JP3785684B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、FAX等のカラー画像形成装置で、像形成体の周辺に複数の帯電手段、像露光手段、現像手段、中間転写手段、クリーニング装置等の画像形成手段を配置して、像形成体の一回転中にトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する電子写真方式のカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多色のカラー画像を形成する方法の1つとして像形成体の一回転中に各色に対応する画像の像露光、現像を順次反復して各色のトナー像を像形成体上に重ね合わせてカラー画像を形成するカラー画像形成装置が知られている。
【0003】
しかしかかる装置は、像形成体の周面に複数の帯電手段、像露光手段および現像手段を配置すると共にさらに転写材の搬送領域やクリーニング装置にも場所をとられるので、像形成体周面のスペースが不足し、そのためレイアウトに難渋し、周面長の長い大型の像形成体を必要とすると共にバランスも悪くなる欠点がある。
【0004】
このスペースの不足を解決する一つの方法として、本願発明者らは、像形成体の基体を透明体とし、各像露光手段を像形成体の内部に収容し、像形成体の内側から像露光するようにした装置で、更に中間転写手段を使用することにより転写領域に対して接線方向から搬送される転写材の搬送面を、像形成体の周面より離れた位置に設定するようにした装置を特願平8−76560号公報等にて提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる装置においては、像形成体の周囲に複数の像露光手段、帯電手段、現像手段や中間転写手段、クリーニング装置等の画像形成手段が数多く配置されるが、像形成体に対向して設けられる画像形成手段と像形成体との間隙を保持するため、例えば現像手段においては現像手段に設けられた間隙保持部材としての突当コロを用いて像形成体の端部に突当てたり、帯電手段の端部に設けた間隙保持部材としてのコロや滑り部材を像形成体に突当てて間隙を保持する等の方法が採られている。
【0006】
しかしながら、前記の方法により帯電手段、現像手段、中間転写手段及びクリーニング装置等の画像形成手段の間隙保持部材を像形成体に突当てて像形成体との間隙を保持しようとすると、像形成体は透光性からプラスチックやガラスが採用されるため、像形成体が画像形成手段に設けられた間隙保持部材に押圧され、像形成体が変形されたり、損傷されたりし、良好な画像が形成されないという問題が生じる。
【0007】
本発明は上記の問題点を解決し、像形成体が変形されたり損傷されたりすることなく像形成体と画像形成手段との間隙が保持されるカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、回転する像形成体の周囲に、前記像形成体を帯電させる帯電器と、帯電された前記像形成体に像露光し潜像を形成させる像露光手段と、前記像形成体に形成された潜像を現像しトナー像を形成させる現像手段と、を複数組配置し、前記像形成体の一回転中に、前記像形成体に対し前記帯電器による帯電と前記像露光手段による像露光と前記現像手段による現像とによるトナー像の形成を順次繰り返すことにより前記像形成体上に複数のトナー像を重ね合わせ、前記重ね合わせて形成されたトナー像を一旦中間転写手段に転写した後転写材に転写し、転写材に転写されたトナー像を定着するカラー画像形成装置において、前記像露光手段を前記像形成体の内部に配置するために、固定された回転支持軸と、前記回転支持軸に固着された支持部材を備え、前記支持部材は、前記像露光手段を固定支持し、前記像形成体を回動自在に支持すると共に、前記像形成体に対向して設けられ前記像形成体に画像形成を行う前記像露光手段を除く画像形成手段との間隙を保持する円板状の突当基準部材を固定したことを特徴とするカラー画像形成装置によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本願の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
本発明のカラー画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセス及び構成を図1〜図7により説明する。図1は、カラー画像形成装置の断面構成図であり、図2は、像形成体の支持構造を示す正面図であり、図3は、像形成体の支持構造を示す断面図であり、図4は、突当基準部材を示す図であり、図5は、像形成体ユニットの外観図であり、図6は、中間転写手段の支持構造を示す正面図であり、図7は、中間転写手段の支持構造を示す断面図である。
【0011】
図1によれば、ドラム状の像形成体である感光体ドラム10は、例えば、ガラスや透明アクリル樹脂の透明部材によって形成される円筒状の透明樹脂基体を内側に設け、透明の導電層及び有機感光体層(OPC)を該基体の外周に形成したものであり、接地された状態で図1の矢印で示す反時計方向に回転される。
【0012】
本実施形態では、感光体ドラムの光導電体層において適切なコントラストを付与できる露光光量を有していればよい。従って、本実施形態における感光体ドラムの透明樹脂基体の光透過率は、100%である必要はなく、露光ビームの透過時にある程度の光が吸収されるような特性であっても構わない。透光性基体の素材としては、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを用い重合したものが、透明性、強度、精度、表面性等において優れており好ましく用いられるが、その他一般光学部材などに使用されるフッ素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、などの各種透光性樹脂が使用可能である。
【0013】
また、露光光に対し透光性を有していれば、着色していてもよい。これらの樹脂の屈折率はほぼ1.5である。透光性導電層の成膜法としては、真空蒸着法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CVD法を用いて、インジウム・スズ・酸化物(ITO)、アルミナ、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅や、Au、Ag、Ni、Al等からなる透光性を維持した薄膜が用いられたり、浸漬塗工法、スプレー塗布法等を用いて上記金属の微粒子とバインダー樹脂とからなる導電性樹脂等が用いられる。また、光導電体層としては、各種有機感光体層(OPC)が使用可能である。
【0014】
また、プラスチック材料モノマーを合成し、重合させるための触媒を添加した後、円筒状の型に注ぎ、側板にて密封して固定し、これを高速に回転させると共に、適度に加熱することにより均一な重合を促進させる。重合終了後は冷却し、得られた透明な樹脂基体を型より取り出し、切断し、必要ならば仕上げ工程を経て画像形成装置の感光体ドラム用の透明樹脂基体が製造される(遠心重合法)。
【0015】
遠心重合によって成型される透明なプラスチックの透明樹脂基体の素材としては、上記のごとくメタクリル酸メチルエステルモノマーを用い重合したものが、透明性、強度、精度、表面性等において最も良いが、その他ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステルあるいはポリ塩化ビニル等、又はこれらの共重合体などが使用され得る。遠心重合法では真円度が成型に用いられる型で決まるので、高精度の基体を得ることができる。また、偏肉は重合時の回転ムラや粘度や重合時の加熱条件で変化する。
【0016】
上記の製造方法によって造られたプラスチックの円筒状の透明樹脂基体を用いることにより、肉厚が均一で、円筒状の基体の円筒度、真円度に優れた感光体ドラムが提供される。
【0017】
帯電手段としてのスコロトロン帯電器11は感光体ドラム10の前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持されたグリッドと放電ワイヤによるコロナ放電とによって帯電作用を行い、感光体ドラム10に対し一様な電位を与える。
【0018】
像露光手段としての露光光学系12は感光体ドラム10の軸方向に配列したLEDと等倍結像系であるセルフォックレンズとから構成され、別体の画像読み取り装置によって読み取られた各色の画像信号がメモリより順次取り出されて前記の各露光光学系12にそれぞれ電気信号として入力される。
【0019】
各露光光学系12は何れも光学系支持手段として設けた支持部材20に取り付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容される。
【0020】
13はイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)および黒色(K)の各現像剤を収容する現像手段としての現像器であり、それぞれ感光体ドラム10の周面に対し後述する間隙保持部材により所定の間隙を保って現像領域において感光体ドラム10と同方向に回転する現像スリーブ130を備えている。各現像器13は矢印で示す方向に引き出して着脱される。
【0021】
各現像器13は、前述したスコロトロン帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光によって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を現像バイアス電圧の印加により非接触の状態で反転現像する。
【0022】
原稿画像は本装置とは別体の画像読み取り装置において、撮像素子により読み取られた画像あるいはコンピュータで編集された画像を、Y,M,CおよびKの各色別の画像信号として一旦メモリに記憶し格納される。
【0023】
画像記録のスタートにより感光体駆動モータの始動により感光体ドラム10を反時計方向へと回転し、同時にスコロトロン帯電器11(Y)の帯電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
【0024】
感光体ドラム10は電位を付与されたあと、前記の露光光学系12(Y)において第1の色信号すなわちイエロー(Y)の画像信号に対応する電気信号による露光が開始されドラムの回転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像を形成する。
【0025】
前記の潜像は現像器13(Y)により現像スリーブ上の現像剤が非接触の状態で反転現像され感光体ドラム10の回転に応じイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0026】
次いで感光体ドラム10は前記イエロー(Y)のトナー像の上にさらにスコロトロン帯電器11(M)の帯電作用により電位を付与され、露光光学系12(M)の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像信号に対応する電気信号による露光が行われ、現像器13(M)による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が順次重ね合わせて形成していく。
【0027】
同様のプロセスによりスコロトロン帯電器11(C)、露光光学系12(C)および現像器13(C)によってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が、またスコロトロン帯電器11(K)、露光光学系12(K)および現像器13(K)によって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー像が形成される。
【0028】
これ等各露光光学系による感光体ドラム10の有機感光層に対する露光はドラムの内部より前述した露光波長に対し透明の基体を通して行われる。従って第2,第3および第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成されたトナー像の影響を全く受けることなく行われ、第1の色信号に対応する画像と同等の静電潜像を形成することが可能となる。なお各露光光学系12の発熱による感光体ドラム10内の温度の安定化及び温度上昇の防止は、前記支持部材20に熱伝導性の良好な材料を用い、低温の場合はヒータを用い、高温の場合はヒートパイプを介して外部に放熱する等の措置を講ずることにより支障のない程度迄抑制することができる。また各現像器13による現像作用に際しては、それぞれ現像スリーブ130に対し直流あるいはさらに交流を加えた現像バイアスが印加され、現像器13の収容する一成分或いは二成分現像剤によるジャンピング現像が行われて、透明導電層を接地する感光体ドラム10に対して非接触の反転現像が行われるようになっている。
【0029】
かくして感光体ドラム10の周面上に形成されたカラーのトナー像は一旦中間転写手段としての中間転写ベルト14の周面に転写される。
【0030】
中間転写ベルト14は厚さ0.5〜2.0mmの無端状のゴムベルトで、シリコンゴム或いはウレタンゴムの108〜1012Ω・cmの抵抗値をもつ半導電性基体と、ゴムの基体の外側にトナーフィルミング防止層として1010〜1016Ω・cmの抵抗値、厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った2層構成とされる。この層も同様な半導電性が好ましい。ゴムベルト基体の代わりに厚さ0.1〜0.5mmの半導電性のポリエステルやポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等を使用することもできる。中間転写ベルト14がローラ14A,14B,14Cおよび14Dの間に張架され、ローラ14Dに伝達される動力により感光体ドラム10の周速度に同期して時計方向に循環して搬送される。
【0031】
中間転写ベルト14はローラ14Aとローラ14Bの間のベルト面を感光体ドラム10の周面に接し、一方、ローラ14Cの外周のベルト面を転写部材である転写ローラ15に接していてそれぞれの接点においてトナー像の転写域を形成している。
【0032】
感光体ドラム10周面に付着した状態にあるカラートナー像は、先ず前記の中間転写ベルト14との間の接点においてローラ14Bへのトナーと反対極性のバイアス電圧の印加により順次中間転写ベルト14の周面側に転写される。すなわちドラム上のカラートナー像は接地したローラ14Aの案内によりトナーを散らすことなく転写域へと搬送され、ローラ14Bに対する1〜2kVのバイアス電圧の印加によって中間転写ベルト14側に効率良く転写される。
【0033】
一方では給紙カセット(図示せず)の給紙ローラ17の作動により転写紙Pが搬出されてタイミングローラ18に給送され、中間転写ベルト14上のカラートナー像の搬送に同期して転写ローラ15の転写域へと給紙される。
【0034】
転写ローラ15は前記中間転写ベルト14の周速度に同期して反時計方向に回動されていて、給紙された転写紙Pは転写ローラ15と前記の接地状態にあるローラ14Cの間のニップ部の形成する転写域において中間転写ベルト14上のカラートナー像に密着され転写ローラ15への1〜2kVのトナーと反対極性のバイアス電圧の印加により順次カラートナー像は転写紙P上に転写される。
【0035】
カラートナー像の転写を受けた転写紙Pは除電され、搬送板19を介して定着装置91に搬送され、熱ローラ91Aと圧着ローラ91Bとの間に挟着搬送して加熱され、トナーを溶着して定着がなされたのち排紙ローラ92を介して装置外部に排出される。
【0036】
前述した感光体ドラム10および中間転写ベルト14にはそれぞれクリーニング装置100および中間転写ベルトクリーニング装置140が設置され、それぞれの備えるブレードが常時圧接されていて、残留した付着トナーの除去がなされて周面は常に清浄な状態に保たれている。
【0037】
図2〜図5によれば、前記の支持部材20は感光体ドラム10の回転支持軸30に固定された前後一対の部材により構成されていて、各露光光学系12は、それぞれの両端部が楔状の貼付部材21を介し感光面に対する距離が所定の位置関係になるよう調節されて、接着により調節位置に固定されている。
【0038】
一方感光体ドラム10は両端部に備えるフランジ部材10Aおよび10Bがそれぞれ軸受Bを介して前記の支持部材20に回動自在に支持されていて、フランジ部材10Bの備える歯車10Gの駆動により固定状態にある回転支持軸30を回転中心として回動される。
【0039】
回転支持軸30を通して感光体ドラム10と中心軸を合わせ、円板状の突当基準部材120がネジ51により左右の支持部材20に感光体ドラム10と同心円状に固定される。後述する像形成体ユニットの装填後、感光体ドラム10と同心円状に設けられた突当基準部材120の突当面120Bに各現像器13の間隙保持部材としての突当コロ131が突当てられて現像器13が感光体ドラム10と同軸に位置決めされる。突当コロ131は現像器13の現像スリーブ130の両端部のシャフトにベアリング(不図示)を内包した間隙保持部材である。
【0040】
例えば厚み3mm、外径20mmの部材が突当コロ131として用いられ、突当コロ131が現像器13の回転軸に嵌込まれる不図示のベアリングにより保持され、現像スリーブ130と個別に回転するように設けられる。突当基準部材120に突当てられる突当コロ131により、現像スリーブ130が感光体ドラム10と所定の間隙、例えば300〜600μmをあけて非接触に保たれて現像器13が装着される。
【0041】
図4に示すように、突当基準部材120にはスコロトロン帯電器11の着脱用の切欠部120Cとクリーニング装置100や中間転写ベルト14の着脱用の切欠部120Dとを設け、スコロトロン帯電器11、クリーニング装置100、中間転写ベルト14等の着脱を行う。切欠部120C,120Dを設けることにより着脱が容易に行われる。また、突当基準部材120には各露光光学系12のリード線引き出し用の孔120Aを設ける。
【0042】
前記突当基準部材120にスコロトロン帯電器11、クリーニング装置100或いは中間転写ベルト14用の突当面を設け、また、上記の現像器13の位置決めと同様にそれぞれに間隙保持部材を設け、スコロトロン帯電器11、クリーニング装置100、中間転写ベルト14等を装着したのち、突当基準部材120にスコロトロン帯電器11、クリーニング装置100、中間転写ベルト14等に設けた間隙保持部材を突当てて感光体ドラム10と同軸に位置決めすることも可能である。その際装置本体よりの着脱に際しては、スコロトロン帯電器11、クリーニング装置100、中間転写ベルト14等が突当基準部材120よりの当接を解除してから着脱が行われる。
【0043】
従って、像形成体としての感光体ドラム10に対する現像器13、スコロトロン帯電器11、クリーニング装置100、中間転写ベルト14等の画像形成手段の間隙保持の際に、突当基準部材120にこれらの間隙保持部材が位置決めされ、これらの画像形成手段により感光体ドラム10が直接押圧されず、感光体ドラム10が変形されたり、損傷されることがない。
【0044】
前記の回転支持軸30を中心とし感光体ドラム10ならびに各露光光学系12が同軸上に一体化されたユニット(像形成体ユニット)として構成される。
【0045】
回転支持軸30が感光体ドラム10ならびに各露光光学系12が一体化されたユニットを支持した状態で、コの字状に形成して一体に接続された対称形の前後の各ドラムサポート板40の間に軸受け支持されている。
【0046】
前記のドラムサポート板40は前後の接続部に吊り下げ手段としてのレール部材50を設けていて、前記のレール部材50を装置本体の備えるガイド部材60に挿入し係合して吊り下げ状態にすることにより前記の回転支持軸30に保持されるユニットの感光体ドラム10ならびに各露光光学系12が略設定位置に置かれる。
【0047】
更に前記の回転支持軸30は正規の位置まで挿入されると、前述した吊り下げ状態から後方のドラムサポート板40より突出する軸端部30Bが装置基板としての後側板71の備える受座72に嵌合し、前方のドラムサポート板40より突出する軸端部30Aがドラム支持基板80の備える受座81に対しテーパー嵌合するネジ部材82に支持されることにより、感光体ドラム10を正規の設定位置に正確に規制して歯車10Gを駆動側の歯車に噛合し、一方、各露光光学系12がさらに軸端部30Bの備える貫通ピンP1を前記の受座72に形成した断面計状V字型の溝に係合されることにより、装置本体に対する所定の角度位置に正確に規制され固定状態となる。
【0048】
しかる後各光学系のリード線が前面側の支持部材20の各孔20A及び突当基準部材120の孔120Aからドラムサポート板40の切欠部40Aを経て電源部へと接続される。
【0049】
前記のドラム支持基板80は、上下の各基準穴H1が前方の装置基板としての前側板70の備える一対の基準ピンP2に係合してその取付位置が決定された上で複数個所のネジ止メにより前側板70に固定されるもので、さらに複数の窓80Aを開口していて前述した棒状をなす各スコロトロン帯電器11をドラム支持基板80の外部より挿入して感光体ドラム10に対して所定の間隔位置に設定すると共に電極を接続した状態でネジ止メにより固定し支持している。
【0050】
従って前記のドラム支持基板80は、各スコロトロン帯電器11を前記の窓80Aを経て取り外した状態で前記のネジ部材82を取り除くと複数個所のネジ止メを解除するのみにして前側板70より分離される。
【0051】
その状態から前記のドラムサポート板40がガイド部材60の案内によりレール部材50をスライドして引出され、感光体ドラム10ならびに各露光光学系12を一体化した像形成体ユニットが水平方向に移動し、装置基板としての前側板70の像形成体開口部としての開口孔70Aより装置本体の外部へと取り出すことが可能となる。
【0052】
前記のドラムサポート板40によって支持された感光体ドラム10の装置本体への着脱操作の開始に先立って、感光体ドラム10の周辺に配置される中間転写ベルト14ならびにブレードの各圧接作用が事前に解除されているクリーニング装置100は、1〜10mm程度退避状態とされており、また、感光体ドラム10の周辺に配置される各現像器13は、後述する感光体ドラム10の引出し方向と同方向に現像器13を引出し可能な30〜50mm程度の位置まで退避状態とされており、装着後再び圧接状態に後帰されるものとする。
【0053】
なお、前記のドラムサポート板40は、装置本体からの取り外した後、図4に示す如くレール部材50を下側にして感光体ドラム等が床面に接することのないようバランス良く置くことができるようにした置き台として機能し、感光体面の保護にも利用される。
【0054】
図6及び図7によれば、前記の各ローラ14Aないし14Dは前記の中間転写ベルト14をテンションローラTの付勢により張架した状態で、コの字状に形成して一体に接続された前後の各ベルトサポート板45の間に軸受け支持されている。
【0055】
前記のベルトサポート板45は、さらにコの字状に形成して一体に接続された非対称形の前後の各ベルト支持基板85の間に前記のクリーニング装置140と共に挟持して一体とされている。
【0056】
前記の前方のベルト支持基板85は上下の立上り部85Aに吊り下げ手段としての基準穴H2を設け、一方後方のベルト支持基板85は背面に同じく吊り下げ手段としての一対の基準ピンP4を備えていて、前記の基準穴H2を前方の前側板70の備える基準ピンP3に、一方前記の基準ピンP4を後方の装置基板としての後側板71に設けた基準穴H3に係合した上ネジ止メして固定することにより中間転写ベルト14は所定の位置に設定され、感光体ドラム10の周面に圧接して感光体ドラム10から中間転写ベルト14へのトナー像の転写を行う第1の転写域を構成し、さらに前記の転写ローラ15の圧接により中間転写ベルト14から転写材に対するトナー像の転写を行う第2の転写域が構成される。
【0057】
前記のベルト支持基板85は前後側板70,71に対し、アキュライドレール(商品名)と呼ばれる2段階に伸縮可能の一対のガイドレール200を介し装置本体の前面側に引き出し可能に支持されている。
【0058】
ベルト支持基板85は、左右の側部に設けたそれぞれ前後一対の案内板86が前記のガイドレール200の可動部200Aを上下方向に摺動可能に挟持していて、引き出し方向に対しては前記の可動部200Aを一体とするが、上下方向に対しては突当板87が可動部200Aに突き当たる迄下降出来るように構成されている。
【0059】
前記のベルト支持基板85はネジ止メを解除した上で装置本体の全面側に僅かに引き出す操作により前述した各基準ピンと各基準穴の係合が解除されて僅かに下方へとさがり、従って前記の各突当板87が前記の可動部200Aに乗った状態でガイドレール200の伸長作動により前側板70の像形成体開口部としての開口孔70Aより装置本体の前面に大きく引き出される。その結果中間転写ベルト14は感光体ドラム10の周面より退避して圧接を解除した状態で引き出され、再度の装着に当たってもガイドレール200の伸長状態からの復帰と各基準ピンのテーパ部の案内により僅かに上方へと移動して感光体ドラム10への圧接状態への復帰動作が自動的かつ確実に行われる。
【0060】
従ってベルト支持基板85の極めて簡単な着脱操作により感光体ドラム10は中間転写ベルト14に干渉することなく取り出しが可能の状態となり、さらにベルト支持基板85の引き出しにより搬送路に滞留したジャム紙の取り出し処理や中間転写ベルト14の交換、点検等のメンテナンスも容易に行えることとなる。
【0061】
なおベルト支持基板85は装置本体からの引き出し操作に先立って中間転写ベルト14を張架するローラ14Cに対する前記の転写ローラの圧接作用を前もって解除され、所定の設定位置への復帰後再び圧接状態に置かれる。
【0062】
【発明の効果】
請求項1によれば、像形成体に対する画像形成手段の間隙保持の際に、画像形成手段により像形成体が直接押圧されず、像形成体が変形されたり、損傷されることなく、良好な画像が形成される。
【0063】
請求項2によれば、像形成体に対し帯電手段が高精度に位置決めされ、像形成体の均一な帯電がなされる。
【0064】
請求項3によれば、像形成体に対し複数の現像手段によるアンバランスな押圧がなく、また現像手段が高精度に位置決めされ、像形成体の良好な現像が行われる。
【0065】
請求項4によれば、像形成体に対し中間転写手段によるアンバランスな押圧がなく、中間転写手段が高精度に位置決めされ、重ね合わせトナー像の良好な中間転写手段への転写が行われる。
【0066】
請求項5によれば、像形成体に対しクリーニング装置によるアンバランスな押圧がなく、またクリーニング装置が高精度に位置決めされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】像形成体の支持構造を示す正面図である。
【図3】像形成体の支持構造を示す断面図である。
【図4】突当基準部材を示す図である。
【図5】像形成体ユニットの外観図である。
【図6】中間転写手段の支持構造を示す正面図である。
【図7】中間転写手段の支持構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム
11 スコロトロン帯電器
12 露光光学系
13 現像器
14 中間転写ベルト
20 支持部材
30 回転支持軸
100 クリーニング装置
120 突当基準部材
130 現像スリーブ
131 突当コロ
Claims (5)
- 回転する像形成体の周囲に、前記像形成体を帯電させる帯電器と、帯電された前記像形成体に像露光し潜像を形成させる像露光手段と、前記像形成体に形成された潜像を現像しトナー像を形成させる現像手段と、を複数組配置し、前記像形成体の一回転中に、前記像形成体に対し前記帯電器による帯電と前記像露光手段による像露光と前記現像手段による現像とによるトナー像の形成を順次繰り返すことにより前記像形成体上に複数のトナー像を重ね合わせ、前記重ね合わせて形成されたトナー像を一旦中間転写手段に転写した後転写材に転写し、転写材に転写されたトナー像を定着するカラー画像形成装置において、前記像露光手段を前記像形成体の内部に配置するために、固定された回転支持軸と、前記回転支持軸に固着された支持部材を備え、前記支持部材は、前記像露光手段を固定支持し、前記像形成体を回動自在に支持すると共に、前記像形成体に対向して設けられ前記像形成体に画像形成を行う前記像露光手段を除く画像形成手段との間隙を保持する円板状の突当基準部材を固定したことを特徴とするカラー画像形成装置。
- 前記画像形成手段が前記突当基準部材に当接する帯電手段であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
- 前記画像形成手段が前記突当基準部材に当接する現像手段であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
- 前記画像形成手段が前記突当基準部材に当接する中間転写手段であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
- 前記画像形成手段が前記突当基準部材に当接するクリーニング装置であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
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