JP3781545B2 - 光ビーム偏向装置および描画装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響光学偏向素子(AOD)を用いて光ビームを偏向させる光ビーム偏向装置およびそれを用いた描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
音響光学偏向素子(AOD)は、レーザビーム等の光ビームを偏向させる偏向器として光ビーム偏向装置に広く用いられている。特に、このAODを用いた光ビーム偏向装置は、偏向角の制御を高速で行うことができるので、光ビームを高速で走査させるための走査光学系に用いられることが多い。このような光ビーム偏向装置は、例えば光ビームを感光材の表面に走査させることにより描画を行う描画装置に用いられている。
【0003】
しかし、AODを用いて高速な走査を行うと、シリンドリカルレンズ効果と呼ばれる現象が現れることが知られている。AODのシリンドリカルレンズ効果については、例えばL.D.Dickson,“Optical Considerations for an Accoustooptic Deflector,”Applied Optics誌,Vol.11,No10, 1972年10月, 第2196頁〜第2202頁に詳しく説明されている。
【0004】
図3(a)はAODにおけるシリンドリカルレンズ効果を説明するための概念図、図3(b)は超音波の周波数変化の一例を示す波形図である。
【0005】
図3(a)において、AOD1は、音響媒質1aおよび超音波振動子(トランスデューサ)1bを備える。トランスデューサ1bから発振された超音波Sは、音響媒質1a中を進行する。図においては、超音波Sは音響媒質1a内に平行線によって模擬的に示されている。この平行線は、その間隔が狭いほど周波数が高いことを意味している。超音波Sの周波数は、図3(b)に示すように、最低周波数fmin から最高周波数fmax まで直線的に上昇するように周期的に変化している。
【0006】
音響媒質1aに光ビームLIa,LIbが入射すると、1次回折光である出射光LDa,LDbが出射される。一般に、回折光の回折角2ψは、次式(a1)で与えられる。
【0007】
2ψ=fλ/v ・・・(a1)
ここで、fは超音波の周波数、λは光ビームの波長、vは音響媒質1a中の音速である。上式から、超音波の周波数fを変化させることにより、回折光の回折角ψを変化させて、光ビームを偏向することができる。
【0008】
回折角ψを高速に変化させるために超音波Sの周波数fを高速で変化させると、図3(a)に模擬的に示すように、音響媒質1a中に低周波の音波と高周波の音波とが同時に存在することになる。
【0009】
このとき、入射光LIbは入射光LIaよりもトランスデューサ1bから遠い位置で回折するので、入射光LIbの回折に関与する周波数fbは入射光LIaの回折に関与する周波数faよりも低くなっている。
【0010】
したがって、上式(a1)から導かれるように、回折光LDbの回折角ψb は、回折光LDaの回折角ψa よりも小さくなる。すなわち、AOD1は凹レンズとして働く。逆に、超音波Sの周波数を高周波から低周波に変化させると、AOD1は凸レンズとして働く。このような現象がシリンドリカルレンズ効果と呼ばれるものである。
【0011】
このシリンドリカルレンズ効果による凸レンズまたは凹レンズの焦点距離Fは、次式(a2)で表される。
【0012】
F=v2 ・T/(λ・Δf) ・・・(a2)
ここで、vは音響媒質1a中の音速、Tは超音波Sの周波数の掃引時間(図3(b)参照)、λは光ビームの波長、Δfは掃引周波数帯域(fmax −fmin )である。AOD1から出射される光ビームを平行光にするためには、上記のシリンドリカルレンズ効果を補正する必要がある。AOD1のシリンドリカルレンズ効果を補正する方法としては、例えばAOD1の入射側に補正光学系を配置する方法が提案されている。
【0013】
図4はAODの入射側に補正光学系を配置した光ビーム偏向装置の一例を示す図である。
【0014】
図4において、レーザ光源2とAOD1との間に複数のシリンドリカルレンズからなる補正光学系3が配置されている。図4の例では、AOD1が凸レンズとして働く。この場合には、レーザ光源2から出射されたレーザビームを、補正光学系3によりAOD1の手前の焦点FCから発散する発散光としてAOD1に入射させる。この焦点FCは、音響媒質1a内の回折位置から上式(a2)の焦点距離Fだけレーザ光源2に近づく位置に存在する。これにより、AOD1から出射されるレーザビームが平行光として走査用レンズ4に入射する。
【0015】
また、AOD1が凹レンズとして働く場合には、レーザ光源2から出射されたレーザビームを、補正光学系3によりAOD1の後方の焦点で収束する収束光としてAOD1に入射させる。この焦点は、音響媒質1a内の回折位置から上式(a2)の焦点距離Fだけレーザ光源2から遠ざかる位置に存在する。
【0016】
このように、AOD1のシリンドリカルレンズ効果を補正してAOD1から平行光を出射させた場合、AOD1には広がりのあるレーザビームが入射される。
【0017】
なお、AOD1のトランスデューサ1bの幅(電極幅)Lを大きくするほど高い回折効率が得られるため、一般に、トランスデューサ1bの幅Lはできるだけ大きく設定される。ここで、回折効率とは、入射光の光量に対する回折光の光量の割合である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
図4の光ビーム偏向装置において、レーザビームを広帯域および高速に走査させるために、掃引周波数帯域Δfを大きくし、超音波Sの掃引時間Tを小さくすると、上式(a2)からシリンドリカルレンズ効果による凸レンズまたは凹レンズの焦点距離Fが短くなる。その場合、補正光学系3によりシリンドリカルレンズ効果を補正すると、AOD1に入射するレーザビームの広がり角が大きくなる。
【0019】
AOD1への入射光の入射角度がある角度よりも大きくなると、その入射光は回折せずにAOD1から出射する。そのため、AOD1への入射光の広がり角が大きくなると、図5に示すように、入射光Liのうち回折に寄与しない角度の光ビームRa,Rbが生じる。その結果、AOD1への入射光よりも小さな径の回折光しか得られない。
【0020】
AOD1からの出射光を走査用レンズ4で収束させる場合に、出射光の径が小さいとその光ビームを走査用レンズ4で十分に小さい光スポットに絞ることができなくなる。したがって、図4の光ビーム偏向装置を描画装置に用いた場合に、高解像度を得ることが困難となる。
【0021】
本発明の目的は、光ビームを広帯域かつ高速に走査させた場合でも所定の回折効率を確保しつつ入射光と同じ大きさの回折光を得ることができる光ビーム偏向装置およびそれを用いた描画装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
(1)第1の発明
第1の発明に係る光ビーム偏向装置は、光ビームを出射する光源と、光源からの光ビームを回折させる音響媒質および所定の掃引信号に基づいて音響媒質中に超音波を発生する超音波振動子を有する音響光学偏向素子と、光源と音響光学偏向素子との間に配置され、音響光学偏向素子のシリンドリカルレンズ効果を補正する補正光学系とを備え、音響媒質中の音速をvとし、掃引信号に基づく超音波の中心周波数をfとし、音響光学偏向素子の開口幅をDとし、掃引信号に基づく超音波の掃引時間をTとし、光源から出射される光ビームの波長をλとし、掃引信号に基づく超音波の掃引周波数帯域をΔfとした場合に、音響媒質に対する光ビームの透過方向に平行な方向における超音波振動子の幅Lが、
【0023】
【数5】
【0024】
式(1)で表され、式(1)中のkが、
【0025】
【数6】
【0026】
式(2)を満足する定数であることを特徴とする。
本発明に係る光ビーム偏向装置においては、音響光学偏向素子の超音波振動子の幅Lが式(1)を満足するように設定されることにより、光ビームを高帯域かつ高速に走査させた場合でも、所定の回折効率を確保しつつ入射光と同じ大きさの回折光を得ることができる。したがって、偏向される光ビームを十分に小さい径に絞ることが可能となる。
【0027】
(2)第2の発明
第2の発明に係る光ビーム偏向装置は、第1の発明に係る光ビーム偏向装置の構成において、kが0.7であることを特徴とする。
【0028】
この場合、超音波の掃引周波数帯域Δfおよび超音波の掃引時間Tにおいてほぼ1/e2 以上の回折光の強度を得ることが可能となる。
【0029】
(3)第3の発明
第3の発明に係る描画装置は、光ビームを出射する光源と、画像信号を発生する画像信号発生手段と、画像信号発生手段により発生された画像信号に基づいて光源から出射される光ビームを変調する変調手段と、掃引信号を発生する掃引信号発生手段と、変調手段により変調された光ビームを回折させる音響媒質および掃引信号発生手段により発生された掃引信号に基づいて音響媒質中に超音波を発生する超音波振動子を有する音響光学偏向素子と、光源と音響光学偏向素子との間に配置され、音響光学偏向素子のシリンドリカルレンズ効果を補正する補正光学系とを備え、音響媒質中の音速をvとし、掃引信号に基づく超音波の中心周波数をfとし、音響光学偏向素子の開口幅をDとし、掃引信号に基づく超音波の掃引時間をTとし、光源から出射される光ビームの波長をλとし、掃引信号に基づく超音波の掃引周波数帯域をΔfとした場合に、音響媒質に対する光ビームの透過方向に平行な方向における超音波振動子の幅Lが、
【0030】
【数7】
【0031】
式(1)で表され、式(1)中のkが、
【0032】
【数8】
【0033】
式(2)を満足する定数であることを特徴とする。
本発明に係る描画装置においては、音響光学偏向素子の超音波振動子の幅Lが式(1)を満足するように設定されることにより、光ビームを広帯域かつ高速に走査させた場合でも、所定の回折効率を確保しつつ入射光と同じ大きさの回折光を得ることができる。したがって、偏向される光ビームを十分に小さい光スポットに絞ることができ、高解像度の描画が可能となる。
【0034】
(4)第4の発明
第4の発明に係る描画装置は、第3の発明に係る描画装置の構成において、kが0.7であることを特徴とする。
【0035】
この場合、超音波の掃引周波数帯域Δfおよび超音波の掃引時間Tにおいてほぼ1/e2 以上の回折光の強度を得ることが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例における光ビーム偏向装置を用いた描画装置の構成を示すブロック図である。
【0037】
図1の描画装置は、音響光学偏向素子(AOD)1、レーザ光源2、補正光学系3、走査用レンズ4、変調器5、画像信号発生回路6および掃引信号発生回路7を含む。この描画装置において、AOD1、レーザ光源2および補正光学系3が光ビーム偏向装置を構成する。
【0038】
レーザ光源2から出射されたレーザビームは、変調器5を通して補正光学系3に入射する。変調器5は、画像信号発生回路6により発生される画像信号に基づいてレーザ光源2から出射されるレーザビームのオンオフを制御することにより変調を行う。
【0039】
補正光学系3は、レーザ光源2からのレーザビームをAOD1のシリンドリカルレンズ効果に応じて発散光または収束光としてAOD1に与える。図1では、AOD1のシリンドリカルレンズ効果によりAOD1が凸レンズとして働く場合が示されている。この場合、補正光学系3は、AOD1から出射されるレーザビームが平行光となるように、レーザビームを手前の焦点FCから発散する発散光としてAOD1に与える。
【0040】
AOD1は、結晶材料からなる音響媒質1aおよび超音波振動子(トランスデューサ)1bを備える。AOD1のトランスデューサ1bには掃引信号発生回路7により発生される掃引信号が与えられる。AOD1から出射されるレーザビームは走査用レンズ4を通して感光材10の表面に照射される。
【0041】
感光材10の表面に照射されるレーザビームがAOD1により主走査方向に沿って一定幅で走査されるとともに、駆動機構(図示せず)により感光材10が描画装置に対して相対的に副走査方向に移動する。それにより、感光材10の表面にレーザビームによる描画が行われる。
【0042】
本実施例では、レーザ光源2が光源に相当し、変調器5が変調手段に相当する。また、画像信号発生回路6が画像信号発生手段に相当し、掃引信号発生回路7が掃引信号発生手段に相当する。
【0043】
図2は図1の描画装置に用いられるAOD1の斜視図である。図2に示すように、直方体形状の音響媒質1aの一方の端面にトランスデューサ1bが設けられている。ここでは、AOD1の開口幅をDとし、音響媒質1a中の光路に沿った方向のトランスデューサ1bの幅(電極幅)をLとし、音響媒質1a中の光路に垂直な方向のトランスデューサ1bの高さ(電極高さ)をHとする。トランスデューサ1bの幅Lは、次式(3)を満足するように設定される。
【0044】
【数9】
【0045】
ここで、vは音響媒質1a中の音速、fは掃引信号に基づく超音波の中心周波数、DはAOD1の開口幅(光学的に有効な幅)である。また、Tは掃引信号に基づく超音波の掃引時間、λはレーザ光源2から出射されるレーザビームの波長である。Δfは掃引信号に基づく超音波の掃引周波数帯域であり、最高周波数と最低周波数との差に相当する。なお、トランスデューサ1bの幅Lは、上式(3)を満足する範囲で可能な限り大きい方が好ましい。
【0046】
このようにトランスデューサ1bの幅Lを設定することにより、以下に説明するように、AOD1において所定の回折効率を確保しつつ入射光と同じ大きさの回折光を得ることが可能となる。したがって、走査用レンズ4でレーザビームを十分に小さな光スポットに絞ることができる。その結果、高解像度を得ることが可能な描画装置が実現される。
【0047】
以下、式(3)の導出過程を説明する。AOD1の回折効率ηは次式(A1)で表される。
【0048】
【数10】
【0049】
上式(A1)は、例えばDESIGN AND FABRICATION OF ACOUSTO-OPTIC DEVICES by AKIS P.GOUTZOULIS,DENNIS R.PAPE,Marcel Dekker,Inc. に示されている。ηa はAOD1の音響媒質1a内での超音波の減衰に依存する効率、ηAOはAOD1の音響媒質1aおよびトランスデューサ1bの構造に依存する効率、ηD はAOD1の音響媒質1a中で超音波が伝搬する領域のうち光ビームが通過しない領域による効率、ηTRANはAOD1のトランスデューサ1bでの電気エネルギーから音波エネルギーへの変換の効率を示している。
【0050】
式(A1)において、入射光の広がり角が影響するのはηAOのみである。ここでは、超音波の減衰がなく(ηa =1)、光ビームが通過しない領域による損失がなく(ηD =1)、トランスデューサ1bでのエネルギー変換の損失がない(ηTRAN=1)とする。
【0051】
AOD1のシリンドリカル効果を補正するため、入射光に広がり角があるとすると、トランスデューサ1bから発生される超音波Sが十分な広がり角を有するようにAOD1を設計する必要がある。
【0052】
AOD1の音響媒質1aおよびトランスデューサ1bの構造とに起因する効率ηAOは次式(A2)で表される。
【0053】
【数11】
【0054】
上式(A2)において、ki (=n・2π/λ)は音響媒質1a中での光ビームの波数、M2 はAOD1の音響媒質1aの特性により決まる定数、P0 はトランスデューサ1bでの音波の強度、Lはトランスデューサ1bの幅、θBCは超音波の掃引周波数帯域Δf(最高周波数と最低周波数との差)の中心周波数fでのブラッグ角、Hはトランスデューサ1bの高さである。nは音響媒質1aの屈折率、λは光ビームの波長である。
【0055】
また、Δkzは、超音波の波数ベクトルK(=2πf/v)と超音波の半角の広がり角δγ/2との積(Δkz=K・δγ/2)である。vは音響媒質1a中の音速である。
【0056】
式(A2)のうちηM は音波と光波の相互作用に起因する効率であり、広がり角が影響するのは回折光の強度Id である。Id は次式(A3)のように書き換えられる。
【0057】
【数12】
【0058】
回折光の強度の帯域は、広がり角δγにおいてId >1/e2 である事が必要であり、次式(A4)が成立する。
【0059】
【数13】
【0060】
なお、eは自然対数の底である。ここで、kを次式(A5)を満足する定数であるとする。
【0061】
【数14】
【0062】
上式(A5)を満足するkの値は0.7である。この場合、次式(A6)の関係を満たすと、上式(A4)の関係が満足される。
【0063】
【数15】
【0064】
上式(A6)から次式(A7)が得られる。
【0065】
【数16】
【0066】
AOD1のトランスデューサ1aの幅Lが上式(A7)の関係を満たすと、AOD1に入射する広がり角を有する光ビームに対して1/e2 以上の強度の回折光が得られる。
【0067】
次に、AOD1のシリンドリカルレンズ効果を補正するために必要なシリンドリカルレンズの焦点距離をF(=v2 ・T/(λ・Δf))、AOD1の開口幅をDとすれば、AOD1に入射する光ビームの半角の広がり角Δθは、次式(A8)のようになる。
【0068】
【数17】
【0069】
δγ=2Δθであれば良いので、式(A8)を式(A7)に代入して整理すると、次式(A9)のように、トランスデューサ1bの幅Lの条件が得られる。
【0070】
【数18】
【0071】
上式(A9)の掃引周波数帯域Δfおよび掃引時間Tにおいて、AOD1に広がり角を持つ光ビームが入射されても、そのすべての光ビームが回折に寄与し、入射光と同じ大きさの回折光を得ることができる。上式(A9)にk=0.7を代入すると、式(3)が得られる。
【0072】
【実施例】
ここで、表1の条件で上式(3)を満足するトランスデューサ1bの幅Lを算出した。
【0073】
【表1】
【0074】
上記の条件でのシリンドリカルレンズ効果による焦点距離Fは次式のようになる。
【0075】
【数19】
【0076】
また、シリンドリカルレンズ効果の補正により生じる入射光の半角の広がり角Δθ(=δγ/2)は次式のようになる。
【0077】
【数20】
【0078】
式(3)より広がり角2Δθを有する全ての入射光が回折に寄与するために必要なAOD1のトランスデューサ1bの幅Lの条件は次式のようになる。
【0079】
【数21】
【0080】
これにより、上記の条件においては、トランスデューサ1aの幅Lを0.917mm以下にすれば、入射光に等しい大きさの回折光が得られることがわかる。
【0081】
また、トランスデューサ1bの幅Lが小さくなるほど音響媒質中を伝搬する超音波の強度が小さくなり、回折効率が小さくなる。したがって、トランスデューサ1bの幅Lは上記の式(3)の条件を満たす範囲で大きい方が好ましい。
【0082】
なお、図1の例では、AOD1が凸レンズとして働く場合を示しているが、AOD1が凹レンズとして働く場合にも、同様に式(3)を満足するようにトランスデューサ1bの幅を設定することにより、所定の回折効率を確保しつつ入射光と同じ大きさの回折光を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における光ビーム偏向装置を用いた描画装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の描画装置に用いられるAODの斜視図である。
【図3】AODにおけるシリンドリカルレンズ効果を説明するための概念図および超音波の周波数変化の一例を示す波形図である。
【図4】AODの入射側に補正光学系を配置した従来の光ビーム偏向装置の一例を示す図である。
【図5】AODへの入射光およびAODから出射される回折光を示す図である。
【符号の説明】
1 AOD
1a 音響媒質
1b トランスデューサ
2 レーザ光源
3 補正光学系
4 走査用レンズ
5 変調器
6 画像信号発生回路
7 掃引信号発生回路
10 感光材
L トランスデューサの幅
Claims (4)
- 光ビームを出射する光源と、
前記光源からの光ビームを回折させる音響媒質および所定の掃引信号に基づいて前記音響媒質中に超音波を発生する超音波振動子を有する音響光学偏向素子と、
前記光源と前記音響光学偏向素子との間に配置され、前記音響光学偏向素子のシリンドリカルレンズ効果を補正する補正光学系とを備え、
前記音響媒質中の音速をvとし、前記掃引信号に基づく超音波の中心周波数をfとし、前記音響光学偏向素子の開口幅をDとし、前記掃引信号に基づく超音波の掃引時間をTとし、前記光源から出射される光ビームの波長をλとし、前記掃引信号に基づく超音波の掃引周波数帯域をΔfとした場合に、前記音響媒質に対する光ビームの透過方向に平行な方向における前記超音波振動子の幅Lが、
- 前記kが0.7であることを特徴とする請求項1記載の光ビーム偏向装置。
- 光ビームを出射する光源と、
画像信号を発生する画像信号発生手段と、
前記画像信号発生手段により発生された画像信号に基づいて前記光源から出射される光ビームを変調する変調手段と、
掃引信号を発生する掃引信号発生手段と、
前記変調手段により変調された光ビームを回折させる音響媒質および前記掃引信号発生手段により発生された掃引信号に基づいて前記音響媒質中に超音波を発生する超音波振動子を有する音響光学偏向素子と、
前記光源と前記音響光学偏向素子との間に配置され、前記音響光学偏向素子のシリンドリカルレンズ効果を補正する補正光学系とを備え、
前記音響媒質中の音速をvとし、前記掃引信号に基づく超音波の中心周波数をfとし、前記音響光学偏向素子の開口幅をDとし、前記掃引信号に基づく超音波の掃引時間をTとし、前記光源から出射される光ビームの波長をλとし、前記掃引信号に基づく超音波の掃引周波数帯域をΔfとした場合に、前記音響媒質に対する光ビームの透過方向に平行な方向における前記超音波振動子の幅Lが、
- 前記kが0.7であることを特徴とする請求項3記載の描画装置。
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