JP3780526B2 - 車体側部のエネルギ吸収構造 - Google Patents
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Description
さらに、特開昭50-14035号公報(特許文献2)に示されているように、サイドルーフレールの近傍のルーフ部にエアバッグを設けるようにしたものも知られている。
即ち、車両の側面衝突時には乗員が車室側部の比較的上側部分に衝突する可能性のあること、及び乗員が車室内壁部材に衝突するタイミングは衝突側と反衝突側との間、及び車室の上下位置間ではそれぞれズレがあることが、本発明者らにより知見されたのである。
従って、車両の側面衝突時における乗員保護性能のより一層の向上を図るためには、車室上部付近への乗員の衝突及びその衝突のタイミング等の乗員の挙動を十分に考慮した対策が必要であることが判明した。
しかし、このインフレータの発生ガス量は限りがあるため、エアバッグの最適な展開状態が得られる期間は自ずと限定される。従って、この最適な展開状態が得られる期間中に乗員の拘束作用が行えるようにその展開タイミングを考慮することが肝要である。
このように構成された本発明においては、車両の側面衝突時に、エアバッグを車室の上側側部に位置するルーフサイドレール部に沿って前後方向に配置し、このエアバッグを展開させるためのガスを噴出しエアバッグより前後方向において短い長さを有するインフレータをルーフサイドレール部に沿って前後方向に配置すると共に、ルーフサイドレールの車室内側にはルールトリムを設け、これらのルーフサイドレールとレールトリムとの間に収納空間を形成し、この収納空間にエアバッグとインフレータを一体的にモジュール化して収納し、エアバッグの展開時にはエアバッグがレールトリムをその内側から押圧してその展開が許容されるように構成しているため、乗員を確実に受け止めることができる。また、通常時には、ルーフサイドレールの車室内側にはレールトリムが設けられ、このレールトルムにより、モジュール化されたエアバッグとインフレータの車室内側への露出が防止されているため、乗員に何ら違和感を与えることがない。
本発明において、好ましくは、モジュール化されたインフレータ及びエアバッグが、ルーフサイドレール部のインナパネル側に取り付けられている。
先ず、図1乃至図6により本発明の第1実施形態を説明する。図1には、本発明の第1実施形態にかかる車体側部のエネルギ吸収構造を備えた車両1の助手席3(図5参照)側の上側側部が示されており、同図において符号1cはルーフ、1dはこのルーフ1cの側部を車体前後方向に延びる閉断面状のルーフサイドレール(図3参照)、1eはこのルーフサイドレール1dの前後方向中間位置から下方に延びるピラー(いわゆるセンターピラー)であり、この実施形態では左右一対のピラー1eに後述のピラー側エアバッグモジュール4を、また左右一対のルーフサイドレール1dに後述のルーフサイドレール側エアバッグモジュール5をそれぞれ取り付けている(図5及び図6参照)。
従って、このピラー側エアバッグモジュール4は、通常時(即ち、非側面衝突時)には、図2に実線で示すように、ピラー1e内に収容され且つピラートリム14によってその車室側から覆われた状態となっており、乗員には何等違和感を与えることがない。
従って、通常時には、図3に示すように、ルーフサイドレール側エアバッグモジュール5はレールトリム16によって車室側への露出が防止されているため、乗員には何等違和感を与えることがない。
従って、側面衝突の初期段階において乗員Mが衝突側に振られた場合には、図5に示すように、左側部1a側に配置した各エアバッグ8,9によって乗員Mはその肩部及び頭部が拘束され、直接車室の内壁部材(例えば、ピラー1eとかルーフサイドレール1d部分)に衝突するのが防止される。
このように、車室の上側両側部に配置した各エアバッグ8,9によって乗員Mを拘束することによってこの乗員Mが受ける損傷を可及的に低減することができ、それだけ側面衝突に対する乗員保護性能が向上するものである。
要するに、上述したように、図1乃至図6に示された本発明の第1実施形態は、車両1の側面衝突時に車内側に展開して車室内の乗員を拘束するエアバッグ9を備えた車体側部のエネルギ吸収構造であって、エアバッグ9が車室の上側側部に位置するルーフサイドレール1dに沿って前後方向に配置され、このエアバッグ9を展開させるためのガスを噴出しエアバッグ9より前後方向において短い長さを有するインフレータ7がルーフサイドレール1dに沿って前後方向に配置されていると共に、ルーフサイドレール1dの車室内側にはルールトリム16が設けられ、これらのルーフサイドレール1dとレールトリム16との間に収納空間が形成され、この収納空間にエアバッグ9とインフレータ7が一体的にモジュール化されて収納され、エアバッグ9の展開時にはエアバッグ9がレールトリム16をその内側から押圧してその展開が許容されるように構成されている。
即ち、本実施形態においては、図10のフロ−チャ−トにも示すように、側面衝突が発生したことを衝突センサが検知した場合には(ステップS1,2)、ピラー1e側のエアバッグ8を展開させ(ステップS3)、その後、所定の時間遅れてルーフサイドレール1d側のエアバッグ9を展開させる(ステップS4,5)ようにしたものであり、このようにエアバッグの展開タイミングをズラせることによって次のような動作が可能となるものである。
即ち、本実施形態では、側面衝突時の乗員Mの挙動により的確に対応した乗員保護機能が確保される。
この参考例では、このようにルーフサイドレール1d側のエアバッグ9をピラー1e側のエアバッグ8よりも遅らせて展開させることにより、第3実施形態の場合と同様の作用効果が得られる。
従って、この側面衝突の初期段階においては、衝突側のしかも比較的低い位置において展開するエアバッグ8によって乗員Mは確実に拘束され、その保護が図られるものである。
また、この場合、反衝突側の各エアバッグ8,9が衝突側のエアバッグ8よりも所定時間遅れて展開することによって、この反衝突側の各エアバッグ8,9はそれぞれ最適な展開状態で乗員Mを待ち受けることができ、それだけより確実な乗員保護が期待できる。
そして、車両1の側面衝突時には各ピラー側エアバッグモジュール4のエアバッグ8と各ルーフサイドレール側エアバッグモジュール5のエアバッグ9とを同時に展開させる。すると、この各ルーフサイドレール1d側のエアバッグ9の展開と同時にルーフ1c側のエアバッグ21が車室の天井側に展開し、これら五つのエアバッグによって車室上部が囲まれた状態となり、乗員Mの保護がより完全なものとなる。
1d ルーフサイドレール
1e ピラー
2 運転席
3 助手席
4,5 エアバッグモジュール
6,7 インフレータ
8,9,21 エアバッグ
10,11 モジュールケース
12,13 モジュール取付ブラケット
14 ピラートリム
15 シーミングウェルト
16 レールトリム
22 ガス吹出部材
23 ガス通管
24 ガス制御バルブ
29 ソレノイド
Claims (3)
- 車両の側面衝突時に車内側に展開して車室内の乗員を拘束するエアバッグを備えた車体側部のエネルギ吸収構造であって、上記エアバッグが車室の上側側部に位置するルーフサイドレール部に沿って前後方向に配置され、このエアバッグを展開させるためのガスを噴出し上記エアバッグより前後方向において短い長さを有するインフレータが上記ルーフサイドレール部に沿って前後方向に配置されていると共に、上記ルーフサイドレールの車室内側にはレールトリムが設けられ、これらのルーフサイドレールとレールトリムとの間に収納空間が形成され、この収納空間に上記エアバッグとインフレータが一体的にモジュール化されて収納され、上記エアバッグの展開時にはエアバッグがレールトリムをその内側から押圧してその展開が許容されるように構成されていることを特徴とする車体側部のエネルギ吸収構造。
- 上記エアバッグ及びインフレータは、前後方向に重なるように配置されている請求項1記載の車体側部のエネルギ吸収構造。
- 上記モジュール化されたインフレータ及びエアバッグが、上記ルーフサイドレール部のインナパネル側に取り付けられている請求項3記載の車体側部のエネルギ吸収構造。
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JP2004128011A JP3780526B2 (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 車体側部のエネルギ吸収構造 |
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