JP3787806B2 - ドアクローザーを備えた開きドア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、玄関ドア、勝手口ドアなどのドアクローザーを備えた開きドアに関する。
【0002】
【従来の技術】
ドア枠にドアパネルをヒンジで室内外側方向に回動自在に取付け、そのドアパネルを室外側に回動することで開放し、室内側に回動することで閉じるようにし、そのドア枠とドアパネルに亘ってドアクローザーを取付けた開きドアが提案されている。
例えば、特開平9−78931号公報に示すようにドア枠を形成する上枠とドアパネル室内側部に亘ってドアクローザーを取付けた開きドアが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようにドアパネル室内側部にドアクローザーを取付けた開きドアは、ドアクローザーのためにそのドアパネルよりも室内側に網戸を取付けできない。
このことを解消するには上枠とドアパネル室外側部に亘ってドアクローザーを取付けることが考えられる。
例えば、図7に示すように、上枠1の室外側見付け面(縦面)1aにブラケット2をビス3で固着し、ドアクローザー4のリンク4aを前記ブラケット2に連結する。ドアクローザー4の本体4bをドアパネル5の室外側部に固着する。
【0004】
図8に示すように、上枠1の見込み面1bにブラケット2を固着し、このブラケット2の上枠1の室外側見付け面1aから突出した部分にドアクローザー4のリンク4aを連結する。ドアクローザー4の本体4bをドアパネル5の室外側部に固着する。
【0005】
図7に示すものであると、上枠1の室外側見付け面1aの上下寸法がブラケット2を固着できる程度に大きいので、上枠1の見付け寸法が大きい。
このために、見付け寸法が小さい上枠であると室外側見付け面1aにブラケット2を固着できないので、ドアクローザーを取付けできない。
【0006】
図8に示すものであると、上枠1の見込み面1bとドアパネル5の室外側上部の間をシール材でシールしようとした場合に、ブラケット2がシール部を横切って室内外側方向に連続するので、そのブラケット2のために確実にシールすることができない。
【0007】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにしたドアクローザーを備えた開きドアを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ドア枠を形成する上枠とドアパネル室外側部に亘ってドアクローザーを取付け、前記上枠の室外側部とドアパネルの室外側上部を室外側シール材でシールしたドアクローザーを備えた開きドアであって、
前記上枠は、上枠本体と、この上枠本体の室外側見付け面よりも室外側に突出したブラケット取付片を有し、このブラケット取付片が上枠の上面を形成する形状で、
前記ブラケット取付片にブラケットが、前記上枠本体の上部寄りに位置して前記室外側シール材と干渉しないように固着され、そのブラケットにドアクローザーのリンクが連結されていると共に、ドアクローザーの本体がドアパネルの室外側部に固着されていることを特徴とするドアクローザーを備えた開きドアである。
【0012】
【作用】
本発明によれば、上枠のブラケット取付片が上枠本体の室外側見付け面よりも室外側に突出し、そのブラケット取付片にブラケットが固着してあると共に、そのブラケットにドアクローザーのリンクが連結してあるので、上枠本体の室外側見付け面の上下寸法に関係なしに前記ブラケットを上枠に固着できる。
したがって、見付け寸法が小さい上枠にもドアクローザーのリンクを連結でき、見付け寸法が小さい上枠を用いた開きドアであってもドアパネルよりも室外側にドアクローザーを取付けできる。
【0013】
また、ブラケットとブラケット取付片の固着部から浸入した雨水等は上枠本体の室外側見付け面よりも室外側に流れ落ち、上枠本体内部に浸入しない。
したがって、前述の固着部から浸入した雨水が上枠内から建物躯体に浸入しないので建物躯体が早期に腐蝕しないし、上枠と縦枠の連結部から室内側に浸入することもない。
【0014】
また、ブラケット取付片にブラケットが、上枠本体の上部寄りに位置して、上枠の室外側部とドアパネルの室外側上部をシールする室外側シール材と干渉しないように固着してあるので、上枠室外側部とドアパネル室外側上部を確実にシールすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、ドア枠10にドアパネル11をヒンジ等で室内外側方向に回動自在に取付け、そのドアパネル11を室外側に回動して開放すると共に、ドアパネル11を室内側に回動して閉じる開きドアを形成している。
前記ドア枠10は上枠12と下枠13と左右の縦枠14を方形状に連結してある。
前記ドアパネル11は上框15と下框16と左右の縦框17を方形状に連結し、その内部にパネル18が装着してある。
なお、図1においてはドアクローザーの図示を省略してある。
【0016】
前記上枠12は図2に示すように、アルミニウム、鉄などの金属製部材12aの室内側内面を樹脂製部材12bで被覆した形状である。
前記下枠13は図2に示すように、アルミニウム、鉄などの金属製室外側部材13aと金属製室内側部材13bを断熱材13cで連結した断熱形材で、その金属製室内側部材13bを樹脂製部材13dで被覆してある。
前記左右の縦枠14は図3に示すように、アルミニウム、鉄などの金属製部材14aの室内側内面を樹脂製部材14bで被覆した形状である。
【0017】
前記上框15、下框16、左右の縦框17は図2、図3に示すように、アルミニウム、鉄などの金属製室外側部材15a,16a,17aの室内側部に樹脂製室内側部材15b,16b,17bを取付けた形状で、ドアパネル11の室内側部と室外側部に熱が伝り難く、断熱性に優れたドアパネルである。
【0018】
前記上枠12、下枠13、左右の縦枠14の各樹脂製部材12b,13d,14bには室内側シール材19が四周連続して室外側に向けてそれぞれ装着してある。
ドアパネル11を閉じると各樹脂製室内側部材15b,16b,17bが各室内側シール材19にそれぞれ接し、ドア枠10の室内側部とドアパネル11の室内側部の間をシールする。
【0019】
図2に示すように、ドアクローザー20の本体21が上框15の金属製室外側部材15aの室外側面(ドアパネル11の室外側部)に固着され、ドアクローザー20のリンク22が上枠12の室外側部に固着されたブラケット23に連結してある。
これによって、ドアクローザー20がドアパネル11よりも室外側に取付けてあるので、ドアパネル11よりも室内側に網戸を取付けできる。
【0020】
次にドアクローザー20の取付け詳細を説明する。
図4に示すように、前記上枠12の金属製部材12aは、面外方向に向う内側横板(見込み面)30と、この内側横板30に一体的に設けた室外側上向き板(室外側見付け面)31、中間上向き板32、室内側上向き板33、室内寄り内向板34、室内端内向鉤片35と、前記室外側上向き板31と中間上向き板32に亘って一体的に設けた外側横板36と、前記中間上向き板32に一体的に連続した躯体取付片37からなる上枠本体38を有する。
前記上枠本体38にはブラケット取付片39が、外側横板36と連続して室外側上向き板31よりも室外側に突出して一体的に長手方向に連続して設けてある。このブラケット取付片39と外側横板36で上枠12の上面を形成する。
この上枠本体38とブラケット取付片39からなる金属製部材12aはアルミニウム押出形材である。
【0021】
前記ブラケット取付片39は横片39aと室外側下向片39bで下向き鉤形状である。
前記ブラケット23は、ほぼ水平な一端部23aと水平に対して斜め上向きの中間部23bとほぼ水平な他端部23cでほぼクランク形状である。
前記ブラケット23の一端部23aがブラケット取付片39の横片39aの上面に接し、その横片39aの下面に設けた裏板(ナット部材)24にビス25を螺合して固着される。中間部23bと他端部23cがブラケット取付片39の室外側下向片39bよりも室外側に突出し、かつ他端部23cが一端部23aよりも上方に位置する。
【0022】
前述のようであるから、ブラケット23は上枠本体38の室外側立上り板31の上下長さ(上枠本体38の見付け寸法)が小さくとも固着することができる。
【0023】
また、ブラケット23を固着するビス25が挿通した部分から浸入した雨水等は上枠本体38の室外側立上り板31よりも室外側に流れ落ち、その雨水等が上枠本体38の内部に浸入することがない。
【0024】
また、ブラケット23は上枠本体38の上部寄りに位置するので、上枠12の室外側部とドアパネル11の室外側上部との間をシールする際にブラケット23が邪魔にならない。
例えば、上枠本体38の室外側立上り板31に室外側シール材26を室外側に向けて装着し、上框15の金属製室外側部材15aの室外側立上り片27を室外側シール材26に接して上枠室外側部とドアパネル室外側上部の間をシールできる。
【0025】
前記ブラケット23は略クランク形状であるから、図4に示すように外装材28と上枠上面(外側横板36)の間にシール材29を充填する際にブラケット23が邪魔にならない。
これにより、前述のシール材29の充填作業がやり易い。
また、裏板24はブラケット取付片39の室外側下向片39bで覆われ、室外から見えないので見栄えがよい。
【0026】
前記上枠12の樹脂製部材12bは図4に示すように、室外側縦板40と横板41と室内側縦板42で上向きコ字状の断面形状で、その室内側縦板42の上端部に係止突部42aが設けてあると共に、室内側縦板42に取付横片43が室内側に向けて一体的に設けてある。
前記上枠12の金属製部材12aの室内寄り内向片34はL字形状で、この室内寄り内向片34の室内側面に略クランク形状で短尺な補強金具44が接している。
【0027】
前記樹脂製部材12bの室外側縦板40が室内寄り内向片34の室外側面に接し、室内側縦板42の室外側面に補強金具44の下部片44aが接し、係止突部42aが室内端内向鉤片(係止部)35に係合して樹脂製部材12bが仮支持されている。
前記室外側縦板40と室内寄り内向片34がビス45で固着されている。
前記室外側縦板40と室内寄り内向片34と補強金具44の上部片44bがビス46で固着されている。この補強金具44は上枠12の長手方向一端部寄り(ドアクローザー取付部)に固着される。
【0028】
このようであるから、図2に仮想線で示すように補強金具44の下部片44aにビス47を螺合することで樹脂製部材12bにブラケット23を強固に固着し、そのブラケット23にドアクローザー20のリンク22を連結する。
ドアクローザー20の本体21を上框15の樹脂製室内側部材15bに接し、金属製室外側部材15aにビス48を螺合して本体21を取付ける。なお、樹脂製室内側部材15bは中空形状であるので、その中空部にコ字形状の補強材49が挿入して補強してあると共に、ビス48は厚肉部15cに螺合してある。
【0029】
このようであるから、金属製部材12aの室内側内面を樹脂製部材12bで被覆した上枠12と、金属製室外側部材15aに樹脂製室内側部材15bを連結した上框15を用いた断熱性に優れた開き戸における室内側部にドアクローザーを強固に取付けできる。
【0030】
前記ブラケット23は図5に示すように、L字形状の第1ブラケット23−1と、コ字形状の第2ブラケット23−2をビスで連結した形状としても良い。
また、第1ブラケット23−1と第2ブラケット23−2を一体としても良い。
【0031】
図6に示すように、上框15の金属製室外側部材15aの室外側立上り板27に室外側シール材26を室内側に向けて装着し、この室外側シール材26を上枠12の室外側立上り板31に接して上枠12の室外側部とドアパネル11の室外側上部の間をシールするようにしても良い。
【0032】
以上の実施の形態では各枠、各框を断熱性に優れたものとしたが、アルミニウム又は鉄の金属のみから成る枠、框としても良い。
この場合には金属製部材12aの上枠本体38が上枠全体の上枠本体を形成する。また、ブラケット23を上枠12の外側横板36の上面に固着しても良い。この場合にはブラケット取付片39を設けなくとも良い。
【0035】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、上枠のブラケット取付片が上枠本体の室外側見付け面よりも室外側に突出し、そのブラケット取付片にブラケットが固着してあると共に、そのブラケットにドアクローザーのリンクが連結してあるので、上枠本体の室外側見付け面の上下寸法に関係なしに前記ブラケットを上枠に固着できる。
したがって、見付け寸法が小さい上枠にもドアクローザーのリンクを連結でき、見付け寸法が小さい上枠を用いた開きドアであってもドアパネルよりも室外側にドアクローザーを取付けできる。
【0036】
また、ブラケットとブラケット取付片の固着部から浸入した雨水等は上枠本体の室外側見付け面よりも室外側に流れ落ち、上枠本体内部に浸入しない。
したがって、前述の固着部から浸入した雨水が上枠内から建物躯体に浸入しないので建物躯体が早期に腐蝕しないし、上枠と縦枠の連結部から室内側に浸入することもない。
【0037】
また、ブラケット取付片にブラケットが、上枠本体の上部寄りに位置して、上枠の室外側部とドアパネルの室外側上部をシールする室外側シール材と干渉しないように固着してあるので、上枠室外側部とドアパネル室外側上部を確実にシールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】開きドアの外観図である。
【図2】開きドアの縦断面図である。
【図3】開きドアの横断面図である。
【図4】ドアクローザー取付部の拡大断面図である。
【図5】ドアクローザー取付部の第2の実施形態を示す拡大断面図である。
【図6】ドアクローザー取付部の第3の実施形態を示す拡大断面図である。
【図7】ドアクローザー取付部の第1の従来例の説明図である。
【図8】ドアクローザー取付部の第2の従来例の説明図である。
【符号の説明】
10…ドア枠
11…ドアパネル
12…上枠
20…ドアクローザー
21…本体
22…リンク
23…ブラケット
31…室外側立上り片(室外側見付け面)
38…上枠本体
39…ブラケット取付片
Claims (1)
- ドア枠を形成する上枠とドアパネル室外側部に亘ってドアクローザーを取付け、前記上枠の室外側部とドアパネルの室外側上部を室外側シール材でシールしたドアクローザーを備えた開きドアであって、
前記上枠は、上枠本体と、この上枠本体の室外側見付け面よりも室外側に突出したブラケット取付片を有し、このブラケット取付片が上枠の上面を形成する形状で、
前記ブラケット取付片にブラケットが、前記上枠本体の上部寄りに位置して前記室外側シール材と干渉しないように固着され、そのブラケットにドアクローザーのリンクが連結されていると共に、ドアクローザーの本体がドアパネルの室外側部に固着されていることを特徴とするドアクローザーを備えた開きドア。
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