JP3782292B2 - 遊技機の音響装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機であって、特に、遊技者の聴覚に訴える音を調整する操作部材の設置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は特開平11−76571号公報で開示されたパチンコ機を示す。図8において、遊技者の聴覚に訴える音を調整する音量スイッチ101が遊技機枠体102にヒンジ103を介して前方横方向に片開き可能に取付けられた上皿装置104の裏面に設けられており、上皿装置104を開いて、音量スイッチ101を前側より操作し得るようになっている。上皿装置104の裏面にはスピーカ105も設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来例は、音量スイッチ101が開閉部材である上皿装置104の裏面にもうけられた構造であるので、音量スイッチ101と遊技機枠体102の裏側に設けられた図外の制御装置とを接続する配線106に上皿装置104の開閉を可能とする長さつまり配線106の遊びが必要であるが、上皿装置104を閉じるとき、遊び部分の配線106が上皿装置104と遊技機枠体102との間に噛み込まれる可能性があり、噛み込まれると配線106が断線することがある。音量スイッチ101を前側より操作し易くするには、図6に仮想線で示すように、上皿装置104を大きく開く必要があるが、上皿装置104の開度を大きくすると、上皿装置104が実線で示す自機の隣に配置された球貸機Aや仮想線で示すパチンコ機である隣接機B側に張出して隣接機Bで遊技を行う遊技者の邪魔となる不都合がある。
【0004】
そこで、本発明は音調整操作性の向上と配線引回しの最適化が図れる遊技機の音響装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明に係る遊技機の音響装置は、前枠の前側に開閉可能に設けられた皿装置が開かれた場合に露出される前壁と、この前壁に左側に位置して前枠の前側に音を放出するように設けられた下放音部と、下放音部より音を前枠の前側に出すように下放音部に格納された低音用スピーカと、前枠の前側に皿装置よりも上部に位置して前枠の前側に音を放出するように設けられた上放音部と、上放音部より音を前枠の前側に出すように上放音部に対応して前枠に設けられた中高音用スピーカと、前枠の裏側に設けられて低音用スピーカおよび中高音用スピーカへの出力を制御する音制御装置と、上記前壁に設けられた収納部と、前枠の前側から収納部に取り付けられたスイッチ基板と、上記前壁に形成された配線孔とを備え、スイッチ基板の前面には音スイッチと複数のコネクタとが実装され、音スイッチが音制御装置からの駆動信号を制御することによって低音用スピーカおよび中高音用スピーカから出力される音を変える音操作部材を有し、複数のコネクタどうしがスイッチ基板に設けられた配線で接続され、音スイッチと複数のコネクタのうちの一方のコネクタとがスイッチ基板に設けられた配線で接続され、複数のコネクタのうちの他方のコネクタには低音用スピーカの裏側に接続された配線が下放音部の裏側および上記前壁の裏側から配線孔を経由して当該前壁の前側で接続され、複数のコネクタのうちの一方のコネクタには音制御装置と音スイッチとを接続するための配線が前枠の裏側から配線孔を経由して前壁の前側で接続されたことを特徴としている。よって、本発明によれば、皿装置を前側に開けて音操作部材を操作することによって、音制御装置から上部における中高音用スピーカおよび下部における低音用スピーカの出力を容易に調整することができるうえ、音響装置における音操作部材の操作性および配線の引回しが良好となる。収納部が前枠の皿装置が開かれた場合に露出される前壁に設けられて前壁の前側から裏側に窪む前方開放状に形成されれば、音操作部材における収納部から前側への突出量つまり長さが大きく設定でき、音操作部材が長くなれば、音操作部材を操作する場合に、音操作部材を操作する手が音操作部材の周辺の部品に干渉しなくなり、音操作部材の操作性が向上する。収納部が周縁より内側に突出するフックを備え、スイッチ基板の周縁が収納部の前側からフックの裏側に挿入され、収納部に収納された基板が収納部に固定具で取付けられ、フックが収納部の一側に配置され、固定具が収納部の他側に配置されれば、音操作部材の前壁への取付作業が簡単となり、固定具の本数が最少数であっても、スイッチ基板の取付姿勢が安定する。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は本発明の第1実施形態であって、図1は遊技機としてのパチンコ機の正面を示し、図2はパチンコ機の裏面を示し、図3は音響制御系統を示し、図4は音操作部材21周りを示し、図5は図4のA−A線断面を示し、図6は作用を示す。
【0007】
図1を参照し、パチンコ機について説明する。パチンコ機の遊技機枠体1では、パチンコ店の島に取付けられる額縁状の外枠2と額縁状の前枠3とが枠ヒンジ4で前方横方向に片開き可能に取付けられる。前枠3の前側面には、パネル枠5と上皿装置6とが飾りヒンジ7で前方横方向に片開き可能に取付けられ、下皿装置8が上皿装置6よりも下部で固定され、ハンドルグリップ9が下皿装置8の右側で矢印方向に回転操作可能に取付けられる。パネル枠5には遊技機枠体1の内部に格納された遊技盤10を遊技機枠体1の前側より見ることが可能な透視性の有る合成樹脂又はガラスのようなパネル11が装着される。遊技盤10における化粧盤面側のガイドレール12で囲まれた内側の遊技領域には、各種の入賞口装置13、センタ役物として特別図柄表示装置14、大当り遊技用の変動入賞口装置15、アウト口16が配置される。各種の入賞口装置13及び変動入賞口装置15には球検出器が遊技機枠体1の前側より直接的には見えないように配置される。
【0008】
パネル枠5と下皿装置8との間における前枠3の前壁20は、合成樹脂により遊技盤10を搭載する棚を形成し、上皿装置6を閉じた場合に上皿装置6で被覆され、上皿装置6を開いた場合に前側に露出される。前壁20には、飾りヒンジ7側より反対側に、音操作部材21、音スイッチ22、上皿球受樋逃孔23、下放音部24、球発射機構25が設けられる。上皿装置6の裏面には上皿球受樋26と上皿球排出口27とが設けられる。上皿装置6が閉じられることにより、上皿球受樋26の先端部が上皿球受樋逃孔23を経由して遊技機枠体1の裏面側に突出する。その状態において、遊技機枠体1の裏面に装着された球払出機構43(図2参照)から払出された球は上皿球受樋26を経由して上皿装置6の上皿球貯蔵室6aに流入する。
【0009】
上皿装置6が開かれることにより、球が上皿球貯蔵室6aから上皿球排出口27を経由して落下しないように、上皿球排出口27は図外のシャッタにより閉鎖される。そして、上皿装置6が閉じられると、シャッタが開き、球が上皿球貯蔵室6aから上皿球排出口27と球発射機構25側に設けられた図外の球送り機構を経由して球発射機構25側に供給される。
【0010】
音操作部材21は音スイッチ22の可動接点を上中下の三位置にスライドするように動かすものである。第1実施形態では、音操作部材21の操作により、音の大きさ、高さ、音色である3要素のうちの大きさを調整する場合を例示する。よって、音操作部材21が上位置に操作されると音スイッチ22が大音量位置にオン動作し、音操作部材21が中位置に操作されると音スイッチ22が中音量位置にオン動作し、音操作部材21が下位置に操作されると音スイッチ22が小音量位置にオン動作する。前枠3の上部には左右上放音部28;29が左右に分離して設けられる。遊技機枠体1の右縁部には施錠装置30が右上放音部29よりも下位に設けられる。
【0011】
音スイッチ22の音量位置でのオン信号は遊技機枠体1の裏側に設けられる音制御装置31に配線32で出力される。音制御装置31の音量出力は配線33;34;35で低音用スピーカ36及び左右中高音用スピーカ37;38に個別に出力される。低音用スピーカ36は下放音部24より音を遊技機枠体1の前側に出すように下放音部24に対応して前枠3に設けられ、左中高音用スピーカ37は左上放音部28より音を遊技機枠体1の前側に出すように左上放音部28に対応して前枠3に設けられ、右中高音用スピーカ38は右上放音部29より音を遊技機枠体1の前側に出すように右上放音部29に対応して前枠3に設けられる。
【0012】
施錠装置30は図外のキープレートにより操作されることにより図外の枠側ロック機構を介して前枠3又はパネル枠5を個別にアンロック(解放)又はロック(係合)動作する。アンロックにより前枠3又はパネル枠5が開き得る状態となり、ロックにより前枠3又はパネル枠5が開けなくなる。パネル枠5が開かれた状態においてだけ、上皿装置6は開閉可能である。それには、パネル枠5が開かれた状態において上皿装置6の図外の操作レバーを人為的に操作して図外の上皿ロックレバーを前枠3の図外の上皿止具より外する。これにより、上皿装置6が飾りヒンジ7を中心として開閉可能となる。上皿装置6が開かれた状態において、上皿装置6が人為的に裏側に押されて閉じられることにより、上皿ロックレバーが上皿止具に係合し、上皿装置6が開閉不能となる。上皿装置6が閉じられた状態において、パネル枠5が閉じられることにより、上皿装置6の操作レバーは操作不能となる。
【0013】
図1に示すように、音操作部材21が上皿装置6の開閉に伴う被覆と解放とがなされる遊技機枠体1の前壁20に設けられている。つまり、音操作部材21は遊技機枠体1の上皿装置6の裏側に配置された固定側部材に設けられたので、上皿装置6を開くことにより、音操作部材21が前側より操作でき、音操作部材21で操作される音スイッチ22と遊技機枠体1の裏側に取付けられた音制御装置31とを接続する配線32に上皿装置6を開閉するための遊びは不要である。そして、上皿装置6を閉じる場合に、配線32が上皿装置6と遊技機枠体1との間に噛み込まれることはない。
【0014】
上皿装置6の開度が小さくても、音操作部材21は操作可能となる。この点について図6を参照して説明する。遊技機枠体1に飾りヒンジ7を介して取付けられた上皿装置6が実線で示す閉じた位置から点線で示す位置に開かれると、音操作部材21が操作可能となる。よって、上皿装置6が隣接する球貸機A側や隣接する遊技機A側に出っ張ることはなく隣接する遊技機Aで遊技する遊技者の邪魔となることはない。
【0015】
音スイッチ22が上皿装置6の回転中心を形成する飾りヒンジ7側に配置され、音制御装置31も遊技機枠体1の裏側で飾りヒンジ7側に設置されたので、音スイッチ22と音制御装置31とを接続する配線32〜35の引回し(配索)も好適となる。
【0016】
図2を参照し、パチンコ機の裏側について説明する。前枠3の裏面には金属製のリアプレート40が取付けられる。リアプレート40の裏面には上タンク41と下タンク42と球払出機構43及び図外の球払出制御装置や球発射制御装置が設けられる。リアプレート40に形成された中央開口部44に対応する遊技盤10の裏面には音制御装置31と特別図柄制御装置45と表示灯制御装置46及び主制御装置47が設けられる。これらの制御装置31;45〜47は機能分割されている。
【0017】
主制御装置47は賞球関係各種スイッチや入賞球関係各種スイッチ(入賞口装置や変動入賞口装置に設けられた球検出器)からの入力信号により遊技内容の全般に関する制御を実行するためのコンピュータによる制御処理を行い、処理結果であるコマンド信号を配線を通して一方向に音制御装置31、表示灯制御装置46、特別図柄制御装置45及び球払出制御装置や球発射制御装置等に個別に出力する。音制御装置31や表示灯制御装置46及び特別図柄制御装置45並びに球払出制御装置それぞれは主制御装置47から入力されたコマンド信号によりそれぞれの制御処理を実行する。
【0018】
音制御装置31は図1の低音用スピーカ36や左右中高音用スピーカ37;38で音を発生するためのコンピュータによる制御処理を行い、処理結果である駆動信号を低音用スピーカ36や左右中高音用スピーカ37;38に出力する。特別図柄制御装置45は遊技盤10に設けられた特別図柄表示器を図柄表示動作するためのコンピュータによる制御処理を行い、処理結果である駆動信号を上記特別図柄表示器に出力する。球払出制御装置は球払出機構43を球払出動作するためのコンピュータによる制御処理を行い、処理結果である駆動信号を球払出機構43に出力する。表示灯制御装置46は遊技盤10や前枠3に設けられた各種表示灯を点灯又は点滅するためのコンピュータによる制御処理を行い、処理結果である駆動信号を上記表示灯に出力する。
【0019】
球払出機構43は球払出制御装置からの駆動信号により上タンク41から下タンク42を経由して供給された球を払出し、払出された球を検出した信号を球払出制御装置及び主制御装置47に出力する。そして、球払出制御装置が球払出機構43からの球検出信号により計数した値が主制御装置47からの設定球払出数に到達すると、球払出制御装置が球払出機構43に停止信号を出力し、この停止信号により球払出機構43は球払出動作を停止する。球払出機構43より払出された球は図1の上皿球受樋26を経由して上皿球貯蔵室6aに排出される。球払出機構43は賞球用の単独であっても、賞球用及び球貸用の複数であっても良いが、複数の場合は前後又は左右に重ね合されることにより実施し得る。
【0020】
図3を参照し、音響制御系統について説明する。音スイッチ22は音操作部材21でスライドする可動接点50が上中下の3つの個別固定接点51;52;53の何れか1つに接触し、可動接点50及び個別固定接点52;53がコネクタ57;58と配線56;59;60及びコネクタ61;62で音制御装置31に接続される。音操作部材21は可動接点50に取付けられた摘みのようなものである。
【0021】
音制御装置31は合成樹脂製のケースに収められるプリント配線基板のような配線基板にワンチップコンピュータ、音合成用IC(音処理プロセッサ)63、音ROM、アナログスイッチSW1;SW2;SW3;SW4、抵抗器R1;R2;R3;R4;R5;R6;R7;R8;R9;R10、低音用アンプAMP1、左中高音用アンプAMP2、右中高音用アンプAMP3、加算器76、ローパスフィルタ77、コネクタ62;64;65;66等の電気部品を実装している。コネクタ64には低音用スピーカ36がコネクタ67及び配線33で接続され、コネクタ65には左中高音用スピーカ37がコネクタ68及び配線34で接続され、コネクタ66には右中高音用スピーカ38がコネクタ69及び配線35で接続される。
【0022】
音合成用IC63と左中高音用アンプAMP2とは配線基板上のプリント配線のような配線LLで接続され、音合成用IC63と右中高音用アンプAMP3とは配線基板上のプリント配線のような配線RLで接続され、低音用アンプAMP1には配線LL;RLより個別に延長した配線基板上のプリント配線のような配線70;71を加算器76に接続し、ローパスフィルタ77の出力が接続される。アナログスイッチSW1;SW2は配線基板上のプリント配線のような配線72;73でコネクタ61;62を介して配線59;60に個別にオン又はオフ動作するように接続され、アナログスイッチSW3;SW4は配線72;73より延長した配線基板上のプリント配線のような配線74;75でコネクタ61;62を介して配線59;60に個別にオン又はオフ動作するように接続される。
【0023】
アナログスイッチSW1の入出力側は抵抗器R1;R2を介して配線LLに並列に接続され、アナログスイッチSW2の入出力側は抵抗器R2を介して配線LLに並列に接続され、アナログスイッチSW3の入出力側は抵抗器R3;R4を介して配線RLに並列に接続され、アナログスイッチSW4の入出力側は抵抗器R4を介して配線RLに並列に接続される。
【0024】
そして、音操作部材21の操作により可動接点50が個別固定接点51に接続された場合、音スイッチ22から音制御装置31に信号は出力されず、アナログスイッチSW1〜SW4はオフ動作のままである。その状態において、主制御装置47から音制御装置31に駆動信号が入力された場合、音合成用IC63から配線LL;RLを経由して出力されたアナログ信号である音信号は抵抗器R1〜R10によって分圧され大音量信号として低音用及び左右中高音用アンプAMP1〜AMP3で増幅されて低音用及び左右中高音用スピーカ36〜38に分配され、低音用スピーカ36が大音量の低音を放出し、左右中高音用スピーカ36〜38が大音量の中高音の音を放出する。
【0025】
音操作部材21の操作により可動接点50が個別固定接点52に接続された場合、音スイッチ22からアナログスイッチSW2;SW4にデジタル信号であるオン信号が出力されアナログスイッチSW1;SW3に信号が出力されず、アナログスイッチSW2;SW4がオン動作し、アナログスイッチSW1;SW3はオフ動作のままである。その状態において、主制御装置47から音制御装置31に駆動信号が入力された場合、音合成用IC63から配線LL;RLを経由して出力された音信号は抵抗器R1〜R10によって分圧され中音量信号として低音用及び左右中高音用アンプAMP1〜AMP3で増幅されて低音用及び左右中高音用スピーカ36〜38に分配され、低音用スピーカ36が中音量の低音を放出し、左右中高音用スピーカ36〜38が中音量の中高音の音を放出する。
【0026】
音操作部材21の操作により可動接点50が個別固定接点53に接続された場合、音スイッチ22からアナログスイッチSW1;SW3にデジタル信号であるオン信号が出力されアナログスイッチSW2;SW4に信号が出力されず、アナログスイッチSW1;SW3がオン動作し、アナログスイッチSW2;SW4はオフ動作する。その状態において、主制御装置47から音制御装置31に駆動信号が入力された場合、音合成用IC63から配線LL;RLを経由して出力された音信号は抵抗器R1〜R10によって分圧され小音量信号として低音用及び左右中高音用アンプAMP1〜AMP3で増幅されて低音用及び左右中高音用スピーカ36〜38に分配され、低音用スピーカ36が小音量の低音を放出し、左右中高音用スピーカ36〜38が小音量の中高音の音を放出する。
【0027】
音スイッチ22でアナログスイッチSW1〜SW4のようなスイッチをオン又はオフ動作することにより、音量(音の大きさ)を切替える構造であるので、音スイッチ22と音制御装置31とを接続する配線59;60にノイズが混入しても、当該ノイズが配線LL;RLに侵入することがなく、当該ノイズが増幅されて低音用及び中高音用スピーカ36〜38より放出されることはなく、低音用及び中高音用スピーカ36〜38が聞きやすい音を奏でることができる。
【0028】
音スイッチ22は無段階に調整可能なアナログ式でも良いが、音スイッチ22には上中下の三段階のように段階に調整可能なデジタル式を用いたので、上皿装置6の開度が少しでも所望の調整位置に適切に操作することができる。
【0029】
図4及び図5を参照し、音操作部材21周りについて説明する。前壁20はリアプレート40の前側面に接触し、リアプレート40に形成された上皿球受樋逃孔23よりも下位における前壁20の上面には遊技盤10の下側面が搭載される。遊技盤10の左下隅部には上皿球受樋逃孔23を避ける切欠部80が形成される。前壁20には縦溝状の収容部81が上皿球受樋逃孔23と対応する位置に形成され、収容部81には図3の低音用スピーカ36を格納した箱型の下放音部24が取付けられる。前壁20には前方開放状の収納部82が収容部81の左隣に(図1の飾りヒンジ7側)に形成される。
【0030】
収納部82の開口左側上下隅部にはフック83;84が収納部82の内側に向けて突出される。そして、プリント配線基板のようなスイッチ基板85の左縁部が収納部82の前側よりフック83;84と収納部82の前面との隙間に嵌め込まれるように、スイッチ基板85が収納部82に格納され、止ねじ86が前側よりスイッチ基板85を経由して収納部82に締結され、スイッチ基板85が前壁20に取付けられる。
【0031】
スイッチ基板85の前面には音スイッチ22とコネクタ87;88とが実装されており、音操作部材21が音スイッチ22の前面より前側に突出する。音スイッチ22とコネクタ88とはスイッチ基板85の裏面に設けられたプリント配線のような配線で接続されている。コネクタ87にはコネクタ89が嵌め込まれ、コネクタ89に接続された図3の配線33に相当する配線90は配線孔91を経由して下放音部24の裏側から前面に向けて配置した低音用スピーカ36に接続される。コネクタ88は図3のコネクタ57に相当するものであって、コネクタ88には図3のコネクタ58に相当するコネクタ92が嵌め込まれる。コネクタ88には低音用スピーカ36が接続されたコネクタ87からの配線が併設される。コネクタ92に接続された図3の配線56;59;60に相当する配線93は前壁20及びリアプレート40のそれぞれに形成された図外の配線孔とを経由してリアプレート40の裏側に引出される。
【0032】
図4及び図5に示すように、音操作部材21を備えた音スイッチ22の実装されたスイッチ基板85が、遊技盤10を載せる前壁20に前側面より裏側に窪み形成された収納部82に格納されたので、遊技盤10の前側に配置されたパネル11とスイッチ基板85との間の間隔が広くなり、音操作部材21における音スイッチ22の表面から突出量つまり長さが大きく設定でき、当該音操作部材21が長くなれば、音操作部材21を操作する場合に、音操作部材21を操作する手が音操作部材21の周辺の部品に干渉しなくなり、音操作部材21の操作がやり易くなる。
【0033】
図5に示すように、収納部82が周縁より内側に突出したフック83;84を備え、音操作部材21が実装されたスイッチ基板85の周縁がフック83;84の裏側に挿入され、収納部82に格納されたスイッチ基板85が固定具である止ねじ86で収納部82に取付けられたので、音操作部材21の前壁20への取付作業が簡単である。
【0034】
フック83;84と止ねじ86とが収納部82の相対する一側と他側とに分離配置されたので、止ねじ86の本数が最少数であっても、スイッチ基板85の取付姿勢が安定する。
【0035】
図7は本発明の第2実施形態を示す。前枠3の前面を覆う化粧部材94に開閉体95を開閉可能に設け、開閉体95が開かれることにより露出される前枠3のような前壁に音操作部材21又はスイッチ基板85を設ければ、音操作部材21と低音用スピーカ36と左右上中高音用スピーカ37;38と音制御装置31を相互に接続する配線が前枠3の裏側に集約できる。スイッチ基板85は左上中高音用スピーカ37のスピーカ中継基板と兼用しても良い。
【0036】
第1実施形態では音操作部材21の操作で低音用及び左右中高音用アンプAMP1〜AMP3に入力される信号の電圧を変えて音の大きさ調整したが、音操作部材21の操作で低音用及び左右中高音用アンプAMP1〜AMP3に入力される信号の周波数を変えて音の高さを例えば1オクターブ高くしたり低くするように調整したり、又は、音操作部材21の操作で低音用及び左右中高音用アンプAMP1〜AMP3に入力される信号の周波数特性で変えて例えばピアノで奏でる音やトランペットで奏でる音のように音色を調整することも可能である。
【0037】
第1実施形態では上皿装置6を開いたときに前側より操作可能なように音操作部材21と音スイッチ22とを前壁20に設けたが、上皿装置6を開いたときに前側より操作可能なように音操作部材21は前壁20に設けることは勿論であるが、上皿装置6を開いたときに前側より見えないように音スイッチ22は前壁20の裏側に設ければ、見栄えがよくなる。
【0038】
第1実施形態はパチンコ機を示したが、スロットマシンにも適用できる。この場合、前枠3に装着される役物として遊技盤10に代えて図柄可変表示装置が用いられ、又、前記遊技盤10に取付けられる種々部品は遊技機枠体1に取付けられることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のパチンコ機を示す正面図。
【図2】 同第1実施形態のパチンコ機を示す背面図。
【図3】 同第1実施形態の音響制御系統を示すブロック図。
【図4】 同第1実施形態の音操作部材周りを示す斜視図。
【図5】 図4のA−A線断面図。
【図6】 同第1実施形態の作用を説明する摸式図。
【図7】 本発明の第2実施形態のパチンコ機を示す正面図。
【図8】 従来例を示す摸式図。
【符号の説明】
1 遊技機枠体
6 上皿装置
7 飾りヒンジ
20 前壁
21 音操作部材
22 音スイッチ
24 下放音部
28 左上放音部
29 右上放音部
36 低音用スピーカ
37 左上中高音用スピーカ
38 右上中高音用スピーカ
82 収納部
83;84 フック
85 スイッチ基板
86 止ねじ
SW1〜SW4 デジタルスイッチ

Claims (3)

  1. 前枠の前側に開閉可能に設けられた皿装置が開かれた場合に露出される前壁と、この前壁に左側に位置して前枠の前側に音を放出するように設けられた下放音部と、下放音部より音を前枠の前側に出すように下放音部に格納された低音用スピーカと、前枠の前側に皿装置よりも上部に位置して前枠の前側に音を放出するように設けられた上放音部と、上放音部より音を前枠の前側に出すように上放音部に対応して前枠に設けられた中高音用スピーカと、前枠の裏側に設けられて低音用スピーカおよび中高音用スピーカへの出力を制御する音制御装置と、上記前壁に設けられた収納部と、前枠の前側から収納部に取り付けられたスイッチ基板と、上記前壁に形成された配線孔とを備え、スイッチ基板の前面には音スイッチと複数のコネクタとが実装され、音スイッチが音制御装置からの駆動信号を制御することによって低音用スピーカおよび中高音用スピーカから出力される音を変える音操作部材を有し、複数のコネクタどうしがスイッチ基板に設けられた配線で接続され、音スイッチと複数のコネクタのうちの一方のコネクタとがスイッチ基板に設けられた配線で接続され、複数のコネクタのうちの他方のコネクタには低音用スピーカの裏側に接続された配線が下放音部の裏側および上記前壁の裏側から配線孔を経由して当該前壁の前側で接続され、複数のコネクタのうちの一方のコネクタには音制御装置と音スイッチとを接続するための配線が前枠の裏側から配線孔を経由して前壁の前側で接続されたことを特徴とする遊技機の音響装置。
  2. 納部が前枠の前壁の前側から裏側に窪む前方開放状に形成されたことを特徴とする請求項記載の遊技機の音響装置。
  3. 収納部が周縁より内側に突出するフックを備え、スイッチ基板の周縁が収納部の前側からフックの裏側に挿入され、収納部に収納されたスイッチ基板が収納部に固定具で取付けられ、フックが収納部の一側に配置され、固定具が収納部の他側に配置されたことを特徴とする請求項記載の遊技機の音響装置。
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