)と同じであり、検出温度Tj(ロ)が正常の素子温度Tj(イ)より高い場合には、周囲温度Taが電力半導体9の使用限界温度(判定基準値)より高いとして、半導体装置8の使用が使用保証値外の周囲温度Taでの使用であると判定して誤使用警告出力端子15から周囲温度Taに対する誤使用警告信号を出力し、この誤使用警告信号で報知手段である表示灯を点灯させたり、警報器で音声により警告を発して、ユーザーに半導体装置8の誤使用を知らせる。
【0079】
また、一方の素子電極近傍温度測定部10が測定した温度測定値と、他方の素子電極近傍温度測定部11が測定した温度測定値とは負荷電流IL の大きさにより変化する。
【0080】
したがって、判定部13では、図6に示すように検出温度Tj(ロ)の過渡期の温度上昇率ΔTj(ロ)が正常の温度上昇率ΔTj(イ)より高く、検出温度Tj(ロ)が正常の素子温度Tj(イ)より高く、また、オン残電圧VTMが正常値と同じ場合には、負荷電流IL が電力半導体9の定格負荷電流より高いとして、半導体装置8の使用が使用保証値外の通電電流での使用であると判定して誤使用警告出力端子15から負荷電流IL に対する誤使用警告信号を出力し、この誤使用警告信号で報知手段である表示灯を点灯させたり、警報器で音声により警告を発して、ユーザーに半導体装置8の誤使用を知らせる。
【0081】
なお、電力半導体9が、図7の(1)に示すようにサイリスタSCRである場合、二対の熱電対6、7の温度検出部6A、7Bの接続はサイリスタSCRのアノードAとカソードKとの近傍に半田付け、溶接等の溶着で接続されるし、図7の(2)に示すように電力半導体9がトライアックの場合には、二対の熱電対6、7の温度検出部6A、7Bの接続は電流経路の端子T1 、T2 の近傍に半田付け、溶接等の溶着で接続されるし、図7の(3)に示すように電力半導体9がトランジスタTrの場合には、二対の熱電対6、7の温度検出部6A、7Bの接続は電流経路のコレクタCとエミッタEとの近傍に半田付け、溶接等の溶着で接続されるし、電力半導体9が、図7の(4)に示すようにIGBTである場合には、二対の熱電対6、7の温度検出部6A、7Bの接続は電流経路のコレクタCとエミッタEとの近傍に半田付け、溶接等の溶着で接続される。
【0082】
上記した本発明の実施の形態によれば、二対の熱電対6、7を用いて電力半導体9の一方及び他方の素子電極6、7近傍の温度を測定しているために、半田クラックが一方及び他方の素子電極側6、7のどちらに生じても、電力半導体9の温度上昇や温度差のような検出温度を検出することができる。
【0083】
このために、電力半導体9の一方及び他方の素子電極6、7近傍の温度を定期的に検出することで、電力半導体9における半導体素子1と素子電極6、7間の接合用の半田の劣化を簡単に且つ精度よく検出することができて、半導体装置8の寿命の正しい予告が可能になり、この寿命の予告を、例えばユーザに知らせることができる。
【0084】
また、上記した本発明の実施の形態によれば、電力半導体9の一方及び他方の素子電極6、7側のどちらの半田にクラックが生じて電流経路が狭まることで、オン残電圧VTMの上昇を、二対の熱電対6、7を用いて検出することができ、一方及び他方の素子電極6、7近傍の検出温度とオン残電圧VTMを定期的に検出することで、半導体装置8の寿命を精度よく予告することができる。
【0085】
また、上記した本発明の実施の形態によれば、判定部13は、検出温度Tj (ロ)の過渡期の温度上昇率ΔTj(ロ)が正常の温度上昇率ΔTj(イ)と同じであり、検出温度Tj(ロ)が正常の素子温度Tj(イ)より高い場合には、周囲温度Taが電力半導体9の使用限界温度(判定基準値)より高いと判定して周囲温度Taに対する誤使用警告出力信号を出力し、この誤使用警告信号で報知手段を介して表示灯を点灯させたり、警報器で音声により警告を発して、ユーザーに半導体装置8の誤使用を知らせることができる。
【0086】
また、上記した本発明の実施の形態によれば、判定部13は、検出温度Tj (ロ)の過渡期の温度上昇率ΔTj(ロ)が正常の温度上昇率ΔTj(イ)より高く、検出温度Tj(ロ)が正常の素子温度Tj(イ)より高く、また、オン残電圧VTMが正常値と同じ場合には、負荷電流ILが電力半導体9の定格負荷電流より高いと判定して誤使用警告信号を出力し、この誤使用警告信号で報知手段を介して表示灯を点灯させたり、警報器で音声により警告を発して、ユーザーに半導体装置8の誤使用を知らせることができる。
【0087】
なお、上記した本発明の実施の形態では、判定部13が、検出温度Tj(ロ)の過渡期の温度上昇率ΔTj(ロ)が正常の温度上昇率ΔTj(イ)より大きく且つ温度安定期の検出温度Tj(ロ)が正常の素子温度Tj(イ)より高い場合及び検出したオン残電圧VTM(ロ)が正常のオン残電圧VTM(イ)より大きい場合に、半導体素子1と素子電極2、3間の半田劣化があることを判定するようにしたが、オン残電圧VTM(ロ)が正常のオン残電圧VTM(イ)より大きい場合に、半導体素子1と素子電極2、3間の接合用の半田に劣化があることを判定するようにしてもよい。
【0088】
また、温度上昇率ΔTjの測定方法については、図8に示すように素子温度を測定する時間を、例えば過渡期のある時間t1に決めて、この時間t1における温度Tzを検出温度Tj(ロ)の過渡期の温度上昇率ΔTj(ロ)から読み出し、また、時間t1における正常温度Twを正常の温度上昇率ΔTj(イ)から読み出して、温度Tzを正常温度Twと比較して、温度Tzが正常温度Twより大きい場合に半導体素子1と素子電極2、3間の半田劣化があると判定するようにしてもよい。
【0089】
また、温度上昇率ΔTjの測定方法については、図9に示すように素子温度がある温度Tj1に到達するまでの時間で比較するようにしてもよい。例えば、温度Tj1に到達するまでの時間tzを検出温度Tj(ロ)の過渡期の温度上昇率ΔTj(ロ)から読み出し、また、温度Tj1に到達するまでの正常時間twを正常の温度上昇率ΔTj(イ)から読み出して、時間tzを時間twと比較して、時間tzが正常時間twより短い場合に半導体素子1と素子電極2、3間の半田劣化があると判定するようにしてもよい。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る半導体装置の異常検出装置によれば、判定手段は、温度検出手段が検出した検出温度を判定基準値と比較して、検出温度が判定基準値を越えた場合に、電力半導体における半田劣化があって半導体装置の寿命が短いと、判定することが可能になり、この判定結果に基づいて半導体装置の寿命予告信号を出力することができる。
【0091】
特に、二対の熱電対を用いて電力半導体の一方及び他方の素子電極近傍の温度を測定しているために、半田クラックが一方及び他方の素子電極側のどちらに生じても、電力半導体の温度差のような検出温度を検出することができる。
【0092】
このために、電力半導体の一方及び他方の素子電極近傍の温度を定期的に検出することで、電力半導体における半田劣化を簡単に且つ精度よく検出することができて、半導体装置の寿命の正しい予告が可能になる。そして、この寿命の予告を、例えばユーザに知らせることは可能である。
【0093】
また、本発明に係る半導体装置の異常検出装置によれば、判定手段が、温度検出手段が検出した検出温度とオン残電圧検出手段が検出したオン残電圧との双方がそれぞれの判定基準値を越えた場合に電力半導体における半田劣化があって半導体装置の寿命が短いと判定することも可能になり、この判定結果に基づいて半導体装置の寿命予告信号を出力することができる。
【0094】
このために、電力半導体における半導体素子と素子電極間の半田劣化を簡単に且つ精度よく検出することができて、半導体装置の寿命を、例えばユーザに知らせることができる。
【0095】
また、本発明に係る半導体装置の異常検出装置によれば、判定手段が、オン残電圧が判定基準値を越えた場合に電力半導体において半田劣化があって半導体装置の寿命が短いと判定することが可能になり、この判定結果に基づいて半導体装置の寿命予告信号を出力することができる。このために、電力半導体における半田劣化を簡単に且つ精度よく検出することができる。
【0096】
また、本発明に係る半導体装置の異常検出装置によれば、判定手段は、周囲温度が半導体装置の使用限界温度を越えている場合に半導体装置の使用が使用保証値外の周囲温度での使用であると判定し、出力手段が、半導体装置の誤使用警告信号を出力することができて、半導体装置の誤使用を、例えばユーザに知らせることができる。
【0097】
また、本発明に係る半導体装置の異常検出装置によれば、判定手段は、負荷電流に基づく検出温度が電力半導体の定格負荷電流に基づく判定基準値より高い場合に半導体装置の使用が使用保証値外の通電電流での使用であると判定し、出力手段が、半導体装置の誤使用警告信号を出力することができて、半導体装置の誤使用を、例えばユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の異常検出装置の回路構成説明図である。
【図2】同異常検出装置における二対の熱電対による電力半導体の電極温度検出の説明図である。
【図3】図2のX方向からの矢視図である。
【図4】(1)は同異常検出装置における判定部による寿命予告の場合の温度変化の説明図である。(2)は同異常検出装置における判定部による寿命予告の場合のオン残電圧変化の説明図である。
【図5】同異常検出装置における判定部において周囲温度に対する半導体装置の誤使用判定の温度の説明図である。
【図6】同異常検出装置における判定部において負荷電流に対する半導体装置の誤使用の場合の温度の説明図である。
【図7】(1)〜(4)は電力半導体に対する熱電対の接続箇所の説明図である。
【図8】同異常検出装置における判定部による寿命予告の場合の温度上昇率に対する温度の説明図である。
【図9】同異常検出装置における判定部による寿命予告の場合の温度上昇率に対する時間の説明図である。
【符号の説明】
A 半導体装置の異常検出装置
1 半導体素子(ベアチップ素子)
2 一方の素子電極
3 他方の素子電極
4 ヒートスプレッダ(導電部材)
6 一方の熱電対(温度検出手段)(オン残電圧検出手段)
6A 温度検出部
6B 導電線
7 他方の熱電対(温度検出手段)(オン残電圧検出手段)
7A 温度検出部
7B 導電線
8 半導体装置
9 電力半導体
10 一方の素子電極近傍温度測定部(温度検出手段)(オン残電圧検出手段)
11 他方の素子電極近傍温度測定部(温度検出手段)(オン残電圧検出手段)
12 オン残電圧測定部(オン残電圧検出手段)
13 判定部(判定手段)
14 寿命予告出力端子(出力手段)
15 誤使用警告出力端子(出力手段)
Claims (7)
- 半導体素子に一方及び他方の素子電極を半田付けして構成される電力半導体を有する半導体装置の異常検出装置であって、
前記電力半導体のオン作動時における前記一方及び他方の素子電極近傍の温度のそれぞれを熱電対で測定して前記電力半導体の検出温度として検出する温度検出手段と、
前記検出温度を判定基準値と比較することで前記半田の劣化による前記電力半導体の寿命を判定して前記半導体装置の寿命予告を行う判定手段と、
前記寿命予告を寿命予告信号として出力する出力手段とを備えたことを特徴とする半導体装置の異常検出装置。 - 半導体素子に一方及び他方の素子電極を半田付けして構成される電力半導体を有する半導体装置の異常検出装置であって、
前記電力半導体のオン作動時における前記一方及び他方の素子電極近傍の温度のそれぞれを熱電対で測定して前記電力半導体の検出温度として検出する温度検出手段と、
前記二対の熱電対のそれぞれの1本の導電線間の電圧から前記電力半導体のオン残電圧を検出するオン残電圧検出手段と、
前記検出温度と前記オン残電圧との双方をそれぞれの判定基準値と比較することで前記半田の劣化による前記電力半導体の寿命を判定して前記半導体装置の寿命予告を行う判定手段と、
前記寿命予告を寿命予告信号として出力する出力手段とを備えたことを特徴とする半導体装置の異常検出装置。 - 半導体素子に一方及び他方の素子電極を半田付けして構成される電力半導体を有する半導体装置の異常検出装置であって、
前記一方の素子電極近傍に一方の熱電対の温度検出部を、前記他方の素子電極近傍に他方の熱電対の温度検出部をそれぞれ配置して、前記二対の熱電対のそれぞれの1本の導電線間の電圧から前記電力半導体のオン残電圧を検出するオン残電圧検出手段と、
前記オン残電圧を判定基準値と比較することで前記半田の劣化による前記電力半導体の寿命を判定して前記半導体装置の寿命予告を行う判定手段と、
前記寿命予告を寿命予告信号として出力する出力手段とを備えたことを特徴とする半導体装置の異常検出装置。 - 前記判定手段は、前記検出温度の測定開始時点から温度安定期に至る過渡期の温度上昇率が正常の温度上昇率より大きく且つ前記温度安定期の前記検出温度が正常の素子温度より高い場合及び前記オン残電圧検出手段が検出した前記オン残電圧が正常の前記オン残電圧より大きい場合の双方に前記寿命予告を行うことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の異常検出装置。
- 前記判定手段は、前記オン残電圧検出手段が検出した前記オン残電圧が正常の前記オン残電圧より大きい場合に前記寿命予告を行うことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の異常検出装置。
- 前記出力手段からの前記寿命予告信号を入力して作動する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の半導体装置の異常検出装置。
- 前記電力半導体において、前記一方の素子電極は前記半導体素子の電流経路の一方端に接続されており、前記他方の素子電極は前記電流経路の他方端に接続されていて、前記一方の熱電対の温度検出部は前記一方の素子電極近傍に半田付け、溶接等で溶着され、前記他方の熱電対の温度検出部は前記他方の素子電極近傍に半田付け、溶接等で溶着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の半導体装置の異常検出装置。
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