JP3784969B2 - 圧力検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両や昇降機等の自動スライドドア装置のドアパネルの異物挟み込み防止用として適用される圧力検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワゴンやバン等の車両では、モータ等の駆動手段の駆動力によってドアパネルを車両の前後方向に沿ってスライドさせて開閉する自動スライドドア装置がある。
【0003】
また、このような自動スライドドア装置には、ドアパネルの閉移動方向側端部に沿って感圧センサを設け、閉移動中のドアパネルがドアパネルの移動軌跡上の異物を押圧した際の異物からの押圧反力を感圧センサで検出して異物の挟み込み状態を検知し、例えば、ドアパネルのスライドを停止させたり、或いは、ドアパネルを再び開移動させたりする挟み込み検出装置(圧力検出装置)を備えた自動スライドドア装置も考案されている。
【0004】
このような挟み込み検出装置(圧力検出装置)に適用される感圧センサは、ドアパネルの閉移動方向側の端部に沿って、車両の上下方向に長手とされており、ドアパネルの内側に配線されて車体側のコンピュータや制御回路へ直接、或いは間接的に接続されたリード線をドアパネルの閉移動方向側の端部から外部へ引き出し、感圧センサの上端部若しくは下端部に接続することで、感圧センサが車体側のコンピュータや制御回路へ接続される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のリード線をドアパネルの内側から引き出すには、ドアパネルの内外を連通する開口をドアパネルの閉移動方向側の端部に設けているが、リード線の外周部と開口の内周部の間にゴム等により形成されたグロメットを圧入して開口を塞ぐ工程が感圧センサの取付工程に必要となるため、組付性の観点から改良の余地があった。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、組付性を向上できる圧力検出装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の圧力検出装置は、取付本体に設けられ押圧力を検知する感圧センサと、前記感圧センサに一端が接続される接続手段と、前記取付本体に形成された透孔を前記感圧センサ又は前記接続手段が通過することで前記取付本体の前記感圧センサとは反対側を通過した前記接続手段の他端側が接続され、前記感圧センサが前記押圧力を検知したか否かを判定する判定手段と、前記取付本体と前記感圧センサとの間に設けられて前記感圧センサを支持した状態で前記取付本体に固定されると共に、前記感圧センサ又は前記接続手段が前記透孔を通過するために前記感圧センサ又は前記接続手段が引き込まれて通過する引込孔が形成された支持手段と、前記感圧センサ及び前記接続手段のうち、前記引込孔を通過する方に形成されて前記支持手段に係合することで前記支持手段に保持されると共に、前記引込孔の内周部と前記引込孔を通過する方の外周部との間を埋める係合部と、を備え、且つ前記係合部及び前記支持手段の少なくとも何れか一方を、前記透孔の開口方向に沿って前記透孔に対向させて前記透孔よりも前記支持手段の側で前記何れかの一方が前記透孔を覆うことを特徴としている。
【0008】
上記構成の圧力検出装置では、取付本体には支持手段が固定されており、この支持手段の取付本体とは反対側で感圧センサが支持手段に支持される。感圧センサに押圧力が作用し、感圧センサの電気信号等が接続手段を介して判定手段に送られることで感圧センサが押圧力を検知したと判定手段が判定する。これにより、感圧センサが押圧力を検知したこと、すなわち、取付本体の感圧センサ取付位置の近傍に押圧力を付与する加圧物があることを知ることができる。
【0009】
また、本圧力検出装置では、支持手段に形成された引込孔及び取付本体に形成された透孔を、感圧センサ又は感圧センサに接続された接続手段が通過して取付本体の感圧センサとは反対側に接続手段が引き込まれて通過している。
【0010】
ここで、感圧センサ及び接続手段のうち、引込孔を通過する方に形成された係合部が支持手段に係合して保持された状態では、透孔の内周部と上記の何れかの一方の外周部との間が塞がれる。さらに、透孔の開口方向に沿って係合部及び支持手段の少なくとも何れか一方が透孔と対向し、支持手段の側から透孔が上記の何れかの一方により覆われる。このように、上記の何れかの一方によって透孔が支持手段の側から覆われることで透孔が隠される。このため、グロメット等の閉塞部材により透孔を塞がなくてもよいため、グロメット等の特別な部材で透孔を塞ぐ工程が不要となり、組付性が向上する。
【0011】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の圧力検出装置において、前記引込孔及び前記透孔を双方の開口方向に沿って前記引込孔と前記透孔とを互いに対向させて重ねると共に、前記係合部の外径寸法を前記透孔の内径寸法よりも大としたことを特徴としている。
【0012】
上記構成の圧力検出装置では、引込孔及び透孔双方の開口方向に沿って引込孔と透孔とが互いに対向して重なっている。このため、引込孔へ引き込まれて引込孔を通過した感圧センサ又は接続手段はそのまま透孔を貫通する。これにより、より一層組付性が向上する。
【0013】
また、係合部の外径寸法が透孔の内径寸法よりも大とさているため、本圧力検出装置では係合部により透孔が隠される。
【0014】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載の圧力検出装置において、前記支持手段を前記取付本体に固定した状態で前記透孔の周囲に密着してシールするシール部を前記係合部に形成したことを特徴としている。
【0015】
上記構成の圧力検出装置では、係合部にシール部が形成されており、支持手段を取付本体に固定すると、シール部が透孔の周囲に密着して透孔をシールする。したがって、支持手段の固定部を取付本体に取り付けることで、透孔のシールも略同時に行われるため、より一層組み付け性が向上する。
【0016】
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の圧力検出装置において、前記感圧センサの末端部に、前記接続手段の保持が可能な保持部を設け、前記感圧センサへ前記接続手段を接続した状態で前記保持部に前記接続手段を保持させることを特徴としている。
【0017】
上記構成の圧力検出装置では、感圧センサの末端部に保持部が形成されており、感圧センサへ接続手段を接続すると、保持部によって接続手段の感圧センサとの接続部分若しくはその近傍部分が保持される。したがって、接続がより強固になり、断線等が防止される。
【0018】
請求項5記載の本発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の圧力検出装置において、前記引込孔及び前記透孔に前記感圧センサの末端部近傍を貫通させ、前記取付本体を介して前記支持手段とは反対側で前記感圧センサを前記接続手段へ接続したことを特徴としている。
【0019】
上記構成の圧力検出装置では、感圧センサの末端部近傍が引込孔及び透孔を貫通しているため、感圧センサの引込孔に引き込まれるまでの部分は、基本的に上述した押圧力を検知できる部分になる。また、感圧センサと接続手段との接続部分が透孔を介して支持手段とは反対側となり、感圧センサが押圧力を検知する部分と接続手段との接続部分との間に、取付本体や支持手段が介在することになるため、押圧力を付与する加圧物や感圧センサの検知部分近傍を通過する物体等が接続部分に当接することはない。このため、感圧センサと接続手段との接続部分を保護でき、断線等を防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図6には、本発明の第1の実施の形態に係る圧力検出装置10を車両14の自動スライドドア装置16においてドアパネル18を閉じる際のドアパネル18と車体20の間での異物の挟み込み防止用として採用した例が斜視図により示されている。本圧力検出装置10の構成の説明に先立って、先ず、自動スライドドア装置16の構成について説明する。
【0021】
(自動スライドドア装置16の構成)
図6に示されるように、自動スライドドア装置16は側壁22(車体20)の後端側の車両上下方向中間部に設けられたスライドドアアクチュエータ24を備えている。スライドドアアクチュエータ24はハーネスやケーブル等の接続手段(図示省略)を介して車体20の前端側若しくは運転席下方のエンジンルーム(図示省略)内に配置されたバッテリーへ電気的に接続されたスライドドアモータ28を備えている。
【0022】
スライドドアモータ28の側方にはスライドドアモータ28の出力軸へ噛合したギヤを含めた複数のギヤを収納し、これらのギヤによりスライドドアモータ28の回転を減速しつつ外部の駆動プーリ30へ伝えて駆動プーリ30を回転させる減速装置32が設けられている。駆動プーリ30は略車両上下方向を軸方向としてこの軸周りに回転可能とされており、駆動プーリ30及びこの駆動プーリ30とは離間して設けられた複数の従動プーリ34には無端ベルト36が掛け回されており、スライドドアモータ28が駆動を開始して駆動プーリ30が回転すると、無端ベルト36が従動回転を開始する。
【0023】
図6に示されるように、無端ベルト36の長手方向一部にはアタッチメント38が一体的に固定されている。図8に示されるように、アタッチメント38は、その側壁部40と概ね車幅方向に沿って側壁部40に対向する側壁部42、及びアタッチメント38と側壁部42の各上端部を繋ぐ連結部44が一体とされ、全体的に下方へ向けて開口したコ字形状の部材で、側壁22の上下方向中間部に前後方向に沿って長手となるように設けられたセンターレール46の側壁部48を跨いでいる(すなわち、側壁部40は側壁部48を介して側壁部42と互いに対向している)。アタッチメント38の側壁部42はドアパネル18の先端部へ固定されており、センターアーム50を介してドアパネル18を構成する一対のインナパネル54(取付本体)、アウタパネル56のうちのインナパネル54へ連結されており、無端ベルト36が回転すると、その回転方向に沿ってドアパネル18がスライドする。
【0024】
ドアパネル18は、乗員乗降用として側壁22に形成された略矩形の乗降口58に対応して形成されており、乗降口58へ嵌まり込むことで乗降口58を閉止でき、この全閉状態では、ドアパネル18のアウタパネル56の外側面と側壁22の外側面とが略面一になる。
【0025】
また、図8に示されるように、センターアーム50の先端部には概ね車幅方向に沿った方向を軸方向としてその軸周りに回転するローラ60と、概ね車両14の上下方向に沿った方向を軸方向としてその軸周りに回転する一対のローラ62とがそれぞれ軸支されている。ローラ62はその外周部がセンターレール46の底壁部64に当接し底壁部64上を転動する。これに対して両ローラ60はその外周部がセンターレール46の車幅方向外側でセンターレール46と対向するように設けられた側壁部66へ当接しており、側壁部66によって車幅方向外側への移動が制限されていると共に、側壁部66へ当接した状態で転動する。
【0026】
ここで、図7及び図8に示されるように、センターレール46の前端側は車幅方向内側へ向けて傾斜している。このため、乗降口58へ嵌まり込んだドアパネル18が車両14の後方側へ向けてスライドする際には、先ず、ローラ60がセンターレール46の前端側で側壁部66に案内されてドアパネル18が車両14の後方側へ向けてスライドしつつ車幅方向外側へ移動し、側壁22よりも車幅方向外側へドアパネル18が位置した状態から車幅方向に沿って側壁22と対向した状態で後方へスライドする。
【0027】
一方、図7に示されるように、側壁22の上端部近傍には乗降口58の上端部に沿ってアッパレール68が設けられている。図9に示されるようにアッパレール68は下方へ向けて開口した断面コ字形状とされており、その内部には概ね車両14の上下方向を軸方向とされその軸周りに回転可能にアッパアーム70の先端に軸支されたローラ72が入り込んでいる。アッパレール68は概ね車幅方向に沿って互いに対向した一対の側壁部74を有しており、ローラ72の外周部は一対の側壁部74のうちの車幅方向外側の側壁部74へ当接し、側壁部74により車幅方向外側への移動が制限されていると共に、側壁部74へ当接した状態で転動する。
【0028】
アッパアーム70の基端部はボルト等の締結手段(図示省略)によりインナパネル54の上端部近傍に固定されており、ローラ72が側壁部74により車幅方向外側への移動が制限されていることでドアパネル18の車幅方向外側への移動が制限されている。また、アッパレール68の前端側もセンターレール46と同様に車幅方向内側へ向けて傾斜しており、ローラ60がセンターレール46の前端側で側壁部66に案内される際にはローラ72がアッパレール68の前端側でアッパレール68に案内される。
【0029】
さらに、図10及び図11に示されるように、側壁22の下端部近傍には乗降口58の下端部に沿ってロアレール76が設けられている。ロアレール76は車両14の床部の一部を構成するステップ78の下方に設けられており、概ね車幅方向外側へ向けて開口した断面コ字形状とされている。
【0030】
ロアレール76の内側にはロアアーム80の先端側が入り込んでいる。ロアアーム80の先端には概ね車幅方向に沿った方向を軸方向としてその軸周りに回転するローラ82と、概ね車両14の上下方向に沿った方向を軸方向としてその軸周りに回転するローラ84とがそれぞれ軸支されている。ローラ84はその外周部がロアレール76の下壁部86に当接し下壁部86上を転動する。
【0031】
これに対してローラ82は、下方へ向けて開口した断面コ字形状のガイドレール88の内部に入り込んでいる。ガイドレール88はロアレール76の上壁部90へ固着されており、概ね車幅方向に沿って互いに対向する一対の側壁部92のうち車幅方向外側に位置する側壁部92へローラ82の外周部が当接している。ローラ82は車幅方向外側の側壁部92により車幅方向外側への移動が制限されていると共に、側壁部92へ当接した状態で転動する。また、ガイドレール88の前端側もセンターレール46と同様に車幅方向内側へ向けて傾斜しており、ローラ60がセンターレール46の前端側で側壁部66に案内される際にはローラ82がガイドレール88の前端側で側壁部92に案内される。
【0032】
すなわち、ドアパネル18はセンターアーム50のローラ62、アッパアーム70のローラ72、及びロアアーム80のローラ84を介して概ね車両14の前後方向に沿った軌道上でスライド可能に車体20へ取り付けられており、スライドドアアクチュエータ24のスライドドアモータ28が正転駆動若しくは逆転駆動することでスライドドアモータ28が車両14の後方或いは前方へ向けてスライドし、乗降口58を開閉する構成である。
【0033】
図5のブロック図に示されるように、スライドドアアクチュエータ24はリレー等の制御回路によって構成されるスライドドアドライバ94を備えており、スライドドアドライバ94を介してバッテリー26へ電気的に接続されている。スライドドアドライバ94は判定手段としてのコンピュータ96を介してバッテリー26へ接続されており、例えば、車両14の運転席の近傍に設けられた操作スイッチ98をスイッチ操作すると、そのときの操作スイッチ98のスイッチ状態に応じた信号をスライドドアドライバ94に送り、スライドドアモータ28を正転駆動又は逆転駆動させ、或いは停止させる。
【0034】
一方、自動スライドドア装置16は位置検出装置100を備えている。位置検出装置100は、例えば、周方向に沿って所定角度毎に放射状にスリット孔が形成され、スライドドアモータ28の出力軸の回転に連動して回転する円盤状のスリット盤と、このスリット盤を挟んで設けられた一対の発光素子及び受光素子(何れも図示省略)から成り、発光素子から発せられて回転するスリット盤のスリット孔を通過した光が受光素子にて受光された回数をカウントすることですることでスライドドアモータ28の出力軸の回転数、すなわち、ドアパネル18のスライド量を検知する構成となっている。
【0035】
また、図6に示されるように、自動スライドドア装置16は車体20に設けられたクローザアクチュエータ102を備えている。クローザアクチュエータ102はクローザモータ104を備えており、ドアパネル18の閉移動方向側の端部と、これに対向する乗降口58の内周部と、にそれぞれ設けられた一対のジャンクション(図示省略)が互いに電気的に接続されるまでドアパネル18がスライドして、所謂半ドアの状態となると、クローザモータ104が通電されて駆動を開始してドアパネル18を閉じきると共にこのときのスライド量を位置検出装置100が検出することでコンピュータ96がスライドドアドライバ94を操作してバッテリー26からスライドドアモータ28への通電を停止し、スライドドアモータ28を停止させる。クローザモータ104がドアパネル18をスライドさせて閉じきりクローザアクチュエータ102のラッチスイッチ(図示省略)がこれを検出すると、リンク機構等の機械的な伝達手段を介してドアパネル18をロックする。
【0036】
(圧力検出装置10の構成)
次に圧力検出装置10の構成について説明する。
【0037】
図6及び図7に示されるように、圧力検出装置10は、ドアパネル18の閉移動方向側の端部に沿って設けられた車両14の上下方向に沿って長手とされた感圧センサ120を備えている。図1、図2、及び図3に示されるように、感圧センサ120は、ゴムや軟質の合成樹脂材等、絶縁性を有する弾性材によって長尺状に形成されてセンサ本体122を構成する外皮部124を備えている。外皮部124の内部には断面十字形状の十字孔126が外皮部124の長手方向に沿って形成されている。十字孔126は外皮部124の長手方向に沿って外皮部124の中心周りに漸次変位している。
【0038】
また、外皮部124の内部には銅線等の導電性細線を縒り合わせることにより可撓性を有する長尺紐状に形成され、且つ、導電性ゴムに被服された電極としての電極線128、130、132、134が設けられている。これらの電極線128〜134はセンサ本体122を構成し、十字孔126の中央近傍で十字孔126を介して互いに離間し且つ十字孔126に沿って螺旋状に配置され、十字孔126の内周部へ一体的に固着されている。したがって、外皮部124が弾性変形することで電極線128〜134は撓み、特に、十字孔126が潰れる程度に外皮部124が弾性変形すれば、電極線128又は電極線132が電極線130又は電極線134と接触して導通する。また、外皮部124が復元すれば電極線128〜134もまた復元する。
【0039】
また、図4の回路図に示されるように、電極線128と電極線132は長手方向一方の端部で導通しており、電極線130と電極線134もまた長手方向一方の端部で導通している。一方、図1に示されるように、ドアパネル18を構成するインナパネル54とアウタパネル56の間はコネクタ136が配置されている。図4の回路図に示されるように、コネクタ136の内部には抵抗138が設けられている。抵抗138の一端には電極線130の長手方向他端部が電気的に接続されており、また、抵抗138の他端には電極線132の長手方向他端部が電気的に接続され、電極線130と電極線132とが抵抗138を介して電気的に接続されている。
【0040】
また、コネクタ136の内部には、接続手段としてのリード線140の一対の導線142、144の長手方向一方の端部が収容され、コネクタ136の内部の端子へ固定されている。これらの導線142、144が固着された端子には、上述した電極線128及び電極線134の各々の長手方向他端部が固着されており、導線142と電極線128とが電気的に接続され、導線144と電極線134とが電気的に接続されている。導線142はバッテリー26へ直接或いは他の接続部材を介して間接的に接続されており(図4の回路図では便宜上、導線142とバッテリー26とを直接接続している)、また、導線144は所定値以上の電流が流れると回路を遮断する電流検出素子146を介してバッテリー26へ接続されている。すなわち、電極線128から電極線130、電極線132を介して電極線134へ流れる電流は、通常、抵抗138を介して流れるが、仮に、外皮部124が押し潰されて電極線128又は電極線132が電極線130又は電極線134と接触して導通して短絡すると、電流は抵抗138を介さずに流れるため、例えば、一定の電圧でこの回路に電流を流していれば電流値が変化する。したがって、このときの電流値の変化を検知すれば外皮部124が押し潰されたか否か、すなわち、外皮部124に外力が作用したか否かを検知できる。また、図4に示されるように、電流検出素子146はコンピュータ96へ接続されており、電流検出素子146が回路中に所定値以上の電流が流れたこと、すなわち、電極線128又は電極線132が電極線130又は電極線134と接触して導通して短絡したことを電流検出素子146が検出すると、コンピュータ96がスライドドアドライバ94及びクローザドライバ110を操作してスライドドアモータ28及びクローザモータ104を反転駆動させる。
【0041】
図1及び図2に示されるように、上記構成のセンサ本体122は外皮部124を形成する合成樹脂材よりも低剛性の合成樹脂材若しくはゴム材により長尺チューブ状に形成されたプロテクタ148の内部に挿入された状態で保持されている。
【0042】
図2に示されるように、プロテクタ148は断面が車両14の前方側へ向けて開口した凹形状の保持部150を備えている。保持部150の凹部の曲率半径は上述した外皮部124の外径の曲率半径に対応しており、外皮部124の車両14の後方側に対応した部分に当接している。一方の保持部150の車両14の前側には車両14の後方側へ向けて開口した凹形状の柔軟部152が連続して形成されている。柔軟部152の凹部の曲率半径もまた上述した外皮部124の外径の曲率半径に対応しており、上述した外皮部124の外周部のうち、保持部150が当接していない部分を覆うように当接している。すなわち、この柔軟部152と保持部150とで内径寸法が外皮部124の外径寸法に対応した長尺のチューブ状とされ、その内側にセンサ本体122が収容されることになる。
【0043】
また、この柔軟部152の表面にはシリコン層(図示省略)が形成されており、冬季等の気温が低下した際に柔軟部152が凍結して硬化するのを防止している。
【0044】
一方、保持部150の柔軟部152とは反対側には取付部154が連続して形成されている。この取付部154には車両14の後方側へ向けて開口し、且つ、保持部150及び柔軟部152の長手方向に沿って長手とされた、取付溝156が形成されておりインナパネル54の前端部近傍に設けられた支持手段としてのブラケット170へ取り付けられている。
【0045】
さらに、ドアパネル18へ感圧センサ120が取り付けられた状態でのプロテクタ148の下端部近傍には、プロテクタ148の長手方向に対して略直交する方向へ向けて係合部を構成するリング状の鍔部158が形成されている。さらに、鍔部158からプロテクタ148の長手方向に沿って所定距離離間した位置からは、係合部を構成する鍔部158と略同様のリング状の鍔部160が形成されている。鍔部158と鍔部160との間は外径寸法が各鍔部158、160よりも小径で係合部を構成する首部162とされ、各鍔部158、160と略同軸とされている。
【0046】
また、鍔部160の首部162とは反対側の軸方向端面には、シール部164が形成されている。シール部164は、外径寸法が鍔部160よりも僅かに大径で、しかも、鍔部160と略同軸的に形成されている。
【0047】
図1及び図2に示されるように、上記構成の感圧センサ120が取り付けられるドアパネル18の前端部近傍部分では、インナパネル54の前端部近傍の一部分が、一旦、車両14の左側へ屈曲されており、この部分ではインナパネル54の板厚方向が車両14の前後方向に沿っている。さらに、この屈曲部分の左側端部は車両14の前方側へ向けて延出されており、アウタパネル56の前端部がかしめによりインナパネル54の前端部と一体となっている。上述したインナパネル54の屈曲部分(すなわち、板厚方向が車両14の前後方向とされた部分)にはブラケット170が設けられている。ブラケット170はインナパネル54の上下方向に沿って長手とされた平板状の固定部172を備えている。固定部172の幅方向一方の端側は車両14の前方側へ向けて屈曲された支持部174とされ、上述した取付部154の取付溝156の内部へ入り込み、その先端部(前端部)は取付溝156の底部へ当接している。取付部154は自らの弾性力により支持部174を挟持することで支持部174に支持されると共に、支持部174及び取付溝156の内部の少なくとも何れか一方に塗布された接着剤の接着力により支持部174へ固定される。
【0048】
一方、図1及び図2に示されるように、ブラケット170の下端部には円孔176が形成されており、この円孔176及びインナパネル54に形成された孔を貫通するボルト等の締結手段(何れも図示省略)によりブラケット170の下端部がインナパネル54に固定される。特に図示はしないが、円孔176と同様の透孔はブラケット170の上端部近傍にも形成されており、同様にボルト等の締結手段によりブラケット170の上端部がインナパネル54に固定される。
【0049】
また、円孔176の上側にはブラケット170をインナパネル54に固定した状態で車両14の前方向側に張り出し、後方側へ向けて凹形状の凹部178が形成されている。この凹部178は全体的に円形とされ、その深さ寸法は鍔部160の厚さ(軸方向長さ)寸法よりも僅かに深く、且つ、鍔部160の厚さ寸法にシール部164の厚さ寸法の和よりも浅い。また、凹部178の底部には凹部178と同軸的に引込孔180が形成されている。この引込孔180は首部162の外径寸法よりも僅かに小さく、首部162が貫通できるようになっている。ここで、首部162の軸方向寸法は引込孔180が形成された部分でのブラケット170の板厚と略同一で、引込孔180に首部162を貫通させた状態では、凹部178の内底部に鍔部160が当接し、凹部178の外底部に鍔部158が当接する。上述したように、凹部178の深さは鍔部160の厚さ寸法にシール部164の厚さ寸法の和よりも浅いため、引込孔180に首部162を貫通させた状態では、車両14の後方側のブラケット170の表面からシール部164が突出するが、ブラケット170をインナパネル54へ固定してブラケット170の表面とインナパネル54の表面とをあわせることでインナパネル54にシール部164が押し潰されつつシール部164がインナパネル54に密着する。
【0050】
また、図1及び図2に示されるように、ブラケット170をインナパネル54へ固定した状態では、透孔182の軸方向に沿って(すなわち、図1乃至図3の矢印A方向に沿って)凹部178に形成された引込孔180がインナパネル54に形成された透孔182とラップする(重なり合う)。透孔182は、その内径寸法が、プロテクタ148の鍔部160よりも先の下端部よりも僅かに大きくプロテクタ148の下端部が充分に貫通できる程度とされ、透孔182をプロテクタ148が貫通してドアパネル18の内側(すなわち、インナパネル54とアウタパネル56の間)にプロテクタ148が入り込み、プロテクタ148の下端部から引き出された電極線128〜134がコネクタ136へ接続される。
【0051】
さらに、図1及び図2に示されるように、ブラケット170の下端部近傍には、ブラケット170の幅方向一端で開口し且つ上述した引込孔180と連通した切欠部184が形成されている。切欠部184の幅寸法は、首部162の外径寸法よりも小さく、且つ、首部162を弾性変形させて部分的に外径寸法を縮めた状態で切欠部184を通過させることができる程度とされている。したがって、引込孔180に首部162が貫通した(嵌め込まれた)状態では、意図的に首部162を縮めない限り引込孔180から首部162(プロテクタ148)が抜け出ることはない。
【0052】
(本実施の形態の作用並びに効果)
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0053】
ドアパネル18が車両14の後方側へスライドして乗降口58を開放した状態で、操作スイッチ98を閉操作すると、コンピュータ96がスライドドアアクチュエータ24のスライドドアドライバ94を操作してスライドドアドライバ94がスライドドアモータ28を駆動させ、無端ベルト36、センターアーム50を介してドアパネル18を車両14の前方側へ向けてスライドさせる。
【0054】
ドアパネル18が前方へスライドして乗降口58を全閉する際のドアパネル18のスライド軌道上に異物が存在すると、ドアパネル18の閉移動方向側端部(前端部)が異物に当接して異物を押圧する。このときの異物からの押圧反力でプロテクタ148及び外皮部124が弾性変形すると、外皮部124内の電極線128又は電極線132が電極線130又は電極線134と接触して導通して短絡する。上述したように、このとき電極線128〜134を含む電気回路(図5参照)を流れる電流は抵抗138を介さずに流れるため、例えば、一定の電圧でこの回路に電流を流していれば電流値が変化し、外皮部124がこのときの電流値の変化を検知する。外皮部124が電流値の変化を検知すると、コンピュータ96がスライドドアドライバ94及びクローザドライバ110を操作してスライドドアモータ28及びクローザモータ104を反転駆動させて、ドアパネル18を車両14の後方側へスライドさせる。これにより、ドアパネル18による異物の挟み込みを防止できる。
【0055】
次に、本圧力検出装置10における感圧センサ120のドアパネル18への取り付け方の一例を以下に説明する。
【0056】
ドアパネル18へ感圧センサ120を取り付ける際には、先ず、内部に122を収容したプロテクタ148の取付溝156をブラケット170の支持部174へ嵌め込んで、取付溝156の内側及び支持部174の少なくとも何れか一方に塗布された接着剤でプロテクタ148を支持部174へ固定すると共に、首部162及びその近傍部分を加圧して首部162の外径部を縮め、切欠部184から引込孔180内へ首部162を嵌め込み貫通させる。この状態で、コネクタ136とプロテクタ148の下端側の先端部から引き出された電極線128〜134を接続し、引込孔180を貫通したプロテクタ148の下端側の先端部を透孔182へ貫通させると共に、ブラケット170をインナパネル54へ固定する。
【0057】
ここで、上述したように、凹部178の深さは鍔部160の厚さ寸法にシール部164の厚さ寸法の和よりも浅いため、引込孔180に首部162を貫通させた状態では、車両14の後方側のブラケット170の表面からシール部164が突出するが、ブラケット170をインナパネル54へ固定してブラケット170の表面とインナパネル54の表面とをあわせることでインナパネル54にシール部164が押し潰されつつシール部164がインナパネル54に密着する。これにより、透孔182がシールされ、雨水等が透孔182からドアパネル18の内側に浸入することはない。しかも、この状態ではブラケット170及び鍔部158、160が透孔182の軸方向に沿って(すなわち、図1乃至図3の矢印A方向に沿って)ラップし(重なり合い)、ブラケット170及び鍔部158、160により透孔182が隠されるため、見栄え(外観)も向上する。更には、鍔部158がブラケット170の引込孔180の周囲に密着するため、引込孔180が鍔部158により隠される。したがって、外観上では、プロテクタ148の引込孔180を貫通する部分の近傍では、プロテクタ148が単に湾曲しているだけに見え、この意味でも見栄え(外観)も向上する。
【0058】
また、センサ本体122を内部に収容した状態のままプロテクタ148がブラケット170に形成された引込孔180、及び、インナパネル54に形成された透孔182を貫通してドアパネル18の内側(すなわち、インナパネル54とアウタパネル56の間)に引き込まれているため、上端部を除いてブラケット170は引込孔180を貫通するまでの間が全て圧力(すなわち、異物からの押圧反力)を検知できる部分となる。したがって、不感帯が少なく、ドアパネル18の下端部近傍にある異物の検出も可能となる。
【0059】
さらに、従来では、透孔182のようにインナパネル54に形成された孔を封止するのに、グロメット等、特別に封止部材を用いていたが、本圧力検出装置10では、このような特別な封止部材が不要となるため、コストの軽減に寄与する。
【0060】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0061】
図13には、本発明の第2の実施の形態に係る圧力検出装置200の構成が断面図によって示されている。この図に示されるように圧力検出装置200は、プロテクタ148の末端部(下端部)に保持部としてのコネクタ保持部202が形成されている。コネクタ保持部202は、内径寸法がコネクタ136の外径寸法と略同じとされており、その内側へコネクタ136を挿入若しくはコネクタ保持部202を押し広げつつ(すなわち、弾性変形させつつ)圧入できるようになっている。コネクタ136をコネクタ保持部202へ挿入若しくは圧入した状態では、コネクタ136の外周部がコネクタ保持部202に保持され、コネクタ保持部202に対して軸方向に対して交差する方向へのコネクタ136の変位が制限される。
【0062】
このように、コネクタ保持部202に対するコネクタ136の変位が制限されることで、コネクタ136とセンサ本体202との機械的、電気的な接続をより強固に維持でき、断線等を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る圧力検出装置の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る圧力検出装置の要部の構成を示す平面断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る圧力検出装置の要部の構成を示す側面側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る圧力検出装置の感圧センサの構成を示す斜視図である。
【図5】感圧センサの構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る圧力検出装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る圧力検出装置を適用した車両の後方からの斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る圧力検出装置を適用した車両の前方からの斜視図である。
【図9】自動スライドドア装置のセンターレール近傍を拡大した斜視図である。
【図10】自動スライドドア装置のアッパレール近傍を拡大した斜視図である。
【図11】自動スライドドア装置のロアレール近傍を拡大した縦断面図である。
【図12】自動スライドドア装置のロアレール近傍を拡大した平面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る圧力検出装置の要部の構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 圧力検出装置
54 インナパネル(取付本体)
96 コンピュータ(判定手段)
120 感圧センサ
140 リード線(接続手段)
142 導線
144 導線
158 鍔部(係合部)
160 鍔部(係合部)
162 首部(係合部)
164 シール部
170 ブラケット(支持手段)
172 固定部
174 支持部
180 引込孔
182 透孔
200 圧力検出装置
202 コネクタ保持部(保持部)

Claims (5)

  1. 取付本体に設けられ押圧力を検知する感圧センサと、
    前記感圧センサに一端が接続される接続手段と、
    前記取付本体に形成された透孔を前記感圧センサ又は前記接続手段が通過することで前記取付本体の前記感圧センサとは反対側を通過した前記接続手段の他端側が接続され、前記感圧センサが前記押圧力を検知したか否かを判定する判定手段と、
    前記取付本体と前記感圧センサとの間に設けられて前記感圧センサを支持した状態で前記取付本体に固定されると共に、前記感圧センサ又は前記接続手段が前記透孔を通過するために前記感圧センサ又は前記接続手段が引き込まれて通過する引込孔が形成された支持手段と、
    前記感圧センサ及び前記接続手段のうち、前記引込孔を通過する方に形成されて前記支持手段に係合することで前記支持手段に保持されると共に、前記引込孔の内周部と前記引込孔を通過する方の外周部との間を埋める係合部と、
    を備え、且つ前記係合部及び前記支持手段の少なくとも何れか一方を、前記透孔の開口方向に沿って前記透孔に対向させて前記透孔よりも前記支持手段の側で前記何れかの一方が前記透孔を覆うことを特徴とする圧力検出装置。
  2. 前記引込孔及び前記透孔を双方の開口方向に沿って前記引込孔と前記透孔とを互いに対向させて重ねると共に、前記係合部の外径寸法を前記透孔の内径寸法よりも大としたことを特徴とする請求項1記載の圧力検出装置。
  3. 前記支持手段を前記取付本体に固定した状態で前記透孔の周囲に密着してシールするシール部を前記係合部に形成したことを特徴とする請求項2記載の圧力検出装置。
  4. 前記感圧センサの末端部に、前記接続手段の保持が可能な保持部を設け、前記感圧センサへ前記接続手段を接続した状態で前記保持部に前記接続手段を保持させることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の圧力検出装置。
  5. 前記引込孔及び前記透孔に前記感圧センサの末端部近傍を貫通させ、前記取付本体を介して前記支持手段とは反対側で前記感圧センサを前記接続手段へ接続したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の圧力検出装置。
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