JP3784712B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に備えられた定着装置及びかかる画像形成装置に関し、特に、かかる定着装置に備えられた定着ベルト、加熱ローラ等の回転部材を加熱するための複数の加熱手段と、これらの加熱手段に対して所定の制御を行う制御手段とを備えた定着装置及びこれを有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置には一般に、被定着画像としてのトナー像を形成されたシート状媒体に、トナー像を定着するための定着装置を有している。
【0003】
定着装置としては、内部に加熱手段としてのヒータを有し回転駆動される回転部材としての加熱ローラと、この加熱ローラに圧接され加熱ローラに従動回転する加圧部材としての加圧ローラとを有し、両ローラによって形成される対向位置であるニップ部に、両ローラの回転により、トナーを定着されるシート状媒体を搬送して通過させ、加熱加圧してトナー像を定着する熱ローラ対タイプの定着装置が知られている。
【0004】
また定着装置としては、トナーを定着されるシート状媒体を搬送するための回転部材としての無端の定着ベルト、定着ベルトを巻き掛けられた加熱ローラ及び定着ローラ、定着ベルトを介して定着ローラに対向して配置される加圧部材としての加圧ローラ、定着ベルトを加熱するための加熱手段としてのヒータ等を構成要素とし、定着ベルトと加圧ローラとによって形成される対向位置であるニップ部に、これらの回転により、トナーを定着されるシート状媒体を搬送して通過させ、加熱加圧してトナー像を定着するするタイプのいわゆるベルト定着装置が知られている。
【0005】
何れのタイプの定着装置においても、回転部材の温度を検知するサーミスタ等の温度検知手段と、温度検知手段が検知した温度に基づいてヒータによる加熱の制御を行う制御手段とが備えられている。一般的に、制御手段による設定温度には幅があり、温度検知手段による検知温度が予め設定した第1の温度まで低下すると加熱手段による加熱を開始し、またかかる検知温度が予め第1の温度より高く設定した第2の温度まで上昇すると加熱手段による加熱を停止することで、回転部材の温度が定着に適した一定の温度領域内に保たれるように、制御手段によって制御が行われる。
【0006】
回転部材の温度の推移は、画像形成装置における画像形成の準備段階等の待機状態では、5秒から120秒ほどの間隔で、加熱手段による加熱の開始及び停止が繰り返され、これにより、上述のような第1の温度と第2の温度との間の範囲で温度が上下動している。回転部材の熱を奪う要素のうち、待機状態において変動を生ずるのは、主に空気中への放熱のみであって、定着装置や画像形成装置の各構成要素の熱容量や熱伝達量はほぼ固定されているため、消費される熱量は安定している。また、かかる各構成要素の熱容量や熱伝達量がほぼ固定されていることから、計算や実験により、待機状態における必要電力は設定しやすく、したがって、適切な熱量を得るために動作させるべき加熱手段の数や、供給する電力量等は予め設定しやすい。
【0007】
しかし、画像形成中は、シート状媒体のサイズ、消費トナー量等を左右する画像量、画像形成スピード等の画像形成条件がさまざまであり、必要な電力量がかかる画像形成条件によって大きく異なる。したがって、各画像形成条件に応じて、適切な熱量を得るために動作させるべき加熱手段の数や、供給する電力量等を予め設定することは困難である。
【0008】
したがって、従来、加熱手段の数や供給する電力量等は、画像形成中に最も電力が必要な場合を想定し、この場合の必要電力量を求め、これに対応して決定されている。こうしておけば、画像形成中も、回転部材の温度が低下したときに加熱手段による加熱を開始するとともに、加熱部材が十分加熱されたときにかかる加熱を停止する制御を行うことにより、適切な定着温度が得られるからである。
【0009】
ところが、画像形成が、常に、最大電力を消費する状態で行われるとは限らず、一般的な画像形成時では、加熱の開始により温度が回復し、加熱を停止し、温度が低下し、また加熱を開始するというサイクルを、頻繁に繰り返すこととなる。したがって、加熱手段を構成する電極には、加熱の開始、停止の度にON/OFFの負荷がかかり、画像形成装置の電源を介して、画像形成装置を設置した部屋の他の電気製品に影響を及ぼす可能性がある。かかる影響が顕著な場合には、例えば、かかるON/OFFによる突入電流の発生で、画像形成装置の電源すなわち部屋の電源の電圧を低下させ、蛍光灯が一時的に電力不足になってちらつくなどの現象が発生する。
【0010】
そこで、かかる突入電流の低減及び加熱開始・停止の回数の低減等を目的として、加熱手段を複数配設して電力を分散させるとともに、画像形成条件に応じて、加熱を行う加熱手段の数を増減したり、加熱手段による加熱の開始・停止のタイミングをずらしたりする技術が提案され、実用化されている。
【0011】
一方、温度検知手段は、回転部材における通紙領域の中央部に対応して配設することが一般的である。また、回転部材の温度を測定するためには、温度検知手段を回転部材に当接させる必要がある。しかし、回転部材は定着時等において回転するため、回転部材の、温度検知手段が当接し摺接する部位において、経時的な磨耗により、回転部材表面に一般的に形成されている離型層に、傷が付いたり、最悪の場合には離型層が磨耗消滅する等の現象が生じ、定着画像の光沢ムラや画像抜けといった不具合が生じる。
【0012】
また、温度検知手段の、回転部材に当接した部位の周辺には、オフセットトナーや紙粉等の汚れが経時的に堆積し、蓄積された汚れは、量が多くなると温度検知手段から溢れ、ニップ部を通過中のシート状媒体上に落下し、シート状媒体を汚染したり、溢れた汚れが定着装置内を汚染するという不具合が生じる。
【0013】
そこで、温度検知手段を回転部材の端部等の通紙領域外に対応して配設することが行われている。しかし、これでは通紙領域の温度を直接検知することができず、温度検知手段を通紙領域に対応して配設した場合に比べ、応答性が劣ることとなる。たとえば、通紙領域が、A4用紙を横向きに通紙したときに最大となる定着装置においては、実際に定着を行う際の通紙領域がこれよりも小さくなる場合には応答性の低下がより大きくなる。
【0014】
より具体的には、たとえば、通紙領域が、A4用紙を横向きに通紙したときに最大となる定着装置においては、B5用紙を横向きに通紙し定着する場合、A4用紙を縦向きに通紙し定着する場合、B5用紙を縦向きに通紙し定着する場合といったように、実際に定着を行う際の通紙領域が小さくなるにつれ、このような通紙領域に温度検知手段を配設した場合に比べて検知温度及び温度制御の応答性が低くなってしまう。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
特にかかる通紙領域の小さな小サイズのシート状媒体を連続して通紙し、定着した場合、温度検知手段を配設した回転部材の通紙領域外すなわち端部の位置において回転部材の温度が設定温度に保たれていたとしても、実際の通紙領域における回転部材の温度は、シート状媒体やトナーによって熱が奪われることで低下し、定着性が劣化することになり、特に、単位時間あたりの通紙枚数、言い換えると定着枚数が多ければ、実際の通紙領域での温度低下が顕著となり、定着に支障を来すことにもなりかねない。
【0016】
そして、この通紙範囲での温度低下という問題は、温度検知手段を通紙領域外に配設した場合に限らず、シート状媒体を連続して通紙した場合に生じ、このことは、上述した、加熱手段を複数配設して電力を分散させるとともに、画像形成条件に応じて、加熱を行う加熱手段の数を増減したり、加熱手段による加熱の開始・停止のタイミングをずらしたりした定着装置においても同様である。
【0017】
本発明は、定着ベルト、加熱ローラ等の回転部材を加熱するための複数の加熱手段と、これらの加熱手段に対して所定の制御を行う制御手段とを備えた定着装置であって、通紙領域における温度を良好に保つ定着装置及びこれを有する画像形成装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、トナーを定着されるシート状媒体を搬送する回転部材と、上記回転部材の温度を検知する温度検知手段と、 上記回転部材の幅方向に延在し、同回転部材を加熱するための複数の加熱手段と、上記加熱手段による加熱の開始と停止との制御を行う制御手段とを有する定着装置において、上記温度検知手段が上記幅方向における上記回転部材の通紙領域外に1つ配設され、上記加熱手段のそれぞれは、その発熱量が上記幅方向において変化しているとともに、この変化が上記加熱手段のそれぞれで互いに異なっており、上記制御手段は、上記温度検知手段に基づいて、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の中央部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が多くなるように制御を行うとともに、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の端部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が少なくなるように制御を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項2記載の発明は、トナーを定着されるシート状媒体を搬送する回転部材と、この回転部材の幅方向に延在し、同回転部材を加熱するための複数の加熱手段と、上記加熱手段による加熱の開始と停止との制御を行う制御手段とを有する定着装置において、上記加熱手段のそれぞれは、その発熱量が上記幅方向において変化しているとともに、この変化が上記加熱手段のそれぞれで互いに異なっており、上記制御手段は、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の中央部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が多くなるように制御を行うとともに、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の端部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の、上記加熱時間内における加熱時間が少なくなるように制御を行い、上記各制御を上記加熱手段の温度に応じて繰返し行うことを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の定着装置において、上記制御手段は、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の中央部での発熱量が大きい加熱手段から順に、上記回転部材の加熱を開始することを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の定着装置において、上記制御手段は、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の端部での発熱量が大きい加熱手段から順に、上記回転部材の加熱を停止することを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の定着装置において、上記制御手段は、定着を行うシート状媒体の上記幅方向における大きさに応じて、上記回転部材の加熱の開始と停止とのタイミングを変更することを特徴とする。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか1つに記載の定着装置を有する画像形成装置にある。
【0024】
【実施例】
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置は複写機、ファクシミリ、プリンタ等周知のものであれば何れでもよいが、本実施例における画像形成装置はカラー画像を形成可能な複写機である。画像形成装置20は、一般にコピー等に用いられる普通紙と、OHPシートや、カード、ハガキといった90K紙、坪量約100g/m2相当以上の厚紙や、封筒等の、普通紙よりも熱容量が大きないわゆる特殊シートとの何れをも画像を形成するためのシート状媒体として用いることが可能である。
【0025】
画像形成装置20は、原稿画像に応じて各色ごとの画像すなわちトナー像を形成する作像装置21C、21Y、21M、21BKと、作像装置21C、21Y、21M、21BKに対向して配置された、中間転写体としての転写ベルトであるベルト61及びこれを掛け渡したローラ62、63、31を有する転写装置22とを有している。
【0026】
画像形成装置20はまた、転写装置22におけるベルト61と各作像装置21C、21Y、21M、21BKとの対向領域である転写領域に各種シート状媒体を供給するシート状媒体供給手段としての給紙カセット23、24と、給紙カセット23、24からそれぞれ給紙ローラ56、58によって搬送されてきたシート状媒体を作像装置21C、21Y、21M、21BKによる作像のタイミングにあわせて供給するレジストローラ30とを有している。
【0027】
画像形成装置20はまた、転写後のシート状媒体をベルト61から分離する分離装置14と、転写後のベルト61を除電する除電装置15と、除電装置15によって除電されたベルト61をクリーニングするクリーニングユニットとしてのクリーニング装置28と、転写領域においてトナー像を転写されトナー像を担持しているシート状媒体に対する定着を行う定着装置1と、定着装置1から排出される定着後のシート状媒体を画像形成装置20本体外に排出する排出ローラ13と、排出ローラ13によって排出されたシート状媒体を積載する図示しないシート積載手段としての排紙トレイと、画像形成装置20における各種の操作を行うための周知の操作パネル等を備えた図示しない操作部等を有している。
【0028】
各作像装置21C、21Y、21M、21BKはそれぞれシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色の現像を行うものであり、用いるトナーの色が異なるが、その構成はほぼ同様であるから、作像装置21Cの構成を各作像像装置21C、21Y、21M、21BKの代表として説明する。なお、区別する必要がないときには、末尾に付したC、Y、M、BKを省略する。
【0029】
作像装置21Cは、静電潜像担持体としての感光体ドラム25C、感光体ドラム25Cの回転方向Aにおいて順に配置されている帯電装置27C、現像器としての現像装置26C、ベルト61を挟んで感光体ドラム25Cに対向して配設された転写チャージャとしての転写装置17C等を有し、帯電装置27Cと現像装置26Cとの間で露光装置19Cからの露光光29Cを受ける周知の構成である。
【0030】
感光体ドラム25は帯電装置27により負に帯電され、露光光29を受けた部分が負に帯電したトナーにより反転現像される。帯電装置27はコロトロン、スコロトロンなど、コロナ放電により電荷を発生させて感光体ドラム25表面に散布する方式のものである。現像装置26の配列は、給紙側から順に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒トナーを用いるものとされており、この順で順次正のコロナにより重ね転写が行われる。
【0031】
ベルト61はポリエステルフィルムなどの誘電体からなり、転写装置17により正に帯電され、またシート状媒体が分離された後に除電装置15により除電される。除電装置15はベルト61の両面からチャージャで負のACコロナ放電を行い、ベルト61の蓄積電荷を中和することで除電を行い、ベルト61を初期化するものである。
【0032】
分離装置14は、シート状媒体の上面からチャージャで負のACコロナ放電を行い、転写紙の蓄積電荷を中和することで除電を行うとともに、シート状媒体がベルト61から分離する際の剥離放電によるトナーのチリを防止する。感光体ドラム25は光導電性を有するものであり、有機感光体であるが、無機感光体であってもよい。各感光体ドラム25は同一平面状に配列されている。静電潜像担持体はドラム状でなく、ベルト状としても良い。
【0033】
画像形成装置20の上部には、原稿読み取り部12が配設されている。画像形成装置20はフルカラー画像形成装置一般に用いられている色分解重ね合わせ転写方式により画像形成を行うものであって、原稿読み取り部12は、光学系51を介して青、赤、緑の3色に色分解した画像情報光を各々CCD11で読み取ることで、原稿50を読み取る。
【0034】
各CCD11が検知した光の強度レベルをもとにして画像演算処理を行ってイエロー、シアン、マゼンタ、黒の各色で現像すべき書き込み画像データが作成され、この書き込み画像データに応じて各露光装置19が露光光29を感光体ドラム25に照射し、光書き込みが行われるようになっている。
【0035】
なお、画像形成装置20において用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、及びワックスを含有し、カルナウバに代表されるワックス、もしくはジメチルシロキサンに代表されるオイルの何れかを5〜20重量部含有するものである。トナーはワックスを離型剤として内包分散したオイルレストナーであり、このようなトナーを用いることにより、オイルレスの定着装置1でも、シート状媒体が定着ベルト2に巻き付くことなくカラー画像を定着することができる。定着装置1は、定着装置の構造を簡素化するため、オイルレストナーを用い、離型剤を塗布する機構を省略した、いわゆるオイルレスタイプの定着装置である。
【0036】
図2に示すように、定着装置1は、トナーTによって構成されるトナー像を定着されるシート状媒体Pを加熱するとともに搬送するための回転部材としての定着ローラである加熱ローラ59と、この加熱ローラ59に当接し加熱ローラ59に従動回転することで加熱ローラ59との対向位置であるニップ部としての定着部16において加熱ローラ59と同方向に回転する加圧部材としての加圧ローラ60とを有する、熱ローラ対タイプの定着装置である。
【0037】
定着装置1はまた、加熱ローラ59の内部に備えられ、加熱ローラ59を加熱するための加熱手段としての赤外線ヒータであるヒータ6A、6B、6Cを有している。すなわち定着装置1は加熱手段を複数有している。ヒータ6A、6B、6Cは、加熱ローラ59の幅方向すなわち図2における紙面に垂直な方向に延在している。
【0038】
定着装置1はまた、加熱ローラ59に対向して配置され加熱ローラ59表面の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ8と、トナー像を担持したシート状媒体Pを定着部16に向けて案内する案内手段としての入り口ガイド板52と、定着部16を通過したシート状媒体Pを定着装置1外部に排出する図示しない排紙手段としての排紙ローラとを有している。
【0039】
加熱ローラ59は、外径が60mmであって、アルミニウム製の芯金と、芯金の表面に形成された厚さ2mmの弾性層と、弾性層上に被覆された厚さ50μmの離型層とを有している。弾性層のJISA硬度は20度である。加熱ローラ59の芯金はアルミニウム製に限らず、ステンレス製、炭素鋼製等であっても良い。
【0040】
弾性層は、シリコンゴムを成型加工したものである。離型層は、強度と離型性を併せ持った耐熱性樹脂により構成されているものであって、耐熱性があり表面エネルギーの小さい材料が使用され、本実施例ではテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が用いられているが、その他例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの高分子樹脂などが耐熱性チューブとして使用されている。
【0041】
加圧ローラ60は、ほぼ加熱ローラ59と同じ構成のローラであって、芯金と、芯金の表面に形成された弾性層と、弾性層上に被覆された離型層とを有しており、弾性層のJISA硬度が30度であること及びヒータ6A、6B、6Cを備えていないことを除き、芯金、弾性体層、離型層の材質、厚さ等は加熱ローラ59におけると同様である。
【0042】
一般に熱ローラ対タイプの定着装置においては、ニップの形状は、加熱ローラの弾性層の厚さ及びその硬度と、加圧ローラの弾性体層の厚さ及びその硬度との関係で決まるが、本実施例においては上述のように構成したことで、シート状媒体P上のトナーTの層の表面と加熱ローラ59表面との粘着力がほとんど無視できる場合には、定着部16の出口におけるシート状媒体Pの放出角度は、やや下向きとなり、安定した搬送性のために望ましい放出角度となる。
【0043】
なお、放出角度があまり下向きになりすぎると、両面定着時においてすでにトナー像を定着されているめんが加圧ローラ60に対して強固に巻き付いてしまう可能性があるため、加熱ローラ59及び加圧ローラ60の構成を設計する際には、かかる巻き付きを防止するために考慮が必要となる。
【0044】
図示を省略するが、ヒータ6A、6B、6Cは電圧印加手段としての電源に接続され、この電源により電圧を印加されることで発熱する。電源とサーミスタ8とは制御手段としての制御部を介して接続されている。そして、画像形成装置20の電源が投入された場合、あるいは画像形成装置20が待機状態から作動状態に移行した場合等には、一定条件のもと、制御部が電源に電圧を印加させ、ヒータ6A、6B、6Cによる加熱を開始する。また制御部は一定条件のもと、ヒータ6A、6B、6Cによる加熱を停止する。
【0045】
ここで、ヒータ6A、6B、6Cによる加熱について説明する。トナーTを、加熱ローラ59および加圧ローラ60によりシート状媒体P上に定着させる際には、トナーTは加熱ローラ59により粘性が低い状態にまで加熱され、この状態において加圧ローラ60の加圧力の作用により、通常、シート状媒体Pの繊維中に浸透していく。その後トナーTが冷えて固まったときにトナーTはかかる繊維に強固に定着される。
【0046】
但し、このときに加熱ローラ59から分離する時点でのトナーTの温度が軟化温度Ts以下であると、トナーTを構成する樹脂は十分に軟化せず、したがってシート状媒体Pの繊維中にも浸透していかず、十分な定着強度が得られない。一方、加熱ローラ59から分離する時点でのトナーTの表面温度が流出開始温度Tf以上であると、トナーTの樹脂粘度が低くなりすぎ、シート状媒体Pの繊維中には十分浸透していくものの、加熱ローラ59の離型層67との離型性が悪化してしまい、加熱ローラ59へのオフセットや加熱ローラ59へのシート状媒体Pの巻き付きといった不具合が生じてしまう。
【0047】
一方、シート状媒体Pが薄紙である場合にも、厚紙である場合にも、同一の設定温度で温度制御を行うと、シート状媒体P自体の熱容量が異なるため、定着後のトナーTの表面温度は薄紙ほど高く、厚紙ほど低くなってしまい、薄紙通紙において、オフセット現象には至らないまでも、トナーTの表面と加熱ローラ59の表面との粘着力が大きくなり、定着部16の通過直後で分離しにくくなり、極端な場合には先端が加熱ローラ59の表面の曲率に沿って巻き付いていってしまう。
【0048】
粘着力の大きさによっては、シート状媒体Pの先端が少しでも加熱ローラ59から剥がれればその部分の重みで下方に引っ張られて巻き付きには至らないが、粘着力の大きさがある程度以上になると、シート状媒体Pの先端が全く剥がれずにそのまま巻き付いてしまう。粘着力は、環境変動,トナー付着量、加熱ローラ59の表面温度の変動等によって変化することが分かっている。
【0049】
そこで、ヒータ6A、6B、6Cによる加熱は、定着後のトナーTの表面温度がTsからTfの範囲になるように温度の制御がなされるようになっているとともに、定着部16の出口におけるシート状媒体Pの放出角度が上述のように設定されている。したがって、加熱ローラ59に対するシート状媒体Pの巻き付きは発生することがなく、また良好な定着が行われる。
【0050】
図3に加熱ローラ59の長手方向すなわち幅方向における、ヒータ6A、6B、6Cのそれぞれの発熱量の分布を示す。図3において、符号81はヒータ6Aによる発熱量の分布を、符号82はヒータ6Bによる発熱量の分布を、符号83はヒータ6Cによる発熱量の分布を示している。符号0は、加熱ローラ59の幅方向における、加熱ローラ59の中央位置を示している。
【0051】
符号84はB5サイズのシート状媒体Pを縦向きにして定着部16に通過させた場合の加熱ローラ59の通紙領域を、符号85はA4サイズのシート状媒体Pを縦向きにして定着部16に通過させた場合の加熱ローラ59の通紙領域を、符号86はA4サイズのシート状媒体Pを横向きにして定着部16に通過させた場合の加熱ローラ59の通紙領域を示している。同図から明らかなように定着装置1における通紙は、中央基準で行われる。
【0052】
符号80は、加熱ローラ59に対するサーミスタ8の配設位置を示している。定着装置1は、符号86で示す、A4サイズのシート状媒体Pを横向きにして定着部16に通過させた場合の加熱ローラ59の通紙領域が、最大の通紙領域であり、サーミスタ8は、回転部材59の最大の通紙領域の外に配設されている。
【0053】
図3から明らかなように、ヒータ6A、6B、6Cのそれぞれは、その発熱量が加熱ローラ59の幅方向において変化しているとともに、この変化はヒータ6A、6B、6Cのそれぞれで互いに異なっている。具体的には、ヒータ6Aは、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の中央部における発熱量が最も大きいという発熱量の分布の特徴を有しており、ヒータ6Cは、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の端部における発熱量が最も大きいという発熱量の分布の特徴を有している。
【0054】
ヒータ6Bは、ヒータ6Aに比べれば、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の中央部における発熱量の分布は小さいとともに、ヒータ6Cに比べれば、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の端部における発熱量の分布は小さいが、ヒータ6Aに比べれば、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の端部における発熱量の分布は大きいとともに、ヒータ6Cに比べれば、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の中央部における発熱量の分布は大きいという特徴を有している。
【0055】
なお、ヒータ6Aの最大出力は800W、ヒータ6Bの最大出力は560W、ヒータ6Cの最大出力は530Wである。また、加熱ローラ59の幅方向の中央部における発熱量が大きい、あるいは端部における発熱量が大きいといったことは、そのヒータにおける、加熱ローラ59の幅方向での発熱量の分布の傾向や配分の比率をいうものであり、各ヒータ6A、6B、6Cの発熱量を、加熱ローラ59の幅方向での各部位において比較した結果をいうものではない。
【0056】
制御部によるヒータ6A、B、Cの制御は、上述のように定着後のトナーTの表面温度がTsからTfの範囲になるようになされるが、これは、サーミスタ8を用いたフィードバック制御により行われる。すなわち、制御部には温度Hと温度Lとが記憶されており、サーミスタ8によって検知された加熱ローラ59の温度がLより低くなると制御部は加熱ローラ59の加熱を開始し、サーミスタ8によって検知された加熱ローラ59の温度がHより高くなると制御部は加熱ローラ59の加熱を停止するようになっている。
【0057】
このような定着装置1を用いて、制御部により、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の中央部での発熱量が大きい加熱手段、言い換えると、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の端部での発熱量が小さい加熱手段すなわちヒータ6Aから、ヒータ6B、ヒータ6Cの順で加熱ローラ59の加熱を開始したところ、図4において実線で示すような温度の推移を示した。
【0058】
実線は、加熱ローラ59の通紙領域における表面温度を示しており、また一点鎖線は、ヒータ6C、6B、6Aの順で加熱ローラ59の加熱を開始した場合の、加熱ローラ59の通紙領域における表面温度を示している。破線は、サーミスタ8により検知された、加熱ローラ59端部の通紙領域外の表面温度である。
【0059】
符号0は、サーミスタ8により検知された加熱ローラ59の表面温度が設定温度Hに達し、通紙が開始された時点を示しており、符号Xは、通紙開始前の待機時の時間帯を、符号Yは、通紙開始後の通紙中の時間帯を示している。ヒータ6Aによる加熱を開始してからヒータ6Bによる加熱を開始するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を開始してからヒータ6Cによる加熱を開始するまで、並びにヒータ6Cによる加熱を開始してからヒータ6Bによる加熱を開始するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を開始してからヒータ6Aによる加熱を開始するまでの時間間隔は何れも、定着を行うシート状媒体Pのサイズによらず1秒とした。
【0060】
なお、実線で示す場合、一点鎖線で示す比較例の場合の何れにおいても、サーミスタ8が温度Hを検知するとヒータ6A、6B、6Cの順で加熱を停止することとし、ヒータ6Aによる加熱を停止してからヒータ6Bによる加熱を停止するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を停止してからヒータ6Cによる加熱を停止するまでの時間間隔は何れも、定着を行うシート状媒体Pのサイズによらず1秒とした。
【0061】
この場合、図から明らかなように、一点鎖線で示した比較例に比して、サーミスタ8が温度Lを検知してからの温度の低下が少ない。したがって、通紙領域外の検知温度に基づいて制御を行っても通紙領域の温度低下が抑制されるとともに、連続通紙を行った場合にも、定着性の劣化が抑制される。
【0062】
図5に、制御部により、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の端部での発熱量が大きい加熱手段、言い換えると、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の中央部での発熱量が小さい加熱手段すなわちヒータ6Cから、ヒータ6B、ヒータ6Aの順で加熱ローラ59の加熱を停止した例を示す。
【0063】
符号87で示す実線は、加熱ローラ59の通紙領域における表面温度を示しており、また符号90で示す実線は、図6において比較例として示されているように、ヒータ6A、6B、6Cの順で加熱ローラ59の加熱を停止した場合の、加熱ローラ59の通紙領域における表面温度を示している。破線は、サーミスタ8により検知された、加熱ローラ59端部の通紙領域外の表面温度である。
【0064】
符号0は、サーミスタ8により検知された加熱ローラ59の表面温度が設定温度Hに達し、通紙が開始された時点を示しており、符号Xは、通紙開始前の待機時の時間帯を、符号Yは、通紙開始後の通紙中の時間帯を示している。ヒータ6Cによる加熱を停止してからヒータ6Bによる加熱を停止するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を停止してからヒータ6Aによる加熱を停止するまで、並びにヒータ6Aによる加熱を停止してからヒータ6Bによる加熱を停止するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を停止してからヒータ6Cによる加熱を停止するまでの時間間隔は何れも、定着を行うシート状媒体Pのサイズによらず1秒とした。
【0065】
なお、符号87で示す場合、符号90で示す比較例の場合の何れにおいても、図6において比較例を示したように、サーミスタ8が温度Lを検知するとヒータ6C、6B、6Aの順で加熱を開始することとし、ヒータ6Cによる加熱を開始してからヒータ6Bによる加熱を開始するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を開始してからヒータ6Aによる加熱を開始するまでの時間間隔は何れも、定着を行うシート状媒体Pのサイズによらず1秒とした。
【0066】
この場合、図5から明らかなように、符号90で示した比較例に比して、サーミスタ8が温度Lを検知してからの温度の低下が少ない。したがって、通紙領域外の検知温度に基づいて制御を行っても通紙領域の温度低下が抑制されるとともに、連続通紙を行った場合にも、定着性の劣化が抑制される。なお、図5に示した場合と図4に示した場合とでは、その他の条件が必ずしも一致せず、単純に比較することはできないものである。
【0067】
図5において符号88は、図6において実施例として示すように、制御部により、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の中央部での発熱量が大きい加熱手段、言い換えると、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の端部での発熱量が小さい加熱手段すなわちヒータ6Aから、ヒータ6B、ヒータ6Cの順で加熱ローラ59の加熱を開始するとともに、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の端部での発熱量が大きい加熱手段、言い換えると、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の中央部での発熱量が小さい加熱手段すなわちヒータ6Cから、ヒータ6B、ヒータ6Aの順で加熱ローラ59の加熱を停止した場合の例を示している。図5において符号88で示す実線は、加熱ローラ59の通紙領域における表面温度を示している。
【0068】
図6において比較例としたのは、制御部により、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の端部での発熱量が大きい加熱手段すなわちヒータ6Cから、ヒータ6B、ヒータ6Aの順で加熱ローラ59の加熱を開始するとともに、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の中央部での発熱量が大きい加熱手段すなわちヒータ6Aから、ヒータ6B、ヒータ6Cの順で加熱ローラ59の加熱を停止した場合であって、図5においては上述と同様に符号90で示している。図6において最上段に位置する実線91は、サーミスタ8により検知された、加熱ローラ59端部の通紙領域外の表面温度である。
【0069】
ヒータ6Aによる加熱を開始してからヒータ6Bによる加熱を開始するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を開始してからヒータ6Cによる加熱を開始するまで、並びにヒータ6Cによる加熱を開始してからヒータ6Bによる加熱を開始するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を開始してからヒータ6Aによる加熱を開始するまでの時間間隔は何れも、定着を行うシート状媒体Pのサイズによらず1秒とした。
【0070】
またヒータ6Cによる加熱を停止してからヒータ6Bによる加熱を停止するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を停止してからヒータ6Aによる加熱を停止するまで、並びにヒータ6Aによる加熱を停止してからヒータ6Bによる加熱を停止するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を停止してからヒータ6Cによる加熱を停止するまでの時間間隔は何れも、定着を行うシート状媒体Pのサイズによらず1秒とした。
【0071】
この場合、図5から明らかなように、符号90で示した比較例に比して、サーミスタ8が温度Lを検知してからの温度の低下が少ない。また、符号87で示した実施例に比して、サーミスタ8が温度Lを検知した後、温度Hを検知してからの温度の上昇が継続して行われ、加熱ローラ59の温度の回復度が大きくなっている。したがって、通紙領域外の検知温度に基づいて制御を行っても通紙領域の温度低下がより抑制されるとともに、連続通紙を行った場合にも、定着性の劣化がより抑制される。
【0072】
図5において符号89は、符号88で示した場合に比して、定着を行うシート状媒体Pの、加熱ローラ59の幅方向における大きさに応じて、加熱ローラ59の加熱の開始と停止とのタイミングを変更するという条件を加えて、制御部による制御を行った結果であって、A4サイズのシート状媒体Pを横方向に通紙して定着を行った場合を示している。図5において符号88で示す実線は、加熱ローラ59の通紙領域における表面温度を示している。
【0073】
図7に示すように、A4サイズのシート状媒体Pを横方向に通紙して定着を行う場合には、ヒータ6Aによる加熱を開始してからヒータ6Bによる加熱を開始するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を開始してからヒータ6Cによる加熱を開始するまで、並びにヒータ6Cによる加熱を停止してからヒータ6Bによる加熱を停止するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を停止してからヒータ6Aによる加熱を停止するまでの時間間隔は何れも、1秒としている。
【0074】
また、A4サイズのシート状媒体Pを縦方向に通紙して定着を行う場合には、ヒータ6Aによる加熱を開始してからヒータ6Bによる加熱を開始するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を開始してからヒータ6Cによる加熱を開始するまで、並びにヒータ6Cによる加熱を停止してからヒータ6Bによる加熱を停止するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を停止してからヒータ6Aによる加熱を停止するまでの時間間隔は何れも、2秒としている。
【0075】
また、B5サイズのシート状媒体Pを縦方向に通紙して定着を行う場合には、ヒータ6Aによる加熱を開始してからヒータ6Bによる加熱を開始するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を開始してからヒータ6Cによる加熱を開始するまで、並びにヒータ6Cによる加熱を停止してからヒータ6Bによる加熱を停止するまで、及び、ヒータ6Bによる加熱を停止してからヒータ6Aによる加熱を停止するまでの時間間隔は何れも、3秒としている。すなわち、通紙領域が小さいほど、加熱、停止それぞれの時間間隔を長くし、通紙領域が大きいほど、加熱、停止それぞれの時間間隔を短くしている。
【0076】
この場合、図5から明らかなように、符号90で示した比較例に比して、サーミスタ8が温度Lを検知してからの温度の低下が少ない。また、符号87、88で示した実施例に比して、サーミスタ8が温度Lを検知した後、温度Hを検知してからの温度の上昇が継続して行われ、加熱ローラ59の温度の回復度が大きくなっている。したがって、通紙領域外の検知温度に基づいて制御を行っても、通紙領域の温度低下がさらに抑制されるとともに、連続通紙を行った場合にも、定着性の劣化がさらに抑制されることとなる。
【0077】
以上、図4ないし7から、制御部が、加熱ローラ59の幅方向における、加熱ローラ59の通紙領域の中央部における発熱量が大きい加熱手段ほど加熱ローラ59の加熱時間が多くなるように制御を行う、言い換えると、加熱ローラ59の通紙領域の端部における発熱量が小さい加熱手段ほど加熱ローラ59の加熱時間が多くなるように制御を行うとともに、加熱ローラ59の幅方向における、加熱ローラ59の通紙領域の端部における発熱量が大きい加熱手段ほど加熱ローラ59の加熱時間が少なくなるように制御を行う、言い換えると、加熱ローラ59の通紙領域の中央部における発熱量が小さい加熱手段ほど加熱ローラ59の加熱時間が少なくなるように制御を行うことで、サーミスタ8が温度Lを検知してからの温度の低下を少なくすることができることが分かった。
【0078】
また、制御部により、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の中央部での発熱量が大きい加熱手段から順に加熱ローラ59の加熱を開始するとともに、加熱ローラ59の幅方向における加熱ローラ59の通紙領域の端部での発熱量が大きい加熱手段から順に加熱ローラ59の加熱を停止した場合は、通紙領域の温度低下をより抑制することができる。
【0079】
さらには、定着を行うシート状媒体Pの、加熱ローラ59の幅方向における大きさに応じて、加熱ローラ59の加熱の開始と停止とのタイミングを変更するという条件を加えた制御を行えば、通紙領域の温度低下をさらに抑制することができることがわかった。以下、この制御を用いた場合の定着装置1及びこれを有する画像形成装置20の動作について説明する。
【0080】
操作者による操作部における所定の操作等により、画像形成装置20の電源が投入され、又は待機状態から動作状態に移行すると、制御部の制御によって定着装置1が所定の設定温度となって、すなわちサーミスタ8による検知温度が温度Hとなって立上りが完了し、画像形成及び定着が可能な状態となる。
【0081】
操作者が操作部において画像形成を開始する周知の操作を行うと、感光体ドラム25の方向Aへの回転にともない、感光体ドラム25は帯電装置27より帯電され、露光光29により原稿画像に応じた静電潜像が形成され、この静電潜像が現像装置26により現像され、感光体ドラム25上に形成されたトナー像が給紙され転写装置22上を搬送されるシート状媒体P上に転写される。
【0082】
作像装置21Yによってイエローのトナーが転写されたシート状媒体Pは、転写装置22によりに搬送されつつ、作像装置21C、21M、21BKにより順次それぞれシアン、マゼンタ、ブラックのトナー像を適宜転写され、画像形成に必要なすべてのトナー像を転写された後、転写装置22から定着装置1に受け渡されガイド板52によって定着部16に案内される。
【0083】
シート状媒体Pは加熱ローラ59の回転により搬送されつつ、定着部16においてトナー像を構成しているトナーが加熱加圧されシート状媒体P上に溶融定着される。ヒータ6A、6B、6Cによる加熱で、加熱ローラ59が回転を開始しても定着に支障が出るほどの温度低下を生じることがない。
【0084】
また制御部は、画像形成装置20本体より、画像形成が行われるシート状媒体Pのサイズ及び通紙方向に関する情報が入力され、これに応じた制御を行う。したがって、連続定着が行われる場合であっても、通紙領域の過剰な温度低下が防止されて、定着を中断して再加熱を行う必要が生じることもないとともに、ホットオフセットが生じない程度に熱が供給され、光沢度等に関しても良好な定着が行われる。定着後のシート状媒体Pは、排紙ローラ、排出ローラ13等により搬送されて画像形成装置20本体外の排紙トレイに排出される。
【0085】
以上は本発明を熱ローラ対タイプの定着装置に適用した場合を説明したが、本発明は、図8に示すようなベルト定着装置に適用することもできる。以下、上述の例と同様の構成については同じ符号を付するに留めて詳しい説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
【0086】
図8に示すように、定着装置1は、トナーTによって構成されるトナー像を定着されるシート状媒体Pを加熱するとともに搬送するための回転部材としての無端の定着ベルト2と、定着ベルト2を巻き掛けられた加熱ローラ3及び定着ローラ4と、定着ベルト2を介して定着ローラ4に対向して配置され、定着ベルト2との対向位置であるニップ部としての定着部16において定着ベルト2の回転方向と同方向に回転する加圧部材としての加圧ローラ5とを有している。
【0087】
定着装置1はまた、定着ベルト2の回転方向の定着ローラ4の下流側かつ加熱ローラ3の上流側において定着ベルト2の表面に当接し定着ベルト2に付着したトナー等の不要物を定着ベルト2から分離するクリーニング手段としてのクリーニングローラ53と、定着ベルト2を介して加熱ローラ3に対向して配置され定着ベルト2の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ8等を有している。
【0088】
定着装置1はまた、定着ベルト2に適当な所定の張力を与えるため、加熱ローラ3は図示しない付勢手段としてのテンションスプリングにより定着ローラ4から離間する向きに付勢されている。定着ベルト2は加熱ローラ3の内部に備えられたヒータ6A、6B、6Cにより、加熱ローラ59を介して加熱されるようになっている。
【0089】
定着ベルト2は、加熱ローラ3及び定着ローラ4と接触する側の面から順に、少なくとも支持層と離型層とを有している。支持層には、耐熱性、耐久性及び機械的強度に優れている材料が使用され、本実施例では耐熱性樹脂であるポリイミド樹脂の厚さ100μmのものが使用されているが、その他、ニッケル、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属フィルムや、ポリイミド(PI)、ポリアラミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの高分子樹脂フィルムを使用することができる。
【0090】
離型層には、耐熱性があり、表面エネルギーの小さい材料が使用され、本実施例においては、厚さ200μmの高離型シリコンゴム製の離型層としているが、その他、シリコーン樹脂、フッ素樹脂例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などの高分子樹脂や、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱性ゴム材を使用することができる。
【0091】
発明者らの実験によれば、離型層として樹脂を用いる場合には、中間層として弾性層の機能を持ったシリコーンゴム、フッ素ゴムンどの耐熱性ゴム層を設けることにより、画像光沢の均一性がより向上することが分かったため、離型層として樹脂を用いる場合には、そのように構成することが望ましい。
【0092】
定着ローラ4は、径を40mmとされ、鋼性の金属パイプによって構成されている基体としての芯金と、この芯金を被覆し定着部16の幅を十分な広さにするための、弾性体層とを有する構成とされている。弾性体層は、耐熱多孔質の発泡シリコンゴム製であって、柔らかく断熱性のあるものとされている。
【0093】
弾性体層の材質は、熱伝導率が小さく断熱作用のある耐熱多孔質の弾性体であるから、ベルトの熱を奪うことを低減し、立上り後の温度落ち込みを小さくするとともに温度回復のためのプレ回転時間を短縮している。また、弾性体層が比較的低硬度であるため、加圧ローラ5の圧接力が小さくても十分なニップ幅を得ることができ、比較的低温かつ低圧の条件下でも良好な定着性能を得ることができる。
【0094】
加圧ローラ5は、径を40mmとされ、鋼性の金属パイプによって構成されている基体としてのアルミニウム製の芯金と、この芯金を被覆する、耐熱多孔質のシリコンゴム製の厚さ2mmの離型層とを有している。芯金はアルミニウムのほかステンレス、炭素鋼等により構成することができる。離型層は高離型シリコンゴムのほかフッ素型樹脂により構成することができる。定着ベルト2からのシート状媒体Pの剥離性をよくするため、加圧ローラ5の硬度を定着ローラ4よりも硬くし、定着部16を下向きに形成している。
【0095】
加熱ローラ3は、径を50mmとされ、芯金は熱伝導性の良好なアルミニウム製の薄肉ローラのパイプであって長手方向の温度ムラを防止されており、肉厚を5mmとされている。芯金表面には定着ベルト2との摩擦による磨耗を防止するためアルマイト処理された層を有している。芯金は炭素鋼やステンレス鋼、銅等であってもよい。
【0096】
このように、加熱ローラ3と加圧ローラ5とは、それぞれ薄肉円筒状の芯金からなっていることから低熱容量化が図られ、加熱ローラ3の熱容量は26cal/℃以下、加圧ローラ5の熱容量は36cal/℃以下とされている。加熱ローラ3、加圧ローラ5を低熱容量とすることにより、定着ベルト2が回転してもその熱を奪うことが少なく、定着に悪影響を与えることや立上り時間が長引くことが防止されている。さらに連続定着等による温度低下を抑制されている。
【0097】
その他、ヒータ6A、6B、6Cの発熱量の分布等の構成態様、制御部による制御態様等については、上述した熱ローラ対タイプの定着装置1におけると同様であって、動作等についても熱ローラ対タイプの定着装置1において説明した加熱ローラ59を定着ベルト2と読み替えたものと同様となる。
【0098】
以上本発明を適用した定着装置及びこれを有する画像形成装置について説明したが、加熱手段としてのヒータは加熱ローラに限らず定着ローラや加圧ローラに配設してもよい。ヒータを複数配設した場合には、その定着ローラや加圧ローラは本発明における回転部材とされ、上述した発熱量の分布や制御部による制御を与えることができる。加熱手段が複数備えられる場合、その数は、3つに限らず、2つでも4つ以上でも良い。
【0099】
上述の実施例では、通紙が中央基準で行われる場合を示したが、通紙が片側基準で行われる場合も、同様に本発明を適用することができる。また上述の実施例においては、各ヒータによる加熱の開始、停止の時間間隔を、各制御においては一定としたが、例えばヒータ6Aによる加熱を開始してからヒータ6Bによる加熱を開始するまでを1秒とし、ヒータ6Bによる加熱を開始してからヒータ6Cによる加熱を開始するまでを2秒とするといったように、かかる時間間隔は一定でなくとも良い。
【0100】
かかる時間間隔は各ヒータの最大発熱量や発熱量の分布に応じて適宜設定できるものであり、シート状媒体の大きさ、通紙方向によっては、あるヒータによる加熱を行わないようにすることもできる。このことは上述の時間間隔をかなり大きく取ることによって達成できるものであり本発明の範囲内の事項である。本実施例の画像形成装置はカラー画像を形成可能なものであるが、単色の画像のみを形成するものであっても良い。
【0101】
【発明の効果】
本発明は、トナーを定着されるシート状媒体を搬送する回転部材と、上記回転部材の温度を検知する温度検知手段と、上記回転部材の幅方向に延在し、同回転部材を加熱するための複数の加熱手段と、上記加熱手段による加熱の開始と停止との制御を行う制御手段とを有する定着装置において、上記温度検知手段が上記幅方向における上記回転部材の通紙領域外に1つ配設され、上記加熱手段のそれぞれは、その発熱量が上記幅方向において変化しているとともに、この変化が上記加熱手段のそれぞれで互いに異なっており、上記制御手段は、上記温度検知手段に基づいて、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の中央部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が多くなるように制御を行うとともに、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の端部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が少なくなるように制御を行うので、定着ベルト、加熱ローラ等の回転部材の通紙領域における温度低下を防止して温度を良好に保つことができるから、連続定着の場合であっても定着性の劣化を防止して良好な定着画像を得ることができるとともに、加熱手段を複数配設して電力を分散させることで突入電流を低減できる定着装置を提供することができる。
【0102】
また、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の中央部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が多くなるように制御を行うとともに、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の端部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が少なくなるように制御を行っても、温度検知手段による温度検知の応答性の低下を防止することができるから、定着ベルト、加熱ローラ等の回転部材の通紙領域における温度低下を防止して温度を良好に保ち、定着性の劣化を防止することができるとともに、回転部材の通紙領域の、温度検知手段が当接し摺接する部位における、経時的な磨耗を防止して、定着画像の光沢ムラや画像抜けといった不具合を防止でき、また、温度検知手段にオフセットトナーや紙粉等の汚れが経時的に堆積しても、温度検知手段が通紙領域外に配設されていることから、蓄積された汚れがシート状媒体上に落下し、シート状媒体を汚染するという不具合を防止できるから、良好な定着画像及び定着物を得ることができる定着装置を提供することができる。
【0103】
制御手段が、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の中央部での発熱量が大きい加熱手段から順に、上記回転部材の加熱を開始することとすれば、これにより、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の中央部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が多くなるように制御を行うことができ、定着ベルト、加熱ローラ等の回転部材の通紙領域における温度低下を防止して温度を良好に保つことができるから、連続定着の場合であっても定着性の劣化を防止して良好な定着画像を得ることができるとともに、加熱手段を複数配設して電力を分散させ、加熱手段による加熱の開始・停止のタイミングをずらすことで突入電流を低減できる定着装置を提供することができる。
【0104】
制御手段が、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の端部での発熱量が大きい加熱手段から順に、上記回転部材の加熱を停止することとすれば、これにより、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の端部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が少なくなるように制御を行うことができ、定着ベルト、加熱ローラ等の回転部材の通紙領域における温度低下を防止して温度を良好に保つことができるから、連続定着の場合であっても定着性の劣化を防止して良好な定着画像を得ることができるとともに、加熱手段を複数配設して電力を分散させ、加熱手段による加熱の開始・停止のタイミングをずらすことで突入電流を低減できる定着装置を提供することができる。
【0105】
制御手段が、定着を行うシート状媒体の上記幅方向における大きさに応じて、上記回転部材の加熱の開始と停止とのタイミングを変更することとすれば、画像形成条件に応じて、加熱手段による加熱の開始・停止のタイミングをずらすことで、定着ベルト、加熱ローラ等の回転部材の通紙領域における温度低下を防止して温度をさらに良好に保つことができるから、連続定着の場合であっても定着性の劣化を防止してさらに良好な定着画像を得ることができるとともに、加熱手段を複数配設して電力を分散させ、加熱手段による加熱の開始・停止のタイミングをずらすことで突入電流を低減できる定着装置を提供することができる。
【0106】
本発明は、請求項1ないし5の何れか1つに記載の定着装置を有する画像形成装置にあるので、上述の各効果を奏する定着装置を有し、良好な画像形成を行うことができるとともに、加熱手段を複数配設して電力を分散させ、加熱手段による加熱の開始・停止のタイミングをずらすことで突入電流を低減できるから、突入電流の発生で、画像形成装置の電源すなわち部屋の電源の電圧を低下させ、蛍光灯が一時的に電力不足になってちらつくなど、画像形成装置の電源を介して画像形成装置を設置した部屋の他の電気製品に影響を及ぼすことを防止してユーザーの信頼性、安全性が高い画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した定着装置及びこれを有する画像形成装置の概略を示す側面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられた定着装置であって分離部材がホームポジションを占めているときの側視図である。
【図3】回転部材と分離部材の先端部との間においてシート状媒体が回転部材に巻き付いた状態を示す側視図である。
【図4】図2に示した定着装置のブロック図である。
【図5】図2に示した定着装置の要部の拡大図である。
【図6】図2に示した定着装置に備えられた分離部材がシート状媒体の搬送経路に向けて変位する様子を示した側視図である。
【図7】図6に示した定着装置の要部の拡大図である。
【図8】図2に示した定着装置の制御フローである。
【符号の説明】
1 定着装置
2 回転部材としての定着ベルト
6A、6B、6C 複数の加熱手段
6A 加熱手段
6B 加熱手段
6C 加熱手段
8 温度検知手段
20 画像形成装置
59 回転部材としての加熱ローラ
84 通紙領域
85 通紙領域
86 通紙領域
P シート状媒体
T トナー
Claims (6)
- トナーを定着されるシート状媒体を搬送する回転部材と、
上記回転部材の温度を検知する温度検知手段と、
上記回転部材の幅方向に延在し、同回転部材を加熱するための複数の加熱手段と、
上記加熱手段による加熱の開始と停止との制御を行う制御手段とを有する定着装置において、
上記温度検知手段が上記幅方向における上記回転部材の通紙領域外に1つ配設され、
上記加熱手段のそれぞれは、その発熱量が上記幅方向において変化しているとともに、この変化が上記加熱手段のそれぞれで互いに異なっており、
上記制御手段は、上記温度検知手段に基づいて、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の中央部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が多くなるように制御を行うとともに、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の端部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が少なくなるように制御を行うことを特徴とする定着装置。 - トナーを定着されるシート状媒体を搬送する回転部材と、
この回転部材の幅方向に延在し、同回転部材を加熱するための複数の加熱手段と、
上記加熱手段による加熱の開始と停止との制御を行う制御手段とを有する定着装置において、
上記加熱手段のそれぞれは、その発熱量が上記幅方向において変化しているとともに、この変化が上記加熱手段のそれぞれで互いに異なっており、
上記制御手段は、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の中央部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の加熱時間が多くなるように制御を行うとともに、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の端部における発熱量が大きい加熱手段ほど上記回転部材の、上記加熱時間内における加熱時間が少なくなるように制御を行い、上記各制御を上記加熱手段の温度に応じて繰返し行うことを特徴とする定着装置。 - 請求項1または2記載の定着装置において、上記制御手段は、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の中央部での発熱量が大きい加熱手段から順に、上記回転部材の加熱を開始することを特徴とする定着装置。
- 請求項1ないし3の何れか1つに記載の定着装置において、上記制御手段は、上記幅方向における上記回転部材の通紙領域の端部での発熱量が大きい加熱手段から順に、上記回転部材の加熱を停止することを特徴とする定着装置。
- 請求項1ないし4の何れか1つに記載の定着装置において、上記制御手段は、定着を行うシート状媒体の上記幅方向における大きさに応じて、上記回転部材の加熱の開始と停止とのタイミングを変更することを特徴とする定着装置。
- 請求項1ないし5の何れか1つに記載の定着装置を有する画像形成装置。
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