JP2008038195A - 冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物 - Google Patents

冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 鋼板表面に付着している油汚れに対して良好な洗浄性を有し、かつ、鉄粉に対する除去性も良好な冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】 アルカリ剤(A)、アルドン酸類(B)、下記一般式(1):R−O−(CHCHO)−H(式中、Rは炭素数5〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、nはオキシエチレン基の平均付加モル数である)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)及び水を含有する冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物であって、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)は、オキシエチレン基の付加モル数に分布を有しており、オキシエチレン基の平均付加モル数nは2〜10であり、オキシエチレン基の0モル付加体と1モル付加体の合計量が5重量%以下であり、かつ、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量が80重量%以上である冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物に関する。また本発明は、当該冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物を用いる冷間圧延鋼板の製造方法に関する。本発明の冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物は、製鉄所等において冷間圧延された鋼板(鋼帯)を連続洗浄する場合、特に電解洗浄する際に用いられ、残存油分量が少なく、かつ残存する鉄粉が少ない、冷間圧延鋼板を製造することができる。
鋼板表面の脱脂洗浄は、酸洗と共にメッキ、塗装等の表面処理を行う前処理として必要であり、製品の良否を決定づける非常に大きな因子である。鋼板表面に付着している汚れとしては、冷間圧延時に付着する牛脂等のエステル、脂肪酸や鉱物油等の圧延油、防錆油などの油汚れや、鉄粉等の固体汚れ等が挙げられる。これらの中でも、特に油汚れが残っていると、焼鈍する場合に炉内でガス化して揮散はせず、鋼板表面上に炭化物として残存し、メッキ、塗装むら等の原因となる。
鋼板の洗浄設備は通常、コイル状に巻き取られた鋼板(鋼帯)を連続して洗浄する構造になっており、30〜1100m/分程度の速度で操業される。従って、鋼板の洗浄時間は最大でも数秒という極めて短い時間である。洗浄は通常80℃程度の高い温度で行われており、温度を一定に保つために蒸気を用いて加熱しているが、設備の大幅な改造を行うことなく、洗浄温度低下による蒸気コストの削減が要望されている。
上記課題に対して、アルカリ剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、さらにアルドン酸類を含む洗浄剤が提案されている(特許文献1)。特許文献1の洗浄剤は、50℃以下の洗浄温度の低温においても、物理的洗浄方法の付加や使用濃度や洗浄時間の増大を必要とせず、洗浄不良を起こさず、また、高濃度でも流動性があり、保存安定性に優れ、作業性にも優れる。
特開平10−280179号公報
一方、近年の鋼板の冷間圧延においては、ミル清浄性や生産性向上のために、冷間圧延油を牛脂系圧延油から常温で液体の合成エステル系圧延油へと変更することが進められている。合成エステルはアルカリによる鹸化を受けにくく、短時間ではナトリウム石鹸に鹸化しないため、従来の洗浄剤では洗浄しきれない。さらに最近では圧延油の酸価を高くする傾向にあるが、酸価が高くなったことから圧延後に鉄石鹸が大量に発生し、圧延油の洗浄における乳化性が低下するため洗浄性が低下するという問題も起こっている。
前記問題に対して、特許文献1の洗浄剤は、鋼板表面に付着している圧延油などの油汚れには良好な洗浄性を示すものの、洗浄性についてはさらなる向上が望まれている。また、特許文献1の洗浄剤では、鋼板表面に付着している鉄粉については十分に除去できているとはいえなかった。
本発明は、鋼板表面に付着している油汚れに対して良好な洗浄性を有し、かつ、鉄粉に対する除去性も良好な冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
また本発明は、前記冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物を用いて、残存油分量が少なく、かつ残存する鉄粉が少ない、冷間圧延鋼板を製造する方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、アルカリ剤(A)、
アルドン酸類(B)、
下記一般式(1):R−O−(CHCHO)−H
(式中、Rは炭素数5〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、nはオキシエチレン基の平均付加モル数である)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)及び水を含有する冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物であって、
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)は、オキシエチレン基の付加モル数に分布を有しており、
オキシエチレン基の平均付加モル数nは2〜10であり、
オキシエチレン基の0モル付加体と1モル付加体の合計量が5重量%以下であり、かつ、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量が80重量%以上である冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物、に関する。
また本発明は、アルカリ剤(A)、
アルドン酸類(B)、
下記一般式(1):R−O−(CHCHO)−H
(式中、Rは炭素数5〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、nはオキシエチレン基の平均付加モル数である)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)及び水を混合して得られる冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物であって、
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)は、オキシエチレン基の付加モル数に分布を有しており、
オキシエチレン基の平均付加モル数nは2〜10であり、
オキシエチレン基の0モル付加体と1モル付加体の合計量が5重量%以下であり、かつ、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量が80重量%以上である冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物、に関する。
また本発明は、鋼板を圧延油の存在下で冷間圧延する工程と、圧延された鋼板に付着する圧延油を洗浄剤により洗浄する工程を含む冷間圧延鋼板の製造方法であって、
前記洗浄工程において、洗浄剤として、前記冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物を用いる冷間圧延鋼板の製造方法、に関する。
本発明は、鋼板表面に付着している油汚れに対して良好な洗浄性を有し、かつ、鉄粉に対する除去性も良好な冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物を提供することができる。
また本発明は、前記冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物を用いて、残存油分量が少なく、かつ残存する鉄粉が少ない、冷間圧延鋼板を製造する方法を提供することができる。
また冷間圧延鋼板の製造における洗浄工程において、本発明の冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物を用いることで、残存油分量が少なく、かつ残存する鉄粉が少ない、冷間圧延鋼板を製造することができる。本発明の冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物は、従来よりも少ない添加量で前記効果を奏することができる。
本発明の冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物は、従来と同様に、アルカリ剤(A)、アルドン酸類(B)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)及び水を含有するものであるが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)として、オキシエチレン基の0モル付加体と1モル付加体の合計量が5重量%以下と非常に少なくなるように制御され、かつ、オキシエチレン基の2〜10モル付加体に分布が集中しているものを用いることで、鋼板表面に付着している油汚れに対する良好な洗浄性を有し、かつ、鉄粉に対する除去性も良好な冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物を実現している。
本発明において用いられるアルカリ剤(A)は、油汚れの除去性を確保するため、水溶性のアルカリ剤であればいずれのものも使用できる。具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム等の珪酸塩、リン酸三ナトリウム等のリン酸塩、炭酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二カリウム等の炭酸塩、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩等が挙げられる。二種以上の水溶性アルカリ剤を組み合わせてもよい。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウムであり、より好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
アルドン酸類(B)は、鉄石けん由来の汚れに作用して鉄イオンをキレートし、脂肪酸石けんにして汚れを溶解し易くすると考えられている。アルドン酸類(B)としては、カルボキシル基を有する単糖類及びそのアルカリ金属塩もしくはアミン塩である。具体例としては、グリセリン酸、テトロン酸、ペントン酸、ヘキソン酸、ヘプトン酸等及びそれらのアルカリ金属塩もしくはアミン塩が挙げられる。好ましくはグルコン酸、グルコヘプトン酸等及びそれらのアルカリ金属塩もしくはアミン塩であり、より好ましくはグルコン酸ナトリウム又はグルコヘプトン酸ナトリウムである。アルドン酸類(B)は少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において用いられるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)は、上記一般式(1)で示されるものである。油脂類に対する洗浄性及び鉄粉に対する除去性の点から、式中のRは炭素数5〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、分岐鎖の場合が好ましく、Rは炭素数6〜9であるのが好ましい。
またオキシエチレン基は付加モル数による分布を有するが、油脂類に対する洗浄性及び鉄粉に対する除去性の点からその平均付加モル数nは2〜10である。
またオキシエチレン基の0モル付加体と1モル付加体の合計量は、油脂類に対する洗浄性及び鉄粉に対する除去性の点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)の全量に対して、5重量%以下であり、好ましくは4重量%以下、より好ましくは3重量%以下であり、更に好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.01重量%以下である。
である。
またオキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量は、油脂類に対する洗浄性及び鉄粉に対する除去性の点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)の全量に対して、80重量%以上であり、好ましくは85重量%、より好ましくは90重量%以上であり、更に好ましく100重量%である。従って、オキシエチレン基の10モル超付加体の合計量は、少ないほど好ましく、0重量%であることが最も好ましい。
前記オキシエチレン基の平均付加モル数n、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量は、特にオキシエチレン基の平均付加モル数nが2.5〜4.5であり、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量が100重量%である場合が、油脂類に対する洗浄性及び鉄粉に対する除去性の点から好適である。
上記のように、オキシエチレン基の平均付加モル数nは2.5〜4.5が好ましく、2.8〜4.2がより好ましく、さらには3〜4が好ましい。かかる平均付加モル数nの場合には、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の割合は、
2モル付加体は10〜20重量%が好ましく、さらには12〜18重量%が好ましく、
3モル付加体は21〜31重量%が好ましく、さらには23〜29重量%が好ましく、
4モル付加体は20〜30重量%が好ましく、さらには22〜28重量%が好ましく、
5モル付加体は12〜22重量%が好ましく、さらには14〜20重量%が好ましく、
6モル付加体は4〜14重量%が好ましく、さらには6〜12重量%が好ましく、
7モル付加体は0〜10重量%が好ましく、さらには2〜8重量%が好ましく、
8モル付加体は0〜7重量%が好ましく、さらには1〜5重量%が好ましく、
9モル付加体は0〜3重量%が好ましく、さらには0〜2重量%が好ましく、
10モル付加体は0〜3重量%が好ましく、さらには0〜1重量%が好ましい。
前記オキシエチレン基の平均付加モル数n、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量は、特にオキシエチレン基の平均付加モル数nが4.5を超え6.5以下であり、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量が100重量%である場合が、油脂類に対する洗浄性及び鉄粉に対する除去性の点から好適である。
上記のように、オキシエチレン基の平均付加モル数nは4.5を超え6.5以下が好ましく、4.7〜6.3がより好ましく、さらには5〜6が好ましい。かかる平均付加モル数nの場合には、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の割合は、
2モル付加体は0〜13重量%が好ましく、さらには0〜8重量%が好ましく、
3モル付加体は0〜18重量%が好ましく、さらには0〜13重量%が好ましく、
4モル付加体は2〜22重量%が好ましく、さらには7〜17重量%が好ましく、
5モル付加体は8〜28重量%が好ましく、さらには13〜23重量%が好ましく、
6モル付加体は10〜30重量%が好ましく、さらには15〜25重量%が好ましく、
7モル付加体は8〜28重量%が好ましく、さらには13〜23重量%が好ましく、
8モル付加体は3〜23重量%が好ましく、さらには8〜13重量%が好ましく、
9モル付加体は0〜17重量%が好ましく、さらには2〜12重量%が好ましく、
10モル付加体は0〜10重量%が好ましく、さらには0〜5重量%が好ましい。
また、前記オキシエチレン基の平均付加モル数n、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量は油脂類に対する洗浄性及び鉄粉に対する除去性の点から、特にオキシエチレン基の平均付加モル数nが6.5を超え8.5以下であり、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量は90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましく、さらには100重量%であるのが好ましい。
上記のように、オキシエチレン基の平均付加モル数nは6.5を超え8.5以下が好ましく、6.7〜8.3がより好ましく、さらには7.2〜8.2が好ましい。かかる平均付加モル数nの場合には、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の割合は、
2モル付加体は0〜5重量%が好ましく、さらには0〜3重量%が好ましく、
3モル付加体は0〜8重量%が好ましく、さらには1〜6重量%が好ましく、
4モル付加体は2〜12重量%が好ましく、さらには4〜10重量%が好ましく、
5モル付加体は7〜17重量%が好ましく、さらには9〜15重量%が好ましく、
6モル付加体は11〜21重量%が好ましく、さらには13〜19重量%が好ましく、
7モル付加体は14〜24重量%が好ましく、さらには16〜22重量%が好ましく、
8モル付加体は13〜23重量%が好ましく、さらには15〜21重量%が好ましく、
9モル付加体は9〜19重量%が好ましく、さらには11〜17重量%が好ましく、
10モル付加体は3〜13重量%が好ましく、さらには5〜11重量%が好ましい。
一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)であって、オキシエチレン基の付加モル数を上記のように制御したものを得る方法としては、例えば、日本乳化剤(株)製の商品名:2‐エチルへキシルグリコール、2‐エチルへキシルジグリコール等のグリコールエーテルを原料として、これにエチレンオキサイドを付加する方法があげられる。2‐エチルへキシルジグリコールだけを原料とすれば、0モル付加体と1モル付加体の合計量を0重量%に近づけることができる。上記原料にエチレンオキサイドを付加する方法は、例えば、公知のアルコキシル化方法でよい。このアルコキシル化に用いられる触媒は酸触媒であっても塩基触媒であってもいずれでもよく、また、特開平7‐227540号公報に記載のMgO‐ZnO、MgO‐SnO、MgO‐TiO2、MgO‐SbO等の狭いアルキレンオキサイド付加分布を与える触媒、特開平1‐164437号公報に記載の同様のMg系触媒のような選択的に狭いアルキレンオキサイド付加分布を与える触媒を用いても合成できる。これらの触媒は反応終了後中和されるか、又は吸着処理により除くことが製品の安定性上好ましい。アルカリ触媒に対する中和剤は酢酸、グリコール酸、乳酸、レブリン酸等の低分子量有機酸が好ましい。
本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、アルカリ剤(A)、アルドン酸類(B)及び前記一般式(1)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)に、さらに水を配合することにより調製される。さらには任意の添加剤を加える。
本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、鋼板洗浄時には、洗浄性を確保する見地から、アルカリ剤(A)の配合量が、0.1〜10重量%、さらには0.5〜8重量%であることが好ましい。
前記一般式(1)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)の配合量は、アルカリ剤(A)を基準として配合され、アルカリ剤(A)1重量部に対して、好ましくは0.005〜5重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.05〜0.1重量部である。0.005重量部以上であると、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)が鋼板洗浄時に必要な濃度に保たれる。また、5重量部以下であると、濃厚製品での製品安定性がよい。
アルドン酸類(B)の配合量は、鉄石けん由来の汚れを低減する観点から、アルカリ剤(A)を基準として配合され、アルカリ剤(A)1重量部に対して、好ましくは0.005〜5重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.1〜0.2重量部である。
本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、通常、保管時に好適なように、濃厚製品として調製される。溶媒としては、通常、水が用いられる。本発明組成物の溶媒に用いる水としては、脱イオン水が望ましい。溶媒により、洗浄剤組成物中の濃度を制御できる。濃厚製品は、鋼板の洗浄時には、さらに、溶媒で希釈して用いることができる。また、鋼板の洗浄時に、それぞれの成分をあらかじめ一液ないし二液等に配合しておいて、洗浄槽で使用前に希釈してもよく、それぞれの成分をそれぞれ単独で洗浄槽に投入し、水で希釈してもよい。
濃厚製品では、アルカリ剤(A)、アルドン酸類(B)および前記一般式(1)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)、さらには任意の添加剤、並びに、残部を溶媒(好ましくは水)とする組成物の合計量を基準として、当該組成物中のアルカリ剤(A)の配合量が、好ましくは20〜48重量%、より好ましくは30〜45重量%、さらに好ましくは33〜42重量%、さらに好ましくは36〜41重量%になるように調整される。20重量%以上であると、スラリーとしての安定性の点でも好ましい。また、48重量%以下であると、洗浄剤の粘度が使用上の適正範囲に保たれる。
なお、濃厚製品に係わる鋼板用アルカリ洗浄剤組成物において、アルドン酸類(B)の割合は、0.05〜20重量%、より好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜15重量%である。濃厚製品での割合を0.05重量%以上とすることで鋼板洗浄時に必要なアルドン酸類(B)の濃度が得られる。また、濃厚製品での割合を20重量%以下とすることで、アルドン酸(B)を溶解させるのに必要な水の量を少なくでき、製品安定化に必要なアルカリ剤(A)の必要量を確保できる。
また、濃厚製品に係わる鋼板用アルカリ洗浄剤組成物において、前記一般式(1)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)の割合は、0.1〜30重量%、より好ましくは0.2〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%である。濃厚製品での割合を0.1重量%以上とすることで、鋼板洗浄時に必要なポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)の濃度が得られる。また、この組成物はスラリー状で安定化するため、比重の低いポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)の割合を30重量%以下とすることで製品安定性が良好となる。
また、本発明の高濃度アルカリ洗浄剤組成物には、水溶性高分子カルボン酸類を配合することができる。水溶性高分子カルボン酸類を配合する場合、その割合は、濃厚製品に係わる鋼板用アルカリ洗浄剤組成物において、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜8重量%である。濃厚製品での割合を0.5重量%以上とすることで製品安定性を確保でき、10重量%以下とすることで、洗浄剤の粘度を適度に制御でき、洗浄剤の配管輸送を確保できる。水溶性高分子カルボン酸類としては、アクリル酸ホモポリマー(MW:5,000〜20,000)、アクリル酸−マレイン酸共重合体(MW:5,000〜20,000)及び/又はこれらのナトリウム塩があげられ、これら、1〜6重量%の割合で用いるのが特に好ましい。
本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物には、スラリー安定化剤として、一分子中に2〜50個の極性基を有する芳香族化合物を用いることができる。スラリー安定化剤としては、置換基を有していてもよいベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体またはアントラセン誘導体等があげられる。極性基の数を2個以上とすることで、洗浄液がゲル化したり、不安定化したりすることを抑えることができうる。また、極性基の数を50個以下とすることで、抑泡効果を維持しながら安定な洗浄剤を得ることができる。洗浄効果および抑泡効果を総合すると、極性基数は2〜4個が特に好ましい。
極性基としては、アルカリ水溶液中で分解しない、あるいは分解されにくいものであって、比較的強い親水性を示すものであれば特に限定されてないが、例えばCOOM、SO3M、OSO3M、NH2、NO2、NR1H、NR23およびOHからなる群より1種以上を選ぶことができる。ここで、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニア、またはアルカノールアミンを表し、R1、R2およびR3は同一または異なる基であり、いずれも炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和のカルボン酸基を表す。本発明においては、なかでもCOOM、SO3Mを含む芳香族化合物が好適に使用される。
スラリー安定化剤の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、スルファニル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アミノ安息香酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、2−ナフトール−6−スルホン酸、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物等もしくはその塩等が挙げられる。好ましくは、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アミノ安息香酸である。
スラリー安定化剤は、アルカリ水溶液に難溶性のアルコール、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤および鉱物油などを高濃度アルカリ水溶液中で均一に分散させ、安定な流動性を有するアルカリ洗浄剤の調製を可能とする。従って、従来の均一透明型の洗浄剤に比べ、高濃度アルカリ水溶液中での上記難溶性薬剤の配合量を飛躍的に増大させることができるため、高濃度型の洗浄剤を調製することができる。
本発明の濃厚製品に係わる鋼板用アルカリ洗浄剤組成物において、スラリー安定化剤を配合する場合、その割合は、0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜5重量%である。0.1重量%以上とすることで安定な洗浄剤組成物が得られ、20重量%以下とすることで洗浄剤の増粘もしくはゲル化する傾向を抑えられる。スラリー安定化剤としては、上記の極性基を有する芳香族化合物を2種以上併用することもできる。また、同種の極性基を有する脂肪族系化合物を併用してもよい。本発明に用いられる上記のスラリー安定化剤は、優れたスラリー安定化作用を有するが、本発明の洗浄剤組成物の洗浄性能に対しても抑泡性能に対しても悪影響を与えないという特性を有する。
さらに、本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物には一般的に使用されている洗浄性を向上させる有機ビルダー、例えばニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、テトラエチレンテトラミン六酢酸等のアルカリ金属塩もしくは低級アミン塩等のアミノカルボン酸類等の添加剤を、COD及びコストの上昇を考慮した上で配合することも可能である。
本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、鋼板を圧延油の存在下で冷間圧延した後、圧延された鋼板に付着する圧延油を洗浄除去する際の洗浄剤として用いられる。洗浄温度は30〜80℃において、洗浄剤の浸透と乳化のバランスがよくなり、鋼板に付着する汚れを、洗浄効率よく、洗浄除去することができる。洗浄温度は、30〜70℃が好ましく、30〜60℃がより好ましく、35〜45℃が更に好ましい。
前記鋼板用アルカリ洗浄剤組成物(濃厚製品)を、鋼板の洗浄時に希釈するにあたっては、希釈の程度は適宜に設定することができるが、アルカリ剤(A)の割合が、0.1〜10重量%、さらには0.5〜8重量%になるように希釈するのが好ましい。
また、希釈された鋼板用アルカリ洗浄剤組成物中におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)の割合が、0.05〜1重量%、さらには0.1〜0.6重量%になるように、調整することができる。
本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、ライン速度が500m/分以上の高速で洗浄する際に効果的であり、ライン速度が800m/分以上の高速で洗浄する際により効果的である。特に、電解洗浄に要する時間が1秒以下の高速で冷延鋼板を洗浄する際に効果的である。一般の鋼板洗浄ラインは、浸漬洗浄→ブラシ洗浄→電解洗浄→ブラシ洗浄→リンス→乾燥という構成を取るが、浸漬洗浄から乾燥まではおよそ50mであり、ライン速度500m/分の場合には全工程で6秒という極めて短い時間の中で洗浄が行われる。そのうち電解洗浄工程は10〜20m程度であり、ライン速度が500m/分の場合には1.2〜2.4秒程度という計算になる。本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、こうした短時間での、さらにはより短い時間での電解洗浄に効果的であり、またそれによって洗浄ライン速度を増大させることを可能にする。
また本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、合成エステルを50重量%以上含有する圧延油が付着してなる鋼板に対して効果的であり、合成エステルを70重量%以上含有する圧延油が付着してなる鋼板に対してより効果的である。合成エステルとしては、ゾーマリン酸、オレイン酸、リノール酸、ガドレイン酸、トール油脂肪酸等の炭素数16〜20の高級脂肪族不飽和酸のダイマー酸又はポリマー酸を原料とする合成エステル、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等の多価アルコールと炭素数6〜22の脂肪族カルボン酸を原料とする合成エステル、炭素数1〜12の脂肪族アルコールと炭素数6〜22の脂肪族カルボン酸を原料とする合成エステル、多価アルコールと炭素数6〜22の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を原料とする合成エステル、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多塩基酸と炭素数1〜12の脂肪族アルコールを原料とする合成エステル、及び上記アルコールのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド付加物とのエステル等が挙げられる。
さらに、本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、酸価が10KOHmg/g以上である圧延油が付着してなる鋼板に対して効果的であり、酸価が20KOHmg/g以上である圧延油が付着してなる鋼板に対してより効果的である。本発明の鋼板洗浄用アルカリ洗浄剤組成物は、合成エステルを50重量%以上含有し、かつ酸価が10KOHmg/g以上である圧延油が付着してなる鋼板に対して特に効果的である。
また本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、40℃における粘度が70mm2/s以上である高粘度エステルを10重量%以上含有する圧延油が付着してなる鋼板に対して効果的であり、高粘度エステルを20重量%以上含有する圧延油が付着してなる鋼板に対してより効果的である。特に粘度が40℃で好ましくは100mm2/s以上、より好ましくは150mm2/s以上である圧延油が付着してなる鋼板に対して効果的である。高粘度エステルとしては、前記の炭素数16〜20の高級脂肪族不飽和酸のダイマー酸又はポリマー酸を原料とする合成エステル、前記の多価アルコールと炭素数6〜22の脂肪族カルボン酸を原料とし多価アルコールの水酸基を1以上残した合成エステル、多価アルコールと炭素数6〜22の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を原料とする合成エステル等が挙げられる。なおエステルではないが、本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、ポリブテン等の高粘度化合物に対しても効果的である。
さらに本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、炭素数16〜20の高級脂肪族不飽和酸の重合物を1重量%以上含有する圧延油が付着してなる鋼板に対して効果的である。高級脂肪族不飽和酸の重合物としては、ゾーマリン酸、オレイン酸、リノール酸、ガドレイン酸、トール油脂肪酸等の炭素数16〜20の高級脂肪族不飽和酸のダイマー酸及びポリマー酸が挙げられる。
本発明の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、製鉄所等における冷間圧延等の加工処理により得られた鋼板(鋼帯)の連続洗浄、即ち浸漬洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、電解洗浄等においてその効果を発揮するが、特に低温において冷間圧延鋼板を電解洗浄する際に使用すると効果が大きい。
<鋼板洗浄試験>
(1)被洗浄鋼板
被洗浄鋼板は全て合成エステル系圧延油で冷間圧延された鋼板を、25mm×50mmの大きさに切断して用いた。本洗浄試験に用いた被洗浄鋼板の付着油分量は、100mg/m2である。
(2)擬似劣化洗浄液の調製
圧延機に付着し堆積したスカムから油分を溶剤で抽出して得たスカム抽出油を、洗浄剤組成物に対して、1重量%添加し、十分撹拌して擬似劣化洗浄液を調製した。
(3)洗浄試験
洗浄剤組成物(汚れ無し洗浄液)及び擬似劣化洗浄液中に、それぞれ設置した縦100mm×横50mmの大きさの電極板1対(電極間距離は20mm)から等距離かつ中心に被洗浄鋼板を1秒間浸漬し、その後、電流密度10A/dm2で鋼板電位を負から正に一度切り替えて、それぞれ0.5秒間ずつ電解洗浄し、電解洗浄した。その後、5秒間60℃で浸漬リンスし、温風乾燥した。なお、試験洗浄液の温度は、表1に示す。
(4)残存付着油分量測定方法
汚れ無し洗浄液及び擬似劣化洗浄液について、それぞれ洗浄及びすすぎ後の鋼板付着油分量を、鋼板付着油量測定装置EMIA−111(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。測定値は5回測定の平均値である。洗浄性の評価基準は、汚れ無し洗浄液については新液洗浄性、擬似劣化洗浄液については繰り返し洗浄性として評価した。すなわち、繰り返し洗浄性の評価は鋼板評価に付着した油分が洗浄槽に蓄積した場合の洗浄性評価であるので、擬似劣化洗浄液を用いて行った。
洗浄性の測定基準は、測定後の残存付着油分量を以下のように設定した。新液洗浄性は、測定後の残存付着油分量が20mg/m2未満であれば合格、20mg/m2以上であれば不合格とした。また繰り返し洗浄性は、測定後の残存付着油分量が35mg/m2以下であれば合格、35mg/m2を超えるのであれば不合格とした。
<鉄粉除去性試験>
洗浄後の鋼板表面の残留鉄粉量は以下の方法で測定を行った。新液洗浄性および繰り返し洗浄性を評価した後、温風乾燥した鋼板をヘキサンに10秒間浸漬し、鋼板表面に残留した油分を除去し風乾させる。この鋼板の上にアクリル系粘着剤を塗布したアセテートフィルム(テープ)を貼り付けた後、テープを引き離し、鋼板に残留した鉄粉をテープに転写させる。この鉄粉を転写させたテープをOHPシートに貼り付け、鉄分量測定サンプルとする。残留鉄粉量はこのサンプルの明度(L値)を残留鉄粉量として、色彩色差計(ミノルタ社製のCR‐300)で測定を行った。鉄粉除去性の基準は以下のように設定した。新液洗浄性および繰り返し洗浄性ともにL値が58以上であれば合格、58未満であれば不合格とした。
実施例1
水酸化ナトリウム2重量%、
一般式(1)のポリオキシエチレンアルキルエーテル(Rは炭素数8の直鎖アルキル基の混合物、ポリオキシエチレンの平均付加モル数は3.5モル)0.2重量%、
グルコン酸ナトリウム0.2重量%、
及び残部水(バランス量は脱イオン水を使用)からなる洗浄剤組成物を調製し、表1に示す洗浄温度条件で、洗浄性試験及び鉄粉除去性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例2〜8、比較例1〜4
実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの種類およびその使用量、洗浄性試験及び鉄粉除去性試験洗浄温度条件で表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を調製した。洗浄評価及び鉄粉除去性試験の結果を、表1に示す。
なお、表1には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのオキシエチレン基の2〜10モル付加体の各割合の測定は、イソプロピルアルコールに所定のポリオキシエチレンアルキルエーテルを3重量%溶解させたものをサンプルとして、下記の装置、カラム測定条件で行った。
GC装置:Agilent Technologies製の6850SERIESII
カラム:Agilent 19091A‐102EULTRA 1 メチルシロキサン
測定条件:初期:60℃,2分間ホールド、昇温速度:10℃/min、300℃:20分間ホールド
各オキシエチレン基付加体の重量%は、対象となるオキシエチレン基付加体の検出ピーク面積を全検ピーク面積で除した値とした。また上記の方法で求めたオキシエチレン基付加体のモル数を横軸に、オキシエチレン基付加体の累積重量%を縦軸にとって、オキシエチレン基付加体の重量%を累積分布で示し、前記累積重量%が50重量%となるオキシエチレン基付加体のモル数を、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの平均付加モル数とした。
なお、各例で用いたポリオキシエチレンアルキルエーテルは、
実施例1、4〜8:日本乳化剤(株)製の商品名ニューコール1004、
実施例2:日本乳化剤(株)製の商品名ニューコール1006、
実施例3:日本乳化剤(株)製の商品名ニューコール1008、
比較例1〜3:青木油脂工業(株)製の商品名ブラウノンEH‐4、
比較例4:青木油脂工業(株)製の商品名ブラウノンEH‐6、である。
Figure 2008038195
表1の結果から、実施例1〜8の洗浄剤組成物は、オキシエチレン基の付加モル数の分布に関して、オキシエチレン基の0モル付加体と1モル付加体の合計量が小さく制御されている、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)を含有しており、油脂類に対する洗浄性及び鉄粉に対する除去性ともに良好である。また、実施例1〜6、8から、洗浄にあたり用いられる、洗浄剤組成物中におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)の割合が、0.05〜1重量%の低い範囲においても、油脂類及び鉄粉に対する良好な洗浄性を示すことが分かる。一方、比較例1〜3の洗浄剤組成物に含有される、ポリオキシエチレンアルキルエーテルでは、オキシエチレン基の0モル付加体と1モル付加体の合計割合が大きく、油脂類に対する洗浄性及び鉄粉に対する除去性が十分とはいえない。特に鉄粉に対する洗浄性が十分ではない。

Claims (9)

  1. アルカリ剤(A)、
    アルドン酸類(B)、
    下記一般式(1):R−O−(CHCHO)−H
    (式中、Rは炭素数5〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、nはオキシエチレン基の平均付加モル数である)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)及び水を含有する冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物であって、
    前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)は、オキシエチレン基の付加モル数に分布を有しており、
    オキシエチレン基の平均付加モル数nは2〜10であり、
    オキシエチレン基の0モル付加体と1モル付加体の合計量が5重量%以下であり、かつ、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量が80重量%以上である冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物。
  2. アルカリ剤(A)、
    アルドン酸類(B)、
    下記一般式(1):R−O−(CHCHO)−H
    (式中、Rは炭素数5〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、nはオキシエチレン基の平均付加モル数である)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)及び水を混合して得られる冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物であって、
    前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)は、オキシエチレン基の付加モル数に分布を有しており、
    オキシエチレン基の平均付加モル数nは2〜10であり、
    オキシエチレン基の0モル付加体と1モル付加体の合計量が5重量%以下であり、かつ、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量が80重量%以上である冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物。
  3. 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)は、オキシエチレン基の0モル付加体と1モル付加体の合計量が0.1重量%以下である請求項1または2記載の冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物。
  4. 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)は、オキシエチレン基の平均付加モル数nが2.5〜4.5であり、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量が100重量%である請求項3記載の冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物。
  5. 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)は、オキシエチレン基の平均付加モル数nが4.5を超え6.5以下であり、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量が100重量%である請求項3記載の冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物。
  6. 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)は、オキシエチレン基の平均付加モル数nが6.5を超え8.5以下であり、オキシエチレン基の2〜10モル付加体の合計量が90重量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物。
  7. アルカリ剤(A)が、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムである請求項1〜6のいずれかに記載の冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物。
  8. 鋼板を圧延油の存在下で冷間圧延する工程と、圧延された鋼板に付着する圧延油を洗浄剤により洗浄する工程を含む冷間圧延鋼板の製造方法であって、
    前記洗浄工程において、洗浄剤として、請求項1〜7のいずれかに記載の冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物を用いる冷間圧延鋼板の製造方法。
  9. 冷間圧延鋼板用洗浄剤組成物は、当該組成物中におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)の割合が、0.05〜1重量%になるように調整されたものである請求項8記載の冷間圧延鋼板の製造方法。
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