JP3783073B2 - 構造体の作用力計測方法および装置 - Google Patents

構造体の作用力計測方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本願発明は、構造体の作用力計測方法および装置に関し、詳しくは、自動車の車輪支持部材など、同時に複数種類の力が作用する場合において、ひずみゲージで構成される簡易なセンサを用いて各作用力を分離計測するための技術に関する。
【0002】
【発明の背景】
たとえば、自動車などの車輪を支持する車軸あるいは車軸支持部材には、走行中に様々な力が作用する。これを図1に示す簡単なモデルについて説明すると、制動時にタイヤ10が路面から受ける摩擦力Fは、車軸20に対して車両前後方向に等価に作用する。路面反力(垂直荷重)Nは、車軸20に対して垂直方向に作用する。また、制動時には、車軸20をねじろうとするブレーキトルクFbが作用する。
【0003】
本願の出願人による特開平3−220056号公報には、理想的なABS(Anti-Skid Brake System) の制御についての提案がなされている。この提案は、路面摩擦係数あるいはこれに相当する物理量をリアルタイムで検出して、路面の状態にかかわらず、最大の制動効果を生むようにブレーキ液圧を制御しようとするものである。上記公報によってなされた提案は、いわゆるタイヤのスリップ率を推測演算して、路面摩擦係数μが最大となるスリップ率(車体速度−車輪周速度/車体速度)となるようにブレーキ液圧を制御するという現存のABSとは、大いに異なる。
【0004】
すなわち、現存のABSにおいては、スリップ率を演算するための根拠となるべき車体速度を直接計測することができないため、演算によって車体速度およびスリップ率を求めており、したがって、正確な制御を行うことができない。また、乾燥アスファルト路面、水濡れアスファルト路面、土路面、凍結路面等、路面の状態によって、スリップ率と路面摩擦係数との関係が異なるが、現存のABSは、これに対応できない。
【0005】
上記公報に示された提案は、リアルタイムで計測される路面摩擦係数あるいはこれに相当する物理量をABS制御に用いているので、上記現存のABSの欠点は、すべて解消される。
【0006】
ところで、路面摩擦係数μは、直接には計測することができないが、μ=F/Nとの関係式によって、路面摩擦力Fと路面垂直抗力Nとを計測することができれば、演算によって求めることができる。
【0007】
本願の出願人は先に、特願平5−65891(特開平6−241922号)等において、ひずみゲージからなるセンサセグメントを車軸内の最適位置に埋設し、たとえば、車軸に作用するブレーキトルクFbの影響を少なくしつつ摩擦力Fを検出する手法を提案している。この手法は、4つのセンサセグメントのブリッジをセグメント切り換え可能に構成し、第1のセグメント構成を選択することによって水平方向の剪断力を検出するとともに、第2のセグメント構成によってブレーキトルク成分を求め、これを補正項として上記第1のセグメント構成によって検出された剪断力を補正しようとするものである。
【0008】
しかしながら、上記の手法は、セグメント構成の切り換えによる時間遅れが発生し、リアルタイムで路面摩擦係数μを演算する上で問題が残るし、車軸には、前述したように、路面摩擦力FやブレーキトルクFb以外に、路面垂直抗力NあるいはサイドフォースSが作用する場合があり、これらの影響も無視できない。
【0009】
一方、車軸に埋設するなどしたひずみゲージからなるセンサセグメントを用いることにより、路面摩擦力F、路面垂直抗力N、ブレーキトルクFb、およびサイドフォースSの4種類の力を分離計測することができれば、上記したようなABSの最適制御のほか、コーナリング時のサイドフォースを考慮した四輪操舵制御等、自動車の総合的な走行最適化制御のための入力として、有効に利用することができる。
【0010】
【発明の開示】
したがって、本願発明の目的は、車両の車軸ないしは車軸支持部材に配置したひずみゲージからなるセンサセグメントを用いて、路面摩擦力F、路面垂直抗力N、ブレーキトルクFb、およびサイドフォースSを分離計測する方法および装置を提供することである。
【0011】
本願発明の他の目的は、構造体のX軸方向作用力、Y軸方向作用力、Z軸方向作用力およびY軸周りのトルクの4種類の作用力をひずみゲージからなるセンサセグメントを用いて簡便に分離計測する方法および装置を提供することである。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
本願発明の第の側面によって提供される構造体の作用力計測方法は、構造体に作用するX軸方向力F、Y軸方向力S、Z軸方向力N、および、Y軸周りのトルクFbのいずれか2つ、3つまたは4つを計測するための方法であって、上記構造体には、上記X軸方向力Fを計測するに適したひずみゲージを有するFセンサと、上記Y軸方向力Sを計測するに適したひずみゲージを有するSセンサと、上記Z方向力Nを計測するに適したひずみゲージを有するNセンサと、上記Y軸周りのトルクFbを計測するに適したひずみゲージを有するFbセンサの少なくとも2つが配置されており、
上記各センサのうちのいずれかのセンサの出力が表すひずみ量に係数を乗じて当該作用力を求めるにあたり、他の作用力の大きさによる上記係数の変化傾向に応じ、他の作用力が作用している場合にその大きさによって決まる係数を用いて当該作用力を求めるようにしたことを特徴とするものである。
【0019】
本願発明の第の側面によって提供される構造体の作用力計測装置は、構造体に作用するX軸方向力F、Y軸方向力S、Z軸方向力N、および、Y軸周りのトルクFbのいずれか2つ、3つまたは4つを計測するための装置であって、上記構造体には、上記X軸方向力Fを計測するに適したひずみゲージを有するFセンサと、上記Y軸方向力Sを計測するに適したひずみゲージを有するSセンサと、上記Z方向力Nを計測するに適したひずみゲージを有するNセンサと、上記Y軸周りのトルクFbを計測するに適したひずみゲージを有するFbセンサの少なくとも2つが配置されており、上記各センサのうちのいずれかのセンサの出力が表すひずみ量に係数を乗じて当該作用力を求める演算手段と、他の作用力の大きさによる上記係数の変化傾向を記憶する記憶手段と、を備え、上記演算手段は、他の作用力が作用している場合にその大きさに応じた係数を上記記憶手段から読み出し、この係数を用いて当該作用力を求めるように構成されていることを特徴とするものである。
【0020】
本願発明の各側面の技術的意義は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明により、明らかとなろう。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】
本願発明の第および第の側面に係る構造体の作用力計測方法および装置は、構造体に作用するX軸方向力F、Y軸方向力S、Z軸方向力N、およびY軸周りのトルクFbのいずれか2つ、3つ、または4つを計測するための方法および装置である。これを車両の車軸周りに作用する力についていえば、図1に示すように、上記X軸方向力は路面摩擦力F、上記Y軸方向力はサイドフォースS、Z軸方向力は路面垂直抗力N、上記Y軸周りのトルクは制動時に作用するブレーキトルクFbに相当する。
【0031】
ここで、構造体20には、上記X軸方向力Fを計測するに適したひずみゲージを有するFセンサ31と、上記Y軸方向力Sを計測するに適したひずみゲージを有するSセンサ32と、上記Z軸方向力Nを計測するに適したひずみゲージを有するNセンサ33と、上記Y軸周りのトルクFbを計測するに適したひずみゲージを有するFbセンサ34とが配置される。各センサは、単数でも複数でもよい。そして、各センサは、図2、図3に示したような構成のひずみゲージa,b,c,dを有するものであってもよいし、その他の構成のひずみゲージを有するものであってもよい。
【0032】
たとえば、上記Nセンサを形成する場合、図4に示すように、樹脂、金属またはシリコンなどでできた四角柱22の上下面にひずみゲージa,bを貼着したセグメントを、車軸20に開けた孔内に図4に示すように長軸がY方向に向くように配設した構成とすることができる。この場合も、目的の作用力(垂直抗力N)以外の作用力による影響を受けにくい場所に配設することはいうまでもない。この場合、垂直抗力Nが作用した場合、図にN1で示す曲げ変形が起こるため、次の式(1) によって垂直抗力Nを演算することができる。
【0033】
【数
Figure 0003783073
ここで、Δaおよびbはひずみゲージの変形によって計測されるひずみ量であり、kn は係数である。
【0034】
この場合、図5に示すように、各ひずみゲージa,bはそれぞれブリッジ回路に組み込まれ、各ブリッジ回路の出力は、アンプ8を介した後、演算回路9に入力される。
【0035】
さらに、たとえば、Sセンサを形成する場合、図6に示すように、樹脂、金属またはシリコンなどでできた四角柱の長手側面にひずみゲージa,bを貼着したセグメントを、車軸20に設けた孔内に図6に示す姿勢で配設した構成とすることもできる。この場合も、目的の作用力(サイドフォースS)以外の作用力による影響を受けにくい場所に配設することはいうまでもない。この場合サイドフォースSが作用した場合、各ひずみゲージa,bが共に伸びまたは縮むため、次の式(2) によってサイドフォースSを演算することができる。
【0036】
【数
Figure 0003783073
ここで、ΔaおよびΔbはひずみゲージの変形によって計測されるひずみ量であり、kS は係数である。なお、この場合、図5と同様の回路構成を採用することができる。
【0037】
図7は、図4の構成と図5の構成とを組み合わせた構成のセンサを示す。平行に対向する一対のひずみセンサa,bがそれぞれセンサセグメントを構成する。
【0038】
図8は、一定の厚みの板材21に、互いに90度方向が異なる2種類のセンサセグメントを形成した例である。
【0039】
図9は、一定厚みの板材21に、3つのX方向単軸センサセグメントと、3つのY方向単軸センサセグメントを形成した例である。
【0040】
図10は、立方体をした基材23の各表面に、所定方向のセンサセグメントを形成した例である。
【0041】
図11は、一定厚みの板材21に、1つのクロスゲージ型センサセグメントと、1つのX方向単軸センサセグメントと、1つのY方向単軸センサセグメントとを形成した例である。
【0042】
図12は、一定厚みの板材21に、3つのクロスゲージ型センサセグメントと、3つのX方向単軸センサセグメントと、3つのY方向単軸センサセグメントとを形成した例である。
【0043】
図13は、図12に示す板材よりもやや厚手の板材21の表裏面に、3つのクロスゲージ型センサセグメントと、3つのX方向単軸センサセグメントと、3つのY方向単軸センサセグメントと、両端面に3つの単軸センサセグメントとを形成した例である。
【0044】
図14は、図13に示す構成と類似しており、両端面に、3つの単軸センサセグメントを形成する代わりに、クロスゲージ型センサセグメントを形成した例である。
【0045】
図15および図16は、立方体をした基材23の各表面に所定方向の単軸センサセグメントまたはクロスゲージ型センサセグメントを形成した例である。
【0046】
図17ないし図24は、上記した各センサセグメントを、構造体20(車軸等)に埋設した様子を示している。繰り返すが、各センサセグメントの基材は、板状にするにせよ、立方体状にするにせよ、樹脂、金属、シリコンなどが選択される。また、基材上のセンサセグメント(通常は対向する一対のひずみゲージ)は、構造体20において、計測しようとする作用力以外の作用力の影響を受けにくい位置を有限要素解析によって探して配置される。この場合、図12、図13あるいは図14に示す例のように、同種のセンサセグメントが3つ、あるいは複数隣接していると、構造体に設ける孔の加工誤差や配置の誤差が存在しても、複数のセンサセグメントのなかから、最も理想に近い位置のものを選択して使用することができるので都合がよい。
【0047】
なお、Fbセンサとしては、図に示すように構造体20としての車軸内にセンサセグメントを載置するほか、たとえば、ナックル部材におけるキャリパ支持部にひずみゲージを配設することによって構成することができる。このようにすれば、比較的ノイズ成分の少ないブレーキトルクFbを簡易に計測することができる。
【0048】
さて、本願発明の第および第の側面に係る構造体の作用力計測方法および装置においては、上記各センサのうちのいずれかのセンサの出力が表すひずみ量に係数を乗じて当該作用力を求めるに当たり、他の作用力の大きさによる上記係数の変化傾向に応じ、他の作用力が作用している場合にその大きさによって決まる係数を用いて当該作用力を求める。
【0049】
すなわち、上記Fセンサ31、Sセンサ32、Nセンサ33、Fbセンサ34は、たとえ目的の作用力以外の作用力による影響を受けにくい位置にひずみセンサを配置したものであるとはいえ、他の作用力の影響を全く受けないようにすることは困難である。本願発明の第および第の側面は、このようなことに鑑み、各センサが目的の作用力以外の作用力の影響を受けていることを前提として、簡易な手法によって他の作用力の影響を除去した出力を得ようとするものである。
【0050】
以下にその手法を述べるが、ここでは、Fセンサ31、Sセンサ32、Nセンサ33、Fbセンサ34のうちの少なくともいずれか1つが、ほぼ他の作用力を影響を受けない純粋に近い作用力を検出できていることを前提とする。以下においては、便宜上、Nセンサがほぼ正確な作用力を計測できているものとして説明する。
【0051】
いま、構造体20にFセンサ31を形成する場合において、この構造体にX軸方向力Fのみが作用している場合、すなわち、たとえばZ軸方向力Nが作用していない場合の作用力FとFセンサのひずみ量出力εF との関係は、図26のグラフの特性線L1 のようになり、この関係はまた、式(3) のように表すことができる。しかしながら、この構造体にX軸方向作用力F以外にZ軸方向力Nも同時に作用している場合には、作用力FとF線のひずみ量出力εF との関係は、図26のグラフ中特性線L2 、あるいはL3 のようになる。特性線L2 はたとえば300kgのZ軸方向力Nが作用している場合を示し、特性線L3 はたとえば600kgのZ軸方向力Nが作用している場合を示す。これら特性線L2 あるいはL3 はまた、式(4)(5) のように表すことができる。
【0052】
【数
Figure 0003783073
【0053】
各特性線L1 ,L2 ,L3 の傾きは、弾性係数に相当する係数を表し、したがって、図26のグラフは、Z軸方向力が混入しうるFセンサにおいては、係数ξF が変化することを表しており、混入するZ軸方向力Nが大きくなるほど係数ξF が小さくなる。そしてこのようなZ軸方向力NとFセンサの係数ξF との関係は、図27のグラフに示すように線型であり、式(6)の線型式で表すことができる。式(6)において係数γ1 は、図27のグラフの傾きである。
【0054】
【数
Figure 0003783073
【0055】
(6)は、式(3)(4)(5) から判るように、Fセンサを配置した構造体に、Fを作用させた場合のセンサ出力を、同時に一定のN荷重を作用させながら計測し、かつ、少なくとも2種類のN荷重を作用させることによって実験的に求めることができる。本願発明の実施に当たっては、式(6)の関係は、ROMなどのメモリ100に格納される。
【0056】
したがって、Z軸方向力成分(N荷重成分)が混入することを前提とするFセンサを用いて、別途Nセンサによって正確に計測されるN荷重データを式(7)に代入することにより、実質的に、N荷重成分が除去されたX軸方向荷重Fを計測することができる。ここにおいて、Z軸方向力Nと、X軸方向力Fとが比較的正確に分離計測できたことになる。
【0057】
【数
Figure 0003783073
【0058】
上記と同様の手法により、たとえば、Sセンサの出力にX軸方向荷重Fの影響が大きくでる場合には、Sセンサを配置した構造体に一定のF荷重を同時に作用させつつS荷重を作用させた場合のセンサ出力を記録するという実験を少なくとも2種のF荷重について行うことにより、式(8)のような関係式を得ることができる。
【0059】
【数
Figure 0003783073
【0060】
したがって、X軸方向力成分(F荷重成分)が混入することを前提とするSセンサを用いて、上記Fセンサによって正確に計測されるF荷重データを式(9)に代入することにより、実質的に、F荷重成分が除去されたY軸方向荷重Sを計測することができる。ここにおいて、Z軸方向力Nと、X軸方向力Fと、Y軸方向力Sとが比較的正確に分離計測できたことになる。
【0061】
【数
Figure 0003783073
【0062】
上記式(7)(9)とにより、式(10)を得ることができる。
【0063】
【数
Figure 0003783073
【0064】
上記と同様の手法により、残るFbセンサの出力にY軸方向荷重Sの影響が大きくでる場合には、Fbセンサを配置した構造体に一定のS荷重を同時に作用させつつFbトルクを作用させた場合のセンサ出力を記録するという実験を少なくとも2種のS荷重について行うことにより、式(11)のような関係式を得ることができる。
【0065】
【数
Figure 0003783073
【0066】
したがって、Y軸方向力成分(S荷重成分)が混入することを前提とするFbセンサを用いて、上記Sセンサによって正確に計測されるF荷重データを式(12)に代入することにより、実質的に、S荷重成分が除去されたY軸周りのトルクFbを計測することができる。ここにおいて、Z軸方向力Nと、X軸方向力Fと、Y軸方向力Sと、Y軸周りトルクFbとが比較的正確に分離計測できたことになる。
【0067】
【数10
Figure 0003783073
【0068】
上記式(10)(12)とにより、式(13)を得ることができる。
【0069】
【数11
Figure 0003783073
【0070】
上記の処理は、図24に示すような回路によって処理される。すなわち各センサ31,32,33,34からの信号(ひずみ量)は演算回路9に入力され、演算回路9内において上記した分離処理が行われる。
【0071】
なお、上記の説明においては、N荷重が単独のセンサで正確に計測できることを前提として、Fセンサ、Sセンサ、Fbセンサの順に各作用力を分離計測する手法を述べたが、構造体の形状やセンサセグメントの特性により、どの順に各作用力を分離計測することができるかが変わる。また、かならずしもN、F、S、Fbのすべてを上記の手法で計測する必要はない。センサセグメントの配置によって充分に正確な作用力を計測することができるならば、上記の手法によらずともよいことはもちろんである。
【0072】
上記の説明においては、構造体として、車両の車軸ないしはこれを支持する部材を例にとった。この場合、路面摩擦力F、垂直抗力N、ブレーキトルクFbのほか、サイドフォースSをも比較的簡易に分離計測することが可能となるので、これらをリアルタイムで計測するとともに適当な処理を施すことにより、本明細書の冒頭に述べたようなABSの理想的な制御に供することができるほか、コーナリング時の快適走行制御等、車両な総合的な走行制御をより適切に行えるようになる。
【0073】
もちろん、本願発明は、上記のような車両の車軸周りに作用する力を計測するほか、種々の構造体の作用力計測方法および装置として適用することができる。たとえば、図28に示すように、ロボットアームの先端部に作用する作用力を計測するようにしたり、図29に示すように、義手の先端部に作用する作用力を計測するようにしたりすることができる。いずれにしても、本願発明によれば、ひずみゲージからなるセンサセグメントの数を少なくして、X軸方向作用力、Y軸方向作用力、Z軸方向作用力、および、Y軸周りのトクルFbという、4つの複合的な作用力を比較的簡便に分離計測することができるのであり、産業上の利用価値は、きわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明が適用される構造体の一例としての車軸に作用する力を説明するための斜視図である。
【図2】 本願発明に係るひずみゲージの上記車軸に対する配置例を示す透視斜視図である。
【図3】 図2に示す配置のひずみゲージを用いた作用力検出回路例である。
【図4】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図5】 図4に示す配置のひずみゲージを用いた作用力検出回路例である。
【図6】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図7】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図8】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図9】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図10】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図11】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図12】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図13】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図14】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図15】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図16】 ひずみゲージの配置例を示す斜視図である。
【図17】 構造体としての車軸内へのひずみゲージの配置例を示す透視斜視図である。
【図18】 構造体としての車軸内へのひずみゲージの配置例を示す透視斜視図である。
【図19】 構造体としての車軸内へのひずみゲージの配置例を示す透視斜視図である。
【図20】 構造体としての車軸内へのひずみゲージの配置例を示す透視斜視図である。
【図21】 構造体としての車軸内へのひずみゲージの配置例を示す透視斜視図である。
【図22】 構造体としての車軸内へのひずみゲージの配置例を示す透視斜視図である。
【図23】 構造体としての車軸内へのひずみゲージの配置例を示す透視斜視図である。
【図24】 構造体としての車軸内へのひずみゲージの配置例を示す透視斜視図である。
【図25】 本願発明に係る構造体の作用力計測装置の概略構成例を示すブロック図である。
【図26】 本願発明に係る構造体の作用力計測方法の具体的手法を説明するためのグラフである。
【図27】 本願発明に係る構造体の作用力計測方法の具体的手法を説明するためのグラフである。
【図28】 本願発明の適用例を示す説明図である。
【図29】 本願発明の適用例を示す説明図である。
【符号の説明】
8 ひずみアンプ
9 演算回路
20 構造体(車軸)
31 Fセンサ
32 Sセンサ
33 Nセンサ
34 Fbセンサ
100 メモリ

Claims (2)

  1. 構造体に作用するX軸方向力F、Y軸方向力S、Z軸方向力N、および、Y軸周りのトルクFbのいずれか2つ、3つまたは4つを計測するための方法であって、
    上記構造体には、上記X軸方向力Fを計測するに適したひずみゲージを有するFセンサと、上記Y軸方向力Sを計測するに適したひずみゲージを有するSセンサと、上記Z方向力Nを計測するに適したひずみゲージを有するNセンサと、上記Y軸周りのトルクFbを計測するに適したひずみゲージを有するFbセンサの少なくとも2つが配置されており、
    上記各センサのうちのいずれかのセンサの出力が表すひずみ量に係数を乗じて当該作用力を求めるにあたり、他の作用力の大きさによる上記係数の変化傾向に応じ、他の作用力が作用している場合にその大きさによって決まる係数を用いて当該作用力を求めるようにしたことを特徴とする、構造体の作用力計測方法。
  2. 構造体に作用するX軸方向力F、Y軸方向力S、Z軸方向力N、および、Y軸周りのトルクFbのいずれか2つ、3つまたは4つを計測するための装置であって、
    上記構造体には、上記X軸方向力Fを計測するに適したひずみゲージを有するFセンサと、上記Y軸方向力Sを計測するに適したひずみゲージを有するSセンサと、上記Z方向力Nを計測するに適したひずみゲージを有するNセンサと、上記Y軸周りのトルクFbを計測するに適したひずみゲージを有するFbセンサの少なくとも2つが配置されており、
    上記各センサのうちのいずれかのセンサの出力が表すひずみ量に係数を乗じて当該作用力を求める演算手段と、他の作用力の大きさによる上記係数の変化傾向を記憶する記憶手段と、を備え、上記演算手段は、他の作用力が作用している場合にその大きさに応じた係数を上記記憶手段から読み出し、この係数を用いて当該作用力を求めるように構成されていることを特徴とする、構造体の作用力計測装置。
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