JP3782212B2 - 光路長可変レーザー加工装置及び同装置のビームコリメーション方法 - Google Patents

光路長可変レーザー加工装置及び同装置のビームコリメーション方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法および同方法を使用したレーザー加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光路長可変タイプの大型レーザー加工装置においては、レーザー発振器からレーザー加工ヘッドまでの光路長が大きいので、レーザービームのコリメーションが必要かつ重要である。図10は、加工テーブルの大きさが3m(Y軸方向)×12m(X軸方向)の光2軸移動形式の光路長可変レーザー加工装置101における光学系の概要を示したものである。
【0003】
前記レーザー加工装置101のレーザー発振器103において発振したレーザービームLBは、出力ミラー105、第1ベンドミラー(位相遅延)107、第2ベンドミラー(全反射)109、第3ベンドミラー(全反射)111、第4ベンドミラー(全反射)113を介して加工テーブル117上を移動する加工ヘッドに設けた集光レンズ119に導かれるようになっている。
【0004】
前記第3ベンドミラー111と第4ベンドミラー113は、それぞれX軸上とY軸上を移動するようになっており、加工テーブル117上に載置されるワーク上の任意の位置にレーザービームを集光照射することが可能である。このとき、各加工位置でのレーザービームの品質の差を小さくするために、発振器103から出たレーザービームをコリメーターレンズ121を用いて平行光に近い状態に補正するのが一般的である。
【0005】
図11に示す如く、前記レーザー発振器103から出たガウス分布を持つレーザービームの広がりは、レーザー発振器外部のビームウエストWと、その位置でのZminが規定できれば、ガウスビームの伝搬は次式で表すことができる。
【0006】
【数1】
W(z)=W0 {1+[(Z−Zmin)/Zr]2 0.5 ……(1)
ただし、Zr=[π(W0 2 ]/λである。なお、λは光の波長である。また、レーザービームの発散角θ(半角)は、
【数2】
Figure 0003782212
したがって、
【数3】
θW0 =λ/π=一定…………………………………………………(3)
上記(3)式から、発散角が小さな平行光線を得るには、大きなビームウェストW0 が必要であることが分かる。
【0007】
次に、前記大型レーザー加工装置101において、コリメーターレンズ121を用いてコリメーションした時の出力ミラー105からの距離に対するビーム径の変化の状況を図12に示してある。曲線aは、出力ミラー105から2mの位置に焦点距離5.5mの単レンズを配置した場合、曲線bは、出力ミラー105から8.6mの位置に焦点距離11.8mの単レンズを配置した場合のビーム伝搬特性を示したものである。
【0008】
前記図12のグラフから、2mの位置に単レンズを121aを配置した場合には十分なコリメーションが得られず、5.5mの位置に単レンズを121bを配置した場合には、かなり良好なコリメーションが得られていることが分かる。
【0009】
しかし、上述のコリメーションにおいては、広い範囲に渡る良好なコリメーションが得ることが困難であり、また良好なコリメーションを得るには伝送部のビーム径を40mm〜50mm程度に大きくしなければならないことが分かる。したがって、伝送部のビーム径をさらに大きいものにする必要があり、ミラーおよび集光レンズ等のビーム伝送用光学系のサイズをも大きくしなければならないという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、伝送ビームの径を大きくすることなく、広範囲に渡る良好なコリメーションが得られる光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法および同方法を使用したレーザー加工装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として、請求項1に記載の光路長可変レーザー加工装置は、光路長可変レーザー加工装置において、レーザー発振器の出力ミラーの近傍に光軸上を移動位置決め可能なコリメーションレンズを設け、レーザー加工ヘッドを前記光軸上の任意の位置に移動させたときのコリメーションレンズの最適な位置を関係式、ΔX=(80L−400 ) 、L=X+Y、ここに、ΔX:コリメーションレンズのシフト距離、X:X軸上の光路長、Y:Y軸上の光路長、に基づいて前記コリメーションレンズをシフトさせることを要旨とするものである
【0012】
したがって、加工領域に応じてコリメーションレンズを最適な位置にシフトさせることができる。すなわち、コリメーションレンズを最適な位置にシフトすることにより、加工領域に応じた適宜なビーム径を有する最適なレーザービームの伝搬特性を選択することができるので広範囲に渡って安定した加工を行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の光路長可変レーザー加工装置は、請求項1に記載の光路長可変レーザー加工装置において、ワークの数箇所のカーフ幅を画像計測装置によって測定して該カーフ幅の増減傾向を検出し、前記関係式に基づいて位置決めされたコリメーションレンズの位置を補正すると共に、前記関係式を補正可能なコリメーション補正手段を設けたことを要旨とするものである
【0016】
請求項2に記載の光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション装置によれば、レーザ加工装置のビーム伝送光学系の経時変化でコリメーションが狂った場合、カーフ幅の変化を画像計測装置によって測定してコリメーションレンズの位置を補正すると共に、関係式を補正することができるので常に最適なコリメーションに維持することができる
【0017】
請求項3に記載の光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法は、光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法において、レーザー発振器の出力ミラーの近傍に光軸上を移動位置決め可能なコリメーションレンズを設け、レーザー加工ヘッドを前記光軸上の任意の位置に移動させたときのコリメーションレンズの最適な位置を関係式、ΔX=(80L−400 ) 、L=X+Y、ここに、ΔX:コリメーションレンズのシフト距離、X:X軸上の光路長、Y:Y軸上の光路長、に基づいて前記コリメーションレンズをシフトさせることを要旨とするものである
【0018】
したがって、加工領域に応じてコリメーションレンズを最適な位置にシフトさせることができる。すなわち、コリメーションレンズを最適な位置にシフトすることにより、加工領域に応じた最適なレーザービームの伝搬特性を選択することができるので、広範囲に渡って安定した加工を行うことができる。
【0019】
請求項4に記載の光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法は、請求項3に記載の光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法において、ワークの数箇所のカーフ幅を画像計測装置によって測定して該カーフ幅の増減傾向を検出し、前記関係式に基づいて位置決めされたコリメーションレンズの位置を補正すると共に、前記関係式を補正することを要旨とするものである
【0022】
したがって、請求項4に記載の光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法によれば、レーザ加工装置のビーム伝送光学系の経時変化でコリメーションが狂った場合、カーフ幅の変化を画像計測装置によって測定してコリメーションレンズの位置を補正すると共に、前記関係式を補正することができるので常に最適なコリメーションに維持することができる
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面によって説明する。図1は本発明に係わるビームコリメーション方法を用いた光路長可変レーザー加工装置のシステム構成図である。
【0024】
図1を参照するに、レーザー加工装置1は、レーザー発振器3と、レーザー発振器3からのレーザービームLB0 のコリメーションを行うコリメーション手段5と、コリメーションされたレーザービームLBc をワークWに集光照射するレーザー加工ヘッド7と、ワークWの数箇所のカーフ幅を測定してコリメーションを補正するコリメーション補正手段9などから構成してある。なお、図1においては、レーザー発振器3からレーザー加工ヘッド7までのX軸上の光路とY軸上の光路とを直線に展開して示してある。
【0025】
前記コリメーション手段5は、発振器内部側を部分透過凹面鏡に外部側を凹レンズに形成したレーザー発振器3の出力ミラー11と、この出力ミラー11から光軸上に距離P1離れた位置に設けた凸レンズからなるコリメーションレンズ13とで、逆ガリレオ型のビームエキスパンダーになるように構成してある。なお、コリメーションレンズ13は光軸上を駆動モーター15でΔXだけシフトすることが可能に設けてある。
【0026】
前記コリメーション手段5によって補正され光束が拡大したレーザービームLBc は、出力ミラー11から光軸上に距離L1(3.5m)離れたA位置の近場(Near Field,N/F)に位置するレーザー加工ヘッド7の集光レンズ17にベンドミラー19を介して入射される。また、図示しない移動手段によってA位置から距離L2(15m)だけ離れたB位置の遠場(Far Field,F/F )に移動したレーザー加工ヘッド7にも同様に補正した光束を入射することができる。
【0027】
前記コリメーション補正手段9は、ワークWのカーフ幅Gを測定する画像計測装置21と、この画像計測装置21による測定データとNC装置31からのレーザー加工ヘッド7の位置データ(X,Y)とを演算処理する演算処理装置(personal computer,P/C )23とから構成してある。
【0028】
前記レーザー加工ヘッド7はX軸キャリッジ(図示省略)に設けたY軸キャリッジ(図示省略)に設けてあり、このX、Yキャリッジは前記NC装置31によってX軸モーター25とY軸モーター27を適宜に回転駆動することにより適宜な位置に移動位置決めされるものである。また、レーザー加工ヘッド7は図示しないZ軸モーターによってZ軸方向に位置決め可能に設けてある。なお、X軸モーター25、Y軸モーター27およびZ軸モーターには位置信号を生成するX軸エンコーダー29およびY軸エンコーダー30がそれぞれに設けてある。
【0029】
前記画像計測装置21は、CCDカメラなどによりワークWの切断部を撮影し、その画像を画像計測装置21により処理して切断部のカーフ幅Gを測定するものであり、例えば、本願出願人の出願である特開平1−95889号公報の6頁第2図に開示される如き画像計測装置システムを利用することができる。
【0030】
前記演算処理装置23は、前記NC装置31からのレーザー加工ヘッド7の位置データ(X,Y)と前記画像計測装置21からの測定データを用いて、光路長Lとシフト距離ΔX(mm)との関係式、
ΔX=(80L−400)……(4)
L=X+Y………(5)、ここに、XはX軸上の光路長(m)、YはY軸上の光路長(m)。
【0031】
に基づきΔXを演算により求め、前記駆動モーター15を適宜に回転駆動してコリメーションレンズ13を最適な位置にシフトさせることができる。
【0032】
上記構成において、コリメーションレンズ13を出力ミラー11の位置からP1=3.4mの位置に配置し、そこからP1=4.2mまで200mmピッチで光軸上をシフトさせた場合のビーム伝搬特性の変化を図2に示してある。
【0033】
図2によれば、コリメーションレンズ13の位置をシフトすることにより、ビームの伝搬特性が少しずつ変化する。すなわち、シフト距離ΔXの増加にしたがってビーム径の最小径の位置が右方に移動する。したがって、レーザー加工ヘッド7の移動位置におけるビーム径を35mm程度に規定するならば、出力ミラー11からレーザー加工ヘッド7の移動位置までの距離Lが10m以内の範囲では、図示の如く、コリメーションレンズ13をP1=3.4mの位置に固定したときの曲線aが適用可能であり、10m以上〜11.5m未満は曲線b、11.5m以上〜14.2m未満は曲線c、14.2m以上〜17.3m未満は曲線d、17.3m以上〜20m未満は曲線eが適用できることが分かる。すなわち、約5mの近場(Near Field,N/F)から、20mの遠場(Far Field ,F/F)までは、コリメーションレンズ13を最大で800mmシフトさせるだけで所定のビーム径を35mmの範囲に収めることができる。
【0034】
なお、点A、B,C,D,Eは前記曲線a〜曲線eとビーム径35mmを示す横軸との交点を示す。
【0035】
図3は、図1のレーザー加工装置1に示すビームコリメーションシステムの集光レンズ17に、焦点距離が5インチのレンズと、7.5インチのレンズを使用したときの出力ミラー11からの光軸上の距離L(m)に対する集光スポット径φ(μm)との関係とを示したものである。図中「φav」は集光スポット径φの平均値、ΔFは、遠場(Far Field ,F/F)における焦点距離Ffと近場(Near Field,N/F)における焦点距離Fnとの差を示す。
【0036】
図3によれば、5インチのレンズおよび7.5インチのレンズとも、各位置における集光スポット径φの差が小さく、また、焦点距離の差も小さいことが分かる。したがって、このビームコリメーションシステムによれば、5mから20mまで安定した加工特性が得られることが理解できる。なお、図中に記載のσは標準偏差である。
【0037】
図4はコリメーションレンズの固定領域と変動領域を加工テーブル上に示したものである。なお、出力ミラー13から光路長で5mの位置をレーザー加工機の原点位置(X=0,Y=0)としてある。
【0038】
図5は切断場(CUTTING FIELD)におけるレーザー加工ヘッドの位置とコリメーションレンズ13のシフト距離ΔXとの関係をグラフによって示したものであり、5mの近場(N/F )、すなわち前記レーザー加工機の原点位置(X=0,Y=0)から5m未満の範囲にあっては、コリメーションレンズ13は固定でしたままでよく、5mから15mまでの範囲のシフト距離ΔXは、前記関係式(4)によって求めることができる。なお、関係式(4)はガウシアンビームの伝搬理論に基づいて求めたものである。
【0039】
次に、前記コリメーション補正手段9の補正手順について、図6のフローチャートと図7および図8のグラフを参照しながら説明する。
【0040】
ステップS1において、光路長Lに対するコリメーションシフト距離ΔXを表わす基本的な次の関係式(6)を選択する。
【0041】
ΔX=m(L−5)…(6)、ここにL=X+Y,mの初期値は80とする。
【0042】
ステップS2において、前記画像計測装置21により、ワークWの近接する少なくとも3点においてスリット切断を実施して、そのスリットのカーフ幅Gを測定する。ステップS3では、ステップS2で測定したデータを解析して、最小カーフ幅Gと、最小カーフ幅Gが得られ位置LGMin距離Lに対するカーフ幅Gの増減、焦点位置Fなどを求める。
【0043】
次のステップS4において、測定されたカーフ幅Gの距離Lに対する勾配G/Lがあらかじめ設定しておいた期待値以内であるか否かの判断を行い、この増減が期待値以内であれば、ステップS5に進んで、この勾配G/Lが正または増加傾向であるときは、前記関係式(6)の勾配mをm’に変更する。なおm>m’>0であり、m’の大きさは適宜に選択する。また、勾配G/Lが負または減少傾向であるときは、勾配mをm”に変更する。なおm”>mであり、m”の大きさも適宜に選択する。
【0044】
ステップS6において、測定領域内の前記関係式(6)を次の関係式(7)または関係式(8)に更新登録して補正ルーチンを終了する。
【0045】
ΔX=m’(L−5)…(7);ここにL=X+Y。
【0046】
ΔX=m”(L−5)…(8);ここにL=X+Y。
【0047】
前記ステップS4において、カーフ幅Gの距離Lに対する勾配G/Lがあらかじめ設定しておいた期待値以上であるときは、ステップS7に行き、勾配G/Lが正(増加傾向)か否かの判断を行いYESである場合には、ステップS8において、コリメーションレンズ13の距離P1を短く設定し、NOの場合にはステップS9においてコリメーションレンズ13の配置距離P1を長く設定し前記ステップS2に戻る。
【0048】
ステップS2以後は、前述のステップS4の条件判断を満足するまでS2,S3,S4,S7,S8またはS9のルーチンを繰り返す。
【0049】
上述のコリメーション補正手順は常時実行する必要はなく、レーザー加工装置1の出力ミラー11、コリメーションレンズ13などの光学系の特性の変化が生じた時に実行しても構わない。したがって、数か月に1回の補正ですむ場合もある。
【0050】
前記ステップS4またはステップS7における、勾配G/Lの正負または増減傾向の判断は、画像計測装置21による測定結果に基づいて行われるものである。この測定結果を図7に示してある。図7は近場(Near Field,N/F)からの距離Lの増加に対するカーフ幅Gの変化を示したグラフである。このグラフにおいて、距離Lの増加に対してカーフ幅Gが変化しない点を基準(0)としてこれを期待値としている。
【0051】
また、前記ステップS8またはステップS9におけるコリメーションレンズの補正の方向性は次の理論に基づいている。集光レンズで集光されるレーザービームのスポット径d0 と入射ビームの径Dとの関係はレンズの球面収差を無視すれば次式で表わされる。
【0052】
0 =1.27M2 λ(f/D)……(9)
ここに、M2 :ビーム品質を表す定数、λ:波長、f:焦点距離、D:入射ビームの径。
【0053】
例えば、図7において勾配G/Lが正の場合、カーフ幅Gを小さくするためにスポット径d0 を小さくする必要がある。そのためには、前記(9)式から入射ビーム径Dを大きくすれ良いことが判る。したがって、コリメーションレンズの配置距離P1を小さくすることになる。勾配G/Lが負の場合には、逆に、カーフ幅Gを大きくするためにスポット径d0 を大きくする必要がある。したがって、コリメーションレンズの配置距離P1を大きくすることになる。
【0054】
図8は前記ステップS5において、光路長Lとコリメーションレンズのシフト距離ΔXとの関係式(6)に補正を加える方向性を示したものである。測定した勾配G/Lが正または増加傾向の場合には式(6)の勾配mをm’(m>m’>0)に補正する。勾配mを小さくすることは、光路長Lの増加に対するシフト距離ΔXが小さくなる方向であり、前記スポット径d0 を小さくする方向である。
また、勾配G/Lが負または減少傾向の場合には、勾配mをm”(m”>m)に補正する。この場合はΔXが大きくなる方向であり、前記スポット径d0 を大きくする方向である。
【0055】
なお、前記図5には上述の如くして5mの近場(Near Field,N/F)から15mの遠場(Far Field ,F/F)の範囲において適宜に補正した曲線の一例を示してある。
【0056】
図9は、本発明に係わるビームコリメーション方法を用いた光路長可変レーザー加工装置の第2の実施形態を示したものである。この第2の実施形態では、図1に示した前記第1の実施形態におけるコリメーション手段5の構成を変更した以外は第1の実施形態と同一であるので変更部分以外の説明は省略する。
【0057】
図9に示す光路長可変レーザー加工装置100のコリメーション手段50は、レーザー発振器からの出力ビームを曲率可変凹面鏡120とベンドミラー130とで構成してある。この曲率可変凹面鏡120は、図示省略のコリメーション補正手段からの制御信号によって、凹面鏡120の曲率を任意に変更することができるようになている。
【0058】
したがって、凹面鏡120の曲率を適宜に変更することにより、レーザー加工ヘッドを光軸上の任意の位置に移動させたときに、最適なコリメーションがえられるようにしたものである。これにより、第1の実施形態におけるコリメーションと同様な作用効果を得ることができる。
【0059】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、加工領域に応じてコリメーションレンズを最適な位置にシフトさせることができる。すなわち、コリメーションレンズを最適な位置にシフトすることにより、加工領域に応じた適宜なビーム径を有する最適なレーザービームの伝搬特性を選択することができるので広範囲に渡って安定した加工を行うことができる。したがって、ビームの伝送用のミラーおよび集光レンズなど光学系を大型のものに変更する必要がない。
【0060】
請求項2に記載の発明によれば、レーザ加工装置のビーム伝送光学系の経時変化でコリメーションが狂った場合、カーフ幅Gの変化を画像計測装置によって測定してコリメーションレンズの位置を補正すると共に関係式を補正することができるので常に最適なコリメーションに維持することができる。
【0061】
請求項3に記載の発明によれば、加工領域に応じてコリメーションレンズを最適な位置にシフトさせることができる。すなわち、コリメーションレンズを最適な位置にシフトすることにより、加工領域に応じた適宜なビーム径を有する最適なレーザービームの伝搬特性を選択することができるので広範囲に渡って安定した加工を行うことができる。したがって、ビームの伝送用のミラーおよび集光レンズなどの光学系を大型なものに変更する必要がない。
【0062】
請求項4に記載の発明によれば、レーザ加工装置のビーム伝送光学系の経時変化でコリメーションが狂った場合、カーフ幅Gの変化を画像計測装置によって測定してコリメーションレンズの位置を補正すると共に関係式を補正することができるので常に最適なコリメーションに維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるビームコリメーション方法を用いた光路長可変レーザー加工装置のシステム構成図。
【図2】コリメーションレンズの位置を変化させたときの、ビーム伝搬特性の変化を示した図。
【図3】本発明に係わるコリメーションシステムの光学的特性の評価図。
【図4】コリメーションレンズの固定領域と変動領域を加工テーブル上に示した図。
【図5】切断場に対におけるレーザー加工ヘッドの位置とコリメーションレンズのシフト距離との関係のグラフ。
【図6】コリメーション補正手順のフローチャート。
【図7】近場からの距離の増加に対するカーフ幅の変化傾向を示したグラフ。
【図8】光路長とコリメーションレンズのシフト距離との関係式に補正を加える方向性の説明図。
【図9】本発明に係わるビームコリメーション方法を用いた光路長可変レーザー加工装置の第2の実施形態。
【図10】従来の光2軸移動形式の光路長可変レーザー加工装置。
【図11】ガウスビームの伝搬の説明図。
【図12】図10の光路長可変レーザー加工装置におけるコリメーション方法におけるビームの伝搬特性。
【符号の説明】
1 レーザー加工装置
3 レーザー発振器
5 コリメーション手段
7 レーザー加工ヘッド
9 コリメーション補正手段
11 出力ミラー
13 コリメーションレンズ
15 駆動モーター
17 集光レンズ
19 ベンドミラー
21 画像計測装置
23 演算処理装置
25 X軸モーター
27 Y軸モーター
29 X軸エンコーダー
30 Y軸エンコーダー
31 NC装置
G カーフ幅
W ワーク
ΔX コリメーションレンズのシフト距離

Claims (4)

  1. 光路長可変レーザー加工装置において、レーザー発振器の出力ミラーの近傍に光軸上を移動位置決め可能なコリメーションレンズを設け、レーザー加工ヘッドを前記光軸上の任意の位置に移動させたときのコリメーションレンズの最適な位置を関係式、ΔX=(80L−400 ) 、L=X+Y、ここに、ΔX:コリメーションレンズのシフト距離、X:X軸上の光路長、Y:Y軸上の光路長、に基づいて前記コリメーションレンズをシフトさせることを特徴とする光路長可変レーザー加工装置
  2. 請求項1に記載の光路長可変レーザー加工装置において、ワークの数箇所のカーフ幅を画像計測装置によって測定して該カーフ幅の増減傾向を検出し、前記関係式に基づいて位置決めされたコリメーションレンズの位置を補正すると共に、前記関係式を補正するコリメーション補正手段を設けたことを特徴とする光路長可変レーザー加工装置
  3. 光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法において、レーザー発振器の出力ミラーの近傍に光軸上を移動位置決め可能なコリメーションレンズを設け、レーザー加工ヘッドを前記光軸上の任意の位置に移動させたときのコリメーションレンズの最適な位置を算出する関係式、ΔX=(80L−400 ) 、L=X+Y、ここに、ΔX:コリメーションレンズのシフト距離、X:X軸上の光路長、Y:Y軸上の光路長、に基づいて前記コリメーションレンズをシフトさせることを特徴とする光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法
  4. 請求項3に記載の光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法において、ワークの数箇所のカーフ幅を画像計測装置によって測定して該カーフ幅の増減傾向を検出し、前記関係式に基づいて位置決めされたコリメーションレンズの位置を補正すると共に、前記関係式を補正することを特徴とする光路長可変レーザー加工装置のビームコリメーション方法
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