以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明のクリップの第1の実施の形態を示す平面図(A)、正面図(B)、および、紙を挟んだ状態のクリップを示す、平面図(A)のC−C線における断面図(C)である。比較のために、図2はクリップの従来の形態1を示す平面図(A)、正面図(B)、および、紙を挟んだ状態のクリップを示す、平面図(A)のC−C線における断面図(C)である。
図1に示すように、クリップ100は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ100は、第1湾曲部110と第2湾曲部120と、第1直線部130と第2直線部140と、第3直線部150と第4直線部160と、連結部170とを備える。第1湾曲部110と第2湾曲部120は、長手方向の一方側(図1において右側)に位置し、線材がほぼU字形状に曲げられて、ほぼ半円形状に形成されている。第1直線部130と第2直線部140は、第1湾曲部110の両端から長手方向の他方側(図1において左側)に向かって線材が間隔をあけてほぼ直線状に延びるように形成されている。第3直線部150と第4直線部160は、第2湾曲部120の両端から長手方向の他方側に向かって線材が間隔をあけてほぼ直線状に延びるように形成されている。連結部170は、第1直線部130と第4直線部160とを長手方向の他方側にて連結し、線材がほぼU字形状に曲げられて、ほぼ半円形状に形成され、第1直線部130と第4直線部160との間の間隔を跨ぐように延びている。
第1直線部130は、第1湾曲部110から連結部170に至るまで第3直線部150に近接して延びている。第4直線部160は、第2湾曲部120から連結部170に至るまで第2直線部140に近接して延びている。
第2直線部140と第3直線部150は長手方向の他方側にて線材の末端縁を有している。第1湾曲部110が第2湾曲部120の上に延びて交差することにより、第2直線部140の末端縁141と第3直線部150の末端縁151は、第1直線部130と第4直線部160と連結部170とによって取り囲まれた領域内に位置づけられている。
第1湾曲部110は、長手方向において第2湾曲部120とほぼ同じ位置に位置づけられている。第1直線部130と第2直線部140が上方に曲げられることにより、第1湾曲部110は第2湾曲部120から離れた上方の位置に位置づけられている。
第1直線部130は長手方向の他方側にて屈曲部132を有し、第4直線部160は長手方向の他方側にて屈曲部162を有する。第1直線部130は、単一の屈曲部132を有し、ベース直線部131と、単一の屈曲部132を介して曲げられてベース直線部131から上方に延びる斜方直線部133とを含む。斜方直線部133に連結部170は連続している。第4直線部160は、単一の屈曲部162を有し、ベース直線部161と、単一の屈曲部162を介して曲げられてベース直線部161から上方に延びる斜方直線部163とを含む。斜方直線部163に連結部170は連続している。
これに対して、図2に示すように、従来のクリップ200は、第1湾曲部210と第2湾曲部220と、第1直線部230と第2直線部240と、第3直線部250と第4直線部260と、連結部270とを備えるが、図2(B)に示すように全体として扁平した形状を有する。第1湾曲部210と第2湾曲部220との間には相対的に大きな空間がある。第2直線部240の末端縁241は第1直線部230と第4直線部260と連結部270とによって取り囲まれた領域内に位置づけられているが、第3直線部250の末端縁251はクリップ200の外側に延びている。
図1に示されるクリップ100は、図2に示される従来のクリップ200に対する利点として以下のような作用効果を奏する。
まず、この発明のクリップ100においては、長手方向の一方側では、第1湾曲部110は、長手方向において第2の湾曲部120とほぼ同じ位置に位置づけられている。第1直線部130と第2直線部140が上方に曲げられることにより、長手方向の一方側にて、第1湾曲部110は第2湾曲部120から離れた上方の位置に位置づけられている。これに対して、長手方向の他方側では、第1直線部130と第4直線部160とを連結する連結部170が位置づけられており、第1直線部130と第4直線部160のいずれも屈曲部132、162を有する。
このように、長手方向の一方側では、第1湾曲部110と第2湾曲部120がほぼ同じ位置にあり、すなわち、二本の線材のループが同じ位置にあるのに対し、長手方向の他方側では、連結部170があり、すなわち、一本の線材のループだけがある。また、長手方向の一方側では、第1湾曲部110は第2湾曲部120から離れた上方の位置にあり、すなわち、二本の線材のループが重なっているのに対し、長手方向の他方側では、一本の線材のループに連結される二つの直線部が屈曲している。
本発明のクリップ100においては、長手方向の一方側と他方側とが上記のように異なった形態で構成されている。このため、目の不自由な人や老眼の人にとっては、一本の線材のループに連結される二つの直線部が屈曲している側と異なり、二本の線材のループがほぼ同じ位置で重なっている側が紙片の端部を挿入する側であることを指先の触感で容易に確認することができる。これにより、連結部170を構成する一本の線材のループの側を容易に確認することができ、連結部170を構成する一本の線材のループを指先で掴んで、連結部170と反対側で、二本の線材のループがほぼ同じ位置で重なっている側に、紙片の端部を挿入して、紙片の端部を挟み込む動作を容易に行うことができる。
また、長手方向の一方側では、第1湾曲部110と第2湾曲部120、すなわち、二本の線材のループがほぼ同じ位置で重なっているので、従来のクリップ200のように第1湾曲部210と第2湾曲部220との間に所定の空間が存在するのに比べて、その空間を小さくすることができる。このため、クリップを小型化することができ、所定の大きさのクリップを製造するのに必要な線材の量を節約することができる。
さらに、長手方向の一方側では、第1湾曲部110は第2湾曲部120から離れた上方の位置にあり、すなわち、二本の線材のループが所定の間隔で上方と下方に離れた位置にあるので、その間隔に紙片の端部を挿入して、紙片の端部を挟み込む動作を容易に行うことができる。
長手方向の他方側では、一本の線材のループに連結される二つの直線部が屈曲しているので、その屈曲部132、162を掴むことによって、連結部170と反対側の第1湾曲部110と第2湾曲部120との間に紙片の端部を挿入し、紙片の端部を挟み込む動作を容易に行うことができる。
さらにまた、長手方向の一方側では、二本の線材のループが所定の間隔で上方と下方に離れた位置にあり、長手方向の他方側では、一本の線材のループがあるので、長手方向の一方側と他方側の区別だけでなく、クリップ100の上下方向すなわち表裏側の区別も、目の不自由な人や老眼の人は指先の触感で容易に認識することができる。
この発明のクリップにおいては、第1湾曲部110が第2湾曲部120の上に延びて交差することにより、第2直線部140の末端縁141と第3直線部150の末端縁151は、第1直線部130と第4直線部160と連結部170とによって取り囲まれた領域内に位置づけられている。このように、第2直線部140の末端縁141と第3直線部150の末端縁151がクリップ100の内側の領域内に位置づけられている。このため、多数個のクリップ100が箱等に保管されている場合に、一つのクリップ100において互いに近接して延びる第1直線部130と第3直線部150との間の隙間に、または、互いに近接して延びる第2直線部140と第4直線部160との間に、第2直線部140の末端縁141、または、第3直線部150の末端縁151を通じて、隣り合う他のクリップ100を構成する線材が入り込んで絡まるのを防止することができる。これにより、目の不自由な人や老眼の人は、箱等に保管されている多数個のクリップ100のうち、一つのクリップ100を容易に取り出すことができる。
また、第2直線部140の末端縁141と第3直線部150の末端縁151がクリップ100の内側の領域内に位置づけられているので、第1湾曲部110に連続する第1直線部130と第2直線部140の間隔と、第2湾曲部120に連続する第3直線部150と第4直線部160の間隔とをほぼ同じにすることができる。このため、従来のクリップ200のように内側に相対的に小さな第1湾曲部210があり、外側に相対的に大きな第2湾曲部220があるものに比べて、クリップを小型化することができ、所定の大きさのクリップを製造するのに必要な線材の量を節約することができる。
さらに、第2直線部140の末端縁141と第3直線部150の末端縁151がクリップ100の内側の領域内に位置づけられているので、図1(C)に示すように、クリップ100で紙片10を挟んだ場合に、図にて左から、第1直線部130が紙片10の上、第3直線部150が紙片10の下、第2直線部140が紙片10の上、第4直線部160が紙片10の下の位置というように上下の位置が交互になる順に位置づけられる。このため、クリップ100の長手方向にほぼ直交する方向、すなわち、図1(A)のC−C線の方向において、クリップ100が滑るのをより効果的に防止することができる。これにより、クリップ100の紙片等に対する挟持力を高めることができる。
これに対して、従来のクリップ200では、図2(C)に示すように、クリップ200で紙片10を挟んだ場合に、図にて左から、第3直線部250が紙片10の下、第1直線部230が紙片10の上、第2直線部240が紙片10の上、第4直線部260が紙片10の下の位置という順に位置づけられる。このため、クリップ200の長手方向にほぼ直交する方向、すなわち、図2(A)のC−C線の方向において、クリップ200が滑りやすくなる。
また、この発明のクリップ100においては、第1直線部130と第4直線部160のいずれもが、単一の屈曲部132、162を有し、ベース直線部131、161と、単一の屈曲部132、162を介して曲げられてベース直線部131、161から上方に延びる斜方直線部133、163とを含み、この斜方直線部133、163に連結部170は連続している。
このようにすることにより、クリップ100で紙片を挟んだ場合に、斜方直線部133、163が紙片の端部に接触するまで、紙片の表面に沿ってクリップ100を移動させることによって、複数枚の紙片を挟み固定することができる。これにより、斜方直線部133、163をクリップ100の紙片に対する差し込みストッパとして用いることができる。
また、この場合、クリップ100で紙片を挟みこんだ状態において生じる応力を、屈曲部132、162を支点としてベース直線部131、161と斜方直線部133、163との二つの方向に分散させることができる。すなわち、屈曲部132、162を介したベース直線部131、161と斜方直線部133、163は応力緩和手段として作用する。このため、クリップ100の使用頻度が高くなっても、材料の疲労を緩和することができ、結果として疲労限度を高めることができる。これにより、クリップ100の使用頻度が高くなっても、クリップ100の紙片に対する挟持力を低下させることがないので、クリップ100の使用寿命を高めることができる。
さらに、長手方向の他方側では、連結部170に連続している斜方直線部133、163を掴むことによって、クリップ100に紙片の端部を挿入して挟み込む動作、または、紙片の端部からクリップを抜き取る動作を容易に行うことができる。
図3はこの発明のクリップの第2の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。比較のために、図4はクリップの従来の形態2を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図3に示すように、クリップ300は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ300は、第1湾曲部310と第2湾曲部320と、第1直線部330と第2直線部340と、第3直線部350と第4直線部360と、連結部370とを備える。第1直線部330と第4直線部360は、それぞれ、ベース直線部331、361と屈曲部332、362と斜方直線部333、363とを有する。第2直線部340と第3直線部350は、それぞれ、末端縁341、351を有する。
図1に示されるクリップ100と異なり、厚い紙片等を挟むために用いるために、滑り止めとして線材の外周面に複数の溝が間隔をあけて形成されている。また、第1湾曲部310は、長手方向において第2湾曲部320に近接した位置で、第2湾曲部320よりも長手方向において他方側寄りで内側に位置づけられている。第1湾曲部310が第2湾曲部320と第3直線部350の上に延びて交差することにより、第2直線部340の末端縁341と第3直線部350の末端縁351は、第1直線部330と第4直線部360と連結部370とによって取り囲まれた領域内に位置づけられている。この発明のクリップ300においては、第1湾曲部310と第2湾曲部320との間の長手方向の間隔は線材の直径以下である。
クリップ300のその他の構成は、図1に示すクリップ100の構成と同様である。
これに対して、図4に示すように、従来のクリップ400は、第1湾曲部410と第2湾曲部420と、第1直線部430と第2直線部440と、第3直線部450と第4直線部460と、連結部470とを備えるが、図4(B)に示すように全体として扁平した形状を有する。第1湾曲部410と第2湾曲部420との間には相対的に大きな空間がある。第2直線部440の末端縁441は第1直線部430と第4直線部460と連結部470とによって取り囲まれた領域内に位置づけられているが、第3直線部450の末端縁451はクリップ400の外側に延びている。
図3に示されるクリップ300は、図4に示される従来のクリップ400に対する利点として、図1のクリップ100と同様の作用効果に付け加えて以下の作用効果を奏する。
クリップ300の第1湾曲部310は、長手方向において第2湾曲部320に近接した位置にあり、第1湾曲部310と第2湾曲部320との間の長手方向の間隔は線材の直径以下であるが、長手方向の一方側では、第1湾曲部310と第2湾曲部320、すなわち、二本の線材のループを近接した位置で重ならせることができるので、この場合でもクリップを小型にすることができ、所定の大きさのクリップを製造するのに必要な線材の量を節約することができる。この場合、第1湾曲部310と第2湾曲部320との間の長手方向の間隔は線材の直径の3倍程度以下でもよい。
また、この場合、目の不自由な人や老眼の人にとっては、一本の線材のループに連結される二つの直線部が屈曲している側と異なり、二本の線材のループが近接した位置で重なっている側が紙片の端部を挿入する側であることを指先の触感でより容易に確認することができる。
図5はこの発明のクリップの第3の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。比較のために、図6はクリップの従来の形態3を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図5に示すように、クリップ500は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ500は、第1湾曲部510と第2湾曲部520と、第1直線部530と第2直線部540と、第3直線部550と第4直線部560と、連結部570とを備える。第1直線部530と第4直線部560は、それぞれ、ベース直線部531、561と屈曲部532、562と斜方直線部533、563とを有する。第2直線部540と第3直線部550は、それぞれ、末端縁541、551を有する。
図1に示されるクリップ100と異なり、クリップ500の全体的な平面形状は、ほぼ二等辺三角形状であり、長手方向の一方側では二等辺三角形の頂点を丸めるように線材が曲げられて第1湾曲部510と第2湾曲部520とが形成され、長手方向の他方側では二等辺三角形の底辺に沿って直線状の連結部570が形成されている。また、クリップ500においては、第1直線部530と第2直線部540が上方に曲げられることにより、第1湾曲部510が第2湾曲部520から離れた上方の位置に位置づけられるだけでなく、第3直線部550と第4直線部560が下方に曲げられることにより、第2湾曲部520が第1湾曲部510から離れた下方の位置に位置づけられており、第1湾曲部510と第2湾曲部520との間の距離が広くなっている。
クリップ500のその他の構成は、図1に示すクリップ100の構成と同様である。
これに対して、図6に示すように、従来のクリップ600は、第1湾曲部610と第2湾曲部620と、第1直線部630と第2直線部640と、第3直線部650と第4直線部660と、連結部670とを備えるが、図6(B)に示すように全体として扁平した形状を有する。第1湾曲部610と第2湾曲部620との間には相対的に大きな空間がある。第2直線部640の末端縁641は第1直線部630と第4直線部660と連結部670とによって取り囲まれた領域内に位置づけられているが、第3直線部650の末端縁651はクリップ600の外側に延びている。
図5に示されるクリップ500は、図6に示される従来のクリップ600に対する利点として、図1のクリップ100と同様の作用効果を有する。
図7はこの発明のクリップの第4の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。比較のために、図8はクリップの従来の形態4を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図7に示すように、クリップ700は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ700は、第1湾曲部710と第2湾曲部720と、第1直線部730と第2直線部740と、第3直線部750と第4直線部760と、連結部770とを備える。第1直線部730と第4直線部760は、それぞれ、ベース直線部731、761と屈曲部732、762と斜方直線部733、763とを有する。第2直線部740と第3直線部750は、それぞれ、末端縁741、751を有する。
図3に示されるクリップ300と異なり、クリップ700の全体的な平面形状は、長手方向の一方側では相対的に大きな曲率半径で線材が曲げられて第1湾曲部710と第2湾曲部720とが形成され、長手方向の他方側では一方側の幅よりも相対的に短い長さの直線状の連結部770が形成されている。また、クリップ700においては、第1直線部730と第2直線部740が上方に曲げられることにより、第1湾曲部710が第2湾曲部720から離れた上方の位置に位置づけられるだけでなく、第3直線部750と第4直線部760が下方に曲げられることにより、第2湾曲部720が第1湾曲部710から離れた下方の位置に位置づけられており、第1湾曲部710と第2湾曲部720との間の距離が広くなっている。
クリップ700のその他の構成は、図3に示すクリップ300の構成と同様である。
これに対して、図8に示すように、従来のクリップ800は、第1湾曲部810と第2湾曲部820と、第1直線部830と第2直線部840と、第3直線部850と第4直線部860と、連結部870とを備えるが、図8(B)に示すように全体として扁平した形状を有する。第1湾曲部810と第2湾曲部820との間には相対的に大きな空間がある。第2直線部840の末端縁841は第1直線部830と第4直線部860と連結部870とによって取り囲まれた領域内に位置づけられているが、第3直線部850の末端縁851はクリップ800の外側に延びている。
図7に示されるクリップ700は、図8に示される従来のクリップ800に対する利点として、図3のクリップ300と同様の作用効果を有する。
図9は、この発明のクリップの第5の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図9に示すように、クリップ900は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ900は、第1湾曲部910と第2湾曲部920と、第1直線部930と第2直線部940と、第3直線部950と第4直線部960と、連結部970とを備える。第1直線部930と第4直線部960は、それぞれ、ベース直線部931、961と屈曲部932、962と斜方直線部933、963とを有する。第2直線部940と第3直線部950は、それぞれ、末端縁941、951を有する。
図5に示されるクリップ500と異なり、クリップ900の全体的な平面形状は、ほぼ二等辺三角形状であるが、長手方向の一方側では相対的に大きな曲率半径で線材が曲げられて第1湾曲部910と第2湾曲部920とが形成され、長手方向の他方側では一方側の幅よりも相対的に長い長さの直線状の連結部970が形成されている。また、第1湾曲部910は、長手方向において第2湾曲部920に近接した位置で、第2湾曲部920よりも長手方向において他方側寄りで内側に位置づけられている。第1湾曲部910が第2湾曲部920と第3直線部950の上に延びて交差することにより、第2直線部940の末端縁941と第3直線部950の末端縁951は、第1直線部930と第4直線部960と連結部970とによって取り囲まれた領域内に位置づけられている。この発明のクリップ900においては、第1湾曲部910と第2湾曲部920との間の長手方向の間隔は線材の直径程度である。
クリップ900のその他の構成は、図5に示すクリップ500の構成と同様である。
図9に示されるクリップ900は、図7のクリップ700と同様の作用効果を有する。
図10は、この発明のクリップの第6の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図10に示すように、クリップ1000は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ1000は、第1湾曲部1010と第2湾曲部1020と、第1直線部1030と第2直線部1040と、第3直線部1050と第4直線部1060と、連結部1070とを備える。第2直線部1040と第3直線部1050は、それぞれ、末端縁1041、1051を有する。
図7に示されるクリップ700と異なり、クリップ1000の全体的な平面形状は、ほぼ長方形状であるが、長手方向の一方側では長方形の短辺よりも相対的にわずかに小さな曲率直径で線材が曲げられて第1湾曲部1010と第2湾曲部1020とが形成され、長手方向の他方側では長方形の短辺の長さ程度の直線状の連結部1070が形成されている。
また、この発明のクリップ1000においては、第1直線部1030は、第1と第2の屈曲部1032と1034を有し、相対的に下方の平面に位置づけられた下方直線部1031と、第1の屈曲部1032を介して曲げられて下方直線部1031から上方に延びる斜方直線部1033と、第2の屈曲部1034を介して曲げられて斜方直線部1033に連続し下方平面よりも相対的に上方の平面に位置づけられた上方直線部1035とを含む。第4直線部1060は、第1と第2の屈曲部1062と1064を有し、相対的に下方の平面に位置づけられた下方直線部1061と、第1の屈曲部1062を介して曲げられて下方直線部1061から上方に延びる斜方直線部1063と、第2の屈曲部1064を介して曲げられて斜方直線部1063に連続し下方平面よりも相対的に上方の平面に位置づけられた上方直線部1065とを含む。上方直線部1035と1065に連結部1070は連続している。
クリップ1000のその他の構成は、図7に示すクリップ700の構成と同様である。
図10に示されるクリップ1000は、図7のクリップ700と同様の作用効果に付け加えて以下の作用効果を奏する。
クリップ1000で紙片を挟んだ場合に、斜方直線部1033、1063が紙片の端部に接触するまで、紙片の表面に沿ってクリップ1000を移動させることによって、複数枚の紙片を挟み固定することができる。これにより、クリップ1000の紙片に対する差し込みの程度を斜方直線部1033、1063の位置によって調整することができる。すなわち、斜方直線部1033、1063をクリップ1000の紙片に対する差し込みストッパとして用いることができる。
また、この場合、クリップ1000で紙片を挟みこんだ状態において生じる応力を、第1と第2の屈曲部1032と1034、1062と1064を支点として下方直線部1031、1061と斜方直線部1033、1063と上方直線部1035、1065の三つの方向に分散させることができる。すなわち、第1と第2の屈曲部1032と1034、1062と1064を介した下方直線部1031、1061と斜方直線部1033、1063と上方直線部1035、1065は応力緩和手段として作用する。このため、クリップ1000の使用頻度が高くなっても、材料の疲労を緩和することができ、結果として疲労限度を高めることができる。これにより、クリップ1000の使用頻度が高くなっても、クリップ1000の紙片に対する挟持力を低下させることがないので、クリップ1000の使用寿命を高めることができる。
図11は、この発明のクリップの第7の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図11に示すように、クリップ1100は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ1100は、第1湾曲部1110と第2湾曲部1120と、第1直線部1130と第2直線部1140と、第3直線部1150と第4直線部1160と、連結部1170とを備える。第2直線部1140と第3直線部1150は、それぞれ、末端縁1141、1151を有する。
図10に示されるクリップ1000と異なり、クリップ1000の全体的な平面形状は、ほぼ長方形状であるが、長手方向の他方側では長方形の短辺よりも短い長さの直線状の連結部1170が形成されている。
また、この発明のクリップ1100においては、第1直線部1130は、屈曲部がなく、直線状に延びるように構成されている。これに対して、第4直線部1160は、第1と第2の屈曲部1162と1164を有し、相対的に下方の平面に位置づけられた下方直線部1161と、第1の屈曲部1162を介して曲げられて下方直線部1161から上方に延びる斜方直線部1163と、第2の屈曲部1164を介して曲げられて斜方直線部1163に連続し下方平面よりも相対的に上方の平面に位置づけられた上方直線部1165とを含む。上方直線部1165に連結部1170は連続している。さらに、クリップ1100においては、第1直線部1130と第2直線部1140が上方に曲げられることにより、第1湾曲部1110が第2湾曲部1120から離れた上方の位置に位置づけられるだけでなく、第3直線部1150と第4直線部1160が下方に曲げられることにより、第2湾曲部1120が第1湾曲部1110から離れた下方の位置に位置づけられており、第1湾曲部1110と第2湾曲部1120との間の距離が広くなっている。
クリップ1100のその他の構成は、図10に示すクリップ1000の構成と同様である。
図11に示されるクリップ1100は、図10のクリップ1000と同様の作用効果を奏する。
図13はこの発明のクリップ1100で紙片を挟み込んだ使用状態を示す図である。
図13に示すように、クリップ1100で複数枚からなる厚い紙片50を挟んだ場合に、斜方直線部1163が紙片50の端部に接触するまで、紙片50の表面に沿ってクリップ1100を移動させることによって、複数枚の紙片50を挟み固定することができる。これにより、クリップ1100の紙片50に対する差し込みの程度を斜方直線部1163の位置によって調整することができる。すなわち、斜方直線部1163をクリップ1100の紙片50に対する差し込みストッパとして用いることができる。
また、この場合、クリップ1100で紙片50を挟みこんだ状態において生じる応力を、第1と第2の屈曲部1162と1164を支点として下方直線部1061と斜方直線部1163と上方直線部1165の三つの方向に分散させることができる。すなわち、第1と第2の屈曲部1162と1164を介した下方直線部1061と斜方直線部1163と上方直線部1165は応力緩和手段として作用する。このため、クリップ1100の使用頻度が高くなっても、材料の疲労を緩和することができ、結果として疲労限度を高めることができる。これにより、クリップ1100の使用頻度が高くなっても、クリップ1100の紙片に対する挟持力を低下させることがないので、クリップ1100の使用寿命を高めることができる。
図12はこの発明のクリップの第8の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図12に示すように、クリップ1200は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ1200は、第1湾曲部1210と第2湾曲部1220と、第1直線部1230と第2直線部1240と、第3直線部1250と第4直線部1260と、連結部1270とを備える。第2直線部1240と第3直線部1250は、それぞれ、末端縁1241、1251を有する。
図10に示されるクリップ1000と異なり、クリップ1200の全体的な平面形状は、ほぼ長方形状であるが、長方形の短辺が相対的に長い。
また、この発明のクリップ1200においては、第4直線部1260は、第1と第2の屈曲部1262と1264を有し、相対的に下方の平面に位置づけられた下方直線部1261と、第1の屈曲部1262を介して曲げられて下方直線部1261から上方に延びる斜め上方直線部1263と、第2の屈曲部1264を介して曲げられて斜め上方直線部1263に連続し下方平面よりも相対的に上方の平面に位置づけられた上方直線部1265とを含む。この上方直線部1265に連結部1270は連続している。
第1直線部1230は、第3と第4の屈曲部1232と1234を有し、相対的に上方の平面に位置づけられた上方直線部1231と、第3の屈曲部1232を介して曲げられて上方直線部1231から下方に延びる斜め下方直線部1233と、第4の屈曲部1234を介して曲げられて斜め下方直線部1233に連続し上方平面よりも相対的に下方の平面に位置づけられた下方直線部1235とを含む。この下方直線部1235に連結部1270は連続している。
さらに、クリップ1200においては、第1直線部1230と第2直線部1240が上方に曲げられることにより、第1湾曲部1210が第2湾曲部1220から離れた上方の位置に位置づけられるだけでなく、第3直線部1250と第4直線部1260が下方に曲げられることにより、第2湾曲部1220が第1湾曲部1210から離れた下方の位置に位置づけられており、第1湾曲部1210と第2湾曲部1220との間の距離が広くなっている。
クリップ1200のその他の構成は、図10に示すクリップ700の構成と同様である。
図12に示されるクリップ1200は、図10のクリップ1000と同様の作用効果に付け加えて以下の作用効果を奏する。
図14はこの発明のクリップ1200で紙片を挟み込んだ使用状態を示す図である。
図14に示すように、クリップ1200で複数枚からなる厚い紙片50を挟んだ場合に、斜め上方直線部1263と斜め下方直線部1233が紙片50の端部に接触するまで、紙片50の表面に沿ってクリップ1200を移動させることによって、複数枚の紙片50を挟み固定することができる。これにより、クリップ1200の紙片に対する差し込みの程度を斜め上方直線部1263と斜め下方直線部1233の位置によって調整することができる。すなわち、斜め上方直線部1263と斜め下方直線部1233をクリップ1200の紙片50に対する差し込みストッパとして用いることができる。
また、この場合、クリップ1200で紙片50を挟みこんだ状態において生じる応力を、第1と第2の屈曲部1262と1264を支点として下方直線部1261と斜め上方直線部1263と上方直線部1265の三つの方向に、また、第3と第4の屈曲部1232と1234を支点として上方直線部1231と斜め下方直線部1233と下方直線部1235の三つの方向に、分散させることができる。すなわち、第1と第2の屈曲部1262と1264を介した下方直線部1261と斜め上方直線部1263と上方直線部1265、第3と第4の屈曲部1232と1234を介した上方直線部1231と斜め下方直線部1233と下方直線部1235のそれぞれは応力緩和手段として作用する。このため、クリップ1200の使用頻度が高くなっても、材料の疲労を緩和することができ、結果として疲労限度をより高めることができる。これにより、クリップ1200の使用頻度が高くなっても、クリップ1200の紙片50に対する挟持力を低下させることがないので、クリップ1200の使用寿命をより高めることができる。
図15はこの発明のクリップの第9の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)、図16はこの発明のクリップの第9の実施の形態で紙片を挟み込んだ使用状態を示す図である。
図15に示すように、クリップ1300は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ1300は、第1湾曲部1310と第2湾曲部1320と、第1直線部1330と第2直線部1340と、第3直線部1350と第4直線部1360と、連結部1370とを備える。第2直線部1340と第3直線部1350は、それぞれ、末端縁1341、1351を有する。
図12に示されるクリップ1200と異なり、クリップ1300の全体的な平面形状は、ほぼ長方形状であるが、連結部1370の長さが長方形の短辺よりも相対的に短くなるように形成されている。
また、この発明のクリップ1300においては、第1直線部1330は、第1の屈曲部1332を有し、ベース直線部1331と、第1の屈曲部1332を介して曲げられてベース直線部1331から上方に延びる斜め上方直線部1333とを含む。この斜め上方直線部1333に連結部1370は連続している。第4直線部1360は、第2の屈曲部1362を有し、ベース直線部1361と、第2の屈曲部1362を介して曲げられてベース直線部1361から下方に延びる斜め下方直線部1363とを含む。この斜め下方直線部1363に連結部1370は連続している。
クリップ1300のその他の構成は、図12に示すクリップ1200の構成と同様である。
図15に示されるクリップ1300は、図7のクリップ700と同様の作用効果に付け加えて以下の作用効果を奏する。
図15と図16に示すように、クリップ1300で複数枚の厚い紙片50を挟んだ場合に、斜め上方直線部1333と斜め下方直線部1363との両方を経て連結部1370が紙片50の端部に接触するまで、紙片50の表面に沿ってクリップ1300を移動させることによって、複数枚の紙片50を挟み固定することができる。これにより、斜め上方直線部1333と斜め下方直線部1363との両方に連続する連結部1370をクリップ1300の紙片50に対する差し込みストッパとして用いることができる。
また、この場合、クリップ1300で紙片50を挟みこんだ状態において生じる応力を、屈曲部1332、1362を支点として、ベース直線部1331と斜め上方直線部1333との二つの方向、ベース直線部1361と斜め下方直線部1363との二つの方向、それぞれに分散させることができる。すなわち、屈曲部1332、1362を介したベース直線部1331、1361と斜め上方直線部1333および斜め下方直線部1363は応力緩和手段として作用する。このため、クリップ1300の使用頻度が高くなっても、材料の疲労をより緩和することができ、結果として疲労限度を高めることができる。これにより、クリップ1300の使用頻度が高くなっても、クリップ1300の紙片50に対する挟持力を低下させることがないので、クリップ1300の使用寿命をより高めることができる。
さらに、長手方向の他方側では、連結部1370に連続している斜め上方直線部1333または斜め下方直線部1363を掴むことによって、クリップ1300に紙片50の端部を挿入して挟み込む動作、または、紙片50の端部からクリップ1300を抜き取る動作を容易に行うことができる。
図17はこの発明のクリップの第10の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図17に示すように、クリップ1400は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ1400は、第1湾曲部1410と第2湾曲部1420と、第1直線部1430と第2直線部1440と、第3直線部1450と第4直線部1460と、連結部1470とを備える。第1直線部1430と第4直線部1460は、それぞれ、ベース直線部1431、1461と屈曲部1432、1462と斜方直線部1433、1463とを有する。第2直線部1440と第3直線部1450は、それぞれ、末端縁1441、1451を有する。
図7に示されるクリップ700と異なり、クリップ1400の全体的な平面形状は、長手方向の一方側では相対的に小さな曲率半径で線材が曲げられて第1湾曲部1410と第2湾曲部1420とが形成され、長手方向の他方側では屈曲部1432、1462にて斜方直線部1433、1463が互いに接近するように線材が曲げられ、一方側よりもさらに小さな曲率半径で線材が曲げられて連結部570が形成されている。
また、クリップ1400においては、第1直線部1430と第2直線部1440が上方に曲げられることにより、第1湾曲部1410が第2湾曲部1420から離れた上方の位置に位置づけられるだけでなく、第3直線部1450と第4直線部1460が下方に曲げられることにより、第2湾曲部1420が第1湾曲部1410から離れた下方の位置に位置づけられており、第1湾曲部1410と第2湾曲部1420との間の距離が広くなっている。
クリップ1400のその他の構成は、図7に示すクリップ700の構成と同様である。
図17に示されるクリップ1400は、図7のクリップ700と同様の作用効果を有する。
図18はこの発明のクリップの第11の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図18に示すように、クリップ1500は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ1500は、第1湾曲部1510と第2湾曲部1520と、第1直線部1530と第2直線部1540と、第3直線部1550と第4直線部1560と、連結部1570とを備える。第1直線部1530と第4直線部1560は、それぞれ、ベース直線部1531、1561と屈曲部1532、1562と斜方直線部1533、1563とを有する。第2直線部1540と第3直線部1550は、それぞれ、末端縁1541、1551を有する。
図7に示されるクリップ700と異なり、クリップ1500の全体的な平面形状は、長手方向の一方側から他方側に向かうにつれて第1直線部1530と第4直線部1560が互いに接近するように間隔が狭まるように曲げられ、他方側において、屈曲部1532、1562にて一方側よりもさらに小さな曲率半径で線材が曲げられて連結部570がほぼ円形状に形成されている。
また、クリップ1500においては、第1直線部1530と第2直線部1540が上方に曲げられることにより、第1湾曲部1510が第2湾曲部1520から離れた上方の位置に位置づけられるだけでなく、第3直線部1550と第4直線部1560が下方に曲げられることにより、第2湾曲部1520が第1湾曲部1510から離れた下方の位置に位置づけられており、第1湾曲部1510と第2湾曲部1420との間の距離が広くなっている。
クリップ1500のその他の構成は、図7に示すクリップ700の構成と同様である。
図18に示されるクリップ1500は、図7のクリップ700と同様の作用効果を有する。
図19はこの発明のクリップの第12の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図19に示すように、クリップ1600は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ1600は、第1湾曲部1610と第2湾曲部1620と、第1直線部1630と第2直線部1640と、第3直線部1650と第4直線部1660と、連結部1670とを備える。第1直線部1630と第4直線部1660は、それぞれ、ベース直線部1631、1661と屈曲部1632、1662と斜方直線部1633、1663とを有する。第2直線部1640と第3直線部1650は、それぞれ、末端縁1641、1651を有する。
図7に示されるクリップ700と異なり、クリップ1600の全体的な平面形状は、長手方向の一方側から他方側に向かって第1直線部1630と第4直線部1660とが、離隔するように曲げられ、屈曲部1636、1666にて互いに接近するように曲げられ、さらに屈曲部1637、1667から連結部1670に至るまでほぼ同じ間隔で延びるように形成されている。連結部570はほぼ直線状に形成されている。
また、クリップ1600においては、第1直線部1630と第2直線部1640が上方に曲げられることにより、第1湾曲部1610が第2湾曲部1620から離れた上方の位置に位置づけられている。
クリップ1600のその他の構成は、図7に示すクリップ700の構成と同様である。
図19に示されるクリップ1600は、図7のクリップ700と同様の作用効果を有する。
図17、図18および図19に示される平面形状のクリップは、装飾用クリップ、簡易なネクタイピン等として布等を挟持するために用いることができ、クリップの平面形状はこれらの図に示されるものに限定されることなく、デザインに応じて種々の形状に変形することができる。
図20はこの発明のクリップの第13の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)、図21はこの発明のクリップの第13の実施の形態で紙片を挟み込む前と挟み込んだ後の使用状態を示す図(A)と(B)である。
図20に示すように、クリップ1700は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ1700は、第1湾曲部1710と第2湾曲部1720と、第1直線部1730と第2直線部1740と、第3直線部1750と第4直線部1760と、連結部1770とを備える。第1直線部1730と第4直線部1760は、それぞれ、ベース直線部1731、1761と屈曲部1732、1762と斜方直線部1733、1763とを有する。第2直線部1740と第3直線部1750は、それぞれ、末端縁1741、1751を有する。
図1に示されるクリップ100と異なり、第1湾曲部1710、第2湾曲部1720および連結部1770の平面形状は、ほぼ直線状である。
クリップ1700のその他の構成は、図1に示すクリップ100の構成と同様である。
図20に示されるクリップ1700は、図1のクリップ100と同様の作用効果に付け加えて以下の作用効果を奏する。
図21(A)に示すように、長手方向の一方側に配置される第1湾曲部1710と第2湾曲部1720が直線状に形成されているので、第1湾曲部1710を紙片50の表面に接触させた後、ほぼ直線状の第1湾曲部1710をガイドにして、第1湾曲部1710と第2湾曲部1720との間に紙片50を挿入し、図21(B)に示すようにクリップ1700で紙片50を挟み込むことができる。これにより、紙片50をクリップ1700に挿入し、挟み込む動作をより容易に行うことができる。
図22はこの発明のクリップの第14の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図22に示すように、クリップ1800は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ1800は、第1湾曲部1810と第2湾曲部1820と、第1直線部1830と第2直線部1840と、第3直線部1850と第4直線部1860と、連結部1870とを備える。第2直線部1840と第3直線部1850は、それぞれ、末端縁1841、1851を有する。
図12に示されるクリップ1200と異なり、クリップ1800の全体的な平面形状は、ほぼ長方形状であるが、長手方向の一方側にて第1湾曲部1810と第2湾曲部1820はほぼ直線状であり、長手方向の他方側にて連結部1870はほぼ円形状の環状部を有する。
この発明のクリップ1800においては、第4直線部1860は、第1と第2の屈曲部1862と1864を有し、相対的に下方の平面に位置づけられた下方直線部1861と、第1の屈曲部1862を介して曲げられて下方直線部1861から上方に延びる斜め上方直線部1863と、第2の屈曲部1864を介して曲げられて斜め上方直線部1863に連続し下方平面よりも相対的に上方の平面に位置づけられた上方直線部1865とを含む。この上方直線部1865に連結部1870は連続している。
第1直線部1830は、第3と第4の屈曲部1832と1834を有し、相対的に上方の平面に位置づけられた上方直線部1831と、第3の屈曲部1832を介して曲げられて上方直線部1831から下方に延びる斜め下方直線部1833と、第4の屈曲部1834を介して曲げられて斜め下方直線部1833に連続し上方平面よりも相対的に下方の平面に位置づけられた下方直線部1835とを含む。この下方直線部1835に連結部1870は連続している。
この場合、連結部1870は、第1直線部1830の下方直線部1835に連続して相対的に上方に旋回する上方旋回部1871、1872と、この上方旋回部1872に連続して相対的に下方に旋回した後に第4直線部1860の上方直線部1865に連続する下方旋回部1873、1874とからなる環状部を有する。
クリップ1800のその他の構成は、図12に示すクリップ1200の構成と同様である。
図22に示されるクリップ1800は、図12のクリップ1200と同様の作用効果に付け加えて以下の作用効果を奏する。
図24はこの発明のクリップ1800で紙片を挟み込んだ使用状態を示す図である。
図22と図24に示すように、第1と第2の屈曲部1862と1864を介した下方直線部1861と斜め上方直線部1863と上方直線部1865、第3と第4の屈曲部1832と1834を介した上方直線部1831と斜め下方直線部1833と下方直線部1834のそれぞれは応力緩和手段として作用するだけでなく、連結部1870を構成する上方旋回部1871、1872と下方旋回部1873、1874とからなる環状部も応力緩和手段として作用する。このため、クリップ1800の使用頻度が高くなっても、材料の疲労をさらに緩和することができ、結果として疲労限度をより高めることができる。これにより、クリップ1800の使用頻度が高くなっても、クリップ1800の紙片に対する挟持力を低下させることがないので、クリップ1800の使用寿命をさらに高めることができる。
また、この場合、図24に示すように、クリップ1800で紙片50を挟んだ場合に、連結部1870を構成する環状部の端が紙片50の端部に接触するまで、紙片50の表面に沿ってクリップ1800を移動させることによって、複数枚の紙片50を挟み固定することができる。これにより、連結部1870を構成する環状部をクリップ1800の紙片50に対する差し込みストッパとして用いることができる。
図23はこの発明のクリップの第15の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図23に示すように、クリップ1900は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ1900は、第1湾曲部1910と第2湾曲部1920と、第1直線部1930と第2直線部1940と、第3直線部1950と第4直線部1960と、連結部1970とを備える。第2直線部1940と第3直線部1950は、それぞれ、末端縁1941、1951を有する。
図12に示されるクリップ1200と異なり、クリップ1900の全体的な平面形状は、ほぼ長方形状であるが、長手方向の一方側にて第1湾曲部1910と第2湾曲部1920はほぼ直線状であり、長手方向の他方側にて連結部1970はほぼ円形状の環状部を有する。
この発明のクリップ1900においては、第1直線部1930は、第1と第2の屈曲部1932と1934を有し、相対的に下方の平面に位置づけられた下方直線部1931と、第1の屈曲部1932を介して曲げられて下方直線部1931から上方に延びる斜め上方直線部1933と、第2の屈曲部1934を介して曲げられて斜め上方直線部1933に連続し下方平面よりも相対的に上方の平面に位置づけられた上方直線部1935とを含む。この上方直線部1935に連結部1970は連続している。
第4直線部1960は、第3と第4の屈曲部1962と1964を有し、相対的に上方の平面に位置づけられた上方直線部1961と、第3の屈曲部1962を介して曲げられて上方直線部1961から下方に延びる斜め下方直線部1963と、第4の屈曲部1964を介して曲げられて斜め下方直線部1963に連続し上方平面よりも相対的に下方の平面に位置づけられた下方直線部1965とを含む。この下方直線部1965に連結部1970は連続している。
この場合、連結部1970は、第4直線部1960の下方直線部1965に連続して相対的に上方に旋回する上方旋回部1971、1972と、この上方旋回部1972に連続して相対的に下方に旋回した後に第1直線部1930の上方直線部1935に連続する下方旋回部1973、1974とからなる環状部を有する。
クリップ1900のその他の構成は、図12に示すクリップ1200の構成と同様である。
図23に示されるクリップ1900は、図12のクリップ1200と同様の作用効果に付け加えて以下の作用効果を奏する。
図25はこの発明のクリップ1900で紙片を挟み込んだ使用状態を示す図である。
図25に示すように、クリップ1900で紙片50を挟んだ場合に、連結部1970を構成する上方旋回部1971、1972と下方旋回部1973、1974が交差した箇所が紙片50の端部に接触するまで、紙片50の表面に沿ってクリップ1900を移動させることによって、複数枚の紙片50を挟み固定することができる。これにより、上記の交差した箇所をクリップ1900の紙片に対する差し込みストッパとして用いることができる。
また、この場合、クリップ1900で紙片50を挟んだ状態において、連結部1970を構成する上方旋回部1971、1972と下方旋回部1973、1974が交差した箇所が紙片50の端部に接触し、環状部は紙片50の端部から突出した位置にある。このため、この突出した位置にある環状部に付箋または針金110付きの紙製札100を引っ掛けることができる。なお、付箋または針金110付きの紙製札100を引っ掛けることができるようにするために、上方旋回部1971、1972と下方旋回部1973、1974とからなる環状部に代えて、ほぼ同一平面上に位置づけられた旋回部からなるほぼ円形状の環状部を形成してもよく、たとえば、図18に示されるクリップ1500の長手方向の他方側に形成された連結部1570に示されるような、ほぼ円形状の環状部を形成してもよい。
図26はこの発明のクリップの第16の実施の形態を示す平面図(A)と正面図(B)である。
図26に示すように、クリップ2000は弾性を有する線材からなるクリップである。この発明のクリップ2000は、第1湾曲部2010と第2湾曲部2020と、第1直線部2030と第2直線部2040と、第3直線部2050と第4直線部2060と、連結部2070とを備える。第1直線部2030と第4直線部2060は、それぞれ、ベース直線部2031、2061と屈曲部2032、2062と斜方直線部2033、2063とを有する。第2直線部2040と第3直線部2050は、それぞれ、末端縁2041、2051を有する。
図20に示されるクリップ1700と異なり、第1直線部2030は長手方向の一方側にて、すなわち、第1湾曲部2010に近い側にて屈曲部2035、2037、2039を有し、第4直線部2060は長手方向の一方側にて、すなわち、第2湾曲部2020に近い側にて屈曲部2065、2067、2069を有する。
第1直線部2030は、屈曲部2035を介して曲げられてベース直線部2031からクリップの外側に向かって延びる斜方直線部2036と、クリップの最外側に位置する屈曲部2037を介して逆方向に曲げられてクリップの内側に向かって延びる斜方直線部2038とを有し、屈曲部2039を介して斜方直線部2038とベース直線部2031とが接続されている。第4直線部2060は、屈曲部2065を介して曲げられてベース直線部2061からクリップの外側に向かって延びる斜方直線部2066と、クリップの最外側に位置する屈曲部2067を介して逆方向に曲げられてクリップの内側に向かって延びる斜方直線部2068とを有し、屈曲部2069を介して斜方直線部2068とベース直線部2061とが接続されている。
これらの屈曲部を介して、第1直線部2030と第4直線部2060は、ほぼ同一平面上で水平方向に曲げられてもよく、垂直方向、すなわち、上方または下方に曲げられてもよい。
また、クリップ2000においては、第1直線部2030と第2直線部2040が上方に曲げられることにより、第1湾曲部2010が第2湾曲部2020から離れた上方の位置に位置づけられるだけでなく、第3直線部2050と第4直線部2060が下方に曲げられることにより、第2湾曲部2020が第1湾曲部2010から離れた下方の位置に位置づけられており、第1湾曲部2010と第2湾曲部2020との間の距離が広くなっている。
クリップ2000のその他の構成は、図20に示すクリップ1700の構成と同様である。
図26に示されるクリップ2000は、図17のクリップ1700と同様の作用効果に付け加えて以下の作用効果を奏する。
種々の屈曲部2035、2037、2039が第1湾曲部2010側に位置する第1直線部2030に形成され、種々の屈曲部2065、2067、2069が第2湾曲部2020側に位置する第4直線部2060に形成されることにより、線材に加工硬化をもたらすことができる。このため、第1湾曲部2010と第2湾曲部2020とによって紙片を挟み込んだ場合に従来のクリップよりも大きな挟み力を発生させることができる。これにより、クリップの紙片等に対する挟持力を高めることができる。言い換えれば、少なくとも複数の屈曲部を形成することによって第1湾曲部2010に近い側に位置する第1直線部2030を凹凸状に曲がった形状にし、少なくとも複数の屈曲部を形成することによって第2湾曲部2020に近い側に位置する第4直線部2060を凹凸状に曲がった形状にすれば、上記の作用効果を達成することができる。
なお、上述したこの発明の種々の実施の形態のクリップは、金属、合金製の針金等の弾性を有する線材から形成されるだけでなく、合成樹脂製の弾性を有する線材から形成されてもよい。
また、上述したこの発明の種々の実施の形態のクリップにおいて、第1直線部と第4直線部のそれぞれは、長手方向の他方側にて、すなわち、連結部に近い側にて屈曲部を介して上方および/または下方に曲げられるとともに、第1直線部と第4直線部の間隔が広がるように、外側に延びるように構成され、連結部の長さが第1直線部と第4直線部の間隔よりも大きくなるように構成されてもよい。この場合、より厚い紙片をクリップで挟むことができる。
さらに、上述したこの発明の種々の実施の形態のクリップでは、第1直線部と第4直線部のそれぞれは、長手方向の他方側にて、すなわち、連結部に近い側にて屈曲部を介して上方および/または下方に曲げられているが、屈曲部を介して水平方向に凹凸状に曲がった形状にしてもよく、また水平方向にジグザグ状に曲げられてもよい。この場合、クリップでより厚い紙片を繰り返し挟み込んでも、クリップの紙片に対する挟持力を低下させることがなく、材料の疲労を緩和することができるので、クリップの使用寿命を高めることができる。
上述したこの発明の種々の実施の形態のクリップにおいては、種々の直線部と屈曲部との境界が明確になるように図示されて説明されているが、種々の直線部と屈曲部とが滑らかに連続するように形成されていてもよい。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
100:クリップ、110:第1湾曲部、120:第2湾曲部、130:第1直線部、131,161:ベース直線部、132,162:屈曲部、133,163:斜方直線部、140:第2直線部、141,151:末端縁、150:第3直線部、160:第4直線部、170:連結部。