JP3782068B2 - 竪型射出成形機の型締装置 - Google Patents

竪型射出成形機の型締装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上側に可動プラテンが配置され下側に固定プラテンが配置された型締装置であって、サーボモータ等の電動駆動装置によって可動プラテンの型開閉が行われ油圧シリンダ等の油圧駆動装置によって可動プラテンの型締めが行われる竪型射出成形機の型締装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
竪型射出成形機は、一般的に型締装置とその上方で型締装置に対して昇降する射出装置を備える。型締装置は、金型を取り付ける1対のプラテンを有してそれらを上下に相対的に移動する。特に、上側のプラテンを昇降する型締装置は、下側のプラテンが移動しない特徴を生かした成形方法に使用される。その成形方法には、例えば、いわゆるフープ成形がある。それは、あらかじめ順送金型によって所定の形状に打ち抜かれた帯状のフープを型締装置の側方にコイル状態で用意して、それを固定金型上に順次送り込みながらそのフープに樹脂成形品を付加的に成形する成形方法である。この方法は下側のプラテンが固定されていないとできないものである。また、インサート成形がある。この方法では、射出されるまでの間インサート部材が固定金型上に静止状態に載置されるので、位置ずれ等が防止されて都合がよい。それで、本発明の竪型射出成形機の型締装置は、上側のプラテンを昇降する竪型の型締装置に関する。
【0003】
この種の型締装置は、射出装置を含んだ可動部分の重量が特に大きいので、可動部分の重量に見合うカウンタバランス推力を可動部分に作用させて、可動部分を昇降するために要する動力を減少させると共に故障時のその落下を防止する対策を必要とする。それで、本願発明人は、従来公知のブースタラム式の型締シリンダを竪型に配置すると共に、それに含まれる、型開閉シリンダの可動部分を押し上げる側の油室に接続する油圧回路の中に従来公知のカウンタバランス弁を組み込んで、この油室に常に背圧を発生させることによって可動部分の重量に相当するカウンタバランス推力を発生させる型締装置を実用に供していた。
【0004】
ところが、型開閉動作が油圧シリンダによって制御されるので、その動作の高速化と高精度化には限界があり、成形サイクルのハイサイクル化に対応するには不充分であった。その上、カウンタバランス弁が一種のリリーフ弁であるところから、型開きの際に可動部分を押し上げる推力が発生しないので省電力という点でも不充分であった。
【0005】
したがって、型締装置は、型開閉が電動式に行われ型締めが油圧式に行われる仕様であることが望ましいが、この仕様の型締装置にあっても当然上記したカウンタバランス推力は欠かせない。そこで、本出願人は上記の電気油圧式の型締装置の先行出願を検索したが類似するものを発見できなかった。参考程度の先行出願として、油圧で型締めする際に電動式型開閉機構の構成部品であるボールねじ等に型締力を作用させないようにした型締装置(特許文献1参照。)を発見したに過ぎない。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−084765号公報(請求項1、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
記の参考に記載した特許文献1の発明は、本発明と技術課題が異なり、その主要部も類似しないことから、本発明が解決しようとする課題とは別異のものである。したがって、この従来の型締装置は、本出願人が望む仕様を満足するものではないものであった。ただし、この型締装置の、型締め時にボールねじ部に型締力を作用させない作用効果は、別異の構成であるにしろ本発明においても奏されるべき作用効果の1つに含まれるものである。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、電動駆動装置によって型開閉が行われ油圧駆動装置によって型締めが行われる型締装置であって、可動部分にカウンタバランス推力が安定して付加されると共に型開閉が高速高精度に制御される型締装置を提案することを目的とする。加えて、本発明は、型締めの際に発生する強大な型締力が電動駆動装置に負担されることがない型締装置を提案することも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の竪型射出成形機の型締装置は、可動プラテンが固定プラテンに対して上方に配置され、型開閉が電動駆動装置によって行われる一方で型締めが油圧駆動装置によって行われる竪型射出成形機の型締装置において、
前記電動駆動装置が、固定プラテン(3)の下方に位置するベース部材(12)に固定されたサーボモータ(18)と、前記サーボモータによって回転制御されるボールねじ(15)と、前記ボールねじに螺合するボールねじナット(16)とを含み、
前記油圧駆動装置が、前記固定プラテンの下面に固定された型締シリンダ(10)と、前記型締シリンダに挿嵌されて下方に進退する型締ロッド(11)とを含み、
前記型締ロッドが、その先端に前記ボールねじナットを内蔵し、
前記型締めロッドと可動プラテン(4)とが、前記型締めロッドの先端に連結されたバックアッププレート(6)と、前記可動プラテンから垂下されたタイバー(5)とによって一体化するように連結され、
前記ベース部材が前記型締シリンダから垂下された連結棒(13)によって連結され、
前記型締シリンダの油室が、前記型締ロッドのピストンヘッド側の型締油室(10a)と、ロッド側の背圧油室(10b)とに区分されると共に、
前記型締油室には、前記サーボモータによる型開閉の際に作動油がプレフィルされる一方で型締めの際に型締圧力が負荷され、
前記背圧油室には、カウンタバランス推力を発生する背圧が常時負荷されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の上記の竪型射出成形機の型締装置は、特に、前記背圧油室にカウンタバランス推力を発生する背圧がアキュムレータ(AC)によって発生されることを特徴とする。
【0011】
なお、上記括弧内の符号は、構成要素を図面と参照するものであり、何ら本発明の構成を図面の構成に限定するものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の竪型射出成形機の型締装置に係る1実施形態が、図1、図2及び図3によって説明される。図1は型開き状態の型締装置を、図2は型閉じ状態のそれを示す。図3は、模式的示される本発明の型締装置とその油圧制御装置を示す。
【0013】
型締装置1は、図1に示されるように、機台2に固定された固定プラテン3と可動プラテン4を含み、可動プラテン4はタイバー5によって固定プラテン3の下方に備えられたバックアッププレート6に連結される。固定プラテン3と可動プラテン4には、従来公知の固定側金型7と可動側金型8が取り付けられて開閉される。射出ノズル41で代表して示される射出装置40は、可動プラテン4上に備えられ、油圧シリンダ42によって固定金型7に対して昇降する。もちろん、射出装置40が固定側金型7と可動側金型8との当接面、すなわちパーティング面から射出されるものであっても良い。この場合、射出装置40が固定側に載置されるので、可動部分の重量が軽減されて上記のカウンタバランス推力が小さくて済む。
【0014】
固定プラテン3の下面には型締シリンダ10が固定され、その中で昇降する型締ロッド11の先端がバックアッププレート6に連結される。固定プラテン3と型締シリンダ10との間には、エジェクタ駆動装置19が設けられる。型締シリンダ10の中のシリンダ油室は、上側(ヘッド側)の型締油室10aと下側(ロッド側)の背圧油室10bとに型締ロッド11のピストン部11aを介して区分される。型締油室10aは、2つの配管ラインL1、L2に連通し、背圧油室10bは1つの配管ラインL3に連通する。配管ラインL1、L2及びL3は後に説明される油圧制御装置30に含まれる。型締シリンダ10、型締ロッド11及び油圧制御装置30は、型締装置1の油圧駆動装置を構成する。
【0015】
バックアッププレート6の下方にはベース部材12が配置され、これが型締シリンダ10に連結棒13によって固定される。ベース部材12にはベアリング14を介してボールねじ15が回転自在に取り付けられる一方、型締ロッド11の先端部からバックアッププレート6に至る部分にはボールねじ15に螺合するボールねじナット16が固定される。そして、型締ロッド11にはボールねじ15が昇降しても干渉しないだけの空所11bが形成される。また、ベース部材12にはブラケット17を介してサーボモータ18が取り付けられ、サーボモータ18の出力軸の回転駆動力がボールねじ15にタイミングベルト20を介して伝達される。21、22はそのためのプーリで、これらによって回転伝達装置が構成される。もちろん、サーボモータ18ボールねじ15とが一直線上に配置されて、図示省略されたカップリングによって両者が直結されても良い。この場合、サーボモータ18はベース部材12あるいは図示省略された機台等に固定される。カップリングは回転伝達装置となる。また、サーボモータ18は、ビルトインモータとして構成されて、その回転子側がボールねじ15と一体に構成されその固定子側が適宜に型締装置1の図示省略された機台等に固定されても良い。以上のサーボモータ18、ボールねじ15、ボールねじナット16及び回転伝達装置は、型締装置1の電動駆動装置を構成する。
【0016】
以上の構成において、型開閉はサーボモータ18によって行われる。サーボモータ18が回転することによって可動プラテン4はタイバー5と共に固定プラテン3に対して昇降する。サーボモータ18の回転力がボールねじ15に伝達され、これによってボールねじナット16が昇降してバックアッププレート6が昇降するからである。一方、型締は、つぎに説明される油圧制御装置30の油圧制御によって型締シリンダ10を介して行われる。より詳細な型開閉動作及び型締め動作は後に説明される。
【0017】
なお、ボールねじナット16が作動油の存在しない空所11bにあって下方に取り外し可能に取り付けられ、ボールねじ15も下方に取り外し可能に取り付けられるので、ボールねじ等の交換が容易である。型締装置1を上方に持ち上げれば下方に干渉する物が存在しないからである。
【0018】
油圧制御装置30は図3に示されるように構成される。図中、型開閉、型締め等に関与しない回路、例えば、射出制御回路や公知の型締装置の安全扉に関係する安全回路等は省略されている。型締装置は既述された型締装置1に相当し、対応する部材には同一の符号が付される。
【0019】
T1とT2は作動油が貯留されるタンクである。これらのタンクは、図示の都合上2つに分けて表示されるが、通常1つのタンクである。Pは、可変容量型ポンプ(以下、単にポンプとする。)であり、供給する作動油の圧力及び流量を図示省略した制御装置の指令に従って制御する。V1、V2及びV3は方向制御弁であり、V4は通常閉じた状態にあるストップバルブである。CV1及びCV3はチェック弁で、パイロットラインPL1、PL3のパイロット圧によって管路を強制的に開くパイロット操作のチェック弁である。CV2は、特に大容量の作動油を流すためのチェック弁であり、プレフィル弁と称されるものである。図示されたプレフィル弁CV2は、2つのパイロットラインPL2、PL4のパイロット圧によって開閉される複動式のプレフィル弁であり、パイロットラインPL2のパイロット圧によって開かれ、パイロットラインPL4のパイロット圧によって速やかにかつ確実に閉じられる。もちろん、プレフィル弁CV2は、管路を閉じる方向に弁を付勢するばねを含む単動式のプレフィル弁であっても良く、この場合、パイロットラインPL4は不要である。ACは、高圧の作動油を常時貯留するアキュムレータである。PS1、PS2及びPS3は圧力センサで管路中の作動油の圧力を検出して図示省略された制御装置にその圧力値をフィードバックする。絞りOは、管路中に流れる作動油の流量を適宜に絞って、方向制御弁V1、V2又はV3が切り換えられる際に発生するサージ圧力を抑える。
【0020】
型締シリンダ10に連結される配管ラインL1、L2及びL3は、上記の油圧機器を含んでつぎのように構成される。なお、油圧制御装置30は、ポンプPから供給される作動油を方向制御弁V1、V2及びV3のPポートに供給する供給ラインSLと、方向制御弁V1、V2及びV3のTポートから戻る作動油をタンクT1に回収するタンクラインTLとを当然ながら備える。
【0021】
配管ラインL1は、型締油室10aに型締めのための作動油を供給するためのラインであり、供給ラインSL上の分岐点C1から方向制御弁V1、チェック弁CV1を経由して型締シリンダ10に至る管路である。それで、配管ラインL1は以下において型締ラインL1と称される。型締力を決定する型締ラインL1中の作動油の圧力は、圧力スイッチPS1によって検出されてフィードバックされ、ポンプPの圧力制御によって所望の圧力に制御される。
【0022】
配管ラインL2は、プレフィル弁CV2を介してタンクT2と型締油室10aを連通するラインである。このラインは、型開閉の際に作動油を多量に移動、すなわちプレフィルする。それで、配管ラインL2は以下においてプレフィルラインL2と称される。プレフィルラインL2の配管は、その中を多量の作動油が高速に流れるので、太い配管で構成される。
【0023】
配管ラインL3は、背圧油室10bに背圧を作用させるラインであり、チェック弁CV3から途中でアキュムレータACに連通して型締シリンダ10に至る管路である。分岐点D4からバルブV4に至る管路は、バルブV4が常時閉じているので無視し得る。この配管ラインは、運転中にチェック弁CV3が常に閉じられることから他の配管系から常時分離独立しており、管中の、後に説明されるカウンタバランス推力を発生する背圧は、アキュムレータACに蓄圧された圧力によって常にほぼ一定の圧力に保たれる。それで、配管ラインL3は以下において背圧ラインL3と称される。
【0024】
なお、背圧ラインL3中の上記の背圧は、後に説明される型開閉に伴う背圧油室10bの容積の変化によってもほとんど変化しない。それは、背圧油室10bの容積が型締ロッド側にあって大きくないことからアキュムレータACの容積を背圧油室10bの容積に対して充分に大きくすることが無理なくできるからである。その上、その圧力の変化が従来のようなリリーフ的な作用に因らないことから、既述された省電力の問題も発生しない。
【0025】
また、万一、背圧が所定の範囲から外れた場合には、背圧の圧力スイッチPS3によるフィードバックと方向制御弁V3を開閉することによって容易に回復できる。例えば、背圧が低下した場合には方向制御弁V3のソレノイドbが励磁されてPポートがBポートに開き、高圧の作動油がチェックバルブCV3を通って背圧ラインL3中に補充される。逆に、背圧が上昇した場合には方向制御弁V3のソレノイドaが励磁されてPポートとAポート、TポートとBポートが連通し、チェックバルブCV3がパイロット圧によって開いて背圧ラインL3中の作動油がタンクラインTLに戻る。ただし、背圧ラインL3が他の配管系から常時分離独立しているので、この背圧調整は成形運転時に行われない。背圧が上昇する場合には、制御装置は異常として処理する。この現象は、正常であれば発生しないからである。
【0026】
以上の主要な配管ラインに加えて、その余の配管ラインとして、背圧ラインL3の分岐点D4から分岐してバルブV4を経由してタンクT1に戻る配管ラインL4が設けられる。このラインは、型締装置1や油圧制御装置30の修理の際にバルブV4を開いてアキュムレータACの圧油を抜くためのものである。また、方向制御弁V2から絞りOを経由してタンクT1に戻る、公知の作動油の昇温ラインHLが設けられる。昇温ラインHLは本発明に関係がないのでその説明は省略される。
【0027】
油圧制御装置30とサーボモータ18とによって型開閉動作や型締動作等が以下のように行われるが、射出装置40や可動プラテン4含む可動部分の重量が特に大きいので、既述された背圧が背圧ラインL3から背圧油室10bに作用して、可動部分には成形運転中を通してその重量に見合うカウンタバランス推力が油圧的に常時付与される。背圧油室10b側の受圧部、すなわち型締ロッド11のピストン部11aのロッド側に面する段差部に上記の背圧が作用して、型締ロッド11が押し上げられるからである。特に、背圧は、型開き状態で背圧油室10bの容積が最大のときにカウンタバランス推力が可動部分の重量に等しくなるように設定される。それで、型開閉中に型締ロッド11が下降するときに背圧が幾分か増加することから、カウンタバランス推力は可動部分を常に上昇させようとする、より安全側の推力として作用する。なお、金型交換に伴う背圧の変更設定は、可動部分の重量変化が型開平動作のサーボモータ18の負荷変化として検出されるので、その負荷変化に応じて容易にできる。
【0028】
上記の型締装置1において、まず、可動プラテン4の型閉じはつぎのように行われる。あらかじめ、方向制御弁V1、V2及びV3のソレノイドa、bが非励磁の状態に維持されてチェック弁CV1、CV3が閉じられることから、型締ラインL1は閉じられ、背圧ラインL3は他の配管系から独立している。また、パイロットラインPL2、PL4は、大気圧になってプレフィル弁CV2の自由な開閉を許容している。この状態で、サーボモータ18が回転制御されてボールねじ15が回転し、ボールねじナット16が下降することによって可動プラテン4の型閉じが行われると、型締ロッド11の下降に伴い型締油室10aが負圧になり、これによって自然に開いたプレフィルラインL2を通って多量の作動油がタンクT2から型締油室10aに吸い込まれる。一方、背圧油室10bの容積も同時に減少して、作動油が背圧油室10bから背圧ラインL3中に還流してアキュムレータACに回収される。このとき、既述されたように、作動油は、背圧、すなわちカウンタバランス推力をそれほど上昇させることなく円滑にかつ急速にアキュムレータACに回収される。それで、サーボモータ18による型開閉動作は、可動部分の自重と釣り合った安定したカウンタバランス推力によってサーボモータ18に大きな負荷を負担させることなく行われ、型開閉動作の省電力化も安定して実現される。特に、背圧がカウンタバランス弁ではなくアキュムレータACによって維持されるからである。その上、作動油がプレフィルラインL2を高速かつ多量に移動するので、型開閉動作の高速化高精度化は、油圧駆動装置によって損なわれることなく実現される。もちろん、万一の故障の場合にも可動部分の落下が全く発生しない。アキュムレータACがプラダ以外の機械的に動く要素を含まないからである。
【0029】
型閉じが完了するとつぎに型締めが行われる。まず、型締め直前に、サーボモータ18の出力軸やボールねじ15は、型閉じ完了位置で停止しているが、ブレーキ等でその位置に特に固定されてはいない。また、方向制御弁V1、V2及びV3が型閉じ直後の状態にあることから、パイロットラインPL2が大気圧になってプレフィル弁CV2の自由な動作が許容されると共にチェック弁CV3は閉じ、背圧ラインL3は他の配管系から独立している。つぎに、この状態で、方向制御弁V1のソレノイドbが励磁されて作動油が型締ラインL1に供給されると、プレフィル弁CV1が速やかに開いて型締油室10aに高圧の作動油が供給されると共に、パイロットラインPL4に圧油が供給されてプレフィル弁CV2が速やかに閉じてプレフィルラインL2が閉じる。それで、型締油室10aが高圧になって型締ロッド11が下方に押し下げられ、可動プラテン4が固定プラテン5に対して押圧されてこれらの間に強大な型締力が発生する。このとき、可動側の型締ロッド11に固定されたボールねじナット16と、固定側のベース部材12に回転自在に支持されたボールねじ15との間に働く型締力は、ボールねじ15の回転が許容されることによって緩和される。したがって、回転伝達装置を含む電動駆動装置には型締力がほとんど作用しない。型締め状態にある型締装置1は、図2に示される。
【0030】
続いて射出が行われ、成形品が冷却された後に型締力を除く圧抜きが行われる。このため、方向制御弁V2のソレノイドaが励磁されてパイロットラインPL2に圧油が供給され、プレフィル弁CV2が開かれる。その結果、型締油室10aがタンクT2に連通して型締油室10a中の高圧が大気圧に低下して、可動プラテン4と固定プラテン5との間の強大な型締力が除去される。このとき、方向制御弁V1、V3のソレノイドa、bが非励磁の状態に維持されて既述されたように型締ラインL1は閉じられ、背圧ラインL3は他の配管系から独立した状態に保持されている。
【0031】
つぎに、型開きが行われる。最初、圧抜き直後の状態にあって、方向制御弁V2のソレノイドaが励磁されてプレフィル弁CV2が開いた状態に維持され、方向制御弁V1、V3のソレノイドa、bが非励磁のままに保持されて型締ラインL1が閉じると共に背圧ラインL3が他の配管系から独立している。つぎに、サーボモータ18が逆方向に回転制御してボールねじ15が逆回転し、ボールねじナット16が上昇することによって可動プラテン4が開かれる。このとき、背圧油室10bに作動油がアキュムレータACから急速に補給されて背圧ラインL3中の背圧が既述されたように高圧状態で維持されると共に型締油室10aの作動油がタンクT2に円滑に戻される。それで、型開きにおいても、既述された型閉じ動作における作用効果が同様に奏される。既述された従来の省電力の問題も全くない。この後、成形品の取り出しが行われて再び既述されたような型閉じが行われる。
【0032】
以上説明されたように、本発明の型締装置1においては、可動部分にカウンタバランス推力が常時油圧的に作用して可動部分の自重がカウンタバランス推力によって相殺されるので、型開閉時にサーボモータ18、ボールねじ15等の電動駆動装置に大きな負荷が掛からない。それで、それらが最小限の負荷容量のもの、最小限の出力のもので足りる上に、万一の故障の場合にも可動部分の落下が全く発生しない。また、型開閉時のカウンタバランス推力を発生する背圧がアキュムレータACによって滑らかに変化するので、開閉動作は全く円滑に行われる。また、型開閉動作が電動式に制御されるので、その高速化と高精度化が実現される。しかも、この高速化と高精度化は、既述されたように油圧駆動装置によって損なわれることはない。また、上記の型締装置1の構成によって型締め時にボールねじ15とボールねじナット16との間に型締力が負荷されないので、ボールねじ15、ボールねじナット16及びタイミングベルト20等の損傷がほとんど無い。また、型締シリンダ、型締ロッド、型締ナット及び型締ねじが一直線上に整列状態に配置されるので、型開閉動作の真直性も優れ、ボールねじ等の交換も容易である。
【0033】
その上、本発明の型締装置1では、型締ロッド11を型締シリンダ10に対して下方に進退して強力な型締力を発生する型締油室10aの受圧面積が大きく形成されると共に可動物の重量に見合うだけのカウンタ推力を発生すればよい背圧油室10bの受圧面積がそれなりの大きさに形成されるので、型締シリンダ10の直径は必要最小限に小さくできるという作用効果も奏される。そして、型締油室10bの容積がアキュムレータACの容積に比べて小さくなることから、型開閉に伴う背圧の変化は小さくなり、その結果、カウンタ推力の変化も最小限に抑えられる。また、電動駆動装置と油圧駆動装置が一軸上に配置されることから型開閉動作の真直性も優れる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1記載の型締装置の構成によれば、可動部分に安定したカウンタバランス推力を油圧的に常時作用させながら型開閉を電動駆動装置によって行うことができるので、電動駆動装置に大きな負荷が掛からないことはもちろん、電動式に制御されることによる型開閉動作の高速性、高精度性が油圧駆動装置によって損なわれることがない。また、型締めが油圧的に行われる際に、ボールねじやボールねじナットに強大な型締力が負担されることがない。その上、型締シリンダ、型締ロッド、型締ナット及び型締ねじが一直線上に整列状態に配置されるので、型締シリンダの直径を必要最小限に小さくできるとともに型開閉動作の真直性も優れる。
【0035】
また、請求項2記載の型締装置によれば、分離独立した背圧ラインのアキュムレータに蓄圧された作動油によって背圧が発生するので、型開閉に伴う背圧の変化は円滑でかつ僅かである。それで、型開閉動作は全く円滑に行われると共に可動部分の万一の落下が確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型締装置の型開きした状態における側面断面図である。
【図2】図1の型締装置の型閉じした状態での側面断面図である。
【図3】図1の型締装置に相当する模式図とその型締装置の油圧制御装置の配管系統図を示す図面である。
【符号の説明】
1 型締装置
3 固定プラテン
4 可動プラテン
5 タイバー
6 バックアッププレート
10 型締シリンダ
10a 型締油室
10b 背圧油室
11 型締ロッド
13 連結棒
12 ベース部材
15 ボールねじ
16 ボールねじナット
18 サーボモータ
AC アキュムレータ

Claims (2)

  1. 可動プラテンが固定プラテンに対して上方に配置され、型開閉が電動駆動装置によって行われる一方で型締めが油圧駆動装置によって行われる竪型射出成形機の型締装置において、
    前記電動駆動装置が、固定プラテンの下方に位置するベース部材に固定されたサーボモータと、前記サーボモータによって回転制御されるボールねじと、前記ボールねじに螺合するボールねじナットとを含み、
    前記油圧駆動装置が、固定プラテンの下面に固定された型締シリンダと、前記型締シリンダに挿嵌されて下方に進退する型締ロッドとを含み、
    前記型締ロッドが、その先端に前記ボールねじナットを内蔵し、
    前記型締めロッドと可動プラテンとが、前記型締めロッドの先端に連結されたバックアッププレートと、可動プラテンから垂下されたタイバーによって一体化するように連結され、
    前記ベース部材が前記型締シリンダから垂下された連結棒によって連結され、
    前記型締シリンダの油室が、前記型締ロッドのピストンヘッド側の型締油室と、ロッド側の背圧油室とに区分されると共に、
    前記型締油室には、前記サーボモータによる型開閉の際に作動油がプレフィルされる一方で型締めの際に型締圧力が負荷され、
    前記背圧油室には、カウンタバランス推力を発生する背圧が常時負荷されることを特徴とする竪型射出成形機の型締装置。
  2. 前記背圧油室にカウンタバランス推力を発生する背圧は、アキュムレータによって発生されることを特徴とする請求項1記載の竪型射出成形機の型締装置。
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