JP3787386B2 - 調質圧延液 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は調質圧延液、さらに詳しくはシクロヘキサン骨格を有する二塩基酸を必須成分とする調質圧延液に関する。
【0002】
【従来の技術】
調質圧延とは、冷間圧延された鋼板を洗浄、焼鈍後、ストレッチャーストレインの消去等の機械的性質を改善して、表面仕上げ状態を所望のようにするために行われる圧延のことである。調質圧延には乾式と湿式があり、生産能率や防錆効果を向上させるためには湿式法が好ましい。湿式法で一般によく用いられる調質圧延液はソリューション型で、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸等の脂肪族二塩基酸やp−ニトロ安息香酸等の芳香族カルボン酸のアミン塩を水に希釈して用いている。アミンとしては一般にアルカノールアミンが用いられている。
【0003】
調質圧延された鋼板は鉱物油を主体とした防錆油を塗布して出荷するか、または次の工程へと送られる。その際、調質圧延液中の水分がある程度蒸発すると次の工程でテンションレベラーやブライダルロールを通過する時、ロールに黒色の粘着性物質が生じやすく、この黒色物質が鋼板に付着するとメッキ不良等の製品欠陥を招くため、ロールの手入れを頻繁に行う必要がある。また、特に調質圧延後、出荷される製品については、ユーザーでこの物質が発生するため、より深刻な問題となる。
【0004】
この黒色の粘着性物質は、芳香族カルボン酸アミン塩を用いた調質圧延液を使用する時、特に発生し易い。その原因として芳香族カルボン酸アミン塩は非常に粘稠であり、さらに、圧延で発生した鉄粉が混入するため、より一層粘稠となることと、塗布した防錆油への溶解性が低いことが考えられる。現在、この対処法としては定期的にロールを清掃するか、調質圧延後、塗布する防錆油の使用量を多めにして、粘着物がロールに付着しにくいようにしているが、限界があり、十分な対処法とはいえない。
【0005】
一方、脂肪族二塩基酸アミン塩は上記のような黒色の粘着物質を生成しにくいが、そのものが良好な乳化剤として働くため、調質圧延直後、防錆油を塗布した鋼板がテンションレベラーを通過する時、鋼板表面上で白濁が起きやすい。白濁が起きると製品検査が困難となるため、生産効率が落ちることとなり、また、テンションレベラーの速度が速くなるほどこの白濁は顕著となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、鋼板の調質圧延後、ロール上で黒色粘着性物質が発生せず、かつ、鋼板表面上で白濁が起きない調質圧延液を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は一般式:
【化2】
Figure 0003787386
(式中、mおよびnは同一または異なる0〜2の数を表す。)で表されるシクロヘキサン環を有する二塩基酸およびアルカノールアミンで形成された二塩基酸アミン塩を含むことを特徴とする調質圧延液に関する。
【0008】
前述のように、ロール上で発生する黒色粘着性物質は調質圧延液に主成分として含まれる物質の粘度が高く、鉱物油を主成分とした防錆油に対する溶解性が低いことが原因であり、一方で鋼板表面上での白濁は防錆油への乳化力が高すぎるために起きると考えられる。このため本発明ではこのような物性に注目し、粘度が比較的低く、鉱物油に対し溶解でき、その水溶液を上記防錆油に混合させて撹拌しても該防錆油は白濁しない二塩基酸アミン塩を見いだした。
【0009】
本発明の調質圧延液に含まれる前記二塩基酸は1,2、1,3および1,4−ジカルボン酸いずれの構造を有してもよく、また、シス体およびトランス体いずれでもよい。さらに、この二塩基酸はこれらの混合物であってもよい。式中、mおよびnは0〜2の数であり、mおよびnは同じでも異なっていてもよい。mまたはnが3より大きいと乳化作用が現れはじめるため好ましくない。mとnの合計数は0〜2が好ましい。
【0010】
従って、本発明に用いられる二塩基酸としては、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−二酢酸、シクロヘキサン−1,4−二酢酸、シクロヘキサン−1,3−二プロピオン酸、シクロヘキサン−1,4−二プロピオン酸等が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸である。
【0011】
本発明において二塩基酸は水に対し0.3〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%の含量で用いられる。0.3重量%より少ないと調質圧延後、次工程に至るまでの防錆性が不十分となり、一方で5.0重量%より多く添加してもそれ以上本発明の効果は向上しないため経済性に劣る。
【0012】
また、本発明の調質圧延液には1.1〜2.5倍当量のアミンも含有され、上記二塩基酸と塩を形成させて用いられる。アミンとしてはアルカノールアミン、低級アルキルアミン類、低級アルキルアルカノールアミン類、ポリアミン類、モルホリン等の環状アミン類等が挙げられるが、好ましくはアルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等である。疎水性基の強い、即ち、炭素数の大きいアミンは乳化性が発現するので好ましくない。通常、一つの炭化水素基の炭素数は3以下にすべきである。
【0013】
さらに、その他の添加剤、例えば、非イオン系界面活性剤、含窒素系防錆剤、キレート化剤等を含有させて用いてもよい。非イオン性系界面活性剤は濡れ性等を向上させるために用いられ、具体的にはアルキルフェノールエチレンオキサイド付加型、プルロニック型、脂肪酸エチレンオキサイド付加型、アルコールエチレンオキサイド付加型等が挙げられる。含窒素系防錆剤としてはベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、インダゾール、ベンズインダゾール、インドール等が挙げられる。また、キレート化剤としてはエチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸等が挙げられる。
【0014】
二塩基酸アミン塩そのものの粘度は50℃で10,000cP以下が好ましい。また、この原液は重量比で原液1に対して1.5以下の鉱物油に溶解できればよく、さらに、原液を使用濃度に希釈して得られる二塩基酸塩水溶液は防錆油と重量比10:90で混合しても白濁が起きなければよい。
【0015】
なお、防錆油としては従来から用いられている既知のものが使用され、例えば、鉱物油を主成分としたカルシウムスルホネート、バリウムスルホネート等の添加剤を含むものが挙げられる。
【0016】
このように本発明による二塩基酸のアミン塩は粘性が低く、鉱物油に比較的速やかに溶解し、かつ、その水溶液は防錆油と混合させても白濁しないため、黒色粘着性物質が生じて製品欠陥を招くことはなく、白濁による生産効率低下を回避することができる。
【0017】
本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【0018】
【実施例】
実施例1〜2および比較例1〜3
表1記載の各種アミン塩の粘度を測定し、鉱物油および防錆油に対するアミン塩の溶解性ならびにそのアミン塩水溶液を防錆油と混合させた際の白濁状況を評価した。結果を表1に示す。なお、測定方法および評価方法については以下のようにして行った。
【0019】
粘度
各種アミン塩原液の粘度を50℃にてI.C.I.Cone & Plate Viscometerにより測定した。
【0020】
溶解性
室温の各種アミン塩原液と鉱物油(ナフテン系ISO 9 グレード)を重量比1:1で時計皿上にて混合し、スパチュラで撹拌して目視により溶解性を評価した。「溶解」とは上記混合物が撹拌により均一系になることをいい、「不溶」とは上記混合物が撹拌しても全く混ざり合わず二層のままの状態であることをいうものとする。また、上記鉱物油95重量%およびバリウムスルホネート5重量%からなる防錆油と上記原液を混合した際の溶解性についても同様にして評価した。
【0021】
白濁状況
室温の各種アミン塩原液を水で3%に希釈し、この希釈液0.5gと鉱物油(ナフテン系ISO 9 グレード)95重量%およびバリウムスルホネート5重量%からなる防錆油4.5gを遠沈管に採取した。これを超音波洗浄器(発信周波数48kHz)で15分間撹拌した後、目視により評価した。
【0022】
【表1】
Figure 0003787386
【0023】
このように実施例1〜2における二塩基酸アミン塩は他の各種アミン塩と比較して、粘度は低く、鉱物油および防錆油に高溶解性で、かつ、その水溶液を防錆油と混合し撹拌しても白濁は生じないことが明らかとなった。
【0024】
【発明の効果】
本発明により、鋼板の調質圧延後、ロール上での黒色粘着性物質の発生および鋼板表面上での白濁を回避することができる。

Claims (4)

  1. 一般式:
    Figure 0003787386
    (式中、mおよびnは同一または異なる0〜2の数を表す。)で表されるシクロヘキサン環を有する二塩基酸およびアルカノールアミンで形成された二塩基酸アミン塩を含むことを特徴とする調質圧延液。
  2. 二塩基酸が、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−二酢酸、シクロヘキサン−1,4−二酢酸、シクロヘキサン−1,3−二プロピオン酸、シクロヘキサン−1,4−二プロピオン酸、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の調質圧延液。
  3. アルカノールアミンが、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミンである、請求項1または請求項2に記載の調質圧延液。
  4. 二塩基酸が、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸またはシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸である、請求項1または請求項3に記載の調質圧延液。
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