JP3665805B2 - 斜面安定化工法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、斜面上に鉄筋コンクリ−ト梁を設置して斜面の安定化を図る工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の斜面の安定化工法は、次のような種々の方法により行われている。
<イ>斜面上に、人力により鉄筋および型枠を組み立てた後、コンクリ−トを打設してアンカ−で定着する方法。
【0003】
<ロ>斜面上に鉄筋および金網型枠を組み立てた後、コンクリ−トを吹き付けて施工する方法。
【0004】
<ハ>斜面上に工場作製したコンクリ−トブロック体を設置して、アンカ−で定着する方法。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術には、次のような問題点が存在する。
(1)上記<イ>の工法は、斜面上で人力により鉄筋および型枠を組み立てるため、作業が煩雑であり、多大の費用がかかる。
特に、岩盤の切取斜面では地山の凹凸が顕著であり、その凹凸に合わせて型枠を作製する必要があるため、型枠加工が複雑となる。
【0006】
(2)上記<ロ>のコンクリ−ト吹き付け工法は高価であり、しかも打設作業に時間がかかる。
【0007】
(3)上記<ハ>のコンクリ−トブロック体を用いた方法の場合は、ブロック体底面と斜面との間の隙間を完全に無くすことは事実上困難であるため、その隙間から雨水等が侵入し、アンカ−を腐食させる原因となる。
また、ブロック体は地山との密着性が低いので、仮にアンカ−が切断した場合、ブロック体が斜面上から滑落する危険性がある。
さらに、凹凸のある地山ではアンカ−の緊張による支圧力が地山の凸部に集中荷重として働いてしまい、ブロック体が破壊する危険性がある。
【0008】
【本発明の目的】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、施工の省力化、アンカ−の腐食防止、地山との一体性の確保、施工の安全性を図ることができる斜面安定化工法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、十字状天板と側板と端板よりなる十字状型枠の底部にシート部材を取り付け、型枠内部に鉄筋を組み込み、かつ中心部にサポートパイプを取り付けて構成した後、地山に定着したアンカー頭部を前記サポートパイプに貫通させて前記十字状型枠を斜面に配置し、前記アンカーを仮緊張して前記十字状型枠を斜面に仮定着し、前記十字状型枠内にコンクリートを打設して、鉄筋コンクリート梁を作製し、前記アンカーを本緊張して前記コンクリート梁を斜面に本定着し、前記シート部材は、全周縁部をコンクリートを透過せず、かつ可撓性を有する素材で形成し、底面中央部では、コンクリートが透過して直接斜面に接触することを特徴とする、斜面安定化工法である。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施例について説明する。
<イ>十字状型枠の構造
十字状型枠100は、図1〜図3に示すように、十字状の天板101と、その長手方向の各辺と連続する側板102と、それらの先端部を閉塞する端板103とにより、十字状のコンクリート打設空間を形成するものである。
尚、本実施例において、十字状型枠100は、アーム部が十字型である場合に限定されるものではなく、アーム部が三本又は四本以上であってもよいことは勿論である。
【0011】
図1〜図3のように、天板101と側板102、端板103との角部は面取りした形状としてもよく、また十字状の各アームを先細り状に形成してもよい。
【0012】
天板101の中心部には、支圧板設置穴104を凹設し、さらにその中心部にはサポートパイプ105を取り付ける。
サポートパイプ105は、図中に示すように、十字状型枠100内を上下に貫通して取り付けられる。
【0013】
側板102の斜面上部側に位置する面には、図2、3に示すように、コンクリートの第一次打設口106、振動機挿入口107、エア抜き孔108を適宜開設する。
また、端板103の斜面上部側に位置する面にも、コンクリートの第二次打設口109を開設する。
尚、端板103を設けずに完全に開放して第二次打設口109としてもよい。
【0014】
端板103の斜面の左右方向に位置する部分には、隣接する十字状型枠100同士をボルト止め等により連結するための連結治具110を突出させて取り付ける。
また、十字状型枠100の中心部の四隅には、図4に示すように、斜面上に吊り上げる際に使用する吊りインサート111を埋設しておくとよい。
【0015】
次に、図4に示すように、対向する側板102の下端間にL鋼等の補強治具112を取り付け、それに溶着した逆V字状のスペーサ113を介して十字状型枠100内に鉄筋を組み込む。
鉄筋は、スペーサ113に溶着したスターラップ114と、そのスターラップ114に溶着した組立鉄筋115、引張鉄筋116よりなる。
【0016】
また、補強治具112を取り付ける際に、シート部材117の両端縁を挟み込んで、十字状型枠100の底部全面を閉塞するようにゆとりを持たせて取り付ける。
このシート部材117は、側板102寄りの両側部と端板103寄りの端部、すなわち十字状の全周縁部を織布や不織布等のコンクリートの透過しない素材で形成する。
以上のように構成された十字状型枠100は、工場で予め一体作製され、現場に搬入される。
【0017】
<ロ>施工方法
以下、施工方法について説明するが、本実施例では逆巻施工を例として説明する。
(1)アンカーの打設
図5に示すように、斜面にアンカー200を定着し、アンカー孔の内外の境界部分にガイドパイプ201を装着する。
次に下部斜面を次のアンカーの打設位置まで掘削する。
【0018】
(2)十字状型枠の設置
図6に示すように、サポートパイプ105内にガイドパイプ201を挿入させて、十字状型枠100を斜面上に配置する。
この場合、第二次打設口109が斜面上部側に位置するように配置して行う。
また、それと並行して次段のアンカー200の打設を行う。
【0019】
(3)仮定着、コンクリート打設
図7に示すように、アンカー200を仮緊張し、定着具202を用いて、十字状型枠100を斜面上に仮定着する。
次に十字状型枠100内にコンクリート300を流し込んで充填し、鉄筋コンクリート梁を作製する。
【0020】
コンクリート300の充填方法は、図9〜図11に示すように、先ず、一方の第一次打設口106から斜面下部に位置する十字状のアーム部にコンクリート300を流し込むと同時に、他方の第一次打設口106からは振動機400を挿入して振動を与える。
引き続き斜面左右のアーム部にコンクリート300を充填し、第一次打設口106、振動機挿入口107より振動機400を挿入して振動を与える。
最後に第二次打設口109よりコンクリート300を充填し、そこから振動機400を挿入して振動を与える。
以上のように、型枠100内の全体に十分に振動を与えながら充填できるため、密実なコンクリートの打設が可能となる。
【0021】
そして、十字状型枠100内に打設されたコンクリート300は、図7に示すように、シート部材117の可撓性により地山の凹凸に馴染んで充填されるためコンクリート梁と地山との密着性を高めることができる。
また、シート部材117の全周縁部はコンクリート300が透過しないため、外部にコンクリート300が流出するのを防止でき、かつ中央部ではコンクリート300が透過して直接斜面に接触するため密着性を高めることができる。
【0022】
(4)本定着
コンクリート300の養生、硬化後、図8に示すように、アンカー200を本緊張して、十字状型枠100と内部コンクリート300よりなる鉄筋コンクリート梁を斜面に本定着する。
これによって、アンカー200の緊張力を鉄筋コンクリート梁に伝達でき、斜面の安定を図ることができる。
【0023】
【本発明の効果】
本発明は以上説明したようになるため、次のような効果を得ることができる。
<イ>型枠内には鉄筋も組み込まれており、斜面上に置くだけで配置を完了することができる。
そのため、斜面上での鉄筋及び型枠の組み立て作業を省略でき、著しい施工の省力化を達成することができる。
また、複雑な作業がないため、熟練工が不要であり、機械化施工が可能となる。<ロ>型枠底部にシ−トを用いたため、地山の凹凸に馴染んでコンクリ−トが打設される。
従って、コンクリ−ト梁と地山との密着性を高めることができ、滑落や破損などの無い安全な施工が可能となる。
<ハ>コンクリ−ト梁と地山との密着性が高いため、雨水等の侵入を遮断することができ、アンカ−の腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる十字状型枠の一実施例の平面図
【図2】 本発明に用いる十字状型枠の一実施例の正面図
【図3】 本発明に用いる十字状型枠の一実施例の側面図
【図4】 図1におけるIV−IVの断面図
【図5】 本発明のアンカーの打設工程の説明図
【図6】 本発明の十字状型枠の配置工程の説明図
【図7】 本発明のコンクリートの打設工程の説明図
【図8】 本発明の鉄筋コンクリート梁の本定着工程の説明図
【図9】 本発明のコンクリートの打設工程の詳細な説明図
【図10】 本発明のコンクリートの打設工程の詳細な説明図
【図11】 本発明のコンクリートの打設工程の詳細な説明図
Claims (1)
- 十字状天板と側板と端板よりなる十字状型枠の底部にシート部材を取り付け、型枠内部に鉄筋を組み込み、かつ中心部にサポートパイプを取り付けて構成した後、
地山に定着したアンカー頭部を前記サポートパイプに貫通させて前記十字状型枠を斜面に配置し、
前記アンカーを仮緊張して前記十字状型枠を斜面に仮定着し、
前記十字状型枠内にコンクリートを打設して、鉄筋コンクリート梁を作製し、
前記アンカーを本緊張して前記コンクリート梁を斜面に本定着し、
前記シート部材は、全周縁部をコンクリートを透過せず、かつ可撓性を有する素材で形成し、底面中央部では、コンクリートが透過して直接斜面に接触することを特徴とする、
斜面安定化工法。
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JP13618995A Expired - Fee Related JP3665805B2 (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | 斜面安定化工法 |
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