JP3783035B2 - ステープル打込機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、1つの頂部と該頂部の両端部から垂下する2つの脚部とから成るU字形状のステープルを打ち込むステープル打込機に関し、特に、ステープル打込み用のブレードによって、ノーズ部の打込通路から打込まれたステープルの両脚部が、交差するように打込対象物に打込まれるステープル打込機に関する。
【0002】
【従来の技術】
1つの頂部と該頂部の両端部から垂下する2つの脚部とから成るU字形状のステープルを、交差するように打込対象物に打込むステープル打込機が、特開平6−270104号公報に開示されている。このステープル打込機は、突き合わされた2つの打込材に対して、表面側からステープルを打込むことで両打込材を結合することができ、裏面側からのステープルの打込みを不要にする利点があると述べている。同様のステープル打込機は、実開平7−15280号公報及び実開平7−18804号公報にも開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した公知のステープル交差打込み式のステープル打込機は、表面側からステープルを打込むことで2つの打込材を結合できる利点があるが、ステープルの打込みにおいて、図1に示すように、脚部1が頂部2の端部に隣接する根元部で座屈3を生じる惧れがあった。かかる座屈が生じると、2つの打込材5、6の結合が十分でなくなり、最悪の場合にはその座屈部分で脚部が折れてしまうこともある。
【0004】
従って、本発明の目的は、ステープル交差打込み式のステープル打込機を改良して、ステープルが打込対象物に座屈することなく打込まれるステープル打込機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明によれば、1つの頂部と該頂部の両端部から垂下する2つの脚部とから成るU字形状のステープルを使用しており、該ステープルが通る打込通路が形成されたノーズ部を備え、ステープル打込み用のブレードによって前記打込通路から打ち出されたステープルの両脚部が交差するように打込対象物に打込まれるステープル打込機であって、前記ノーズ部の打込通路の出口部分には、ステープルの両脚部を湾曲させる脚部成形部材が設けられており、該脚部成形部材は、各脚部先端部分をステープル頂部の端部より外側に湾曲させた後、内側に湾曲させるように湾曲した脚部規制通路を前記打込通路の内壁との間に形成しており、前記ノーズ部は、多数のステープルの連結体を収容するマガジンの出口部に設けられたリヤノーズと、該リヤノーズに連結されて協働して前記打込通路を形成するフロントノーズとを有し、前記フロントノーズは、前記打込通路の出口部分において開口が形成されており、前記脚部成形部材は、前記フロントノーズ開口からリヤノーズに接するように入り込んで前記打込通路中に位置する脚部成形部を有し、該脚部成形部は、前記打込通路を横切る方向に前記ステープル頂部の長さより大きい幅広の湾曲部分を有し、この湾曲部分に合わせて前記打込通路は幅広に形成され、前記湾曲部分の外壁と打込通路の内壁とによって前記脚部規制通路を形成しており、前記リヤノーズには、前記脚部成形部の幅広の湾曲部分を受入れる凹部が形成されて、前記脚部規制通路中を移動するステープル脚部の先端が脚部成形部とリヤノーズとの境界に侵入するのを防止する構成であり、前記脚部成形部は、前記打込通路出口端において、前記ステープルの両脚部先端の間隔を前記湾曲部分による前記ステープルの両脚部先端の間隔より小さいが前記ステープル頂部長さより大きくする脚部規制通路を形成する形状である、ことを特徴とするステープル打込機が提供される。
【0006】
【作用】
公知のステープル打込機においては、打込対象物に当たるときの脚部先端が頂部の端部より内側に位置しており、打込みの最後の時点においても、脚部の打込位置が頂部の端部より内側に位置しているので、脚部が打込まれている位置と頂部の端部との間に差ができ、その差に相当して頂部の端部から伝達される脚部への打込み力が、脚部を座屈させる力となっていることが、発明者の研究によって明らかになった。更に、発明者は、ステープル打込機の動作時、打込対象物に接していたノーズ先端が、ステープルの打込みの反動によって僅かに打込対象物から浮き上がることも解明した。この浮き上がり現象が生じると、公知のステープル打込機においては、ステープル脚部先端の打込み位置は、頂部の更に内側になって、前記の差を大きくして、座屈が大きくなり、脚部の破損を生じる惧れも高くなる。これに対して、本発明のステープル打込機においては、ステープルの脚部の先端部分は、ステープル頂部の端部より外側に湾曲し、打込対象物に当たるときの各ステープル脚部先端がステープル頂部の端部より僅かに外側に位置しているので、脚部は打込対象物に頂部より外側の位置から交差方向にそのまま打込まれ、打込み最後の時点においても、脚部の打込位置と頂部の端部との間には殆ど差がなく、脚部の根元部への頂部からの打込み力は脚部へそのまま伝達され、座屈することなく打込まれる。そして、ノーズ先端が、ステープルの打込みの反動によって僅かに打込対象物から浮き上ったとしても、打込み最後の時点において脚部の打込位置と頂部の端部との間には差がなく、ステープルの脚部は座屈することなく打込まれ、2つの打込対象物の結合力を高く維持する。
【0009】
上記のステープル打込機において、前記脚部成形部の湾曲部分の外壁には、前記脚部規制通路中を移動する脚部の先端を案内するガイド溝を形成することができる。このステープル打込機において、使用ステープルを、ダイバージェントポイントステープルにすることができ、これにより、交差打込みの場合の脚部同士の干渉を防止できる。また、そのステープル打込機において、前記脚部規制通路の各々を、両脚部が交差打込みされたときの相互干渉を防止するため、各脚部を軸線回りにひねりつつ進める断面形状を有するように形成することができ、この場合、使用ステープルを、チゼルポイントステープルとすることもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明のステープル打込機の実施例を説明する。図2において、ステープル打込機10は、ハンドル11を形成したハウジング13を有し、ハンドル11の端部には圧縮空気が供給されている。ハウジング13は、空気圧作動のピストンとシリンダと制御弁等から成る本体を収容しており、ピストンには打込み用のブレードが設けられている。ハンドル11の端部には、多数のステープルを連結したステープル連結体を収容するマガジン14の後端が取付けられ、ハンドル11に並行するように延びている。マガジン14の前端は、ピストンを有する本体の下方に設けられたノーズ部15に取付けられており、マガジン14からのステープルが、ノーズ部15の打込通路に送り込まれる。ステープルがノーズ部15の打込通路に送り込まれた状態で、ステープル打込機10のハンドル11をもって、ノーズ部15の先端を木材等の打込対象物にあてがい、ハンドル11に設けられたトリガレバー17を動作させると、ハンドル11の端部に供給された加圧空気が、本体のシリンダに供給されてピストンを動作させ、ブレードが打ち出され、ノーズ部15にあるステープルを対象物に打込む。以上の構成及び動作のうち、ノーズ部以外は、公知のステープル打込機と同じであり、これ以上の説明を省略する。
【0011】
図3の(A)及び(B)は、ノーズ部15の正面図及び側面図を示している。ノーズ部15は、フロントノーズ18とリヤノーズ19と脚部成形部材21との3つの部材で形成されている。フロントノーズ18の詳細は、図4に示されており、リヤノーズ19の詳細は、図5に示されており、脚部成形部材21の詳細は、図6に示されている。ノーズ部15は、フロントノーズ18とリヤノーズ19とによって、ステープルを受入れる打込通路が形成され、打込通路には、ブレードが延びてきて、打込通路にあるステープルを出口から打ち出して、打込対象物に打込む。本発明に係るステープル打込機は、打込通路から打ち出されたステープルの両脚部を交差するように打込対象物に打込む、ステープル交差打込み式のステープル打込機であり、ステープルが打込対象物に座屈することなく打込まれるように改良を加えたステープル打込機である。この改良のため、本発明のステープル打込機には、ステープルの脚部を湾曲させる脚部成形部材21が設けられている。
【0012】
以下、フロントノーズ18とリヤノーズ19と脚部成形部材21とから成るノーズ部15について、図3〜図6に加えて、図7及び図8も参照して説明する。図4はフロントノーズ18を示しており、同図(A)は正面図、(B)は(A)の4B−4B線断面図、(C)は背面図、(D)は(C)の上面図である。このフロントノーズ18は、ノーズ部15の前面を覆うカバーとなるもので、リヤノーズ19にボルト連結されて、ブレードが往復動してステープルを打込む打込通路22(図7参照)を形成する。この打込通路22には、ブレードを打込通路の中心軸線に案内するガイド溝が設けられるのが好ましい。そのため、フロントノーズ18の裏面には、打込通路に沿って延びるガイド溝23が形成されている。フロントノーズ18の前面には、脚部成形部材21を旋回可能に支持する一対のピン受け部25が設けられている。ピン受け部25の間には、脚部成形部材21のピン受け部を収容する穴26が形成されている。フロントノーズ18の先端すなわち打込通路の出口部には、脚部成形部材21の脚部成形部を受入れる台形の開口27が形成されている。フロントノーズ18の他の端部側すなわちハウジング13側の端部(図4(A)の上端部)には、脚部成形部材21を付勢する弾性部材を受ける座29が形成されている。
【0013】
リヤノーズ19は図5に示されており、同図(A)は正面図、(B)は(A)の5B−5B線断面図、(C)は(A)の上面図、(D)は(A)の5D−5D線断面図、(E)は(A)の5E−5E線断面図である。リヤノーズ19は、マガジン14の出口を形成するとともに、フロントノーズ18と協働してステープルの打込通路22(図7参照)を形成している。図5(A)において、リヤノーズ19の中央には、マガジン14からのステープルの出口を形成する出口穴30が形成されている。また、図5(A)において、リヤノーズ19には、ハウジング13側の端部(図5(A)の上端部)から出口側の先端(図5(A)の下端)まで、ステープルが通過できる幅をもつ溝すなわち打込通路22が形成されている。この打込通路22は、一対の内壁31、31の間隔によって打込通路の幅が定められ、内壁31の高さは使用するステープルの脚部が滑らかに且つがたつきなく通過するように定められる。この内壁31は、出口付近(図5(A)の下端付近)において、一旦打込通路22の幅を広くし、その後先端に向けてその幅を小さくするように、湾曲している。この幅広の打込通路部分には、脚部成形部材21の脚部成形部33が入り込み、この部分を通るステープルの各脚部がステープル頂部の端部より外側に湾曲させられた後、内側に湾曲させるように湾曲した脚部規制通路34(図8参照)を、内壁31と脚部成形部33の外壁との間に形成する。この脚部規制通路34の湾曲の形状は、ステープルがノーズ部から打ち出されて打込対象物に当たるとき、各ステープル脚部先端がステープル頂部の端部より僅かに外側に位置するように、形成されている。
【0014】
図5(A)において、リヤノーズ19の打込通路の出口部(図の下端)には、脚部成形部材21の脚部成形部33の幅広の湾曲部分から延びる突出部を受入れる、一対の対向するCの字形状の凹部35、35が形成されている。これによって、脚部規制通路34中を移動するステープル脚部の先端が脚部成形部33とリヤノーズ19との境界に侵入するのを防止できる。また、図5(A)、(E)において、マガジンからのステープルの出口穴30の先端側には、ステープルの脚部先端を打込通路に滑らかに案内するテーパした一対のガイド溝37、37が形成されている。更に、リヤノーズ19の裏面には、図5(B)〜(D)に図示のように、マガジン14の取付けのガイドを成すガイド突部38、38が設けられている。
【0015】
脚部成形部材21は図6に示されており、同図(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は背面図、(D)は(B)の6D−6D線断面図である。脚部成形部材21は、フロントノーズ18の開口27からリヤノーズ19の面に接するように入り込んで、打込通路22中に位置する脚部成形部33と、脚部成形部33からフロントノーズ18上を打込通路に沿ってハウジング側に延びる支持部39とから成る。既述のように、脚部成形部33は、外壁と打込通路22の内壁31とによって、脚部規制通路34(図8参照)を形成している。支持部39は、脚部成形部33を、打込通路22中に位置したり、打込通路22から退避することができるように、支持する。このため、支持部39の中間には、ピン受け部41が形成され、フロントノーズ18の一対のピン受け部25の間に収容される。図3に明らかなように、両ピン受け部25、41には、ピン42が取付けられて、支持部39をフロントノーズ18に旋回可能に軸支する。支持部39のハウジング側の端部には、通常時、脚部成形部33が打込通路22中にあるように付勢する弾性部材43(図7参照)を収容する穴45が形成されている。なお、この弾性部材43は、合成ゴム等でピン形状に形成されたものであるが、弾性的に付勢するものであれば、他の部材でもよく、例えばばね等でもよい。
【0016】
脚部成形部33は、ステープルの脚部先端部分をステープル頂部の長さより外側に湾曲させた後、内側に湾曲させるように湾曲した脚部規制通路34(図8参照)を打込通路22の内壁31との間に形成する。形成した脚部規制通路は、ノーズ部から打ち出されて打込対象物に当たるときの各ステープル脚部先端がステープル頂部の端部より僅かに外側に位置するように湾曲させるように作用する。このため、脚部成形部33は、ステープル脚部先端を外側に湾曲させる位置で幅広になり、出口部に向かって幅が狭くなる、台形部46を有する。また、幅広部分よりハウジング側(図6(B)、(C)の上側)の部分47は、三角形状に形成されて支持部39に向けてテーパしており、ブレードが、このテーパ部分47に至ると、脚部成形部33をテーパに従って打込通路22から退避するように移動させる。脚部成形部33の台形部46の下面には、脚部成形部の外壁を高く形成するように、一対の対向するCの字形状の突部49、49が形成されている。この突部49、49は、リヤノーズ19のCの字形状の凹部35、35に収容されるので、脚部規制通路34の3面がリヤノーズとフロントノーズで形成され、他の一面を可動の脚部成形部33の外壁で形成することになる。この様子が、図10に図示されている。脚部規制通路34の底面(図10の上面)には可動の脚部成形部33はないので、脚部規制通路34中を移動するステープル脚部の先端が脚部成形部33とリヤノーズ19との境界に侵入するのを防止でき、これにより、ステープル脚部の先端の成形不良を防止できる。更に、脚部成形部33のテーパ部分47から台形部46に至る一対の外壁の部分には、脚部規制通路34中を移動する脚部の先端を案内するガイド溝50が、それぞれ形成されている。このガイド溝50によって、ステープル脚部の脚部規制通路34中での進行を一層滑らかにする。
【0017】
図7において、マガジン14に連結して収容されたステープル51は、リヤノーズ19の出口穴30から打込通路に1本ずつ送り込まれ、送り込まれたステープル51は、ハウジング13のピストン(図示せず)に連結されたブレード53によって、木材等の打込対象物54に打込まれる。この打込みにおいて、ブレード53が、脚部成形部材21の脚部成形部33に至ると、脚部成形部材21の支持部39は、ピン42によって旋回可能に支持され、脚部成形部33と反対側の端部には弾性部材53が設けられているので、実線の位置から想像線の位置に脚部成形部33をはねあげ、ステープル51はそのまま打込対象物53に打込まれる。
【0018】
図8において、ステープル53は、1つの頂部55と頂部55の両端部から垂下する2つの脚部57とから成るU字形状をしている。本発明において、打込通路22の出口部には、脚部成形部33の外壁と打込通路22の内壁31とによって、ステープル脚部57をステープル頂部55の端部より外側に湾曲させた後、内側に湾曲させるように湾曲した脚部規制通路34を形成しているので、一対のステープル脚部57、57は、図8に示すように、相互に交差する方向に打込まれる。この交差打込みにおいて、ダイバージェントポイント加工したダイバージェントポイントステープルが使用されており、打込まれたステープル脚部57は打込まれるにつれて、斜めに打込まれて衝突を避ける(図7参照)。このダイバージェントポイントステープルを図9に示す。図9のステープルにおいて、一方の脚部57の先端58は、(B)に図示のように、一方の側のみ斜め切りされ、他方は直線のままに形成された形状に形成されている。もう一方の脚部の先端は、反対の側に斜め切りされ、前記の一方の脚部先端と反対の三角形状をなしている。従って、脚部57は打込まれるにつれて、斜めに進み、衝突をすることはない。
【0019】
脚部規制通路34は、既述のように、ノーズ部15から打ち出されて打込対象物54に当たるとき、各ステープル脚部57の先端がステープル頂部55の端部より僅かに外側に位置するように湾曲させるように形成されている。脚部57は打込みの最後の時点においても、打込対象物54への打込位置と、頂部55の端部との間には殆ど差がなく、図8のように、同じ位置にある。従って、ブレードから頂部55に伝わり、頂部55の端部すなわち脚部57の根元部に伝わった脚部57の打込み力はそのまま伝達され、脚部57は、座屈することなく打込まれる。また、ステープル打込機の動作時、打込対象物54に接していたノーズ部の先端が、ステープルの打込みの反動によって僅かに打込対象物から浮き上がる場合でも、打込みの最後の時点においては、脚部57の打込位置と頂部55の端部との間には差がなく、ステープル脚部は座屈することなく打込まれる。従って、2つの打込対象物にまたがってステープルを打込めば、その打込対象物は高い結合力で結合される。図8は、本発明によって、適正な姿勢で打込まれたステープルを示している。図8において、第1円59は、ステープル脚部の先端を拡げる方向に当接する部分を示しており、第2円61は、拡げたステープル脚部を内側に向けるときに当接する部分を示している。ノーズ出口において、ステープル脚部57、57の先端の間隔は頂部55より広くなっている。
【0020】
なお、図10は、脚部成形部33の外壁と打込通路内壁とで形成される脚部規制通路34が、ダイバージェントポイントステープルを用いた場合でも、ステープル脚部の先端が、脚部成形部33を持ち上げるようには作用しないことを示している。脚部規制通路34の突部49、49は、リヤノーズ19のCの字形状の凹部35、35に収容されるので、脚部規制通路34の3面がリヤノーズ19とフロントノーズ18とで形成され、他の一面だけが可動の脚部成形部33の外壁で形成されている。ダイバージェントポイントステープルの場合、その脚部先端の形状から、1つの脚部先端が脚部規制通路34の底面(図10の上面)をえぐるようにスライドするが、図10のように、この底面には可動の脚部成形部33はないので、ステープル脚部先端が脚部成形部33とリヤノーズ19との境界に侵入することはできない。これにより、ステープル脚部の先端の成形不良を防止できる。なお、脚部成形部33のテーパ部分47から台形部46に至る一対の外壁の部分に、脚部規制通路34中を移動する脚部の先端を案内するガイド溝50が、それぞれ形成されている。このガイド溝50は、ステープル脚部が拡がる際に適正な姿勢のままに規制するので、ステープルの脚部規制通路34中での進行を一層滑らかにする。
【0021】
図11は、チゼルポイント加工されたチゼルポイントステープル62を示している。チゼルポイントステープル62は、脚部先端が両脚部とも同じ形状に尖っている。従って、このステープル62を交差するように打込んだ場合、交差部分において、両脚部が衝突する惧れがある。そのため、図12に示すように、脚部規制通路63の各々を、ステープル62の各脚部65を軸線回りにひねりつつ進める断面形状を有するように形成する。図示のように、脚部規制通路63は、図10の脚部規制通路34と対比すると、断面形状において傾斜している。図13は、脚部規制通路63を用いて、チゼルポイントステープル62を打込対象物に打込んだ場合のステープルの脚部の横断面を示している。図13(A)は、打込に前のステープル脚部の横断面であり、(B)は、脚部規制通路63によってひねられたステープル脚部の横断面である。(C)は、打込対象物に打込れたときのステープル脚部の横断面を示している。(D)は、打込対象物中でのステープル脚部の打込みの状態を示しており、ステープル脚部は、ひねられた分の角度をもって進入し、交差打込みにおいても、ステープル脚部の衝突がないことを示している。このひねりの角度は任意であるが、ステープルの進入の容易さの点で、ステープル脚部の衝突がない範囲で、ひねりを少なくするのが好ましい。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、ステープルの脚部は、ステープル頂部の端部より外側に湾曲し、打込対象物に当たるときの各ステープル脚部先端がステープル頂部の端部より僅かに外側に位置しているので、脚部は打込対象物に頂部より外側の位置から交差方向にそのまま打込まれ、打込み最後の時点においても、脚部の打込位置と頂部の端部との間には殆ど差がなく、脚部の根元部への頂部からの打込み力は脚部へそのまま伝達され、座屈することなく打込まれる。そして、ノーズ先端が、ステープルの打込みの反動によって僅かに打込対象物から浮き上ったとしても、打込み最後の時点において脚部の打込位置と頂部の端部との間には差がなく、ステープルの脚部は座屈することなく打込まれ、2つの打込対象物の結合力を高く維持する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のステープル交差打込み式のステープル打込機のステープルの座屈を示す説明図である。
【図2】本発明に係るステープル打込機の全体を示す側面図である。
【図3】本発明に係るステープル打込機のノーズ部を示しており、(A)はノーズ部の正面図、(B)はノーズ部の側面図である。
【図4】図3のノーズ部のフロントノーズを示しており、(A)はフロントノーズの正面図、(B)は(A)の4B−4B線断面図、(C)はフロントノーズの背面図、(D)は(C)のノーズフロントの上面図である。
【図5】図3のノーズ部のリヤノーズを示しており、(A)はリヤノーズの正面図、(B)は(A)の5B−5B線断面図、(C)は(A)のリヤノーズの上面図、(D)は(A)の5D−5D線断面図、(E)は(A)の5E−5E線断面図である。
【図6】図3のノーズ部の脚部成形部材を示しており、(A)は脚部成形部材の正面図、(B)は脚部成形部材の側面図、(C)は脚部成形部材の背面図、(D)は、(B)の6D−6D線断面図である。
【図7】本発明に係るステープル打込機の動作を説明するノーズ部付近の縦断面図である。
【図8】図7のステープル打込機の動作を正面側から示す説明図である。
【図9】ダイバージェントポイントステープルを示す図であり、(A)はダイバージェントポイントステープルの正面図、(B)は連結したダイバージェントポイントステープルの側面図である。
【図10】脚部規制通路を示す図8の図10−図10線断面図である。
【図11】チゼルポイントステープルを示す図であり、(A)はチゼルポイントステープルの正面図、(B)は連結したチゼルポイントステープルの側面図である。
【図12】ステープル脚部の各々に、軸線回りにひねりを加える、脚部規制通路を示す、図と同様の断面図である。
【図13】図12の脚部規制通路を用いた場合のチゼルポイントステープルの打込状態を示す各段階の図である。
【符号の説明】
1 ステープル脚部
2 ステープル頂部
3 座屈部
5、6 打込材
10 ステープル打込機
11 ハンドル
13 ハウジング
14 ステープルのマガジン
15 ノーズ部
17 トリガレバー
18 フロントノーズ
19 リヤノーズ
21 脚部成形部材
22 打込通路
27 フロントノーズの開口
30 マガジンからのステープルの出口穴
31 打込通路の内壁
33 脚部成形部
34 脚部規制通路
35 脚部成形部の突部受入れ用凹部
37 ガイド溝
39 支持部
42 旋回用ピン
43 弾性部材
45 弾性部材収容穴
46 脚部成形部の台形部
47 脚部成形部のテーパ部
49 脚部成形部の突部
50 ガイド溝
51 ステープル
53 ブレード
54 打込対象物
55 ステープル頂部
57 ステープル脚部
58 脚部先端
62 チゼルポイントステープル
63 脚部規制通路
Claims (5)
- 1つの頂部と該頂部の両端部から垂下する2つの脚部とから成るU字形状のステープルを使用しており、該ステープルが通る打込通路が形成されたノーズ部を備え、ステープル打込み用のブレードによって前記打込通路から打ち出されたステープルの両脚部が交差するように打込対象物に打込まれるステープル打込機において、
前記ノーズ部の打込通路の出口部分には、ステープルの両脚部を湾曲させる脚部成形部材が設けられており、該脚部成形部材は、各脚部先端部分をステープル頂部の端部より外側に湾曲させた後、内側に湾曲させるように湾曲した脚部規制通路を前記打込通路の内壁との間に形成しており、
前記ノーズ部は、多数のステープルの連結体を収容するマガジンの出口部に設けられたリヤノーズと、該リヤノーズに連結されて協働して前記打込通路を形成するフロントノーズとを有し、前記フロントノーズは、前記打込通路の出口部分において開口が形成されており、前記脚部成形部材は、前記フロントノーズ開口からリヤノーズに接するように入り込んで前記打込通路中に位置する脚部成形部を有し、該脚部成形部は、前記打込通路を横切る方向に前記ステープル頂部の長さより大きい幅広の湾曲部分を有し、この湾曲部分に合わせて前記打込通路は幅広に形成され、前記湾曲部分の外壁と打込通路の内壁とによって前記脚部規制通路を形成しており、
前記リヤノーズには、前記脚部成形部の幅広の湾曲部分を受入れる凹部が形成されて、前記脚部規制通路中を移動するステープル脚部の先端が脚部成形部とリヤノーズとの境界に侵入するのを防止する構成であり、
前記脚部成形部は、前記打込通路出口端において、前記ステープルの両脚部先端の間隔を前記湾曲部分による前記ステープルの両脚部先端の間隔より小さいが前記ステープル頂部長さより大きくする脚部規制通路を形成する形状である、
ことを特徴とするステープル打込機。 - 請求項1に記載のステープル打込機において、前記脚部成形部の湾曲部分の外壁には、前記脚部規制通路中を移動する脚部の先端を案内するガイド溝が形成されていることを特徴とするステープル打込機。
- 請求項1又は2に記載のステープル打込機において、使用ステープルが、ダイバージェントポイントステープルであることを特徴とするステープル打込機。
- 請求項1に記載のステープル打込機において、前記脚部規制通路の各々は、両脚部が交差打込みされたときの相互干渉を防止するため、各脚部を軸線回りにひねりつつ進める断面形状を有するように形成されていることを特徴とするステープル打込機。
- 請求項4に記載のステープル打込機において、使用ステープルが、チゼルポイントステープルであることを特徴とするステープル打込機。
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