JP3779915B2 - ナイフ立て - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は調理用ナイフ等のナイフ立てに関するものであり、特に、複数のナイフを横向きに立てるようにしたナイフ立てに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、調理用ナイフを整理するためのナイフ立てには、木製、樹脂、又は金属により形成されたものがある。この種、従来のナイフ立てとしては、ナイフの刀身を立てておくものや、ナイフの刃先全体を下向きに立てておくものが知られている。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者のナイフ立てのようにナイフの刀身を立てておくようにすると、重心が上側に存在することになるので、不注意により、あるいは、振動により倒れたりすることがある。また、ナイフを挿入した状態では、引き出しの中に格納しておくこともできない。これに対し、後者のナイフ立ては、引き出しの中に収容することができるが、引き出しの中からの取り出しが困難となる。
【0003】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、引き出しへの格納、取り出しが良好で、持ち運び等、取り扱いが容易なナイフ立てを提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、容器状の本体の上部開口が金属製のカバーで覆われているナイフ立てであって、前記カバーには、前記本体内にナイフホルダの基端部を上方から挿入させるための挿入口が形成され、前記本体の内底面には、前記挿入口に案内されて前記本体内に挿入された前記ナイフホルダの基端部を嵌合させて保持する保持部が設けられ、前記ナイフホルダには、刃先全体を下方に向けてナイフを内部に没入させるスロット状の挿入部が設けられ、前記本体、前記ナイフホルダ及び前記カバーは、前記ナイフの一部を外部に露出させてナイフの取り出しが可能に形成されているナイフ立てを提供するものである。
このようにすると、ナイフを収容した状態でナイフ立てを手で持って移動しても、ナイフが安定しているので持ち運びが容易となる。また、全高が低くなるので、一般のキッチンの引き出しに収容することができる。さらに、引き出しの中に収容された状態でもナイフを取り出すことができる。
【0005】
請求項2記載の発明は、前記本体の底縁部に弾性的に係合する係合部が前記カバーに設けられたナイフ立てを提供するものである。
このようにすると簡単な構造で、本体にカバーを取り付けることができるとともに、分解によりナイフ立ての清浄さを保つことができる。
【0006】
請求項3記載の発明は、前記保持部の上端面に前記カバーの下面が当接され、前記カバーを外側から抑え込んで前記保持部の上端面にカバーを固定させるための鍔部が前記ナイフホルダの上端面に設けられたナイフ立てを提供するものである。
このようにすると、他の締結部材(機械要素)を用いることなく、本体にカバーを一体化することができる。
【0007】
請求項4記載の発明は、前記スロット状の挿入部の底面が、長さ、切っ先形状の異なるナイフの収容を可能とすべくナイフの長手方向の両端側で高く長手方向の中央側で低い斜面によって構成されたナイフ立てを提供するものである。
このようにすると、ナイフホルダの全長の範囲内で、長さ、切っ先形状の異なる多種のナイフを収容することができる。
【0008】
請求項5記載の発明は、前記カバーが耐食性の金属板で形成され、前記保持部と本体とは樹脂により一体成形され、前記ナイフホルダは樹脂により成形されたナイフ立てを提供するものである。
本体、ナイフ立て、保持部が樹脂で形成され、さらに、カバーが耐食性の金属板で形成されるので、長期に及んで清浄さが維持される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施の形態に係るナイフ立てを説明する。
図1は全長の長いナイフと全長の短いナイフとを横向きに立てるナイフ立ての構造を示し、図2は組み立て後の外観を示す。図1に示すように、ナイフ立て1の本体2は、上部に開口する箱形に形成されており、本体2の上部開口2aは上方側から取り付けられるカバー3の閉鎖部3aによって閉鎖される。
【0010】
カバー3はステンレス等の耐食性金属板で形成されており、カバー3の閉鎖部3aの両側には、本体2の相対峙する一対の側壁2b,2bに嵌合するフランジ部3b,3bが連接され、フランジ部3b,3bの下端に、本体2の底縁部2dと係脱自在に係合する係合部3e,3eが連接される。係合部3e,3eは、例えば、爪状に形成される。
カバー3の閉鎖部3aには、複数組のナイフホルダ5a,5bを本体2内に挿入させるための複数組の挿入口6a,6bと、全長の長いナイフホルダ7を本体2内に挿入させるための挿入口8とが形成されており、本体2の内底面2iには、複数組のナイフホルダ5a,5bの基端部をそれぞれ嵌合させて保持するための複数組の保持部9a,9bと、ナイフホルダ7を嵌合させて本体2に保持するための保持部10とが設けられる。
複数組の保持部9a,9b及び他方の保持部10は、本体2の内底面2iに一体成形され、また、本体2、複数組のナイフホルダ5a,5b及びナイフホルダ7は樹脂により成形される。
ナイフホルダ5a,5bには、ナイフ11の刃先全体を下向きにして刀身11aと柄11bを内部に没入させるためスロットの挿入部5a1,5b1が設けられ、ナイフホルダ7には、ナイフ12の刃先全体を下向きにして刀身12aと柄12bを内部に没入させるスロット状の挿入部7aが設けられる。
【0011】
また、本体2の他方の側壁2e,2eの略中央部には、上端面より下方に窪んだ凹部2f,2fが設けられ、凹部2f,2fに着座する湾曲部3fがカバー3に形成される。そして、カバー3の湾曲部3fの下面を支持するための湾曲部支持面9a1が保持部9a,9bに形成され、湾曲部支持面10aが保持部10に形成される。このようにすると、複数組のナイフホルダ5a,5bと他方のナイフホルダ7とに没入されたナイフ11,12の略中央部が外部に露出するので、ナイフ11とナイフ12とを指先でつまんで簡単に取り出すことができる。また、複数組のナイフホルダ5a,5b及び他方のナイフホルダ7の上端面には、カバー3の閉鎖部3aを下方に押圧するための鍔部5a2,5b2,7bが設けられる。なお、前記本体2には、保持部9a,9b同士、保持部9aと保持部10、保持部9bと保持部10、保持部9bと側壁2e、保持部9aと側壁2eとを連結させてリブ2hが設けられる。
【0012】
図1において、カバー3のフランジ部3b,3bを外側に開きながら本体2の側壁2b,2bに沿わせてカバー3を下方に押し込むと、カバーの係合部3e,3eが本体2の底部縁2d,2dに係合し、本体2に、図2に示されるようにカバー3が一体化する。この後、カバー3の挿入口6a,6b,8にそれぞれナイフホルダ5a,5b,7を挿入すると、ナイフホルダ5a,5b,7は、挿入口6a,6b,8に案内されながら内部に侵入し、本体2の内底面2iに一体化されている保持部9a,9b,10に嵌合する。ナイフホルダ5a,5b,7をさらに押し込むと、ナイフホルダ5a,5b,7の鍔部5a2,5b2,7bがカバー3の閉鎖部3aに着座する。この状態では、保持部9a,9b,10にナイフホルダ5a,5b,7が一体化し、ナイフホルダ5a,5b,7の鍔部5a2,5b2,7bと、ナイフホルダ5a,5b,7の上端面、湾曲部支持面9a1,10aとでカバー3が挟持される。この結果、カバー3は、前後左右、及び上下への移動が抑制され、本体2と一体化する。
【0013】
このため、ナイフホルダ5a,5b,7にナイフ11,12を収容した状態で本体2を手で持って移動しても、ナイフ11,12が安定して収容されているので持ち運びが可能となる。またナイフ11,12の刀身11a,12aの全体を下向きにして、スロット状の挿入部5a1,5b1,7aから内部にナイフ11,12を収容するので全高が低くなる。このため、一般のキッチンの引き出しにも収容が可能となる。さらに、引き出しの中にナイフ立て1が収容された状態でもナイフホルダ5a,5b,7からナイフ11,12を1本ずつ取り出すこともできる。
このように、本実施の形態に係るナイフ立て1によれば、引き出しへの格納、取り出しが良好で、持ち運び、取り扱いが良好となる。また、本体2、ナイフホルダ5a,5b,7、保持部9a,9b,10が樹脂で、カバー3がステンレス等の耐食性の金属板で形成されるので、長期に及んで清浄さが維持される。
【0014】
図3(a)は一組のナイフホルダ5a,5bに対するナイフ11の収容状態を示し、図3(b)はナイフホルダ7に対するナイフ12の収容状態を示す。図3(a)に示すように、スロット状の挿入部5a1,5b1の深さは、ナイフ11の長手方向において、両端が浅く、中央部に向かって順次深くなっている。このようにすると、長さ、切っ先形状の異なった多種のナイフをナイフホルダ5a,5bの全長の範囲内で没入させて収容することが可能となる。もちろん、スロット状の挿入部5a1,5b1の深さは、両端部において、ナイフ11の刀身11a及び柄11bが完全に没入する寸法に決定され、中央部での深さは、前記凹部2f,2fによりナイフ11の中央部が両側に露出されるように決定される。
【0015】
また、図3(b)に示すように、スロット状の挿入部7aの底面はナイフ12の長手方向において、両端が浅く、中央部に向かって順次深くなっている。このため、ナイフホルダ5a,5bと同様に、長さ、切っ先形状の異なった多種のナイフをナイフホルダ7の全長の範囲内で没入させて収容することが可能となる。もちろん、スロット状の挿入部7aの深さは、両端部において、ナイフ12の刀身12a及び柄12bが完全に没入する寸法に決定され、中央部での深さは、前記凹部2f,2fによりナイフ12の中央部が両側に露出されるように決定される。なお、スロット状の挿入部7aの底面に、種別の異なるナイフ11,12の切っ先、柄を位置き決めするための凹所(図示せず)を複数設けてもよい。このようにすると、凹所によってナイフ11,12の長手方向の移動が規制されるので、安定した持ち運びが可能となる。
【0016】
なお、本実施の形態では、複数組のナイフホルダ5a,5bとは別に長いナイフ12を収容するためのナイフホルダ7を設置する説明をしたが、図4に示すように、複数のナイフホルダ7…を設置してもよい。この場合、各ナイフホルダ7の底面には全長、切っ先形状の異なった、多種のナイフを収容できるよう、ナイフ12の切っ先、柄をそれぞれ位置き決めするための凹所(図示せず)を設けて、安定性を確保するものとする。
【0017】
また、図4のA−A線断面図である図5に示されるように、ナイフホルダ7の底面部及び本体2の底面部に、水滴を抜くための水抜き孔15,16を設けてもよい。このようにすると、より衛生的に使用をすることができる。
【0018】
さらに、図4のB−B線断面図である図6に示すように、本体2の底面の下縁部と上縁部とに、本体2の多段重ねを可能とする重合部2k,2jを設けてもよい。このように多段重ねを可能とすると、キッチンのスペース、食器棚の収容スペースを大幅に節約することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したことから明らかなようにこの発明によれば次の如き優れた効果を発揮する。
(1)ナイフを収容した状態でナイフ立てを手で持って移動しても、ナイフが安定しているので持ち運びが容易となる。また、全体の高さが低くなるので、一般のキッチンの引き出しに収容することができる。さらに、引き出しの中に収容した状態でもナイフを取り出すことができる(請求項1)。
(2)簡単な構造で、本体にカバーを取り付けることができるとともに、分解が容易なのでナイフ立てを清浄に保つことができる(請求項2)。
(3)他の締結部材(機械要素)を用いることなく、本体にカバーを一体化させることができる(請求項3)。
(4)ナイフホルダの全長の範囲内で、長さ、切っ先形状の異なる多種のナイフを収容することができる(請求項4)。
(5)長期に及んでナイフ立ての清潔さを維持できる(請求項5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るナイフ立ての構造を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るナイフ立ての外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るナイフ立ての断面図を示し、図3(a)は一組のナイフホルダに対するナイフの収容状態を示す断面図、図3(b)はナイフホルダに対するナイフの収容状態を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るナイフ立ての他の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るナイフ立てを示し、ナイフホルダの底面部及び本体の底面部に水滴を落とすための水抜き孔を設けた図4のA−A線断面矢視図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るナイフ立てを示し、本体の底面の下縁部と上縁部とに、本体の多段重ねを可能とする重合部を設けた図4のB−B線断面矢視図である。
【符号の説明】
1 ナイフ立て
2 本体
2a 上部開口
3 カバー
5a ナイフホルダ
5a1 スロット状の挿入部
5b ナイフホルダ
5b1 スロット状の挿入部
6a 挿入口
6b 挿入口
7 ナイフホルダ
7a スロット状の挿入部
8 挿入口
9a 保持部
9b 保持部
10 保持部
11 ナイフ
11a 刀身
11b 柄
12 ナイフ
12a 刀身
12b 柄
【発明の属する技術分野】
この発明は調理用ナイフ等のナイフ立てに関するものであり、特に、複数のナイフを横向きに立てるようにしたナイフ立てに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、調理用ナイフを整理するためのナイフ立てには、木製、樹脂、又は金属により形成されたものがある。この種、従来のナイフ立てとしては、ナイフの刀身を立てておくものや、ナイフの刃先全体を下向きに立てておくものが知られている。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者のナイフ立てのようにナイフの刀身を立てておくようにすると、重心が上側に存在することになるので、不注意により、あるいは、振動により倒れたりすることがある。また、ナイフを挿入した状態では、引き出しの中に格納しておくこともできない。これに対し、後者のナイフ立ては、引き出しの中に収容することができるが、引き出しの中からの取り出しが困難となる。
【0003】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、引き出しへの格納、取り出しが良好で、持ち運び等、取り扱いが容易なナイフ立てを提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、容器状の本体の上部開口が金属製のカバーで覆われているナイフ立てであって、前記カバーには、前記本体内にナイフホルダの基端部を上方から挿入させるための挿入口が形成され、前記本体の内底面には、前記挿入口に案内されて前記本体内に挿入された前記ナイフホルダの基端部を嵌合させて保持する保持部が設けられ、前記ナイフホルダには、刃先全体を下方に向けてナイフを内部に没入させるスロット状の挿入部が設けられ、前記本体、前記ナイフホルダ及び前記カバーは、前記ナイフの一部を外部に露出させてナイフの取り出しが可能に形成されているナイフ立てを提供するものである。
このようにすると、ナイフを収容した状態でナイフ立てを手で持って移動しても、ナイフが安定しているので持ち運びが容易となる。また、全高が低くなるので、一般のキッチンの引き出しに収容することができる。さらに、引き出しの中に収容された状態でもナイフを取り出すことができる。
【0005】
請求項2記載の発明は、前記本体の底縁部に弾性的に係合する係合部が前記カバーに設けられたナイフ立てを提供するものである。
このようにすると簡単な構造で、本体にカバーを取り付けることができるとともに、分解によりナイフ立ての清浄さを保つことができる。
【0006】
請求項3記載の発明は、前記保持部の上端面に前記カバーの下面が当接され、前記カバーを外側から抑え込んで前記保持部の上端面にカバーを固定させるための鍔部が前記ナイフホルダの上端面に設けられたナイフ立てを提供するものである。
このようにすると、他の締結部材(機械要素)を用いることなく、本体にカバーを一体化することができる。
【0007】
請求項4記載の発明は、前記スロット状の挿入部の底面が、長さ、切っ先形状の異なるナイフの収容を可能とすべくナイフの長手方向の両端側で高く長手方向の中央側で低い斜面によって構成されたナイフ立てを提供するものである。
このようにすると、ナイフホルダの全長の範囲内で、長さ、切っ先形状の異なる多種のナイフを収容することができる。
【0008】
請求項5記載の発明は、前記カバーが耐食性の金属板で形成され、前記保持部と本体とは樹脂により一体成形され、前記ナイフホルダは樹脂により成形されたナイフ立てを提供するものである。
本体、ナイフ立て、保持部が樹脂で形成され、さらに、カバーが耐食性の金属板で形成されるので、長期に及んで清浄さが維持される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施の形態に係るナイフ立てを説明する。
図1は全長の長いナイフと全長の短いナイフとを横向きに立てるナイフ立ての構造を示し、図2は組み立て後の外観を示す。図1に示すように、ナイフ立て1の本体2は、上部に開口する箱形に形成されており、本体2の上部開口2aは上方側から取り付けられるカバー3の閉鎖部3aによって閉鎖される。
【0010】
カバー3はステンレス等の耐食性金属板で形成されており、カバー3の閉鎖部3aの両側には、本体2の相対峙する一対の側壁2b,2bに嵌合するフランジ部3b,3bが連接され、フランジ部3b,3bの下端に、本体2の底縁部2dと係脱自在に係合する係合部3e,3eが連接される。係合部3e,3eは、例えば、爪状に形成される。
カバー3の閉鎖部3aには、複数組のナイフホルダ5a,5bを本体2内に挿入させるための複数組の挿入口6a,6bと、全長の長いナイフホルダ7を本体2内に挿入させるための挿入口8とが形成されており、本体2の内底面2iには、複数組のナイフホルダ5a,5bの基端部をそれぞれ嵌合させて保持するための複数組の保持部9a,9bと、ナイフホルダ7を嵌合させて本体2に保持するための保持部10とが設けられる。
複数組の保持部9a,9b及び他方の保持部10は、本体2の内底面2iに一体成形され、また、本体2、複数組のナイフホルダ5a,5b及びナイフホルダ7は樹脂により成形される。
ナイフホルダ5a,5bには、ナイフ11の刃先全体を下向きにして刀身11aと柄11bを内部に没入させるためスロットの挿入部5a1,5b1が設けられ、ナイフホルダ7には、ナイフ12の刃先全体を下向きにして刀身12aと柄12bを内部に没入させるスロット状の挿入部7aが設けられる。
【0011】
また、本体2の他方の側壁2e,2eの略中央部には、上端面より下方に窪んだ凹部2f,2fが設けられ、凹部2f,2fに着座する湾曲部3fがカバー3に形成される。そして、カバー3の湾曲部3fの下面を支持するための湾曲部支持面9a1が保持部9a,9bに形成され、湾曲部支持面10aが保持部10に形成される。このようにすると、複数組のナイフホルダ5a,5bと他方のナイフホルダ7とに没入されたナイフ11,12の略中央部が外部に露出するので、ナイフ11とナイフ12とを指先でつまんで簡単に取り出すことができる。また、複数組のナイフホルダ5a,5b及び他方のナイフホルダ7の上端面には、カバー3の閉鎖部3aを下方に押圧するための鍔部5a2,5b2,7bが設けられる。なお、前記本体2には、保持部9a,9b同士、保持部9aと保持部10、保持部9bと保持部10、保持部9bと側壁2e、保持部9aと側壁2eとを連結させてリブ2hが設けられる。
【0012】
図1において、カバー3のフランジ部3b,3bを外側に開きながら本体2の側壁2b,2bに沿わせてカバー3を下方に押し込むと、カバーの係合部3e,3eが本体2の底部縁2d,2dに係合し、本体2に、図2に示されるようにカバー3が一体化する。この後、カバー3の挿入口6a,6b,8にそれぞれナイフホルダ5a,5b,7を挿入すると、ナイフホルダ5a,5b,7は、挿入口6a,6b,8に案内されながら内部に侵入し、本体2の内底面2iに一体化されている保持部9a,9b,10に嵌合する。ナイフホルダ5a,5b,7をさらに押し込むと、ナイフホルダ5a,5b,7の鍔部5a2,5b2,7bがカバー3の閉鎖部3aに着座する。この状態では、保持部9a,9b,10にナイフホルダ5a,5b,7が一体化し、ナイフホルダ5a,5b,7の鍔部5a2,5b2,7bと、ナイフホルダ5a,5b,7の上端面、湾曲部支持面9a1,10aとでカバー3が挟持される。この結果、カバー3は、前後左右、及び上下への移動が抑制され、本体2と一体化する。
【0013】
このため、ナイフホルダ5a,5b,7にナイフ11,12を収容した状態で本体2を手で持って移動しても、ナイフ11,12が安定して収容されているので持ち運びが可能となる。またナイフ11,12の刀身11a,12aの全体を下向きにして、スロット状の挿入部5a1,5b1,7aから内部にナイフ11,12を収容するので全高が低くなる。このため、一般のキッチンの引き出しにも収容が可能となる。さらに、引き出しの中にナイフ立て1が収容された状態でもナイフホルダ5a,5b,7からナイフ11,12を1本ずつ取り出すこともできる。
このように、本実施の形態に係るナイフ立て1によれば、引き出しへの格納、取り出しが良好で、持ち運び、取り扱いが良好となる。また、本体2、ナイフホルダ5a,5b,7、保持部9a,9b,10が樹脂で、カバー3がステンレス等の耐食性の金属板で形成されるので、長期に及んで清浄さが維持される。
【0014】
図3(a)は一組のナイフホルダ5a,5bに対するナイフ11の収容状態を示し、図3(b)はナイフホルダ7に対するナイフ12の収容状態を示す。図3(a)に示すように、スロット状の挿入部5a1,5b1の深さは、ナイフ11の長手方向において、両端が浅く、中央部に向かって順次深くなっている。このようにすると、長さ、切っ先形状の異なった多種のナイフをナイフホルダ5a,5bの全長の範囲内で没入させて収容することが可能となる。もちろん、スロット状の挿入部5a1,5b1の深さは、両端部において、ナイフ11の刀身11a及び柄11bが完全に没入する寸法に決定され、中央部での深さは、前記凹部2f,2fによりナイフ11の中央部が両側に露出されるように決定される。
【0015】
また、図3(b)に示すように、スロット状の挿入部7aの底面はナイフ12の長手方向において、両端が浅く、中央部に向かって順次深くなっている。このため、ナイフホルダ5a,5bと同様に、長さ、切っ先形状の異なった多種のナイフをナイフホルダ7の全長の範囲内で没入させて収容することが可能となる。もちろん、スロット状の挿入部7aの深さは、両端部において、ナイフ12の刀身12a及び柄12bが完全に没入する寸法に決定され、中央部での深さは、前記凹部2f,2fによりナイフ12の中央部が両側に露出されるように決定される。なお、スロット状の挿入部7aの底面に、種別の異なるナイフ11,12の切っ先、柄を位置き決めするための凹所(図示せず)を複数設けてもよい。このようにすると、凹所によってナイフ11,12の長手方向の移動が規制されるので、安定した持ち運びが可能となる。
【0016】
なお、本実施の形態では、複数組のナイフホルダ5a,5bとは別に長いナイフ12を収容するためのナイフホルダ7を設置する説明をしたが、図4に示すように、複数のナイフホルダ7…を設置してもよい。この場合、各ナイフホルダ7の底面には全長、切っ先形状の異なった、多種のナイフを収容できるよう、ナイフ12の切っ先、柄をそれぞれ位置き決めするための凹所(図示せず)を設けて、安定性を確保するものとする。
【0017】
また、図4のA−A線断面図である図5に示されるように、ナイフホルダ7の底面部及び本体2の底面部に、水滴を抜くための水抜き孔15,16を設けてもよい。このようにすると、より衛生的に使用をすることができる。
【0018】
さらに、図4のB−B線断面図である図6に示すように、本体2の底面の下縁部と上縁部とに、本体2の多段重ねを可能とする重合部2k,2jを設けてもよい。このように多段重ねを可能とすると、キッチンのスペース、食器棚の収容スペースを大幅に節約することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したことから明らかなようにこの発明によれば次の如き優れた効果を発揮する。
(1)ナイフを収容した状態でナイフ立てを手で持って移動しても、ナイフが安定しているので持ち運びが容易となる。また、全体の高さが低くなるので、一般のキッチンの引き出しに収容することができる。さらに、引き出しの中に収容した状態でもナイフを取り出すことができる(請求項1)。
(2)簡単な構造で、本体にカバーを取り付けることができるとともに、分解が容易なのでナイフ立てを清浄に保つことができる(請求項2)。
(3)他の締結部材(機械要素)を用いることなく、本体にカバーを一体化させることができる(請求項3)。
(4)ナイフホルダの全長の範囲内で、長さ、切っ先形状の異なる多種のナイフを収容することができる(請求項4)。
(5)長期に及んでナイフ立ての清潔さを維持できる(請求項5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るナイフ立ての構造を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るナイフ立ての外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るナイフ立ての断面図を示し、図3(a)は一組のナイフホルダに対するナイフの収容状態を示す断面図、図3(b)はナイフホルダに対するナイフの収容状態を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るナイフ立ての他の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るナイフ立てを示し、ナイフホルダの底面部及び本体の底面部に水滴を落とすための水抜き孔を設けた図4のA−A線断面矢視図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るナイフ立てを示し、本体の底面の下縁部と上縁部とに、本体の多段重ねを可能とする重合部を設けた図4のB−B線断面矢視図である。
【符号の説明】
1 ナイフ立て
2 本体
2a 上部開口
3 カバー
5a ナイフホルダ
5a1 スロット状の挿入部
5b ナイフホルダ
5b1 スロット状の挿入部
6a 挿入口
6b 挿入口
7 ナイフホルダ
7a スロット状の挿入部
8 挿入口
9a 保持部
9b 保持部
10 保持部
11 ナイフ
11a 刀身
11b 柄
12 ナイフ
12a 刀身
12b 柄
Claims (5)
- 容器状の本体の上部開口が金属製のカバーで覆われているナイフ立てであって、前記カバーには、前記本体内にナイフホルダの基端部を上方から挿入させるための挿入口が形成され、前記本体の内底面には、前記挿入口に案内されて前記本体内に挿入された前記ナイフホルダの基端部を嵌合させて保持する保持部が設けられ、前記ナイフホルダには、刃先全体を下方に向けてナイフを内部に没入させるスロット状の挿入部が設けられ、前記本体、前記ナイフホルダ及び前記カバーは、前記ナイフの一部を外部に露出させてナイフの取り出しが可能に形成されていることを特徴とするナイフ立て。
- 前記本体の底縁部に弾性的に係合する係合部が前記カバーに設けられた請求項1記載のナイフ立て。
- 前記保持部の上端面に前記カバーの下面が当接され、前記カバーを外側から抑え込んで前記保持部の上端面にカバーを固定させるための鍔部が前記ナイフホルダの上端面に設けられた請求項1又は請求項2記載のナイフ立て。
- 前記スロット状の挿入部の底面が、長さ、切っ先形状の異なるナイフの収容を可能とすべくナイフの長手方向の両端側で高く長手方向の中央側で低い斜面によって構成された請求項1乃至請求項3いずれかに記載のナイフ立て。
- 前記カバーが耐食性の金属板で形成され、前記保持部と本体とは樹脂により一体成形され、前記ナイフホルダは樹脂により成形された請求項1乃至請求項4いずれかに記載のナイフ立て。
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