JP3784399B2 - 手術用縫合針カウンター - Google Patents

Description

本発明は使用済の縫合針を廃棄する際に、患者体内に残さないよう正確にその使用本数をカウントし、さらに医療用廃棄物として適切に処分するための手術用縫合針カウンターの改良に関する。

使用済の針を数えるための従来の手術用縫合針カウンターは吸着タイプの場合、そのシート又は板の表面が平面であり、材質をマグネット及びシール等にすることにより針を吸着固定する。シート又は板の表面は直線によって区切られているか、又は四角い囲みが印刷されており、各々の枠内にカウント用の番号が記されている。若い番号順に針を収めることにより使用した針の本数をカウントする。スポンジ等に刺してカウントするタイプの場合、スポンジ表面に印刷が施してあり、上から刺す格好になる。

針を乗せるシート又は板の表面が平面であると、針を置く際、針が移動しやすく誤ってカウントしやすい。

通常医師より使用済みの針を看護婦が受け取る場合、持針器の先に針が付いたまま受け取るが、これを従来タイプである上面に数字が印刷してあるスポンジに刺してカウントしようとすると、上からの無理な角度で刺入しなければならない。また、針の後端が上を向いてしまい、後の廃棄処理がしにくい。刺し過ぎると鋭利な先端が飛び出してくる。今日の院内感染は針刺し事故に起因するものが最も多く、安全性の高い工夫が求められている。

手術用縫合針は通常湾曲しており、従来品は針を平面上に並べるのでスペースを取り、手術用縫合針カウンター自体が大きくなってしまう。清潔区域である看護師の手元はスペースを確保したいところなので、大きな器具はできるだけ置きたくない。また医療廃棄物の総体積は少なくしておきたい。

手術用縫合針カウンターは患者、医療従事者双方の安全確保のため医療機関からの導入への強い要望があるが、医療費抑制の折、捨てることに経費をかけにくい。製造工程を含めた究極のコストダウンが求められている。

医師は針の後端を持針器で掴み縫合するが、組織を通過して出てくる針は先端を掴んで引き出される。即ち看護婦に手渡される持針器の先に付いた針は針先を掴まれており、スポンジ等に刺してカウントするためには一度針を持ち替える必要がある。針刺し事故はこの針の持ち替え時に発生しやすい。

手術で用いる針はサイズが大小様々であり、従来は針の大きさに応じて手術用縫合針カウンター自体のサイズを変えていた。大きい針と小さい針を同時に一括処理するという点で未だ完全ではない。

前後に展開可能なポケット形状のジャバラ中敷の各々上辺部に針カウント用の数字を記し、廃棄時には前後から挟み込んで折りたたみ、外箱に入れ、密閉廃棄する構造とした。

また外箱を前後に折りたたみ式とし、ジャバラ中敷と中央部で接続させ、使用中ジャバラ中敷が展開しているときは外箱の前側壁、底面、後側壁が同一面としてフラットになり、廃棄時には前側壁、後側壁を起こし、ジャバラ中敷を前後から挟み込んで折りたたみ、密閉する構造とした。

ジャバラ中敷針収納部分を横一列に複数連なっている形状とした。

ジャバラ中敷部分を製造する際、一枚の紙又は薄い樹脂板を材料として、山折りの部分は上面に、谷折りの部分は下面に折りやすいようスリットを入れ、ジャバラ中敷の各々上辺部には針カウント用の数字を印刷し、ワンタッチで前後から挟み込んでジャバラ中敷形状を作ることができる製造方法とした。

本発明は以上説明したような形態で実施され以下に記載されるような効果を奏する。

ジャバラ中敷を採用することにより針を縦に挿入するのでスペースを取らず、手術用縫合針カウンター自体がコンパクトとなる。看護婦が針を持ち替える必要がなく、医師に渡されたままの状態で迅速にカウント及び廃棄でき、針刺し事故を未然に防ぐ。また針の大きさによって種類を用意する必要がない。さらにジャバラ中敷の両端を内側に折り曲げ、複数連結することによりジャバラ中敷自体が安定し、外枠が不要となる。即ちジャバラ中敷は展開時には外枠にとらわれることなく、大きく開口させることが可能で、針が落とし込みやすく、針の確認もしやすい。廃棄時には最小限の大きさまで折りたたみ密閉できるので、廃棄物の体積を激減させる。

発明の実施の形態

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は請求項１に係る手術用縫合針カウンターを示している。ジャバラ中敷１の各々の谷折り面両端部分を内側へ山折りとして折り返し、個々の針収納部分をポケット形状とし、ポケットは横一列に２連に連なっている。ジャバラ中敷１の各々上辺部には針カウント用の数字が印刷されている。外箱横壁２の内側にジャバラ中敷１中央部を固定する壁を設け、ジャバラ中敷１が中央から前後へ展開し、カウント作業を行う。外箱の前側壁３、後側壁４はジャバラ中敷の前面、後面各々と接続し、使用中ジャバラ中敷１が展開しているときは外箱前側壁３、底面、後側壁４が同一面としてフラットになり、廃棄時にはジャバラ中敷１を前後から挟み込んで折りたたみ、前側壁３、後側壁４を起こし、前後の突起及び穴を組み合わせ密閉する。図２に示すように密閉後の外観は三角柱の形状となる。全体は滅菌済み使い捨てであり、外箱の素材はポリプロピレン、ABS等の樹脂製である。ジャバラ中敷部分１は、一枚の紙を山折りの部分は上面に、谷折りの部分は下面に折りやすいようスリットを入れ、ワンタッチで前後から挟み込んでジャバラ中敷形状を作ることができる構造であり、安価で簡便な製造方法となっている。

ジャバラ中敷を応用した手術用縫合針カウンターの展開図である。 外箱を閉じた状態の外観図である。

符号の説明

１ジャバラ中敷

２外箱の横壁

３外箱の前側壁

４外箱の後側壁

Claims (4)

1. 使用済みの手術用縫合針の本数をカウントし、廃棄するための器具であり、前後に展開可能なジャバラ中敷の各々の谷折り面両端部分を内側へ山折りとして折り返し、個々の針収納部分をポケット形状とし、ジャバラ中敷の各々上辺部には針カウント用の数字が記され、廃棄時にはジャバラ中敷を前後から挟み込んで折りたたみ、小さくなったサイズで外箱に入れ、密閉廃棄することとした手術用縫合針カウンター。
   
2. 上記手術用縫合針カウンターの内、外箱が前後に折りたたみ式であり、ジャバラ中敷中央部を両側から挟み込むように固定する横壁が外箱中央の底面部から立ち上がっており、ジャバラ中敷が中央から前後へ展開する構造とし、ジャバラ中敷の前面、後面各々の底辺が外箱の前側壁、後側壁と各々接続し、使用中ジャバラ中敷が展開しているときは外箱の前側壁、底面、後側壁が同一面としてフラットになり、廃棄時には前側壁、後側壁を起こし、ジャバラ中敷を前後から挟み込んで折りたたみ、密閉する構造であり、密閉後の外観が三角柱となる請求項１記載の手術用縫合針カウンター。
   
3. 上記手術用縫合針カウンターの内、ポケット状のジャバラ中敷針収納部分が横一列に複数連なっている形状である請求項１又は２記載の手術用縫合針カウンター。
   
4. 上記手術用縫合針カウンターのジャバラ中敷部分を製造する際、一枚の紙又は薄い樹脂板を山折りの部分は上面に、谷折りの部分は下面に折りやすいようスリットを入れ、ジャバラ中敷の各々上辺部には針カウント用の数字を印刷し、ワンタッチで前後から挟み込んでジャバラ中敷形状を作ることができる請求項１、２、３のいずれかに記載の手術用縫合針カウンタージャバラ中敷部分の製造方法。
   

Images