JP3786375B2 - 無水型ｌｎｇサンプリングシステムにおけるパージ方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンカーで運ばれてきたＬＮＧをＬＮＧ受入ラインを経由してＬＮＧ受入タンク内に受け入れている最中に、ＬＮＧ受入ラインからＬＮＧをサンプリングし、このサンプリングしたＬＮＧを気化してこれをサンプリングガスシリンダー内に充填することにより試料化するＬＮＧサンプリングシステムであって、無水型と称されるサンプリングシステムにおけるパージ方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
本件出願人は、無水型ＬＮＧサンプリングシステムとして、平成７年特許願第１８５８１７号を出願中である。この内容は、サンプリングガスホルダー内に伸縮自在の気密性作動膜を組み込んで容積変化自在の内層と外層を形成し、外層にはサンプリングライン及びサンプリングガス充填装置に至るサンプリングガス充填ライン及び真空ポンプに繋がれた真空引きラインを接続し、内層には加圧気体充填ライン及び前記真空引きラインに接続された分岐真空引きラインを接続して成るＬＮＧサンプリング装置において、受け入れ開始前に、サンプリングガスホルダーの内層と外層及びサンプリング装置にセットされたサンプリングシリンダーを含む系内をサンプリングガスでパージし、次に、真空ポンプを駆動してパージを行った系内全体の真空引きを行うと共に、一定時間保持することにより内層の真空度チェックを行い、次に、サンプリングガスホルダーの内層内にサンプリングガスを充填して一定時間保持することにより膜の健全性チェックと外層の真空度チェックを行い、次に、サンプリングガスホルダーの外層内に受入中のＬＮＧを気化したサンプリングガスをサンプリングラインを経由して充填することにより一旦保持させ、次に、サンプリングガスホルダーの内層内に加圧気体充填ラインから加圧気体を送入して作動膜を膨張させることにより、外層内に充填したサンプリングガスをサンプリングガス送出ラインから追い出してサンプリングガス充填装置にセットされたサンプリングシリンダー内に充填する、ことを特徴とするＬＮＧ受入時における受入ＬＮＧのサンプリング方法である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、真空ポンプを使用して系内全体及びサンプリングガスシリンダーのパージを行う上記従来のサンプリングシステムにおいては、次のような問題がある。
ａ．真空ポンプによる真空引きパージを実施する際、系内が負圧となるため、系内に空気を吸引するトラブルの可能性がある。
ｂ．前記トラブルの対策として、配管系を真空仕様にしてシール性を良くしたり、真空計を設置してチェック機能を充実させたりする必要があり、これを行うと設備の複雑化と設備費の増大を招く。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、空気を吸引したり、設備の複雑化、設備費の増大を招かないパージ方法を提案するのが目的であって、その構成は次のとおりである。
【０００５】
密閉容器内に伸縮自在の気密性作動膜を組み込んで該容器内を外層と内層に区画して成るサンプリングガスホルダーを設け、このサンプリングガスホルダーの外層と気化器間をサンプリングガスライン及び前記サンプリングガスラインを分岐した外層導入ラインで結ぶと共に、内層を前記サンプリングガスラインを分岐した内層導入ラインで結び、更に前記サンプリングガスホルダーの外層をサンプリングガス充填ラインを経由してサンプリングガス充填装置に接続すると共に、前記サンプリングガス充填装置を逃しラインを経由して前記サンプリングガスラインを分岐したＢＯＧラインに結び、更に前記サンプリングガスホルダーの内層に加圧気体充填ラインを結んで成る無水型ＬＮＧサンプリングシステムにおいて、前記内層導入ラインと逃しラインを排出ラインで結び、系内全体のパージは、先ずサンプリングガス充填ライン及び内層導入ライン及び加圧気体充填ラインを閉じ、サンプリングガスライン及び外層導入ライン及び排出ラインを開いて気化器で気化したサンプリングガスをサンプリングガスホルダーの外層内に導入して作動膜を収縮させ、次にサンプリングガスラインからの外層導入ライン及び排出ラインを閉じ、内層導入ライン及びサンプリングガス充填ライン及び逃しラインを開いてサンプリングガスホルダーの内層側にサンプリングガスを導入して作動膜を膨脹させることにより、サンプリングガスホルダーの外層内のサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン、サンプリングガス充填装置、逃しライン、ＢＯＧラインと押し出し、これを数回繰り返して行い、次にサンプリングガスシリンダーのパージは、サンプリングガスホルダーの内層内に加圧気体を導入して前記サンプリングガスホルダーの外層内に捕集したサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン、サンプリングガス充填装置にセットされたサンプリングガスシリンダー内に充填したのち、これを逃しラインを経由して排出し、これを数回繰り返して行う無水型ＬＮＧサンプリングシステムにおけるパージ方法。
【０００６】
【作用】
上記サンプリングシステムにおけるパージ方法について、系内全体からのパージを説明する。このパージは、気化器で気化したサンプリングガスをサンプリングガスラインと外層導入ラインを利用してサンプリングガスホルダーの外層内に導入して一旦保持し、次に内層側にサンプリングガスを導入することにより、外層内のサンプリングガスをサンプリングガス充填ラインからサンプリングガス充填装置を経由して逃しラインからＢＯＧライン側に押し出すことにより行う。このようにして行う全系パージは、例えば、３回繰り返して実施する。この際、内層と外層の容積変化の割合は１：１００なので、１／（１００×１００×１００）＝１００万分の１（１ＰＰＭ）となり、分析上影響のない数字となる。
【０００７】
この全系パージ終了後にサンプリングホルダーの外層内にサンプリングガスラインを経由してサンプリングガスを捕集する。次にサンプリングガスシリンダーにこの捕集したサンプリングガスを充填する場合には、事前にサンプリングガスシリンダーのパージを行う。
【０００８】
このシリンダーパージは、サンプリングガスホルダーの内層内に加圧気体を導入し、サンプリングガスホルダーの外層内に捕集されているサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン及びサンプリングガス充填装置にセットされているサンプリングガスシリンダー内に一旦充填し、その後排気し、これを数回繰り返す。
【０００９】
【発明の実施の形態】
［実施例］
図１は、本発明に係る無水型ＬＮＧサンプリングシステムとこのパージ方法の説明図である。符号の１はＬＮＧ受入ライン、２はサンプリングライン、３は気化器、４はバッファードラム、５はサンプリングガスライン、６は外層導入ライン、７は内層導入ライン、８はサンプリングガスホルダー、８ａはサンプリングガスホルダー８内に組み込まれた伸縮自在の気密性作動膜、８ｂは外層、８ｃは内層であって、前記外層導入ライン６は外層８ｂに、内層導入ライン７は内層８ｃに結ばれている。
【００１０】
９はサンプリングガスホルダー８の外層８ｂとサンプリングガス充填装置１０を結ぶサンプリングガス充填ライン、１１はサンプリングガスシリンダー、１２はサンプリングガス充填装置１０とサンプリングガスライン５から分岐されたＢＯＧライン１３を結ぶ逃しライン、１４は内層８ｃ内に例えばＮ2 等の加圧気体を充填するための加圧気体充填ライン、１５は内層導入ライン７と逃しライン１２を結ぶ排出ライン、１６は外層導入ライン６と内層導入ライン７を結ぶバイパスラインである。図中ａ〜ｊは各ラインに取り付けられたバルブである。
【００１１】
次に、実施例について、そのパージ方法を説明する。
・全系のパージ
先ず、内層導入ライン７のバルブｄ、サンプリングガス充填ライン９のバルブｇ、加圧気体充填ライン１４のバルブｊを閉じ、内層導入ライン７のバルブａ及び外層導入ライン６のバルブｂ，ｅとバイパスライン１６のバルブｃ、排出ライン１５のバルブｆ、逃しライン１２のバルブｈ，ｉを開いて、サンプリングガスライン５から外層導入ライン６及びバイパスライン１６を経由してサンプリングガスホルダー８の外層８ｂ内にサンプリングガスを導入する。この際、内層８ｃ内のガスは排出ライン１５から逃しライン１２を経由してＢＯＧライン１３側に押し出されて作動膜８ａは収縮する。
【００１２】
次に、バルブｂ，ｃ，ｅ，ｆを閉じ、バルブｄ，ｇ，ｈを開き、サンプリングガスホルダー８の内層８ｃ内に内層導入ライン７を経由してサンプリングガスを導入し、外層８ｂ内のサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン９→サンプリングガスシリンダー１１をセットしたサンプリングガス充填装置１０→逃しライン１２→ＢＯＧライン１３と押し出す。これを通常は３回繰り返して、系内のパージを終了し、サンプリングに備える。但し、２回で十分な場合は２回で終了し、３回で不十分な場合はそれ以上の回数を繰り返す。
【００１３】
・サンプリング及びサンプリングガスシリンダーへの充填
サンプリングは、バルブａ，ｃ，ｄ，ｇ，ｊを閉じ、バルブｂ，ｅ，ｆ，ｉを開き、気化器３で気化したサンプリングガスをサンプリングガスライン５→外層導入ライン６→サンプリングガスホルダー８の外層８ｂ内と導入してここに捕集する。そして、この捕集したサンプリングガスをサンプリングガスシリンダー１１に対して充填する際には、次に説明するシリンダーパージを行ってから、バルブｇ，ｊを開いて加圧気体を加圧気体充填ライン１４→サンプリングガスホルダー８の内層８ｃと導入して作動膜８ａを膨脹させ、この膨脹作用により外層８ｂ内に捕集されたサンプリングガスを外層８ｂ→サンプリングガス充填ライン９→サンプリングガスシリンダー１１と押し出して行う。
【００１４】
・シリンダーパージ
このパージは、サンプリングガスホルダー８の外層８ｂ内に捕集されているサンプリングガスを用いて行う。先ず、逃しライン１２のバルブｈを閉じ、サンプリングガス充填ライン９のバルブｇ及び、加圧気体充填ライン１４のバルブｊを開いて内層８ｃ内に加圧気体を導入し、その圧力により外層８ｂ内のサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン９→サンプリングガス充填装置１０にセットされたサンプリングガスシリンダー１１と押し出すことにより、サンプリングガスシリンダー１１内に一旦サンプリングガスを充填し、次にバルブｇを閉じ、バルブｈを開いてサンプリングガスシリンダー１１内に充填したサンプリングガスの排気を行い、これを通常は３回繰り返す。
【００１５】
【発明の効果】
本発明は以上のように、サンプリングガスとサンプリングガスホルダーを用いて全系統及びシリンダーのパージを行い、従来の真空引きによるパージを一切なくした。この結果、次の効果を奏する。
【００１６】
ａ．真空引きを行う従来方式の場合のように、系内に空気を吸引する恐れがなくなり、信頼性が向上する。
ｂ．真空ポンプ、真空仕様の配管系や真空計等が必要なくなり、設備の簡素化と設備費の削減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明が適用されるサンプリングシステムとそのパージ方法の説明図。
【符号の説明】
１ ＬＮＧ受入ライン
２ サンプリングライン
３ 気化器
４ バッファードラム
５ サンプリングガスライン
６ 外層導入ライン
７ 内層導入ライン
８ サンプリングガスホルダー
８ａ 作動膜
８ｂ 外層
８ｃ 内層
９ サンプリングガス充填ライン
１０ サンプリングガス充填装置
１１ サンプリングガスシリンダー
１２ 逃しライン
１３ ＢＯＧライン
１４ 加圧気体充填ライン
１５ 排出ライン
１６ バイパスライン
ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅ，ｆ，ｇ，ｈ，ｉ，ｊ バルブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンカーで運ばれてきたＬＮＧをＬＮＧ受入ラインを経由してＬＮＧ受入タンク内に受け入れている最中に、ＬＮＧ受入ラインからＬＮＧをサンプリングし、このサンプリングしたＬＮＧを気化してこれをサンプリングガスシリンダー内に充填することにより試料化するＬＮＧサンプリングシステムであって、無水型と称されるサンプリングシステムにおけるパージ方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
本件出願人は、無水型ＬＮＧサンプリングシステムとして、平成７年特許願第１８５８１７号を出願中である。この内容は、サンプリングガスホルダー内に伸縮自在の気密性作動膜を組み込んで容積変化自在の内層と外層を形成し、外層にはサンプリングライン及びサンプリングガス充填装置に至るサンプリングガス充填ライン及び真空ポンプに繋がれた真空引きラインを接続し、内層には加圧気体充填ライン及び前記真空引きラインに接続された分岐真空引きラインを接続して成るＬＮＧサンプリング装置において、受け入れ開始前に、サンプリングガスホルダーの内層と外層及びサンプリング装置にセットされたサンプリングシリンダーを含む系内をサンプリングガスでパージし、次に、真空ポンプを駆動してパージを行った系内全体の真空引きを行うと共に、一定時間保持することにより内層の真空度チェックを行い、次に、サンプリングガスホルダーの内層内にサンプリングガスを充填して一定時間保持することにより膜の健全性チェックと外層の真空度チェックを行い、次に、サンプリングガスホルダーの外層内に受入中のＬＮＧを気化したサンプリングガスをサンプリングラインを経由して充填することにより一旦保持させ、次に、サンプリングガスホルダーの内層内に加圧気体充填ラインから加圧気体を送入して作動膜を膨張させることにより、外層内に充填したサンプリングガスをサンプリングガス送出ラインから追い出してサンプリングガス充填装置にセットされたサンプリングシリンダー内に充填する、ことを特徴とするＬＮＧ受入時における受入ＬＮＧのサンプリング方法である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、真空ポンプを使用して系内全体及びサンプリングガスシリンダーのパージを行う上記従来のサンプリングシステムにおいては、次のような問題がある。
ａ．真空ポンプによる真空引きパージを実施する際、系内が負圧となるため、系内に空気を吸引するトラブルの可能性がある。
ｂ．前記トラブルの対策として、配管系を真空仕様にしてシール性を良くしたり、真空計を設置してチェック機能を充実させたりする必要があり、これを行うと設備の複雑化と設備費の増大を招く。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、空気を吸引したり、設備の複雑化、設備費の増大を招かないパージ方法を提案するのが目的であって、その構成は次のとおりである。
【０００５】
密閉容器内に伸縮自在の気密性作動膜を組み込んで該容器内を外層と内層に区画して成るサンプリングガスホルダーを設け、このサンプリングガスホルダーの外層と気化器間をサンプリングガスライン及び前記サンプリングガスラインを分岐した外層導入ラインで結ぶと共に、内層を前記サンプリングガスラインを分岐した内層導入ラインで結び、更に前記サンプリングガスホルダーの外層をサンプリングガス充填ラインを経由してサンプリングガス充填装置に接続すると共に、前記サンプリングガス充填装置を逃しラインを経由して前記サンプリングガスラインを分岐したＢＯＧラインに結び、更に前記サンプリングガスホルダーの内層に加圧気体充填ラインを結んで成る無水型ＬＮＧサンプリングシステムにおいて、前記内層導入ラインと逃しラインを排出ラインで結び、系内全体のパージは、先ずサンプリングガス充填ライン及び内層導入ライン及び加圧気体充填ラインを閉じ、サンプリングガスライン及び外層導入ライン及び排出ラインを開いて気化器で気化したサンプリングガスをサンプリングガスホルダーの外層内に導入して作動膜を収縮させ、次にサンプリングガスラインからの外層導入ライン及び排出ラインを閉じ、内層導入ライン及びサンプリングガス充填ライン及び逃しラインを開いてサンプリングガスホルダーの内層側にサンプリングガスを導入して作動膜を膨脹させることにより、サンプリングガスホルダーの外層内のサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン、サンプリングガス充填装置、逃しライン、ＢＯＧラインと押し出し、これを数回繰り返して行い、次にサンプリングガスシリンダーのパージは、サンプリングガスホルダーの内層内に加圧気体を導入して前記サンプリングガスホルダーの外層内に捕集したサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン、サンプリングガス充填装置にセットされたサンプリングガスシリンダー内に充填したのち、これを逃しラインを経由して排出し、これを数回繰り返して行う無水型ＬＮＧサンプリングシステムにおけるパージ方法。
【０００６】
【作用】
上記サンプリングシステムにおけるパージ方法について、系内全体からのパージを説明する。このパージは、気化器で気化したサンプリングガスをサンプリングガスラインと外層導入ラインを利用してサンプリングガスホルダーの外層内に導入して一旦保持し、次に内層側にサンプリングガスを導入することにより、外層内のサンプリングガスをサンプリングガス充填ラインからサンプリングガス充填装置を経由して逃しラインからＢＯＧライン側に押し出すことにより行う。このようにして行う全系パージは、例えば、３回繰り返して実施する。この際、内層と外層の容積変化の割合は１：１００なので、１／（１００×１００×１００）＝１００万分の１（１ＰＰＭ）となり、分析上影響のない数字となる。
【０００７】
この全系パージ終了後にサンプリングホルダーの外層内にサンプリングガスラインを経由してサンプリングガスを捕集する。次にサンプリングガスシリンダーにこの捕集したサンプリングガスを充填する場合には、事前にサンプリングガスシリンダーのパージを行う。
【０００８】
このシリンダーパージは、サンプリングガスホルダーの内層内に加圧気体を導入し、サンプリングガスホルダーの外層内に捕集されているサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン及びサンプリングガス充填装置にセットされているサンプリングガスシリンダー内に一旦充填し、その後排気し、これを数回繰り返す。
【０００９】
【発明の実施の形態】
［実施例］
図１は、本発明に係る無水型ＬＮＧサンプリングシステムとこのパージ方法の説明図である。符号の１はＬＮＧ受入ライン、２はサンプリングライン、３は気化器、４はバッファードラム、５はサンプリングガスライン、６は外層導入ライン、７は内層導入ライン、８はサンプリングガスホルダー、８ａはサンプリングガスホルダー８内に組み込まれた伸縮自在の気密性作動膜、８ｂは外層、８ｃは内層であって、前記外層導入ライン６は外層８ｂに、内層導入ライン７は内層８ｃに結ばれている。
【００１０】
９はサンプリングガスホルダー８の外層８ｂとサンプリングガス充填装置１０を結ぶサンプリングガス充填ライン、１１はサンプリングガスシリンダー、１２はサンプリングガス充填装置１０とサンプリングガスライン５から分岐されたＢＯＧライン１３を結ぶ逃しライン、１４は内層８ｃ内に例えばＮ2 等の加圧気体を充填するための加圧気体充填ライン、１５は内層導入ライン７と逃しライン１２を結ぶ排出ライン、１６は外層導入ライン６と内層導入ライン７を結ぶバイパスラインである。図中ａ〜ｊは各ラインに取り付けられたバルブである。
【００１１】
次に、実施例について、そのパージ方法を説明する。
・全系のパージ
先ず、内層導入ライン７のバルブｄ、サンプリングガス充填ライン９のバルブｇ、加圧気体充填ライン１４のバルブｊを閉じ、内層導入ライン７のバルブａ及び外層導入ライン６のバルブｂ，ｅとバイパスライン１６のバルブｃ、排出ライン１５のバルブｆ、逃しライン１２のバルブｈ，ｉを開いて、サンプリングガスライン５から外層導入ライン６及びバイパスライン１６を経由してサンプリングガスホルダー８の外層８ｂ内にサンプリングガスを導入する。この際、内層８ｃ内のガスは排出ライン１５から逃しライン１２を経由してＢＯＧライン１３側に押し出されて作動膜８ａは収縮する。
【００１２】
次に、バルブｂ，ｃ，ｅ，ｆを閉じ、バルブｄ，ｇ，ｈを開き、サンプリングガスホルダー８の内層８ｃ内に内層導入ライン７を経由してサンプリングガスを導入し、外層８ｂ内のサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン９→サンプリングガスシリンダー１１をセットしたサンプリングガス充填装置１０→逃しライン１２→ＢＯＧライン１３と押し出す。これを通常は３回繰り返して、系内のパージを終了し、サンプリングに備える。但し、２回で十分な場合は２回で終了し、３回で不十分な場合はそれ以上の回数を繰り返す。
【００１３】
・サンプリング及びサンプリングガスシリンダーへの充填
サンプリングは、バルブａ，ｃ，ｄ，ｇ，ｊを閉じ、バルブｂ，ｅ，ｆ，ｉを開き、気化器３で気化したサンプリングガスをサンプリングガスライン５→外層導入ライン６→サンプリングガスホルダー８の外層８ｂ内と導入してここに捕集する。そして、この捕集したサンプリングガスをサンプリングガスシリンダー１１に対して充填する際には、次に説明するシリンダーパージを行ってから、バルブｇ，ｊを開いて加圧気体を加圧気体充填ライン１４→サンプリングガスホルダー８の内層８ｃと導入して作動膜８ａを膨脹させ、この膨脹作用により外層８ｂ内に捕集されたサンプリングガスを外層８ｂ→サンプリングガス充填ライン９→サンプリングガスシリンダー１１と押し出して行う。
【００１４】
・シリンダーパージ
このパージは、サンプリングガスホルダー８の外層８ｂ内に捕集されているサンプリングガスを用いて行う。先ず、逃しライン１２のバルブｈを閉じ、サンプリングガス充填ライン９のバルブｇ及び、加圧気体充填ライン１４のバルブｊを開いて内層８ｃ内に加圧気体を導入し、その圧力により外層８ｂ内のサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン９→サンプリングガス充填装置１０にセットされたサンプリングガスシリンダー１１と押し出すことにより、サンプリングガスシリンダー１１内に一旦サンプリングガスを充填し、次にバルブｇを閉じ、バルブｈを開いてサンプリングガスシリンダー１１内に充填したサンプリングガスの排気を行い、これを通常は３回繰り返す。
【００１５】
【発明の効果】
本発明は以上のように、サンプリングガスとサンプリングガスホルダーを用いて全系統及びシリンダーのパージを行い、従来の真空引きによるパージを一切なくした。この結果、次の効果を奏する。
【００１６】
ａ．真空引きを行う従来方式の場合のように、系内に空気を吸引する恐れがなくなり、信頼性が向上する。
ｂ．真空ポンプ、真空仕様の配管系や真空計等が必要なくなり、設備の簡素化と設備費の削減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明が適用されるサンプリングシステムとそのパージ方法の説明図。
【符号の説明】
１ ＬＮＧ受入ライン
２ サンプリングライン
３ 気化器
４ バッファードラム
５ サンプリングガスライン
６ 外層導入ライン
７ 内層導入ライン
８ サンプリングガスホルダー
８ａ 作動膜
８ｂ 外層
８ｃ 内層
９ サンプリングガス充填ライン
１０ サンプリングガス充填装置
１１ サンプリングガスシリンダー
１２ 逃しライン
１３ ＢＯＧライン
１４ 加圧気体充填ライン
１５ 排出ライン
１６ バイパスライン
ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅ，ｆ，ｇ，ｈ，ｉ，ｊ バルブ
Claims (1)
- 密閉容器内に伸縮自在の気密性作動膜を組み込んで該容器内を外層と内層に区画して成るサンプリングガスホルダーを設け、このサンプリングガスホルダーの外層と気化器間をサンプリングガスライン及び前記サンプリングガスラインを分岐した外層導入ラインで結ぶと共に、内層を前記サンプリングガスラインを分岐した内層導入ラインで結び、更に前記サンプリングガスホルダーの外層をサンプリングガス充填ラインを経由してサンプリングガス充填装置に接続すると共に、前記サンプリングガス充填装置を逃しラインを経由して前記サンプリングガスラインを分岐したＢＯＧラインに結び、更に前記サンプリングガスホルダーの内層に加圧気体充填ラインを結んで成る無水型ＬＮＧサンプリングシステムにおいて、前記内層導入ラインと逃しラインを排出ラインで結び、系内全体のパージは、先ずサンプリングガス充填ライン及び内層導入ライン及び加圧気体充填ラインを閉じ、サンプリングガスライン及び外層導入ライン及び排出ラインを開いて気化器で気化したサンプリングガスをサンプリングガスホルダーの外層内に導入して作動膜を収縮させ、次にサンプリングガスラインからの外層導入ライン及び排出ラインを閉じ、内層導入ライン及びサンプリングガス充填ライン及び逃しラインを開いてサンプリングガスホルダーの内層側にサンプリングガスを導入して作動膜を膨脹させることにより、サンプリングガスホルダーの外層内のサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン、サンプリングガス充填装置、逃しライン、ＢＯＧラインと押し出し、これを数回繰り返して行い、次にサンプリングガスシリンダーのパージは、サンプリングガスホルダーの内層内に加圧気体を導入して前記サンプリングガスホルダーの外層内に捕集したサンプリングガスをサンプリングガス充填ライン、サンプリングガス充填装置にセットされたサンプリングガスシリンダー内に充填したのち、これを逃しラインを経由して排出し、これを数回繰り返して行う無水型ＬＮＧサンプリングシステムにおけるパージ方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7728196A JP3786375B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 無水型ｌｎｇサンプリングシステムにおけるパージ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7728196A JP3786375B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 無水型ｌｎｇサンプリングシステムにおけるパージ方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09263779A JPH09263779A (ja) | 1997-10-07 |
| JP3786375B2 true JP3786375B2 (ja) | 2006-06-14 |
Family
ID=13629493
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7728196A Expired - Lifetime JP3786375B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 無水型ｌｎｇサンプリングシステムにおけるパージ方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3786375B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2961989B2 (ja) * | 1991-08-28 | 1999-10-12 | 石川島播磨重工業株式会社 | ガスサンプリング方法及び装置 |
| JP2905650B2 (ja) * | 1992-09-18 | 1999-06-14 | 東京瓦斯株式会社 | Ｌｎｇサンプリングシステム |
| JP3062384B2 (ja) * | 1994-02-28 | 2000-07-10 | ニッテツ北海道制御システム株式会社 | Ｌｎｇの自動サンプリング装置 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP7728196A patent/JP3786375B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09263779A (ja) | 1997-10-07 |
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