JP3782393B2 - 電池パック及び充電式掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒形リチウムイオン二次電池を備える電池パックと、この電池パックを備えた充電式掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池は小型で軽量、そして300回以上の繰り返し充放電が可能であるため、携帯型パーソナルコンピュータや携帯電話を初めとする多くの電子機器に使用されており、需要が増加している。これはリチウムイオン二次電池(LIB)の重量エネルギー密度がニッカド二次電池(Ni−Cd)やニッケル水素二次電池(Ni−MH)に比較して大きいためである。重量エネルギー密度はNi−Cdでは44[Wh/kg]、Ni−MHでは54[Wh/kg]、LIBでは150[Wh/kg]であり、LIBが圧倒的に優れている。
【0003】
デジタルカメラなどの各種電子機器、ビデオカメラやコードレスクリーナなどの民生用電気製品、電動アシスト自転車などでは、これまでNi−Cd電池が用いられてきたが、小型軽量化を図るために電源をNi−CdからNi−MHへ、そしてさらにはLIBへの変更が進んでいる。このようにLIBの需要は大きく増加しているものの、Ni−Cd、Ni−MHを全て置き換えるには至っていない。
【0004】
現在LIBが使用されている市場は使用電流が比較的小さい製品である。Cレート(単電池の充電容量を1時間で消費する電流値)で表すと約1C程度、おおよそ1A前後の比較的小さな電流値である。これらの製品としてはパソコン、携帯電話、デジカメ、ウォークマンなどであって、大電流が必要な製品、例えば、モータを駆動させるパワーツール(電動工具)、コードレスクリーナ、無停電電源(UPS:Uninterrupted Power Source)、電動アシスト自転車、ハイブリッドカーなどでは採用されていない。この理由は、LIBでは、大電流の充放電を繰り返すことにより負極上にLi金属のデンドライト(樹枝状結晶)が析出しやすく、析出したリチウムデンドライトがセパレータを貫通して正極に達して内部短絡を生じる恐れがあり、安全上問題があるためである。
【0005】
円筒形や角型に限らず、リチウムイオン二次電池の充放電反応は、電極シート全面で均一に起こり難く、中央部に集中する傾向がある。このため、大電流で充放電を施すと、特に負極上にLi金属のデンドライトが短時間で成長しやすい。また、Ni−MH二次電池では、内部抵抗が数mΩと極めて低いため、ジュール熱による発熱が非常に小さく、大電流での放電を連続して行っても安全を確保することが可能である。一方、リチウムイオン二次電池では、内部インピーダンスが50〜80mΩとNi−MHの20倍近く大きくなる。よって、リチウムイオン二次電池にNi−MH二次電池と同じ条件の大電流放電を施すと、ジュール熱によって電池内部の温度が高くなり、デンドライトの成長がより早く進行するため、内部短絡の発生率が増加する。このことが、大電流放電用途にリチウムイオン二次電池が実用化されず、その結果、コードレスクリーナ、ロボット、UPS、電動アシスト自転車などの大電流を必要とする機器に応用できない原因となっている。
【0006】
一方、特開平10−270095号公報の請求項1には、複数個の単電池を一列に電気的かつ機械的に直列に接続してなる電池モジュールを、多数本並列配置してホルダーケースに保持させ、このホルダーケース内に一方向に空気を強制的に流動させることにより、ホルダーケース内の多数本の電池モジュールを冷却する装置であって、前記空気の流動方向が電池モジュールの長手方向に直交する方向であることを特徴とする電池電源の冷却装置が記載されている。
【0007】
前述した冷却装置では、前記公報の段落[0009]及び[0024]に記載されている通り、各電池モジュールを構成する単電池相互の冷却が均一になされる。このため、この冷却装置をリチウムイオン二次電池の冷却に使用すると、大電流放電を行う充放電サイクルにおいて長寿命が得られないという問題点を生じる。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−270095号公報(特許請求の範囲、段落[0009]及び[0024])
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、大電流での放電時のサイクル特性が向上された電池パックと、この電池パックを備える充電式掃除機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の電池パックは、送風口が開口された第1の面と、前記第1の面の反対側に位置し、排気口が開口された第2の面とを有する外装ケースと、前記外装ケース内に、互いに隙間を開けた状態で、縦にN列、横にM列の配列(N列≦M列)で収納された円筒形リチウムイオン二次電池とを具備し、
縦1列目の前記二次電池は、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記外装ケースの前記送風口と対向し、
前記縦1列目の前記二次電池とその隣の縦2列目の前記二次電池の間に、通気口を備えた均熱板を前記縦1列目及び前記縦2列目の双方の前記二次電池と接触するように介在させ、
前記縦2列目の前記二次電池は、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記縦1列目中の隙間と前記均熱板を介して対向することを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る第2の電池パックは、外装ケースと、前記外装ケース内に収納され、円筒形リチウムイオン二次電池を単電池とする組電池とを具備する電池パックであって、
単電池は、長手方向が重力方向に平行で、かつ単電池間に隙間を設けた状態で縦にN列、横にM列の配列(N列≦M列)で前記外装ケース内に収納されており、
前記外装ケースは、縦1列目の単電池の外周面と対向する第1の面に送風口が開口され、かつ前記第1の面の反対側に位置する第2の面に排気口が開口されており、
縦1列目の単電池は、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記外装ケースの前記送風口と対向し、
前記縦1列目の単電池とその隣の縦2列目の単電池の間に、通気口を備えた均熱板を前記縦1列目及び前記縦2列目の双方の単電池と接触するように介在させ、
前記縦2列目の単電池は、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記縦1列目中の隙間と前記均熱板を介して対向することを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る第1の充電式掃除機は、電池パックを備え、
前記電池パックは、送風口が開口された第1の面と、前記第1の面の反対側に位置し、排気口が開口された第2の面とを有する外装ケースと、前記外装ケース内に、互いに隙間を開けた状態で、縦にN列、横にM列の配列(N列≦M列)で収納された複数の円筒形リチウムイオン二次電池とを具備し、
縦1列目の各二次電池は、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記外装ケースの前記送風口と対向し、
前記縦1列目の前記二次電池とその隣の縦2列目の前記二次電池の間に、通気口を備えた均熱板を前記縦1列目及び前記縦2列目の双方の前記二次電池と接触するように介在させ、
前記縦2列目の各二次電池は、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記縦1列目中の隙間と前記均熱板を介して対向することを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る第2の充電式掃除機は、モータと、前記モータの吸気経路もしくは排気経路内に配置される電池パックとを備え、
前記電池パックは、送風口が開口された第1の面と、前記第1の面の反対側に位置し、排気口が開口された第2の面とを有する外装ケースと、前記外装ケース内に、互いに隙間を開けた状態で、縦にN列、横にM列の配列(N列≦M列)で収納された複数の円筒形リチウムイオン二次電池とを具備し、
縦1列目の各二次電池は、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記外装ケースの前記送風口と対向し、
前記縦1列目の前記二次電池とその隣の縦2列目の前記二次電池の間に、通気口を備えた均熱板を前記縦1列目及び前記縦2列目の双方の前記二次電池と接触するように介在させ、
前記縦2列目の各二次電池は、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記縦1列目中の隙間と前記均熱板を介して対向することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電池パックについて説明する。
【0015】
この電池パックは、外装ケースと、前記外装ケース内に、縦にN列、横にM列の配列(N列≦M列)で収納された円筒形リチウムイオン二次電池とを具備する。
【0016】
前記外装ケースは、縦1列目の全ての二次電池の外周面と対向する第1の面に送風口が開口され、かつ前記第1の面の反対側に位置する第2の面に排気口が開口されている。
【0017】
一方、前記二次電池は、互いに隙間を隔てており、
縦1列目の前記二次電池は、それぞれ、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記外装ケースの前記送風口と対向し、
縦2列目の前記二次電池は、それぞれ、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記縦1列目中の隙間を挟んで、前記外装ケースの前記送風口と対向している。
【0018】
ここで、縦にN列、横にM列の配列(N列≦M列)について説明する。円筒形リチウムイオン二次電池を縦置きの状態で横に並べた列が、横の列で、横にM列とは、この横に並んだ列を構成する二次電池個数がM個あることを意味する。この横の列を縦方向に複数並べる。横の列が縦方向に並んだ数が縦の列数である。縦にN列とは、横の列が縦方向にN組並んでいることを意味する。縦のN列は、最低2列必要で、横のM列と等しいか、もしくは少なくすることが望ましい。なお、縦の列が1列である場合は、リチウムイオン二次電池が縦置きの状態で横一直線に並んでいることを意味するため、本発明に係る電池パックを構成するものではない。
【0019】
本発明に係る電池パックでは、円筒形リチウムイオン二次電池を縦置きの状態で縦にN列、横にM列の配列(N列≦M列)で配置し、さらにこれら二次電池の軸方向(高さ方向)に二次電池を積み上げても良い。積み上げる段数は、1段以上にすることができる。このようにして積み上げられた二次電池を、二次電池の軸方向(上面)から見た際の二次元的な配列は、縦にN列、横にM列の配列(N列≦M列))を満たしている。
【0020】
また、本発明に係る電池パックでは、縦1列目中の隙間とは、二次電池間の隙間の他に、列の端に位置する二次電池と外装ケースとの隙間も意味する。
【0021】
このような電池パックによれば、縦一列目と縦二列目の各々の二次電池について、送風口側を集中して冷却することができるため、二次電池の送風口側の温度を排気口側の温度に比較して低くすることができる。その結果、二次電池中の非水電解質の拡散性を向上することができるため、Li金属のデンドライドの析出と成長を抑制することができ、大電流での放電時のサイクル特性(以下、ハイレートサイクル特性と称す)を向上することができる。
【0022】
本発明に係る電池パックの一例を図1〜図8を参照して説明する。図1は本発明に係る電池パックの一例を示す斜視図で、図2は図1の電池パックにおける二次電池の配置を説明するための模式図で、図3は図1の電池パックと冷却風との位置関係を示す斜視図で、図4は図1の電池パックに組み込まれる円筒形リチウムイオン二次電池の一例を示す斜視図で、図5は図1の電池パックにおける二次電池の配置を説明をするための別の模式図で、図6は図1の電池パックの外装ケース内に均熱板を配置した例を示す模式図で、図7は図6の均熱板を示す平面図で、図8は図1の電池パックの外装ケース内に配置される均熱板の別な例を示す平面図である。
【0023】
矩形の外装ケース1内には、例えば12本の円筒形リチウムイオン二次電池(単電池)21〜212が縦置きの状態で収納されている。よって、二次電池の長手方向は、重力方向に平行である。このリチウムイオン二次電池(単電池)を2個並列に接続したものを1単位とし、これを6単位直列に接続し、組電池としている。電池配列は、縦2列(N列)×横6列(M列)である。また、二次電池を軸方向(高さ方向)に積み上げていない例である。さらに、組電池中の単電池21〜212は、接しておらず、互いに隙間を隔てている。なお、組電池にするための単電池の接続は、Niタブの抵抗溶接により行われているが、このNiタブによる接続は、単電池21〜212の配列の固定も兼ねている。さらに、組電池全体は、外装ケース1によって一体化されている。
【0024】
外装ケース1の長手方向側の2つの側面のうち、縦一列目の全ての単電池21〜26の外周面と対向している側面を第1の面3aとし、この第1の面3aの反対側に位置する側面を第2の面3bとする。第1の面3aには、送風口として、矩形のスリット4が縦に12個形成され、これが横に3列形成されている。一方、第2の面3bには、排気口として、矩形のスリット5が縦に12個形成され、これが横に3列形成されている。
【0025】
縦一列目の単電池21〜26は、それぞれ、外周面のうち第1の面3aと距離が最短になる領域(d1)が、送風口4と対向している。
【0026】
一方、縦二列目の単電池27〜212は、それぞれ、外周面のうち第1の面3aとの距離が最短になる領域(d2)が、縦一列目に存在する隙間を挟んで送風口4と対向している。縦一列目に存在する隙間には、単電池21〜26の間に存在する隙間の他に、列の端に位置する単電池21または26とケース内面との隙間も含まれる。
【0027】
冷却風の向きは、図3に示すように、単電池21〜212の長手方向と直交する。
【0028】
単電池内の温度分布を測定するための熱電対6は、単電池21〜212それぞれの外周面のうち上位置、中間位置、下位置の縦3カ所を1組とし、これを3組外周面上に配置することにより単セル全体の温度分布を測定できる。従って送風側と排気側との温度を測定できる。かかる熱電対6には、例えばKタイプの熱電対を使用することができる。なお、図が煩雑になるため図1,2には全ての熱電対を書いてはいない。
【0029】
ここで、単電池21〜212の具体的な構成について説明する。
【0030】
図4に示すように、例えばステンレスからなる有底円筒状の容器11は、底部に絶縁体12が配置されている。電極群13は、前記容器11内に収納されている。前記電極群13は、正極14、セパレータ15及び負極16をこの順序で積層した帯状物を渦巻き状に巻回した構造になっている。
【0031】
前記容器11内には、非水電解液が収容されている。中央部に孔が開口された絶縁紙17は、電極体13の上に配置されている。中央部に孔が開口されたPTC素子18と帽子形状の正極端子19を備える封口部材は、前記容器11の上部開口部に絶縁ガスケット20を介してかしめ固定されている。なお、前記正極端子19には、ガス抜き孔(図示しない)となる安全機構が組み込まれている。正極リ―ド21の一端は、前記正極14に、他端は前記PTC素子18にそれぞれ接続されている。前記負極16は、図示しない負極リ―ドを介して負極端子である前記容器11に接続されている。
【0032】
(作用説明)
このような構成を有する電池パックによれば、ケース1の送風口4から取り入れられた風を、縦1列目と縦2列目の全ての単電池21〜212の外周面のうち最も突き出ている部分に当てることができる。その結果、以下の(1)及び(2)に説明する効果を得ることができるため、電池パックのハイレートサイクル特性を向上することができる。
【0033】
(1)全ての単電池21〜212について、送風口側を集中的に冷却することができ、送風口側と排気口側との間に十分な温度差を設けることができる。その結果、単電池に含まれる非水電解液に対流を生じさせることができるため、この対流により負極表面に生成していたデンドライトの核を溶解消滅させることができる。さらに負極から正極に移動するリチウムイオンは正極活物質中に均一にインターカレートさせることができるため、つぎの充電時にも均一に負極のグラファイト中にインターカレートさせることができ、デンドライトの生成を抑制することができる。
【0034】
(2)送風口側と排気口側との温度差についての単電池21〜212間でのばらつきを小さくすることができるため、単電池21〜212間の充放電特性の差を小さくすることができる。
【0035】
従って、単電池自体のハイレートサイクル特性を向上させることができ、同時に、ハイレートサイクル特性についての単電池間のばらつきを小さくすることができるため、ハイレートサイクル特性に優れる電池パックを実現することができる。
【0036】
ところで、単電池についての送風口側と排気口側との間の温度差は、2〜10の範囲内にすることが望ましい。温度差を2より小さくすると、非水電解液の対流が起こり難くなる。この場合、最初は電極全体で充放電が行われるが、長い円筒形では缶の中央部が電極の膨張により膨れるため、電解液が電極の中央部に集中し、充放電反応が電極の中央部に集中するようになり、充放電サイクル寿命が短くなる。一方、温度差が10より大きいと、温度が高い部分での放電が優先的に生じるため、温度が高い部分から過剰にLiイオンが抜ける結果、負極は局部的に過放電状態となりやすい。その結果、集電体の銅(Cu)が溶解析出してCuのデンドライトを形成し、これがセパレータを貫通して正極に達することにより内部短絡を引き起こす恐れがある。
【0037】
(隙間G1、G2)
隙間G1、G2は、下記(1)〜(2)式を満足することが望ましい。
【0038】
0.1≦G1≦5 (1)
0.5G1≦G2≦G1 (2)
但し、G1は、縦一列目の単電池21〜26間の隙間の大きさ(mm)で、G2は、縦一列目の単電池21〜26と縦二列目の単電池27〜212との隙間の大きさ(mm)である。
【0039】
ここで、隙間G1は、縦一列目の単電池(例えば、26)と、この単電池の隣に位置する単電池(例えば、25)との最短距離を意味する。一方、隙間G2は、縦1列目の単電池(例えば、単電池25)と、この単電池と対向する縦2列目の単電池(例えば、単電池212と211)との最短距離を意味する。つまり、縦1列目の単電池(例えば、単電池25)とこの単電池と対向していない単電池(例えば、単電池210)との最短距離は、隙間G2に含まれない。
【0040】
隙間G1を前記範囲に規定する理由を説明する。隙間の大きさG1が5mmを超えると、電池パック自体のサイズが大きくなり、隙間が小さい場合と比較して、同じ風速を得るために必要な風量が大きくなるため、冷却用モータとして出力の大きなものが必要になり、実用的でない。また、電池パックの容積効率が低下する可能性もある。一方、隙間の大きさG1を0.1mmより小さくすると、風が通過するための抵抗が増大するため、電池の冷却に十分な風速と風量を得るために必要なモータの出力が大きくなり、実用的でない。したがって好ましい範囲は、0.5mm以上、3mm以下である。隙間G1の大きさは、縦1列目を構成する全ての単電池間で等しくても、あるいは異なっていても良い。
【0041】
また、隙間の大きさG2を0.5G1≦G2≦G1の範囲内に設定することによって、十分な風速を得ることができるため、縦二列目の単電池の送風口側を十分に冷却することができる。なお、隙間G2の大きさは、揃っていても、あるいは不揃いでも良い。
【0042】
隙間の大きさG1は、0.1〜5mmの範囲内で、かつ単電池の直径の0.38〜28%に相当する大きさにすることが好ましい。このような構成にすることによって、送風口側と排気口側の温度差の単電池間でのばらつきをより低減することができるため、電池パックのハイレートサイクル特性をさらに向上することができる。
【0043】
(隙間G3)
縦2列目の単電池27〜212の隙間G3は、前述した図2に示すように、隙間G1と等しくしても良いが、異なっていても良い。隙間G3についての好ましい形態を図5を参照して説明する。縦2列目の端に位置する単電池のうち、少なくとも一方の端部の単電池(例えば、単電池27)は、一部が縦1列目から突出しているため、送風口から取り入れられた風が直接当る面積が多い。このため、2列目の他の単電池に比較して過冷却になる。よって、他の単電池に比較して放電特性が悪いため、電池パックとしての充放電特性を悪化させる要因の一つになる可能性がある。
【0044】
縦2列目の単電池においては、下記(3)式を満足することが望ましい。
【0045】
0.2G1≦G3*≦0.8G1 (3)
ここで、G3*は、縦2列目の単電池のうち少なくとも一方の端の単電池(例えば、単電池27)と、その隣の単電池(例えば、単電池28)との隙間の大きさ(mm)である。
【0046】
この時、縦2列目の他の単電池(例えば、単電池28〜212)の隙間G3については、G1と等しくすることが望ましい。このような構成にすることによって、縦2列目の単電池のうち縦1列目から突出した単電池に風が直接当たる面積を少なくすることができるため、過冷却を緩和することができ、電池パックのサイクル特性をさらに向上することができる。
【0047】
G3*は、下記(4)式を満足することが更に望ましい。
【0048】
0.2G1≦G3*≦0.5G1 (4)
なお、図5では、隙間G3と隙間G3*についての説明を明瞭にするため、送風口形成領域、隙間G2、最短距離d1、d2についての表示を省略したが、図5に示す電池パックは、前述した図2に示す電池パックと同様な構成を有するものである。
【0049】
(均熱板)
縦1列目の単電池21〜26と縦2列目の単電池27〜212との間に、通気孔を備えた均熱板を配置することが望ましい。この際、均熱板は、縦1列目の単電池21〜26と、縦2列目の単電池27〜212の双方に接触させることが好ましい。このような構成にすることによって、送風口側と排気口側との温度差の縦2列目の単電池27〜212間でのばらつきを小さくすることができるため、電池パックのハイレートサイクル特性をさらに向上させることができる。また、縦一列目の単電池と縦二列目の単電池の間に均熱板を介装させることにより、均熱板がない場合に比較して単電池の振動を大幅に抑制することができる。振動を抑制することにより、電極からの活物質の剥離・脱離を防ぐことができる。
【0050】
均熱板は、例えば、金属から形成することができる。均熱板の質量が大きい方が単電池の振動を抑制する効果が大きい。しかしながら、あまり質量が大きくなると電池パックの重量が重くなるため好ましくない。中でも、アルミニウムは、密度がおよそ2.7g/m3であるため、縦二列目の単電池の冷却と単電池の振動の抑制と電池パックの軽量化とを両立することができ、好ましい。
【0051】
均熱板には、平板を使用しても良いが、波板形状にすることが望ましい。波板形状の均熱板を使用した一例を図6,7に示す。すなわち、縦1列目の単電池21〜26と縦2列目の単電池27〜212との間に、単電池の外周形状に沿った波板形状を有する均熱板31が配置されている。この均熱板31には、通気孔として矩形のスリット32が縦に2つ形成され、これが横に3列並べられている。
【0052】
また、前述した図6,7に示すように均熱板に通気口を開口する代わりに、2枚以上の均熱板を用い、これら均熱板の隙間を通気口として利用することも可能である。この一例を図8に示す。
【0053】
この均熱板は、上部均熱板33と、下部均熱板34とを備える。縦1列目の単電池21〜26の上部と縦2列目の単電池27〜212の上部との間には、単電池の外周形状に沿った波板形状を持つ上部均熱板33が配置されている。一方、縦1列目の単電池21〜26の下部と縦2列目の単電池27〜212の下部との間には、単電池の外周形状に沿った波板形状を持つ下部均熱板34が配置されている。上部均熱板33と下部均熱板34との間には、隙間が設けられており、この隙間が通気口として機能する。
【0054】
(外装ケース)
外装ケースは、例えば、プラスチック、金属、熱可塑性樹脂フィルムから形成することができる。また、射出成形のような樹脂モールド加工により外装ケースを形成することができる。
【0055】
(送風口と排気口)
送風口の開口部の総面積は、外装ケースの第1の面の10〜80%に相当する大きさであることが望ましい。送風口の開口部の総面積を外装ケースの第1の面の10%よりも小さくすると、二次電池の冷却が不十分となって電池パックのハイレートサイクル特性を向上させることが困難になる恐れがある。一方、送風口の開口部の総面積が第1の面の80%よりも大きくなると、複数電池の一体化が難しくなるだけでなく、電極や電極同士を結ぶ接続端子に接触する感電や短絡の危険性があるため好ましくない。送風口の総面積のさらに好ましい範囲は、第1の面の15〜80%、最も好ましい範囲は20〜80%である。個々の送風口の開口部の面積は、互いに等しくても、あるいは異なっていても良い。
【0056】
排気口の開口部の総面積は、送風口の場合と同様な理由により、外装ケースの第2の面の少なくとも10〜80%に相当する大きさであることが望ましい。排気口の総面積のさらに好ましい範囲は、第2の面の15〜80%、最も好ましい範囲は20〜80%である。個々の排気口の開口部の面積は、互いに等しくても、あるいは異なっていても良い。
【0057】
前述した図1では、送風口と排気口の形状を矩形にしたが、送風口および排気口の形状は、矩形に限らず、単電池の冷却を十分に行うことが可能であればどのような形状であっても良い。例えば、円形、楕円、三角などを挙げることができる。また、送風口の開口部の形状は、同じ形に揃えても、あるいは異なる形状のものを組合わせても良い。排気口の形状についても、同様のことが言える。
【0058】
前述した図1では、外装ケースの長手方向に平行にスリット(横スリット)を形成したが、外装ケースの短手方向に平行にスリット(縦スリット)を形成しても構わない。
【0059】
前述した図1では、送風口及び排気口のスリットの数をそれぞれ36個としたが、スリットの数はこれに限らず、外装ケースの大きさ、単電池のサイズと本数、冷却速度、安全性等を考慮して最適なスリット数に設定することが望ましい。
【0060】
(内面に凹部が形成された外装ケース)
外装ケースの上板の内面に単電池の上端部が収納される第1の凹部を形成し、かつ底板の内面に単電池の下端部が収納される第2の凹部を形成することが望ましい。このような外装ケースは、下記(5)式を満足することが望ましい。
【0061】
d<D (5)
但し、dは、前記第1の凹部の深さ(mm)であり、Dは、前記第2の凹部の深さ(mm)である。
【0062】
前述した(5)式を満足する外装ケースによれば、第2の凹部の深さDが第1の凹部の深さdに比べて深いため、単電池の下端部に当る風量を上端部に比較して少なくすることができる。その結果、単電池の下端部はあまり冷却されず、単電池の下端部の温度を上端部の温度よりも高くすることができるため、非水電解液の対流がより起き易くなる。このため、Li金属のデンドライトの生成と成長を抑制できる結果、電池パックのハイレートサイクル特性をさらに向上することができる。
【0063】
前述した(5)式を満足する外装ケースの一例を図9〜図11に示す。図9は、外装ケースの収納部の一例を示す斜視図で、図10は、外装ケースの蓋体の一例を示す斜視図で、図11は、図9及び図10に示す外装ケースを備える電池パックに冷却風を当てた状態を模式的に示す斜視図である。なお、前述した図1〜図2と同様な部材については同符号を付して説明を省略する。
【0064】
図9に示すように、長箱型の収納部71の第1の面3aには、矩形のスリット4が送風口として形成されている。一方、第2の面3bには、矩形のスリット5が排気口として形成されている。収納部71の底部内面には、単電池21〜212の負極端子部または正極端子部が収納される第2の円形凹部72aが形成されている。第2の円形凹部72aの間には、単電池間を接続しているリードを収納するための溝部72bが形成されている。
【0065】
一方、図10に示すように、収納部71の開口部に配置される蓋板73の内面には、単電池21〜212の正極端子部または負極端子部が収納される第1の円形凹部74aが形成されている。第1の凹部74aの間には、単電池間を接続しているリードを収納するための溝部74bが形成されている。蓋板73と収納部71は、例えば、ネジやスナップ留めなどにより一体化される。また、第1の凹部74aの深さdと第2の円形凹部72aの深さDは、前述した(5)式を満足する。
【0066】
図11に示すように、単電池の長手方向と直交する方向から風を電池パックに当てると、前述した図1で説明した場合と同様に単電池の送風口側と排気口側とで温度差を生じるため、非水電解液の対流が起きる。単電池の直径方向におけるセル内部の温度分布の一例を図12に示す。図12から、単電池の送風口側の外周面の温度が、セル内部よりも低くなっていることを理解することができる。また、第2の凹部72a内に収納された単電池の端子部には、風がほとんど当らないため、冷却度を小さくすることができる。したがって、図13に示すように収納部71の底部の凹部72aに近くなるほどセル内部温度が高くなるため、図14に示すように、単電池2において矢印75で示す方向にも非水電解液を対流させることができる。その結果、非水電解液を絶えず流動させることができるため、リチウム金属のデンドライト析出のための核が生成し難く、たとえ核生成が生じても流動している電解液のなかに溶解してしまうのですぐに消滅する、あるいは非常に成長しにくい環境を形成することができる。よって、電池パックのハイレートサイクル特性をさらに向上することができる。
【0067】
また、第2の凹部72aと第1の凹部74aによって、単電池を外装ケース内に固定することができるため、電池パックが振動した場合に接続端子と電池セルの接続部に無理な力が加わるのを回避することができる。その結果、接続端子が電池セルから外れる故障が起き難くなる。
【0068】
なお、前述した図9〜図11では、収納部71の底部内面と蓋板73の内面の双方に凹部を形成する例を説明したが、収納部71の底部内面の第2の凹部72aの深さDを十分な大きさにすれば、蓋体73の内面に凹部を形成しなくても、単電池の固定と冷却を行うことが可能である。
【0069】
(送風口非形成の箇所を設けた外装ケース)
前述した図9〜図11に示すような凹部を形成しなくても、例えば図15に示すような外装ケースを用いて同様な効果が得られる。このためには、外装ケース1の第1の面3aの下端H0から外装ケースの高さ(H1)までを送風口非形成領域とすることが望ましい。送風口非形成領域の高さ(H1)は、外装ケースの高さの25%以下にすることが望ましい。このような構成にすることによって、単電池の下部側が冷却され難くなり、上部側ほど冷却度が高くなるため、前述した図13に示すような温度分布を形成することができる。その結果、前述した図14に示すような非水電解液の対流を生じさせることができるため、電池パックのハイレート特性をさらに向上することができる。送風口非形成領域のより好ましい高さ(H1)は、外装ケースの高さの20%以下の範囲内である。
【0070】
(通風口が形成された外装ケース)
外装ケースの上板か、底板もしくは上板と底板の両方に通風口を形成しても良い。これにより、単電池の端部の冷却度を大きくすることができる。その結果、前述した図14に示すような非水電解液の対流を生じさせることができるため、電池パックのハイレート特性をさらに向上することができる。このような外装ケースの一例を図16に示す。
【0071】
図16に示すように、外装ケース1の上面に第1の通風口として矩形のスリット76aを形成し、底面に第2の通風口として矩形のスリット76b(図示しない)を形成することによって、上面側に近い電池セル21〜212の部分はそれぞれよく冷却されるが、底面に近い電池セル21〜212の部分では風が電池パックを通過する際に温まっているために冷却度が小さくなる。したがって、図17に示すように、外装ケースの上面側に近いセル部分の温度が低く、かつ外装ケースの底面側に近いセル部分の温度が高い温度分布が形成される。その結果、図18に示すように、単電池2中の非水電解液を矢印77の方向にも対流させることができる。したがって、非水電解液が絶えず流動しているため、リチウム金属のデンドライト析出のための核が生成し難く、たとえ核生成が生じても流動している電解液のなかに溶解してしまうのですぐに消滅する、あるいは非常に成長しにくい環境を形成することができる。よって、電池パックのハイレートサイクル特性をさらに向上することができる。
【0072】
(複合材料からなる外装ケース)
外装ケースの胴部、すなわち、縦1列目〜縦N列目の二次電池の外周面と対向する第3の面と、この第3の面の反対側に位置する第4の面と、前記第1の面と、前記第2の面とを、それぞれ、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金、鉄、鉄合金及びステンレス鋼よりなる群から選択される少なくとも1種類の金属から形成することによって、外装ケースの胴部の熱伝導率を高くすることができるため、単電池の中央部分を十分に冷却することができ、単電池の上端部と下端部の温度を中央部分よりも高くすることができる。その結果、非水電解液をセルの長手方向にも対流させることができるため、電池パックのハイレートサイクル特性をさらに向上することができる。また、セル間の温度分布の均一性を向上させることができるため、セル間の特性の均一性も向上する。
【0073】
この外装ケースの上板と底板を樹脂から形成すると、単電池の上、下端部と中央部分との温度差を十分に大きくすることができるため、電池パックのハイレートサイクル特性をさらに向上することができる。
【0074】
上述したような複合材料から形成された外装ケースを備える電池パックの一例を図19に示す。外装ケースの胴部、すなわち、第1の面78aと、第2の面78bと、縦1〜2列目の単電池の外周面と対向する第3の面78cと、縦1〜2列目の単電池の外周面と対向する第4の面78dとは、それぞれ、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金、鉄、鉄合金及びステンレス鋼よりなる群から選択される少なくとも1種類の金属から形成されている。一方、底板79と、蓋板80は、それぞれ、樹脂から形成されている。
【0075】
(波形加工が施されている外装ケース)
外装ケースのうち少なくとも第1の面が波形の面であることが好ましい。この場合、第1の面全体が波形でも、電池と接する内側の面のみが波形でもいずれの場合でも構わない。これにより、第1の面の内面に縦1列目の単電池を固定することができるため、単電池の送風口側の面を十分に冷却することができる。また、第2の面の少なくとも内面も波形面にすると、第2の面の内面に縦N列目の単電池を固定することができるため、単電池の冷却効率をさらに高くすることができる。波形加工の施された外装ケースの一例を図20、図21に示す。なお、前述した図1で説明したのと同様な部材については、同符号を付して説明を省略する。図20は、第1の面3aと第2の面3bそれぞれの面全体が波形面である例である。この波形面では、波の進行方向が外装ケースの長手方向に平行である。縦1列目の単電池21〜26は、第1の面3aの波形の凹部にそれぞれ固定されている。また、縦2列目の単電池27〜212は、第2の面3bの波形の凹部にそれぞれ固定されている。一方、図21は、第1の面3aのうち電池と接する内側の面と第2の面3bのうち電池と接する内側の面それぞれが波形面である例である。縦1列目の単電池21〜26は、第1の面3aの内面の波形の凹部にそれぞれ固定されている。また、縦2列目の単電池27〜212は、第2の面3bの内面の波形の凹部にそれぞれ固定されている。
【0076】
なお、前述した図20,図21では、単電池の長手方向を重力方向に平行して単電池を外装ケース内に収納した例を説明したが、単電池の長手方向を重力方向に直交させて単電池を外装ケース内に収納する場合、波形面の波の進行方向を外装ケースの高さ方向に平行にすることが望ましい。
【0077】
(制振材料で被覆された外装ケース)
外装ケースの表面及び内面のうちの少なくとも一部を、振動を減衰させる制振材料で被覆することが望ましい。これにより、単電池の容量低下を抑制することが可能になる。制振材料としては、例えば、ウレタンゴム、天然ゴム、ゲル状シリコン等を挙げることができる。
【0078】
すなわち、正極及び負極は、それぞれ、金属箔のような集電体に電極合剤を担持させたものから実質的になる。電極合剤は、これに含まれる結着剤で集電体に接着されている。しかしながら、単電池に大きな衝撃が加わったり、あるいは小さな振動が長時間に亘って加わると、電極合剤が集電体から剥離するため、単電池容量が低下する。外装ケースの表面及び内面のうちの少なくとも一部を、振動を減衰させる制振材料で被覆することによって、単電池に加わる振動を軽減することができるため、単電池容量の低下を抑えることができる。制振材料が用いられた外装ケースの一例を図22〜図26に示す。図22は、外装ケース1の上面、底面及び第3,第4の面を振動吸収材81で被覆した例である。図23は、外装ケース1の第3,第4の面それぞれを振動吸収材82a,82bで被覆した例である。図24は、外装ケース1の8つのコーナそれぞれを振動吸収材83a,83b,83c(図示しない),83d,83e,83f,83g,83hで被覆した例である。図25は、外装ケース1の短辺方向の角部を内側から振動吸収材84で被覆した例である。図26は外装ケース1の上部内面と底部内面それぞれを振動吸収材85a,85bで被覆した例である。
【0079】
(温度分布)
縦1列目の単電池21〜26は、それぞれ、温度差が2〜10である温度分布を有することが望ましい。温度差を2より小さくすると、非水電解液の対流が起こり難くなる。この場合、最初は電極全体で充放電が行われるが、縦長の円筒形リチウムイオン二次電池では缶の中央部が電極の膨張により膨れるため、電解液が電極の中央部に偏在しやすく、充放電反応が電極の中央部に集中するようになり、充放電サイクル寿命が短くなる恐れがある。一方、温度差が10より大きいと、温度が高い部分での放電が優先的に生じるため、温度が高い部分から過剰にLiイオンが抜ける結果、負極は局部的に過放電状態となりやすい。その結果、集電体の銅(Cu)が溶解析出してCuのデンドライトを形成し、これがセパレータを貫通して正極に達することにより内部短絡を引き起こす恐れがある。温度差のより好ましい範囲は、2〜7であり、さらに好ましい範囲は3〜7である。
【0080】
縦1列目の単電池が温度差が2〜10の温度分布を持っている電池パックによれば、非水電解液の対流速度の単電池間でのばらつきを小さくすることができるため、単電池毎の性能ばらつきを少なくすることができ、電池パックのハイレートサイクル特性をさらに向上することができる。電池パックのハイレートサイクル特性をより高くする観点から、縦2列目の単電池についても、温度差が2〜10の温度分布を持っていることが望ましい。特に、電池パックを構成する全ての単電池が、温度差が2〜10の温度分布を持っていることがより望ましい。
【0081】
単電池の温度分布の測定方法について説明する。
【0082】
単電池21〜26それぞれについて、図4及び図27に示すように、正極端子19の鍔部の下面からXmmの地点に第1の上部熱電対61を固定し、第1の上部熱電対61から120°離れた位置に第2の上部熱電対62を固定する。さらに、第2の上部熱電対62から120°離れた位置に第3の上部熱電対63を固定する。また、前述した図4に示すように、容器11の底面からYmm離れ、かつ第1の上部熱電対と同角度の地点に第1の下部熱電対を固定する。この第1の下部熱電対から120°離れた地点に第2の下部熱電対を固定し、さらに240°離れた地点に第3の下部熱電対を固定する。一方、前述した図4に示すように、各単電池の総高さHの半分の位置(H/2)で、かつ第1の上部熱電対と同角度の地点に中間熱電対を固定する。この第1の中間熱電対から120°離れた地点に第2の中間熱電対を固定し、さらに240°離れた地点に第3の中間熱電対を固定する。距離Xと距離Yは、電池パックの大きさに応じて変更することが望ましい。充電式掃除機及び電動アシスト自転車に用いられる電池パックにおいては、距離Xと距離Yは、5mmに設定することが望ましい。一方、電気自動車及びハイブリッドカーに用いられる電池パックにおいては、距離Xと距離Yは、10mmに設定することが望ましい。なお、熱電対には、例えばKタイプの熱電対を使用することができる。
【0083】
各単電池21〜26に設けられた9箇所の熱電対の温度を測定し、そのうちの任意の一つを基準熱電対とし、これ以外の8つの熱電対それぞれについて基準熱電対との温度差を求める。得られた8つの温度差データが2〜10の範囲内にある時、単電池が温度差が2〜10の温度分布を持っているとする。
【0084】
(組電池のサイズ)
組電池の大きさは、用途や仕様により異なる。例えば容量が1.6Ahで18650サイズの単電池を使用した場合、入力160Wのコードレスクリーナでは、単電池を2つ並列に接続したものを1単位とし、これを6単位直列に接続するため、組電池の大きさは幅135mm×高さ65mm×奥行き33mmとなる。さらにパワーをあげて入力300Wとすると、単電池を2つ並列に接続したものを1単位とし、これを10単位直列に接続するため、組電池の大きさはおおよそ幅225mm×高さ65mm×奥行き33mmである。よって、充電式掃除機に電池パックを使用する場合、組電池の大きさ(占有体積)は、長辺方向の幅が135mm〜250mmの範囲内で、短辺方向の幅が33mm〜50mmの範囲内で、かつ高さが65mm〜130mmの範囲内であることが望ましい。
【0085】
また、定格出力235Wの直流モータを使用した電動アシスト自転車では、単電池を3つ並列に接続したものを1単位とし、これを7単位直列に接続した組電池を用いる場合、組電池のサイズはおおよそ幅175mm×高さ65mm×奥行き50mmである。よって、電動アシスト自転車に電池パックを使用する場合、組電池の大きさ(占有体積)は、長辺方向の幅が175mm〜350mmの範囲内で、短辺方向の幅が33mm〜50mmの範囲内で、かつ高さが65mm〜130mmの範囲内であることが望ましい。
【0086】
さらに、例えば30kWのモータを用いたハイブリッドカーでは、直径35mm、長さ200mmで電池容量14Ahの単電池を5つ並列に接続したものを1単位とし、これを96単位直列に接続した組電池を使用する場合、組電池のおおよそのサイズは600mm×700mm×280mmとなる。よって、電気自動車及びハイブリッドタイプの自動車に電池パックを搭載する場合、組電池の大きさ(占有体積)は、長辺方向の幅が600mm〜700mmの範囲内で、短辺方向の幅が280mm〜400mmの範囲内で、かつ高さが700mm〜800mmの範囲内であることが望ましい。
【0087】
(単電池の外周面と第1の面との最短距離d1、d2
充電式掃除機及び電動アシスト自転車に用いられる電池パックにおいては、縦一列目の単電池21〜26の外周面と第1の面3aとの最短距離(d1)を0〜5mmの範囲内にし、かつ縦二列目の単電池27〜212の外周面と第1の面3aとの最短距離(d2)を17mm〜23mmの範囲内にすることが望ましい。これは、最短距離(d1)が5mmを超えたり、あるいは最短距離(d2)が17mm〜23mmの範囲から外れると、単電池の送風口側の冷却が不十分になるため、単電池内に十分な温度差を設けることができず、高いハイレートサイクル特性を得られない恐れがあるからである。
【0088】
電気自動車及びハイブリッドカーに用いられる電池パックにおいては、縦一列目の単電池21〜26の外周面と第1の面3aとの最短距離(d1)を0〜5mmの範囲内にし、かつ縦二列目の単電池27〜212の外周面と第1の面3aとの最短距離(d2)を32mm〜40mmの範囲内にすることが望ましい。これは、最短距離(d1)が5mmを超えたり、あるいは最短距離(d2)が32mm〜40mmの範囲から外れると、単電池の送風口側の冷却が不十分になるため、単電池内に十分な温度差を設けることができず、高いハイレートサイクル特性を得られない恐れがあるからである。
【0089】
前述した図1〜図27では、単電池の配列が、縦に2列、横に6列の例を説明したが、縦の列は3列以上にすることができる。例えば3列の場合、縦3列目の単電池は、互いに隙間を設けて並べ、かつ縦2列目から離し、さらに単電池それぞれの外周面のうち第1の面との距離が最短になる領域(外周面のうち最も突き出ている部分)を、縦2列目の単電池間の隙間に位置させることが望ましい。また、横の列数については、縦の列数よりも多ければ、いくつであっても構わない。
【0090】
なお、前述した図1においては、二次電池を軸方向(高さ方向)に積み上げていない例を説明したが、本発明に係る電池パックは、二次電池を軸方向(高さ方向)に積み上げることを許容する。この一例を図28に示す。
【0091】
矩形の外装ケース1内には、例えば8本の円筒形リチウムイオン二次電池(単電池)62が縦置きの状態で収納されている。このリチウムイオン二次電池(単電池)を2個並列に接続したものを1単位とし、これを4単位直列に接続したものからなる組電池である。この組電池を軸方向(上面)から見た二次元的な電池配列は、縦2列(N列)×横2列(M列)である。また、この組電池においては、二次電池が軸方向(高さ方向)に積み上げられており、軸方向(高さ方向)の段数が2段の例である。
【0092】
外装ケース1の長手方向側の2つの側面のうち、縦一列目の全ての単電池2の外周面と対向している側面を第1の面3aとし、この第1の面3aの反対側に位置する側面を第2の面3bとする。第1の面3aには、送風口として、縦長のスリット64が横に6個形成され、これが縦に2列形成されている。一方、第2の面3bには、排気口として、縦長のスリットが横に6個形成され、これが縦に2列形成されている(図示せず)。
【0093】
縦一列目の単電池62は、それぞれ、外周面のうち第1の面3aと距離が最短になる領域(d1)が、送風口64と対向している。
【0094】
一方、縦二列目の単電池62は、それぞれ、外周面のうち第1の面3aとの距離が最短になる領域(d2)が、縦一列目に存在する隙間を挟んで送風口64と対向している。ここで、縦一列目に存在する隙間とは、単電池62の間に存在する隙間と、列の端に位置する単電池とケース内面との隙間とを意味する。
【0095】
単電池内の温度分布を測定するための熱電対は、前述した図1において説明したのと同様に設置されることが望ましい。特に、前述した温度分布形成の項目で説明したのと同様な配置に設置することが望ましい。図が煩雑になるため、図28には熱電対を書いてはいない。
【0096】
外装ケース1の蓋板3cの内面には、単電池62の上端部が収納される第1の円形凹部65が形成されている。また、外装ケース1の底面3dの内面には、単電池62の下端部が収納される第2の円形凹部66が形成されている。第1の凹部65と第2の凹部66は、前述した(5)式を満足する。
【0097】
d<D (5)
但し、dは、前記第1の凹部65の深さ(mm)であり、Dは、前記第2の凹部66の深さ(mm)である。
【0098】
また、環状の支持部材67は、高さ1列目の単電池62の上端部と高さ2列目の単電池62の下端部とに跨って形成されている。これにより、高さ1列目の単電池に高さ2列目の単電池が固定される。環状の支持部材67による被覆率を、高さ1列目の単電池62の上端部よりも、高さ2列目の単電池62の下端部の方を多くすることが望ましい。前述した(5)式を満足すると共に、高さ2列目の単電池の下端部に支持部材67を多く被せると、図28に示すように単電池の長手方向と重力方向を一致させ、かつ単電池の長手方向と直交する方向から風を単電池に当てる場合に、単電池の下端部の温度を単電池の上端部に比較して高くすることができるため、前述した図14に示すような非水電解液の対流を生じさせることができる。
【0099】
環状の支持部材67は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等から形成することができる。また、支持部材67の厚さは、0.5〜1mm程度にすることができる。
【0100】
(充電式掃除機)
以下に、本発明に係る充電式掃除機について説明する。
【0101】
充電式掃除機は、掃除機の筐体内に電池パックを収容し、掃除機の駆動中は、使用後に充電するものである。本発明に係る充電式掃除機は、モータと、前述した本発明に係る電池パックとを備えるものである。電池パックは、モータの吸気あるいは排気の経路内に、吸気あるいは排気が外装ケースの送風口からケース内に取り入れられるように配置することが望ましい。
【0102】
本発明に係る充電式掃除機の一例を図29〜図31を参照して説明する。図29は、本発明に係る充電式掃除機の一例の概略構成を示す模式図で、図30は、本発明に係る充電式電気掃除機の一例の概略構成を示す部分断面図で、図31は、図30の掃除機本体のA−A線に沿う断面図である。
【0103】
掃除機本体40は、置き台兼用の充電器41に載置されている。掃除機本体40の底面には、前輪42と、1対の後輪43とが設けられている。掃除機本体40は、ホース44と、ケーシング45と、集塵収納部としてのダストカップ46と、ホース44から塵や埃等のゴミをダストカップ46に吸引するための吸気を行う駆動手段とを具備する。ダストカップ46と駆動手段は、ケーシング45内に収納されている。駆動手段は、吸引機としてのファン47と、ファン47を駆動するためのモータ48とを備える。吸引ダクト49は、一端がホース44の出口に接続され、かつ他端がダストカップ46の入口46aに接続されている。吸気ダクト50は、ダストカップ46とファン47の間に介装されている。第1のフィルタ51は、ダストカップ46の出口に配置され、第2のフィルタ52は、吸気ダクト50内に配置され、さらに第3のフィルタ53は、吸気ダクト50とファン47の間に配置されている。
【0104】
ファン47からの排気の通路となる排気ダクト54内に、電池パック55が、ケースの第1面の送風口からケース内に排気が取り込まれるように配置されている。ファン47からの排気を外部に放出するための排気口56は、ケーシング45の両側面に開口されている。
【0105】
この掃除機本体40の使用中の動作について説明する。
【0106】
電池パック55を放電させてモータ48を駆動し、ファン47の羽根車を回転させると、ホース44から空気と共に塵や埃等のゴミが吸引される。吸引された空気とゴミは、吸引ダクト49を通過して入口46aからゴミパック46内に入り、大部分のゴミはゴミパック46に捕集される。ゴミパック46により捕集できなかったサブミクロンサイズのゴミは、ゴミパック46を通過する空気に含まれる。この空気は、第1のフィルタ51、第2のフィルタ52、吸気ダクト50及び第3のフィルタ53を通過した後、ファン47の外部に排出され、排気ダクト54を通過する。
【0107】
電池パック55の単電池は、放電により発熱するが、排気ダクト54内を通過する排気が外装ケースの第1の面の送風口から取り込まれるため、この排気によって縦1、2列目の単電池の送風口側を冷却することができる。その結果、単電池それぞれについて、送風口側と排気口側との間に十分な温度差を設けることができるため、リチウムデンドライトの析出を抑制することができ、ハイレートサイクル特性を向上することができる。
【0108】
なお、前述した図29〜図31では、排気経路としての排気ダクト54内に電池パック55を配置した例を説明したが、吸気経路である吸気ダクト50内に電池パック55を配置し、モータへの吸気を、外装ケースの送風口から取り入れて冷却しても良い。
【0109】
(ハイブリッドタイプの自動車・電気自動車)
本発明に係る電池パックは、ハイブリッドタイプの自動車および電気自動車に搭載することができる。図32は、内燃機関と電池駆動モータとを組合わせて走行駆動源としたハイブリッドタイプの自動車を示している。このハイブリッドタイプの自動車は、内燃機関を最適条件で稼動させ、走行条件によって出力不足が生じる時、その出力不足を電池駆動モータの出力で補い、また減速時に回生電力吸収を行うことによって、通常の内燃機関単独走行の自動車に比較して、単位燃料当りの走行距離を飛躍的に増大させたものである。電池駆動モータの電力源には、本発明に係る電池パック91が用いられている。この電池パック91は、後部座席92の後方に位置するトランクルーム93内に配置されている。
【0110】
【実施例】
以下、本発明の実施例を前述した図面を参照して詳細に説明する。
【0111】
(実施例1)
18650サイズで、直径が18mmで、長さが65mmで、容量が1.5Ahの円筒形リチウムイオン二次電池21〜212を12個用意した。このリチウムイオン二次電池を2個並列にNiタブの抵抗溶接により接続したものを1単位とし、これを6単位直列にNiタブにより接続し、組電池にした。電池配列は、縦2列×横6列とした。なお、Niタブによる接続は、12本の単電池が互いに隙間を設けた状態で配置されるように行った。得られた組電池の寸法は、幅(長辺方向の幅)が135mmで、奥行き(短辺方向の幅)が33mmで、高さが65mmであった。
【0112】
この組電池の周囲に、エポキシ樹脂の射出成形によって外装ケース1を形成することで、組電池を外装ケース1内に収納し、前述した図1及び図2に示す構造を有し、寸法が140mm×70mm×38mmの電池パックを作製した。
【0113】
外装ケース1の長手方向側の2つの側面のうち、第1の面3aには、縦が2mmで、横が35mmの長方形の横スリット4を等間隔で縦に12個並べ、これを横に3列並べ、合計36個の送風口を形成した。一方、第2の面3bには、縦が2mmで、横が35mmの長方形の横スリット5を等間隔で縦に12個並べ、これを横に3列並べ、合計36個の排気口を形成した。送風口の総面積の第1の面に対する割合と、排気口の総面積の第2の面に対する割合は、それぞれ、27%であった。
【0114】
ここで、外装ケース1内の単電池21〜212の配置について詳しく説明する。
【0115】
前述したように単電池は、縦に2列並んでいるが、外装ケース1の第1の面3aと対向する方の列を縦1列目とする。縦1列目の単電池21〜26は、それぞれ、外周面のうち第1の面3aとの距離が最も短い領域(d1)が、送風口4と対向している。縦1列目の単電池21〜26の間の隙間G1は、0.5mmに設定され、電池直径に対して2.8%に相当する大きさである。なお、最短距離d1は、2mmであった。
【0116】
一方、縦2列目の単電池27〜212は、それぞれ、外周面のうち第1の面3aとの距離が最短になる領域(d2)が、縦1列目に存在する隙間を挟んで送風口4と対向している。なお、最短距離d2は、2mmであった。縦1列目の単電池21〜26と縦2列目の単電池27〜212との隙間G2は、1.0×G1に相当する大きさに設定されている。ここで、縦1列目に存在する隙間とは、単電池間の隙間と、単電池21と外装ケース1の間の隙間と、単電池26と外装ケース1の間の隙間とを意味する。
【0117】
縦2列目の端の単電池27とその隣の単電池28との隙間の大きさG3*と、縦2列目の単電池28〜212の隙間G3は、隙間G1とそれぞれ等しい。
【0118】
(実施例2〜8)
縦1列目の単電池間の隙間G1か、あるいは縦1列目の単電池と縦2列目の単電池との隙間G2を、下記表1に示すように変更すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0119】
(実施例9)
縦1列目の単電池21〜26と縦2列目の単電池27〜212との間に均熱板を介在させること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0120】
なお、均熱板としては、前述した図6及び図7に示すような、単電池の外周形状に沿った波板形状のものを用意した。均熱板の材質は、アルミニウムで、縦が60mmで、横が119mmで、板厚は1.0mmとした。均熱板には、縦が10mmで、横が25mmの長方形の横スリットを10mm間隔で縦に2個並べ、これを横に3列並べ、通気口とした。
【0121】
(実施例10)
26650サイズで、直径が26mmで、長さが65mmで、容量が3.0Ahの円筒形リチウムイオン二次電池を6本用意した。このリチウムイオン二次電池を6本直列にリードにより接続し、組電池にした。電池配列は、縦2列×横3列とした。なお、リードによる接続は、6本の単電池が互いに隙間を設けた状態で配置されるように行った。得られた組電池の寸法は、幅(長辺方向の幅)が95mmで、奥行き(短辺方向の幅)が50mmで、高さが65mmであった。
【0122】
この組電池の周囲に、エポキシ樹脂の射出成形によって外装ケースを形成することで、組電池を外装ケース内に収納し、寸法が110mm×70mm×56mmの電池パックを作製した。
【0123】
外装ケースの長手方向側の2つの側面のうち、第1の面には、縦が3mmで、横が30mmの長方形の横スリットを等間隔で縦に12個並べ、これを横に3列並べ、合計36個の送風口を形成した。一方、第2の面には、縦が3mmで、横が30mmの長方形の横スリットを等間隔で縦に12個並べ、これを横に3列並べ、合計36個の排気口を形成した。送風口の総面積の第1の面に対する割合と、排気口の総面積の第2の面に対する割合は、それぞれ、42%であった。
【0124】
ここで、外装ケース内の単電池の配置について詳しく説明する。
【0125】
前述したように単電池は、縦に2列並んでいるが、外装ケースの第1の面と対向する方の列を縦1列目とする。縦1列目の単電池は、それぞれ、外周面のうち第1の面との距離が最短になる領域が、送風口と対向している。縦1列目の単電池の間の隙間G1は、1mmに設定され、電池直径に対して3.8%に相当する大きさである。なお、最短距離d1は、2mmであった。
【0126】
一方、縦2列目の単電池は、それぞれ、外周面のうち第1の面との距離が最短になる領域が、縦1列目に存在する隙間を挟んで送風口と対向している。なお、最短距離d2は、2mmであった。縦1列目の単電池と縦2列目の単電池との隙間G2は、1×G1に相当する大きさに設定されている。ここで、縦1列目に存在する隙間とは、単電池間の隙間と、単電池と外装ケースの間の隙間を意味する。
【0127】
(比較例1)
単電池の間に隙間を設けずに接触させると共に、縦1列目の単電池と縦2列目の単電池との間に均熱板を介在させること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。但し、均熱板としては、前述した実施例9で説明したのと同様なものを使用した。
【0128】
得られた実施例1〜10及び比較例1の電池パックについて、以下に説明する条件で充放電を200回繰り返し、電池容量を測定した。充電は、定電流定電圧方式で電流2Aで電圧24.9Vまで2時間で行った。放電は、外装ケースの第1の面に風速1m/sの風を当てることにより冷却しながら、10Aの定電流を終止電圧18Vまで流した。初期容量を100%とした際の200回使用後の電池容量をハイレートサイクル特性として下記表1に示す。また、放電時、単電池の送風口側の表面と排気口側の表面との温度差をKタイプの熱電対6により測定し、最大温度差の分布(最大温度差の最小値と最大値で規制される範囲)を下記表1に示す。
【0129】
【表1】
Figure 0003782393
【0130】
表1から明らかなように、実施例1〜10の電池パックは、比較例1の電池パックに比較してハイレート放電特性に優れていることがわかる。
【0131】
これに対し、比較例1の電池パックは、16回目の充電時に内部短絡を生じ、内圧が異常上昇したために電流遮断装置が作動した。電池を分解して負極電極表面を観察したところ、多量のデンドライトが生成していた。
【0132】
(比較例2)
円筒形リチウムイオン二次電池の代わりに、4/3Aサイズで、直径が17.2mmで、容量が2.9Ahの円筒形ニッケル水素二次電池を使用し、16本直列(縦2列×横8列)に接続すること以外は、前述した比較例1で説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0133】
(比較例3)
円筒形リチウムイオン二次電池の代わりに、前述した比較例2で説明したのと同様な種類の円筒形ニッケル水素二次電池を使用すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0134】
比較例2及び3の電池パックについて、以下に説明する条件で充放電を200回繰り返し、電池容量を測定した。
【0135】
充電は、定電流方式で電流2Aで2時間で行った。ただし、2時間以内に満充電になり、セル温度が所定の温度に達した場合は充電を停止した。放電は、外装ケースの第1の面に風速1m/sの風を当てることにより冷却しながら、10Aの定電流を終止電圧15Vまで流した。初期容量を100%とした際の200回使用後の電池容量を比較したところ、比較例2が36%で、比較例3が45%であった。この結果から、ニッケル水素二次電池の組電池パックにおいては、単電池の送風口側と排気口側とで温度差を設けても、サイクル寿命の十分な改善を望めないことがわかった。
【0136】
(実施例11)
縦2列目の端の単電池27とその隣の単電池28との隙間の大きさG3*を、0.8×G1にすること以外は、前述した実施例3と説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0137】
(実施例12)
縦2列目の端の単電池27とその隣の単電池28との隙間の大きさG3*を、0.5×G1にすること以外は、前述した実施例3と説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0138】
(実施例13)
縦2列目の単電池27とその隣の単電池28との隙間の大きさG3*を、0.1×G1にすること以外は、前述した実施例3と説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0139】
(比較例4)
縦2列目の単電池27とその隣の単電池28との隙間の大きさG3*を設けないこと以外は、前述した実施例3と説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0140】
実施例11〜13及び比較例4の電池パックについて、前述した実施例1で説明したのと同様にしてハイレートサイクル特性と最大温度差の分布を測定したところ、実施例11の電池パックについては、温度分布差は3〜5、200回使用後の電池容量は86%で、実施例12の電池パックについては、温度分布差は3〜4、200回使用後の電池容量は89%であった。
【0141】
これに対し、実施例13の電池パックは、温度分布差が4〜7、200回使用後の電池容量は78%で、比較例4の電池パックは、温度分布差が4〜11、200回使用後の電池容量は48%であった。
【0142】
次いで、実施例1の電池パックを、前述した図7〜図9に示すコードレスクリーナ用電源に使用した。電池パックは、放電時にファンモータの排気による風で冷却できるように排気ダクト54内に配置した。排気の風速は1m/sとした。
【0143】
経路の電池パックの充電は、定電流定電圧方式で電流2Aで電圧24.9Vまで2時間で行った。放電は、平均8.3Aの電流で終止電圧18Vまで行った。この充放電を200回繰り返して電池容量を測定したところ、200回使用後の電池容量は、初期容量の86%にあたることがわかった。
【0144】
(実施例14)
18650サイズで、直径が18mmで、長さが65mmで、容量が1.5Ahの円筒形リチウムイオン二次電池21〜212を12個用意した。このリチウムイオン二次電池を2個をNi接続端子を用いて抵抗溶接により並列接続したものを1単位とし、これを6単位直列にNi接続端子を用いて抵抗溶接により接続し、組電池にした。電池配列は、縦2列×横6列とした。なお、接続端子による抵抗溶接接続は、12本の単電池が互いに隙間を設けた状態で配置されるように行った。得られた組電池の寸法は、幅(長辺方向の幅)が135mmで、奥行き(短辺方向の幅)が33mmで、高さが65mmであった。
【0145】
この組電池の周囲に、エポキシ樹脂の射出成形によって前述した図9,10に示す構造の外装ケースを形成することで、組電池を外装ケース内に収納し、寸法が140mm×75mm×38mmの電池パックを作製した。
【0146】
外装ケースの収納部71の長手方向側の2つの側面のうち、第1の面3aには、縦が2mmで、横が35mmの長方形の横スリット4を第1の面3aの下端から5mmの位置から上端から5mmの位置までの間に等間隔で縦に10個並べ、これを横に3列並べ、合計30個の送風口を形成した。第1の面3aの下端から5mmの位置は、第1の面3aの下端から外装ケース高さの6.7%に相当する位置となるため、送風口非形成領域は、第1の面3aの下端から外装ケース高さの6.7%に相当する位置までである。
【0147】
一方、第2の面3bには、縦が2mmで、横が35mmの長方形の横スリット5を面3bの下端から5mmの位置から上端から5mmの位置までの間に等間隔で縦に10個並べ、これを横に3列並べ、合計30個の排気口を形成した。送風口の総面積の第1の面に対する割合と、排気口の総面積の第2の面に対する割合は、それぞれ、20%であった。
【0148】
外装ケースの収納部71の底部内面に形成された第2の円形凹部の深さDは7mmにした。一方、外装ケースの蓋板73の内面に形成された第1の円形凹部の深さdは2mmとした。よって、これら凹部の深さは、前述した(5)式の関係を満足する。
【0149】
ここで、外装ケース1内の単電池21〜212の配置について詳しく説明する。
【0150】
前述したように単電池は、縦に2列並んでいるが、外装ケース1の第1の面3aと対向する方の列を縦1列目とする。縦1列目の単電池21〜26は、それぞれ、外周面のうち第1の面3aとの距離が最も短い領域(d1)が、送風口4と対向している。最短距離d1は、2mmであった。縦1列目の単電池21〜26の間の隙間G1は、1mmに設定され、電池直径に対して2.8%に相当する大きさである。
【0151】
一方、縦2列目の単電池27〜212は、それぞれ、外周面のうち第1の面3aとの距離が最短になる領域(d2)が、縦1列目に存在する隙間を挟んで送風口4と対向している。最短距離d2は、2mmであった。縦1列目の単電池21〜26と縦2列目の単電池27〜212との隙間G2は、1mmに設定されている。ここで、縦1列目に存在する隙間とは、単電池間の隙間と、単電池21と外装ケース1の間の隙間と、単電池26と外装ケース1の間の隙間とを意味する。
【0152】
縦2列目の端の単電池27とその隣の単電池28との隙間の大きさG3*と、縦2列目の単電池28〜212の隙間G3は、1mmであった。
【0153】
(実施例15)
26650サイズで、直径が26mmで、長さが65mmで、容量が3.0Ahの円筒形リチウムイオン二次電池を6本用意した。このリチウムイオン二次電池を6本直列にNiタブの抵抗溶接により接続し、組電池にした。電池配列は、縦2列×横3列とした。なお、Niタブによる接続は、6本の単電池が互いに隙間を設けた状態で配置されるように行った。得られた組電池の寸法は、幅(長辺方向の幅)が95mmで、奥行き(短辺方向の幅)が50mmで、高さが65mmであった。
【0154】
この組電池の周囲に、エポキシ樹脂の射出成形によって外装ケースを形成することで、組電池を外装ケース内に収納し、寸法が110mm×75mm×56mmの電池パックを作製した。
【0155】
外装ケースの長手方向側の2つの側面のうち、第1の面には、面3aの下端から5mmの位置から上端から5mmの位置までの間に等間隔で縦が2mmで、横が30mmの長方形の横スリットを等間隔で縦に10個並べ、これを横に3列並べ、合計30個の送風口を形成した。一方、第2の面には、面3bの下端から5mmの位置から上端から5mmの位置までの間に等間隔で縦が2mmで、横が30mmの長方形の横スリットを等間隔で縦に10個並べ、これを横に3列並べ、合計30個の排気口を形成した。送風口の総面積の第1の面に対する割合と、排気口の総面積の第2の面に対する割合は、それぞれ、22%であった。
【0156】
外装ケースの収納部の底部内面に形成された第2の円形凹部の深さDは3mmにした。一方、外装ケースの蓋板の内面には凹部を形成しなかった。
【0157】
ここで、外装ケース内の単電池の配置について詳しく説明する。
【0158】
前述したように単電池は、縦に2列並んでいるが、外装ケースの第1の面と対向する方の列を縦1列目とする。縦1列目の単電池は、それぞれ、外周面のうち第1の面との距離が最短になる領域が、送風口と対向している。最短距離d1は、2mmであった。縦1列目の単電池の間の隙間G1は、1mmに設定され、電池直径に対して3.8%に相当する大きさである。
【0159】
一方、縦2列目の単電池は、それぞれ、外周面のうち第1の面との距離が最短になる領域が、縦1列目に存在する隙間を挟んで送風口と対向している。最短距離d2は、2mmであった。縦1列目の単電池と縦2列目の単電池との隙間G2は、1×G1に相当する大きさに設定されている。ここで、縦1列目に存在する隙間とは、単電池間の隙間と、単電池と外装ケースの間の隙間を意味する。
【0160】
縦2列目の端の単電池27とその隣の単電池28との隙間の大きさG3*と、縦2列目の単電池28〜212の隙間G3は、1mmであった。
【0161】
(実施例16)
容器を胴体と底蓋に分解できる構造とし、胴体のみをアルミニウムにしたこと以外は、前述した実施例14で説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0162】
(実施例17)
送風口と排気口の配置を下記に説明するように変更すること以外は、前述した実施例14で説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0163】
第1の面3aには、縦が2mmで、横が35mmの長方形の横スリット4を面3aの下端から10mmの位置から上端から5mmの位置までの間に等間隔で縦に10個並べ、これを横に3列並べ、合計30個の送風口を形成した。一方、第2の面3bには、縦が2mmで、横が35mmの長方形の横スリット5を面3bの下端から5mmの位置から上端から5mmの位置までの間に等間隔で縦に10個並べ、これを横に3列並べ、合計30個の排気口を形成した。
【0164】
第1の面3aの下端から10mmの位置は、第1の面3aの下端から外装ケース高さの13%に相当する位置となるため、送風口非形成領域は、第1の面3aの下端から外装ケース高さの13%に相当する位置までである。
【0165】
(実施例18)
送風口と排気口の配置を下記に説明するように変更すること以外は、前述した実施例14で説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0166】
第1の面3aには、縦が2mmで、横が35mmの長方形の横スリット4を面3aの下端から18.75mmの位置から上端から5mmの位置までの間に等間隔で縦に10個並べ、これを横に3列並べ、合計30個の送風口を形成した。一方、第2の面3bには、縦が2mmで、横が35mmの長方形の横スリット5を面3bの下端から5mmの位置から上端から5mmの位置までの間に等間隔で縦に10個並べ、これを横に3列並べ、合計30個の排気口を形成した。
【0167】
第1の面3aの下端から18.75mmの位置は、第1の面3aの下端から外装ケース高さの25%に相当する位置となるため、送風口非形成領域は、第1の面3aの下端から外装ケース高さの25%に相当する位置までである。
【0168】
(実施例19)
送風口と排気口の配置を下記に説明するように変更すること以外は、前述した実施例14で説明したのと同様な構成の電池パックを組み立てた。
【0169】
外装ケース1の長手方向側の2つの側面のうち、第1の面3aには、縦が2mmで、横が35mmの長方形の横スリット4を面3aの下端から35mmの位置から上端から5mmの位置までの間に等間隔で縦に5個並べ、これを横に3列並べ、合計15個の送風口を形成した。一方、第2の面3bには、縦が2mmで、横が35mmの長方形の横スリット5を面3bの下端から35mmの位置から上端から5mmの位置までの間に等間隔で縦に5個並べ、これを横に3列並べ、合計15個の排気口を形成した。
【0170】
第1の面3aの下端から35mmの位置は、第1の面3aの下端から外装ケース高さの47%に相当する位置となるため、送風口非形成領域は、第1の面3aの下端から外装ケース高さの47%に相当する位置までである。
【0171】
セルの長手方向が重力方向に一致するように実施例14〜19の電池パックを立てた。実施例14〜19の電池パックには、風を外装ケースの第1の面3aに垂直に当てた。第1の面3aのスリットに入る前の風速は、1m/sであった。
【0172】
得られた実施例14〜19及び実施例1の電池パックについて、以下に説明する条件で充放電を300回繰り返し、電池容量を測定した。充電は、定電流定電圧方式で電流2Aで電圧24.9Vまで2時間で行った。放電は、上述した条件で風を当てる冷却を行ないながら、8Aの定電流を終止電圧18Vまで流した。初期容量を100%とした際の300回使用後の電池容量をハイレートサイクル特性として下記表2に示す。また、電池パックを構成する単電池各々の温度分布を前述した温度分布形成の項目で説明したのと同様な方法で測定し、その結果を下記表2に併記する。なお、熱電対には、Kタイプの熱電対を使用した。
【0173】
【表2】
Figure 0003782393
【0174】
表2から明らかなように、実施例14〜19の電池パックは、実施例1の電池パックに比較してハイレート放電特性に優れていることがわかる。
【0175】
(実施例20)
実施例14の電池パックを、前述した図29〜図31に示すコードレスクリーナ用電源に使用した。電池パックは、放電時にファンモータの排気による風で冷却できるように排気ダクト54内に配置した。排気の風速は1m/sとした。
【0176】
経路の電池パックの充電は、定電流定電圧方式で電流1.5Aで電圧24.9Vまで5時間で行った。放電は、8.3Aの電流で終止電圧18Vまで行った。この充放電を300回繰り返して電池容量を測定したところ、300回使用後の電池容量は、初期容量の83%にあたることがわかった。
【0177】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ハイレートサイクル特性に優れる電池パックと、この電池パックを備える充電式掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電池パックの一例を示す斜視図。
【図2】 図1の電池パックにおける二次電池の配置を説明するための模式図。
【図3】 図1の電池パックに冷却風が当る状態を模式的に示した斜視図。
【図4】 図1の電池パックに組み込まれる円筒形リチウムイオン二次電池の一例を示す斜視図。
【図5】 図1の電池パックにおける二次電池の配置を説明をするための別の模式図。
【図6】 図1の電池パックの外装ケース内に均熱板を配置した例を示す模式図。
【図7】 図6の均熱板を示す平面図。
【図8】 図1の電池パックの外装ケース内に配置される均熱板の別な例を示す平面図。
【図9】 本発明に係る電池パックで用いられる外装ケースの収納部の一例を示す斜視図。
【図10】 図9の収納部に配置される蓋板の一例を示す斜視図。
【図11】 図9の収納部と図10の蓋体を備える電池パックに冷却風が当る状態を模式的に示した斜視図。
【図12】 単電池の直径方向におけるセル内部温度の分布の一例を示す特性図。
【図13】 単電池の長手方向におけるセル内部温度の分布の一例を示す特性図。
【図14】 円筒形リチウムイオン二次電池中の非水電解液が対流する様子の一例を示す模式図。
【図15】 本発明の別な実施形態に係る電池パックに冷却風が当る状態を模式的に示した斜視図。
【図16】 本発明のさらに別な実施形態に係る電池パックに冷却風が当る状態を模式的に示した斜視図。
【図17】 単電池の長手方向におけるセル内部温度の分布の別な例を示す特性図。
【図18】 円筒形リチウムイオン二次電池中の非水電解液が対流する様子の別な例を示す模式図。
【図19】 本発明に係る電池パックのさらに別な実施形態を示す模式的な斜視図。
【図20】 本発明に係る電池パックのさらに別な実施形態を示す模式的な斜視図。
【図21】 本発明に係る電池パックのさらに別な実施形態を示す模式的な斜視図。
【図22】 本発明に係る電池パックのさらに別な実施形態を示す模式的な斜視図。
【図23】 本発明に係る電池パックのさらに別な実施形態を示す模式的な斜視図。
【図24】 本発明に係る電池パックのさらに別な実施形態を示す模式的な斜視図。
【図25】 本発明に係る電池パックのさらに別な実施形態を示す模式的な斜視図。
【図26】 本発明に係る電池パックのさらに別な実施形態を示す模式的な斜視図。
【図27】 熱電対が取り付けられた円筒形リチウムイオン二次電池を模式的に示した上面図。
【図28】 本発明に係る電池パックのさらに別な実施形態を示す模式的な斜視図。
【図29】 本発明に係る充電式掃除機の一例の概略構成を示す模式図。
【図30】 本発明に係る充電式電気掃除機の一例の概略構成を示す部分断面図。
【図31】 図30の掃除機本体のA−A線に沿う断面図。
【図32】 本発明に係る電池パックが搭載された自動車の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1…外装ケース、21〜212…単電池、3a…第1の面、3b…第2の面、4…送風口、5…排気口、6,61〜63…熱電対、31…均熱板、32…通気口、33…上部均熱板、34…下部均熱板、71…収納部(外装ケース本体)、65,72a…第2の凹部、66,74a…第1の凹部、67…環状部材、73…蓋体、76a,76b…通風口、78a…第1の面、78b…第2の面、78c…第3の面、78d…第4の面。

Claims (10)

  1. 送風口が開口された第1の面と、前記第1の面の反対側に位置し、排気口が開口された第2の面とを有する外装ケースと、
    前記外装ケース内に、互いに隙間を開けた状態で、縦にN列、横にM列の配列(N列≦M列)で収納された円筒形リチウムイオン二次電池とを具備し、
    縦1列目の前記二次電池は、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記外装ケースの前記送風口と対向し、
    前記縦1列目の前記二次電池とその隣の縦2列目の前記二次電池の間に、通気口を備えた均熱板を前記縦1列目及び前記縦2列目の双方の前記二次電池と接触するように介在させ、
    前記縦2列目の前記二次電池は、外周面のうち前記第1の面との距離が最短になる領域が、前記縦1列目中の隙間と前記均熱板を介して対向することを特徴とする電池パック。
  2. 前記均熱板は、前記二次電池の外周形状に沿った波板形状を有することを特徴とする請求項1記載の電池パック。
  3. 前記均熱板は、前記縦1列目の前記二次電池の上部と前記縦2列目の前記二次電池の上部の間に介在される上部均熱板と、前記縦1列目の前記二次電池の下部と前記縦2列目の前記二次電池の下部の間に介在される下部均熱板とを備え、前記通気口は前記上部均熱板及び前記下部均熱板の間に存在する隙間であることを特徴とする請求項1〜2いずれか1項記載の電池パック。
  4. 前記二次電池は長手方向が重力方向に平行な状態で前記外装ケース内に収納されており、前記第1の面の下端部は送風口非形成領域で、前記送風口非形成領域の高さは、外装ケースの高さの25%以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の電池パック。
  5. 前記送風口非形成領域の高さは、外装ケースの高さの6.7%〜25%であることを特徴とする請求項記載の電池パック。
  6. 前記外装ケースの前記第1の面の内面は、波形面であり、前記縦1列目の前記二次電池は、前記波形面の凹部に収納されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の電池パック。
  7. 前記二次電池は長手方向が重力方向に平行な状態で前記外装ケース内に収納されており、前記外装ケースの上部内面には、前記二次電池の上端部が収納される第1の凹部が形成され、前記外装ケースの底部内面には、前記二次電池の下端部が収納される第2の凹部が形成され、前記第1の凹部と前記第2の凹部は、下記(5)式を満足することを特徴とする請求項記載の電池パック。
    d<D (5)
    但し、dは、前記第1の凹部の深さ(mm)であり、Dは、前記第2の凹部の深さ(mm)である。
  8. 前記縦1列目の前記二次電池は、温度差が2K〜10Kの範囲内の温度分布を有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の電池パック。
  9. 請求項1〜8いずれか1項記載の電池パックを備えることを特徴とする充電式掃除機。
  10. 前記電池パックは、前記外装ケースの前記第1の面の前記送風口にモータの吸気もしくは排気が取り入れられるように、前記モータの吸気経路内もしくは排気経路内に配置されることを特徴とする請求項9記載の充電式掃除機。
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