JP3783083B2 - 釣り用仕掛 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣り用の仕掛、例えばタラ、ガヤ、ソイ、ホッケ、鮭等の魚を磯釣りや船釣りで釣るのに用いて好適な釣り用仕掛に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の釣り用仕掛として、図5に示すクロスビーズと呼ばれるものがある。このクロスビーズ型仕掛51は、略繭型に成型した合成樹脂製の仕掛本体52に長手方向中心の位置に径方向に貫通する幹糸挿通穴53を形成し、仕掛本体52の長手方向には中心の位置に貫通するハリス挿通穴54を形成して構成してある。そして、この仕掛51は幹糸挿通穴53に幹糸Aを挿通し、仕掛本体52の上下側に結び玉A1 、A2 を形成することにより仕掛本体52を所望の位置に支持させ、ハリスBはハリス挿通穴53に挿通した基端側に結び玉B1 を形成して仕掛本体52に係止することにより取着してある。
【0003】
また、他の従来技術として、図6に示すプラピンと呼ばれる仕掛が用いられている。このプラピン型仕掛61は、合成樹脂製の仕掛本体62を長手方向一端側に形成した二股状の一対の腕部62A、62Bと、該一対の腕部62A、62Bから他端側にかけて先細りの棒状に形成した軸部62Cとから一体に構成し、前記腕部62A、62Bに幹糸挿通穴63、63を、軸部62Cの先端側にハリス挿通穴64を夫々形成したものからなる。そして、上側の幹糸挿通穴63に挿通した幹糸Aは直径約8mmの止めビーズ65に挿装し、該止めビーズ65に1巻して再度挿通した後下側の幹糸挿通穴63に挿通して結び玉A3 を形成することにより幹糸Aの所望の位置に仕掛本体62を支持させてあり、ハリスBは軸部62Bのハリス挿通穴64に基端側を挿着してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の仕掛は広く使用されているが、クロスビーズ型仕掛け51に関しては以下の諸欠点がある。第1に、幹糸Aに形成した上下の結び玉A1 、A2 で仕掛本体52を支持しているため、仕掛本体52に引きの力が加わると結び玉A1 が幹糸挿通穴53の口縁53Aに食い込んだ状態になってしまう。このため、幹糸Aに対して仕掛本体52が円滑に回転することができず、魚の動きに対してハリスBが円滑に追随できないことや、幹糸Aに無理な力が加わるために捩られて切れ易くなることである。第2に、ハリスBは結び玉B1 により仕掛本体52に係止しているため、魚の引きにより結び玉B1 がハリス挿通穴54の口縁54Aに食い込んだ状態になり、仕掛本体52に対してハリスBは回転することができないために捩れた、切れてしまうことである。第3に、魚を釣り上げる場合にハリスBがハリス挿通穴54の口縁54Bで略直角方向に屈曲させられるために、この位置でハリスBが切断し易いことである。第4に、幹糸AとハリスBとの間隔は仕掛本体52の長さの半分の間隔、5〜6ミリメートル程度しかなく狭いことからハリスBが幹糸Aに絡まり易いことである。
【0005】
また、プラピン型仕掛61にも、以下の諸欠点がある。第1に、幹糸Aは止めビーズ65に二重に挿通しているため、仕掛本体62の回転に伴って幹糸A同士が擦れる結果切れ易いことである。第2に、幹糸挿通穴63から止めビーズ65外面に折返した幹糸Aが下側の腕部62Bに擦れるために、この部位で切れ易いことである。第3に、ハリスBは仕掛本体62の軸部62Cに締着するために捩れが出来易いことである。このため、ハリスBが幹糸Aと絡まる原因になったり、捩れによる波状の癖が形成されて再使用できなくなることである。第4に、幹糸Aには複数個の仕掛61を設けるが、各仕掛61の止めビーズが約8mmの大きさがあるために潮の影響を受け易く、釣果に影響することである。
【0006】
本発明は上述した従来技術の諸欠点や問題点に鑑みなされたもので、縦糸に対する回動性がよいので、縦糸及びハリスに無理な力が加わることがなく、魚の動きに円滑に追随できるし、縦糸及びハリスが切断するのを防止できる釣り用仕掛を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために構成された本発明の手段は、基端側が互いに離間し、先端側が連結部で連結した一対の支持腕からなる基体と、該基体を縦糸に対して横向きの姿勢に保持すべく前記各支持腕の基端側に形成した縦糸挿通穴と、前記基体の連結部に前記縦糸に対して略直角方向に形成したハリス挿通穴とからハリス支持具を構成し、前記縦糸挿通穴に挿通した縦糸に前記一対の支持腕間に位置して結び玉を形成すると共に、該結び玉の上下に位置して一対の支持ビーズを挿装することにより前記ハリス支持具を該縦糸に回動可能に支持させ、かつ、基端側に止めビーズを止着し、先端に釣り針を係着するハリスを前記ハリス挿通穴に挿通することにより前記ハリス支持具に設けたものからなる。
【0008】
そして、前記ハリス挿通穴は、開口外縁側を少なくとも上下方向に拡開したガイド面に形成するとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。図において、1、1、・・・はハリス支持具を示す。なお、該ハリス支持具1を取着することができる糸には、幹糸、道糸、先糸を含むものであることから、場合により幹糸、道糸、先糸を縦糸と総称する。2は該各ハリス支持具1を構成する合成樹脂製又は金属製の基体である。3、3は該基体2を構成する角柱状の一対の支持腕で、該一対の支持腕3は互いに平行な基端部3A、3Aと、該各基端部3Aから略く字状に屈曲して互いに接近する伸長部3B、3Bとからなっている。4は該一対の支持腕3、3の伸長部3B先端を連結する角柱状の連結部で、該連結部4は内、外面4A、4Bが縦長の平坦面になっている。
【0010】
5は一対の支持腕3、3の基端部3A、3A寄りの位置に架設した補強部で、該補強部5には先端方向にリブ5Aが突出形成してある。該リブ5Aは後述するハリス挿通穴8に先端側から挿入したハリスBを基体2の右(左)側方の外側に導出させるためのガイド機能と、後述するビーズ格納部6の開口面積を適当に狭めることにより釣り針D等がビーズ格納部6内に引っ掛かったり、潜り抜けて絡まったりする事態を防止する機能を有している。そして、一対の支持腕3、3、連結部4及び補強部5により画成される台形状の空間はビーズ格納部6になっており、基体2は正面において略倒置A字状をなしている。なお、本実施の形態において、ハリス支持具1は長さ約27mm、基端側縦幅約16mm、先端縦幅約9mmに設定してある。
【0011】
7、7は各支持腕3の基端部3Aに縦方向に形成した丸穴からなる幹糸挿通穴で、該幹糸挿通穴7に釣り竿Cの先端から垂下する幹糸Aを挿通することにより、基体2は幹糸Aに対して横向きの姿勢に保持されている。他方、8はハリス挿通穴を示す。該ハリス挿通穴8は連結部4の中央に幹糸Aに対して直角方向である横方向に形成してあり、丸穴からなるハリス挿通穴8は軸方向途中から外縁側が少なくとも上下方向に傾斜することにより上、下面は拡開したガイド面8A、8Aになっている。なお、ガイド面は傾斜面に替えて凸状湾曲面に形成してもよい。
【0012】
ハリス支持具1は上述の構成からなっており、幹糸Aには次のように取着する。先ず、上側の幹糸挿通穴7に幹糸Aを挿通して直径約3ミリメートルの上側の支持ビーズ9を挿装したら所望の位置に結び玉A4 を形成する。次に、幹糸Aに下側の支持ビーズ10を挿装したら下側の幹糸挿通穴7に幹糸Aを挿通する。これにより、基体2は結び玉A4 を介して幹糸Aに支持された上下一対の支持ビーズ9、10により幹糸Aに回動可能に取着することができる。
【0013】
また、ハリスBは先端側に釣り針Dを取着して基端側からハリス挿通穴8に挿通し、止めビーズ11を挿装して基端側に結び玉B2 を形成した後、釣り針D側に引っ張って止めビーズ11をビーズ格納部6内に位置させる。このようにして、幹糸Aに適宜の間隔で所望の数の釣り用仕掛を設ける。なお、ハリス支持具1を幹糸Aに取着する作業及びハリスBをハリス支持具1に取着する作業の手順は、実施の形態の説明に限定されるものでないことは勿論である。
【0014】
上述した釣り用仕掛によれば、ハリス支持具1は上側の支持ビーズ9に基体2の基端部3Aが当接した状態で支持されるから、幹糸Aに無理な力を加わえることなくハリス支持具1は円滑に回動することができる。また、幹糸Aに形成した結び玉A4 には球形の支持ビーズ9、10が当接することにより結び玉A4 に対する摩擦力は最小限にできるから、幹糸Aが切れるのを可及的に防止することができる。しかも、幹糸Aにハリス支持具1を取着するための結び玉A4 は1個で足りるから、幹糸Aにハリス支持具1を取着する作業は従来技術と比較して短時間でできるし、断線時の修理も容易に行うことができる。
【0015】
また、ハリス挿通穴8の外縁側は上下面を傾斜面8A、8Aに形成してあるから、ハリス挿通穴8に挿通したハリスBが魚により上方或は下方に引かれた場合、ハリスBに曲げ方向の力が無理に加わることがないので、癖が付いたり切れたりすることがない。
【0016】
更に、基体2を構成する一対の支持腕3、3は連結部4側に向かって先細りの形状に形成してあるから、ハリスB等の糸が基体2に巻き付くような状況になっても当該糸は容易に基体2から離脱させることができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上詳述した如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)ハリス支持具は縦糸に上、下2個の支持ビーズで支持してあるから円滑に回動することができるので、ハリスは魚の動きに円滑に追随することができ、しかも縦糸に無理な力が加わることがないから縦糸が切断する事故を解消することができる。
(2)縦糸に形成する結び玉は1個であるから、縦糸が切れる危険性を減少することができるし、縦糸に複数のハリス支持具を取着する時間を従来技術と比較して短縮することができると共に、補修も容易にできる。
(3)ハリスはハリス支持具にハリス挿通穴に挿通して止めビーズを介して止着した構成にしたから、ハリスは魚の動きに円滑に追随して動くことができるし、ハリスがハリス支持具に絡まる事態を防止できる。
(4)ハリス挿通穴の外縁側は上、下方向に拡開したガイド面に形成してあるから、ハリスに無理な曲げ方向の力が加わらないので、癖が付いたり切れたりする問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図4は本発明の実施の形態に係り、図1は幹糸に釣り用仕掛を設けた状態の説明図である。
【図2】釣り用仕掛を一部破断にして示す拡大正面図である。
【図3】図2中のIII−III矢示方向断面図である。
【図4】釣り用仕掛の右側面図である。
【図5】図5及び図6は従来技術に係り、図5はクロスビーズ型仕掛の説明図である。
【図6】プラピン型仕掛の説明図である。
【符号の説明】
1 ハリス支持具
2 基体
3 支持腕
4 連結部
7 幹糸挿通穴
8 ハリス挿通穴
8A ガイド面
9、10 支持ビーズ
11 止めビーズ
A 幹糸(縦糸)
4 結び玉
B ハリス
D 釣り針

Claims (2)

  1. 基端側が互いに離間し、先端側が連結部で連結した一対の支持腕からなる基体と、該基体を縦糸に対して横向きの姿勢に保持すべく前記各支持腕の基端側に形成した縦糸挿通穴と、前記基体の連結部に前記縦糸に対して略直角方向に形成したハリス挿通穴とからハリス支持具を構成し、前記縦糸挿通穴に挿通した縦糸に前記一対の支持腕間に位置して結び玉を形成すると共に、該結び玉の上下に位置して一対の支持ビーズを挿装することにより前記ハリス支持具を該縦糸に回動可能に支持させ、かつ、基端側に止めビーズを止着し、先端に釣り針を係着するハリスを前記ハリス挿通穴に挿通することにより前記ハリス支持具に設けてなる釣り用仕掛。
  2. 前記ハリス挿通穴は、開口外縁側を少なくとも上下方向に拡開したガイド面に形成してあることを特徴とする請求項1記載の釣り用仕掛。
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