JP3781559B2 - 鉄筋籠の構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、場所打杭を打設する際のフレキシブル鉄筋及び帯鉄筋の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
地上において、予め組立てられた鉄筋籠を、場所打杭を打設する場所で吊り下げ、鉄筋籠をジョイントしながら削孔内に建込む方法が従来行われている。
しかしこれら従来の方法においては、以下の問題がある。
▲1▼工事現場により、杭頭の上部空間が少なく、鉄筋籠の長さを短くしなければならず、そのためジョイント箇所が多くなり、施工性が低下する。
▲2▼ジョイント箇所が多くなるため、構造上の弱点となる。
▲3▼工事現場により、鉄筋籠を置くスペースが無いため、別の場所から運搬する移動時間、手間がかかる。
これらの問題を解決するため、フレキシブル鉄筋を使用した方法があるが、この方法においても、以下の問題がある。
▲1▼フレキシブル鉄筋を主鉄筋とした場所打杭は、コンクリートとの付着強度が小さいため、ひびわれが分散せず、数箇所に集中してしまう。
▲2▼そのため、ひびわれ幅が大きくなり、フレキシブル鉄筋の腐食が発生する原因となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、簡単な方法により、コンクリートとの付着強度を大きくし、ひびわれを分散させることにより、鉄筋の腐食が発生する原因を少なくして、作業性のよい、高品質の場所打杭を構築できる鉄筋籠の構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明は場所打杭に使用するフレキシブル鉄筋と帯鉄筋から構成される鉄筋籠の構造に関し、杭の主鉄筋となるフレキシブル鉄筋と、フレキシブル鉄筋の延長方向に所定間隔で配置、固定した帯鉄筋から構成される鉄筋籠において、前記のフレキシブル鉄筋に異形鉄筋を取付けたことを特徴とする鉄筋籠の構造である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0006】
<イ>全体構成
図1は、本発明による鉄筋籠を施工中の状況を示す断面図である。
鉄筋籠1は、フレキシブル鉄筋2と、フレキシブル鉄筋2の下端を固定する下部フレーム3と、フレキシブル鉄筋2の延長方向に所定間隔で配置、固定された帯鉄筋4と、フレキシブル鉄筋2の延長方向に所定間隔をあけて取付けられた異形鉄筋5により構成される。
【0007】
<ロ>フレキシブル鉄筋
フレキシブル鉄筋2は、可撓性があり、場所打杭の主鉄筋となるものである。
フレキシブル鉄筋2の下端には、下部フレーム3が任意の方法で固定されており、鉄筋籠1の形状保持を行うと共に、建込み、降下時のガイドを行うものである。
【0008】
<ハ>帯鉄筋
帯鉄筋4は、フレキシブル鉄筋2の延長方向に所定間隔で配置、固定されるものであり、フープ状またはスパイラルフープ状のいずれでもよい。
【0009】
<ニ>異形鉄筋
通常使用する付着強度の大きい異形鉄筋5であり、施工現場の状況及び設計上の条件等により、単一長さのもの、またはこれらを圧接等で所要長さに加工した異形鉄筋5を使用する。
【0010】
【作用】
以下図面を参照して、鉄筋籠の施工方法を説明する。
【0011】
<イ>フレキシブル鉄筋、帯鉄筋の建込み
図1において、削孔H上に設置された建込み架台6の上部フレーム7から、フレキシブル鉄筋2を施工基盤Gまで引き出し、下部フレーム3の取付けを任意の方法で行うと共に、フレキシブル鉄筋2の延長方向に所定間隔で帯鉄筋4を配置、固定し、削孔H内に順次建込みを行う。
【0012】
<ロ>異形鉄筋の取付け
前記により鉄筋籠1状に形成されたフレキシブル鉄筋2、帯鉄筋4を建込み後、設計上で決められた間隔毎に、鉄筋籠1の延長方向に異形鉄筋5を取付ける。
異形鉄筋5の長さが、既設構造物M等で上部空間を制限されるため不足する場合は、施工基盤G上で圧接等により所要長さに加工して取付ければよい。
図2は、フレキシブル鉄筋2に異形鉄筋5を取付けた側面図である。
異形鉄筋5の取付けは、たとえば結束線を用いる等、任意の方法を選択すればよい。
取付ける異形鉄筋5の断面積、長さ、取付け間隔等は、付着強度を考慮した設計上の数値により決定されるものである。
従来のフレキシブル鉄筋2単独使用の場合の、付着強度不足によるひびわれの集中化に対しては、異形鉄筋5の取付けにより、ひびわれを分散化でき、ひびわれ幅を最小におさえることができる。
【0013】
<ハ>フレキシブル鉄筋の切断、建込み架台の撤去
図3は完成した鉄筋籠1の断面図である。
下部フレーム3が削孔Hの底面に到達後、施工基盤G面でフレキシブル鉄筋2を切断すると共に、施工基盤G上の建込み架台6を撤去し鉄筋籠1が完成する。
【0014】
【発明の効果】
本発明は以上説明したようになるから、次のような効果を得ることができる。
<イ>フレキシブル鉄筋と異形鉄筋とを併用しているため、付着強度の大きい異形鉄筋がひびわれを分散化し、ひびわれ幅を最小におさえることができる。
<ロ>異形鉄筋の付着強度により、ひびわれ幅を最小におさえるため、主鉄筋であるフレキシブル鉄筋の腐食を抑制することができる。
<ハ>全ての主鉄筋を異形鉄筋とすることに比べて、異形鉄筋の使用量が少なくてすみ、継手箇所も少なくすることができる。
<ニ>異形鉄筋の取付けが簡単であるため、施工場所の上部空間が低い場合においても容易に施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鉄筋籠を施工中の状況を示す断面図。
【図2】フレキシブル鉄筋に異形鉄筋を取付けた側面図。
【図3】完成した鉄筋籠の断面図。

Claims (2)

  1. 場所打杭に使用するフレキシブル鉄筋と帯鉄筋から構成される鉄筋籠の構造に関し、
    杭の主鉄筋となるフレキシブル鉄筋と、
    フレキシブル鉄筋の延長方向に所定間隔で配置、固定した帯鉄筋から構成される鉄筋籠において、
    前記のフレキシブル鉄筋に異形鉄筋を取付けたことを特徴とする、
    鉄筋籠の構造。
  2. 請求項1に記載の鉄筋籠の構造において、
    異形鉄筋は、杭の主鉄筋となるフレキシブル鉄筋に沿わせて、
    鉄筋籠延長方向の所定間隔毎に取付けたことを特徴とする、
    鉄筋籠の構造。
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