JP3779219B2 - 車両用インストルメントパネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、車両用インストルメントパネルに関し、特に空調エア通路の構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の車両用インストルメントパネルとして、例えば特開平9−323568号公報に開示されるように、インストルメントパネル本体の裏面に樹脂製のロアダクトを一体的に接合することにより、このパネル本体とロアダクトとの間に空調エアを車室の各部へ導くための空調エア通路を形成するようにしたものが知られている。すなわち、パネル本体にはフロントガラスに向けて空調エアを吹き出させるフロントデフロスタ吹出口が設けられていて、このフロントデフロスタ吹出口に連通する空調エア通路がインストルメントパネル本体とその下面に接合されるロアダクトとによって形成されている。このロアダクトには、該ロアダクトの下面側に配置された空調ユニットで生成された空調エアを前記空調エア通路に導入するための空調エア導入孔が形成されている。この空調エア導入孔は、ロアダクトにおける車幅方向略中央部で車幅方向に延びる略矩形状に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のロアダクトにおいては、空調エア導入孔が車幅方向に延びる細長形状であるので、その導入孔を大量の空調エアが通過したときに、ロアダクトにおける空調エア導入孔の周縁部が空調エアによって振動し、この振動による騒音が発生してしまうという問題があった。また、空調エア導入孔から空調エア通路に導入された空調エアは両サイドに分配され難いために、両サイドからフロントガラスに向かって流出させる空調エアの流量を増大させるのが困難であるという問題があった。
【0004】
さらに、ロアダクトには、空調エア導入孔が開口されているためにロアダクトの剛性が低下し、その結果、全体としてインストルメントパネルの剛性が低下するという問題があった。
【0005】
そこで、本願発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ダクトの振動を低減させると共に、空調エア導入孔を通して導入された空調エアを容易に任意の流量に分配し、さらにはダクトの剛性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本願発明は、空調エア導入孔をその車幅方向中間部で車両前後方向に跨ぐ断面V字状のブリッジを該ダクトと一体に形成するようにしたものである。
【0007】
具体的に、請求項1の発明は、車幅方向に延びるようにフロントデフロスタ吹出口が開口されたインストルメントパネル本体と、前記インストルメントパネル本体の裏面に接合されたダクトとにより空調エア通路が形成され、前記ダクトには、車幅方向略中央部で車幅方向に延びる略矩形状の空調エア導入孔が形成され、前記ダクトの裏面側から空調エア導入孔を通して導入された空調エアを前記空調エア通路に導き、前記フロントデフロスタ吹出口からフロントガラスに向けて吹き出すようにした車両用インストルメントパネルを前提として、前記ダクトにおける空調エア導入孔の車両後側長辺を形成する後側長辺部が、空調エア導入孔の車両前側長辺を形成する前側長辺部よりもダクト表面側に突出し、且つ前記後側長辺部の車両前側の面が車両前側に向かって傾斜しており、前記ダクトには、空調エア導入孔を車両前後方向に跨ぐブリッジが該ダクトと一体に形成され、前記ブリッジは、車両前端部が前記前側長辺部に、車両後端部が前記後側長辺部の上端部にそれぞれ接続されて全体が車両前方に向かって前下がりに傾斜しているとともに、ダクトの裏面側を頂点とし且つダクトの表面側に向かって拡大した断面略V字状に形成されており、前記ブリッジには、該ブリッジの断面V字状の頂部からダクト裏面側に向かって突出するようにリブが延設され、前記リブは、車両後端が前記ダクトの後側長辺部の車両前側の面に一体に接合されているとともに、車両後側から車両前側にいくにしたがって漸次短く形成されている。
【0008】
すなわち、請求項1の発明では、空調エアがダクトの空調エア導入孔を通過するときには、該空調エア導入孔を車両前後方向に跨ぐブリッジによって分流される。そして、この分流された空調エアは、インストルメントパネル本体とダクトとの間に形成された空調エア通路を流通し、フロントデフロスタ吹出口からフロントガラスに向けて吹き出される。
【0009】
そして、前記ブリッジを、ダクトの裏面側を頂点とし且つダクトの表面側に向かって拡大した断面略V字状に形成するようにし、車両前端部を前記前側長辺部に、車両後端部を前記後側長辺部の上端部にそれぞれ接続して全体が車両前方に向かって前下がりに傾斜している。また、前記後側長辺部は、該後側長辺部の車両前側の面が車両前側に向かって傾斜し、前記リブは、車両後側から車両前側にいくにしたがって漸次短く形成されている。そのため、ブリッジによる空気抵抗が最小限となり、空調エアを任意に分流させることが可能となる。
【0010】
また、このブリッジにより、略矩形状の空調エア導入孔の長辺同士を橋渡すような構造としたために、空調エア導入孔付近におけるダクトの剛性を向上させることができる。この結果、空調エアの送風時や自動車の走行時に発生するダクトの振動を低減させることができ、この振動による異音を抑制することができると共に、車両衝突時における乗員に対する安全性を向上させることができる。
【0011】
また、空調エア導入孔の後側長辺部が前側長辺部よりもダクト表面側に突出している。そして、ブリッジには、該ブリッジの断面V字状の頂部からダクト裏面側に向かって突出するようにリブが延設され、このリブの後端は、ダクトの後側長辺部における車両前側の面に一体に接合されている。したがって、ブリッジ及びダクトにおける後側長辺部の剛性をさらに向上させることができる。この結果、空調エアの送風時や自動車の走行時に発生する後側長辺部の振動を低減させることができ、この振動による異音をより一層抑制することができると共に、車両衝突時における乗員に対する安全性をさらに向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2は、本実施形態に係る自動車のインストルメントパネルPを示し、このインストルメントパネルPはその主体をなすインストルメントパネル本体1を備え、その内方で車幅方向に延びるインパネレインフォースメント(図示せず)に支持されて車体に取り付けられている。前記インストルメントパネル本体1は、樹脂材料を射出成形してなり、フロントガラス(図示せず)下端部近傍から車室内方(車体後方)へ略水平に延びる上壁部2とこの上壁部2の車両後縁端から下方へ延びる縦壁部3とを有する。尚、符号4は計器盤が装着されるメータフードであり、また符号5は助手席用エアバッグ装置(図示せず)の配設部である。この実施形態のインストルメントパネルPは運転席が車体左側に位置する左ハンドル車用のものである。
【0014】
前記インストルメントパネル本体1の上壁部2表面の車体前側には、車幅方向略全体に亘って延びるフロントデフロスタ吹出口7が形成されているとともに、該フロントデフロスタ吹出口7の車両後方でインストルメントパネル本体1の車幅方向に対する両縁端部近傍には、サイドデフロスタ吹出口8,8がそれぞれ形成されている。また、インストルメントパネル本体1の縦壁部3表面には、車幅方向略中央部及び両縁端部近傍にセンタエア吹出部10,11,12及びサイド吹出口9,9が形成されている。このセンタエア吹出部10,11,12は、同じ形状のものが車幅方向に互いに離れて3つ並設されており、助手席側から順に第1吹出口10、第2吹出口11、第3吹出口12とされている。第1〜第3吹出口10〜12の上部及び下部にはそれぞれオーディオ装置等の配設孔13a,13bが形成されている。
【0015】
前記インストルメントパネル本体1の裏面には、図2に示すように、樹脂材料を射出成形してなるパネル状のロアダクト15が接合されている。ロアダクト15の下方には、空調エアを生成するための空調ユニット14が配設されている。そして、インストルメントパネル本体1とロアダクト15とにより、空調ユニット14で生成された空調エアを前記各吹出口7〜12へ導くための空調エア通路が形成されている。
【0016】
まず、空調ユニット14について説明する。この空調ユニット14は、図1に示すように、車幅方向の略中央部に配置された空調部16とこの空調部16よりも助手席側(車幅方向一側)に離れて配置された送風部17とからなり、両者16、17は互いの下方側が送風ダクト18により接続されている。前記送風部17は、空気取入口19とシロッコファン20とを有するとともに、該シロッコファン20を図示しないモータによって駆動して空気取入口19から空気を取り入れてその空気を送風ダクト18を介して空調部16へ送風するように構成されている。
【0017】
一方、空調部16は、エバポレータ及びヒータコア(ともに図示せず)を収容する矩形箱状のケーシング21を有するとともに、送風部17からの空気をケーシング21の助手席側壁部の下方から導入してエバポレータないしヒータコアを通過をさせて空調エアとした後、この空調エアをケーシング21の上部に設けられた吹出部22から前記ロアダクト15の略中央部に向かって吹き出させるように構成されている。
【0018】
前記ロアダクト15は、図3に示すように、全体としてインストルメントパネル本体1の上壁部2に対応する大きさ及び形状に形成されている。このロアダクト15の車両前端側には、上面が開放された断面略コ字状のデフロスタ用溝部23が車幅方向全体に亘って延びるように形成されている。このロアダクト15のデフロスタ用溝部23とインストルメントパネル本体1の上壁部2とによって前記フロントデフロスタ吹出口7及びサイドデフロスタ吹出口8,8に連通可能に構成されるデフロスタ用空調エア通路23aが形成されている。デフロスタ用溝部23の底部における車幅方向の略中央部には、前記空調部16における空調エアの吹出部22に連通可能に構成された空調エア導入孔であるデフロスタ用空調エア取入口24aが開口されている。このデフロスタ用空調エア取入口24aは、空調ユニット14で生成された空調エアを空調エア通路23a内に導入させるためのものであり、車幅方向に延びる略矩形状に形成されている。そして、ロアダクト15には、本願発明の特徴としてデフロスタ用空調エア取入口24aの車幅方向の略中央において、このデフロスタ用空調エア取入口24aを車両前後方向に跨ぐブリッジ45が一体に形成されている。このブリッジ45の詳細については後述する。
【0019】
前記ロアダクト15の運転席側には、前記インストルメントパネル本体1のメータフード4に対応した形状に凹設された切欠部25が形成される一方、助手席側には、エアバッグ装置の配設部5に対応した位置に形成された開口部26が設けられている。これら切欠部25と開口部26との間には、裏面に向かって突出するように形成された平面視略矩形状の中央凹部28が形成されている。このロアダクト15の中央凹部28と前記インストルメントパネル本体1の上壁部2とによって前記インストルメントパネル本体1の第1〜第3吹出口10〜12に連通可能に構成されるセンタ用空調エア通路28aが形成されている。
【0020】
前記中央凹部28の車両前側の前側壁部29はロアダクト15の車両前後方向の略中央部に位置し、また前記中央凹部28の後側壁部30はロアダクト15の車両後側端部に位置していて、この中央凹部28の前側壁部29及び後側壁部30は対向して互いに略平行に形成されている。また前記中央凹部28の運転席側壁部31及び助手席側壁部32も互いに略平行に車両前後方向に延びるように形成されている。
【0021】
前記デフロスタ用溝部23と中央凹部28との間に位置するロアダクト15の車幅方向の略中央部は、その車両前側の縁端部がデフロスタ用溝部23に接合される一方、車両後側の縁端部が前記中央凹部28の前側壁部29における上端と接合されている。このロアダクト15の中央部は、平面視略矩形状に形成されており、その裏面側の空間が前記空調エア吹出部22に連通可能に形成されたセンタ用空調エア取入口24bとされている。
【0022】
前記中央凹部28の車体前側壁部29には、前記センタ用空調エア取入口24bから取り入れた空調エアを前記センタ用空調エア通路28aに導入する略矩形状の空調エア取入口34が形成される一方、後側壁部30には、インストルメントパネル本体1の第1〜第3吹出口10〜12のそれぞれに対応するように3つの切欠部35,35,35が形成されている。この空調エア取入口34は、車体前後方向から見て、第1吹出口10の助手席側端部から第3吹出口12の車幅方向中間部に亘って連続して開口されている。
【0023】
そして、空調ユニット14のケーシング21上面の吹出部22から吹き出された空調エアは、センタ用空調エア取入口24bに流入した後、空調エア取入口34からセンタ用空調エア通路28aを流通して車体後方へ流れ、第1〜第3吹出口10〜12を介して車室に吹き出すようになっている。
【0024】
前記ロアダクト15における中央凹部28の両側側方には、該中央凹部28からインストルメントパネル本体1のサイド吹出口9,9まで延びるように上面が開放された断面略コ字状のサイド用溝部36、37がそれぞれ形成されている。運転席側のサイド用溝部36は、前記メータフード4に対応する切欠部25の周囲を周り込むように設けられている。また、運転席側のサイド用溝部36の側壁部における中央側端部には、前記空調ユニット14の吹出部22から吹き出された空調エアをサイド用溝部36に流入させるための運転席側サイド用開口部38が形成されている。
【0025】
助手席側のサイド用溝部37は助手席用エアバッグ装置の配設用開口部26の車両後側を周り込むように形成されている。また、助手席側のサイド用溝部37の低部における中央側端部には、前記空調ユニット14の吹出部22から吹き出された空調エアをサイド用溝部37に流入させるための助手席側サイド用開口部39が形成されている。
【0026】
このロアダクト15のサイド用溝部36,37とインストルメントパネル本体1の上壁部2とによってサイド吹出口9,9に連通するサイド用空調エア通路36a,37aが形成されている。
【0027】
前記ロアダクト15の車両前後方向の両縁端部、各溝部23、36、37の上端部及びエアバッグ配設用の開口部26の周縁部等には図示しない突条部が形成されていて、この突条部をインストルメントパネル本体1の裏面に振動溶着することで、ロアダクト15がインストルメントパネル本体1へ接合されるとともに、各空調エア通路からの空調エアの漏れが防止されるようになっている。
【0028】
本願発明の特徴として、図4〜図7に示すように、デフロスタ用空調エア取入口24aのブリッジ45は、該取入口24aの車幅方向の略中央に設けられると共に、ロアダクト15の裏面側を頂点とし且つロアダクト15の表面側に向かって拡大した断面略V字状に形成されている。つまり、このブリッジ45は、V字の頂部が空調ユニット14の吹出部22寄り、即ち空調エアの流れ方向における上流側に配置される一方、V字の拡大部がロアダクト15の表面側寄り、即ち空調エアの流れ方向における下流側に配置されるように形成されている。V字のテーパは左右で略同一とされている。このことにより、空調エアがデフロスタ用空調エア取入口24aを流れる際に、ブリッジ45による空気抵抗が最小限となり、両サイドに2つに均等に分流されると共に該分流した空調エアが略同じ流速で流れるようになっている。
【0029】
デフロスタ用空調エア取入口24aの車両後側長辺には、該後側長辺からロアダクト15の表面側に向かい且つ車両前側に向かって突出する板状の後側長辺部47が一体に形成されている。つまり、後側長辺部47が前側長辺部48よりもロアダクト15の表面側に突出し、且つ前記後側長辺部47の車両前側の面が車両前側に向かって傾斜している。この後側長辺部47は、デフロスタ用空調エア取入口24aを上方に向かって通過した空調エアを車両前方に偏向するためのものであり、車幅方向に延びる略矩形状に形成されている。そして、この後側長辺部47の後側面には、車両前後方向に向かって延び且つロアダクト15の表面側に突出した一対の後側リブ49,49が互いに平行に形成されている。この後側リブ49,49は、車両側方から見て略逆三角形状に形成されている。
【0030】
デフロスタ用空調エア取入口24aの車両前側長辺の略中央付近には、前側長辺部48から車両後側に向かって延設された水平板状の前側延設部50が形成されている。この前側延設部50には、車両前後方向に向かって延び且つロアダクト15の表面側に突出した一対の前側リブ51,51が互いに平行に形成されている。これら両前側リブ51,51は、前記後側リブ49,49の延長線上に配置されている。これら両前側リブ51,51の間において、前記前側延設部50から更に車両後側に向かって突出するように平面視略台形状の突起部52が形成されている。
【0031】
前記ブリッジ45は、車両前端部が前側長辺部48から延設された突起部52の後端部に、車両後端部が後側長辺部47の上端部にそれぞれ接続されて全体が車両前方に向かって前下がりに傾斜しており、このブリッジ45の左右(車幅方向)両端における前端がそれぞれ各前側リブ51,51に接合されている。つまり、このブリッジ45は、車両後側ほどロアダクト15の表面側に位置(突出)するように傾斜してデフロスタ用空調エア取入口24aを跨いで形成されている。
【0032】
図4に示すように、前記ブリッジ45の表面側には、互いに平行に配置された2枚の補強リブ53,54がブリッジ45に一体に設けられている。このうちの前側に配置された一方の補強リブ53は、台形状に形成されてブリッジ45の車両前後方向の略中央に配置されていて、その下端がV字の頂部付近においてロアダクト15の突起部52の後端と接合され、補強リブ53の上端がV字の拡大部側に接合されている。また、他方の補強リブ54は、三角形状に形成されてブリッジ45の後端付近に配置されていて、その上端に相当する後端がV字の拡大部側に接合されると共に、取入口24aの後側長辺部47における上端と接合されている。これら2枚の補強リブ53,54は、ロアダクト15の成形時において型から抜き出すときの抜き出し方向に平行な方向とされている。
【0033】
前記ブリッジ45には、その裏面においてV字の頂部から前記空調ユニット14の吹出部22方向、すなわちロアダクト15の裏面側に向かって延びるように突出する延設リブ56が一体に形成されている(図7参照)。この延設リブ56は、車両後側から車両前側にいくにしたがって漸次短く形成され、車両側方から見て三角形状に形成されており、その後端部が取入口24aの後側長辺部47に接合されて、該後側長辺部47の車両前側の面に一体に接合されいる。この延設リブ56を設けることによりブリッジ45及び後側長辺部47が補強されている。
【0034】
上述の如く構成されたインストルメントパネルPの空調エア通路では、前記空調ユニット14のシロッコファン20を駆動すると、図1に矢印で示すように送風部17の空気取入口19から取り入れられた空気が助手席側から送風ダクト18を通って車幅方向中央部へ向かって流れて、空調部16のケーシング21内で上方へ向けられてロアダクト15のデフロスタ用空調エア取入口24a、センタ用空調エア取入口24b及びサイド用開口部38,39に流入する。そして、図3に矢印で示すように、デフロスタ用空調エア取入口24aを通過する空調エアは、ブリッジ45によって左右2つに均等に分流され、これら分流された空調エアは、それぞれデフロスタ用空調エア通路23aを流通し、フロントデフロスタ吹出口7及びサイドデフロスタ吹出口8,8からフロントガラスの下端に向かって吹き出される。
【0035】
一方、センタ用空調エア取入口24bに流入した空調エアは、空調エア取入口34を通過した後、センタ用空調エア通路28aを流通して車体後方へと流れ、第1〜第3吹出口10〜12を介して車室に吹き出される。また、サイド用開口部38,39を通過した空調エアは、サイド用空調エア通路36a,37aを流通し、サイド吹出口9,9を介して車室に吹き出される。
【0036】
以上説明したように、本実施形態に係るインストルメントパネルPによれば、空調エアがロアダクト15に形成されたデフロスタ用空調エア取入口24aを通過するときには、該デフロスタ用空調エア取入口24aを車両前後方向に跨ぐブリッジ45によって分流される。そして、この分流された空調エアは、インストルメントパネル本体1とロアダクト15との間に形成されたデフロスタ用空調エア通路23aを流通し、フロントデフロスタ吹出口7及びサイドデフロスタ吹出口8,8からフロントガラス及び車室左右両側に向けて吹き出される。
【0037】
そして、前記ブリッジ45を、ロアダクト15の裏面側を頂点とし且つロアダクト15の表面側に向かって拡大した断面略V字状に形成するようにし、車両前端部を前記前側長辺部48に、車両後端部を前記後側長辺部47の上端部にそれぞれ接続して全体が車両前方に向かって前下がりに傾斜している。また、前記後側長辺部47は、該後側長辺部47の車両前側の面が車両前側に向かって傾斜し、延設リブ56は、車両後側から車両前側にいくにしたがって漸次短く形成されている。そのため、ブリッジ45による空気抵抗を最小限にすることができると共に空調エア流量を任意に分流させることが可能となる。また、ブリッジ45により、略矩形状のデフロスタ用空調エア取入口24aの長辺同士を橋渡すようにしたために、デフロスタ用空調エア取入口24a付近におけるロアダクト15の剛性を向上させることができる。この結果、空調エアの送風時や自動車の走行時に発生するロアダクト15の振動を低減させることができ、この振動による異音を抑制することができると共に、車両衝突時における乗員に対する安全性を向上させることができる。
【0038】
また、デフロスタ用空調エア取入口24aの後側長辺部47が前側長辺部48よりもロアダクト15表面側に突出している。そして、ブリッジ45の断面V字状の頂部からロアダクト15裏面側に向かって突出するように延設リブ56がブリッジ45に設けられ、この延設リブ56の車両後端は、ロアダクト15の後側長辺部47の車両前側の面に一体に接合されている。したがって、ブリッジ45及びロアダクト15の後側長辺部47の剛性をさらに向上させることができる。この結果、空調エアの送風時や自動車の走行時に発生する後側長辺部47の振動を低減させることができ、この振動による異音を抑制することができると共に、車両衝突時における乗員に対する安全性をさらに向上させることができる。
【0039】
【発明のその他の実施の形態】
前記実施形態では、ブリッジ45を車幅方向の略中央に設けると共にV字の両テーパを略同一に構成するようにしたが、これに代え、ブリッジ45をデフロスタ用空調エア取入口24aにおいて車幅方向中間部の任意の位置に設ける構成としてもよい。この場合において、V字の両テーパを互いに変えることで分流した空調エアの流量を任意に調整することができる。例えば、デフロスタ用空調エア取入口24aを車幅方向中央に開口し、ブリッジ45を該取入口24aの車幅方向の中央よりも運転席側に設けた場合には、ブリッジ45の運転席側テーパをより立てると共に助手席側のテーパをより寝かせることで、分流された空調エアの流量を左右で略同一とすることが可能である。また、ブリッジ45は、複数設ける構成であってもよい。
【0040】
また、前記実施形態ではデフロスタ用空調エア取入口24aを車幅方向の略中央部に形成する構成としたが、取入口24aを車幅方向の例えば運転席側に若干ずれる位置に開口するような場合であってブリッジ45を取入口24aの車幅方向中央部に形成する際には、ブリッジ45は、運転席側テーパをより寝かせると共に助手席側テーパをより立てる構成とすることで、分流された空調エアの流量を左右で略同一とすることが可能である。
【0041】
また、前記実施形態について、ブリッジ45に一体に形成された延設リブ56を省略した構成としてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、ブリッジは、ロアダクトの裏面側 を頂点とし且つロアダクトの表面側に向かって拡大した断面略V字状に形成されているとともに、後側長辺部が、前側長辺部よりもロアダクトの表面側に突出し、且つ前記後側長辺部の車両前側の面が車両前側に向かって傾斜してデフロスタ用空調エア取入口を上方に向かって通過した空調エアを車両前方に偏向する。そのため、前記ブリッジによる空気抵抗を最小限に抑制すると共に、空調エア流量を任意に分流させることできる。また、空調エア導入孔付近におけるダクトの剛性を向上させることができるために、空調エアの送風時や自動車の走行時に発生するダクトの振動を低減させることができ、この振動による異音を抑制することができると共に、車両衝突時における乗員に対する安全性を向上させることができる。
【0043】
また、ブリッジとダクトの後側長辺部とが延設リブにより接合されているので、ブリッジ及びダクトの後側長辺部の剛性をさらに向上させることができる。この結果、空調エアの送風時や自動車の走行時に発生する後側長辺部の振動を低減させることができ、この振動による異音を一層抑制することができると共に、車両衝突時における乗員に対する安全性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係るインストルメントパネルの正面図である。
【図2】 実施形態に係るインストルメントパネルの平面図である。
【図3】 ロアダクトの平面図である。
【図4】 デフロスタ用空調エア取入口付近を示すロアダクトの部分拡大図である。
【図5】 図4のV−V線における断面図である。
【図6】 図4のVI−VI線における断面図である。
【図7】 図4のVII−VII線における断面図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル本体
7 フロントデフロスタ吹出口
15 ロアダクト(ダクト)
24a デフロスタ用空調エア取入口(空調エア導入孔)
45 ブリッジ
47 後側長辺部
48 前側長辺部
56 延設リブ(リブ)
P インストルメントパネル
Claims (1)
- 車幅方向に延びるようにフロントデフロスタ吹出口が開口されたインストルメントパネル本体と、前記インストルメントパネル本体の裏面に接合されたダクトとにより空調エア通路が形成され、
前記ダクトには、車幅方向略中央部で車幅方向に延びる略矩形状の空調エア導入孔が形成され、
前記ダクトの裏面側から空調エア導入孔を通して導入された空調エアを前記空調エア通路に導き、前記フロントデフロスタ吹出口からフロントガラスに向けて吹き出すようにした車両用インストルメントパネルにおいて、
前記ダクトにおける空調エア導入孔の車両後側長辺を形成する後側長辺部が、空調エア導入孔の車両前側長辺を形成する前側長辺部よりもダクト表面側に突出し、且つ前記後側長辺部の車両前側の面が車両前側に向かって傾斜しており、
前記ダクトには、空調エア導入孔を車両前後方向に跨ぐブリッジが該ダクトと一体に形成され、
前記ブリッジは、車両前端部が前記前側長辺部に、車両後端部が前記後側長辺部の上端部にそれぞれ接続されて全体が車両前方に向かって前下がりに傾斜しているとともに、ダクトの裏面側を頂点とし且つダクトの表面側に向かって拡大した断面略V字状に形成されており、
前記ブリッジには、該ブリッジの断面V字状の頂部からダクト裏面側に向かって突出するようにリブが延設され、
前記リブは、車両後端が前記ダクトの後側長辺部の車両前側の面に一体に接合されているとともに、車両後側から車両前側にいくにしたがって漸次短く形成されていることを特徴とする車両用インストルメントパネル。
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