JP3782425B2 - 有機性汚泥の乾燥および脱臭処理方法並びにそのシステム - Google Patents

有機性汚泥の乾燥および脱臭処理方法並びにそのシステム Download PDF

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Description

本発明は、有機性汚泥の乾燥および脱臭処理方法並びにそのシステムに関するものである。
従来の有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システム1’は、例えば図2に示すように構成される。つまり、ケーキホッパ2を通じて投入された脱水ケーキを、ケーキ供給ポンプ3により、乾燥汚泥供給装置4(それの汚泥ケーキ投入口4a)に供給するように構成されている。このケーキホッパ2を通じて投入される脱水ケーキ(下水汚泥、産廃汚泥等の有機性汚泥の脱水ケーキ)は車両などにより運搬されて、ケーキホッパ2内に投入される。
乾燥汚泥供給装置4においては、予め製造しておいた顆粒状の乾燥汚泥の表面に、供給された脱水ケーキを混合する。この乾燥汚泥供給装置4からの混合汚泥はシュート5を通じて解砕機6に供給され、高温ガスと乾燥排ガス(一次乾燥排ガス)とが混合された400℃以下の熱風流である乾燥用ガスと共に解砕される。
この解砕機6において解砕された粉体は、気流乾燥させるほぼ鉛直方向に延びる乾燥ダクト7を通じて、集塵器8に送られる。集塵器8は、第1及び第2のサイクロン8A,8Bにて構成される。
この集塵器8(第2のサイクロン8B)の上部は、排ガスダクト9を通じて乾燥ファン10に接続されている。乾燥ファン10の下流側のダクトは2つに分岐され、第1のダクト11Aは解砕機6の入口に、第2のダクト11Bは熱交換器12の入口にそれぞれ接続されている。これにより、混合汚泥を乾燥した後の乾燥排ガスは、第1のダクト11Aを流れる一次乾燥排ガスと、第2のダクト11Bを流れる二次乾燥排ガスとに分けられる。第1のダクト11Aは、第2のダクト11Bとの分岐点の下流でその分岐点付近に、第1のダクト11Aを流れる一次乾燥排ガスの流量を調節する調節弁13を有する。この調節弁13は、乾燥ファン10を流れる電流値を検出する電流センサ14よりの信号を受け、この電流センサ14によって検出される電流値が一定になるように、調節弁13の開度が調節される。このように、調節弁13によって解砕機6に向かって流れる一次乾燥排ガスの流量が調節される。
第2のダクト11Bには、第2のダクト11Bを流れる二次乾燥排ガスの流量を調節する調節弁15が設けられている。この調節弁15は、調節弁13下流の第1のダクト11Aを流れる一次乾燥排ガスの圧力を検出する圧力センサ16よりの信号を受けて開度が調節され、解砕機6に向かって流れる一次乾燥排ガスの圧力が一定になるように熱交換器12への二次乾燥排ガスの流量が調節される。
また、第2のダクト11Aであって調節弁13及び圧力センサ16の検出位置よりも下流側において、高温ガス(例えば温度が650℃程度で酸素濃度が低い燃焼排ガス)を導入する導入路17が接続されている。この導入された高温ガスに前記一次乾燥排ガスが混合されて乾燥用ガスとされる。また、この導入路17には、導入路17における高温ガスの流量を調節する調節弁18が設けられ、この調節弁18が、乾燥ファン10の下流側(分岐点より上流側)の温度を検出する温度センサ19よりの信号を受け、導入路17を通じて導入される高温ガス(燃焼排ガス)の量が調節され、解砕機6に向かって供給される乾燥用ガスの温度が高くなりすぎない構成とされている。
つまり、予め製造しておいた大量の乾燥汚泥の表面に脱水ケーキを混合し、この混合汚泥を乾燥した後の乾燥排ガスの一部である一次乾燥排ガスを高温ガスと混合して、ガス温度を400℃以下に低下させて、解砕機6に導いている。これは、650℃程度の高温ガスをそのまま乾燥用熱源として利用すると、有機性汚泥が発火燃焼するおそれがあるためである。
一方、集塵器8を構成する第1及び第2のサイクロン8A,8Bの下部に、排出機21A,21Bを介して乾燥汚泥ホッパ22が接続され、この乾燥汚泥ホッパ22内に乾燥汚泥排出装置23が配設されている。
この乾燥汚泥排出装置23の下側に、乾粉の一部を循環させる乾燥汚泥供給装置4が設けられ、この乾燥汚泥供給装置4が、汚泥ケーキと気流乾燥された乾粉の一部とを混合する混合部として機能する。
また、熱交換器12は、第1及び第2の熱交換器部12A,12Bを有する。第2のダクト11Bを通じて送られる二次乾燥排ガスは、第1及び第2の熱交換器部12A,12Bを順に通過して、燃焼炉24からの燃焼排ガスと熱交換される。
第2の熱交換器部12Bを出たガスは、燃焼炉24に送られ、燃焼により脱臭処理される。このとき、燃焼炉24には、LPGガス25が供給されると共に、並列に設けられた第1及び第2の燃料ポンプ26A,26Bによって、燃料タンク27から調節弁28にて燃料が調節されつつ、エアーと共に送られる。29は燃焼を補助するエアーを供給する燃焼ブロアである。
燃焼炉24の燃焼排ガスは、前述したように熱交換のために、熱交換器12にダクト30を通じて送られる。そして、誘引ファン31にてダクト32を通じて誘引され、排出される。ダクト32には、ダクト32を流れる燃焼排ガスの流量を調節する調節弁33が設けられている。
燃焼炉24には、内部の圧力を検出する圧力センサ34と、内部の温度を検出する温度センサ35とが設けられている。この圧力センサ34よりの信号に応じて調節弁33の開度が調節され、誘引ファン31を通じての流出排ガスの量が制御され、燃焼炉24の内部圧力が一定となる。また、温度センサ35よりの信号を受けて、調節弁28の開度が調節され、燃焼炉24への燃料の供給量が制御され、燃焼炉24の内部の温度が一定となるようにされる。
ところで、下水汚泥、産廃汚泥等の有機性汚泥の大半は、脱水乾燥された後、流動層炉又はロータリキルン等で汚泥中の有機物を焼却して埋め立て処分されていたが、近年、汚泥をセメント焼成装置に投入し、ロータリキルンで焼却することにより、汚泥の燃焼熱を有効に利用するとともに、焼却灰をセメント原料の一部として回収することが行われている。
なお、セメント工場で発生する高温空気(高温クリンカの冷却工程から発生する高温空気、温度800℃程度)を効率よく、有機性汚泥の乾燥用熱源として利用する技術が求められている。
ところで、セメント焼成装置に気流乾燥機を組み合わせ、セメント焼成装置の高温部に排ガス加熱部を設け、かつ、気流乾燥機排ガスを予熱する熱交換器部を設けることにより、セメント焼成装置の熱消費を極力悪化させることなく、多量の汚泥を投入でき、かつ気流乾燥機排ガスを無臭化して大気放出できる汚泥の処理方法及び装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2002−273480号公報(段落0009及び図1) 特開2002−273492号公報(段落0010及び図1)
有機性汚泥の乾燥において、前述した800℃程度の高温空気を乾燥熱源として利用する場合、従来より高温であるため、前記従来のシステムでは、第1のダクト11Aを通じて循環される一次乾燥排ガスを混合するのみで、解砕機6に供給する乾燥用ガスの温度を十分に低下させることができず、有機性汚泥の乾燥物が着火し易く、また、安定した乾燥操作そのものが困難である。一方、乾燥用熱源としては、温度が高いほど、熱利用効率が高い。
また、有機性汚泥の乾燥排ガスは臭気が強く、前述したように燃焼炉において二次乾燥排ガスについて燃焼により脱臭処理が行われるが、この脱臭処理には、燃料が多量に必要で、また、その燃料に対応する燃焼用空気も供給する必要があるので、ランニングコストが高くなる。それに加えて、燃焼炉で供給される燃焼用空気は大量であるため、燃焼排ガスが増大して、熱交換器での熱回収率が低下するとともに、燃焼炉が大きくなる。
本発明は、例えばセメント工場で発生する800℃程度の高温空気を乾燥用熱源として、安全で安定した乾燥操作を行うことができ、併せて、乾燥排ガスの脱臭処理について省エネルギー化を図ることができる有機性汚泥の乾燥および脱臭処理方法並びにそのシステムを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、予め製造しておいた大量の乾燥汚泥の表面に脱水ケーキを混合し、この混合汚泥を乾燥した後の乾燥排ガスの一部である一次乾燥排ガスを高温ガスと混合して、前記混合汚泥の乾燥に用いる一方、前記乾燥排ガスの残部である二次乾燥排ガスを燃焼炉に導入し燃焼することにより脱臭処理して燃焼排ガスとする構成とされ、前記二次乾燥排ガスを燃焼炉に導入する前に、前記二次乾燥排ガスを前記燃焼炉からの燃焼排ガスと熱交換し、前記燃焼排ガスの温度を下げる有機性汚泥の乾燥および脱臭処理方法において、前記高温ガスとして高温空気を用い、前記熱交換された二次乾燥排ガスの一部を回収し、前記高温ガス又は一次乾燥排ガスに対して混合することを特徴とする。
このようにすれば、高温空気に混合される一次乾燥排ガスに対し、前記熱交換された二次乾燥排ガスからの一部を混合することで、混合汚泥の乾燥に用いる乾燥用ガスの温度を適当な温度まで効率よく低下させることができる。この場合、前記熱交換された二次乾燥排ガスの温度は、混合汚泥を乾燥した後の乾燥排ガス(一次乾燥排ガス)よりもガス温度が高いので、混合汚泥を乾燥した後の乾燥排ガス(一次乾燥排ガス)の混合量を増量するよりも効率がよい。
熱交換された二次乾燥排ガスの一部を回収して、燃焼炉で燃焼する乾燥排ガスの量を少なくすることができるので、燃焼用燃料の使用量を抑制でき、燃焼炉の小型化が図れる。また、高温ガス(燃焼排ガス)に代えて高温空気を用いるので、燃焼炉における燃焼に乾燥排ガスに含まれる酸素を利用することができるので、従来必要とされた燃焼用空気を用いることなく、燃焼することができる。
請求項2に記載のように、前記高温ガス又は一次乾燥排ガスに対して混合するのは、熱交換が完了する前の二次乾燥排ガスの一部であることが望ましい。
このようにすれば、熱交換が完了する前の二次乾燥排ガスを回収して、前記高温空気に混合される一次乾燥排ガスに対し混合するので、混合する乾燥排ガス(二次乾燥排ガス)の温度を選択でき、熱回収効率を高める点で有利である。
上記請求項1,2の発明を実施するシステムを、請求項3〜7に記載のように構成することができる。
請求項3の発明は、予め製造しておいた大量の乾燥汚泥の表面に脱水ケーキを混合し、この混合汚泥を乾燥した後の乾燥排ガスを乾燥ファンにて誘引し、この誘引した乾燥排ガスの一部である一次乾燥排ガスを第1のダクトを通じて高温ガスに混合して、前記混合汚泥の乾燥に用いる一方、前記乾燥排ガスの残部である二次乾燥排ガスを第2のダクトを通じて燃焼炉に導入し燃焼することにより脱臭処理して燃焼排ガスとする構成とされ、前記二次乾燥排ガスを燃焼炉に導入する前に、前記二次乾燥排ガスを熱交換器を通過させることで前記燃焼炉からの燃焼排ガスと熱交換し、前記燃焼排ガスの温度を下げる有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システムにおいて、前記高温ガスとして高温空気を用い、前記第1のダクトと熱交換器との間に、前記熱交換器で熱交換された二次乾燥排ガスの一部を回収し前記高温ガス又は一次乾燥排ガスに対して混合するガス回収混合手段を設けたことを特徴とする。
このようにすれば、高温空気(高温ガス)に混合される一次乾燥排ガスに、前記熱交換器で熱交換された二次乾燥排ガスの一部を混合することで、混合汚泥の乾燥に用いる乾燥用ガスの温度(例えば400℃以下)を効率よく低下させることができる。そして、請求項1の発明と同様に、熱交換された二次乾燥排ガスの一部を回収するので、燃焼炉で燃焼する乾燥排ガスの量を少なくでき、燃焼用燃料の使用量を抑制でき、燃焼炉の小型化が図れる。よって、燃焼用空気を必要としないで燃焼できる。
また、熱交換した二次乾燥排ガスを有効利用することで、乾燥用ガスにおいて高温空気量に対し乾燥排ガスの割合が多くなり、乾燥操作で発生する水蒸気で乾燥用ガス中の水蒸気濃度が高くなり、酸素濃度が低下して(解砕機の)混合汚泥に対して供給されるため、着火しにくくなる。
請求項4に記載のように、前記熱交換器は、一次及び二次熱交換器部を有し、前記ガス回収混合手段は、前記一次熱交換器部と二次熱交換器部とを接続する接続ダクトと、この接続ダクトに設けられ前記接続ダクトを流れるガス流量を調節する第1の調節弁と、前記接続ダクトの第1の調節弁の上流側と前記第1のダクトであって高温ガスが導入される部位より上流側部分とを連通する連通ダクトとを有し、前記一次熱交換器部から二次熱交換器部に供給される乾燥排ガスの一部を前記連通ダクトを通じて回収して、前記高温ガスに混合される乾燥排ガスの一部との混合に用いることができる。
このようにすれば、一次熱交換器部と二次熱交換器部とに分けることにより、伝熱面積を大きくして、燃焼排ガスと二次乾燥排ガスとを熱交換する際に、効率よく燃焼排ガスの温度を低下させる一方、二次乾燥排ガスの温度を高めて、燃焼炉で燃焼しやすくすることができる。よって、熱回収効率を高めて燃料の使用量を抑制できる。
請求項5に記載のように、前記乾燥ファンの下流側を流れる乾燥排ガスの温度を検出する温度センサと、前記第1のダクトの、前記連通ダクトとの接続部位より下流側を流れる一次乾燥排ガスの圧力を検出する圧力センサと、前記温度センサ及び圧力センサよりの信号に基づいて前記第1の調節弁を制御して、前記熱交換された二次乾燥排ガスの回収ガス量を調節することで前記第1のダクトへの高温ガスの導入量を制御する制御回路とを有することが望ましい。
このようにすれば、第1の調節弁を制御することで、第1のダクトを流れる一次乾燥排ガスの流量が調節され、そのガス量に応じて第1のダクトにおける高温空気の導入量を制御することができる。
請求項6に記載のように、前記第2のダクトに、前記第2のダクトを流れるガス流量を調節する第2の調節弁を設け、この第2の調節弁で、熱交換器に導入する二次乾燥排ガスの量を調節しながら、前記乾燥ファンの下流側の乾燥排ガスの温度を制御する構成とすることができる。
このようにすれば、第2の調節弁で、熱交換器に導入する二次乾燥排ガスの量を調節することで、乾燥ファンの下流側の乾燥排ガスの温度が制御される。
請求項7に記載のように、予め製造しておいた顆粒状乾燥汚泥は、脱水ケーキの10倍以上であることが望ましい。
このようにすれば、大量の乾燥汚泥と脱水ケーキとを混合して、解砕機に供給することで乾燥汚泥表面を湿潤状態にして材料の着火を防止する上で有利である。
以上のように構成したから、本発明は、例えばセメント工場で発生する高温空気を乾燥用熱源に利用して、有機性汚泥を乾燥する場合に、安全で安定した乾燥操作を行うことができ、併せて、排ガスの脱臭処理について省エネルギー化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。なお、図2に示す従来のシステムと同一の構成要素については同一の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
図1は本発明に係る有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システムの概略説明図である。
図1において、本発明に係る有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システム1は、ケーキホッパ2を通じて投入された脱水ケーキを、ケーキ供給ポンプ3により、乾燥汚泥供給装置4(それの汚泥ケーキ投入口4a)に供給されるように構成されている点は従来と同様である。
乾燥汚泥供給装置4においては、予め製造しておいた大量の顆粒状の乾燥汚泥の表面に、供給された脱水ケーキを混合する。これにより、乾燥汚泥の表面を湿潤状態に維持する。なお、前記顆粒状の乾燥汚泥は、供給される脱水ケーキの10倍以上とされる。
この乾燥汚泥供給装置4からの湿潤混合汚泥は解砕機6に供給され、熱風流(乾燥用ガス)と共に解砕される。ここで、乾燥ファン10の電流値が一定になるように調節された乾燥排ガス(一次乾燥排ガス)や、熱交換器12にて熱交換された乾燥排ガス(二次乾燥排ガス)が高温空気に混合され、乾燥用ガスとしての熱風流が構成される。この熱風流は、400℃以下に温度調整されたガスである。
そして第2のダクト11Bは、やはり第1のダクト11Aとの分岐点付近に、第2のダクト11Bを流れるガス流量(乾燥排ガスの流量)を調節する調節弁15(第2の調節弁)を有する。この調節弁15は、乾燥ファン10下流の乾燥排ガスの温度を検出する温度センサ19よりの信号を受けてその開度が調節される。これにより、第2のダクト11Bを通じて熱交換器12に向かって流れる二次乾燥排ガスの量が調節され、その結果として、第1のダクト11Aを流れる一次乾燥排ガスの流量が調節される。このようにして、第1及び第2のダクト11A,11Bの間で、一次乾燥排ガスと二次乾燥排ガスとの分配が行われる。
第1のダクト11Aには、調節弁13及び圧力センサ16の検出位置よりも下流側において、例えばセメント工場で発生する高温空気(高温クリンカの冷却工程から発生する800℃程度の高温空気)が導入される導入路17が接続されるが、この導入路17には、従来システム(図2参照)とは異なり、調節弁18が設けられていない。よって、この導入路17を通じて導入される高温空気の量は、解砕機6に向かって流される一次乾燥排ガスの流量に応じて決定される。
熱交換器12において、一次熱交換器部12Aから二次熱交換器部12Bに二次乾燥排ガスを供給する接続ダクト42に、接続ダクト42を流れるガス流量を調節する調節弁41(第1の調節弁)が設けられている。それと共に、一次熱交換器部12Aから二次熱交換器部12Bに流れる二次乾燥排ガスの一部を回収し、第1のダクト11A(調節弁13の下流側であって圧力センサ16の上流側)に戻すために、熱交換器12の接続ダクト42と第1のダクト11Aとを連通する連通ダクト43が設けられている。このようにして、第1のダクト11Aと熱交換器12との間に、熱交換器12で熱交換された二次乾燥排ガスの一部を回収し前記高温空気に混合される一次乾燥排ガスに対して混合するガス回収混合手段が構成される。なお、この第1のダクト11Aに戻される二次乾燥排ガスの温度は、燃焼排ガスとの熱交換のために、混合汚泥を乾燥した後よりも温度が高くなっている。
そして、調節弁41の開度が、温度センサ19及び圧力センサ16よりの信号に基づいて制御回路44によって制御され、一次熱交換器部12Aから二次熱交換器部12Bに導入されるガス量が調節される。これにより、連通ダクト43を通じて回収され一次乾燥排ガスに混合される二次乾燥排ガスの流量が調節され、その結果、第1のダクト11Aにおける高温空気の導入量が制御される。
つまり、制御回路44は、温度センサ19からの信号により測定温度が設定値からどれだけずれているかを判定する第1の判定部と、圧力センサ16からの信号により測定圧が設定値からどれだけずれているかを判定する第2の判定部と、その判定結果(両判定部からの信号)に基づき、よりずれの大きい信号に基づいて設定値に近くなるように制御する制御部とを有する。これにより、設定値よりのずれ量が大きい方の信号に基づき、一次熱交換器部12Aから二次熱交換器部12Bへ導入する二次乾燥排ガスの量を制御することで回収ガス量が調節され、最終的に導入路17を通じての高温空気の導入量が制御される。また、前記判定結果に基づき、例えば温度センサ19による測定値と圧力センサ16による測定値とにより調節弁41の開度を決定できるマップに基づき制御することも可能である。
このようにすれば、第1のダクト11Aにおいて高温空気(例えばセメント工場で発生する800℃程度の高温空気)に混合される一次乾燥排ガス(120℃程度)に対し、熱交換器12で熱交換された温度が比較的高い二次乾燥排ガスの一部を混合することで、解砕機6に供給される乾燥用排ガスの温度を適当な乾燥温度、つまり有機性汚泥の乾燥物が着火しにくくなる400℃以下の温度に無理なく低下させることができる。
しかも、乾燥用ガスにおいて、従来よりも高温空気の量に対し乾燥排ガス(一次乾燥排ガス、二次乾燥排ガス)の占める割合が多くなるので、乾燥操作で発生する水蒸気で乾燥用ガス中の水蒸気濃度が高くなる。その結果、酸素濃度が低下する。よって、水蒸気濃度が高く酸素濃度が低い乾燥用ガスが解砕機6へ供給されることになるため、有機性汚泥の乾燥物が着火しにくくなる。なお、水蒸気濃度が高くなり、乾燥汚泥の表面を湿潤状態が維持されるので、着火しにくくなる。
燃焼炉排ガスと乾燥排ガスとを熱交換器12で熱交換して熱回収する際に、その熱交換器12を一次熱交換器部12Aと二次交換器12Bとに分け、一次熱交換器部12Aを通過した後に二次熱交換器部12Bに入る前に二次乾燥排ガスの一部を回収しているので、二次熱交換器部12Bを通過する二次乾燥排ガスの量が少なくなり、その熱交換器部12Bの容量を小さくできる。また、燃焼炉24に送られる乾燥排ガスが少なくなるので、それを燃焼するための燃料の使用量を抑制できる。従来の高温ガス(温度が650℃程度で酸素濃度が低い燃焼排ガス)と異なり、800℃程度の高温空気を用いているので、二次乾燥排ガス(乾燥用ガスの一部)中の酸素濃度が高く、その酸素を、燃焼炉での燃焼用酸素として利用することができるので、バーナ用の燃焼用空気を必要としないで燃焼することができる。また、燃焼炉24での燃焼排ガス量を少なくできるので、熱回収後の排ガス温度の上昇を抑制して、効率よく熱回収後の排ガス温度を低下させることができ、熱回収効率を高められる。
本発明に係る有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システムの概略説明図である。 従来の有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システムの概略説明図である。
符号の説明
1 有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システム
4 乾燥汚泥供給装置
6 解砕機
10 乾燥ファン
11A 第1のダクト
11B 第2のダクト
12 熱交換器
12A 一次熱交換器部
12B 二次熱交換器部
15 調節弁(第2の調節弁)
16 圧力センサ
19 温度センサ
24 燃焼炉
41 調節弁(第1の調節弁)
42 接続ダクト
43 連通ダクト
44 制御回路

Claims (7)

  1. 予め製造しておいた大量の乾燥汚泥の表面に脱水ケーキを混合し、この混合汚泥を乾燥した後の乾燥排ガスの一部である一次乾燥排ガスを高温ガスと混合して、前記混合汚泥の乾燥に用いる一方、前記乾燥排ガスの残部である二次乾燥排ガスを燃焼炉に導入し燃焼することにより脱臭処理して燃焼排ガスとする構成とされ、前記二次乾燥排ガスを燃焼炉に導入する前に、前記二次乾燥排ガスを前記燃焼炉からの燃焼排ガスと熱交換し、前記燃焼排ガスの温度を下げる有機性汚泥の乾燥および脱臭処理方法において、
    前記高温ガスとして高温空気を用い、
    前記熱交換された二次乾燥排ガスの一部を回収し、前記高温ガス又は一次乾燥排ガスに対して混合することを特徴とする有機性汚泥の乾燥および脱臭処理方法。
  2. 前記高温ガス又は一次乾燥排ガスに対して混合するのは、熱交換が完了する前の二次乾燥排ガスの一部である請求項1記載の有機性汚泥の乾燥および脱臭処理方法。
  3. 予め製造しておいた大量の乾燥汚泥の表面に脱水ケーキを混合し、この混合汚泥を乾燥した後の乾燥排ガスを乾燥ファンにて誘引し、この誘引した乾燥排ガスの一部である一次乾燥排ガスを第1のダクトを通じて高温ガスに混合して、前記混合汚泥の乾燥に用いる一方、前記乾燥排ガスの残部である二次乾燥排ガスを第2のダクトを通じて燃焼炉に導入し燃焼することにより脱臭処理して燃焼排ガスとする構成とされ、前記二次乾燥排ガスを燃焼炉に導入する前に、前記二次乾燥排ガスを熱交換器を通過させることで前記燃焼炉からの燃焼排ガスと熱交換し、前記燃焼排ガスの温度を下げる有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システムにおいて、
    前記高温ガスとして高温空気を用い、
    前記第1のダクトと熱交換器との間に、前記熱交換器で熱交換された二次乾燥排ガスの一部を回収し前記高温ガス又は一次乾燥排ガスに対して混合するガス回収混合手段を設けたことを特徴とする有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システム。
  4. 前記熱交換器は、一次及び二次熱交換器部を有し、
    前記ガス回収混合手段は、前記一次熱交換器部と二次熱交換器部とを接続する接続ダクトと、この接続ダクトに設けられ前記接続ダクトを流れるガス流量を調節する第1の調節弁と、前記接続ダクトの第1の調節弁の上流側と前記第1のダクトであって高温ガスが導入される部位より上流側部分とを連通する連通ダクトとを有し、
    前記一次熱交換器部から二次熱交換器部に供給される二次乾燥排ガスの一部を前記連通ダクトを通じて回収して、前記高温ガス又は一次乾燥排ガスとの混合に用いる請求項3記載の有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システム。
  5. 前記乾燥ファンの下流側を流れる乾燥排ガスの温度を検出する温度センサと、
    前記第1のダクトの、前記連通ダクトとの接続部位より下流側を流れる一次乾燥排ガスの圧力を検出する圧力センサと、
    前記温度センサ及び圧力センサよりの信号に基づいて前記第1の調節弁を制御して、前記熱交換された二次乾燥排ガスの回収ガス量を調節することで前記第1のダクトへの高温ガスの導入量を制御する制御回路とを有する請求項4記載の有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システム。
  6. 前記第2のダクトに、前記第2のダクトを流れるガス流量を調節する第2の調節弁を設け、
    この第2の調節弁で、熱交換器に導入する二次乾燥排ガスの量を調節しながら、前記乾燥ファンの下流側の乾燥排ガスの温度を制御する請求項3〜5のいずれかに記載の有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システム。
  7. 前記予め製造しておいた大量の顆粒状乾燥汚泥は、前記脱水ケーキの10倍以上である請求項3〜6のいずれかに記載の有機性汚泥の乾燥および脱臭処理システム。
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