JP3783520B2 - プレス加工用カムユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷重をかける方向とは異なった方向に加工工具を操作して、ワークに加工を施すためのプレス加工用カムユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばプレス装置を使ってワークに横方向から穴明けを行う場合には、上下方向に作用するプレス機械の加圧荷重で横向きの加工工具を操作するようにするため、カム構造を利用したプレス加工用カムユニットが利用されている。図8は、従来のプレス加工用カムユニットを示した断面図である。プレス加工用カムユニット100は、ユニットブロック101に一対のスライドカムが組み込まれたものである。ユニットブロック101は箱形をしたものであって、縦カム102と横カム103とが摺動自在にはめ込まれている。縦カム102と横カム103とは、互いが摺動し合うように傾斜した摺動面102A,103A同士が重ね合わせられている。ユニットブロック101は、縦カム102と横カム103とをガイドし、それぞれが鉛直方向及び水平方向に直線移動できるようにガイドとして機能している。また、横カム103にはパンチ105を突設したブロック106が固定されている。そして、そのパンチ105の周りには、ウレタンゴムからなる戻しゴム107がはめられている。
【0003】
そこで、こうしたプレス加工用カムユニット100では、縦カム102に対して鉛直下向きに加圧荷重Pが作用すると、その力は水平方向に90度向きを変えて伝達される。縦カム102が上方から加圧荷重を受けると、その力によってユニットブロック101内を下降し、それに伴って横カム103が縦カム102との傾斜した摺動面102A,103Aが滑り合って、ユニットブロック101から押し出される。そのため、パンチ105がダイ200に対して打ち込まれ、ワークWに穴明けが行われる。
こうした穴明けの際、パンチ105の入り込みに伴って戻しゴム107が押し潰される。従って、その後加圧荷重Pを解除して縦カム102をフリーにすると、戻しゴム107の弾性によって横カム103が押し戻され、縦カム102は、横カム103との摺動面102A,103Aが再び滑り合って上に押し戻される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうしたプレス加工用カムユニット100は、穴明けを行うパンチ105がその横カム103と一体に動いて加工を行うので、パンチ105の加工方向は横カム103の移動方向によって決定される。従って、正確な加工を行うには横カム103の正確な移動の確保が必要であり、そのためにはユニットブロック101を含め、プレス加工用カムユニット100全体の寸法精度が要求される。このことは逆に、寸法精度の悪いユニットでは、穴明け精度など加工精度が悪くなることを示している。そのため、加工精度を上げるためにはプレス加工用カムユニット100自身に高い品質ベルが要求され、ユニットのコストアップにつながっている。
【0005】
また、こうしたプレス加工用カムユニットは従来から市販されているものであるが、市販されるものの大半は加圧荷重Pの方向を90度変換させるものであるため、それ以外の角度で加工が必要な場合には、その都度プレス加工用カムユニットを設計していた。例えば、図9に示すように上向きのパンチ115で傾いたワークWに穴明けを行う場合には、縦カム112及び横カム113、更にこれらをガイドするユニットブロック111を新たに設計する必要があった。そして、こうしたプレス加工用カムユニット110など、新たにユニットの設計変更を行う場合、加工方向の違いによって全体形状が大きく変わってしまうので、ユニット毎の部品の共通が困難で、ユニットの製造コストが負担になっていた。
【0006】
また、プレス加工用カムユニット100などで示す従来のものの場合、摺動面102,103に作用する垂直応力によって縦カム102及び横カム103が押されて移動する。そのため、縦カム102や横カム103の移動方向と摺動面102A,103Aとの角度が小さくなると、垂直応力が小さくなる一方で剪断応力が大きくなり、縦カム102及び横カム103の移動が困難になる。更に、加圧加重Pの方向と180゜反転させた方向にパンチ105を打ち出すようにすることは当然にできない。従って、従来のプレス加工用カムユニットの場合、加工工具を移動させる加工方向の設計変更には一定の制限があった。
更に、近接した位置に穴明けを行う場合など、例えばプレス加工用カムユニット100を2個並べ、同一のプレス機械によって加工を行うことが考えられる。しかし、各ユニットにはある程度の幅があるため、並べて配置させた場合、加工位置の間隔を狭めるには制約があり、あまり近くの位置に同時に加工を行うことができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、加工精度を確保したプレス加工用カムユニットを簡易に提供すること、低コストで加工角度の設定が容易に変更可能なプレス加工用カムユニットを提供すること、また近接した二以上の加工を同時に行うことが可能なプレス加工用カムユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のプレス加工用カムユニットは、円弧状のガイド面を有するユニットブロックと、前記ガイド面と同じ曲率半径の円弧状の摺動面を有し、該摺動面を前記ガイド面に摺動させてその円周方向に摺動可能で、該摺動方向の両端に摺動方向に略直交する当接面を有する円弧カムと、前記ユニットブロックに前記円弧カムの一方の当接面に対して略直交する方向に摺動自在に支持され、一端をプレス機械に押圧されることにより摺動し、該摺動により他端が前記円弧カムの一方の当接面を押圧して前記円弧カムを摺動させる加圧ピンと、前記ユニットブロックに前記円弧カムの他方の当接面に対して略直交する方向に摺動自在に支持され、一端に加工工具が設けられ、他端を前記円弧カムの他方の当接面に押圧されることにより摺動し、該摺動により前記加工工具にてワークに所定の加工を施す加工ピンとを有することを特徴とする。
【0009】
よって、本発明によれば、加圧ピン、円弧カム、そして加工ピンを分離して構成しているため、円弧カム等の影響を受けにくく、ワークに直接加工を施す加工ピンの調整によってのみ加工精度を上げることができる。
また、本発明によれば、円弧カムの円弧の大きさを任意に変更し、加工ピンの移動方向を調整することによって加工角度を容易に変えることができる。そして多くの場合、部品の共有が可能であり、低コストで加工角度の設定が容易に変更可能となる。更に、従来のスライドカムに比べて荷重伝達の際の抵抗が小さく、しかも加圧ピンと加工ピンとの間の角度によって大きく変わらない。
【0010】
また、本発明のプレス加工用カムユニットは、前記円弧カムが、ユニットブロックに対して前記ガイド面の曲率中心で軸支されていることを特徴とする。
よって、本発明によれば、円弧カムに作用する力で円周方向に摺動する当該円弧カムの運動にズレが生じることなく、支持された軸を中心にして安定した運動を行うことができる。
【0011】
また、本発明のプレス加工用カムユニットは、複数の円弧カムが前記ガイド面の曲率中心の軸方向で重ね合わされて、かつ互いに独立して摺動可能に配設され、各円弧カムに対応して前記加圧ピンと加工ピンとを複数有することを特徴とする。
よって、本発明によれば、一つユニットで複数の加工を同時に行うことができ、特に隣り合う加工ピンの間隔が円弧カムの厚さ分なので、近接した位置に二箇所以上の加工を行うことが可能となる。
【0012】
また、本発明のプレス加工用カムユニットは、複数ある前記加工ピンはその摺動方向が異なるものを含み、複数ある前記加圧ピンはその摺動方向が全て同じであることを特徴とする。
よって、本発明によれば、一つユニットで複数の加工を同時に行うことができ、特に隣り合う加工部分の加工方向を任意に調整することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るプレス加工用カムユニットの一実施形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、第1実施形態のプレス加工用カムユニットを示した断面図であり、特に図1は加工前、図2は加工時を示している。
プレス加工用カムユニット10は、図1に示すような円弧カム1を軸支するものであり、組み付けられたユニットブロック2内に設けられている。扇形をした円弧カム1は、円弧状の摺動面1Aが同一の曲率半径で形成されたユニットブロック2のガイド面16Aに載せられるように配置され、またそのユニットブロック2に対し、ガイド面16Aの曲率中心位置でアンカーピン3によって軸支されている。
【0014】
そして、ユニットブロック2には上方から加圧ピン4が貫通し、その下端が円弧カム1の一方の当接面1Bに当てられ、横方向からは加工ピン5が所定の角度で貫通し、その先端が円弧カム1の他方の当接面1Cに当てられている。加圧ピン4及び加工ピン5は、いずれも軸ズレすることなく軸方向に移動するようにブッシュ6,7を介して摺動自在に嵌挿されており、更にガイド面16Aに沿って円周方向に摺動する円弧カム1は、その当接面1B,1Cが当該摺動方向に略直交する方向に形成され、加圧ピン4及び加工ピン5が、その当接面1B,1Cに対して略直交する方向から当てられている。
また、加工ピン5は、ワークに穴明けを行うための加工工具であるパンチ5Aを備えるものであり、そこにはウレタンゴムからなる戻しゴム8がはめられている。
【0015】
ここで、図3は、プレス加工用カムユニット10の分解斜視図である(加圧ピン4及び加工ピン5を省略)。ユニットブロック2は、図示するように上ブロック11と下ブロック12とが一体に組み合わされたものである。上ブロック11は、固定プレート13の底面に、ピンガイドブロック14を挟んで両サイドに軸支ブロック15,15が固定されたものであり、下ブロック12は、一つのブロック体の中央にガイド溝16が形成されたものである。ガイド溝16は、円弧カム1と同一の曲率半径のガイド面16Aを有し、円弧カム1の横ブレを受けるようにその円弧カム1の厚さに合わせた溝幅で形成されている。
プレス加工用カムユニット10は、こうした軸支ブロック15,15に円弧カム1をアンカーピン3で支持し、その円弧カム1をガイド面16Aに載せるようにして上ブロック11と下ブロック12とを組み合わせ、両者をネジ止めして一体のユニットブロック2とする。
【0016】
続いて、本実施形態のカムユニット10を利用してワークに穴明け加工を行う場合について説明する。
加圧ピン4には、上方からプレス機械によって軸方向に加圧荷重Pが加えられる。そのため、上から押さえ付けられて加圧ピン4が下がると、その加圧ピン4の先端に当てられた円弧カム1が押されて円弧運動を行う。円弧運動は、支軸のアンカーピン3を中心にした円弧カム1の円周方向(矢印A及び矢印B)への移動であり、その摺動面1Aが円周方向の移動を案内するガイド溝16のガイド面16Aに沿って摺動する。従って、加圧荷重Pを受けた円弧カム1は、下ブロック12によって支持され、その上を滑って円弧運動が行われる。
【0017】
そして、図1に示す状態で加圧された円弧カム1は、円弧運動によって加圧ピン4とは反対側の当接面1Cに当てられた加工ピン5を、その運動方向(矢印A)に押し出す。円弧カム1に押された加工ピン5は、戻しゴム8を押し潰しながらパンチ5Aダイ50に打ち込、そのパンチ5AによってワークWに穴明けが行われる。
こうしてワークへの穴明けが行われると、次に加圧ピン4に対する加圧荷重Pが解除され、その加圧ピン4や円弧カム1、そして加工ピン5による一連の荷重伝達系が逆方向(矢印B)にフリーとなる。そのため、押し潰された戻しゴム8の復元力によって加工ピン5が押し戻され、ダイ50及びワークWからパンチ5Aが抜き取られる。そして、円弧カム1は、加工ピン5の戻りによって逆方向(矢印B)に円弧運動を行い、加圧ピン4を押し上げて図1に示す状態へと戻る。
【0018】
従って、本実施形態のプレス加工用カムユニット10によれば、従来の課題を解決した次のような効果を奏する。
プレス加工用カムユニット10は、ワークに直接加工を行う加工ピン5と円弧カム1とが分離しているため、加工ピン5の寸法精度を上げるだけで、円弧カム1等の影響を受けずに正確な角度で加工を行うことができる。そして、方向を変えて加圧荷重を伝達する場合、その荷重伝達部分の精度を上げることが最も困難であったため、その円弧カム1に高いレベルの寸法精度が要求されなければ、ユニット構成部品の加工が簡単になり、製造コストを抑えることもできる。
また、本実施形態のカムユニットの構成によれば、加工ピン5の移動方向の調整によって加工角度を変えることができるので、多くの場合部品の共有が可能となり、低コストで加工角度の設定が容易に変更できるようになった。
【0019】
本実施形態の円弧カムを利用したカムユニットによれば、前記の如く異なる角度で穴明けするカムユニットを簡易に設計変更して提供することができる。そこで、次に加工角度を変えたカムユニットの変更例について簡単に説明する。図4及び図5は、それぞれ加工角度を変えたプレス加工用カムユニット20,30を示した断面図である。
先ず、図4のプレス加工用カムユニット20は、加圧ピン21に作用する下向きの加圧荷重Pを円弧カム22によって90度変換させて伝達し、加工ピン23を水平方向に移動させるようにしたものである。
【0020】
このプレス加工用カムユニット20は、ピンガイドブロック24の形状と、円弧カム22の中心角θが広くなっている点を除けば、図1のプレス加工用カムユニット10と同じ部材によって構成されている。従って、所定範囲内の角度変更の場合には、各ユニットにおいて部材を共通にすることができ、各ユニットのコストを抑えることができる。
また、僅かな角度の変更であれば、加工精度を出すのは加工ピン23の動きだけなので、例えば、図1に示す円弧カム1を交換することなく、加圧ピン21の軸方向の移動量を調整するようにしてもよい。
【0021】
一方、大きく角度を変更する場合には、図5のプレス加工用カムユニット30のように、ユニット全体について設計変更が必要になる。プレス加工用カムユニット30は、加圧ピン31に作用する下向きの加圧荷重Pを円弧カム32によって180度反転させて加工ピン33を上に突き上げるようにしたものである。このプレス加工用カムユニット30は、図1で示したものとの部品の共通化はできないが、加工精度を決定するのが加工ピン33の移動方向だけなので、プレス加工用カムユニットのコストを抑えることはできる。
従って、本実施形態のプレス加工用カムユニット10,20,30によれば、加工角度を任意に変えることができ、特に従来のスライドカムでは不可能であった180度の方向変換も可能となった。更に、加圧ピンと加工ピンとが鋭角の関係になる場合にでも、円弧カムの摺動抵抗が極端に大きくなるわけではないので、いずれの角度の加工もスムーズに行うことができる。
【0022】
次に、本発明のプレス加工用カムユニットの構成によれば、複数の加工を一つのユニットで行うようにすることもできる。図6は、2箇所の加工を同時に行うことを可能とした本発明に係るプレス加工用カムユニットの第2実施形態を示した断面図である。特に、異なる角度で穴明けを同時に行うようにしたプレス加工用カムユニットである。
このプレス加工用カムユニット40は、曲率半径が同一で中心角(θ1,θ2)が異なる2つの円弧カム41,42を有するものであり、それらがユニットブロック43内に並べられている。扇形をした円弧カム41,42は、重ねられた両カムの中心がアンカーピン44によって軸支され、同一の曲率半径で形成されたガイド面67Aを摺動するように設けられている。
【0023】
また、ユニットブロック43には、円弧カム41,42に対応して上方から加圧ピン45,46が貫通し、その下端がそれぞれ円弧カム41,42の一方の当接面に当てられている。一方、横方向からは、加工ピン47,48がそれぞれ所定の角度でユニットブロック43を貫通し、両加工ピン47,48とも先端が各円弧カム41,42の他方の当接面に当てられている。加圧ピン45,46及び加工ピン47,48は、いずれも軸ズレすることなく軸方向に移動できるように、ブッシュ49,49,50,50を介して摺動自在に嵌挿されている。加工ピン47,48は、ワークに穴明けを行うためのパンチ47A,48Aを備えるものであり、そこにはウレタンゴムからなる戻しゴム51,51がはめられている。
【0024】
次に、図7は、プレス加工用カムユニット40の分解斜視図である(加圧ピン45,46及び加工ピン47,48を省略)。先ず、ユニットブロック43は、上ブロック61と下ブロック62とが一体に組み合わされたものである。上ブロック61は、固定プレート63の底面に、2個のピンガイドブロック64,65と、これらを挟んだ軸支ブロック66,66とが平行に固定され、一方の下ブロック62には、ブロック体の中央にガイド溝67が切り欠かれている。ガイド溝67は、円弧カム41,42の横ブレを受けるように、ほぼ2枚の円弧カム41,42を重ねた板厚の幅で形成されている。即ち、円弧カム41,42は、下ブロック62の横壁にガイドされ、更に円弧カム41,42同士が互いにガイドし合うようになっている。ガイド面67Aは、円弧カム41,42と同一の曲率半径で形成され、各円弧カム41,42に合わせたそれぞれの円弧長さで形成されている。
こうしたプレス加工用カムユニット40は、上ブロック61にアンカーピン44で円弧カム41,42を図6に示すように軸支し、その円弧カム41,42の円弧状に形成された摺動面41A,42Aが下ブロック62のガイド面67Aを摺動するようにして、上ブロック61と下ブロック62とをネジ止めして一体のユニットとする。
【0025】
そこで、このプレス加工用カムユニット40を利用した穴明けは次のようにして行われる。加圧ピン45,46には、上方から同一のプレス機械によって軸方向に加圧荷重Pが加えられる。上から押し付けられた加圧ピン45,46は軸方向に下降し、その加圧ピン45,46の先端に当てられた円弧カム41,42が、加圧荷重Pによって円弧運動を行うことになる。円弧運動は、アンカーピン44を中心にした円弧カム41,42の円周方向への移動であり、その摺動面41A,42Aが円周方向の移動を案内するガイド面67Aに沿って摺動する。従って、加圧荷重Pを受けた円弧カム41,42は、下ブロック62によって支持され、ガイド面67Aを滑って円弧運動が行われる。
【0026】
そして、加圧された円弧カム41,42は、円弧運動によって加圧ピン45,46とは反対側の当接面に当てられた加工ピン47,48を、その運動方向(矢印A)に押し出す。円弧カム41,42に押された加工ピン47,48は、不図示のワークへと突き出されてパンチ47A,48Aが所定箇所に打ち込まれる。
パンチ47A,48Aがワークに打ち込まれ、穴明けが完了すると、加圧ピン45,46に対する加圧荷重Pが解除されて、その加圧ピン45,46や円弧カム41,42、そして加工ピン47,48による一連の荷重伝達系が逆方向(矢印B)にフリーになる。そのため、戻しゴム51,51の復元力によって押し戻された加工ピン47,48は、パンチ47A,48Aがワークから抜き取られる。更に加工ピン47,48は、円弧カム41,42を矢印B方向に押し、それによって円弧カム41,42が円弧運動を行って加圧ピン45,46を押し上げ、再び図6に示す状態へと戻る。
【0027】
よって、こうした本実施形態のプレス加工用カムユニット40によれば、一つのユニットで複数の加工を行うことができるようになる。説明では2枚の円弧カム41,42を設けて2箇所の加工を行うようにしたが、更に多くの加工を行うようにすることも可能である。また、加工角度を同一にしたり、異なる角度にすることも自由に設計変更することが可能である。
更に、一つのユニット内に設けたので、加工間隔、即ちパンチ47A,48Aの間隔を狭くすることができ、また広くすることも自由である。
【0028】
以上、本発明に係るプレス加工用カムユニット一実施形態について説明したが、本発明は、こうした実施形態のものに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、穴明け加工を行う場合のプレス加工用カムユニットを示したが、加工ピンを張出し成形用のパンチを備えるものにするなど、各種の加工に対応させることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、円弧カムが、その摺動面でユニットブロックのガイド面を円周方向に摺動するようにし、プレス機械に押圧された加圧ピンが円弧カムの一方の当接面を押圧して当該円弧カムを円周方向に摺動させ、その摺動した円弧カムが更に加工ピンを押圧してワークに所定の加工を施すようにしたので、ワークに直接加工を行う加工ピンの調整によってのみ加工精度を上げることができるため、加工精度を確保したプレス加工用カムユニットを簡易に提供することが可能となった。また、加工角度の設計変更を簡易に行うことができ、低コストで加工角度の変更ができるようになった。
また、本発明は、独立して円弧運動を行う複数の円弧カムと、その円弧カムに対応して加圧ピン及び加工ピンとを備える構成としたので、一つのユニットで複数の加工を同時に行うことができ、特に隣り合う加工ピンの間隔が円弧カムの厚さ分なので、近接した位置に二以上の加工を行うことができるプレス加工用カムユニットを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1実施形態のプレス加工用カムユニットを示した加工前の断面図である。
【図2】 本発明に係る第1実施形態のプレス加工用カムユニットを示した加工時の断面図である。
【図3】 本発明に係る第1実施形態のプレス加工用カムユニットを示した分解斜視図である。
【図4】 第1実施形態のプレス加工用カムユニットにおける変更例を示した断面図である。
【図5】 第1実施形態のプレス加工用カムユニットにおける変更例を示した断面図である。
【図6】 本発明に係る第2実施形態のプレス加工用カムユニットを示した断面図である。
【図7】 本発明に係る第2実施形態のプレス加工用カムユニットを示した分解斜視図である。
【図8】 従来のプレス加工用カムユニットを示した断面図である。
【図9】 従来のプレス加工用カムユニットを示した断面図である。
【符号の説明】
1 円弧カム
1A 摺動面
2 ユニットブロック
3 アンカーピン
4 加圧ピン
5 加工ピン
5A パンチ
10 プレス加工用カムユニット
11 上ブロック
12 下ブロック
14 ピンガイドブロック
16 ガイド溝
16A ガイド面

Claims (4)

  1. 円弧状のガイド面を有するユニットブロックと、
    前記ガイド面と同じ曲率半径の円弧状の摺動面を有し、該摺動面を前記ガイド面に摺動させてその円周方向に摺動可能で、該摺動方向の両端に摺動方向に略直交する当接面を有する円弧カムと、
    前記ユニットブロックに前記円弧カムの一方の当接面に対して略直交する方向に摺動自在に支持され、一端をプレス機械に押圧されることにより摺動し、該摺動により他端が前記円弧カムの一方の当接面を押圧して前記円弧カムを摺動させる加圧ピンと、
    前記ユニットブロックに前記円弧カムの他方の当接面に対して略直交する方向に摺動自在に支持され、一端に加工工具が設けられ、他端を前記円弧カムの他方の当接面に押圧されることにより摺動し、該摺動により前記加工工具にてワークに所定の加工を施す加工ピンとを有することを特徴とするプレス加工用カムユニット。
  2. 請求項1に記載のプレス加工用カムユニットにおいて、
    前記円弧カムは、ユニットブロックに対して前記ガイド面の曲率中心で軸支されていることを特徴とするプレス加工用カムユニット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプレス加工用カムユニットにおいて、
    複数の円弧カムが前記ガイド面の曲率中心の軸方向で重ね合わされて、かつ互いに独立して摺動可能に配設され、各円弧カムに対応して前記加圧ピンと加工ピンとを複数有することを特徴とするプレス加工用カムユニット。
  4. 請求項3に記載のプレス加工用カムユニットにおいて、
    複数ある前記加工ピンはその摺動方向が異なるものを含み、複数ある前記加圧ピンはその摺動方向が全て同じであることを特徴とするプレス加工用カムユニット。
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