JPS6144856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、一般にゼムピン等と呼ばれている紙
はさみ用クリツプに関する。

従来この種のクリツプは第１図に示すように針
金１を回曲して二つのループ２，３を形成しこの
ループの間に紙をはさむようになつている。この
型のクリツプでは、はさむ相手が厚いときは、第
１図ｂに示すように二つのループが開いて、ルー
プの回曲部がはさむ相手の面から跳ね上り、相手
をしつかりとはさむことができず、クリツプ自身
は抜け易く、更にこの状態で封筒等に入れるとル
ープの跳ね上つた部分が封筒を内側から突張り、
封筒を損傷する等の不都合がある。厚手のもので
もはさめるように、この型のクリツプで大型のも
のも市販されているが、上述した欠点そのものは
解消されていない。

また従来上述のものとは異つた型のクリツプと
して第２図に示すよう二つのループ２，３を交又
させた型のものがあり、これは大型で、上述した
ものに比し厚手のものをはさむのに適している
が、非常に厚いものを無理にはさんで二つのルー
プの間が弾性限界を超えて開かれると、「バカ」
になつてしまつて元に戻すのが困難である。この
点に関しては第１図に示した型のものは「バカ」
になつても開いたループを反対側に曲げることで
容易に元に戻すことができる。

上述したように従来のクリツプには問題がある
が、根本的な改良を企てたものは見当らない。

本考案は針金を曲げた型のクリツプで厚いもの
でも薄いものでもはさむことができ、開きぐせが
ついても容易に元に戻せると共に、形崩れが生じ
にくく、紙をはさんだ後、紙を抜とることが容易
にできる新規なクリツプを提案するものである。

本考案クリツプは基本的には一本の線条を８字
形に回曲して２つのループを形成し、二つのルー
プの連結部で線条をＸ字形に交叉させ、二つのル
ープを重ねるようにこの交又部で折曲げた構成を
有する。これに対して従来のクリツプは二つのル
ープの連結部は一本の線条であり、この点が形の
上での本考案と従来例との根本的な差異である。

第３図は本考案の一実施例を示す。針金１をコ
字形に曲げ、コ字形の両脚を夫々内側へ直角に曲
げ、この曲げた部分４，５をコ字形の面に沿う方
向から見てＸ字形に交叉させ、夫々を更に２回ず
つ内側へ直角に曲げて、全体で二つの矩形のルー
プ２，３を形成したものである。このような針金
を回曲すると両端が互に向き合うことになるが、
この部分は図に鎖線で示すようにローラ６の中心
孔に針金の両端を挿入して相互結合する。ローラ
を用いると紙をはさみ込ますのが楽になり、また
重ねた紙をはさんで上から順に一枚ずつ抜いて行
くとき、下の紙が重なつて抜けることなく、紙が
抜き易い。第４図はこの実施例のクリツプで紙Ｐ
をはさんだ状態を示す。本考案の特徴は第４図で
矢印方向から見たとき、クリツプの頭がたすき形
になつている所にある。第１，２図に示した従来
の型ではこの頭は「けさ掛け」になつているので
ある。

第５図は本考案の他の実施例で、第３図の実施
例における４，５の部分を円弧状に回曲したもの
で、更にローラ６の代りにコイルスプリング７を
用いた。なおループ２，３の形は先端部も丸形に
してもよい。

第６図の実施例はループ２，３を横長の形にし
たものであり、第７図はこの実施例のクリツプで
紙をはさんだ状態を示す。ループを横長にする
と、紙をはさんでいる深さｄが浅くできる。紙面
の記載内容が紙の上縁近くまであるとき、このは
さみ深さが深いと下側の紙では記載の上の部分が
クリツプにはさみ込まれてめくつてみることがで
きず不便であるが、このようにループを横長にす
ると、紙をしつかりとはさみながら、しかもめく
り易いと云う利点がある。なおこの実施例で、紙
の下側になるループ２をループ３より大きくして
はさんだ紙の下支えとするようにしてもよい。

本考案クリツプは上述したように、針金を８字
形に曲成して二つのループを重ねるように折曲し
た形状で、二つのループを連ねる頭部で針金が交
叉していることが特徴で、厚い物をはさんだ場合
でも、第８図のように二つのループ２，３が扉状
に開くのでなく、同図ｂのように頭部のＸ字形の
部分がパンタグラフのように機能して二つのルー
プは平行状態を保つて離れるので、厚い物を安定
してはさむことができ、ループの部分ははさむ相
手の面に沿つていて、跳ね上りがないから、封筒
等に入れても突出することなく、薄いものから厚
いものまで確実にはさむことができる。また開き
ぐせがついてしまつても、前記第２図の従来例と
異り容易に元にもどすことができる。

さらに、本考案はループの前部で向き合う線条
端をローラに挿入して結合してあるから、ループ
の剛性が保たれてクリツプ全体の形崩れが生じな
いのであり、紙を挟んだ後、ローラ下の一枚の紙
でも、中間の一枚の紙でも、多数枚の紙でも紙全
体の形を崩さず容易に引き抜くことができ、紙の
引抜き後、仮に紙の形が崩れてもクリツプをゆる
めずに全体を容易に整頓することができる。この
ように挟んだ紙の取扱いが容易となるために、太
い線条で強力大型なクリツプを製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクリツプの一例を示し、ａは平
面図、ｂは側面図、第２図は従来のクリツプの他
の一例の平面図、第３図は本考案の一実施例クリ
ツプの斜視図、第４図は同実施例クリツプの紙を
はさんだ状態の斜視図、第５図は本考案の他の一
実施例クリツプの斜視図、第６図は更に他の実施
例クリツプの斜視図、第７図は同実施例クリツプ
で紙をはさんだ状態の斜視図、第８図は本考案ク
リツプの特徴を説明する斜視図である。 １……クリツプを構成する針金、２，３……ル
ープ、６……ローラ、７……コイルスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二つのループを連結する部分で、各ループを構
   成する線条がＸ字形に交叉するように、一本の線
   条で二つのループを曲成し、この二つのループを
   重ねるように上記両ループの連結部で折曲げ、長
   さの短いループの前部で互いに向き合う線条の各
   端をそれぞれ、ローラの両端から中心孔に挿入し
   て成る紙はさみクリツプ。