JP3780959B2 - エンジン自動停止・自動再始動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン自動停止・自動再始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の燃費や排気エミッションの改善を図るために、エンジン自動停止・自動再始動装置を備えた車両が従来より知られている。
【0003】
このエンジン自動停止・自動再始動装置は、前進方向の駆動力が駆動輪に伝達可能な状態で車両が一時的に停止する場合、すなわち自動変速機のセレクトレバーがDレンジの状態で、信号待ちなどにより車両が一時的に停止する場合に、エンジンが自動停止する。そして、車両が再び発進する際には、エンジンを自動的に再始動する。
【0004】
ところで、エンジンを自動再始動する際には、エンジン自動停止からエンジン自動再始動までの間に、エンジンの吸気通路内の負圧が小さく(大気圧に近く)なっている。この状態でエンジンの燃焼を開始すると、燃焼圧力が大きいためエンジン回転が吹けあがり、エンジン回転数が急激に上昇するいわゆるオーバーシュートによって、駆動トルクが急激に上昇し、車両乗員に不快なショックを与えることがある。
【0005】
このような問題に対して、特開2000−205003号公報には、エンジンと同期回転するモータジェネレータ(電動機)によって、エンジンを所定のエンジン回転数までモータリングさせた後、もしくはエンジンを上記モータジェネレータによって所定時間モータリングさせた後に、エンジンの燃焼を開始すると共に、上記モータジェネレータを回転数制御し、エンジン回転数が所定の目標回転数を越えた場合には、モータジェネレータを力行運転から回生運転に切り換えることによって、エンジン回転数のオーバーシュートを抑制し、駆動力の急激な立ち上がりにより発生するショックを軽減する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術においては、エンジンを燃焼させる際に、車両に作用しているブレーキ制動力の大きさを考慮していないため、エンジンの燃焼を開始する際にブレーキ制動力が残っている場合、エンジンの燃焼によって急上昇したエンジントルクがモータジェネレータの回生運動によって吸収しきれなかった場合には、エンジントルクによる駆動力がブレーキによって押さえ込まれ、この駆動力の反力をエンジンや自動変速機のマウントが受け、車体に伝達することによって運転者にショックを伝えてしまうという問題がある。
【0007】
また、モータジェネレータの回転数制御を行うためには、モータジェネレータの力行運転と回生運転の切換制御を高精度に行う必要があり、そのためにスイッチング素子や高速演算可能なモータコントローラ及びインバータ等のドライバが必要となり、これらドライバによるコスト上昇、重量増加、車両への搭載性悪化という問題が生じている。また、これらドライバの原価低減を図るとモータジェネレータの回転数制御を高精度に行うことができず、エンジン回転数のオーバーシュートの抑制が出来なくなるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明に係るエンジンの自動停止・自動再始動装置は、電動機及びインバータ等の低廉化によって問題となるエンジン自動再始動時のショックに対し、エンジンの燃焼開始条件にブレーキ制動力を考慮することにより、このショックの低減を可能にすることを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1に記載の発明は、エンジンと同期回転する電動機と、トルクコンバータを備えた自動変速機とが搭載された車両に適用され、エンジンからの駆動トルクが車両の駆動輪に伝達可能な状態で、車両の運転条件に応じてエンジンの自動停止・自動再始動を行うエンジン自動停止・自動再始動装置において、上記エンジン自動停止・自動再始動装置は、車両のブレーキ制動力を検知するブレーキ制動力検知手段を有し、エンジンが自動停止した車両停車中にブレーキ制動力が所定の第1判定値以下になると上記電動機によってエンジンを回転させ、ブレーキ制動力が上記第1判定値よりも小さい所定の第2判定値以下になるとエンジンの燃焼を開始させることを特徴としている。エンジンの燃焼開始時には、エンジンは電動機によって既に起動している状態(モータリング)となっているので、吸気負圧が発達して吸入空気量が減少し、燃焼圧力は低くなっている。また、エンジンの燃焼開始時期をブレーキ制動力から決定することによって、電動機を回転数制御する必要がない。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記ブレーキ制動力検知手段は、ブレーキ制動力として、ブレーキ液圧またはブレーキペダルの踏み込み量を測定していることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、ブレーキ制動力の第2判定値は、エンジンの燃焼開始に伴って発生するエンジン回転数のオーバーシュートに起因するオーバーシュートトルクが車両の駆動輪に伝達されたときに、上記オーバーシュートトルクが上記駆動輪のわずかな回転を許容する程度となるように設定されていることを特徴としている。これによって、オーバーシュートトルクによって駆動輪が僅かに回転することになり、エンジンや自動変速機等のマウントが受けるオーバーシュートトルクの反力が減少する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、ブレーキ制動力が第1判定値以下となってから所定時間経過すると、ブレーキ制動力が第2判定値以下になっていなくともエンジンの燃焼を開始させることを特徴としている。これによって、例えば、ブレーキ制動力が第1判定値と第2判定値との間の値に長時間保持されたような場合にも、所定時間が経過したらエンジンの燃焼が開始されるため、電動機の作動時間が過大になることを防止できる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジンの燃焼開始時期をブレーキ制動力から決定することによって、エンジンの燃焼開始に伴って発生するエンジン回転数のオーバーシュートに起因するオーバーシュートトルクが、車両の駆動輪に伝達されても、ブレーキ制動力が小さければ、駆動輪がわずかに回転することによって吸収されることになる。すなわち、電動機を回転数制御することによってエンジン回転数のオーバーシュートに起因するオーバーシュートトルクを抑制する必要がない。
【0014】
従って、回転数制御をしない電動機を用いても、エンジン回転数のオーバーシュートに起因して運転者が感じるショックを抑制することが可能となり、スイッチング素子、モータコントローラ及びインバータ等のドライバ及び電動機自身のコスト低減を図ることができる。
【0015】
また、請求項4の発明によれば、電動機の作動時間が過大になることを防止でき、電動機の消費電力を節約することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、エンジン1の後端には、自動変速機2が接続されている。この自動変速機2は、エンジン1側のトルクコンバータ3と、トルクコンバータ3を介してエンジン1に接続されたCVT(連続無段可変変速機)4とからなり、CVT4の出力側は、一般の自動車と同様に、図示せぬ終減速装置を介して駆動輪(図示せず)に接続されている。尚、CVT4の代わりに有段自動変速機を用いてもよい。
【0018】
エンジン1の前端には、クランクシャフト5と一体に回転するクランクプーリ6が配設されている。そして、このクランクプーリ6と、電動機としてのACモータジェネレータ7(以下、ACモータと記す)の出力軸7aに取り付けられたモータプーリ8とには、ベルト9が巻き掛けられている。すなわち、ACモータ7とクランクシャフト5とは同期回転するよう構成されている。
【0019】
ACモータ7は、トータルコントロールユニット10からの指令を受けたモータコントローラ11により、起動及び停止並びに、力行運転、回生運転の切り換えが制御されている。すなわち、エンジン始動時等のACモータ7の力行運転時には、ACモータ7にインバータ12を介してバッテリ13からの電力を供給し、エンジン1の回転を受けたACモータ7の回生運転時には、ACモータ7の発電及びACモータ7で発電されて電力のバッテリ13への充電を制御する。
【0020】
トータルコントロールユニット10は、エンジンコントロールモジュール14と伴にエンジン1の運転制御を行うものであって、バッテリ13の充電量を検知するバッテリコントローラ15からの信号が入力されている。さらに、トータルコントロールユニット10には、CVT4の油温を検出する油温センサ16、CVT4の油圧を検出する油圧センサ17、エンジン1の冷却水温を検出する水温センサ18、アクセルペダルのオン−オフを検知するアクセルセンサ20、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ21、車両速度を検出する車速センサ22、自動変速機2のセレクト位置を検出するセレクト位置センサ23、車両のドアやボンネット等の開閉装置の開閉状態を検出する開閉センサ24、ブレーキペダルの操作をアシストするブレーキ負圧ブースターの負圧を検出するブレーキ負圧ブースターセンサ25、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキ制動力検知手段としてのブレーキペダルセンサ26及びブレーキ液圧を検出するブレーキ制動力検知手段としてのブレーキ液圧センサ27、からの信号が入力されている。
【0021】
尚、ブレーキ制動力は、ブレーキ液圧、ブレーキペダル踏み込み量に比例するものであり、ブレーキ液圧、ブレーキペダル踏み込み量を検出することによって推定できる。また、開閉センサ24は、ドアやボンネット等の車両の全ての開閉装置の開閉状態を検知するものである。
【0022】
トータルコントロールユニット10は、暖機運転終了後に車両を一時停止する場合に、エンジン自動停止要求(詳しく後述する)があったと判定すると、エンジン1の燃料噴射を停止してエンジン1を停止させる(エンジン自動停止)。また、トータルコントロールユニット10は、エンジン自動再始動要求(詳しくは後述)があったと判定すると、エンジン自動再始動を行う。
【0023】
ここで、トータルコントロールユニットで実行される制御内容について、図2のフローチャートにしたがって説明する。
【0024】
まず、ステップ1でエンジン1がアイドルストップ中、すなわち自動停止した状態であるか確認し、エンジン1が自動停止中であればステップ2へと進み、エンジン1が自動停止中でなければステップ13へと進む。
【0025】
ステップ2では、ACモータ7の起動要求の有無を判定する。すなわち、自動変速機2のセレクトレバーがDレンジにあり、ブレーキペダルが運転者によって踏み込まれ、車速が0(km/h)、かつドア及びボンネット等の開閉装置が全て閉の状態でのエンジン自動停止中に、アクセルON、ブレーキOFF、バッテリ13の充電量が所定値以下(バッテリSOC低下)、ブレーキ負圧ブースターの負圧が所定値以下、エンジン水温が所定値以下、CVT4の油温が所定値以下、CVT4の油圧が所定値以下、のいずれかが検知されると、ACモータ7の起動要求有りとトータルコントロールユニット10が判定する。尚、アクセルONは、アクセルペダルの踏み込み量が所定値以上となった場合に検知する。ブレーキOFFは、ブレーキペダルの踏み込み量が所定のペダル踏み込み量第1判定値以下となった場合、もしくはブレーキ液圧が所定のブレーキ液圧第1判定値以下となって場合に検知する。
【0026】
そして、ステップ2でACモータ7の起動要求が有りと判定されるとステップ3に進み、直ちにACモータ7を起動させ、ACモータ7の力行運転によりエンジン1のモータリングを開始する。
【0027】
ステップ4では、ACモータ7の起動要求がブレーキOFFによってなされたものかを判定する。ブレーキOFFによってACモータ7の起動要求がなされた場合には、ステップ5に進み、ブレーキOFF以外の場合にはステップ8に進む。
【0028】
ステップ5では、モータリング開始後、すなわちACモータ7起動後、から所定の一定時間(例えば1〜2秒)が経過しているかどうかを判定する。所定の一定時間が経過していない場合には、ステップ6に進み、ブレーキOFFによってブレーキ制動力が所定の着火許可しきい値以下になったかを判定する。詳述すれば、ブレーキペダルの踏み込み量がペダル踏み込み量第1判定値よりも小さい所定のペダル踏み込み量第2判定値(着火許可しきい値)以下、もしくはブレーキ液圧がブレーキ液圧第1判定値よりも小さい所定のブレーキ液圧第2判定値(着火許可しきい値)以下となっていれば、ステップ7に進み、エンジン1の燃焼を開始する。
【0029】
また、ステップ5にて、モータリング開始後、所定の一定時間が経過していれば、ブレーキペダルの踏み込み量がペダル踏み込み量第2判定値(着火許可しきい値)以下、もしくはブレーキ液圧がブレーキ液圧第2判定値(着火許可しきい値)以下になっていなくても、ステップ7に進みエンジン1の燃焼を開始する。
【0030】
ステップ4からステップ8に進んだ場合には、モータリング(ステップ8)を継続し、このモータリング中に、ブレーキOFFが検知されると(ステップ9)、ステップ5に進む。また、ステップ8にてモータリング開始してからブレーキOFFが検知されずに所定の一定時間(1〜2秒)が経過すると(ステップ10)、ステップ7に進みエンジン1の燃焼を開始する。
【0031】
エンジン1の燃焼を開始すると、ステップ11にてエンジン回転数が所定の目標回転数に到達したかを判定する。尚、この目標回転数は、具体的には、エンジン1のアイドル回転数である。
【0032】
ステップ11では、エンジン回転数のオーバーシュートを考慮し、エンジン回転数が一定時間連続して目標回転数(アイドル回転数)を保った場合に、エンジン回転数が目標回転数に到達したと判定する。ステップ11でエンジン回転数が目標回転数に到達したと判定されると、ステップ12に進み、ACモータ7を停止する。
【0033】
ステップ13では、エンジン1の自動停止要求の有無を判定する。すなわち、自動変速機2のセレクトレバーがDレンジにあり、ブレーキペダルが運転者によって踏み込まれ、車速が0(km/h)、かつドア及びボンネット等の開閉装置が全て閉の状態でエンジン1が燃焼している場合に、アクセルOFF、ブレーキON、バッテリ13の充電量(バッテリSOC)が所定値以上、ブレーキ負圧ブースターの負圧が所定値以上、エンジン水温が所定値以上、CVT4の油温が所定値以上、CVT4の油圧が所定値以上、であれば、エンジン自動停止要求有りとトータルコントロールユニット10が判定し、ステップ14でエンジン1を停止する。
【0034】
このように、ステップ1からステップ12までがエンジン自動再始動に関する制御であり、ステップ13、ステップ14がエンジン自動停止に関する制御である。
【0035】
尚、アクセルOFFは、アクセルペダルの踏み込み量が所定値以下となった場合に検知する。ブレーキONは、ブレーキペダルの踏み込み量が所定値以上となった場合、もしくはブレーキ液圧が所定値以上となって場合に検知する。また、ACモータ7の起動要求並びにエンジン自動停止要求に、ブレーキ負圧ブースターの負圧、エンジン水温、CVT4の油温及び油圧、及びバッテリ13の充電量(バッテリSOC)の条件が入っているのは、これらのパラメータの影響により、エンジン自動再始動時の始動時間がばらついてしまうのを防止するためである。
【0036】
図3は、エンジン自動再始動時のタイミングチャートを示している。この図3においては、ブレーキOFFの条件として、ブレーキ液圧を例に挙げている。
【0037】
ブレーキ制動力に対応するブレーキ液圧が所定のブレーキ液圧第1判定値以下になると、ACモータ7は力行運転を開始する。ブレーキ液圧がブレーキ液圧第1判定値よりも小さい所定のブレーキ液圧第2判定値(着火許可しきい値)以下となると、エンジン1の燃焼を開始する。ブレーキ液圧第2判定値(着火許可しきい値)は、エンジン1の燃焼開始に伴って発生するエンジン回転数のオーバーシュートに起因するオーバーシュートトルクが車両の駆動輪に伝達されたときに、オーバーシュートトルクが駆動輪のわずかな回転を許容する程度となるように設定されている。
【0038】
エンジン1の燃焼開始後、エンジン回転数がアイドル回転数等の所定の目標回転数に達すると、ACモータ7の運転は回生運転に切替えられる。尚、ACモータ7は、エンジン回転数が目標回転数で安定してから一定時間経過すると、運転を停止する。
【0039】
運転者の再発進の意図は、ブレーキペダルの踏み込み量もしくはブレーキ液圧の変化といった踏み込んだブレーキペダルを緩める動作によって検知され、それをトリガーとしてACモータ7を力行運転し、その後にエンジン1の燃焼を開始し、エンジン1を瞬時に自動再始動させる。
【0040】
トルクコンバータを備えた車両の場合、Dレンジからエンジンの燃焼を開始すると、エンジン回転数に応じた駆動力が駆動輪に伝達されるため、エンジン回転数がオーバーシュートすると、急激に駆動輪に駆動力が作用する。
【0041】
ブレーキ制動力が残った状態で駆動力が駆動輪に伝達されると、駆動力の反力をエンジン1や自動変速機2のマウントが受け、車体に伝達してしまうため、図3中に破線で示すように、運転者の感じるショックは許容範囲以上のものとなり、運転者に違和感を与えてしまう。
【0042】
車輪がブレーキ等で固定されていない状態であれば、駆動力は車両を動かす力として用いられるためエネルギーは消費され、エンジンやCVT(自動変速機)のマウントから車体に伝達される駆動力の反力は減少し、運転者が感じるショックを緩和することができる。すなわち、車両はわずかに動くことになるが、もともと運転者が発進の意図を持っているため問題はない。
【0043】
従って、本発明のように、ブレーキ制動力が小さく、エンジン回転数のオーバーシュート時のショックが緩和できるブレーキ液圧もしくはブレーキペダルの踏み込み量をそれぞれブレーキ液圧第2判定値(着火許可しきい値)、踏み込み量第2判定値(着火許可しきい値)とし、エンジン1の燃焼開始を許可すれば、エンジン1の自動再始動時に運転者が受けるショックを緩和することができる。
【0044】
また、ACモータ7を回転数制御することなくエンジン1の自動再始動時に運転者が受けるショックを緩和することができるので、ACモータ7の制御電流をスカラー制御化してインバータ12やモータコントローラ11を簡略化することが可能となり、スイッチング素子、モータコントローラ11及びインバータ12等のドライバ及びACモータ7自身のコスト低減を図ることができる。
【0045】
また、ブレーキ制動力が第1判定値から第2判定値に達するまでの時間間隔、すなわち、ブレーキ液圧がブレーキ液圧第1判定値からブレーキ液圧第2判定値に達するまでの時間間隔、もしくはブレーキペダル踏み込み量が踏み込み量第1判定値から踏み込み量第2判定値に達するまでの時間間隔、が1〜2秒程度の一定時間を経過した場合(ゆっくりとブレーキペダルを緩める場合)、ACモータ7の起動により吸気負圧が発達し、エンジン燃焼を行っても吸入空気量が減少しているため、燃焼圧力は低く、オーバーシュートは発生せず、ショックも発生することはない。
【0046】
従って、ブレーキ制動力の第1判定値と第2判定値(着火許可しきい値)との時間間隔が一定時間以上となる場合は、ブレーキ制動力が第1判定値以下になってから、例えば2秒後にエンジン燃焼を開始すれば、ショックを防止しつつ、モータリングを長時間続けることによる電力消費を削減し、燃費の悪化を防止することができる。
【0047】
尚、上述した第1実施例においては、ブレーキ制動力として、ブレーキ液圧とブレーキペダルの踏み込み量の双方を検知しているが、いずれか一方のみをトータルコントロールユニット10にて検知するようにしてもよい。
【0048】
次に、本発明の第2実施例について説明する。尚、上述した第1実施例と同一構成の部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0049】
この第2実施例は、電動機としてDCモータ30を用いており、DCモータ30は、クラッチ31を介してモータプーリ8に接続されている。クラッチ31は、DCモータ30の起動と同時に、DCモータ30とモータプーリ8とを接続し、DCモータ30の停止と同時にDCモータ30とモータプーリ8とを切り離すようトータルコントロールユニット10によって制御されている。
【0050】
クラッチ31の断続制御は、DCモータ30の起動・停止と同時に行われており、DCモータ30の回転中のみDCモータ30がエンジン1と同期回転するよう制御されている。
【0051】
DCモータ30の起動制御はコントロールユニット10によって行われ、その起動のタイミングは上述した第1実施例と同じである。すなわち、エンジン1の自動停止中に、ブレーキ液圧が所定のブレーキ液圧第1判定値以下、もしくはブレーキペダル踏み込み量が所定の踏み込み量第1判定値以下になると、DCモータ30を起動し、エンジン燃焼後、エンジン回転数が目標回転数に達するとDCモータ30を停止する。
【0052】
このように電動機としてDCモータ30を用いても、ブレーキ制動力が第1判定値以下になった時にDCモータ30を起動し、ブレーキ制動力が所定の第2判定値以下また、ブレーキ制動力が第1判定値以下になってから所定時間経過した時に、エンジン1の燃焼を開始すれば、上述した第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの自動停止・自動再始動装置のシステム構成を示す説明図。
【図2】本発明に係るエンジンの自動停止・自動再始動装置の制御内容を示すフローチャート。
【図3】本発明に係るエンジンの自動停止・自動再始動装置におけるエンジンの自動再始動時のタイミングチャート。
【図4】本発明に係るエンジンの自動停止・自動再始動装置の他の実施形態のシステム構成を示す説明図。
【符号の説明】
1…エンジン
2…自動変速機
3…トルクコンバータ
4…CVT(連続無段可変変速機)
7…ACモータ
10…トータルコントロールユニット
11…モータコントローラ
12…インバータ
13…バッテリ
Claims (4)
- エンジンと同期回転する電動機と、トルクコンバータを備えた自動変速機とが搭載された車両に適用され、エンジンからの駆動トルクが車両の駆動輪に伝達可能な状態で、車両の運転条件に応じてエンジンの自動停止・自動再始動を行うエンジン自動停止・自動再始動装置において、
上記エンジン自動停止・自動再始動装置は、車両のブレーキ制動力を検知するブレーキ制動力検知手段を有し、エンジンが自動停止した車両停車中にブレーキ制動力が所定の第1判定値以下になると上記電動機によってエンジンを回転させ、ブレーキ制動力が上記第1判定値よりも小さい所定の第2判定値以下になるとエンジンの燃焼を開始させることを特徴とするエンジン自動停止・自動再始動装置。 - 上記ブレーキ制動力検知手段は、ブレーキ制動力として、ブレーキ液圧またはブレーキペダルの踏み込み量を測定していることを特徴とする請求項1に記載のエンジン自動停止・自動再始動装置。
- ブレーキ制動力の第2判定値は、エンジンの燃焼開始に伴って発生するエンジン回転数のオーバーシュートに起因するオーバーシュートトルクが車両の駆動輪に伝達されたときに、上記オーバーシュートトルクが上記駆動輪のわずかな回転を許容する程度となるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン自動停止・自動再始動装置。
- ブレーキ制動力が第1判定値以下となってから所定時間経過すると、ブレーキ制動力が第2判定値以下になっていなくともエンジンの燃焼を開始させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエンジン自動停止・自動再始動装置。
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